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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022134145
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】電圧監視装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 19/00 20060101AFI20220908BHJP
   G05F 1/10 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
G01R19/00 B
G05F1/10 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021033072
(22)【出願日】2021-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】715010864
【氏名又は名称】エイブリック株式会社
(72)【発明者】
【氏名】周藤 曜一
(72)【発明者】
【氏名】桜井 敦司
【テーマコード(参考)】
2G035
5H410
【Fターム(参考)】
2G035AB03
2G035AC01
2G035AC19
2G035AD03
2G035AD11
2G035AD23
2G035AD28
2G035AD38
2G035AD47
2G035AD51
2G035AD66
5H410CC02
5H410DD02
5H410EA12
5H410EB25
5H410FF03
5H410FF24
5H410GG02
5H410GG05
5H410LL04
5H410LL13
(57)【要約】
【課題】 電圧監視装置自身の異常の発生を判定することのできる電圧監視装置を提供することにある。
【解決手段】 電圧監視装置2は、比較回路31と、状態判定回路32と、パルスパターン設定回路33と、出力回路36と、VDD端子21と、VSS端子22と、入力端子24と、出力端子23と、を備え、前記比較回路31は前記状態判定回路32に接続され、前記状態判定回路32は、前記パルスパターン設定回路33に接続され、前記パルスパターン設定回路は、前記出力回路36を介して前記出力端子23に接続されることとした。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
比較回路と、状態判定回路と、パルスパターン設定回路と、出力回路と、VDD端子と、VSS端子と、入力端子と、出力端子と、を備え、
前記比較回路は前記状態判定回路に接続され、
前記状態判定回路は、前記パルスパターン設定回路に接続され、
前記パルスパターン設定回路は、前記出力回路を介して前記出力端子に接続されることを特徴とする電圧監視装置。
【請求項2】
前記比較回路は、2つの抵抗回路と、2つのコンパレータと、電圧源を有し、
前記抵抗回路は、前記状態判定回路によって制御されるスイッチと、前記スイッチに接続された分圧抵抗とを複数有し、
前記抵抗回路は、前記スイッチによって選択された前記分圧抵抗によって、前記抵抗回路に入力される電圧を分圧して前記コンパレータに入力し、
前記比較回路は、前記抵抗回路から入力された電圧と、前記電圧源の電圧が入力され、比較結果を前記状態判定回路に出力し、
前記状態判定回路は、前記比較回路の前記コンパレータの出力によって、前記抵抗回路の前記スイッチを制御する信号と、前記パルスパターン設定回路を制御する信号と、を出力する請求項1記載の電圧監視装置。
【請求項3】
前記比較回路に入力される電圧は、前記入力端子から入力される電圧である請求項1または請求項2に記載の電圧監視装置。
【請求項4】
センサ回路を更に備え、
前記比較回路に入力される電圧は、前記センサ回路から入力される電圧である請求項1または請求項2に記載の電圧監視装置。
【請求項5】
前記比較回路に入力される電圧は、前記VDD端子から入力される電圧である請求項1または請求項2に記載の電圧監視装置。
【請求項6】
第2の比較回路を更に備え、
前記第2の比較回路に入力される電圧は前記入力端子から入力される電圧であり、
前記状態判定回路に入力される信号は、前記比較回路と、前記第2の比較回路と、から入力される信号である請求項1または請求項2に記載の電圧監視装置。
【請求項7】
センサ回路と、第2の比較回路とを更に備え、
前記第2の比較回路に入力される電圧は前記センサ回路から入力される電圧であり、
前記状態判定回路に入力される信号は、前記比較回路と、前記第2の比較回路と、から入力される信号である請求項1または請求項2に記載の電圧監視装置。
【請求項8】
異常信号入力端子を更に備え、
前記異常信号入力端子から入力される信号が前記状態判定回路に入力される請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の電圧監視装置。
【請求項9】
発光装置を更に備え、
前記発光装置が前記出力端子と前記VDD端子とに接続される請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の電圧監視装置。
【請求項10】
異常電流制限装置接続端子と異常電流制限装置とを更に備え、
前記出力回路は、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタを有し、
前記NMOSトランジスタのソース端子は、前記異常電流制限装置接続端子に接続され、
前記異常電流制限装置が前記異常電流制限装置接続端子に接続された請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の電圧監視装置。
【請求項11】
通信端子とパルス合成回路とを更に備え、
前記パルスパターン設定回路と前記通信端子が前記パルス合成回路に接続され、
前記パルス合成回路は、前記出力回路を介して前記出力端子に接続されることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の電圧監視装置。
【請求項12】
通信端子とパルス判定回路と状態比較回路とを更に備え、
前記通信端子は、前記パルス判定回路を介して前記状態比較回路に接続され、
前記状態比較回路は、前記状態判定回路と前記パルス判定回路と前記パルスパターン設定回路とに接続されることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の電圧監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧監視装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電圧を監視するために、ウインドウコンパレータ回路を使う電圧監視装置が知られている。ウインドウコンパレータ回路は、複数のコンパレータ回路を用いて、監視対象の電圧が設定した電圧範囲内にあるかどうかを出力する(たとえば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-102094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ウインドウコンパレータ回路は、入力電圧が閾値を横切るときのみ出力が変化する。出力がハイレベル時に出力端子が内部で電源と短絡すると、出力が常時ハイレベルとなるため、電圧監視装置の異常を判定することができない。本発明の目的は、電圧監視装置自身の異常の発生を判定することのできる電圧監視装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の電圧監視装置は、比較回路と、状態判定回路と、パルスパターン設定回路と、出力回路と、VDD端子と、VSS端子と、入力端子と、出力端子と、を備え、前記比較回路は前記状態判定回路に接続され、前記状態判定回路は、前記パルスパターン設定回路に接続され、前記パルスパターン設定回路は、前記出力回路を介して前記出力端子に接続されることとした。
【発明の効果】
【0006】
本発明の電圧監視装置によれば、入力端子の電圧状態に応じて予め設定された所定のパルス幅と所定のパルス数で構成された所定のパルス群が所定のパルス周期ごとに繰り返し出力されるため、電圧監視装置の状態を定期的に確認することができる。これにより電圧監視装置の出力端子が内部で電源と短絡する異常が生じた場合において、電圧監視装置の異常を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1の実施形態の電圧監視装置とその利用法を示すブロック図である。
図2】本発明の第1の実施形態の比較回路を示す回路図である。
図3】本発明の第1の実施形態の出力回路を示す回路図である。
図4】本発明の第1の実施形態の電圧監視装置の状態と入力電圧と出力信号の対応の一例を示す図である。
図5】本発明の第1の実施形態の電圧監視装置の出力信号の一例を示す図である。
図6】本発明の第2の実施形態の電圧監視装置を示すブロック図である。
図7】本発明の第3の実施形態の電圧監視装置を示すブロック図である。
図8】本発明の第4の実施形態の電圧監視装置を示すブロック図である。
図9】本発明の第5の実施形態の電圧監視装置を示すブロック図である。
図10】本発明の第6の実施形態の電圧監視装置を示すブロック図である。
図11】本発明の第7の実施形態の電圧監視装置を示すブロック図である。
図12】本発明の第8の実施形態の電圧監視装置を示すブロック図である。
図13】本発明の第9の実施形態の電圧監視装置を示すブロック図である。
図14】本発明の第9の実施形態の電圧監視装置を接続する一例を示す図である。
図15】本発明の第10の実施形態の電圧監視装置を示すブロック図である。
図16】本発明の第10の実施形態の電圧監視装置を接続する一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
【0009】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態の構成について図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1の実施形態における電圧監視装置2とその利用法を示すブロック図である。図1において、本実施形態の電圧監視装置2は、比較回路31と、状態判定回路32と、パルスパターン設定回路33と、リセット回路34と、クロック発生回路35と、出力回路36を備える。また、電圧監視装置2は、VDD端子21と、VSS端子22と、入力端子24と、出力端子23と、を備える。
【0010】
VDD端子21は、電圧監視装置2内の電源VDDに接続される。VSS端子22は、電圧監視装置2内の電源VSSに接続される。入力端子24は、比較回路31に接続される。比較回路31は、状態判定回路32に接続される。状態判定回路32は、比較回路31とパルスパターン設定回路33に接続される。パルスパターン設定回路33は、状態判定回路32とリセット回路34とクロック発生回路35と出力回路36に接続される。リセット回路34は、パルスパターン設定回路33と、クロック発生回路35に接続される。クロック発生回路35は、リセット回路34とパルスパターン設定回路33に接続される。出力回路36は、パルスパターン設定回路33と出力端子23に接続される。電圧監視装置2内の各回路の電源VDDと電源VSSへの接続については、一部説明を省略する。バッテリー1は、電圧監視装置2のバッテリー接続端子であるVDD端子21とVSS端子22に接続される。センサ5は、2個の電源端子と出力端子の3端子を有する。センサ5は、バッテリー1を電源として動作する。センサ5は、センサ5の出力端子からVSS端子22の電圧を基準とした電圧を入力電圧VINとして入力端子24に印加する。電圧監視装置2は、入力端子24に印加された電圧の電圧範囲に対応する出力信号OUTを、出力端子23から出力する。
【0011】
次に、本発明の第1の実施形態の比較回路31の構成について図2を参照しながら説明する。図2は、本発明の第1の実施形態の比較回路31を示す回路図である。比較回路31は、コンパレータの非反転入力端子に入力する電圧を生成する抵抗回路101、102と、コンパレータ103、104と、電圧源105で構成されている。抵抗回路101は、スイッチ106、107と、抵抗110、111、112を有する。スイッチ106と、抵抗110と、抵抗112とは、入力端子24と電源VSSの間に直列に接続される。同様に、スイッチ107と、抵抗111と、抵抗112とは、入力端子24と電源VSSとの間に直列に接続される。抵抗回路102は、スイッチ108、109と、抵抗113、114、115を有する。スイッチ108と、抵抗113と、抵抗115とは、入力端子24と電源VSSとの間に直列に接続される。同様に、スイッチ109と、抵抗114と、抵抗115とは、入力端子24と電源VSSとの間に直列に接続される。コンパレータ103は、反転入力端子が電圧源105を介して電源VSSに接続され、非反転入力端子が抵抗110、111、112の接続点に接続される。同様にコンパレータ104は、反転入力端子が電圧源105を介して電源VSSに接続され、非反転入力端子が抵抗113、114、115の接続点に接続される。コンパレータ103、104の出力端子は、状態判定回路32に接続される。
【0012】
状態判定回路32は、入力されたコンパレータの出力判定結果に従って、入力端子24に入力される入力電圧VINが電源VSSの電圧を基準として、どの電圧範囲に位置するかを判定し、判定に応じて新たな監視電圧範囲を設定するよう、比較回路31のスイッチ106、107、108、109のオンオフを設定する制御信号を出力する。また、状態判定回路32は、入力電圧VINがどの監視電圧範囲にあるかをパルスパターン設定回路33へ出力する。状態判定回路32は、ロジック回路、プロセッサ回路等で構成できる。
【0013】
パルスパターン設定回路33は、状態判定回路32の出力信号を受け、出力回路36を介して出力端子23から、センサ5からの入力電圧VINの電圧範囲に対応したパルス状の出力信号OUTを出力する。出力信号OUTのパルスパターンの生成は、リセット回路34とクロック発生回路35からの信号を用いておこなう。パルスパターン設定回路33と、リセット回路34と、クロック発生回路35の動作については後で説明する。
【0014】
出力回路36の構成について図3を参照しながら説明する。出力回路36は、入力端子と出力端子とPMOSトランジスタ361とNMOSトランジスタ362を備える。PMOSトランジスタ361は、ゲート端子が出力回路36の入力端子に、ソース端子が電源VDDに、ドレイン端子が出力回路36の出力端子に接続される。NMOSトランジスタ362は、ゲート端子が出力回路36の入力端子に、ソース端子が電源VSSに、ドレイン端子が出力回路36の出力端子に接続される。
【0015】
図2を参照して、センサ5が接続される入力端子24の入力電圧VINと、比較回路31と、状態判定回路32の動作について説明する。入力電圧VINは、VSS端子22の電圧を基準にしてセンサ5から入力端子24に印加される電圧とする。電圧源105は、基準電圧VREFをコンパレータ103、104の反転入力端子に供給する。
【0016】
コンパレータ103の非反転入力端子は、スイッチ106、107のどちらかをオンすることで、入力電圧VINを抵抗回路101で分圧した電圧が印加される。スイッチ106がオンのときに、コンパレータ103の非反転入力端子に印加される電圧が、基準電圧VREFと等しくなる時の入力電圧VINを電圧VDET1とする。スイッチ107がオンのときに、コンパレータ103の非反転入力端子に印加される電圧が、基準電圧VREFと等しくなる時の入力電圧VINを電圧VDET3とする。
【0017】
コンパレータ104の非反転入力端子は、スイッチ108、109のどちらかをオンすることで、入力電圧VINを抵抗回路102で分圧した電圧が印加される。スイッチ108がオンのときに、コンパレータ104の非反転入力端子に印加される電圧が、基準電圧VREFと等しくなる時の入力電圧VINを電圧VDET2とする。スイッチ109がオンのときに、コンパレータ104の非反転入力端子に印加される電圧が、基準電圧VREFと等しくなる時の入力電圧VINを電圧VDET4とする。電圧VDET1、VDET2、VDET3、VDET4は、電圧VDET1>電圧VDET2>電圧VDET3>電圧VDET4の大小関係となるように抵抗110~115の抵抗値を設定する。
【0018】
図4を参照して、入力電圧VINと電圧VDET1~電圧VDET4と状態(STATE)の関係を説明する。図4は、電圧監視装置の状態と入力電圧VINと出力信号OUTの対応を示す図である。入力電圧VINが、電圧VDET1以上の電圧状態は、STATE1とする。入力電圧VINが、電圧VDET2以上かつ電圧VDET1未満の電圧状態は、STATE2とする。入力電圧VINが、電圧VDET3以上かつVDET2未満の電圧状態は、STATE3とする。入力電圧VINが、電圧VDET4以上かつ電圧VDET3未満の電圧状態は、STATE4とする。入力電圧VINが、電圧VDET4未満の電圧状態は、STATE5とする。なおここでは境界の電圧は上側のSTATEに含まれるとしたが、境界の電圧が上側か下側かどちらのSTATEに含まれるかは任意に設定可能である。
【0019】
図2の比較回路31において、例えばスイッチ106、108がオン状態とする。コンパレータ103の非反転入力端子には、入力電圧VINを抵抗110、112で分圧した電圧が入力され、コンパレータ104の非反転入力には、入力電圧VINを抵抗113、115で分圧した電圧が入力される。前述の電圧関係より、比較回路31は、入力電圧VINを監視する上側基準電圧が電圧VDET1、下側基準電圧が電圧VDET2となり、監視電圧範囲が設定される。状態判定回路32は比較回路31の出力信号に基づいて、入力電圧VINが前記電圧状態(STATE1~STAET5)の内のどの電圧範囲に位置するかを判定し、判定結果をパルスパターン設定回路33へ出力する。また判定結果に応じて、新たな監視電圧範囲を設定するよう、比較回路31のスイッチのオンオフを設定する制御信号を出力する。
【0020】
ここで、入力電圧VINが電圧VDET2以上かつ電圧VDET1未満の電圧状態であるSTATE2の状態から変化し、入力電圧VINが電圧VDET2未満となったとする。状態判定回路32はスイッチ106をオフし、スイッチ107をオンする制御信号を出力する。比較回路31による監視電圧範囲は、電圧VDET3以上かつ電圧VDET2未満の電圧範囲となり、入力電圧VINがこの電圧範囲である場合の電圧状態はSTATE3となる。さらに入力電圧VINが変化することによって、電圧VDET3未満の電圧となった場合、状態判定回路32は、スイッチ108をオフし、スイッチ109をオンする制御信号を出力する。比較回路31の監視電圧範囲は、電圧VDET4以上かつ電圧VDET3未満となり、入力電圧VINがこの電圧範囲である場合の電圧状態はSTATE4となる。このように比較回路31の判定結果に応じて、状態判定回路32がスイッチ制御信号を出力することで監視電圧範囲を順次切り替えることができ、比較回路31は、2つのコンパレータで複数の電圧範囲を監視することができる。入力電圧VINが上昇して変化していった場合、電圧監視装置は、逆のスイッチ切り替え動作を行う。
【0021】
続いて、電圧監視装置2の全体動作について図1を参照して説明する。電圧監視装置2は、比較回路31と状態判定回路32によって得られる監視電圧範囲によって、図4に示すように5つの電圧状態に対応した状態(STATE)を得ることができる。状態判定回路32は比較回路31の出力信号に基づいて、入力電圧VINがどの電圧範囲に位置するかを判定した信号を、パルスパターン設定回路33へ出力する。パルスパターン設定回路33は、クロック発生回路35から供給されるクロック信号に基づき、各状態に応じて予め設定された所定のパルス幅と所定のパルス数で構成された所定のパルス群を所定のパルス周期ごとに繰り返して、出力回路36を介して、所定の電圧パルス、または、電流パルスとして出力する。状態判定回路32、およびパルスパターン設定回路33は、プログラムで動作するプロセッサ回路やロジック回路で構成される。
【0022】
リセット回路34は、所定のパルス周期ごとにパルスパターン設定回路33から所定の周期ごとの信号を受けて動作し、パルスパターン設定回路33とクロック発生回路35を初期化する。パルスパターン設定回路33は、所定のパルス幅と所定のパルス数で構成された所定のパルス群を所定のパルス周期ごとに繰り返し出力する。
【0023】
本実施形態における、パルス出力割り当て例を図4に示す。図4は、各電圧状態(STATE)と、入力電圧VIN、パルス幅(Output Pulse Width)、パルス群を構成するパルス数(Output Pulse Number)、パルス周期(Output Pulse Cycle)の対応関係を示す。出力信号OUTの一例を図5に示す。例えば入力電圧VINが電圧VDET1以上の電圧値(STATE1)をとるとき、所定のパルス群は、パルス幅128msの電圧パルスがパルス間隔128msで2発であり、パルス群を繰り返して出力する所定のパルス周期は、1024msである。所定のパルス周期内のパルス幅とパルス間隔とパルス数の組合せをパルスパターンと呼ぶ。図5では出力信号OUTが電圧パルスの場合を示したが、出力信号OUTは電流パルスとしても良い。
【0024】
電圧監視装置2の出力信号OUTによってセンサ5の電圧判定をするマイコンは、電圧監視装置2の出力するパルス群のパルス幅と、パルス数を判断することでセンサ5の出力端子の電圧情報を得ることができる。マイコンはマスタークロックを基準とし、電圧監視装置2の出力するパルス群の判定を行う。パルス群の判定において、マイコンはパルス周期毎に、パルス群の最初のパルス幅と後続のパルスまでの時間を測定し、最初に測定した前記時間を基準として、同様の波形後続のパルスが前記時間と同様の発数をカウントするようにすれば状態(STATE)を判定できる。
【0025】
本実施形態の電圧監視装置2において、出力信号OUTのパルスパターンはクロック発生回路35で生成するクロックを基準に生成され、クロック発生回路35はCR発振回路等の一般的な発振回路で構成される。CR発振回路より出力されるクロック周期は、電源電圧依存、温度依存等によってばらつきを持つが、マイコンによる状態判定は、前記の通り、最初のパルスパターンに関する時間測定と、後続の同様のパルスパターンの発数をカウントすることによって判定される。電圧監視装置2のクロック発生回路35は、高精度でなくとも状態判定を可能とするパルスを出力できる。したがって電圧監視装置2は、水晶振動子などの高精度基準発信源を必要とせず、電圧監視システムを容易かつ安価に構成できる。
【0026】
以上、説明したように、本実施形態の電圧監視装置2は、入力電圧VINの電圧範囲に応じた所定のパルス幅と所定のパルス数で構成された所定のパルス群が所定のパルス周期ごとに繰り返し出力する。本実施形態の電圧監視装置2は、入力電圧VINが所定の電圧範囲に位置することを、所定のパルス周期毎に定期的に確認できる。上記所定パルスパターンをマイコン等において、監視することによって、センサ5の出力電圧が所定の電圧範囲内に位置することを所定の周期ごとに確認することができるため、出力ポートまでの配線経路が電源とショートする等の監視回路の故障の有無を定期的に判断することができる。なお、本実施形態の比較回路31は、4つの基準電圧と5つの監視電圧範囲を有する構成としたが、スイッチと分圧抵抗を増やすことで、入力電圧VINを分圧した電圧を増やし、順次スイッチを切り替えるような構成にすることで、監視電圧範囲をより細分化することが可能となる。また、STATE1またはSTATE5の状態は、異常が発生したと監視側で判断するような設定とすることもできる。
【0027】
なお、ここでは、リセット回路34は、パルスパターン設定回路33から所定のパルス周期ごとの信号を受けて動作する構成を説明したが、状態判定回路32およびパルスパターン設定回路33の両方から信号を受けて動作し、状態判定回路32の変化またはパルスパターン設定回路33からの所定の周期ごとにクロック発生回路35とパルスパターン設定回路33を初期化する構成としてもよい。
【0028】
上記構成においては、センサ5の出力電圧が変動し、所定電圧範囲を外れ、状態が変化した時点から、所定のパルスパターンを出力可能になる。センサ5は、感知する物理量によって電圧出力するものであればよく、例として温度センサ、磁気センサ等があるがこれらに限定されるものはない。
【0029】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態の電圧監視装置2aの構成について図6を参照しながら説明する。なお、第1の実施形態と同じ構成要素は、第1の実施形態と同じ番号を附番し説明を省略する。図6は、第2の実施形態における電圧監視装置2aを示すブロック図である。
【0030】
本実施形態の電圧監視装置2aは、第1の実施形態の電圧監視装置2の入力端子24に代えて、センサ回路37を備えて構成される。比較回路31は、入力端子24に代えてセンサ回路37に接続される。本実施形態の電圧監視装置2aは、センサ回路37が出力するセンサ電圧を比較回路31に印加する。センサ電圧は比較回路31のコンパレータで比較され、その結果を状態判定回路32へ出力する。
【0031】
状態判定回路32は、入力されたコンパレータの出力判定結果に従って、センサ回路37が出力するセンサ電圧がどの電圧範囲に位置するかを判定し、判定に応じて新たな監視電圧範囲を設定するよう、比較回路31のスイッチ106、107、108、109のオンオフを設定する制御信号を出力する。また、状態判定回路32は、センサ電圧がどの監視電圧範囲にあるかの信号をパルスパターン設定回路33へ出力する。パルスパターン設定回路33は、状態判定回路32の出力信号を受け、出力回路36を介してセンサ回路37が出力するセンサ電圧に対応したパルス状の出力信号OUTを出力する。
【0032】
以上、説明したように、本実施形態の電圧監視装置2aは、センサ回路37が出力するセンサ電圧の電圧範囲に応じた所定のパルス幅と所定のパルス数で構成された所定のパルス群を所定のパルス周期ごとに繰り返し出力する。本実施形態の電圧監視装置2aは、センサ回路37が出力するセンサ電圧が所定の電圧範囲に位置することを、所定のパルス周期毎に定期的に確認できる。センサ回路37は、感知する物理量によって電圧出力するものであればよく、例として温度センサ回路、磁気センサ回路等があるがこれらに限定されるものはない。
【0033】
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態の電圧監視装置2bの構成について図7を参照しながら説明する。なお、第1の実施形態と同じ構成要素は、第1の実施形態と同じ番号を附番し説明を省略する。図7は、第3の実施形態における電圧監視装置2bを示すブロック図である。
【0034】
本実施形態の電圧監視装置2bは、第1の実施形態の電圧監視装置2の入力端子24に代えて、VDD端子21を比較回路31に接続して構成される。VDD端子21は、電圧監視装置2bの内部で電源VDDと比較回路31に接続される。本実施形態の電圧監視装置2bは、VDD端子21に印加されるバッテリー1のバッテリー電圧VBATを比較回路31に印加する。バッテリー電圧VBATは比較回路31のコンパレータで電源VSSの電圧を基準として比較され、その結果を状態判定回路32へ出力する。
【0035】
状態判定回路32は、入力されたコンパレータの出力判定結果に従って、バッテリー1のバッテリー電圧VBATがどの電圧範囲に位置するかを判定し、判定に応じて新たな監視電圧範囲を設定するよう、比較回路31のスイッチ106、107、108、109のオンオフを設定する制御信号を出力する。また、状態判定回路32は、バッテリー電圧VBATがどの監視電圧範囲にあるかの信号をパルスパターン設定回路33へ出力する。パルスパターン設定回路33は、状態判定回路32の出力信号を受け、出力回路36を介してバッテリー電圧VBATの電圧範囲に対応したパルス状の出力信号OUTを出力する。パルス出力の割り当ては、バッテリー電圧VBATが高い時に消費電流が大きくなるパルス幅の大きいパルスを割り当て、バッテリー1が消耗してバッテリー電圧VBATが低くなった時に消費電流が小さくなるパルス幅の小さいパルスを割り当てることもできる。このようにパルス出力を割り当てることで、バッテリー電圧VBATが低くなった時のバッテリー寿命を延ばすことができる。
【0036】
以上、説明したように、本実施形態の電圧監視装置2bは、バッテリー1のバッテリー電圧VBATの電圧範囲に応じた所定のパルス幅と所定のパルス数で構成された所定のパルス群が所定のパルス周期ごとに繰り返し出力する。本実施形態の電圧監視装置2は、バッテリー1のバッテリー電圧VBATが所定の電圧範囲に位置することを、所定のパルス周期毎に定期的に確認できる。
【0037】
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態の電圧監視装置2cの構成について図8を参照しながら説明する。なお、第1の実施形態と同じ構成要素は、第1の実施形態と同じ番号を附番し説明を省略する。図8は、第4の実施形態における電圧監視装置2cを示すブロック図である。本実施形態の電圧監視装置2cは、第1の実施形態の電圧監視装置2に比較回路31と同様の構成である第2の比較回路38を備えて構成される。また状態判定回路32に代えて状態判定回路32aを備えている。状態判定回路32aは、比較回路31と第2の比較回路38からの出力信号を受け、比較回路31と第2の比較回路38のスイッチを設定する制御信号を出力する。
【0038】
入力端子24は、第2の比較回路38を介して状態判定回路32aに接続される。本実施形態の電圧監視装置2cは、VDD端子21が、電圧監視装置2cの内部で電源VDDと比較回路31に接続される。またセンサ5はバッテリー1を電源とし、VSS端子22の電圧を基準としたセンサ電圧を入力端子24に印加する。入力端子24は、第2の比較回路38に接続される。
【0039】
比較回路31は、状態判定回路32aに接続され、同様に第2の比較回路38は、状態判定回路32aに接続される。状態判定回路32aは、比較回路31と第2の比較回路38の監視電圧範囲がどの電圧範囲にあるかの信号を、パルスパターン設定回路33へ出力する。パルスパターン設定回路33は、状態判定回路32aの出力信号を受け、出力回路36を介してVDD端子21と入力端子24に入力される電圧に対応したパルス状の出力信号OUTを出力する。
【0040】
パルスパターン設定回路33の出力するパルスパターンは、比較回路31と第2の比較回路38の監視電圧範囲である各5個の電圧範囲(STATE)を組み合わせた25個の状態のうちのどれかを表すパルスパターンとしても良いし、比較回路31の電圧範囲を表すパルスパターンと、第2の比較回路38の電圧範囲を表すパルスパターンと、を繰り返すとしても良いし、一方の比較回路のパルスパターンは、予め定めた異常状態の時のみ出力するとしても良い。
【0041】
以上、説明したように、本実施形態の電圧監視装置2cは、入力端子24に入力される入力電圧VINと、バッテリー1のバッテリー電圧VBATの電圧範囲に応じた所定のパルス幅と所定のパルス数で構成された所定のパルス群が所定のパルス周期ごとに繰り返し出力する。本実施形態の電圧監視装置2cは、入力電圧VINとバッテリー電圧VBATが所定の電圧範囲に位置することを、所定のパルス周期毎に定期的に確認できる
【0042】
[第5の実施形態]
本発明の第5の実施形態の電圧監視装置2dの構成について図9を参照しながら説明する。なお、第4の実施形態と同じ構成要素は、第4の実施形態と同じ番号を附番し説明を省略する。図9は、第5の実施形態における電圧監視装置2dを示すブロック図である。
【0043】
本実施形態の電圧監視装置2dは、VDD端子21を比較回路31に接続して構成される。VDD端子21は、電圧監視装置2dの内部で電源VDDと比較回路31に接続される。また、第4の実施形態の電圧監視装置2cの入力端子24に代えて、センサ回路37を備えて構成される。センサ回路37は、第2の比較回路38に接続される。
【0044】
比較回路31は、状態判定回路32aに接続され、同様に第2の比較回路38は、状態判定回路32aに接続される。状態判定回路32aは、比較回路31と第2の比較回路38の監視電圧範囲がどの電圧範囲にあるかの信号を、パルスパターン設定回路33へ出力する。パルスパターン設定回路33は、状態判定回路32aの出力信号を受け、出力回路36を介してVDD端子21とセンサ回路37から出力される電圧に対応したパルス状の出力信号OUTを出力する。
【0045】
パルスパターン設定回路33の出力するパルスパターンは、比較回路31と第2の比較回路38の監視電圧範囲である各5個の電圧範囲(STATE)を組み合わせた25個の状態のうちのどれかを表すパルスパターンとしても良いし、比較回路31の電圧範囲を表すパルスパターンと、第2の比較回路38の電圧範囲を表すパルスパターンと、を繰り返すとしても良いし、一方の比較回路のパルスパターンは、予め定めた異常状態の時のみ出力するとしても良い。
【0046】
以上、説明したように、本実施形態の電圧監視装置2dは、バッテリー1のバッテリー電圧VBATと、センサ回路37から出力されるセンサ電圧と、の電圧範囲に応じた所定のパルス幅と所定のパルス数で構成された所定のパルス群が所定のパルス周期ごとに繰り返し出力する。本実施形態の電圧監視装置2dは、バッテリー電圧VBATとセンサ電圧とが所定の電圧範囲に位置することを、所定のパルス周期毎に定期的に確認できる
【0047】
[第6の実施形態]
本発明の第6の実施形態の電圧監視装置2eの構成について図10を参照しながら説明する。なお、第1の実施形態と同じ構成要素は、第1の実施形態と同じ番号を附番し説明を省略する。図10は、第6の実施形態における電圧監視装置2eを示すブロック図である。本実施形態の電圧監視装置2eは、第1の実施形態の電圧監視装置2に異常信号入力端子25を備えて構成される。また状態判定回路32に代えて状態判定回路32bを備えている。異常信号入力端子25は、状態判定回路32bに接続される。異常信号入力端子25がアクティブ信号を受けると、状態判定回路32bは異常状態を判定し、パルスパターン設定回路33へ異常状態を出力する。パルスパターン設定回路33は、状態判定回路32bの出力信号を受け、異常状態に対応したパルス状の出力信号OUTを出力する。
【0048】
[第7の実施形態]
本発明の第7の実施形態の構成について図11を参照しながら説明する。なお、第1の実施形態と同じ構成要素は、第1の実施形態と同じ番号を附番し説明を省略する。図11は、第7の実施形態における電圧監視装置16を示すブロック図である。本実施形態の電圧監視装置16は、第1の実施形態の電圧監視装置2と発光装置3とを有する。本実施形態の発光装置3は、第1の実施形態の電圧監視装置2のVDD端子21と出力端子23の間に発光装置3を接続している。電圧監視装置2のVDD端子21は、第2のVDD端子26を介してバッテリー1の正極と接続され、電圧監視装置2のVSS端子22は、第2のVSS端子27を介してバッテリー1の負極と接続される。入力端子24は、第2の入力端子28を介してセンサ5の出力端子に接続される。
【0049】
本実施形態の電圧監視装置16は、センサ5からの入力電圧VINの電圧範囲に応じた所定のパルス幅と所定のパルス数で構成された所定のパルス群が所定のパルス周期ごとに繰り返すパルスパターンで発光装置3をパルス発光させる。本実施形態の電圧監視装置16は、センサ5が出力する入力電圧VINが所定の電圧範囲に位置することを、所定のパルス周期毎に定期的に確認できる。本実施形態の電圧監視装置16は、発光装置3による発光を発光受信装置にて受信することでバッテリー1及び電圧監視装置16と電気的に絶縁した絶縁通信が可能となる。
【0050】
電圧監視装置16における出力回路36と、パルスパターン設定回路33は、発光装置3によって出力されるパルスパターンを、発光受信装置で正確に受信するため、適切に設定にされる。出力回路36は、発光装置3を通信可能な光度で発光させるため、適切な出力電流を出力するよう設定される。またパルスパターン設定回路33は、発光装置3が要する点灯、消灯時間を考慮し、適切なパルス幅に設定される。
【0051】
なお、本実施形態は第1の実施形態の電圧監視装置2に発光装置3を付加する構成にしたが、第2の実施形態の電圧監視装置2a、第3の実施形態の電圧監視装置2b、第4の実施形態の電圧監視装置2c、第5の実施形態の電圧監視装置2dに発光装置3を付加される構成でも良い。また、発光装置3の例としては、赤外発光ダイオードや可視光発光ダイオード等があるが、これらに限定されるものではない。
【0052】
[第8の実施形態]
本発明の第8の実施形態の構成について図12を参照しながら説明する。なお、第7の実施形態と同じ構成要素は、第7の実施形態と同じ番号を附番し説明を省略する。図12は、第8の実施形態における電圧監視装置16aを示すブロック図である。本実施形態の電圧監視装置16aは、第7の実施形態の電圧監視装置2を、異常電流制限装置接続端子29を備えた電圧監視装置2fとする。電圧監視装置2fは、図3に示す出力回路36のNMOSトランジスタ362のソース端子が電源VSSに代えて異常電流制限装置接続端子29に接続されている。電圧監視装置16aは、異常電流制限装置接続端子29とVSS端子22間に異常電流制限装置6を接続した構成とする。異常電流制限装置6は、端子間に予め設定した電流値以上の電流が流れた時、当該電流値を制限する動作をする。
【0053】
本構成において、図3に示す出力回路36のトランジスタがショート故障した場合を考える。PMOSトランジスタ361がショート故障した場合、パルス出力を行う毎に貫通電流が出力回路36を介し、異常電流制限装置6に流れるが、異常電流制限装置6の端子間に予め設定した電流値以上の電流が流れた時、当該電流値を制限する動作をするため、異常電流を制限することができる。NMOSトランジスタ362のショート故障も前記と同じく、異常電流を制限することができる。なお、本実施形態は第7の実施形態に付加する構成にしたが、第1~第6の実施形態に付加される構成でも良い。また出力回路36のPMOSトランジスタ361のソース端子に異常電流制限装置接続端子29aを設け、異常電流制限装置接続端子29aを介して、VDD端子21と接続し、出力端子23に発光装置3を接続する構成としても同等の効果が得られる。
【0054】
[第9の実施形態]
本発明の第9の実施形態の構成について図13を参照しながら説明する。なお、第3の実施形態と同じ構成要素は、第3の実施形態と同じ番号を附番し説明を省略する。図13は、第9の実施形態における電圧監視装置2gを示すブロック図である。本実施形態は第3の実施形態の電圧監視装置2bに、通信端子30と、パルス合成回路39を備えた。通信端子30は、パルス合成回路39を介して、出力回路36へ接続される構成とした。通信端子30は、外部で別の電圧監視装置とデイジーチェーン接続し、別の電圧監視装置の監視状況と合わせて出力端子23から出力信号OUTを出力する。
パルス合成回路39は、パルスパターン設定回路33と出力回路36の間に設置され、パルスパターン設定回路33からの信号と通信端子30からの信号の和を出力回路36へ出力する。
【0055】
図14は、本実施形態の電圧監視装置2gをデイジーチェーン接続した構成の一例である。本実施形態の第1の電圧監視装置2g-1の通信端子30は、第2の電圧監視装置2g-2の出力端子23に接続される。第2の電圧監視装置2g-2の通信端子30は、図示していない第3の電圧監視装置2g-3に接続される。本実施形態の電圧監視装置は、複数のバッテリー監視結果を、最終段となる第1の電圧監視装置2g-1からまとめて出力することが可能となる。前述の通り、マイコンは最初のパルス幅を時間基準として、後続のパルスの数を判定するようにすれば状態(STATE)を判定できるため、各電圧監視装置の間にクロックの同期は不要である。したがって複数電圧の監視システムを、処理回路の通信負荷の低減を図りつつ、容易かつ安価に構成できる。
【0056】
またこれまで、パルス周期は、1024msを例として説明したが、デイジーチェーン接続によって、多数の電圧監視装置からの信号が纏められる場合などは、パルス周期は、例えば60s(60秒)のように長い周期とし、出力信号同士の衝突を避けることができる。
【0057】
[第10の実施形態]
本発明の第10の実施形態の構成について図15を参照しながら説明する。なお、第3の実施形態と同じ構成要素は、第3の実施形態と同じ番号を附番し説明を省略する。図15は、第10の実施形態における電圧監視装置2hを示すブロック図である。本実施形態は第3の実施形態の電圧監視装置2bに、通信端子30と、パルス判定回路40と、状態比較回路41を備えた。通信端子30は、パルス判定回路40を介して、状態比較回路41に接続される構成とした。状態比較回路41は、状態判定回路32とパルス判定回路40とパルス出力設定回路33へ接続される構成とした。通信端子30は、外部で別の電圧監視装置とデイジーチェーン接続し、別の電圧監視装置の監視状況と合わせて出力端子23から出力信号OUTを出力する。
【0058】
パルス判定回路40は、通信端子30からのパルス信号を受け、パルス信号の示す状態(STATE)信号を状態比較回路41へ出力する。状態比較回路41は、状態判定回路32からの状態(STATE)信号と、パルス判定回路40からの状態(STATE)信号をあらかじめ定めた基準で比較し、より重要と判定された状態(STATE)信号をパルスパターン設定回路33へ出力する。
【0059】
図16は、本実施形態の電圧監視装置2hをデイジーチェーン接続した構成の一例である。本実施形態の第1の電圧監視装置2h-1の通信端子30は、第2の電圧監視装置2h-2の出力端子23に接続される。第2の電圧監視装置2h-2の通信端子30は、図示していない第3の電圧監視装置2h-3に接続される。本実施形態の電圧監視装置は、複数のバッテリー監視結果の内、最も重要度の高い監視結果を電圧監視装置2h-1から出力することが可能となる。前述の通り、マイコンは最初のパルス幅を時間基準として、後続のパルスの数を判定するようにすれば状態(STATE)を判定できるため、各電圧監視装置の間にクロックの同期は不要である。したがって複数電圧の監視システムを、処理回路の通信負荷の低減を図りつつ、容易かつ安価に構成できる。
【0060】
以上、本発明の電圧監視装置によれば、監視電圧状態に応じて予め設定された所定のパルス幅と所定のパルス数で構成された所定のパルス群が所定のパルス周期ごとに繰り返し出力されるため、監視電圧の状態を定期的に確認することができる。これにより電圧監視装置の出力端子が内部で電源と短絡する異常が生じた場合において、電圧監視装置の異常を判定することができる。
【符号の説明】
【0061】
1、1a、1b バッテリー
2、2a、2b、2c、2d、2e、2f、2g、2h、16,16a 電圧監視装置
3 発光装置
5 センサ
6 異常電流制限装置
23 出力端子
24 入力端子
29 異常電流制限装置接続端子
30 通信端子
31、38 比較回路
32、32a、32b 状態判定回路
33 パルスパターン設定回路
36 出力回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16