(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022134259
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】医療技術説明支援装置
(51)【国際特許分類】
G16H 70/00 20180101AFI20220908BHJP
G16H 80/00 20180101ALI20220908BHJP
【FI】
G16H70/00
G16H80/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021033281
(22)【出願日】2021-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】521091240
【氏名又は名称】株式会社ドクタービジュアル
(74)【代理人】
【識別番号】100167900
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 仁
(72)【発明者】
【氏名】大滝 淳
(72)【発明者】
【氏名】田口 豊
(72)【発明者】
【氏名】堀 大介
(72)【発明者】
【氏名】吉橋 隆雄
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA21
(57)【要約】
【課題】患者に対して効率よく医療技術に関する説明をすることができる医療技術説明支援装置の提供。
【解決手段】医療技術説明支援装置は、使用者の操作入力を受け付けるとともに、画像データを表示するタッチパネル32と、タッチパネル32を制御する制御手段5とを備える。制御手段5は、医療に関する画像データ、および医療技術の名称を関連付けて記憶する記憶部と、タッチパネル32を介して受け付けられた医療技術の名称に基づいて、記憶部に記憶された画像データを取得する画像取得部51と、画像取得部51にて取得された画像データをタッチパネル32に表示させる表示制御部52とを備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療技術に関する説明を支援する医療技術説明支援装置であって、
使用者の操作入力を受け付ける入力手段と、
画像データを表示する表示手段と、
前記入力手段および前記表示手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、
医療に関する画像データ、および医療技術の名称を関連付けて記憶する記憶部と、
前記入力手段を介して受け付けられた医療技術の名称に基づいて、前記記憶部に記憶された画像データを取得する画像取得部と、
前記画像取得部にて取得された画像データを前記表示手段に表示させる表示制御部とを備えることを特徴とする医療技術説明支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載された医療技術説明支援装置において、
前記制御手段は、前記入力手段を介して受け付けられた入力データに基づいて、前記表示手段に表示させた画像データに前記入力データを重畳させて表示させる重畳表示制御部を備えることを特徴とする医療技術説明支援装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載された医療技術説明支援装置において、
前記制御手段は、
前記画像取得部にて取得された画像データに基づいて、医療技術説明資料を作成する資料作成部を備え、
前記表示制御部は、前記資料作成部にて作成された医療技術説明資料を前記表示手段に表示させることを特徴とする医療技術説明支援装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載された医療技術説明支援装置において、
画像データを撮像する撮像手段を備え、
前記制御手段は、
前記撮像手段にて撮像された画像データに基づいて、医療技術説明資料を作成する撮像資料作成部を備え、
前記表示制御部は、前記撮像資料作成部にて作成された医療技術説明資料を前記表示手段に表示させることを特徴とする医療技術説明支援装置。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載された医療技術説明支援装置において、
前記制御手段は、
前記医療技術説明資料をメールにて送信するメール送信部を備えることを特徴とする医療技術説明支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療技術に関する説明を支援する医療技術説明支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療の現場では、医療従事者は、情報処理装置を利用することによって、電子カルテなどの医療に関する情報を管理している。例えば、特許文献1に記載された同意書管理システムは、複数種の同意書の文書データを保存する同意書データベースを備え、患者に提供する医療サービスに関する入力を受け付けることによって、この医療サービスを提供する際に取得すべき同意書の文書データを同意書データベースに保存された同意書の文書データの中から取得している。
【0003】
ところで、医療従事者は、患者に対して、例えば、手術などの医療技術に関する説明をする場合には、筆記用具を用いて手術をする人体の部位を描き、更に切断する箇所などを人体の部位に描く等して説明用の資料を作成し、この説明用の資料を用いて患者に説明している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、患者に対して医療技術を説明する都度、新たに説明用の資料を作成すると、医療従事者の手間がかかり、ひいては医療技術に関する説明に時間を要してしまうという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、患者に対して効率よく医療技術に関する説明をすることができる医療技術説明支援装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の医療技術説明支援装置は、医療技術に関する説明を支援する医療技術説明支援装置であって、使用者の操作入力を受け付ける入力手段と、画像データを表示する表示手段と、入力手段および表示手段を制御する制御手段とを備え、制御手段は、医療に関する画像データ、および医療技術の名称を関連付けて記憶する記憶部と、入力手段を介して受け付けられた医療技術の名称に基づいて、記憶部に記憶された画像データを取得する画像取得部と、画像取得部にて取得された画像データを表示手段に表示させる表示制御部とを備えることを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、医療技術説明支援装置は、入力手段を介して受け付けられた医療技術の名称に基づいて、記憶部に記憶された画像データを取得し、この画像データを表示手段に表示させるので、使用者は、新たに説明用の資料を作成することなく、表示手段に表示された画像データを利用して患者に対して医療技術に関する説明をすることができる。したがって、医療技術説明支援装置は、患者に対して効率よく医療技術に関する説明をすることができる。
【0009】
本発明では、制御手段は、入力手段を介して受け付けられた入力データに基づいて、表示手段に表示させた画像データに入力データを重畳させて表示させる重畳表示制御部を備えることが好ましい。
【0010】
このような構成によれば、医療技術説明支援装置は、表示手段に表示させた画像データに入力データを重畳させて表示させるので、使用者は、表示手段に表示された画像データに入力データを重ね書きして患者に対して医療技術に関する説明をすることができる。
【0011】
本発明では、制御手段は、画像取得部にて取得された画像データに基づいて、医療技術説明資料を作成する資料作成部を備え、表示制御部は、資料作成部にて作成された医療技術説明資料を表示手段に表示させることが好ましい。
【0012】
このような構成によれば、医療技術説明支援装置は、画像取得部にて取得された画像データに基づいて、医療技術説明資料を作成し、この医療技術説明資料を表示手段に表示させるので、使用者は、この医療技術説明資料を利用して患者に対して医療技術に関する説明をすることができる。
【0013】
本発明では、画像データを撮像する撮像手段を備え、制御手段は、撮像手段にて撮像された画像データに基づいて、医療技術説明資料を作成する撮像資料作成部を備え、表示制御部は、撮像資料作成部にて作成された医療技術説明資料を表示手段に表示させることが好ましい。
【0014】
このような構成によれば、医療技術説明支援装置は、撮像手段にて撮像された画像データに基づいて、医療技術説明資料を作成し、この医療技術説明資料を表示手段に表示させるので、使用者は、この医療技術説明資料を利用して患者に対して医療技術に関する説明をすることができる。
【0015】
本発明では、制御手段は、医療技術説明資料をメールにて送信するメール送信部を備えることが好ましい。
【0016】
このような構成によれば、制御手段は、医療技術説明資料をメールにて送信するので、使用者は、例えば、患者に対して医療技術説明資料を容易に送付することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係る医療技術説明支援システムの概略構成を示す図
【
図5】医療技術の名称として「内シャント」を入力した画面を示す図
【
図6】医療技術の名称として「内シャント」を入力し、プッシュボタンを押下した後の画面を示す図
【
図7】「インストール済CG画像認識」と表示されたプッシュボタンを押下した後の画面を示す図
【
図8】「写真撮影・取込」と表示されたプッシュボタンを押下した後の画面を示す図
【
図9】「プレゼンスライド選択」と表示されたプッシュボタンを押下した後の画面を示す図
【
図10】「オリジナルプレゼン作成」と表示されたプッシュボタンを押下した後の画面を示す図
【
図11】画像データに入力データを重畳させて表示させている状態を示す図
【
図13】「送信画像選択」と表示されたボタンを押下した後の画面を示す図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る医療技術説明支援システムの概略構成を示す図である。
医療技術説明支援システム1は、医療技術に関する説明を支援するシステムである。この医療技術説明支援システム1は、
図1に示すように、医療に関する画像データを記憶するデータサーバ2と、医療従事者の所持する携帯電話、スマートフォン、およびタブレット型のパーソナルコンピュータ等の端末装置3とを備えている。データサーバ2および端末装置3は、通信回線としての公衆ネットワークであるインターネット4を介して相互に通信可能に接続されている。
【0019】
図2は、データサーバに記憶された情報を示す概念図である。
データサーバ2は、CPU(Central Processing Unit)や、メモリなどによって構成され、このメモリに記憶された所定のプログラムに従って情報処理を実行する。このデータサーバ2は、医療に関する画像データ、および医療技術の名称を関連付けて記憶する記憶部である。具体的には、データサーバ2は、
図2に示すように、医療技術の名称として「内シャント」、「腎生検」、「テンコフカテーテル挿入術」などの手術の名称と、これらの手術の説明に際して使用できる医療に関する画像データとを関連付けて記憶している。
なお、本実施形態では、医療に関する画像データは、データサーバ2に記憶されているが、クラウド上に記憶されていてもよい。要するに、記憶部は、医療に関する画像データ、および医療技術の名称を関連付けて記憶することができればよい。
【0020】
例えば、データサーバ2は、「内シャント」と、画像データG1~G4を関連付けて記憶し、「腎生検」と、画像データG4を関連付けて記憶し、「テンコフカテーテル挿入術」と、画像データG4を関連付けて記憶している。
このように、データサーバ2は、1つの画像データに1つの医療技術の名称を関連付けて記憶しているだけでなく、1つの画像データに複数の医療技術の名称を関連付けて記憶している場合がある。換言すれば、1つの画像データは、複数の医療技術の説明に際して使用できる場合がある。
なお、本実施形態では、医療技術の名称として手術の名称を例示しているが、手術の名称に限らず、検査の名称や、リハビリテーションの名称であってもよく、医療技術の名称であれば、どのような名称であってもよい。
【0021】
図3は、端末装置の機能を示す概略構成図である。
端末装置3は、
図3に示すように、撮像手段31と、タッチパネル32と、撮像手段31およびタッチパネル32を制御する制御手段5とを備えている。
撮像手段31は、画像データを撮像する。この撮像手段31としては、例えば、CCD(Charge Coupled Device)カメラ等を採用できる。
タッチパネル32は、使用者である医療従事者の操作入力を受け付ける入力手段として機能するとともに、画像データを表示する表示手段として機能する。
【0022】
制御手段5は、画像取得部51と、表示制御部52と、重畳表示制御部53と、資料作成部54と、撮像資料作成部55と、メール送信部56とを備え、アプリケーションを実行することによって、各部の機能を動作させる。
画像取得部51は、タッチパネル32を介して受け付けられた医療技術の名称に基づいて、データサーバ2に記憶された画像データをインターネット4経由にて取得する。
表示制御部52は、画像取得部51にて取得された画像データをタッチパネル32に表示させる。
重畳表示制御部53は、タッチパネル32を介して受け付けられた入力データに基づいて、タッチパネル32に表示させた画像データに入力データを重畳させて表示させる。
【0023】
資料作成部54は、画像取得部51にて取得された画像データに基づいて、医療技術説明資料を作成する。
撮像資料作成部55は、撮像手段31にて撮像された画像データに基づいて、医療技術説明資料を作成する。
ここで、表示制御部52は、資料作成部54および撮像資料作成部55にて作成された医療技術説明資料をタッチパネル32に表示させる。
【0024】
メール送信部56は、資料作成部54および撮像資料作成部55の少なくともいずれかにて作成された医療技術説明資料をメールにて送信する。
以下、アプリケーションの動作を図面に基づいて説明する。
【0025】
図4は、アプリケーションの初期画面を示す図である。
タッチパネル32の操作入力に基づいて、端末装置3の使用者がアプリケーションを起動させると、制御手段5は、
図4に示すように、アプリケーションの初期画面AG1をタッチパネル32に表示させる。
【0026】
初期画面AG1は、「検索したい「医療技術の名称」を入力してください」と表示された矩形領域AR1に配置されたテキストボックスTB1と、「確定」と表示されたプッシュボタンPB1とを備えている。
また、初期画面AG1は、「キーワードを入力し「保存データ」を選択してください」と表示された矩形領域AR2に配置されたテキストボックスTB2と、「検索」と表示されたプッシュボタンPB2とを備えている。
【0027】
図5は、医療技術の名称として「内シャント」を入力した画面を示す図である。
画像取得部51は、タッチパネル32を介して受け付けられた医療技術の名称に基づいて、データサーバ2に記憶された画像データをインターネット4経由にて取得する。
【0028】
具体的には、使用者は、
図5に示すように、テキストボックスTB1に医療技術の名称を入力し、プッシュボタンPB1を押下することによって、データサーバ2に記憶された画像データをインターネット4経由にて取得できる。
本実施形態では、テキストボックスTB1に「内シャント」を入力し、プッシュボタンPB1を押下した場合について説明する。
【0029】
図6は、医療技術の名称として「内シャント」を入力し、プッシュボタンを押下した後の画面を示す図である。
タッチパネル32の操作入力に基づいて、端末装置3の使用者がテキストボックスTB1に「内シャント」を入力し、プッシュボタンPB1を押下した場合には、制御手段5は、
図6に示すように、メニュー画面AG2をタッチパネル32に表示させる。
【0030】
メニュー画面AG2は、入力した医療技術の名称を表示するテキストT1と、「インストール済CG画像認識」と表示されたプッシュボタンPB21と、「写真撮影・取込」と表示されたプッシュボタンPB22と、「プレゼンスライド選択」と表示されたプッシュボタンPB23と、「オリジナルプレゼン作成」と表示されたプッシュボタンPB24と、「説明スタート」と表示されたプッシュボタンPB25と、「保存データ選択」と表示されたプッシュボタンPB26とを備えている。
【0031】
図7は、「インストール済CG画像認識」と表示されたプッシュボタンを押下した後の画面を示す図である。
表示制御部52は、インターネット4を経由して画像取得部51にて取得された画像データをタッチパネル32に表示させる。
【0032】
具体的には、タッチパネル32の操作入力に基づいて、端末装置3の使用者が「インストール済CG画像認識」と表示されたプッシュボタンPB21を押下した場合には、表示制御部52は、
図7に示すように、リスト画面AG3をタッチパネル32に表示させる。
本実施形態では、リスト画面AG3は、「内シャント」の医療技術の名称に関連付けられたPG1~PG10の10種類の画像データをタッチパネル32に表示させている。
【0033】
図8は、「写真撮影・取込」と表示されたプッシュボタンを押下した後の画面を示す図である。
タッチパネル32の操作入力に基づいて、端末装置3の使用者が「写真撮影・取込」と表示されたプッシュボタンPB22を押下した場合には、制御手段5は、
図8に示すように、撮像画面AG4をタッチパネル32に表示させる。
【0034】
撮像画面AG4は、撮像手段31にて撮像されている画像データを表示する撮像領域AR3と、写真撮影・取込を実行する丸形のプッシュボタンPB3とを備えている。
使用者は、撮像手段31にて撮像したいものを撮像し、プッシュボタンPB3を押下することによって、撮像手段31にて画像データを撮像することができる。
なお、本実施形態では、使用者は、その手首を中心とした画像データを撮像手段31にて撮像している。
【0035】
図9は、「プレゼンスライド選択」と表示されたプッシュボタンを押下した後の画面を示す図である。
タッチパネル32の操作入力に基づいて、端末装置3の使用者が「プレゼンスライド選択」と表示されたプッシュボタンPB23を押下した場合には、制御手段5は、
図9に示すように、選択画面AG5をタッチパネル32に表示させる。
【0036】
選択画面AG5は、「内シャント」の医療技術の名称に関連付けられたPG1~PG10の10種類の画像データ、および撮像手段31にて撮像された画像データPG11のうち、所望の画像データを選択させる画面である。
【0037】
使用者は、タッチパネル32を介して各画像データPG1~PG11を選択していくことによって、所望の画像データを選択することができる。
なお、本実施形態では、1番目に画像データPG1を選択し、2番目に画像データPG3を選択し、3番目に画像データPG11を選択し、最後の4番目に画像データPG10を選択している。使用者に選択された画像データは、グレーアウトし、選択された順番に選択番号を付されている。
【0038】
図10は、「オリジナルプレゼン作成」と表示されたプッシュボタンを押下した後の画面を示す図である。
資料作成部54は、画像取得部51にて取得された画像データに基づいて、医療技術説明資料を作成する。
また、撮像資料作成部55は、撮像手段31にて撮像された画像データに基づいて、医療技術説明資料を作成する。
【0039】
具体的には、タッチパネル32の操作入力に基づいて、端末装置3の使用者が「オリジナルプレゼン作成」と表示されたプッシュボタンPB24を押下した場合には、制御手段5は、
図10に示すように、プレゼン作成画面AG6をタッチパネル32に表示させる。
【0040】
プレゼン作成画面AG6は、オリジナル資料(医療技術説明資料)を作成していることを表示するテキストT2と、4つの作業ボタンB1~B4と、選択画面AG5にて選択した画像データのサムネイルS1~S4と、サムネイルS1~S4のうち、選択中の画像データを表示させる作業領域AR4と、作業領域AR4の右下位置に配置された「保存」と表示されたボタンB5とを備えている。
【0041】
作業ボタンB1~B4は、「ペン」と表示された作業ボタンB1と、「文字」と表示された作業ボタンB2と、「消しゴム」と表示された作業ボタンB3と、「反転」と表示された作業ボタンB4とを備えている。
「保存」と表示されたボタンB5は、このアプリケーションにて作成した医療技術説明資料をデータサーバ2にインターネット4を経由して保存する。
ここで、制御手段5は、選択中の画像データのサムネイルS1~S4のいずれか1つの上辺に太線を表示し、選択中であることを明示している。なお、
図10の例は、サムネイルS1を選択中として作業領域AR4に画像データを表示させている。
【0042】
図11は、画像データに入力データを重畳させて表示させている状態を示す図である。
重畳表示制御部53は、タッチパネル32を介して受け付けられた入力データに基づいて、タッチパネル32に表示させた画像データに入力データを重畳させて表示させる。
具体的には、重畳表示制御部53は、
図11に示すように、「ペン」と表示された作業ボタンB1の押下を検出した後、タッチパネル32を介して手書き入力をすることによって、この手書き入力をタッチパネル32に表示させた画像データに重畳させて表示させる。
【0043】
本実施形態では、重畳表示制御部53は、手書き入力を行った「切る」の文字T3を選択中の画像データに重畳させて表示させている。
なお、重畳表示制御部53は、「文字」と表示された作業ボタンB2の押下を検出した後、タッチパネル32を介して文字入力することによって、この文字入力をタッチパネル32に表示させた画像データに重畳させて表示させる。
【0044】
ここで、制御手段5は、「消しゴム」と表示された作業ボタンB3の押下を検出した後、タッチパネル32を介して手書き入力や文字入力をなぞることによって、これらの手書き入力や文字入力を消去させる。
また、制御手段5は、「反転」と表示された作業ボタンB4の押下を検出することによって、選択中の画像データを左右反転させて表示させる。
【0045】
そして、制御手段5は、「保存」と表示されたボタンB5の押下を検出することによって、プレゼン作成画面AG6にて作成した医療技術説明資料をデータサーバ2にインターネット4を経由して保存することができる。
このデータサーバ2に保存された医療技術説明資料は、例えば、初期画面AG1のテキストボックスTB2に保存データの名称を入力して「検索」と表示されたプッシュボタンPB2を押下することによって(
図4参照)、読み出して使用することができ、メニュー画面AG2の「保存データ選択」と表示されたプッシュボタンPB26を押下して保存データを選択することによって(
図6参照)、読み出して使用することができる。
【0046】
図12は、保存データを読み出した後の画面を示す図である。
制御手段5は、保存データを読み出した場合には、
図12に示すように、医療技術説明資料を編集するプレゼン編集画面AG7をタッチパネル32に表示させる。
【0047】
プレゼン編集画面AG7は、保存データの名称を表示するテキストT4と、4つの作業ボタンB1~B4と、画像データのサムネイルS1~S4と、サムネイルS1~S4のうち、選択中の画像データを表示させる作業領域AR4と、作業領域AR4の右下位置に配置された「送信画像選択」と表示されたボタンB6とを備えている。
【0048】
このプレゼン編集画面AG7は、先に説明したプレゼン作成画面AG6と略同様の機能を使用することができるようになっている。
例えば、本実施形態では、重畳表示制御部53は、手書き入力を行った「結合」の文字T5を選択中の画像データに重畳させて表示させている。
また、制御手段5は、「送信画像選択」と表示されたボタンB6の押下を検出することによって、プレゼン編集画面AG7にて編集した医療技術説明資料をメールにて送信することができる。
【0049】
図13は、「送信画像選択」と表示されたボタンを押下した後の画面を示す図である。
メール送信部56は、資料作成部54および撮像資料作成部55の少なくともいずれかにて作成された医療技術説明資料をメールにて送信する。
具体的には、タッチパネル32の操作入力に基づいて、端末装置3の使用者が「送信画像選択」と表示されたボタンB6を押下した場合には、メール送信部56は、
図13に示すように、メール送信画面AG8をタッチパネル32に表示させる。
【0050】
メール送信画面AG8は、送信したい画像を選択することを表示するテキストT6と、画像データのサムネイルS11~S14と、メールアドレスを入力することを表示するテキストT7と、テキストT7の下方に配置された2つのテキストボックスTB3,TB4と、「送信」と表示されたプッシュボタンPB3とを備えている。
使用者は、画像データのサムネイルS11~S14のうち、いずれか1つを選択することによって、選択した画像データをメールにて送信することができる。
本実施形態では、使用者は、サムネイルS11を選択しているので、制御手段5は、サムネイルS11の右上にチェックボックスCB1を表示している。
【0051】
そして、使用者は、テキストボックスTB3,TB4の少なくともいずれか1つにメールアドレスを入力し、プッシュボタンPB3を押下することによって、入力したメールアドレス宛に医療技術説明資料をメールにて送信することができる。
本実施形態では、使用者は、テキストボックスTB3に「aaa@bbb.com」を入力し、プッシュボタンPB3を押下することによって、このメールアドレスにサムネイルS11の画像を添付した医療技術説明資料を送信している。
【0052】
このように、本実施形態では、データサーバ2は、制御手段および記憶部として機能し、端末装置3は、画像取得部51および表示制御部52を備えているので、医療技術説明支援システム1は、全体として医療技術説明支援装置として機能している。
なお、本実施形態では、記憶部、画像取得部、および表示制御部は、別々の情報処理装置に分散して実装されていたが、1つの情報処理装置にまとめて実装されていてもよい。
【0053】
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)医療技術説明支援システム1は、タッチパネル32を介して受け付けられた医療技術の名称に基づいて、データサーバ2に記憶された画像データを取得し、この画像データをタッチパネル32に表示させるので、使用者は、新たに説明用の資料を作成することなく、タッチパネル32に表示された画像データを利用して患者に対して医療技術に関する説明をすることができる。したがって、医療技術説明支援システム1は、患者に対して効率よく医療技術に関する説明をすることができる。
(2)医療技術説明支援システム1は、タッチパネル32に表示させた画像データに入力データを重畳させて表示させるので、使用者は、タッチパネル32に表示された画像データに入力データを重ね書きして患者に対して医療技術に関する説明をすることができる。
【0054】
(3)医療技術説明支援システム1は、画像取得部51にて取得された画像データに基づいて、医療技術説明資料を作成し、この医療技術説明資料をタッチパネル32に表示させるので、使用者は、この医療技術説明資料を利用して患者に対して医療技術に関する説明をすることができる。
(4)医療技術説明支援システム1は、撮像手段31にて撮像された画像データに基づいて、医療技術説明資料を作成し、この医療技術説明資料を表示手段に表示させるので、使用者は、この医療技術説明資料を利用して患者に対して医療技術に関する説明をすることができる。
(5)制御手段5は、医療技術説明資料をメールにて送信するので、使用者は、例えば、患者に対して医療技術説明資料を容易に送付することができる。
【0055】
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、制御手段5は、重畳表示制御部53を備え、この重畳表示制御部53は、タッチパネル32を介して受け付けられた入力データに基づいて、タッチパネル32に表示させた画像データに入力データを重畳させて表示させていた。これに対して、制御手段5は、重畳表示制御部53を備えていなくてもよい。
【0056】
また、前記実施形態では、制御手段5は、メール送信部56を備え、メール送信部56は、資料作成部54および撮像資料作成部55の少なくともいずれかにて作成された医療技術説明資料をメールにて送信していた。これに対して、制御手段5は、メール送信部56を備えていなくてもよい。
【0057】
また、前記実施形態では、医療技術説明支援システム1の各種機能について説明したが、医療技術説明支援装置は、これらの機能に加えて他の機能を備えていてもよい。例えば、医療技術説明支援装置は、医療に関する画像データ、および医療技術の名称を関連付けて新たに記憶部に記憶させる機能を備えていてもよい。また、特許文献1に記載された発明のように、医療技術説明支援装置は、医療技術の名称に関連付けられた同意書を表示手段に表示させる機能を備えていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
以上のように、本発明は、医療技術に関する説明を支援する医療技術説明支援装置に好適に利用できる。
【符号の説明】
【0059】
1 医療技術説明支援システム(医療技術説明支援装置)
2 データサーバ
3 端末装置
4 インターネット
5 制御手段
31 撮像手段
32 タッチパネル(入力手段,表示手段)
51 画像取得部
52 表示制御部
53 重畳表示制御部
54 資料作成部
55 撮像資料作成部
56 メール送信部