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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022134341
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】スパウト溶着方法
(51)【国際特許分類】
   B31B 50/84 20170101AFI20220908BHJP
【FI】
B31B50/84
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021033408
(22)【出願日】2021-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 規行
【テーマコード(参考)】
3E075
【Fターム(参考)】
3E075AA07
3E075BA01
3E075DE03
3E075GA05
(57)【要約】
【課題】液体紙容器において、プラスチック製のスパウトを装着させる際に、低コストに、容器用包装材の開口部における紙端部が、外部に露出し液体に接触しないようにする。
【解決手段】筒状部と径太の筒状体である径太部とフランジ部が順に連なり、筒状部から径太部にかけて径太部肩部を有するスパウトを用意する工程と、紙基材表裏にプラスチックフィルムをラミネート加工して容器用包装材を形成する工程と、容器用包装材にスパウト装着用の開口部を開ける工程と、開口部に下からスパウトを挿入し、径太部外側面近傍に、開口部の容器用包装材側断面があり、フランジ部を開口部の容器用包装材下面に接触し、超音波ホーンとアンビルの間に径太部肩部と、容器用包装材と、フランジ部を挟みこみ超音波溶着し、径太部肩部を溶融させて容器用包装材上面と接着させ、容器用包装材下面とフランジ部上面を接着させる超音波溶着工程と、を有するスパウト溶着方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙基材の表面、裏面全体にプラスチックフィルム層を有する液体紙容器に、注出口または充填口となるプラスチック製のスパウトを溶着させるスパウト溶着方法であって、
筒状部と径太の筒状体である径太部とフランジ部が順に連なり、前記筒状部から前記径太部にかけて前記径太部径方向外側に広がる径太部肩部を有するスパウトを用意する工程と、
紙基材表裏にプラスチックフィルムをラミネート加工して容器用包装材を形成する工程と、
前記工程で形成された容器用包装材にスパウト装着用の開口部を開ける工程と、
前記開口部に、下から、前記スパウトを挿入し、前記径太部外側面近傍に、前記開口部の容器用包装材側断面があり、前記フランジ部を前記開口部の容器用包装材下面に接触し、超音波ホーンとアンビルの間に前記径太部肩部と、前記容器用包装材と、前記フランジ部を挟みこみ超音波溶着することによって、前記径太部肩部を溶融させて前記容器用包装材上面と接着させ、前記容器用包装材下面と前記フランジ部上面を接着させる、超音波溶着工程と、
を有することを特徴とするスパウト溶着方法。
【請求項2】
前記超音波ホーンの下面中央部に、凹部を有し、凹部の周囲で段差部が形成され、前記段差部は丸みを帯びており、前記段差部の段差は0.3mm以上3mm未満であり、前記超音波ホーンの下面凹部で前記径太部肩部を溶融させることを特徴とする請求項1記載のスパウト溶着方法。
【請求項3】
前記超音波溶着工程で用いる前記超音波ホーンと前記アンビルは、前記径太部肩部を溶融させる前記超音波ホーンの下面と前記超音波ホーン接触面に相対する前記アンビルの表面との間の径方向のクリアランスが径外側方向に向かって徐々に大きくなることを特徴とする請求項1記載のスパウト溶着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
液体紙容器にスパウトを溶着する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表面、裏面全体がプラスチックフィルムで覆われた液体紙容器において、注出口(場合によっては充填口)となるプラスチック製のスパウトを装着させる工程がある。
【0003】
従来の液体紙容器へのスパウトの装着方法として、注出口(場合によっては充填口)となるプラスチック製のスパウトを内側から溶着させる方法がある。図5に示されるように、紙基材3が表面側ラミフィルム2と裏面側ラミフィルム4で挟まれたものからなる容器用包装材5に穴を開け、スパウト1を内側から溶着して行われる(特許文献1参照)。容器内面に容器用包装材5の端部が露出されないので、液体紙容器の密封性を確保しやすいが、スパウト1と容器用包装材5の間の間隙6に、容器用包装材5の端部の紙端部が露出されるため、スパウト1と容器用包装材5の間の間隙7に、紙に浸透しやすい液体が侵入した場合には、容器用包装材を構成する紙基材3に、液体が浸透し、強度や外観上の問題が発生する場合があった。
【0004】
また、液体容器へのスパウトを装着させる他の方法として、図6で示されるように、容器用包装材5の開口部6の周囲において、表面と裏面にそれぞれ樹脂フィルムを貼り、容器用包装材開口部からせり出し、表面からの樹脂フィルム(外側フィルム8)と裏面からの樹脂フィルム(内側フィルム9)を貼り合わせ容器用包装材5の端部の紙端部を保護し、スパウト1を上から表面側ラミフィルム2に溶着する方法があった(特許文献2参照)。
【0005】
また、液体容器へのスパウトを装着させる他の方法として、図7で示されるように、容器用包装材開口部の周囲において、容器用包装材の表面側ラミフィルム2と裏面側ラミフィルム4の樹脂フィルムを張り出させ、表面からの樹脂フィルムと裏面からの樹脂フィルムを貼り合わせることにより、容器用包装材5の端部の紙端部を保護し、スパウト1を上から表面側ラミフィルム2に溶着する方法もあった。
【0006】
容器用包装材開口の周囲全体を、表面、裏面にそれぞれ樹脂フィルムを積層し、両フィルムを貼り合わせるか、あるいは、表面側ラミフィルム(多層)2と裏面側ラミフィルム(多層)4の張り出しを貼り合わせ、スパウトを上から表面側ラミフィルム2に溶着する方法は、工程や部材が増えてしまうためにコスト高になってしまっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6-312738号公報
【特許文献2】実開平7-26328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
表面、裏面全体がプラスチックフィルムで覆われた液体紙容器において、注出口(場合によっては充填口)となるプラスチック製のスパウトを装着させる際に、低コストに、液体紙容器の容器用包装材の開口部における容器用包装材の端部の紙端部が、外部に露出し液体に接触しないようにする製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するために、本発明のスパウト溶着方法は、紙基材の表面、裏面全体にプラスチックフィルム層を有する液体紙容器に、注出口または充填口となるプラスチック製のスパウトを溶着させるスパウト溶着方法であって、筒状部と径太の筒状体である径太部とフランジ部が順に連なり、前記筒状部から前記径太部にかけて前記径太部径方向外側に広がる径太部肩部を有するスパウトを用意する工程と、紙基材表裏にプラスチックフィルムをラミネート加工して容器用包装材を形成する工程と、前記工程で形成された容器用包装材にスパウト装着用の開口部を開ける工程と、前記開口部に、下から、前記スパウトを挿入し、前記径太部外側面近傍に、前記開口部の容器用包装材側断面があり、前記フランジ部を前記開口部の容器用包装材下面に接触し、超音波ホーンとアンビルの間に前記径太部肩部と、前記容器用包装材と、前記フランジ部を挟みこみ超音波溶着することによって、前記径太部肩部を溶融させて前記容器用包装材上面と接着させ、前記容器用包装材下面と前記フランジ部上面を接着させる、超音波溶着工程と、を有する。
【0010】
また、前記超音波ホーンの下面中央部に、凹部を有し、凹部の周囲で段差部が形成され、前記段差部は丸みを帯びており、前記段差部の段差は0.3mm以上3mm未満であり、前記超音波ホーンの下面凹部で前記径太部肩部を溶融させることが好ましい。
【0011】
また、前記超音波溶着工程で用いる前記超音波ホーンと前記アンビルは、前記径太部肩部を溶融させる前記超音波ホーンの下面と前記超音波ホーン接触面に相対する前記アンビルの表面との間の径方向のクリアランスが径外側方向に向かって徐々に大きくなることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
表面、裏面全体がプラスチックフィルムで覆われた液体紙容器において、注出口(場合によっては充填口)となるプラスチック製のスパウトを装着させる際に、低コストに、液体紙容器の容器用包装材の開口部における容器用包装材の端部の紙端部が、外部に露出し液体に接触しないようにする製造方法を提供することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1の実施形態におけるスパウト溶着方法を説明する模式的断面図である。 図1(a)は容器用包装材の開口部にスパウトを挿入した状態、図1(b)は超音波ホーンとアンビルの間に径太部肩部と容器用包装材とフランジ部を挟みこみ超音波溶着する工程、図1(c)は容器用包装材にスパウトが超音波溶着された状態を示す。
図2】本発明の第2の実施形態におけるスパウト溶着方法を説明する模式的断面図である。図2(a)は容器用包装材の開口部にスパウトを挿入した状態、図2(b)は超音波ホーンとアンビルの間に径太部肩部と容器用包装材とフランジ部を挟みこみ超音波溶着する工程、図2(c)は容器用包装材にスパウトが超音波溶着された状態を示す。
図3】本発明の第3の実施形態におけるスパウト溶着方法を説明する模式的断面図である。図4(a)は容器用包装材の開口部にスパウトを挿入した状態、図4(b)は超音波ホーンとアンビルの間に径太部肩部と容器用包装材とフランジ部を挟みこみ超音波溶着する工程、図4(c)は容器用包装材にスパウトが超音波溶着された状態を示す。
図4】本発明の実施例2の比較例のスパウト溶着方法を説明する模式的断面図である。図3(a)はは容器用包装材の開口部にスパウトを挿入した状態、図3(b)は超音波ホーンとアンビルの間に径太部肩部と容器用包装材とフランジ部を挟みこみ超音波溶着する工程、図3(c)は容器用包装材にスパウトが超音波溶着された状態を示す。
図5】従来のスパウト溶着方法を説明する模式的断面図である。
図6】従来のスパウト溶着方法を説明する模式的断面図である。
図7】従来のスパウト溶着方法を説明する模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1の実施形態>
本発明のスパウト溶着方法の第1の実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施形態におけるスパウト溶着方法を説明する模式的断面図である。
【0015】
本発明のスパウト溶着方法は、紙基材の表面、裏面全体にプラスチックフィルム層を有する液体紙容器に、注出口または充填口となるプラスチック製のスパウトを溶着させるスパウト溶着方法であって、筒状部15と、径太の筒状体である径太部10と、フランジ部20からなるスパウト1を用意する工程と、紙基材表裏にプラスチックフィルムをラミネート加工して容器用包装材を形成する工程と、前記工程で形成された容器用包装材5にスパウト装着用の開口部6を開ける工程と、開口部6に、下から、スパウト1を挿入し(図1(a))、径太部10の外側面近傍に、開口部6の容器用包装材5の側断面があり、フランジ部20を開口部6の容器用包装材5の下面に接触し、超音波ホーン40とアンビル50の間に径太部肩部11と、容器用包装材5と、フランジ部20を挟みこみ超音波溶着することによって、径太部肩部11を溶融させて容器用包装材5の上面と接着させ、容器用包装材5の下面とフランジ部上面を接着させる、超音波溶着工程(図1(b))と、を有する。前記工程により容器用包装材5の開口部6にスパウト1が装着される(図1(c))。
【0016】
前記スパウト溶着方法を、詳しく説明する。
【0017】
前記スパウトを用意する工程は、筒状部15と径太部10とフランジ部20からなるスパウト1を用意する。スパウト1の径太部10の径は、後述する容器用包装材5の開口部の穴径よりも少し小さいものである。
【0018】
前記容器用包装材を形成する工程において、紙3の表裏にプラスチックフィルムをラミネート加工することにより、紙3の表に表面側ラミフィルム2が形成され、紙3の裏に裏面側ラミフィルム4が形成され、表面側ラミフィルム2/紙3/裏面側ラミフィルム4で構成される容器用包装材5が形成される。表面側ラミフィルム2 と裏面側ラミフィルム4は一層以上から構成されるフィルムである。
【0019】
前記容器用包装材に開口部を開ける工程において、前記工程で得られた容器用包装材5に、スパウト装着用の開口部6を開ける。
【0020】
超音波溶着工程では、開口部6に、下から、スパウト1を挿入し、径太部10の外側面近傍に、開口部6の容器用包装材5の側断面がある状態となる。スパウト1と容器用包装材5の開口部の端部の間の空隙であるスパウトと容器用包装材の間の間隙7が形成される。
【0021】
そして、フランジ部20を開口部6の容器用包装材5の下面の裏面側ラミフィルム4に接触し、超音波ホーン40とアンビル50の間に径太部肩部11と、容器用包装材5と、フランジ部20を挟みこみ超音波溶着する。
【0022】
径太部肩部11は超音波ホーン40の接触面30の振動熱により溶融され、溶融されたものが、容器用包装材5の表側の表面側ラミフィルム2の上で開口部6付近に、覆い被さり、径太部肩部11の溶融された樹脂と容器用包装材5の表面側ラミフィルム2が接着される。
【0023】
フランジ部20は、超音波ホーン40とアンビル50で挟まれた部位において、開口部6の容器用包装材5の下面の裏面側ラミフィルム4に接着される。
【0024】
スパウトと容器用包装材の間の間隙7の上部は、径太部肩部11の溶融されたもので覆い被さり、スパウト1と容器用包装材の間の間隙7の下部は、スパウト1のフランジ部20と容器用包装材5の裏面側ラミフィルム4に接着部の存在により、塞がれているので、スパウトと容器用包装材の間の間隙7は、外部に露出されていないので、内容物の液体が、スパウトと容器用包装材の間の間隙7に侵入することなく、容器用包装材5の端部で紙3の端部に、内容物の液体に浸かることがない。
【0025】
容器用包装材5の開口部6へのスパウト1を装着する工程は、開口部6へのスパウト1の挿入のあと、超音波ホーン40とアンビル50に径太部肩部11と、容器用包装材5と、フランジ部20を挟みこみ超音波溶着する工程が1工程で済む。
【0026】
<第2の実施形態>
第2の実施形態を図面を参照して説明する。図2は本発明の第2の実施形態におけるスパウト溶着方法を説明する模式的断面図である。
【0027】
第2の実施形態のスパウト溶着方法は、第1の実施形態における超音波溶着工程で用いる超音波ホーン40の下面中央部に、凹部を有し、凹部の周囲で段差部60が形成され、段差部60は丸みを帯びており、段差部60の段差は0.3mm以上3mm未満であり、超音波ホーン40の下面凹部で径太部肩部11を溶融させる方法である。
【0028】
超音波溶着工程では、フランジ部20を開口部6の容器用包装材5の下面の裏面側ラミフィルム4に接触し、超音波ホーン40とアンビル50の間に径太部肩部11と、容器用包装材5と、フランジ部20を挟みこみ超音波溶着する。
【0029】
径太部肩部11は超音波ホーン40の接触面30の振動熱により溶融され、溶融されたものが、容器用包装材5の表側の表面側ラミフィルム2の上で開口部6付近に、覆い被さり、径太部肩部11の溶融された樹脂と容器用包装材5の表面側ラミフィルム2が接着される。超音波ホーン40の接触面30は、超音波ホーン40下面中央部に、凹部を有している表面であり、超音波ホーン40の接触面30の振動熱で溶融された径太部肩部11の樹脂は、段差部60までにいきわたり、段差部60によって溶融された樹脂はせき止められる。溶融された樹脂の形状は、超音波ホーン40の接触面30の形状に沿ったものになる。溶融された樹脂の形状は上から見て円に近いものになり、容器用包装材5の表側の表面側ラミフィルム2へのスパウト1の径太部肩部11の溶融した樹脂による溶着が、スパウト1の軸中心回り全方向で均一に行われる。
【0030】
<第3の実施形態>
第3の実施形態を図面を参照して説明する。図3は本発明の第3の実施形態におけるスパウト溶着方法を説明する模式的断面図である。
【0031】
第3の実施形態のスパウト溶着方法は、第1の実施形態における超音波溶着工程で用いる超音波ホーン40とアンビル50は、径太部肩部11を溶融させる超音波ホーン40の下面と超音波ホーン40の接触面30に相対するアンビル50の表面との間の径方向のクリアランスCLが径外側方向に向かって徐々に大きくなるものを使用する方法である。
【0032】
超音波溶着工程では、フランジ部20を開口部6の容器用包装材5の下面の裏面側ラミフィルム4に接触し、超音波ホーン40とアンビル50の間に径太部肩部11と、容器用包装材5と、フランジ部20を挟みこみ超音波溶着する。
【0033】
径太部肩部11は超音波ホーン40の接触面30の振動熱により溶融され、溶融された
ものが、容器用包装材5の表側の表面側ラミフィルム2の上で開口部6付近に、覆い被さり、径太部肩部11の溶融されたものと容器用包装材5の表面側ラミフィルム2が接着される。超音波ホーン40の下面と超音波ホーン40の接触面30に相対するアンビル50の表面との間の径方向のクリアランスCLが径外側方向に向かって徐々に大きくなるもの、すなわち図3で示されるように超音波ホーン40の接触面30の水平面からの傾斜角度θ(超音波ホーン40の接触面30が径外方向からスパウト軸に向かって下降している場合の角度値の符号を正とする)が0よりも大きいものを使用する。超音波ホーン40の接触面30が超音波振動しながら、押下する際に、溶融された径太部肩部11の樹脂は、超音波ホーン40の接触面30の形状に沿い、超音波ホーン40の接触面30の超音波ホーン軸に近いところから、超音波ホーンの径方向で径外側方向に向かって、樹脂が、超音波ホーン軸回りの全方向にいきわたりながら延伸するので、溶融された径太部肩部11の樹脂がいきわたらない部分が発生しない。容器用包装材5の表側の表面側ラミフィルム2へのスパウト1の溶着が安定したものになる。
【実施例0034】
以下、実施例を用いて、本発明の効果を検証する。また、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0035】
<実施例1>
本発明第1の実施形態を実施し、比較例も実施し、評価を行った。
【0036】
(実施例1-1)
図1に示されるように、容器用包装材5に開口部6を開け、スパウト1を挿入し、超音波ホーン40とアンビル50の間に径太部肩部11と、容器用包装材5と、フランジ部20を挟みこみ超音波溶着し、容器用包装材5にスパウト1を装着した。
【0037】
容器用包装材5の層構成は表から裏に向かって、PE(ポリエチレン)25μm/紙250(g/m)/PE25μm/AL(アルミ)6μm/PET(ポリエチレンテレフタレート)12μm/PE40μmである。
【0038】
容器用包装材5における紙基材3の上にラミネートされる表面側ラミフィルム2の層構成は、PE25μmの1層構成で層厚25μmである
スパウト1を容器用包装材5に装着する工程は、主に3つの工程からなり、紙基材表裏にプラスチックフィルムをラミネート加工して容器用包装材5を形成する工程と、容器用包装材5にスパウト装着用の開口部6を開ける工程と、スパウトを容器用包装材5に超音波溶着する工程とを、有する。
【0039】
(比較例1-1)
比較例として、図5に示されるように、紙3が表面側ラミフィルム2と裏面側ラミフィルム4で挟まれたものからなる容器用包装材5に穴を開け、スパウト1のフランジ部20を、裏面側ラミフィルム4に溶着した。
【0040】
容器用包装材5の層構成は表から裏に向かって、PE25μm/紙250(g/m)/PE25μm/AL6μm/PET12μm/PE40μmである。
【0041】
容器用包装材5における紙基材3の上にラミネートされる表面側ラミフィルム2の層構成は、PE25μmの1層構成で層厚25μmである。
【0042】
スパウト1を容器用包装材5に装着する工程は、主に3つの工程からなり、紙基材表裏にプラスチックフィルムをラミネート加工して容器用包装材5を形成する工程と、容器用
包装材5にスパウト装着用の開口部6を開ける工程と、スパウト1を容器用包装材5に溶着する工程とを、有する。
【0043】
(比較例1-2)
また、比較例1-2として、図6に示されるような構成で、スパウト1を容器用包材5の端面の紙端部を外部に露出させないための、リング状の外側フィルム8と内側フィルム9の接着による覆いを形成した。
【0044】
容器用包材5の端面の紙端面25のリング状の外側フィルム8と内側フィルム9の接着による覆いは次のようにして形成した。
【0045】
まず、紙基材3が表面側ラミフィルム2と裏面側ラミフィルム4で挟まれたものからなる容器用包装材5に穴を開け開口部6を形成する。
【0046】
次に、開口部6の内径よりも小さい穴径をもち、外径が開口部6の内径よりも大きいリング状の樹脂フィルムである外側フィルム8を、中心を開口部6の中心軸に合わせ、容器用包装材5の開口部6の上部周辺に貼り合わせる。
【0047】
次に、外側フィルム8と同じ穴径をもち、外側フィルム8と同じ外径の、リング状の樹脂フィルムである内側フィルム9を、中心を開口部6の中心軸に合わせ、容器用包装材5の開口部6の下部周辺に貼り合わせる。
【0048】
次に、外側フィルム8と内側フィルム9を、開口部6において、開口部6の中心軸周辺で、両フィルムの中心の穴の周辺で、貼り合わせる。
【0049】
そして、スパウト1を上から表面側ラミフィルム2に溶着した。
【0050】
容器用包装材5の層構成は表から裏に向かって、PE25μm/紙250(g/m)/PE25μm/AL6μm/PET12μm/PE40μmである。
【0051】
容器用包装材5における紙基材3の上にラミネートされる表面側ラミフィルム2の層構成は、PE25μmの1層構成で層厚25μmである。
【0052】
容器用包装材5の表面に貼る樹脂フィルムである外側フィルム8の層構成は表から裏に向かって、PE40μm/PET12μm/Ny(ナイロン)15μm/PET12μm/PE40μmであり、容器用包装材5の裏面に貼る樹脂フィルムである内側フィルム9の層構成は表から裏に向かって、PE40μm/PET12μm/Ny15μm/PET12μmである。
【0053】
スパウト1を容器用包装材に装着する工程は、主に6つの工程からなり、紙基材表裏にプラスチックフィルムをラミネート加工して容器用包装材5を形成する工程と、容器用包装材5にスパウト装着用の開口部6を開ける工程と、輪状になった表面外側用の樹脂フィルムである外側フィルム8の中心を、容器用包装材5にスパウト装着用の開口部6の中心に合わす位置決めをおこなって、容器用包装材5の表面に貼る工程と、輪状になった裏面外側用の樹脂フィルムである内側フィルム9の中心を、容器用包装材5にスパウト装着用の開口部6の中心に合わす位置決めをおこなって、容器用包装材5の裏面に貼る工程と、開口部6にせり出した外側フィルム8と内側フィルム9を、両フィルムの穴の周辺で貼り合わせる工程と、貼り合わせる工程と、スパウトを上から表面側ラミフィルム2に溶着する工程とを、有する。
【0054】
(比較例1-3)
また、比較例として、図7に示されるように、容器用包装材5の開口部6の周囲において、容器用包装材5の表面側ラミフィルム2と裏面側ラミフィルム4の樹脂フィルムを張り出させ、表面からの樹脂フィルムと裏面からの樹脂フィルムを貼り合わせることにより、容器用包装材5の端部の紙端部を保護し、スパウト1のフランジ部20を上から表面側ラミフィルム2に溶着した。
【0055】
容器用包装材5の層構成は表から裏に向かって、PE25μm/PET12μm/PE20μm/紙250(g/m)/PE25μm/AL6μm/PET12μm/PE40μmである。
【0056】
容器用包装材5の開口部6に張り出す表面側ラミフィルム2の層構成は、表から裏に向かって、PE25μm/PET12μm/PE20μmの3層構成で層厚57μmである。
【0057】
開口部6において、スパウト1のフランジ部20を上から表面側ラミフィルム2に溶着するときに、表面側ラミフィルム2は延伸するため、スパウト1の容器用包装材5の開口部6周辺への装着を強固なものにするためには、表面側ラミフィルム2の層厚は大きいものが必要となる。
【0058】
容器用包装材5の開口部6に張り出す裏面側ラミフィルム4の層構成は、表から裏に向かって、PE25μm/AL6μm/PET12μm/PE40μmである。
【0059】
スパウト1を容器用包装材5に装着する工程は、主に6つの工程からなり、紙基材穴あけの位置決めの見当の紙基材への印刷工程と、紙基材に穴あけして開口部を形成する工程と、紙基材表裏に、プラスチックフィルムをラミネート加工して容器用包装材を形成する工程と、紙基材開口部に、張り出した表面側ラミフィルム2と裏面側ラミフィルム4を、紙基材開口部端部周辺に、上視して輪状に溶着する工程と、紙基材開口部に、張り出した表面側ラミフィルム2と裏面側ラミフィルム4を、紙基材開口部中心とする円状に穴あけする工程と、スパウト1のフランジ部20を上から表面側ラミフィルム2に溶着する工程とを、有する。
【0060】
(評価)
実施例1-1と比較例1-1と比較例1-2と比較例1-3において、スパウト装着用開口部における容器用包装材5の紙端部への耐液体浸透性を評価した。液体に浸漬して、容器用包装材5の紙端部に、液体の浸透がなければ〇、液体の浸透があれば×とした。スパウト1を容器用包装材5に装着する工程数と、容器用包装材5の表面側ラミフィルム2の層数と総厚と、追加で必要となるパーツ数の条件と、併せて、製造方法の総合判定を行った。容器用包装材5の紙端部への耐液体浸透性がないものは×、容器用包装材5の紙端部への耐液体浸透性があって工程数が多いものあるいは使用材料が追加で必要なものなどコスト高のものは×、容器用包装材5の紙端部への耐液体浸透性があって工程数が少ないものは〇とした。
【0061】
結果を表1に示した。
【0062】
【表1】
【0063】
比較例1-1では、容器用包装材5の紙端部に、耐液体浸透性評価時に液体が浸透し、紙基材3の強度が落ち、外観上の問題が発生した。スパウトを装着する工程数は3と少ないが、総合判定は×である。
【0064】
比較例1-2では、容器用包装材5の紙端部に、耐液体浸透性評価時の液の浸透がなかったので、耐液体浸透性は〇であるが、スパウトを装着する工程数は6と多くなり、また追加パーツが外側フィルムと内側フィルムの2つ必要になりコスト増となるので、総合判定は×である。
【0065】
比較例1-3では、容器用包装材5の紙端部に、耐液体浸透性評価時の液の浸透がなかったので、耐液体浸透性は〇であるが、スパウトを装着する工程数は6と多く、また追加パーツは必要になかったものの、容器用包装材5における紙基材3の上にラミネートされる表面側ラミフィルム2の層厚が大きくなり材料が増えてしまった。総合判定は×である。
【0066】
実施例1-1のスパウトを装着する工程数が、容器用包装材5の紙端部への耐液体浸透性があって工程数が3と少なく、総合判定は〇である。
【0067】
本発明によって、表面、裏面全体がプラスチックフィルムで覆われた液体紙容器において、プラスチック製のスパウトを装着させる際に、低コストに、液体紙容器の容器用包装材の開口部における容器用包装材の端部の紙端部が、外部に露出し内容物液体に接触しないようにする製造方法を提供できることが確かめられた
【0068】
<実施例2>
本発明第2の実施形態に従う実施例2-1、実施例2-2、実施例2-3、実施例2-4と、本発明第1の実施形態に従うが本発明第2の実施形態に従わない実施例2-5、実施例2-6、実施例2-7の実施と評価を行った。
【0069】
(実施例2-1)
図2に示されるように、容器用包装材5に開口部6を開け、スパウト1を挿入し、超音波ホーン40とアンビル50の間に径太部肩部11と、容器用包装材5と、フランジ部20を挟みこみ超音波溶着し、容器用包装材5にスパウト1を装着した。
【0070】
超音波ホーン40の下面中央部に、凹部を有し、凹部の周囲で段差部60が形成され、段差部60は丸みを帯びており、超音波ホーン40の径方向断面における段差部形状は弧状となり、段差部60の段差は0.3mmであり、超音波ホーン40の下面凹部で径太部肩部11を溶融させ、容器用包装材5上の表面側ラミフィルム2にスパウト1の径太部肩部11の溶融した樹脂を溶着した。また、容器用包装材5上の裏面側ラミフィルム4にスパウト1のフランジ部を溶着した。
【0071】
(実施例2-2)
図2に示されるように、容器用包装材5に開口部6を開け、スパウト1を挿入し、超音波ホーン40とアンビル50の間に径太部肩部11と、容器用包装材5と、フランジ部20を挟みこみ超音波溶着し、容器用包装材5にスパウト1を装着した。
【0072】
超音波ホーン40の下面中央部に、凹部を有し、凹部の周囲で段差部60が形成され、段差部60は丸みを帯びており、超音波ホーン40の径方向断面における段差部形状は弧状となり、段差部60の段差は0.5mmであり、超音波ホーン40の下面凹部で径太部肩部11を溶融させ、容器用包装材5上の表面側ラミフィルム2にスパウト1の径太部肩部11の溶融した樹脂を溶着した。また、容器用包装材5上の裏面側ラミフィルム4にスパウト1のフランジ部を溶着した。
【0073】
(実施例2-3)
図2に示されるように、容器用包装材5に開口部6を開け、スパウト1を挿入し、超音波ホーン40とアンビル50の間に径太部肩部11と、容器用包装材5と、フランジ部2
0を挟みこみ超音波溶着し、容器用包装材5にスパウト1を装着した。
【0074】
超音波ホーン40の下面中央部に、凹部を有し、凹部の周囲で段差部60が形成され、段差部60は丸みを帯びており、超音波ホーン40の径方向断面における段差部形状は弧状となり、段差部60の段差は1.0mmであり、超音波ホーン40の下面凹部で径太部肩部11を溶融させ、容器用包装材5上の表面側ラミフィルム2にスパウト1の径太部肩部11の溶融した樹脂を溶着した。また、容器用包装材5上の裏面側ラミフィルム4にスパウト1のフランジ部20を溶着した。
【0075】
(実施例2-4)
図2に示されるように、容器用包装材5に開口部6を開け、スパウト1を挿入し、超音波ホーン40とアンビル50の間に径太部肩部11と、容器用包装材5と、フランジ部20を挟みこみ超音波溶着し、容器用包装材5にスパウト1を装着した。
【0076】
超音波ホーン40の下面中央部に、凹部を有し、凹部の周囲で段差部60が形成され、段差部60は丸みを帯びており、超音波ホーン40の径方向断面における段差部形状は弧状となり、段差部60の段差は2.0mmであり、超音波ホーン40の下面凹部で径太部肩部11を溶融させ、容器用包装材5上の表面側ラミフィルム2にスパウト1の径太部肩部11の溶融した樹脂を溶着した。また、容器用包装材5上の裏面側ラミフィルム4にスパウト1のフランジ部20を溶着した。
【0077】
(実施例2-5)
図4に示されるように、容器用包装材5に開口部6を開け、スパウト1を挿入し、超音波ホーン40とアンビル50の間に径太部肩部11と、容器用包装材5と、フランジ部20を挟みこみ超音波溶着し、容器用包装材5にスパウト1を装着した。
【0078】
超音波ホーン40の下面中央部には、段差部が形成されていなく、超音波ホーン40の径方向断面における形状は直線状となっている。超音波ホーン40の下面凹部で径太部肩部11を溶融させ、容器用包装材5上の表面側ラミフィルム2にスパウト1の径太部肩部11の溶融した樹脂を溶着した。また、容器用包装材5上の裏面側ラミフィルム4にスパウト1のフランジ部を溶着した。
【0079】
(実施例2-6)
図2に示されるように、容器用包装材5に開口部6を開け、スパウト1を挿入し、超音波ホーン40とアンビル50の間に径太部肩部11と、容器用包装材5と、フランジ部20を挟みこみ超音波溶着し、容器用包装材5にスパウト1を装着した。
【0080】
超音波ホーン40の下面中央部に、凹部を有し、凹部の周囲で段差部60が形成され、段差部60は丸みを帯びており、超音波ホーン40の径方向断面における段差部形状は弧状となり、段差部60の段差は0.1mmであり、超音波ホーン40の下面凹部で径太部肩部11を溶融させ、容器用包装材5上の表面側ラミフィルム2にスパウト1の径太部肩部11の溶融した樹脂を溶着した。また、容器用包装材5上の裏面側ラミフィルム4にスパウト1のフランジ部を溶着した。
【0081】
(実施例2-7)
図2に示されるように、容器用包装材5に開口部6を開け、スパウト1を挿入し、超音波ホーン40とアンビル50の間に径太部肩部11と、容器用包装材5と、フランジ部20を挟みこみ超音波溶着し、容器用包装材5にスパウト1を装着した。
【0082】
超音波ホーン40の下面中央部に、凹部を有し、凹部の周囲で段差部60が形成され、
段差部60は丸みを帯びており、超音波ホーン40の径方向断面における段差部形状は弧状となり、段差部60の段差は3.0mmであり、超音波ホーン40の下面凹部で径太部肩部11を溶融させ、容器用包装材5上の表面側ラミフィルム2にスパウト1の径太部肩部11の溶融した樹脂を溶着した。また、容器用包装材5上の裏面側ラミフィルム4にスパウト1のフランジ部を溶着した。
【0083】
(評価)
実施例2-1から実施例2-7において、スパウト1の径太部肩部11の溶融した樹脂の先端部の形状を上視により評価した。スパウト1の径太部肩部11の溶融した樹脂の先端部の形状が円に近ければ〇、スパウト1の径太部肩部11の溶融した樹脂の先端部の形状が周部において凸凹があれば×とした。
【0084】
結果を表2に示した。
【0085】
【表2】
【0086】
実施例2-1、実施例2-2、実施例2-3、実施例2-4では、超音波ホーン40の下面の凹部の周囲での段差が、0.3mm以上3mm未満であり、スパウト1の径太部肩部11の溶融した樹脂の先端部の形状は、上視によると円に近いものになった。容器用包装材5上の表面側ラミフィルム2にスパウト1の径太部肩部11の溶融した樹脂が周部に全方向にわたって均一にいきわたり安定して溶着したことを示す。
【0087】
実施例2-5と実施例2-6と実施例2-7において、超音波ホーン40の下面において、段差がないか、超音波ホーン40の下面の凹部の周囲での段差が、0.3mm以上3mm未満ではない値を有しており、スパウト1の径太部肩部11の溶融した樹脂の先端部の形状は、上視によると円ではなく、周部に凸凹があるものになった。容器用包装材5上の表面側ラミフィルム2にスパウト1の径太部肩部11の溶融した樹脂が周部に全方向にわたって均一にいきわたっていないことを示す。
【0088】
容器用包装材5の紙端部の保護を堅牢に行えるという点において、超音波ホーン40の下面の凹部の周囲での段差が0.3mm以上3mm未満であることが望ましい。
【0089】
<実施例3>
本発明第3の実施形態に従う実施例3-1と、本発明第1の実施形態に従うが本発明第3の実施形態に従わない実施例3-2の実施と評価を行った。
【0090】
(実施例3-1)
図3に示されるように、容器用包装材5に開口部6を開け、スパウト1を挿入し、超音波ホーン40とアンビル50の間に径太部肩部11と、容器用包装材5と、フランジ部20を挟みこみ超音波溶着し、容器用包装材5にスパウト1を装着した。
【0091】
超音波溶着工程で用いる超音波ホーン40とアンビル50は、径太部肩部11を溶融させる超音波ホーンの下面と超音波ホーン接触面に相対する前記アンビルの表面との間の径方向のクリアランスCLが径外側方向に向かって徐々に大きくなっているもので、超音波ホーン40の接触面30の水平面からの傾斜角度θ(超音波ホーン40の接触面30が径外方向からスパウト軸に向かって下降している場合の角度値の符号を正とする)が1度のものを使用した。
【0092】
(実施例3-2)
図3に示されるように、容器用包装材5に開口部6を開け、スパウト1を挿入し、超音波ホーン40とアンビル50の間に径太部肩部11と、容器用包装材5と、フランジ部2
0を挟みこみ超音波溶着し、容器用包装材5にスパウト1を装着した。
【0093】
超音波溶着工程で用いる超音波ホーン40とアンビル50は、径太部肩部11を溶融させる超音波ホーンの下面と超音波ホーン接触面に相対する前記アンビルの表面との間の径方向のクリアランスCLが径外側方向に向かって変わらないもので、図3で示される超音波ホーン40の接触面30の水平面からの傾斜角度θが0度のものを使用した。
【0094】
(評価)
実施例3-1と実施例3-2において、スパウト1の径太部肩部11の溶融した樹脂の流動状態を上視して評価した。
【0095】
実施例3-1では、スパウト1の径太部肩部11の溶融した樹脂は、容器用包装材5上の表面側ラミフィルム2上に、スパウト1の軸回り方向すべてに対して、流動し、容器用包装材5上の表面側ラミフィルム2に覆いかぶさり、容器用包装材5の紙端部を保護することができた。
【0096】
実施例3-2では、スパウト1の径太部肩部11の溶融した樹脂は、容器用包装材5上の表面側ラミフィルム2上に部分的に流動し、容器用包装材5上の表面側ラミフィルム2に溶融した樹脂が覆いかぶさったが、スパウト1の軸回り方向すべてに対して、均一に容器用包装材5上の表面側ラミフィルム2に溶融した樹脂が覆いかぶさらなかった。
【0097】
容器用包装材5の紙端部の保護を堅牢に行えるという点において、超音波溶着工程で用いる超音波ホーン40とアンビル50は、径太部肩部11を溶融させる超音波ホーン40の下面と超音波ホーンの接触面30に相対するアンビル50の表面との間の径方向のクリアランスCLが径外側方向に向かって徐々に大きくなることが好ましい。
【符号の説明】
【0098】
1・・・スパウト
2・・・表面側ラミフィルム(多層)
3・・・紙
4・・・裏面側ラミフィルム(多層)
5・・・容器用包装材
6・・・開口部
7・・・スパウトと容器用包装材の間の間隙
8・・・外側フィルム
9・・・内側フィルム
10・・・径太部
11・・・径太部肩部
15・・・筒状部
20・・・フランジ部
30・・・接触面
40・・・超音波ホーン
50・・・アンビル
60・・・段差部
θ・・・水平面からの超音波ホーン接触面の傾斜角度
CL・・・超音波ホーンの下面とのアンビル表面との間のクリアランス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7