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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022134350
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】セルフレジシステム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/01 20060101AFI20220908BHJP
【FI】
G07G1/01 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021033418
(22)【出願日】2021-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】398040158
【氏名又は名称】株式会社ビジュアルジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】山田 徳廣
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142DA08
3E142GA41
(57)【要約】
【課題】従来のPOSレジスタ等を再利用することができ、多機種対応が容易なセルフレジシステムを提供する。
【解決手段】セルフレジシステム1は、購入する商品の精算に関する機能がそれぞれ割り当てられたボタン221b1、221b2を有する店員用画面221を生成するPOSアプリ213aと、ボタン221b1と対応する操作ボタン222bと、ボタン221b2と対応する操作ボタン222cと、を有し、顧客により操作されるとともに店員用画面221よりも簡易な画像であるセルフレジ画面222を生成するスキンアプリ213bと、セルフレジ画面222を表示する表示部22と、を備えている。そして、ボタン221b1と操作ボタン222bとは関連付けられ、ボタン221b2と操作ボタン222cとは関連付けられている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
購入する商品の精算に関する処理を実行するとともに、前記精算に関する機能がそれぞれ割り当てられた複数の第1ボタン画像を有する第1画像を生成する第1処理部と、
前記第1ボタン画像と対応する第2ボタン画像を少なくとも1以上有し、顧客により操作されるとともに前記第1画像よりも簡易な画像である第2画像を生成する第2処理部と、
前記第2画像を表示する画像表示部と、を備え、
前記第2ボタン画像は対応する前記第1ボタン画像と関連付けられている、
ことを特徴とするセルフレジシステム。
【請求項2】
前記第2処理部は、前記第1画像の変化に基づいて前記第2画像の表示内容を変化させることを特徴とする請求項1に記載のセルフレジシステム。
【請求項3】
前記第2処理部は、前記第1画像のうち、予め定めた所定の領域の変化を監視することを特徴とする請求項2に記載のセルフレジシステム。
【請求項4】
前記第1画像には、購入した商品に関する情報が表示される商品情報表示領域を有し、
前記第2処理部は、前記商品情報表示領域が変化した場合に、変化後の前記商品情報表示領域の少なくとも一部を切り出して前記第2画像に含めることを特徴とする請求項3に記載のセルフレジシステム。
【請求項5】
前記画像表示部を操作する指先の位置を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づいて前記第2ボタン画像の操作を判定する判定部と、
を備えることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか一項に記載のセルフレジシステム。
【請求項6】
前記判定部は、前記画像表示部の表面から第1距離以内に前記指先が近づいた場合に、第2ボタン画像の操作を判定することを特徴とする請求項5に記載のセルフレジシステム。
【請求項7】
前記判定部は、前記画像表示部の表面から前記第1距離よりも長い距離である第2距離以内に前記指先が近づいた場合に、当該指先が指していると推定される前記画像表示部上の位置にマークを表示させることを特徴とする請求項6に記載のセルフレジシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客自身が購入する商品の精算を行うセルフレジシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から顧客自身が購入する商品の精算を行うために、顧客自身が商品情報をスキャンするスキャナ等を備えたセルフレジシステムが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、以下のようなセルフレジシステムの発明が記載されている。特許文献1に記載のセルフレジシステムは、POS(Point Of Sale)端末のうちの少なくとも1つのPOS端末は、客自身が操作できるセルフレジモードに切替え可能なセルフレジ端末であり、該セルフレジ端末がセルフレジモードに切替えられているときに、客の操作に基き買上商品の商品情報を自動的に読み取り登録するための商品販売登録処理部と、客の操作に基き買上商品の決済及びレシート発行等の処理をする代金決済処理部とを備えている。そして、セルフレジ端末の近傍には、該セルフレジ端末を利用する客による商品情報の読み取り及び決済処理操作を確認し監視するための監視カメラが設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-76261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の発明は、予め店員が操作するモードとセルフレジモードに切り替えられるように構成されたものであり、従来の店員が操作するPOSレジスタ等をセルフレジに改修することは想定されていない。そのため、店舗等で新たにセルフレジを導入する際に、機器の交換が必要となって導入コストが上昇し、さらに、古い機材が無駄になってしまう。また、従来のPOSレジスタは、店舗や適用システム毎に開発されているため、セルフレジ化の際にはそれぞれ専用に開発する必要があった。
【0006】
本発明は、上記のような問題点を解決しようとするものであり、従来のPOSレジスタ等を再利用することができ、多機種対応が容易なセルフレジシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載された発明は、購入する商品の精算に関する処理を実行するとともに、前記精算に関する機能がそれぞれ割り当てられた複数の第1ボタン画像を有する第1画像を生成する第1処理部と、前記第1ボタン画像と対応する第2ボタン画像を少なくとも1以上有し、顧客により操作されるとともに前記第1画像よりも簡易な画像である第2画像を生成する第2処理部と、前記第2画像を表示する画像表示部と、を備え、前記第2ボタン画像は対応する前記第1ボタン画像と関連付けられている、ことを特徴とするセルフレジシステムである。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように本発明によれば、顧客が操作する第2画像を表示させるため従来のPOSレジスタ等の操作画像である第1画像を顧客が直接操作することがなく、従来のPOSレジスタ等をセルフレジ化することができる。また、顧客が操作する必要がある第1ボタン画像のみを第2ボタン画像に関連付ければよいので、顧客は簡易な画面で操作することができ、操作ミス等を少なくすることができる。さらに、1種類の第2画像を用意すれば、複数種類の第1画像(POSレジスタ)に適用することができ多機種対応も容易である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態にかかるセルフレジシステムの外観斜視図である。
図2図1に示されたセルフレジシステムの機能構成図である。
図3】店員用画面とセルフレジ画面との関係についての説明図である。
図4】スキンアプリとPOSアプリとハードウェア等との階層構造の説明図である。
図5図1に示されたセルフレジシステムの動作例(その1)である。
図6図1に示されたセルフレジシステムの動作例(その2)である。
図7図1に示されたセルフレジシステムの動作例(その3)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態にかかるセルフレジシステムを図1図7を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかるセルフレジシステム1の外観斜視図である。
【0011】
セルフレジシステム1は、レジスタ装置2と、筐体3と、スキャナ4と、支柱5と、を備えている。
【0012】
レジスタ装置2は、本体部21と、表示部22と、を備えている。レジスタ装置2は、後述するPOSアプリ213aによって、POS機能を有するキャッシュレジスタとして機能する。本体部21は、商品購入にかかる精算処理全般を行う。また、本体部21は、筐体3と通信し、商品情報、投入金額情報等が入力される。また、本体部21は、表示部22の操作結果に基づいて、筐体3が有する後述する自動釣銭機34に対してお釣りの排出等の指示を行う。
【0013】
また、本体部21は、レシートプリンタ23を備えている(図2を参照)。レシートプリンタ23は、購入した商品名、商品単価、預かり金額、釣銭金額などの情報が記載されたレシートを印刷する。
【0014】
表示部22は、顧客が購入した商品の精算を行うための各種操作画面(後述するセルフレジ画面222)が表示される。このセルフレジ画面222が後述するように第2画像として機能し、表示部22が画像表示部として機能する。表示部22は、例えば液晶ディスプレイで構成されているが、タッチパネルの機能は有していない。それは、後述するようにモーションセンサ52を用いたタッチパネルの代わりとなる機能を有するためである。なお、表示部22をタッチパネルとしてもよく、その場合は後述する機能は省略することができる。
【0015】
筐体3は、その上面にレジスタ装置2が設置されている。また、同様に上面にはスキャナ4及び支柱5も設置されている。筐体3は、硬貨取扱装置34aや紙幣取扱装置34bからなる自動釣銭機34(図2も参照)を備える。また、筐体3には、顧客の操作面となる外部に、紙幣投入口、紙幣出金口、硬貨投入口、硬貨返却口、硬貨出金口等を備える。
【0016】
また、筐体3は、例えば小型PC(Personal Computer)等で構成された処理装置31(図2も参照)を備える。処理装置31は、顔認識カメラ51で撮像された顔画像から周知の方法により顧客の性別や年齢を識別する。また、処理装置31は、モーションセンサ52が検出した指先の位置と移動方向に基づいて、指先が表示部22上のどの位置を指しているか特定する。指先の位置は、周知の方法により特定すればよい。また、処理装置31は、マイク32やスピーカ33が接続され(図2も参照)、商品入力から支払いまでの一連の処理の中で、必要な音声を出力するものである。例えば、本実施形態は、円滑な商品入力を促すための音声案内を出力したり、商品の未入力など不正があった場合に警告音を出力したりする。
【0017】
マイク32やスピーカ33は、筐体3の利用者等の音声を取得し易い位置や利用者等が聞き取り易い位置等に設けられている。マイク32やスピーカ33は、モーションセンサ52による指先の位置特定結果や顔認識カメラ51による顔認識の結果に基づいて音声案内をする際にも利用される。
【0018】
スキャナ4は、レーザ走査線を商品に照射したり、CCD(Charge Coupled Device)スキャナ等により、商品に付されたバーコードを読み取る。また、スキャナ4は、会員カードやポイントカード等のバーコードが付されているカードであればスキャンすることができる。
【0019】
支柱5は、筐体3の上面から上に向かって延在し、途中から顧客側に向かって斜め上方に向かうように折れ曲がっている。支柱5には、中間部に顔認識カメラ51と、先端部にモーションセンサ52と、が設けられている。
【0020】
顔認識カメラ51は、顧客の性別や年齢を認識するためのカメラであり、CCDイメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを有するカメラモジュールである。
【0021】
モーションセンサ52は、顧客の手指の形状や移動する方向を検出する。本実施形態では、モーションセンサ52はカメラで構成されている。
【0022】
そして、レジスタ装置2では、後述するCPU211(図2を参照)において、処理装置31での処理結果に基づいて表示部22に表示されたボタン画像のうち、どのボタン画像が操作されたかが判定される。そして、判定結果に基づいて、後述するスキンアプリ213bやPOSアプリ213aが動作する。
【0023】
また、本実施形態では、処理装置31において特定された指先の位置に基づいて、指先が、例えば表示部22の表面から3cm以内に近づいたと判定されると、CPU211は、当該指先が指していると推定される表示部22上の位置にマークを表示させる。そして、例えば表示部22の表面から1cm以内に近づいたと判定されると、CPU211は、その位置のボタンを押した(操作された)ものと判定する。これらの距離等の判定は、モーション検知の特定結果に基づいて行うことができる。
【0024】
即ち、CPU211(判定部)は、表示部22(画像表示部)の表面から3cm以内(第1距離よりも長い距離である第2距離以内)に指先が近づいた場合に、当該指先が指していると推定される表示部22(画像表示部)上の位置にマークを表示させる。また、CPU211(判定部)は、表示部22(画像表示部)の表面から1cm(第1距離)以内に指先が近づいた場合に、第2ボタン画像の操作を判定する。
【0025】
図2に、上述した構成のセルフレジシステム1の機能的構成を示す。図2に示したように、セルフレジシステム1は、CPU211と、RAM212と、HDD213と、通信インタフェース214と、グラフィック処理装置215と、入出力インタフェース216と、表示部22と、レシートプリンタ23と、スキャナ4と、処理装置31と、マイク32と、スピーカ33と、自動釣銭機34と、を備えている。
【0026】
上記したCPU211と、RAM212と、HDD213と、通信インタフェース214と、グラフィック処理装置215と、入出力インタフェース216と、は、本体部21が内蔵するものであり、各ブロックはバス217で相互に接続されている。
【0027】
CPU211は、バス217を介して、HDD213などに格納される商品の精算処理を行うためのアプリケーションプログラムを読み込み、RAM212に一時的に読み込んだプログラムを格納し、そのプログラムを実行するものである。具体的には、HDD213に格納されているPOSアプリ213a及びスキンアプリ213bを読み込み、それぞれを実行する。
【0028】
RAM212には、CPU211に実行させるためのOS(Operating System)プログラムやアプリケーションプログラムの一部が一時的に格納される。また、RAM212には、CPU211による処理に必要な各種データが格納される。HDD213には、上述したPOSアプリ213a及びスキンアプリ213bなどが格納される。
【0029】
通信インタフェース214は、外部とデータの送受信を行うものであり、例えばLAN(Local Area Network)などの接続形式を用いることができる。本実施形態では、通信インタフェース214は、店舗内のセルフレジシステム1を統括するシステムや外部のサーバ装置と通信する。
【0030】
グラフィック処理装置215は、CPU211からの命令に従って、店員用画面(第1画像)とセルフレジ画面(第2画像)とを画像信号に変換して表示部22に出力するものである。
【0031】
入出力インタフェース216には、スキャナ4、レシートプリンタ23、処理装置31、自動釣銭機34が接続されている。
【0032】
次に、本実施形態におけるスキンアプリ213bとPOSアプリ213aとハードウェア等との階層構造を図3を参照して説明する。図3に示したように、本体部21、レシートプリンタ23、自動釣銭機34等のハードウェアではOSプログラムに基づいて動作している。そして、OSプログラム上では、POSアプリ213aが動作している。POSアプリ213aは、従来の店員が操作するレジスタ用のアプリケーションプログラムである。そして、POSアプリ213aの上に被さるようにスキンアプリ213bが動作する。
【0033】
スキンアプリ213bは、主にセルフレジ機能にかかるGUI(Graphical User Interface)等を実現するアプリケーションプログラムである。つまり、スキンアプリ213bは、POSアプリ213aのGUIの外観をセルフレジ仕様に変更する。また、スキンアプリ213bは、制御装置31の制御をするとともに制御装置31の処理結果に基づいてGUIの切り替え等の制御も行う。本実施形態ではセルフレジ機能を実現するにあたりPOSアプリ213a自体を改修するのではなく、別プログラムとして構成している。
【0034】
本実施形態では、POSアプリ213aは従来どおり動作し、店員用画面221(図4を参照)は表示部22に表示されないものの画像データとしては生成され、メモリ等に格納されている。スキンアプリ213bは、後述するようにPOSアプリ213aが生成した店員用画面221の変化等に基づいて画面を遷移させる。
【0035】
図3に示したように、本実施形態では、ハードウェアとOS、OSとPOSアプリ213aは、それぞれ密結合となっている。つまり、互いに密接に結びついている状態である。一方、POSアプリ213aとスキンアプリ213bは、疎結合となっている。つまり、互いの結びつきが弱い状態である。そのため、POSアプリ213aが変更されてもスキンアプリ213bは変更が不要または最小限とすることが可能となる。また、モーション検出や顔認識、音声案内等の処理装置31で実行される機能はスキンアプリ31aと密結合している。
【0036】
次に、本実施形態における店員用画面とセルフレジ画面との関係について図4を参照して説明する。図4において、符号221は店員用画面の例、符号222はセルフレジ画面の例である。
【0037】
店員用画面221は、商品・金額等表示部221aと、操作ボタン表示領域221bと、を有している。商品・金額等表示部221aは、スキャナ4でバーコードをスキャンした商品の名称と単価及び現在の合計金額等が表示される。即ち、商品・金額等表示部221aは、購入した商品に関する情報が表示される商品情報表示領域に相当する。操作ボタン表示領域221bは、商品の種類や決済方法(現金、クレジットカード、電子マネー等)を入力するためのボタン画像が複数設けられている。
【0038】
セルフレジ画面222は、商品・金額等表示部222aと、操作ボタン222b、222cと、を有している。商品・金額等表示部222aは、店員用画面221の商品・金額等表示部221aを切り出したものである。つまり、商品・金額等表示部222aは、セルフレジ画面222を生成するスキンアプリ213bが、POSアプリ213aから商品・金額等表示部221aに含まれる商品名や金額の情報を取得して再構築したものではなく、スキンアプリ213bが店員用画面221の画像から商品・金額等表示部221aの部分を切り出してセルフレジ画面222に埋め込んだものである。なお、商品・金額等表示部221aの全体を切り出す必要はなく、商品名や金額等の必要な箇所のみを切り出せばよい。
【0039】
操作ボタン222b、222cは、例えば、決済方法の選択や「次へ」、「精算」等の商品入力から支払いまでの一連の処理中で必要となる機能のボタン画像が表示される。操作ボタン222b、222cは、必要最小限のボタン画像のみを表示させるため、店員用画面221よりもボタン画像の数が少ない。したがって、セルフレジ画面222は、店員用画面221よりも簡易な画面構成となっている。
【0040】
また、操作ボタン222bはボタン221b1と対応するため、操作ボタン222bは、店員用画面221のボタン221b1と関連付けられている。操作ボタン222cはボタン221b2と対応するため、操作ボタン222cは、店員用画面221のボタン221b2と関連付けられている。
【0041】
関連付けられているとは、操作ボタン222bが操作されると、ボタン221b1が操作されたこととなるようにリンク等がされている状態をいう。これは、例えば操作ボタン222bが押されると、ボタン221b1に対応する機能がPOSアプリ213a上で動作するということではなく、例えば操作ボタン222bが押されるとボタン221b1が押されることを意味する。つまり、スキンアプリ213b側では、POSアプリ213aの機能については何ら関知せず、単に店員用画面221のボタンを押すということを伝達するのみである。これは、レジスタ装置2に対して処理装置3からモーション検出の結果や顔認識結果等に基づいて疑似的にキーボードやマウス等の入力手段の操作を行うことに相当する。
【0042】
また、スキンアプリ213bは、店員用画面221の変化を検出してセルフレジ画面222を変化させる。例えば、追加の商品をスキャンして商品・金額等表示部221aが変化した場合、その変化を検出すると商品・金額等表示部221aを再度切り出してセルフレジ画面222に反映させる。これは、例えば店員用画面221となる画像における商品・金額等表示部221aの座標範囲を予め設定し、その座標範囲に経時的変化があったことで検出すればよい。即ち、スキンアプリ213bは、店員用画面221(第1画像)のうち、予め定めた所定の領域の変化を監視している。
【0043】
また、店員用画面221の変化の検出方法としては、例えば、店員用画面221の左上等に当該画面の名称(後述する商品入力画面、会員カード入力画面等)等が表示されている場合は、その名称等の変化を検出してもよい。これも上記と同様に、当該名称等が表示される部分の座標範囲の経時的変化を検出すればよい。
【0044】
以上の説明のとおり、店員用画面221は、購入する商品の精算に関する機能がそれぞれ割り当てられた複数の第1ボタン画像を有する第1画像であり、この店員用画面221を生成し、購入する商品の精算に関する処理を実行するPOSアプリ213aは第1処理部として機能する。また、セルフレジ画面222は、第1ボタン画像と対応する第2ボタン画像を少なくとも1以上有し、顧客により操作されるとともに第1画像よりも簡易な画像である第2画像であり、このセルフレジ画面222を生成するスキンアプリ213bは第2処理部として機能する。
【0045】
次に、上述した構成のセルフレジシステム1の動作例を図5図7を参照して説明する。図5図7は、商品の購入時のセルフレジ画面222と店員用画面221の遷移を示している。図5図7において、左側の列はセルフレジ画面222、右側の列は店員用画面221をそれぞれ示し、同じ行に並んだ画面同士が対応する画面となる。
【0046】
まず、セルフレジシステム1を起動すると、POSアプリ213a、スキンアプリ213bがそれぞれ起動して、表示部22には、スキンアプリ213bにより、セルフレジ画面222として開始画面S1が表示される。一方、このときのPOSアプリ213aにより生成される店員用画面221としては、商品入力画面T2-1が生成され、上述したようにメモリ等に格納される。なお、起動時には、店員用画面221が表示され、切り替えボタン画像を操作することによりセルフレジ画面222が表示されるようにしてもよい。このようにすると、必要に応じて従来のPOSレジスタとセルフレジとの切り替えが可能となる。
【0047】
次に、開始画面S1が表示された状態で顧客がスキャナ4から商品のバーコードをスキャンすると、スキャンされた情報をPOSアプリ213aが受信して、店員用画面221を商品入力画面T2-2に遷移させる。商品入力画面T2-2には、スキャンした商品の商品名や金額が含まれる。一方、スキンアプリ213bでは、店員用画面221の遷移(変化)を検出してセルフレジ画面222を商品入力画面S2に遷移させる。商品入力画面S2は、図4で説明したように、商品入力画面T2-2の商品名や金額の欄が切り出されて表示されている。
【0048】
次に、顧客が商品入力画面S2において「次へ」ボタンを操作する。「次へ」ボタンは、商品入力画面T2-2の「会員カード読込」ボタンと関連付けられており、「次へ」ボタンが操作されると「会員カード読込」ボタンが操作され、店員用画面221が会員カード入力画面T3に遷移する。一方、スキンアプリ213bでは、店員用画面221の遷移(変化)を検出してセルフレジ画面222を会員カード入力画面S3に遷移させる。
【0049】
次に、顧客が会員カード入力画面S3表示時に会員カードをスキャナ4からスキャンすると、スキャンされた情報をPOSアプリ213aが受信して、店員用画面221を小計画面T4(図6)に遷移させる。なお、会員カードをスキャンせずに「スキャンせずにお支払いへ進む」ボタンを操作した場合もPOSアプリ213aは店員用画面221を小計画面T4に遷移させる。一方、スキンアプリ213bでは、店員用画面221の遷移(変化)を検出してセルフレジ画面222を支払方法選択画面S4(図6)に遷移させる。
【0050】
次に、顧客が支払方法選択画面S4において「現金」を選択する。「現金」ボタンは、小計画面T4の「現計」ボタンと関連付けられており、「現金」ボタンが操作されると「現計」ボタンが操作され、店員用画面221が自動釣銭機入金画面T4-G1に遷移する。一方、スキンアプリ213bでは、店員用画面221の遷移(変化)を検出してセルフレジ画面222を自動釣銭機入金画面S4-G1に遷移させる。
【0051】
次に、顧客が自動釣銭機入金画面S4-G1において、筐体3の紙幣取扱装置34bや硬貨取扱装置34a等から紙幣や硬貨を投入すると、投入した金額の情報をPOSアプリ213aが受信して自動釣銭機入金画面T4-G1に反映させる。反映後の自動釣銭機入金画面をT4-G2とする。一方、スキンアプリ213bでは、自動釣銭機入金画面T4-G1の変化(自動釣銭機入金画面T4-G2)を検出してセルフレジ画面222の自動釣銭機入金画面S4-G1の金額に反映させる。反映後の自動釣銭機入金画面をS4-G2とする。
【0052】
次に、顧客が現金の投入を終えて自動釣銭機入金画面S4-G2の「精算」ボタンを操作する。「精算」ボタンは、自動釣銭機入金画面をT4-G2の「確定」ボタンと関連付けられており、「精算」ボタンが操作されると「確定」ボタンが操作され、店員用画面221が現計処理画面T5-G(図7)に遷移する。そして、POSアプリ213aは、筐体3の自動釣銭機34に釣銭の排出を行わせるとともに、レシートプリンタ23からレシートを印刷して出力する。一方、スキンアプリ213bでは、店員用画面221が現計処理画面T5-Gに遷移したことを検出してセルフレジ画面222を完了画面S5-G(図7)に遷移させる。顧客は、商品とともに釣銭とレシートを受け取って購入が完了する。
【0053】
以上説明した本実施形態によれば、セルフレジシステム1は、購入する商品の精算に関する処理を実行するとともに、精算に関する機能がそれぞれ割り当てられたボタン221b1、221b2を有する店員用画面221を生成するPOSアプリ213aを備えている。そして、ボタン221b1と対応する操作ボタン222bと、ボタン221b2と対応する操作ボタン222cと、を有し、顧客により操作されるとともに店員用画面221よりも簡易な画像であるセルフレジ画面222を生成するスキンアプリ213bを備えている。そして、セルフレジ画面222を表示する表示部22と、を備えている。そして、ボタン221b1と操作ボタン222bとは関連付けられ、ボタン221b2と操作ボタン222cとは関連付けられている。
【0054】
セルフレジシステム1を上記のように構成することにより、顧客が操作するセルフレジ画面222を表示させるため従来のPOSレジスタ等の操作画像である店員用画面221を顧客が直接操作することがなく、従来のPOSレジスタをセルフレジ化することができる。また、顧客が操作する必要があるボタンのみを関連付ければよいので、顧客は簡易な画面で操作することができ、操作ミス等を少なくすることができる。さらに、1種類のセルフレジ画面222を用意すれば、複数種類の店員用画面221(POSアプリ213a)に適用することができ多機種対応も容易である。
【0055】
また、スキンアプリ213bは、店員用画面221の変化に基づいてセルフレジ画面222の表示内容を変化させるので、画面遷移の処理を単純化することが可能となる。
【0056】
また、店員用画面221には、購入した商品に関する情報が表示される商品・金額等表示部221aを有し、スキンアプリ213bは、商品・金額等表示部221aが変化した場合に、変化後の商品・金額等表示部221aをセルフレジ画面222に含めている。このようにすることにより、スキンアプリ213bが商品・金額等表示部221aに含まれる商品名や金額の情報を取得して再構築する必要が無く、スキンアプリ213bにおける処理を簡略化することができる。
【0057】
また、スキンアプリ213bは、店員用画面221のうち、商品・金額等表示部221a等の予め定めた所定の領域の変化を監視している。このようにすることにより、監視する領域を絞ることができ、変化の検出にかかる処理負荷を軽減することができる。
【0058】
また、セルフレジシステム1は、表示部22を操作する手指の位置を検出するモーションセンサ52と、モーションセンサ52の検出結果に基づいて操作ボタン222b、222cの操作を判定するCPU211と、を備えている。このようにすることにより、タッチパネルを必要とせず、タッチパネルと同等の機能を実現することができる。したがって、タッチパネルを有しないPOSレジスタであっても、ハードウェアの改修不要でセルフレジ化することができる。
【0059】
また、CPU211は、表示部22の表面から例えば1cm以内に指先が近づいた場合に、第2ボタン画像の操作を判定するので、画面に指が触れる直前に操作の判定をすることができる。また、タッチパネルと同等の操作感を得ることができる。
【0060】
また、CPU211は、表示部22の表面から例えば3cm以内に指先が近づいた場合に、当該指先が指していると推定される表示部22上の位置にマークを表示させるので、指がどこに指そうとしているかを利用者に提示することができる。
【0061】
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明のセルフレジシステムの構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【符号の説明】
【0062】
1 セルフレジシステム
2 レジスタ装置
3 筐体
4 スキャナ
21 本端部
22 表示部(画像表示部)
31 処理装置(検出部)
51 顔認識カメラ
52 モーションセンサ(検出部)
211 CPU(判定部)
213a POSアプリ(第1処理部)
213b スキンアプリ(第2処理部)
221 店員用画面(第1画像)
221a 商品・金額等表示部(商品情報表示領域)
221b1 ボタン(第1ボタン画像)
221b2 ボタン(第1ボタン画像)
222 セルフレジ画面(第2画像)
222b 操作ボタン(第2ボタン画像)
222c 操作ボタン(第2ボタン画像)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7