(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022134369
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】重合体、水不溶性樹脂粒子、医療用素材、生化学実験用素材及び固定化生理活性物質
(51)【国際特許分類】
C08F 220/56 20060101AFI20220908BHJP
A61L 27/16 20060101ALI20220908BHJP
G01N 33/545 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
C08F220/56
A61L27/16
G01N33/545
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021033449
(22)【出願日】2021-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000162076
【氏名又は名称】共栄社化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001531
【氏名又は名称】特許業務法人タス・マイスター
(72)【発明者】
【氏名】高松 嘉則
(72)【発明者】
【氏名】内木場 尊信
【テーマコード(参考)】
4C081
4J100
【Fターム(参考)】
4C081AB03
4C081AB05
4C081CA081
4J100AB02P
4J100AB02Q
4J100AL08P
4J100AL08Q
4J100AL62R
4J100AL62S
4J100BA32P
4J100BA32Q
4J100BA56P
4J100BA56Q
4J100BC60P
4J100BC60Q
4J100CA05
4J100CA06
4J100DA28
4J100DA36
4J100FA20
4J100HA53
4J100HC34
4J100HD13
4J100HE13
4J100JA15
4J100JA51
(57)【要約】
【課題】医療用素材及び生化学実験用素材等のバイオマテリアルとして使用できる新規な重合体を得る。
【解決手段】グリセリンカーボネート(メタ)アクリレートに由来する構造(A)並びにスルホベタイン基、カルボベタイン基及びホスホベタイン基からなる群より選択される少なくとも1の官能基(B-1)及び(メタ)アクリロイル基及び/又はN-(メタ)アクリロイルアミド基(B-2)を有する化合物に由来する構造(B)を必須の構成単位とすることを特徴とする重合体。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリセリンカーボネート(メタ)アクリレートに由来する構造(A)並びに
スルホベタイン基、カルボベタイン基及びホスホベタイン基からなる群より選択される少なくとも1の官能基(B-1)及び(メタ)アクリロイル基及び/又はN-(メタ)アクリロイルアミド基(B-2)
を有する化合物に由来する構造(B)
を必須の構成単位とすることを特徴とする重合体。
【請求項2】
構造(B)は、スルホプロピルベタイン(メタ)アクリレートに由来する構造である請求項1記載の重合体。
【請求項3】
水不溶性の樹脂粒子である請求項1又は2記載の重合体。
【請求項4】
水不溶性の樹脂粒子からなる基材粒子及び当該基材粒子上に形成された請求項1又は2の重合体を含有する被覆層からなることを特徴とする水不溶性樹脂粒子。
【請求項5】
請求項1~3のいずれかに記載の重合体及び/又は請求項4記載の水不溶性樹脂粒子からなることを特徴とする医療用素材。
【請求項6】
請求項1~3のいずれかに記載の重合体及び/又は請求項4記載の水不溶性樹脂粒子からなることを特徴とする生化学実験用素材。
【請求項7】
請求項1~3のいずれかに記載の重合体及び/又は請求項4記載の水不溶性樹脂粒子に生理活性物質を固定化したものであることを特徴とする固定化生理活性物質。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重合体、水不溶性樹脂粒子、医療用素材、生化学実験用素材及び固定化生理活性物質に関する。
【背景技術】
【0002】
バイオマテリアルとは,一般に医療やバイオテクノロジー分野に用いられる材料の総称であり,生体の構成要素である生体物質,細胞,組織などと接触させ,診断や治療あるいは生体の損傷部の補助や置換を行うために用いられる材料や、酵素等の生体物質を検査での使用において使用しやすいように固定するための担体、生体物質に対して蛍光を付与するための蛍光物質など、多岐にわたるものが公知であり、種々の目的で使用されている。さらに、これらの物質においては、生化学分野における研究開発において使用することもある。
【0003】
このような用途において、有機合成によって得られた素材は多く存在する。このようなバイオマテリアルは、通常の樹脂等とは異なり、物理的性質や化学的性質のみではなく、生体との相互作用や生体適合性等の生物学的な性質が要求されている。したがって、一般的な樹脂分野とは異なる分子設計が必要となる。
【0004】
例えば、人工臓器や医療器具などは、本来生体を構成する物質と適合し、かつ汚損しにくい材料で作製されることが望ましい。生体系は、人工材料など外的なものと接触した場合、当該人工材料を異物として認識するため、時間の経過に伴い血栓形成、免疫反応、炎症反応など様々な異物反応が引き起こされる。そのため、人工臓器などの医療用器具を用いる場合、ヘパリンなどの抗血液凝固剤、免疫抑制剤のような薬剤を併用しなければならない。ところが、上記抗血液凝固剤等を使用した場合には、肝臓障害、アレルギー反応などの様々な副反応を生じるおそれがある。
【0005】
検査用の素材においては、タンパク質、ペプチド、アミノ酸等と結合する官能基を有する化合物がしばしば使用されている。バイオマテリアルをこれらの生活性化合物と結合させることで、検査・研究等の種々の目的で使用される。このような結合を生じさせる官能基として具体的には、エポキシ基を有する化合物等が使用されることが多いが、カーボナート基を有する重合体に酵素を固定化することも検討されている(非特許文献1,2)。
【0006】
一方、グリセリンカーボネート(メタ)アクリレートは、樹脂原料として開発され、検討されている(特許文献1、2等)。しかし上述したような医療用素材としては検討されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2015-229770号公報
【特許文献2】特開2017-044928号公報
【特許文献3】特許第6150071号
【特許文献4】特許第6353923号
【特許文献5】国際公開2016/039293号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Ecotoxlcology and Enviromental Safety 170(2019) 453-460
【非特許文献2】Polym. Chem.,2019,10、 3571-3584
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記に鑑み、医療用素材及び生化学実験用素材等のバイオマテリアルとして使用できる新規な重合体を得ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、
グリセリンカーボネート(メタ)アクリレートに由来する構造(A)並びに
スルホベタイン基、カルボベタイン基及びホスホベタイン基からなる群より選択される少なくとも1の官能基(B-1)及び(メタ)アクリロイル基及び/又はN-(メタ)アクリロイルアミド基(B-2)
を有する化合物に由来する構造(B)
を必須の構成単位とすることを特徴とする重合体である。
【0011】
構造(B)は、スルホプロピルベタイン(メタ)アクリレートに由来する構造であることが好ましい。
上記重合体は、水不溶性の樹脂粒子であることが好ましい。
本発明は、水不溶性の樹脂粒子からなる基材粒子及び当該基材粒子上に形成された上記重合体を含有する被覆層からなることを特徴とする水不溶性樹脂粒子でもある。
【0012】
本発明は、上記重合体及び/又は上記水不溶性樹脂粒子からなることを特徴とする医療用素材でもある。
本発明は、上記重合体及び/又は上記水不溶性樹脂粒子からなることを特徴とする生化学実験用素材でもある。
本発明は、上記重合体及び/又は上記水不溶性樹脂粒子に生理活性物質を固定化したものであることを特徴とする固定化生理活性物質でもある。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の重合体は、グリセリンカーボネート(メタ)アクリレートに由来する構造(A)並びにスルホベタイン基、カルボベタイン基及びホスホベタイン基からなる群より選択される少なくとも1の官能基(B-1)、及び、(メタ)アクリロイル基及び/又はN-(メタ)アクリロイルアミド基(B-2)を有する化合物(b)に由来する構造(B)
を必須の構成単位とするものである。
【0014】
グリセリンカーボネート(メタ)アクリレートは、塗料やパターン形成用組成物等の用途における検討が行われているが、医療用素材や生化学実験用素材等のバイオマテリアルとしての検討は行われていない。一方、非特許文献1,2にも開示されているように、環状カーボネート基は、タンパク質、ペプチド、アミノ酸中のアミノ基との反応を生じる。そして、酵素・抗体のアミノ基とカーボネート基との反応性は、対エポキシ基よりも高く、高い固定化量を得ることができる。さらに、生理活性物質を固定化した場合、固定化された生理活性物質の活性を高く維持することができる。この点で、バイオマテリアルとして優れた性能を有する。
【0015】
さらに、環状カーボネート基を有する重合体を使用する場合、生体適合性を有する素材を使用することが望まれる。このため、本発明者らは、生体適合性を向上させることができる成分である、スルホベタイン基、カルボベタイン基及びホスホベタイン基からなる群より選択される少なくとも1の官能基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物(b)に由来する構造単位も必須単位とするものである。これによって、幅広い用途において使用することができる、医療用素材及び生化学実験用素材を得ることができる。
【0016】
上記グリセリンカーボネート(メタ)アクリレートは、下記一般式(1)で表される化学構造を有するものである。
【0017】
【化1】
(式中、R
1は、水素原子又はメチル基を表す)
【0018】
当該化合物は、従来は、塗料組成物やパターン形成に使用される樹脂の変性等の分野で使用が検討されている化合物であり、医療分野や生化学実験における使用については検討がなされていない。
本発明者らは、このような化合物に由来する構造を一部に有する重合体が医療分野において好適に使用できることを見出すことによって、本発明を完成した。
【0019】
上記一般式(1)で表される化合物は、容易にその他の単量体との重合反応を行うことができるため、配合を調整することで、使用目的に応じて樹脂物性を調整することが容易である。このため、上述した医療用素材や生化学実験用素材の構成単位として好適に使用することができる。
【0020】
グリセリンカーボネート(メタ)アクリレートは、公知の化合物であり、公知の製造方法に従って製造することができる。また市販のものを使用することもできる。
【0021】
本発明において使用される上記重合体は、グリセリンカーボネート(メタ)アクリレート由来の構造を全体の1~65重量%の割合で含有するものであることが好ましい。上記割合で含有することによって、上述した目的を好適に達成できる点で特に好ましい。
上記下限は、10重量%であることがより好ましく、20重量%であることが更に好ましい。
【0022】
本発明で使用する重合体は、更に、スルホベタイン基、カルボベタイン基及びホスホベタイン基からなる群より選択される少なくとも1の官能基(B-1)、及び、(メタ)アクリロイル基及び/又はN-(メタ)アクリロイルアミド基(B-2)を有する化合物(b)に由来する構造(B)を有するものである。
このような構造を有することによって、樹脂とタンパク質との間での物理的吸着を抑制することができる点で好ましい。
【0023】
このような構造は以下の一般式で表すことができる。
【化2】
(式中、R
0は、水素又はCH
3基である。
R
1,R
2基中に、以下で詳述するスルホベタイン基、カルボベタイン基及びホスホベタイン基からなる群から選択される少なくとも1の構造を有する。)
【0024】
上記スルホベタイン基、カルボベタイン基及びホスホベタイン基は、それぞれ、スルホン酸基、カルボン酸基及びリン酸基及び4級アミノ基の両方を有する官能基である。これらのなかでも、スルホベタイン基であることが最も好ましい。さらに、スルホベタイン基としては、スルホアルキルベタイン(メタ)アクリレートであることが好ましい。
【0025】
スルホアルキルベタイン(メタ)アクリレートは、下記一般式(2)で表されるスルホアルキルベタイン構造
【0026】
【化3】
(式中、R
aは、炭素数2~5のアルキレン基を表す。
NR
3は、同一または相違する、水素、アルキル基、エステル基、アミド基であり、R基のうち少なくとも1は(メタ)アクリル酸エステル基及び/又は(メタ)アクリルアミド基を有するものである)
【0027】
及び(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリルアミドに由来する構造の両方を分子中に有する化合物又はその分子内塩である。このような化合物として具体的には、下記一般式(3)又は(4)で表される化合物等を挙げることができる。
【0028】
【化4】
(式中、R
aは、炭素数2~5のアルキル基を表す。
R
bは、炭素数2~9のアルキレン基を表す。
R
cは、水素又はメチル基を表す
R
dは、それぞれ同一または異なってもよい炭素数1~2のアルキル基を表す。)
【0029】
【化5】
(式中、R
aは、炭素数2~5のアルキル基を表す。
R
bは、炭素数2~9のアルキレン基を表す。
R
cは、水素又はメチル基を表す
R
dは、それぞれ同一または異なってもよい炭素数1~2のアルキル基を表す。)
R
eは、水素又は炭素数1~9のアルキル基を表す。
【0030】
更に好ましくは下記一般式(5)で表される化合物を挙げることができる。
【0031】
【化6】
(式中、R
cは、水素又はメチル基を表す)
【0032】
上記構造(B)の含有量は、重合体全量に対して1~25重量%であることが好ましい。このような範囲で配合することで、良好な生体適合性を得ることができる。上記下限は、5重量%であることがより好ましく、10重量%であることが更に好ましい。
【0033】
本発明の重合体は、更にその他の単量体に基づく構成単位を共重合成分として含有するものであってもよい。このようなその他の単量体は、本発明の用途において好ましい機能性を有するものであってもよいし、特段の機能性を有さないものであってもよい。
【0034】
上記共重合成分としては、例えば、テトラフェニルエチレン系メタクリレート等を挙げることができる。
上記テトラフェニルエチレン系メタクリレートは、テトラフェニルエチレン骨格及びアクリル基を有する化合物である。テトラフェニルエチレン基は、凝集誘起蛍光特性(AIE)を有する骨格である。医療や生化学の分野においては、蛍光物質を使用することによる検査や分析等が広く一般的に行われている。したがって、このような医療用素材において、テトラフェニルエチレン基を有する重合体とし、これを使用することで、蛍光付与を行うことができる。
【0035】
このような単量体としては特に限定されず、診断薬用蛍光粒子を構成する凝集発光性材料としては特に限定はないが、例えば、ケトイミンホウ素錯体誘導体、ジイミンホウ素錯体誘導体、テトラフェニルエチレン誘導体、アミノマレイミド誘導体、アミノベンゾピロキサンテン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、ヘキサフェニルベンゼン誘導体、ヘキサフェニルシロール誘導体等が挙げられる。
【0036】
本発明の重合体は、更に、不飽和基を有するその他の単量体を共重合成分として有するものであってもよい。このようなその他の単量体としては、特に限定されず、例えば、以下のものを例示することができる。
(その他の単量体の例)
スチレン、クロルスチレン、α-メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジビニルナフタレン、(メタ)アクリル酸α-ナフチル、(メタ)アクリル酸β-ナフチルなどの重合性不飽和芳香族類;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などの重合性不飽和カルボン酸類;スチレンスルホン酸ソーダなどの重合性不飽和スルホン酸もしくはその塩;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸-n-ブチル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、エチレングリコール-ジ-(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニルなどの重合性カルボン酸エステル類;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクロレイン、(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ブタジエン、イソプレン、酢酸ビニル、ビニルピリジン、N-ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニルなどの不飽和カルボン酸アミド類、重合性不飽和ニトリル類、ハロゲン化ビニル類、共役ジエン類等。
【0037】
また、各種多官能アクリレート化合物を共重合成分として使用するものであってもよい。以下で詳述するように、本発明の重合体は、水不溶性樹脂粒子とすることもできる。このような樹脂粒子は、架橋構造を有する重合体であることが好ましい。このような観点から、公知の各種多官能アクリレート化合物を使用することができる。
【0038】
官能基数2の(メタ)アクリレートの例は、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ジメチロールートリシクロデカンジ(メタ)アクリレート(DCP-A)、ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート(共栄社化学社製;ライトアクリレートBP-4EA、BP-10EA)ビスフェノールAのPO付加物ジアクリレート(共栄社化学社製;BP-4PA、BP-10PA等)を含む。なかでも、ビスフェノールAのPO付加物ジアクリレート(共栄社化学社製;BP-4PA)、ジメチロールートリシクロデカンジ(メタ)アクリレート(DCP-A)等を好ましく用いることができる。
【0039】
官能基数3の(メタ)アクリレートの例は、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリス(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等を含む。なかでも、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート等を好ましく用いることができる。
【0040】
官能基数4の(メタ)アクリレートの例は、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性テトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールプロピレンオキサイド変性テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等を含む。なかでも、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等を好ましく用いることができる。
【0041】
官能基数4以上の(メタ)アクリレートの例は、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのカプロラクトン変性物のヘキサ(メタ)アクリレートなど多官能性(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0042】
本発明の重合体は、溶媒溶解性重合体であってもよいし、水不溶性の粒子であってもよい。不溶性の粒子は、グリセリンカーボネート(メタ)アクリレート及びスルホプロピルベタイン(メタ)アクリレートの共重合によって得られるものであってもよいし、不溶性の粒子、グリセリンカーボネート(メタ)アクリレート並びにスルホプロピルベタイン(メタ)アクリレートを含有する組成物を調製し、この組成物の重合を行うことによって、粒子表面に環状カーボネート基及びスルホプロピルベタイン基を有する樹脂粒子を製造する方法によるものであってもよい。
【0043】
本発明の重合体は、製造方法を特に限定するものではなく、乳化重合、溶液重合、懸濁重合、塊状重合等の公知の一般的な方法によって行うことができる。重合の際に使用することができる重合開始剤、乳化剤等も特に限定されるものではなく、公知の任意のものを使用することができる。
【0044】
本発明は、上述した重合体からなる医療用素材又は生化学実験用素材でもある。すなわち、上述した本発明の重合体は、主に医療分野又は生化学実験分野において使用することができるものである。
【0045】
本発明の重合体の具体的な使用方法は特に限定されるものではなく、各種の検査に使用される医療用素材、更に、人工臓器、人口骨、人工関節等への使用も期待されるものである。また、固定化生理活性物質を固定化するための基材として使用することもできる。本発明の重合体上に生理活性物質を固定化した固定化生理活性物質も本発明の一つである。さらに、これらの素材を研究開発用に使用するものであってもよい。
【0046】
上記固定化生理活性物質としては、固定化酵素、固定化抗原、固定化抗体等を挙げることができる。このように各種生理活性物質を本発明の重合体に固定化することで、酵素反応、抗原抗体反応等を固定相上で行うことができ、各種反応や、生化学的反応を行った後の混合物の分離等を行うことができる。固定化する化合物は、タンパク質、ペプチド、アミノ酸等を挙げることができる。
【0047】
更に、抗体医薬品の製造に際して、抗体を含有する培養液から抗体を分取する際に使用する担体粒子としても使用することができる。本発明の重合体に抗体を固定化し、これをカラム中に充填する。そして、抗体医薬品の製造によって得られた反応混合物をカラム中に通過させる。すると、抗体は、担体粒子上に捕捉されて、不純物はカラムを通過する。これによって、不純物を除去することができる。そして、この後に、酸性溶液を通過させるなどして、抗体を担体粒子から解離させ、これによって、純度が高い抗体を得ることができる。
更にイムノクロマト法における免疫測定法における素材としても使用することができる。
【実施例0048】
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
【0049】
(合成例)
(グリセリンカーボネートメタクリレートの合成)
冷却管・撹拌機・温度計・滴下ロートを備えた500mLの四ツ口フラスコに、グリセリンカーボネート(Glycerol 1,2-Carbonate:東京化成工業(株)93g、トルエン65g、トリエチルアミン 11.1gを仕込み30℃にて撹拌した。滴下ロートを用いて無水メタクリル酸 120gを発熱に注意しながら1時間掛けて滴下した。滴下完了後、80℃まで昇温し6時間反応させ合成を完了させた。反応終了後、中和・水洗を実施し目的化合物であるグリセリンカーボネートメタクリレートを淡黄色透明液体で得た。収量は112.5g(収率78.2%)であった。得られた淡黄色透明液体は、1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ (ppm) = 6.04 (s, 1 H); 5.73 (s,1 H); 5.09 (m, 1 H); 4.59 (t, 1 H), 4.38 (t, 1 H); 4.29-4.35 (m,2 H), 1.88 (s, 3 H)であった。この結果は目的構造を支持するものであった。
【0050】
(N,N-ジメチル-N-(2-メタクリロオキシエチル)-N-(3-スルホプロピル)アンモニウム ベタイン(以下:スルホプロピルベタイン(SPB)と略す)の合成)
合成操作は以下の手順に従って実施した。
冷却管・撹拌機・温度計・滴下ロートを備えた1Lの四ツ口フラスコに、ライトエステルDM(ジメチルアミノエチルメタクリレート) 120g、アセトン260gを仕込み室温にて撹拌した。次いでアセトン132gに1,3-プロパンスルトン93.2gを混合し、滴下ロートを用いて2時間滴下し反応した。滴下終了後、さらに室温にて3時間撹拌し合成を完了させた。反応液を氷水にて冷却・静置し、冷却後の反応液を吸引ろ過により析出した沈殿物を回収し、さらに多量のアセトンにて洗浄を行い、白色固体を得た。乾燥後の重量は190g(収率89%)であった。得られた白色固体は、1H-NMR (D2O,400MHz)δ:6.13(s,1H)、5.76(s,1H)、4.83-4.66(t,2H)、3.86-3.84(t,2H)、3.65-3.59(m,2H)、3.24(s,6H)、3.05-2.98(t,2H)、2.33-2.12(m,2H)、1.96(2,3H)であった。これは、目的構造を支持する結果であった。
【0051】
(架橋粒子ポリマーの合成)
・比較例1
重合操作は以下の手順に従って実施した。冷却管・撹拌機・温度計を備えた100mlの四ツ口フラスコに、イオン交換水31.75ml、乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウム(SDS) 0.45gを仕込み、室温にて撹拌により完全に溶解させた。完全溶解したことを確認後、ライトエステルM(メタクリル酸メチル) 14.7g、ジエチレングリコールジメタクリレート(ライトエステル2EG) 0.30gを仕込み70℃にて1時間撹拌を行った。その後、重合開始剤として過硫酸アンモニウム 0.30gをイオン交換水 5.0gに溶解させ、反応容器に投入した。70℃にて5時間反応させ重合を完了させた。反応終了後、系内の固形分濃度を105℃にて3時間乾燥後に秤量したところ、28.5wt.%(理論固形分:30wt.%(conv.=95.0%)であった。
【0052】
・比較例2
冷却管・撹拌機・温度計を備えた100mlの四ツ口フラスコに、イオン交換水31.75ml、乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウム(SDS) 0.45g、スルホプロピルベタイン 0.75gを仕込み、室温にて撹拌により完全に溶解させた。完全溶解したことを確認後、メタクリル酸メチル 13.95g、ライトエステル2EG 0.30gを仕込み70℃にて1時間撹拌を行った。その後、重合開始剤として過硫酸アンモニウム 0.30gをイオン交換水 5.0gに溶解させ、反応容器に投入した。70℃にて5時間反応させ重合を完了させた。反応終了後、系内の固形分濃度を105℃にて3時間乾燥後に秤量したところ、29.3wt.%(理論固形分:30wt.%(conv.=97.7%)であった。
【0053】
・比較例3
スルホプロピルベタイン1.5g、メタクリル酸メチル13.2gに変更したこと以外は実施例2と同様に重合を実施した。反応終了後、系内の固形分濃度を105℃にて3時間乾燥後に秤量したところ、29.8wt.%(理論固形分:30wt.%(conv.=99.3%)であった。
【0054】
・実施例1
冷却管・撹拌機・温度計を備えた100mlの四ツ口フラスコに、イオン交換水36.25ml、乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウム(SDS) 0.45g、スルホプロピルベタイン2.1gを仕込み、室温にて撹拌により完全に溶解させた。完全溶解したことを確認後、メタクリル酸メチル10.5g、GC-MA 2.1g、ライトエステル2EG 0.3gを仕込み70℃にて1時間撹拌を行った。その後、重合開始剤として過硫酸アンモニウム 0.30gをイオン交換水 5.0gに溶解させ、反応容器に投入した。70℃にて5時間反応させ重合を完了させた。反応終了後、系内の固形分濃度を105℃にて3時間乾燥後に秤量したところ、28.5wt.%(理論固形分:26.5wt.%(conv.=95.9%)であった。
【0055】
・比較例4
冷却管・撹拌機・温度計を備えた100mlの四ツ口フラスコに、イオン交換水31.75ml、乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウム(SDS) 0.45gを仕込み、室温にて撹拌により完全に溶解させた。完全溶解したことを確認後、スチレン 14.7g、ライトエステル2EG 0.30gを仕込み70℃にて1時間撹拌を行った。その後、重合開始剤として過硫酸アンモニウム 0.30gをイオン交換水 5.0gに溶解させ、反応容器に投入した。70℃にて5時間反応させ重合を完了させた。反応終了後、系内の固形分濃度を105℃にて3時間乾燥後に秤量したところ、28.5wt.%(理論固形分:30wt.%(conv.=95.0%)であった。
【0056】
・比較例5
冷却管・撹拌機・温度計を備えた100mlの四ツ口フラスコに、イオン交換水31.75ml、乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウム(SDS) 0.45g、スルホプロピルベタイン0.75g、を仕込み、室温にて撹拌により完全に溶解させた。完全溶解したことを確認後、スチレン 13.95g、ライトエステル2EG 0.30gを仕込み70℃にて1時間撹拌を行った。その後、重合開始剤として過硫酸アンモニウム 0.30gをイオン交換水 5.0gに溶解させ、反応容器に投入した。70℃にて5時間反応させ重合を完了させた。反応終了後、系内の固形分濃度を105℃にて3時間乾燥後に秤量したところ、29.0wt.%(理論固形分:30wt.%(conv.=96.7%)であった。
【0057】
・実施例2
冷却管・撹拌機・温度計を備えた100mlの四ツ口フラスコに、イオン交換水28.0ml、乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウム(SDS) 0.36g、スルホプロピルベタイン3.6g、を仕込み、室温にて撹拌により完全に溶解させた。完全溶解したことを確認後、スチレン 4.74g、GC-MA 3.6g、ライトエステル2EG 0.06gを仕込み70℃にて1時間撹拌を行った。その後、重合開始剤として過硫酸アンモニウム 0.24gをイオン交換水 5.0gに溶解させ、反応容器に投入した。70℃にて5時間反応させ重合を完了させた。反応終了後、系内の固形分濃度を105℃にて3時間乾燥後に秤量したところ、28.5wt.%(理論固形分:30wt.%(conv.=95.0%)であった。
【0058】
・比較例6
冷却管・撹拌機・温度計を備えた100mlの四ツ口フラスコに、イオン交換水28.0ml、乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウム(SDS) 0.36gを仕込み、室温にて撹拌により完全に溶解させた。完全溶解したことを確認後、スチレン 8.82g、GC-MA 3.78g、ライトエステル2EG 0.06gを仕込み70℃にて1時間撹拌を行った。その後、重合開始剤として過硫酸アンモニウム 0.24gをイオン交換水 5.0gに溶解させ、反応容器に投入した。70℃にて5時間反応させ重合を完了させた。反応終了後、系内の固形分濃度を105℃にて3時間乾燥後に秤量したところ、28.0wt.%(理論固形分:30wt.%(conv.=93.3%)であった。
【0059】
(架橋ポリマー微粒子の回収)
・粒子の回収
上記にて合成した実施例1~8のエマルションを多量のアセトンまたはメタノール中に滴下し、乳化破壊を起こすことで架橋ポリマー微粒子を沈殿させた。沈殿した粒子をろ過にて回収し、多量のイオン交換水にて粒子表面の乳化剤を洗浄した後に、乾燥させ粒子を回収した。以降の評価には本操作にて回収した粒子を用いた。
【0060】
(蛍光タンパク質吸着実験)
蛍光標識されたウシ血清アルブミン(FITC-BSA)を50μg/mlとなる様に、10mMリン酸緩衝液(pH7.2)にて調製した。比較例・実施例で合成した架橋粒子0.05gと調製済みFITC-BSA溶液0.5~1.0mlと10mMリン酸緩衝液(pH7.2)にて計1.4mlに調整し、37℃にて30分間インキュベートした。その後、卓上遠心分離機により粒子を沈降させ上澄みを採取し、沈降した粒子に対して10mMリン酸緩衝液(pH7.2)を0.8ml加えて洗浄した。回収した粒子を目視にて確認した。測定結果は表2に示す。
【0061】
【表1】
MMA:メタクリル酸メチル
Styrene:スチレン
2EG:ジエチレングリコールジメタクリレート
SPB: スルホプロピルベタインメタクリレート
GC-MA:グリセリンカーボネートメタクリレート
【0062】
【0063】
蛍光タンパク質吸着試験の結果、比較例1,2の粒子は蛍光タンパク質の粒子への疎水性相互作用によると考えられる非特異的な吸着が見られる結果となった。これに対して、比較例2,3、及び実施例1,2の様に粒子中にスルホプロピルベタイン(SPB)を配合した粒子は、粒子表面上への疎水性相互作用によるタンパク質吸着が抑制されている事が分かった。また、粒子中にスルホプロピルベタイン(SPB)を配合している場合においても、GC-MAを配合することで粒子への蛍光タンパク質の吸着が見られた。これは、GC-MAの骨格であるカーボネート部位と蛍光タンパク質中のアミノ基を介してタンパク質が共有結合的に吸着(結合)している事が示唆される。
【0064】
粒子表面へ吸着させたタンパク質を直接的に評価するために、蛍光分光光度計にて評価を実施した。上記に挙げた比較例・実施例にある粒子合成法に準じて、新たに実施例3、比較例7の粒子を調製した。組成については表3に示す。
【0065】
(蛍光タンパク質吸着実験2)
蛍光標識されたウシ血清アルブミン(FITC-BSA)を50μg/mlとなるように、10mMリン酸緩衝液(pH 7.2)にて調製した。比較例・実施例で合成した架橋粒子0.05gと調製済みFITC-BSA溶液0.5~1.0mlと10mMリン酸緩衝液(pH 7.2)にて計1.4mlに調整し、A.37℃にて30分間インキュベート、B.37℃にて18時間インキュベートした。その後、卓上遠心分離機により粒子を沈降させ上澄みを採取し、沈降した粒子に対して10mMリン酸緩衝液(pH 7.2)を0.8ml加えて洗浄した。この操作を3回繰り返した。洗浄した粒子を用いて蛍光強度測定(日本分光:機種名FP-6200)を実施した。490nmにて励起し、520nmの波長にて蛍光強度(散乱光)を測定した。なお、ブランクには上記実験条件にてFITC-BSAを用いていない粒子をそれぞれに使用した。測定結果は表3に示す。
【0066】
【0067】
結果より短時間のインキュベートにおいては、比較例2、実施例3ともに蛍光タンパク質の粒子への吸着は認められない。また、特異的な結合を促すためにインキュベート時間を長くしたものについては、ある程度非特異的な吸着を抑制しながら、実施例3が示すようにGC-MAの機能により特異的な結合は妨げないことが示唆された。この結果は、特定のタンパク質や抗原等を担持する場合に非常に有効であり、この機能により感度向上・安定性向上などに寄与するものと考えられる。
【0068】
(酵素担持実験)
粒子上への生理活性物質の担持を確認するために、スクロース分解酵素であるインベルターゼを用いて酵素担持(固定化酵素)を実施した。酵素活性については、グルコースCII-テストワコー(富士フィルム和光純薬工業株式会社製)を用いて実施した。
【0069】
実施例3の組成の粒子を0.10g秤量し、そこに10mMリン酸緩衝液(pH7.2) 5.0mlとインベルターゼ溶液(酵母由来)1.0mlを添加し、超音波洗浄機にて粒子を分散させた。更に37℃にて18時間インキュベートした。インキュベート後、遠心分離機により粒子を回収し、10mMリン酸緩衝液(pH7.2)にて3回洗浄した後、遠心分離によって回収した粒子を酵素担持粒子とした。
【0070】
上記の方法にて回収した酵素担持粒子に対して、1wt.%スクロース溶液を5.0ml加え、超音波洗浄機にて粒子を分散し、37℃にて3時間反応させた。反応後、遠心分離によって粒子を沈殿させ、上清を0.05ml採取した。そこに発色試薬1.0mlを混合し、室温で5分間反応させた。遠心分離によって回収した粒子を洗浄後、再度1wt.%スクロース溶液を5.0ml加え、超音波洗浄機にて粒子を分散し37℃にて3時間反応させた。同様に、反応後、遠心分離によって粒子を沈殿させ、上清を0.05ml採取した。そこに発色試薬1.0mlを混合し、室温で5分間反応させた。この操作を繰り返し実施し、酵素担持粒子の繰り返し使用の可否を確認した。
【0071】
結果は、下記の表のようになった。粒子上に酵素を担持させたものは酵素反応によって反応が進み、グルコースの産生が認められそれぞれ赤色に呈色した。一方、酵素を担持させない粒子については、発色試薬の呈色は生じなかった。この事から、粒子上のGC-MAを介した酵素担持によって上記反応を示す固定化酵素を作成できた。更には、繰り返しの使用に際しても問題なく酵素反応が進む事が確認できた。
【0072】