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特開2022-134423センシングシステム、学習装置、センシング方法、及び学習方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022134423
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】センシングシステム、学習装置、センシング方法、及び学習方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20220908BHJP
   A61B 5/087 20060101ALI20220908BHJP
   A61B 5/113 20060101ALI20220908BHJP
   A61B 5/02 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
A61B5/00 101L
A61B5/087
A61B5/113
A61B5/02 310J
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021033539
(22)【出願日】2021-03-03
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000005038
【氏名又は名称】セイコーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】笹原 一将
(72)【発明者】
【氏名】吉田 宜史
【テーマコード(参考)】
4C017
4C038
4C117
【Fターム(参考)】
4C017AA09
4C017AC04
4C017BC11
4C038SS04
4C038SX20
4C038VB33
4C038VB40
4C038VC20
4C117XB01
4C117XB07
4C117XD07
4C117XE14
4C117XE23
4C117XE24
4C117XE26
4C117XE27
4C117XF01
4C117XF03
4C117XF12
4C117XF13
4C117XF14
4C117XF15
4C117XH01
4C117XH16
4C117XJ05
4C117XJ52
4C117XL03
4C117XM01
4C117XM02
4C117XM04
(57)【要約】
【課題】圧力から流量を導出できるセンシングシステム、学習装置、センシング方法、及び学習方法を提供すること。
【解決手段】センシングシステムは、被験者の所定部位に生じている圧力をセンシングすることによって取得した圧力データを保存するセンサモジュールと、センサモジュールが保存する圧力データと被験者の識別情報とを取得し、圧力を特定する情報と流量を特定する情報との関係を機械学習することによって作成された学習モデルを使用して、取得した圧力データから流量データを被検者の識別情報毎に導出する情報処理装置とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサモジュールで生体情報をセンシングするセンシングシステムであって、
被験者の所定部位に生じている圧力をセンシングすることによって取得した圧力データを保存するセンサモジュールと、
前記センサモジュールが保存する前記圧力データと前記被験者の識別情報とを取得し、圧力を特定する情報と流量を特定する情報との関係を機械学習することによって作成された学習モデルを使用して、取得した前記圧力データから流量データを被検者の識別情報毎に導出する情報処理装置と
を備える、センシングシステム。
【請求項2】
前記センサモジュールは、鼻腔内に設置される、
請求項1に記載のセンシングシステム。
【請求項3】
前記センサモジュールは、
圧力をセンシングするセンサと、
電力を供給する電池と、
前記センサがセンシングした結果に基づいて、デジタルデータを作成する信号処理部と、
前記信号処理部が作成した前記デジタルデータを保存するメモリと、
取得機器が送信したデータを取得するコマンドを受信し、受信したコマンドに基づいて、前記メモリに保存された前記デジタルデータと、前記被験者の前記識別情報とを、前記取得機器に送信する無線送受信部と、
を備える、請求項1又は請求項2に記載のセンシングシステム。
【請求項4】
前記センサは、左鼻腔内の圧力と右鼻腔内の圧力とのいずれか一方又は両方をセンシングし、
前記情報処理装置は、前記学習モデルを使用して、前記左鼻腔内の前記圧力と前記右鼻腔内の前記圧力とのいずれか一方又は両方から、前記左鼻腔内の流量と前記右鼻腔内の流量とのいずれか一方又は両方を導出する、請求項3に記載のセンシングシステム。
【請求項5】
前記センサモジュールは、温度センサ、湿度センサ、加速度センサ、及び脈波センサの少なくとも一つをさらに含み、
前記学習モデルは、温度を特定する情報と、湿度を特定する情報と、加速度を特定する情報と、脈波を特定する情報との少なくとも一つにさらに基づいて、圧力を特定する情報と流量を特定する情報との関係を機械学習することによって作成されたものである、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のセンシングシステム。
【請求項6】
圧力を特定する情報と前記圧力が得られる流量を特定する情報とを受け付ける入力部と、
前記入力部が受け付けた圧力を特定する情報と流量を特定する情報とに基づいて、圧力を特定する情報と流量を特定する情報との関係を機械学習することによって学習モデルを作成する処理部と、
前記処理部が作成した前記学習モデルを出力する出力部と
を備える、学習装置。
【請求項7】
前記圧力を特定する前記情報は、鼻腔内の少なくとも1呼吸の間の圧力であり、
前記流量を特定する前記情報は、前記鼻腔内の少なくとも1呼吸の間の流量である、請求項6に記載の学習装置。
【請求項8】
前記圧力を特定する前記情報は、左鼻腔内の圧力と右鼻腔内の圧力とのいずれか一方又は両方であり、
前記流量を特定する前記情報は、前記左鼻腔内の流量と前記右鼻腔内の流量とのいずれか一方又は両方である、請求項6又は請求項7に記載の学習装置。
【請求項9】
センサモジュールで生体情報をセンシングするセンシングシステムによって実行されるセンシング方法であって、
被験者の所定部位に生じている圧力をセンシングすることによって取得した圧力データを保存するステップと、
前記センサモジュールが保存する前記圧力データと前記被験者の識別情報とを取得し、圧力を特定する情報と流量を特定する情報との関係を機械学習することによって作成された学習モデルを使用して、取得した前記圧力データから流量データを被検者の識別情報毎に導出するステップと
を有する、センシング方法。
【請求項10】
圧力を特定する情報と前記圧力が得られる流量を特定する情報とを受け付けるステップと、
受け付ける前記ステップで受け付けた圧力を特定する情報と流量を特定する情報とに基づいて、圧力を特定する情報と流量を特定する情報との関係を機械学習することによって学習モデルを作成するステップと、
作成する前記ステップで作成した前記学習モデルを出力するステップと
を有する、学習方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センシングシステム、学習装置、センシング方法、及び学習方法に関する。
【背景技術】
【0002】
流体において、圧力と流体の流量との間には、ベルヌーイの定理で示されるように強い相関がある。ただし、圧力と流体の流量との間に強い相関があるためには強い制約条件がある。制約条件は流体が非圧縮性であり、かつ同一流線上(ベルヌ―イ面上)でのみ比較可能であるという点である。特に、流体が渦なし流れであることである。
ベルヌーイの定理を利用して圧力から流量を計算する方法に関して、ベンチュリ管、ピトー管などが知られている。ベンチュリ管は、流体を十分な助走距離だけ、断面積が既知な円管等の内部を流すことで流体の状態を安定させ、途中で滑らかに断面積を変化させる。ベンチュリ管は、断面積の変化の前後での圧力を計測することで流速を算出し、その時点での流量を導出する。ピトー管は、流れの全圧と静圧の差圧を計測することで流速を算出する。ピトー管は、流量を導出することも可能である。
流体の流量を使用した技術に関して、生体に貼着するECG電極を用いることなく、生体の心臓の拍出を表す心拍信号を容易に検出できる技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-202195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
圧力から流量を計算するには、ベルヌーイの定理が成立する条件下であることが必要である。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、圧力から流量を導出できるセンシングシステム、学習装置、センシング方法、及び学習方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)上述の課題に鑑み、本発明の一態様に係るセンシングシステムは、センサモジュールで生体情報をセンシングするセンシングシステムであって、被験者の所定部位に生じている圧力をセンシングすることによって取得した圧力データを保存するセンサモジュールと、前記センサモジュールが保存する前記圧力データと前記被験者の識別情報とを取得し、圧力を特定する情報と流量を特定する情報との関係を機械学習することによって作成された学習モデルを使用して、取得した前記圧力データから流量データを被検者の識別情報毎に導出する情報処理装置とを備える。
(2)本発明の一態様に係るセンシングシステムにおいて、前記センサモジュールは、鼻腔内に設置されてもよい。
(3)本発明の一態様に係るセンシングシステムにおいて、前記センサモジュールは、圧力をセンシングするセンサと、電力を供給する電池と、前記センサがセンシングした結果に基づいて、デジタルデータを作成する信号処理部と、前記信号処理部が作成した前記デジタルデータを保存するメモリと、取得機器が送信したデータを取得するコマンドを受信し、受信したコマンドに基づいて、前記メモリに保存された前記デジタルデータと、前記被験者の前記識別情報とを、前記取得機器に送信する無線送受信部と、を備えてもよい。
(4)本発明の一態様に係るセンシングシステムにおいて、前記センサは、左鼻腔内の圧力と右鼻腔内の圧力とのいずれか一方又は両方をセンシングし、前記情報処理装置は、前記学習モデルを使用して、前記左鼻腔内の前記圧力と前記右鼻腔内の前記圧力とのいずれか一方又は両方から、前記左鼻腔内の流量と前記右鼻腔内の流量とのいずれか一方又は両方を導出してもよい。
(5)本発明の一態様に係るセンシングシステムにおいて、前記センサモジュールは、温度センサ、湿度センサ、加速度センサ、及び脈波センサの少なくとも一つをさらに含み、前記学習モデルは、温度を特定する情報と、湿度を特定する情報と、加速度を特定する情報と、脈波を特定する情報との少なくとも一つにさらに基づいて、圧力を特定する情報と流量を特定する情報との関係を機械学習することによって作成されたものであってもよい。
(6)本発明の一態様に係る学習装置は、圧力を特定する情報と前記圧力が得られる流量を特定する情報とを受け付ける入力部と、前記入力部が受け付けた圧力を特定する情報と流量を特定する情報とに基づいて、圧力を特定する情報と流量を特定する情報との関係を機械学習することによって学習モデルを作成する処理部と、前記処理部が作成した前記学習モデルを出力する出力部とを備える。
(7)本発明の一態様に係る学習装置において、前記圧力を特定する前記情報は、鼻腔内の少なくとも1呼吸の間の圧力であり、前記流量を特定する前記情報は、前記鼻腔内の少なくとも1呼吸の間の流量であってよい。
(8)本発明の一態様に係る学習装置において、前記圧力を特定する前記情報は、左鼻腔内の圧力と右鼻腔内の圧力とのいずれか一方又は両方であり、前記流量を特定する前記情報は、前記左鼻腔内の流量と前記右鼻腔内の流量とのいずれか一方又は両方であってもよい。
(9)本発明の一態様に係るセンシング方法は、センサモジュールで生体情報をセンシングするセンシングシステムによって実行されるセンシング方法であって、被験者の所定部位に生じている圧力をセンシングすることによって取得した圧力データを保存するステップと、前記センサモジュールが保存する前記圧力データと前記被験者の識別情報とを取得し、圧力を特定する情報と流量を特定する情報との関係を機械学習することによって作成された学習モデルを使用して、取得した前記圧力データから流量データを被検者の識別情報毎に導出するステップとを有する。
(10)本発明の一態様に係る学習方法は、圧力を特定する情報と前記圧力が得られる流量を特定する情報とを受け付けるステップと、受け付ける前記ステップで受け付けた圧力を特定する情報と流量を特定する情報とに基づいて、圧力を特定する情報と流量を特定する情報との関係を機械学習することによって学習モデルを作成するステップと、作成する前記ステップで作成した前記学習モデルを出力するステップとを有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、圧力から流量を導出できるセンシングシステム、学習装置、センシング方法、及び学習方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態のセンシングシステムの一例を示す図である。
図2】本実施形態のセンシングシステムに含まれるセンサモジュールと、データ取得機器と、情報処理装置との一例を示すブロック図である。
図3】本実施形態のセンシングシステムのセンサモジュールの一例を示す図である。
図4】本実施形態のセンシングシステムの動作の例1を示すフロー図である。
図5】本実施形態のセンシングシステムの動作の例2を示すフロー図である。
図6】本実施形態に係る学習装置の一例を示す図である。
図7】入力データの例1を示す図である。
図8】入力データの例2を示す図である。
図9】入力データの例3を示す図である。
図10】本実施形態に係る学習装置の処理の一例を説明するための図である。
図11】本実施形態に係る情報処理装置の出力データの一例を示す図である。
図12】本実施形態に係る学習装置の動作の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本実施形態のセンシングシステム、学習装置、センシング方法、及び学習方法を、図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限られない。
また、本願でいう「XXに基づいて」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また、「XXに基づいて」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば、任意の情報)である。
【0009】
(実施形態)
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。同一又は類似の機能を有する構成には、同一の符号を付し、その構成に関して重複する説明は省略する場合がある。
(センシングシステム)
図1は、本発明の実施形態のセンシングシステムの一例を示す図である。
本実施形態のセンシングシステム100は、被験者の所定部位に設置されたセンサモジュールで生体情報をモニタリングする。センシングシステム100は、センサモジュール1と、データ取得機器2と、情報処理装置3とを備える。
センサモジュール1とデータ取得機器2との間は、無線によって接続される。データ取得機器2と、情報処理装置3とは、ネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、プロバイダ装置、無線基地局などを含む。
【0010】
センサモジュール1は、被験者HSの所定部位に設置され、生体情報をセンシングすることによって取得したデータと、そのデータを取得した日時情報とを関連付けて保存する。所定部位の一例は、鼻腔内である。以下、所定部位の一例として、鼻腔内を適用した場合について説明を続ける。生体情報の一例は、鼻腔内圧力を特定する情報である。以下、生体情報の一例として鼻腔内圧力を特定する情報を適用した場合について説明を続ける。
データ取得機器2は、センサ情報を取得することを示すコマンドを作成し、作成したコマンドを、センサモジュール1へ送信する。
センサモジュール1は、データ取得機器2が送信したセンサ情報を取得することを示すコマンドを受信した場合に、記憶しているデータと日時情報と被験者HSの識別情報(以下「被験者ID」という)とを含むセンサ情報を作成し、作成したセンサ情報を、データ取得機器2へ送信する。
データ取得機器2は、送信したコマンドに対して、センサモジュール1が送信したセンサ情報を受信する。データ取得機器2は、受信したセンサ情報を、情報処理装置3へ送信する。
情報処理装置3は、データ取得機器2が送信したセンサ情報に含まれるデータと日時情報と被験者IDとを取得する。情報処理装置3は、取得したデータと日時情報とに基づいて、そのデータを解析する。具体的には、情報処理装置3は、学習モデルを使用して、鼻腔内圧力を特定する情報から鼻呼吸流量を特定する情報を導出する。
【0011】
以下、センシングシステム100に含まれるセンサモジュール1と、データ取得機器2と、情報処理装置3とについて詳細に説明する。
図2は、本実施形態のセンシングシステムに含まれるセンサモジュールと、データ取得機器と、情報処理装置との一例を示すブロック図である。
(センサモジュール1)
センサモジュール1は、電池11と、センサ12と、センサモジュール部13と、経路部Rと、鼻把持部NGとを備える。電池11、センサ12、センサモジュール部13などの回路ブロックは、薄い回路基板あるいはフレキシブル基板上に実装される。センサモジュール部13の一例は、信号処理部14と、メモリ15と、無線送受信部16とを含むチップで実現される。センサモジュール1の一例は、鼻把持部NGによって鼻腔内に取り付けられる。
【0012】
図3は、本実施形態のセンシングシステムのセンサモジュールの一例を示す図である。
図3では、センサモジュール1に含まれる電池11とセンサモジュール部13とは省略されている。センサ12は経路部Rと接続され、経路部Rは鼻把持部NGと接続されている。
経路部Rは、左経路部RLと右経路部RRとを有する。センサ12は、左センサ12Lと右センサ12Rとを有する。
鼻把持部NGは、左鼻把持部NGLと右鼻把持部NGRとを有する。左鼻把持部NGLは左鼻孔NCLに取り付けられ、右鼻把持部NGRは右鼻孔NCRに取り付けられ、左鼻把持部NGLと右鼻把持部NGRとによって鼻中隔を挟むことで、鼻把持部NGを鼻腔に取り付けることが可能である。左鼻把持部NGLは左空洞部CLを有し、右鼻把持部NGRは右空洞部CRを有する。左空洞部CLは、左経路部RLを介して左センサ12Lに接続される。右空洞部CRは、右経路部RRを介して右センサ12Rに接続される。
【0013】
鼻把持部NGが鼻腔に取り付けられた場合に、吸気の一部は、左センサ12Lから左経路部RLを介して左空洞部CLを流れるとともに、右センサ12Rから右経路部RRを介して右空洞部CRを流れる。左センサ12Lは、左鼻腔内を流れる吸気の一部によって生じる圧力を測定する。右センサ12Rは、右鼻腔内を流れる吸気の一部によって生じる圧力を測定する。
鼻把持部NGが鼻腔に取り付けられた場合に、呼気の一部は、左空洞部CLから左経路部RLを介して左センサ12Lを流れるとともに、右空洞部CRから右経路部RRを介して右センサ12Rを流れる。左センサ12Lは、左鼻腔内を流れる呼気の一部によって生じる圧力を測定する。右センサ12Rは、右鼻腔内を流れる呼気の一部によって生じる圧力を測定する。図2に戻り説明を続ける。
【0014】
電池11の一例は、一次電池あるいは二次電池である。電池11は、センサ12と、センサモジュール部13とへ、電力を供給する。
センサ12(左センサ12L、右センサ12R)は、圧力センサを含み、センシングすることによって、センシングデータ(圧力の測定結果)を取得する。センサ12は、取得したセンシングデータを、センサモジュール部13へ出力する。ここで、センシングデータ(センサデータ)は、センサモジュール1に搭載されたセンサ12の出力値である。例えば、センサモジュール1に圧力センサが搭載されている場合は、圧力センサが、圧力センサ値をそれぞれ測定間隔毎に出力する。
【0015】
無線送受信部16は、データ取得機器2との間で通信を行う。無線送受信部16と、データ取得機器2との間での通信に使用される無線通信方式の一例は、Bluetooth Low Energy(BLE)である。ただし、BLE以外の通信方式で、無線送受信部16と、データ取得機器2との間で無線通信が行われてもよい。
具体的には、無線送受信部16は、データ取得機器2が送信した初期設定情報を受信する。初期設定情報には、センサモジュール1がセンシングを開始する日時情報と、測定の時間間隔を示す情報と、被験者IDとが含まれる。ここで、日時情報には、年と月とを示す情報が含まれてもよい。
また、無線送受信部16は、データ取得機器2が送信したコマンドを受信する。無線送受信部16は、受信したコマンドに対して信号処理部14が出力したセンサ情報を取得し、取得したセンサ情報をデータ取得機器2へ送信する。
【0016】
信号処理部14は、マイコンと、アナログ-デジタル変換回路(ADC: analog to digital converter)とを含んで構成される。信号処理部14は、無線送受信部16が受信した初期設定情報を取得し、取得した初期設定情報に含まれるセンシングを開始する日時情報と、測定の時間間隔を示す情報と、被験者IDとを取得する。信号処理部14は、取得したセンシングを開始する日時情報と、測定の時間間隔を示す情報と、被験者IDとを、メモリ15に記憶する。また、信号処理部14は、取得した測定の時間間隔を示す情報を、センサ12へ設定する。
センサ12は、信号処理部14によって設定された測定の時間間隔を示す情報に基づいて、測定の時間間隔で、センシングを行う。
信号処理部14は、センサ12が出力したセンシングデータを取得し、取得したセンシングデータをデジタルデータへ変換する。信号処理部14は、センシングデータを変換することによって得られたデジタルデータと、測定インデックスとを関連付けて、メモリ15に記憶する。ここで、測定インデックスは、デジタルデータの識別情報である。測定インデックスとセンサデータは測定間隔毎に保存される。測定インデックスの一例は、測定順に割り振られた一意に決まる数値である。
【0017】
信号処理部14は、無線送受信部16が受信したコマンドを取得し、取得したコマンドを解釈する。信号処理部14は、コマンドを解釈した結果に基づいて、メモリ15と、無線送受信部16とを制御する。具体的には、信号処理部14は、無線送受信部16が受信したコマンドが、センサ情報を取得することである場合に、メモリ15に記憶されたセンシングを開始する日時情報と、測定の時間間隔を示す情報と、被験者IDと、センサモジュール1のID(センサ12のID)と、測定インデックスと、デジタルデータとを関連付けた情報を含み、データ取得機器2を宛先とするセンサ情報を作成する。ここで、センサモジュール1のIDは、センサモジュール1の識別情報である。信号処理部14は、作成したセンサ情報を、無線送受信部16へ出力する。
【0018】
(データ取得機器2)
データ取得機器2は、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。データ取得機器2は、例えば、第1通信部21-1と、第2通信部21-2と、処理部22と、記憶部25とを備える。
第1通信部21-1は、通信モジュールによって実現される。第1通信部21-1は、外部の通信装置と通信する。第1通信部21-1は、BLEなどの通信方式で通信してもよい。第1通信部21-1は、センサモジュール1と通信するために必要な通信情報を保持する。第1通信部21-1は、センサモジュール1へ、処理部22が出力した初期設定情報を送信する。第1通信部21-1は、センサモジュール1へ、処理部22が出力したコマンドを送信する。第1通信部21-1は、送信したコマンドに対して、センサモジュール1が送信したセンサ情報を受信する。
第2通信部21-2は、通信モジュールによって実現される。第2通信部21-2は、ネットワークNWを介して、外部の通信装置と通信する。第2通信部21-2は、例えば有線LANなどの通信方式で通信してもよい。第2通信部21-2は、ネットワークNWを介して情報処理装置3と通信するために必要な通信情報を保持する。第2通信部21-2は、情報処理装置3が送信したセンサ情報取得要求を受信する。第2通信部21-2は、情報処理装置3が送信したセンサ情報要求を受信する。第2通信部21-2は、処理部22が出力したセンサ情報応答を、情報処理装置3へ送信する。
【0019】
記憶部25は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などにより実現される。
処理部22は、センシングを開始する日時情報と、測定の時間間隔を示す情報と、被験者IDとを含む初期設定情報を作成する。処理部22は、センサモジュール1が起動し、センサモジュール1が起動したことを検出した場合に、初期設定情報を作成する。処理部22は、作成した初期設定情報を、第1通信部21-1へ出力する。処理部22は、第2通信部21-2が受信したセンサ情報取得要求を取得する。処理部22は、取得したセンサ情報取得要求に基づいて、センサ情報を取得するコマンドを作成する。処理部22は、作成したコマンドを、第1通信部21-1へ出力する。処理部22は、第1通信部21-1が受信したセンサ情報を取得する。処理部22は、第2通信部21-2が受信したセンサ情報要求を取得する。処理部22は、取得したセンサ情報含む、情報処理装置3を宛先とするセンサ情報応答を作成する。処理部22は、作成したセンサ情報応答を、第2通信部21-2へ出力する。
【0020】
処理部22は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶部25に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。コンピュータプログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
【0021】
(情報処理装置3)
情報処理装置3は、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。情報処理装置3は、例えば、通信部31と、処理部32と、操作部33と、導出部34と、記憶部35と、出力部36とを備える。
通信部31は、通信モジュールによって実現される。通信部31は、ネットワークNWを介して、外部の通信装置と通信する。通信部31は、例えば有線LANなどの通信方式で通信してもよい。通信部31は、ネットワークNWを介して、データ取得機器2と通信するために必要な通信情報を保持する。
具体的には、通信部31は、処理部32が出力したセンサ情報取得要求を、データ取得機器2へ送信する。通信部31は、処理部32が出力したセンサ情報要求を、データ取得機器2へ送信し、送信したセンサ情報要求に対して、データ取得機器2が送信したセンサ情報応答を受信する。
【0022】
処理部32は、ユーザが操作部33を操作することによって、操作部33が出力したデータ取得機器2にセンサ情報を取得させることを要求する情報に基づいて、センサ情報取得要求を作成し、作成したセンサ情報取得要求を、通信部31へ出力する。ユーザが操作部33を操作することによって、操作部33が出力したセンサ情報を取得することを要求する情報に基づいて、センサ情報要求を作成し、作成したセンサ情報要求を、通信部31へ出力する。処理部32は、センサ情報要求に対して、データ取得機器2が送信したセンサ情報応答を、通信部31から取得する。処理部32は、取得したセンサ情報応答に含まれるセンシングを開始する日時情報と、測定の時間間隔を示す情報と、被験者IDと、センサモジュール1のIDと、測定インデックスと、デジタルデータとを取得する。処理部32は、取得したセンシングを開始する日時情報と、測定の時間間隔を示す情報と、被験者IDと、センサモジュール1のIDと、測定インデックスと、デジタルデータとから、被験者HSのデジタルデータを抽出する。
【0023】
操作部33は、入力デバイスを備え、操作を受け付ける。この入力デバイスには、キーボード等の文字情報を入力するデバイス、マウス、タッチパネル等のポインティングデバイス、釦、ダイヤル、ジョイスティック、タッチセンサ、タッチパッド等が含まれる。ユーザは、操作部33を操作することによって、センサ情報をデータ取得機器2に取得させることを要求する情報と、被験者IDとを入力する。ユーザは、操作部33を操作することによって、センサ情報を取得することを要求する情報と、被験者IDとを入力する。
導出部34は、学習モデル34aを有する。学習モデル34aは、圧力を特定する情報とその圧力に対応する流量との関係を機械学習することによって得られる。学習モデル34aは、圧力を特定する情報が入力された場合に、流量を特定する情報を出力する。導出部34は、処理部32が抽出したデジタルデータ(鼻腔内圧力を特定する情報)を取得する。導出部34は、取得したデジタルデータ(鼻腔内圧力を特定する情報)を、学習モデル34aに入力する。導出部34は、鼻腔内圧力を特定する一又は複数の情報の各々に対して、学習モデル34aが出力した流量を特定する情報を取得する。
出力部36は、処理部32からセンシングを開始する日時情報と、測定の時間間隔を示す情報と、被験者IDと、センサモジュール1のIDと、測定インデックスと、デジタルデータとを取得する。出力部36は、導出部34から、取得したデジタルデータ(鼻腔内圧力を特定する情報)に対応する流量を特定する情報を取得する。出力部36は、取得したセンシングを開始する日時情報と、測定の時間間隔を示す情報と、被験者IDと、センサモジュール1のIDと、測定インデックスと、デジタルデータと、流量を特定する情報とを関連付けて記憶部35に記憶させる。
【0024】
記憶部35は、HDDやフラッシュメモリ、RAM、ROMなどにより実現される。
処理部32、導出部34及び出力部36は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶部35に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。コンピュータプログラムは、予めHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
【0025】
次に、センシングシステム100の動作について説明する。
(センシングシステム100の動作)
図4は、本実施形態のセンシングシステムの動作の例1を示すフロー図である。図4を参照して、データ取得機器2が初期設定情報を作成してから、情報処理装置3が作成したセンサ情報取得要求に基づいて、データ取得機器2がセンサモジュール1からセンサ情報を受信するまでの動作について説明する。
(ステップS1-1)
データ取得機器2において、処理部22は、センシングを開始する日時情報と、測定の時間間隔を示す情報と、被験者IDとを含む初期設定情報を作成する。
(ステップS2-1)
データ取得機器2において、処理部22は、作成した初期設定情報を第1通信部21-1へ出力する。第1通信部21-1は、処理部22が出力した初期設定情報を取得する。第1通信部21-1は、取得した初期設定情報を、センサモジュール1へ送信する。
(ステップS3-1)
センサモジュール1において、無線送受信部16は、データ取得機器2が送信した初期設定情報を受信する。
(ステップS4-1)
センサモジュール1において、信号処理部14は、無線送受信部16が受信した初期設定情報を取得する。信号処理部14は、取得した初期設定情報に含まれるセンシングを開始する日時情報と、測定の時間間隔を示す情報と、被験者IDとを取得する。信号処理部14は、取得したセンシングを開始する日時情報と、測定の時間間隔を示す情報と、被験者IDとを、メモリ15に記憶する。
【0026】
(ステップS5-1)
センサモジュール1において、信号処理部14は、取得した測定の時間間隔を示す情報を、センサ12へ設定する。
(ステップS6-1)
センサモジュール1において、センサ12は、測定の時間間隔に該当する周期で、センシングデータを取得する。
(ステップS7-1)
センサモジュール1において、センサ12は、取得したセンシングデータを、センサモジュール部13へ出力する。信号処理部14は、センサ12が出力したセンシングデータを取得し、取得したセンシングデータをデジタルデータへ変換する。信号処理部14は、センシングデータを変換することによって得られたデジタルデータと、測定インデックスとを関連付けて、メモリ15に記憶する。センサモジュール1は、所定に期間の間、日常生活内のデジタルデータと、測定インデックスとを関連付けて、メモリ15に記憶する。
(ステップS8-1)
所定の期間が経過した後に、被験者HSは、センサモジュール1を取り出す。
情報処理装置3において、処理部32は、ユーザが操作部33に対して行った操作に基づいて、センサ情報取得要求を作成する。
【0027】
(ステップS9-1)
情報処理装置3において、処理部32は、作成したセンサ情報取得要求を、通信部31へ出力する。通信部31は、処理部32が出力したセンサ情報取得要求を取得する。通信部31は、取得したセンサ情報取得要求を、データ取得機器2へ送信する。
(ステップS10-1)
データ取得機器2において、第2通信部21-2は、情報処理装置3が送信したセンサ情報取得要求を受信する。
(ステップS11-1)
データ取得機器2において、処理部22は、第2通信部21-2が受信したセンサ情報取得要求を取得する。処理部22は、取得したセンサ情報取得要求に基づいて、センサ情報を取得することを示すコマンドを作成する。
(ステップS12-1)
データ取得機器2において、処理部22は、作成したコマンドを第1通信部21-1に出力する。第1通信部21-1は、処理部22が出力したコマンドを取得する。第1通信部は、取得したコマンドを、センサモジュール1へ送信する。
【0028】
(ステップS13-1)
センサモジュール1において、無線送受信部16は、データ取得機器2が送信したコマンドを受信する。
(ステップS14-1)
センサモジュール1において、信号処理部14は、無線送受信部16が受信したコマンドを取得し、取得したコマンドが、センサ情報を取得することである場合に、メモリ15に記憶されたセンシングを開始する日時情報と、測定の時間間隔を示す情報と、被験者IDと、センサモジュール1のIDと、測定インデックスと、デジタルデータとを関連付けた情報を含み、データ取得機器2を宛先とするセンサ情報を作成する。
(ステップS15-1)
センサモジュール1において、信号処理部14は、作成したセンサ情報を、無線送受信部16へ出力する。無線送受信部16は、信号処理部14が出力したセンサ情報を取得し、取得したセンサ情報を、データ取得機器2へ送信する。
(ステップS16-1)
データ取得機器2において、第1通信部21-1は、センサモジュール1が送信したセンサ情報を受信する。
【0029】
図5は、本実施形態のセンシングシステムの動作の例2を示すフロー図である。図5を参照して、情報処理装置3がセンサ情報要求を作成し、作成したセンサ情報要求に基づいて、データ取得機器2からセンサ情報応答を取得する。情報処理装置3が、取得したセンサ情報応答に含まれるデジタルデータを学習モデル34aに入力し、学習モデル34aからの出力データを取得し、取得した出力データを記憶するまでの動作について説明する。
(ステップS1-2)
情報処理装置3において、処理部32は、ユーザが操作部33に対して行った操作に基づいて、センサ情報要求を作成する。
(ステップS2-2)
情報処理装置3において、処理部32は、作成したセンサ情報要求を通信部31に出力する。通信部31は、処理部32が出力したセンサ情報要求を取得し、取得したセンサ情報要求を、データ取得機器2へ送信する。
(ステップS3-2)
データ取得機器2において、第2通信部21-2は、情報処理装置3が送信したセンサ情報要求を受信する。
(ステップS4-2)
データ取得機器2において、処理部22は、第2通信部21-2が受信したセンサ情報要求を取得する。処理部22は、取得したセンサ情報要求に基づいて、センサ情報応答を作成する。
(ステップS5-2)
データ取得機器2において、処理部22は、作成したセンサ情報応答を、第2通信部21-2へ出力する。第2通信部21-2は、処理部22が出力したセンサ情報応答を取得する。第2通信部21-2は、取得したセンサ情報応答を、情報処理装置3へ送信する。
【0030】
(ステップS6-2)
情報処理装置3において、通信部31は、データ取得機器2が送信したセンサ情報応答を受信する。
(ステップS7-2)
情報処理装置3において、処理部32は、通信部31が受信したセンサ情報応答を取得する。処理部32は、取得したセンサ情報応答に含まれるセンシングを開始する日時情報と、測定の時間間隔を示す情報と、被験者IDと、センサモジュール1のIDと、測定インデックスと、デジタルデータとを取得する。処理部32は、取得したセンシングを開始する日時情報と、測定の時間間隔を示す情報と、被験者IDと、センサモジュール1のIDと、測定インデックスと、デジタルデータとから、被験者HSのデジタルデータを抽出する。
(ステップS8-2)
情報処理装置3において、導出部34は、処理部32によって抽出された被検者HSのデジタルデータを取得する。導出部34は、取得した被検者HSのデジタルデータを学習モデル34aに入力する。導出部34は、被検者HSのデジタルデータに対して、学習モデル34aからの出力データを取得する。
(ステップS9-2)
情報処理装置3において、出力部36は、処理部32からセンシングを開始する日時情報と、測定の時間間隔を示す情報と、被験者IDと、センサモジュール1のIDと、測定インデックスと、デジタルデータとを取得する。出力部36は、導出部34から、取得したデジタルデータ(鼻腔内圧力を特定する情報)に対応する流量を特定する情報を取得する。出力部36は、取得したセンシングを開始する日時情報と、測定の時間間隔を示す情報と、被験者IDと、センサモジュール1のIDと、測定インデックスと、デジタルデータと、流量を特定する情報とを関連付けて記憶部35に記憶させる。
【0031】
前述した実施形態では、データ取得機器2と、情報処理装置3とが、ネットワークNWを介して接続されている場合について説明したが、この例に限られない。例えば、データ取得機器2が、情報処理装置3と有線接続されていてもよい。データ取得機器2と、情報処理装置3とが、ネットワークNWを介して接続されることによって、仮に被験者HSが遠隔地に行ってしまった場合でも、ユーザは、被験者HSのデジタルデータへアクセスが可能となる。
前述した実施形態では、センサモジュール1とデータ取得機器2とが無線接続される場合について説明したが、この例に限られない。例えば、センサモジュール1とデータ取得機器2とが有線接続されてもよい。この場合、センサモジュール部13は、無線送受信部16に代わりに、有線で送受信するモジュールを備える。
前述した実施形態では、センシングシステム100が、センサモジュール1を一台備える場合について説明したがこの例に限られない。たとえば、センシングシステム100が複数のセンサモジュールを備えてもよい。
【0032】
前述したセンシングシステム100において、センサモジュール1は、温度センサ、湿度センサ、加速度センサ、及び脈波センサの少なくとも一つをさらに含んでもよい。この場合、学習モデル34aとして、圧力を特定する情報に加え、温度を特定する情報と、湿度を特定する情報と、加速度を特定する情報と、脈波を特定する情報との少なくとも一つと、流量を特定する情報との関係を機械学習することによって作成されたものを使用する。このように構成することによって、他のセンサによってセンシングされた生体情報を複合させることができるため、流体が置かれている環境を把握することができる。このため、測定ノイズや姿勢ノイズなどに対してロバストな学習モデルを構築できる。
【0033】
本実施形態のセンシングシステム100によれば、センシングシステム100は、センサモジュールで生体情報をセンシングする。センシングシステム100は、被験者の所定部位に生じている圧力をセンシングすることによって取得した圧力データを保存するセンサモジュール1と、センサモジュール1が保存する圧力データと被験者の識別情報とを取得し、圧力を特定する情報と流量を特定する情報との関係を機械学習することによって作成された学習モデル34aを使用して、取得した圧力データから流量データを被検者の識別情報毎に導出する情報処理装置3とを備える。
このように構成することによって、圧力を特定する情報と流量を特定する情報との関係を機械学習することによって作成された学習モデル34aを使用して、圧力データを流量データに変換できるため、流量の推定精度を向上させることができる。機械学習には、決定木アルゴリズムに基づいた勾配ブースティングの機械学習フレームワークであるLightGBMと、1DCNN、CNN、LSTM、Transformerなどのニューラルネットワークと、統計的学習手法である回帰分析(重回帰分析等)と、勾配BoostingのLightGBMなどとが含まれる。様々な学習モデルを使用することができるので、モデルの大きさ(パラメータ数)や精度、副次的な状態量の推定など融通を効かせることができる。
【0034】
前述したセンシングシステム100において、センサモジュール1は、鼻腔内に設置される。このように構成することによって、センシングシステム100は、鼻腔内の圧力を特定する情報から、学習モデル34aを使用して流量を特定する情報を導出できるため、鼻腔内を流れる呼気又は吸気の流量を特定する情報を導出できる。
前述したセンシングシステム100において、センサモジュール1は、圧力をセンシングするセンサ12と、電力を供給する電池11と、センサ12がセンシングした結果に基づいて、デジタルデータを作成する信号処理部14と、信号処理部14が作成したデジタルデータを保存するメモリ15と、データ取得機器2が送信したデータを取得するコマンドを受信し、受信したコマンドに基づいて、メモリ15に保存されたデジタルデータと、被験者の識別情報とを、データ取得機器2に送信する無線送受信部16とを備える。
【0035】
センサモジュール1が無線送受信部16を備えることによって、センサモジュール1にデジタルデータ読み出しのためのコネクタを設けることなく、センサ情報を外部へ送信できる。センサモジュール1がメモリ15を備えることによって、センサ12がセンシングしたデジタルデータを保存できる。さらに、センサモジュール1を鼻腔内から外した際に、メモリ15に記憶されたデジタルデータを、外部へ送信できる。このため、時間的に抜けが無い時系列データを取得できる。仮に、センサモジュール1がメモリ15を備えない場合には、センサ12がセンシングしたデジタルデータを、記憶することなく外部へ無線送信する必要があり、センサモジュール1は鼻腔内に設置される場合があるため、電波が鼻腔の外に出にくく、データが送信されないおそれがある。
さらに、センシングする度に無線でデータ送信する場合には、電池のエネルギー消費が大きくなる。本実施形態のセンシングシステム100によれば、センサモジュール1を鼻腔内から取り外したときに、メモリ15に保存されたデジタルデータを無線で送信できるため、電池のエネルギー消費は少なくて済む。このため、電池エネルギーの長寿命化を実現できる。
【0036】
前述したセンシングシステム100において、センサ12は、左鼻腔内の圧力と右鼻腔内の圧力とのいずれか一方又は両方をセンシングする。情報処理装置3は、学習モデル34aを使用して、左鼻腔内の圧力と右鼻腔内の圧力とのいずれか一方又は両方から、左鼻腔内の流量と右鼻腔内の流量とのいずれか一方又は両方を導出する。
このように構成することによって、センシングシステム100は、左鼻腔内の圧力を特定する情報と右鼻腔内の圧力を特定する情報とのいずれか一方又は両方から、学習モデル34aを使用して左鼻腔内の流量を特定する情報と左鼻腔内の流量を特定する情報とのいずれか一方又は両方を導出できるため、左鼻腔内を流れる呼気又は吸気の流量を特定する情報と右鼻腔内を流れる呼気又は吸気の流量を特定する情報とのいずれか一方又は両方を導出できる。
【0037】
前述したセンシングシステム100において、センサモジュール1は、温度センサ、湿度センサ、加速度センサ、及び脈波センサの少なくとも一つをさらに含み、前記学習モデルは、温度を特定する情報と、湿度を特定する情報と、加速度を特定する情報と、脈波を特定する情報との少なくとも一つにさらに基づいて、圧力を特定する情報と流量を特定する情報との関係を機械学習することによって作成されたものである。このように構成することによって、他のセンサによってセンシングされた生体情報を複合させることができるため、流体が置かれている環境を把握することができる。このため、測定ノイズや姿勢ノイズなどに対してロバストな学習モデルを構築できる。
【0038】
次に、学習モデル34aの作成方法について説明する。学習モデル34aは、学習装置4によって作成される。学習装置4について説明する。
(学習装置4)
図6は、本実施形態に係る学習装置の一例を示す図である。学習装置4は、圧力を特定する一又は複数の情報とその一又は複数の圧力の各々が得られる流量を特定する情報とを取得する。学習装置4は、取得した圧力を特定する一又は複数の情報とその一又は複数の圧力の各々が得られる流量を特定する情報とに基づいて、圧力を特定する情報と流量を特定する情報との関係を機械学習することによって、学習モデル34aを作成する。学習装置4は、入力部41と、処理部42と、記憶部45と、出力部46とを備える。
【0039】
入力部41は、入力データが入力される。入力データの一例は、圧力を特定する情報とその圧力の各々が得られる流量を特定する情報とである。具体的には、圧力と流量との一例は、圧力センサと流量センサとによって同時に取得されたものである。
図7は、入力データの例1を示す図である。図7において、横軸は経過時間(Elapsed Time)[sec]であり、縦軸は測定値(Measured values)([units: Press[Pa] and Flow rate[slm]]である。入力データの一例は、0.05秒などの所定の周期ごとにサンプリングされる。図7において、実線は計測された圧力データの時系列波形であり、破線は計測された流量データの時系列波形である。
図8は、入力データの例2を示す図である。図8は、入力データの散布図を示す。図8において、横軸は流量(Flow rate)[slm]であり、縦軸は圧力(Pressure)[Pa]である。図8によれば、流量と圧力との間には、正の相関があることが分かる。
図9は、入力データの例3を示す図である。図9は、入力データの相関マップの一例としてPearsonの相関係数を示す。
【0040】
図7から図9によれば、圧力と流量との間には線形の関係があることが分かる。
また、図7に示されるように、圧力データの時系列波形と流量データの時系列波形とには、正のピーク後に一度大きく流量が減少してから一度傾きが緩やかになる区間などの特徴的な部分が存在することが分かる。具体的には、この特徴的な部分は、図7において、経過時間が20秒、26秒、32秒付近などにみられる。この特徴的な部分は、一呼吸の区間(時間)に該当する。
仮に、圧力から単純な線形変換によって流量を得る場合には、このような特徴的な波形を再現することができない。単純な線形変換では、あくまで大小関係しか表現できず、リファレンスとして使用している流量データと圧力データとが全く同じ挙動をするわけではないためである。圧力と流量との間には強い相関(Pearsonの相関係数;0.924)があることがわかる。図6に戻り説明を続ける。
【0041】
処理部42は、入力部41に入力された一又は複数の入力データを取得する。処理部42は、取得した複数の一又は複数の入力データの各々に含まれる圧力を特定する情報とその圧力が得られる流量を特定する情報とに基づいて、圧力を特定する情報と流量を特定する情報との関係を機械学習することによって、学習モデル34aを作成する。処理部42は、圧力を特定する情報と流量を特定する情報との関係を機械学習する場合に、圧力の波形と流量の波形との関係を機械学習する。このように構成することによって、圧力を特定する情報を、その大きさに加えて波形の特徴に基づいて流量へ変換する学習モデル34aを作成できる。
本実施形態では、一例として圧力を特定する情報と流量を特定する情報との関係の機械学習に、1次元畳み込みニューラルネットワーク(1DCNN: 1-dimensional Convolutional Neural Network)を用いた場合について説明を続ける。
【0042】
図10は、本実施形態に係る学習装置の処理の一例を説明するための図である。処理部42の処理を、エンコーダ(Encoder)-デコーダ(Decoder)モデルによって説明する。
入力データの一例は、0.05秒などの所定の期間(区間)毎にサンプリングされている。処理部42は、所定の期間(区間)毎にサンプリングされた圧力を特定する一又複数の情報と流量を特定する一又は複数の情報とから、少なくとも1呼吸の区間(時間)などの所定の区間毎にブロック化する。ここで、ブロック(例えばブロックBL01)とそのブロック(例えばブロックBL01)に対してある時間ずらした隣接するブロック(例えばブロックBL02)との間(隣接するブロック同士)は、圧力を特定する情報と流量を特定する情報との重複があってもよい。処理部42は、ブロック化した結果に基づいて、ブロック単位で圧力を特定する情報と流量を特定する情報とを取得する。このように構成することによって、1つの時系列波形から複数のブロックを作成できるため、機械学習に使用するデータの数を増加させることができる。
【0043】
処理部42は、ブロック化した圧力を特定する情報を、エンコーダ-デコーダモデルの入力とし、1DCNNを使用して圧縮した後に同じサイズに復元する。例えば、処理部42は、ブロック化した圧力を特定する情報(時系列データ)をエンコーダに入力する。エンコーダは、ブロック化した圧力を特定する情報(時系列データ)に基づいて固定長ベクトルを生成する。処理部42は、エンコーダが出力した固定長ベクトルをデコーダに入力する。デコーダは、固定長ベクトルに基づいて時系列データを生成する。
処理部42は、同じサイズに復元した結果と同じブロックに含まれる流量を特定する情報と誤差が小さくなるようにエンコーダ-デコーダモデルを機械学習することによって、学習モデルを作成する。例えば、処理部42は、デコーダが生成した時系列データと、エンコーダに入力した時系列データを含むブロックに含まれる流量を特定する情報との誤差が小さくなるようにエンコーダ-デコーダモデルを機械学習することによって、学習モデルを作成する。
出力部46は、処理部42が作成した学習モデルを取得する。出力部46は、取得した学習モデルを出力する。具体的には、出力部46は、学習モデルを記憶部45に記憶させてもよいし、学習装置4の外部へ出力してもよい。学習モデルが学習装置4の外部に出力される場合に、情報処理装置3に出力されてもよい。
この場合、情報処理装置3において、通信部31は、学習装置4が出力した学習モデルを受信する。処理部32は、通信部31が受信した学習モデルを取得する。処理部32は、取得した学習モデルを導出部34に出力する。導出部34は、処理部32が出力した学習モデルを取得する。導出部34は、取得した学習モデルを学習モデル34aとして設定する。
情報処理装置3において、導出部34は、圧力を特定する情報を学習モデル34aに入力する。学習モデル34aは、圧力を特定する情報が入力された場合に、流量を特定する情報を出力する。
【0044】
図11は、本実施形態に係る情報処理装置の出力データの一例を示す図である。図11において、実線は流量を特定する情報である。この流量を特定する情報は、データ取得機器2から取得したものであり、流量計が出力しているvalidation(検証)データである。破線は流量を特定する情報である。この流量を特定する情報は、学習モデル34aが出力したものある。ここでは、エンコーダ-デコーダモデルを使用して機械学習することによって作成した学習モデル34aを使用する。図11によれば、学習モデル34aが出力した流量を特定する情報の推定精度は、二乗誤差に基づいて約4.5slmである。この推定精度から、情報処理装置3によって圧力を特定する情報から取得される流量を特定する情報は有効である。
【0045】
(学習装置4の動作)
図12は、本実施形態に係る学習装置の動作の一例を示す図である。
(ステップS1-3)
学習装置4において、入力部41は、入力データを取得する。入力データの一例は、圧力を特定する情報と流量を特定する情報とを含む。圧力と流量との一例は、圧力センサと流量センサとによって同時に取得されたものである。
(ステップS2-3)
学習装置4において、処理部42は、入力部41に入力された入力データを取得する。処理部42は、取得した入力データに含まれる圧力を特定する情報とその圧力が得られる流量を特定する情報とに基づいて、圧力を特定する情報と流量を特定する情報との関係を機械学習することによって、学習モデル34aを作成する。
(ステップS3-3)
学習装置4において、出力部46は、処理部42が作成した学習モデルを取得する。出力部46は、取得した学習モデルを出力する。
【0046】
前述した実施形態では、一例として、1DCNNを使用して学習モデル34aを作成する場合について説明したがこの例に限られない。例えば、サポートベクターマシン(support vector machine: SVM)、LightGBM(Light Gradient Boosting Machine)、LSTM(Long short-term memory)、Transformer、CNN(Convolutional Neural Network)以外の全結合のNeural Network、統計的学習手法である回帰分析(重回帰分析等)、勾配BoostingのLightGBMなどの機械学習モデルを適用できる。LightGBMは、決定木アルゴリズムに基づいた勾配ブースティング(Gradient Boosting)の機械学習フレームワークある。LSTMは、自然言語におけるseq2seqなどに使用される。
ただし、LSTM、1DCNNなどの時系列としてデータの前後の情報を考慮するモデルでない場合には、それらを考慮できるように別途特徴量を設計する必要がある。
【0047】
また、学習モデル34aの出力は1次元であってもよいし、2次元以上であってもよい。2次元以上とすることによって、同時に複数の流量を特定する情報を推定できる。
前述した実施形態において、学習装置4において、入力部41は、圧力を特定する情報に加え、温度を特定する情報と、湿度を特定する情報と、加速度を特定する情報と、脈波を特定する情報との少なくとも一つが入力されてもよい。ここで、温度を特定する情報と、湿度を特定する情報と、加速度を特定する情報と、脈波を特定する情報との少なくとも一つの一例は、圧力を特定する情報と流量を特定する情報とともに取得されたものである。処理部42は、圧力を特定する情報に加え、温度を特定する情報と、湿度を特定する情報と、加速度を特定する情報と、脈波を特定する情報との少なくとも一つと、流量を特定する情報との関係を機械学習することによって、学習モデルを作成する。このように構成することによって、他のセンサによってセンシングされた生体情報を複合させることができるため、流体が置かれている環境を把握することができる。このため、測定ノイズや姿勢ノイズなどに対してロバストな学習モデルを構築できる。
【0048】
本実施形態の学習装置4によれば、圧力を特定する情報と圧力が得られる流量を特定する情報とを受け付ける入力部41と、入力部41が受け付けた圧力を特定する情報と流量を特定する情報とに基づいて、圧力を特定する情報と流量を特定する情報との関係を機械学習することによって学習モデルを作成する処理部42と、処理部42が作成した学習モデルを出力する出力部46とを備える。このように構成することによって、圧力として顕れる流体を特定する情報を機械学習の特徴量として反映させることで、ベルヌーイの定理などのような単純な圧力と流量の1対1対応を、学習装置4のように多対1にすることができるので、流量の推定精度を向上させることができる。
【0049】
前述した学習装置4において、圧力を特定する情報は、鼻腔内の少なくとも1呼吸の間の圧力であり、流量を特定する情報は、鼻腔内の少なくとも1呼吸の間の流量である。このように構成することによって、圧力データの時系列波形の特徴的な部分に基づいて、機械学習を行うことができる。
前述した学習装置4において、圧力を特定する情報は、左鼻腔内の圧力と右鼻腔内の圧力とのいずれか一方又は両方であり、流量を特定する情報は、左鼻腔内の流量と右鼻腔内の流量とのいずれか一方又は両方である。このように構成することによって、左鼻腔内の圧力と右鼻腔内の圧力とのいずれか一方又は両方と、左鼻腔内の流量と右鼻腔内の流量とのいずれか一方又は両方とに基づいて、左鼻腔内の圧力と右鼻腔内の圧力とのいずれか一方又は両方と、左鼻腔内の流量と右鼻腔内の流量とのいずれか一方又は両方との関係を機械学習できる。
【0050】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、その他様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形例には、例えば当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、均等の範囲のものなどが含まれる。
例えば、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してコンピュータプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0051】
100…センシングシステム、 1…センサモジュール、 2…データ取得機器、 3…情報処理装置、 11…電池、 12…センサ、 13…センサモジュール部、 14…信号処理部、 15…メモリ、 16…無線送受信部、 21-1…第1通信部、 21-2…第2通信部、 22…処理部、 25…記憶部、 31…通信部、 32…処理部、 33…操作部、 34…導出部、 34a…学習モデル、35…記憶部、 36…出力部
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