(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022013452
(43)【公開日】2022-01-18
(54)【発明の名称】工事管理支援装置、工事管理支援プログラムおよび記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20220111BHJP
【FI】
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020116016
(22)【出願日】2020-07-03
(71)【出願人】
【識別番号】501263809
【氏名又は名称】株式会社コンピュータシステム研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100113745
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 英治
(72)【発明者】
【氏名】長尾 良幸
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 昌康
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】音声認識技術を利用して作業日報を生成する工事管理支援装置、工事管理支援プログラムおよび記憶媒体を提供する。
【解決手段】工事管理支援装置100は、作業者を認識するための作業者特定情報を格納する記憶部と、撮像手段により撮像された対象工事の画像情報を取得する取得部ACQと、作業者特定情報を参照して、取得した画像情報を解析し、作業者を認識する画像解析部と、認識した作業者の作業時間を計測する計測部CNTと、認識した作業者と、該作業者に関連付けられた作業時間とを含む作業情報を表示する表示部DISと、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工事管理支援装置であって、
音声認識モデルを格納する記憶部と、
音声を取得する取得部と、
前記音声認識モデルを用いて、取得した音声に基づき、テキスト情報を生成し、生成したテキスト情報に基づき、工事情報を抽出する音声認識部と、
抽出した工事情報に基づき、該工事情報を含む作業日報を生成する生成部と、
を有する、工事管理支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の工事管理支援装置において、
前記取得部が、
画像をさらに取得し、
前記工事管理支援装置が、
取得した画像に基づき、画像由来工事情報を生成する画像認識部をさらに有し、
前記処理部が、
作業日報に含まれる工事情報と、画像由来工事情報とを比較し、マッチする画像由来工事情報を求め、作業日報に含まれる工事情報と、当該工事情報にマッチする画像由来工事情報に対応する画像をエビデンスとしてさらに関連付ける、
ことを特徴とする、工事管理支援装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の工事管理支援装置において、
作業日報に含まれる工事情報に、当該工事情報に対応する音声をエビデンスとして関連付ける処理部、をさらに有する、
ことを特徴とする、工事管理支援装置。
【請求項4】
請求項1~3のうちのいずれか1項に記載の工事管理支援装置において、
前記工事情報は、
作業内容、機械、道具、器具、重機、車両、歩掛情報、社内用語、作業者情報(人工、対象作業(重機オペレータなど))および、作業量のうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする。
ことを特徴とする、工事管理支援装置。
【請求項5】
請求項1~4のうちのいずれか1項に記載の工事管理支援装置において、
学習済みAIモデルと、
学習済みAIモデルを用いて、工事についての音声入力を促す問いかけ情報を生成する質問生成部と、
をさらに有する、
ことを特徴とする、工事管理支援装置。
【請求項6】
請求項1~4のうちのいずれか1項に記載の工事管理支援装置において、
学習済みAIモデルをさらに有し、
前記音声認識部、前記処理部、および、前記生成部のうちの少なくとも1つが、前記学習済みAIモデルを用いる、
ことを特徴とする、工事管理支援装置。
【請求項7】
請求項1~6のうちのいずれか1項に記載の工事管理支援装置において、
前記取得部が、
移動監視装置(ドローンなど)から、現場音声情報または現場画像情報をさらに取得し、
前記音声認識部、または、前記画像認識部が、
取得した現場音声情報または現場画像情報から、現場由来の工事情報をさらに抽出し、
前記生成部が、
抽出した工事情報に基づき、該工事情報を含む作業日報を生成するのに代えて、
抽出した工事情報、および、抽出した現場由来の工事情報に基づき、工事情報を含む作業日報を生成する、
ことを特徴とする、工事管理支援装置。
【請求項8】
請求項1~6のうちのいずれか1項に記載の工事管理支援装置において、
移動監視装置(ドローンなど)に対して、現場音声情報または現場画像情報を取得するために動作するよう促す指令情報を生成する指令生成部、をさらに有し、
前記取得部が、
前記移動監視装置(ドローンなど)から、現場音声情報または現場画像情報をさらに取得し、
前記音声認識部、または、前記画像認識部が、
取得した現場音声情報または現場画像情報から、現場由来の工事情報を抽出し、
前記生成部が、
抽出した工事情報に基づき、該工事情報を含む作業日報を生成するのに代えて、
抽出した工事情報、および、抽出した現場由来の工事情報に基づき、工事情報を含む作業日報を生成する、
ことを特徴とする、工事管理支援装置。
【請求項9】
請求項1~8のうちのいずれか1項に記載の工事管理支援装置において、
作業日報に含まれる工事情報に、当該工事情報に対応する音声、現場音声情報、または、現場画像情報をエビデンスとして関連付ける処理部をさらに有する、
ことを特徴とする、工事管理支援装置。
【請求項10】
工事管理支援装置であって、
機械、道具、器具、重機、または車両の1つである工事機械を認識するための機械特定情報と、工事機械の動作パターン、および、工事機械の動作パターンに関連付けられた作業内容を含む機械作業変換テーブルとを格納する記憶部と、
撮像手段により撮像された対象工事の画像情報を取得する取得部と、
機械特定情報を参照して、取得した画像情報を解析し、工事機械を認識し、さらに、工事機械の動作パターンを
認識し、該動作パターンに基づき、機械作業変換テーブルを参照して、該工事機械の作業内容を特定する画像解析部と、
をさらに有し、
前記生成部が、
前記作業日報に、認識した工事機械と、該工事機械の作業内容とを含ませる、
ことを特徴とする、工事管理支援装置。
【請求項11】
工事管理支援装置であって、
作業者を認識するための作業者特定情報(作業者の体格、身長、体重、装着ゼッケン、名札、作業服、ヘルメット、装着物、帽子、顔、などの形状・色彩・模様・パターン、QRコード(登録商標)(2次元バーコードなど)などの特徴など)を格納する記憶部をさらに有し、
前記取得部が、
移動監視装置(ドローンなど)から、現場画像情報をさらに取得し、
前記抽出部が、
取得した現場画像情報から、作業者特定情報を参照して、作業者を認識し、該作業者を含む現場由来の工事情報を抽出し、
前記生成部が、
抽出した工事情報に基づき、該工事情報を含む作業日報を生成するのに代えて、
抽出した工事情報、および、抽出した現場由来の工事情報に基づき、工事情報を含む作業日報を生成する、
ことを特徴とする、工事管理支援装置。
【請求項12】
請求項1~11のうちのいずれか1項に記載の工事管理支援装置において、
認識した作業者の作業時間(例えば、作業者が作業を開始した時から終了する時までの時間、画像情報に存在する時間など)を計測する計測部と、
歩掛情報を参照して、作業者について計測した作業時間から出来高(作業量)を計算する計算部と、
をさらに有する、
ことを特徴とする、工事管理支援装置。
【請求項13】
演算処理装置を第1~12に記載の請求項の工事管理支援装置として機能させる工事管理支援プログラム。
【請求項14】
コンピュータ可読な記録媒体であって、
請求項13に記載の工事管理支援プログラムを格納したコンピュータ可読な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工事管理支援装置、工事管理支援プログラムおよび記憶媒体に関し、特に、画像情報を利用して作業者、作業内容、或いは機械を認識し、作業に関する情報を表示する工事管理支援装置、工事管理支援プログラムおよび記憶媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、土木工事や建設工事の原価管理システムが利用されてきた。データを入力するのは工事の現場代理人である。現場代理人は、発注者との打合せ、下請業者との工事打合せ、現場での作業指示、他工事業者を含む工程調整、工程管理、安全管理、工事に関係する書類作成、提出、等非常に多くの役割がある。原価管理システムの典型的なものは、作業者、機械などを所定の表計算シートに記入して、それらから、作業時間や作業量を求め、さらに、その予算、原価などを求めて、表示するものである。この原価管理の前提として、作業者や機械の作業時間や作業量を管理する労務管理、機械管理などが必要とされるが、多忙な環境下において現場代理人は、なかなかシステムへの日々の入力(日報作成)をする時間が取りづらい。
【0003】
従来技術として、「土木工事原価管理装置」(特許文献1を参照されたい。)がある。これは、「土木工事の現場において、出来高を容易に入力できるようにして、土木工事の原価を正確に把握するとともに、進度を常に管理する。」ということを目的にする。そして、この従来技術は、「実行予算ファイルから予算データを入力し、実績入力フォーマット作成手段で、日報形式の入力用帳票か、予算データを記載した出来高形式の入力用帳票か、予算データを記載した外注一括入力フォーマットを作成し、表示装置に表示し、入力装置5から、予定の工事量に対してどれだけ工事が完了したかという割合を資源使用量の予算に対する比率で入力するか、または使用した資源の数量を入力し、また予算と実績に基づいて進捗率を計算して、原価管理表と進捗状況管理表を作成する、といった工程」で原価管理する技法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の原価管理システムは、自動的に数値を計算でき、便利なものではあるが、それでも、ユーザが作業時間や作業内容や作業量を定期的に正確に入力しなければならない、という根本的な課題は解決されていない。このような初期のデータは、ユーザの入力やその正確性に依存するものである。これらの初期データが正確かつ適正に定期的(例えば毎日)に入力されていれば、問題はない。この初期データの入力は現場の責任者(現場代理人)が入れる場合が多いが、現在の公共工事の現場はジョイントベンチャー(当該工事のみを目的とした、合弁会社、組織)、下請け、孫請けなどの工事作業員など複雑な労務形態の場合が多く、そのような雑多な環境では、正確性や定期的な入力を担保することが難しいのが現状であった。即ち、作業者や機械の作業時間や作業量を自動的に、定期的に認識し、入力することが可能であれば便利であるが、そのような技法は開発されていなかった。
【0006】
また、現場代理人が入力した情報が正確かつ適正なものか否か、また、実際の工事現場状況を適正に反映したものであるのか否かについて、検証可能な仕組みやシステムは、開発されていない。
【0007】
他方、最近では、音声認識技術が向上し、簡単な会話や定型的な会話などは、実用的なレベルで認識できるようになってきた。また、AIエンジンも、実用的なものが多数開発されてきた。
【0008】
一方、画像認識技術は、カメラ、家電業界を中心に進歩してきた。例えば、顔認識、表情認識、人物特定、物体特定などの技術は、市販の一眼レフカメラにも装備されていることが多くなってきた。
【0009】
そこで、本願発明者らは、かかる状況に鑑み、音声認識技術およびAI技法を導入し、原価管理を支援する技法の着想に至った。また、本願発明者らは、画像認識技術もさらに利用して、作業者や機械を認識し、さらに作業時間や作業内容を求め、数値の比較や補間をすることによって、より適正に数値を管理できる原価管理および工事管理を支援する技法の着想に至った。
【0010】
そこで、本発明の目的は、音声認識技術を利用して作業日報を生成する工事管理支援装置、工事管理支援プログラムおよび記憶媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した諸課題を解決すべく、第1の発明による工事管理支援装置は、
(実行予算書を格納する記憶部と、)
(音響モデルと、パターンマッチ辞書モデルと、言語モデルとのうちの少なくとも1つとを含み、工事についての単語に対応するようカスタマイズされた)音声認識モデルを格納する記憶部と、
(工事情報に基づき作業日報を生成するため作業日報生成アルゴリズムを格納する記憶部と、)
音声を取得する取得部と、
前記音声認識モデルを用いて、取得した音声に基づき、テキスト情報を生成し、生成したテキスト情報に基づき、工事情報を抽出する音声認識部と、
(作業日報生成アルゴリズムを用いて、または、実行予算書を用いて)、抽出した工事情報に基づき、該工事情報を含む作業日報を生成する生成部と、
を有する。
【0012】
また、第2の発明による工事管理支援装置は、
前記取得部が、
画像をさらに取得し、
前記工事管理支援装置が、
取得した画像に基づき、画像由来工事情報を生成する画像認識部をさらに有し、
前記処理部が、
作業日報に含まれる工事情報と、画像由来工事情報とを比較し、マッチする画像由来工事情報を求め、作業日報に含まれる工事情報と、当該工事情報にマッチする画像由来工事情報に対応する画像をエビデンスとしてさらに関連付ける、
ことを特徴とする。
【0013】
また、第3の発明による工事管理支援装置は、
作業日報に含まれる工事情報に、当該工事情報に対応する音声をエビデンスとして関連付ける処理部、をさらに有する、
ことを特徴とする。
【0014】
また、第4の発明による工事管理支援装置は、
前記工事情報は、
作業内容、機械、道具、器具、重機、車両、歩掛情報、社内用語、作業者情報(人工、対象作業(重機オペレータなど))および、作業量のうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする。
【0015】
また、第5の発明による工事管理支援装置は、
学習済みAIモデルと、
学習済みAIモデルを用いて、(前記作業日報の内容に、不明な点、または、不足な点がある場合、或いは、単純に入力を促すためのもの)、工事についての音声入力を促す問いかけ情報(「xxxを入力してください」というテキスト情報、または、「xxxについて話してください」という音声出力命令など)を生成する質問生成部と、
をさらに有する、
ことを特徴とする。
【0016】
また、第6の発明による工事管理支援装置は、
学習済みAIモデルをさらに有し、
前記音声認識部、前記処理部、および、前記生成部のうちの少なくとも1つが、前記学習済みAIモデルを用いる、
ことを特徴とする。
【0017】
また、第7の発明による工事管理支援装置は、
前記取得部が、
移動監視装置(ドローンなど)から、現場音声情報または現場画像情報をさらに取得し、
前記音声認識部、または、前記画像認識部が、
取得した現場音声情報または現場画像情報から、現場由来の工事情報をさらに抽出し、
前記生成部が、
抽出した工事情報に基づき、該工事情報を含む作業日報を生成するのに代えて、
抽出した工事情報、および、抽出した現場由来の工事情報に基づき、工事情報を含む作業日報を生成する、
ことを特徴とする。
【0018】
また、第8の発明による工事管理支援装置は、
移動監視装置(ドローンなど)に対して、現場音声情報または現場画像情報を取得するために動作するよう促す指令情報を生成する指令生成部、をさらに有し、
前記取得部が、
前記移動監視装置(ドローンなど)から、現場音声情報または現場画像情報をさらに取得し、
前記音声認識部、または、前記画像認識部が、
取得した現場音声情報または現場画像情報から、現場由来の工事情報を抽出し、
前記生成部が、
抽出した工事情報に基づき、該工事情報を含む作業日報を生成するのに代えて、
抽出した工事情報、および、抽出した現場由来の工事情報に基づき、工事情報を含む作業日報を生成する、
ことを特徴とする。
【0019】
また、第9の発明による工事管理支援装置は、
作業日報に含まれる工事情報に、当該工事情報に対応する音声、現場音声情報、または、現場画像情報をエビデンスとして関連付ける処理部をさらに有する、
ことを特徴とする。
【0020】
また、第10の発明による工事管理支援装置は、
機械、道具、器具、重機、または車両の1つである工事機械を認識するための機械特定情報と、工事機械の動作パターン、および、工事機械の動作パターンに関連付けられた作業内容を含む機械作業変換テーブルとを格納する記憶部と、
撮像手段により撮像された対象工事の画像情報を取得する取得部と、
機械特定情報を参照して、取得した画像情報を解析し、工事機械を認識し、さらに、工事機械の動作パターンを
認識し、該動作パターンに基づき、機械作業変換テーブルを参照して、該工事機械の作業内容を特定する画像解析部と、
をさらに有し、
前記生成部が、
前記作業日報に、認識した工事機械と、該工事機械の作業内容とを含ませる、
ことを特徴とする。
【0021】
また、第11の発明による工事管理支援装置は、
作業者を認識するための作業者特定情報(作業者の体格、身長、体重、装着ゼッケン、名札、作業服、ヘルメット、装着物、帽子、顔、などの形状・色彩・模様・パターン、QRコード(登録商標)(2次元バーコードなど)などの特徴など)を格納する記憶部をさらに有し、
前記取得部が、
移動監視装置(ドローンなど)から、現場画像情報をさらに取得し、
前記抽出部が、
取得した現場画像情報から、作業者特定情報を参照して、作業者を認識し、該作業者を含む現場由来の工事情報を抽出し、
前記生成部が、
抽出した工事情報に基づき、該工事情報を含む作業日報を生成するのに代えて、
抽出した工事情報、および、抽出した現場由来の工事情報に基づき、工事情報を含む作業日報を生成する、
ことを特徴とする。
【0022】
また、第12の発明による工事管理支援装置は、
認識した作業者の作業時間(例えば、作業者が作業を開始した時から終了する時までの時間、画像情報に存在する時間など)を計測する計測部と、
歩掛情報を参照して、作業者について計測した作業時間から出来高(作業量)を計算する計算部と、
をさらに有する、
ことを特徴とする。
【0023】
上述したように本発明の解決手段を装置として説明してきたが、本発明はこれらに実質的に相当する方法、プログラム、プログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものであり、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。なお、下記の方法やプログラムの各ステップは、データの処理においては必要に応じて、CPU、DSPなどの演算処理装置を使用するものであり、入力したデータや加工・生成したデータなどを磁気テープ、HDD、メモリなどの記憶装置に格納するものである。
【0024】
例えば、本発明をプログラムとして実現させた、方法をコンピュータに実行させる第13の発明によるプログラムは、
演算処理装置を第1~12の発明に記載の工事管理支援装置として機能させる工事管理支援プログラムである。
【0025】
また、例えば、本発明をコンピュータ可読な記録媒体として実現させた、第14の発明による工事管理支援プログラムを格納したコンピュータ可読な記憶媒体である。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、音声認識技術を利用して作業日報を生成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、本発明の実施態様1による工事管理支援装置の概要を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1に示した工事管理装置で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、
図1に示した工事管理装置で実行される処理およびその出力結果を模式的に示す図である。
【
図4】
図4は、
図1に示した工事管理支援装置で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、本発明の実施態様2による工事管理支援装置の概要を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、
図5に示した工事管理装置で実行される処理の他の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、
図5に示した工事管理装置で実行される処理で参照される作業内容特定情報およびその出力結果を模式的に示す図である。
【
図8】
図8は、
図5に示した工事管理装置で実行される処理で参照される作業内容特定情報およびその出力結果を模式的に示す図である。
【
図9】
図9は、
図5に示した工事管理装置で実行される処理で参照される個体特定情報を模式的に示す図である。
【
図10】
図10は、
図5に示した工事管理装置で実行される処理で参照される個体特定情報から作業内容(作業日報)を出力する様子を模式的に示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施態様3による工事管理支援装置の概要を示すブロック図である。
【
図12】
図12は、
図11に示した工事管理装置で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、
図11に示した工事管理装置で実行される処理で参照される工事機械特定情報およびその出力結果を模式的に示す図である。
【
図14】
図14は、
図11に示した工事管理装置で実行される処理で参照される工事機械特定情報および機械作業変換テーブルを模式的に示す図である。
【
図15】
図15は、画像領域の一部である工事領域を指定する工事領域指定情報を指定する技法を模式的に示す図である。
【
図16】
図16は、機械や道具の振動や動きを認識して、実稼働時間を計測する技法を説明する模式図である。
【
図17】
図17は、歩掛情報と作業進捗情報を利用して、予定と計算の出来高を含む作業情報(出来高日報)を出力する仕組みを説明する図である。
【
図18】
図18は、本願発明の一実施態様を説明する模式図である。
【
図19】
図19は、本願発明の一実施態様を説明する模式図である。
【
図20】
図20は、本願発明の一実施態様を説明する模式図である。
【
図21】
図21は、本願発明の一実施態様を説明する模式図である。
【
図22】
図21は、工事管理装置で実行される処理で参照される作業内容特定情報を模式的に示す図である。
【
図23】
図23は、本願発明の一実施態様を説明する模式図である。
【
図24】
図24は、本願発明の一実施態様を説明する模式図である。
【
図25】
図25は、本願発明の一実施態様を説明する模式図である。
【
図26】
図26は、本願発明の一実施態様を説明する模式図である。
【
図27】
図27は、本願発明の一実施態様を説明する模式図である。
【
図28】
図28は、本発明の全体的な構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以降、諸図面を参照しながら、本発明の実施態様を詳細に説明する。
【0029】
<実施態様1>
図1は、本発明の実施態様1による工事管理支援装置の概要を示すブロック図である。図に示すように、工事管理支援装置100(CMSD)は、制御部(CPU、演算処理装置、プロセッサ)110、入力部IN、出力部OUT、通信部COM、記憶部120、および、表示部DISを有する。
【0030】
記憶部120は、作業者を認識するための作業者特定情報WDI(ヒト(物、動物以外の動作する対象)、作業者の体格、身長、体重、装着ゼッケン、名札、作業服、着衣、服装、ヘルメット、装着物、帽子、顔、などの形状・色彩・模様・パターンなどの特徴など)を格納する。工事管理支援装置100により生成された作業日報DD、実行予算書EV、(音響モデルと、パターンマッチ辞書モデルと、言語モデルとのうちの少なくとも1つとを含み、工事についての単語に対応するようカスタマイズされた)音声認識モデルVORを格納する。さらに、記憶部120は、学習済みAIモデルLAMを格納する。
【0031】
制御部110は、音声を取得する取得部ACQ(さらに、撮像手段により撮像された対象工事の画像情報を取得する)と、作業者特定情報を参照して、取得した画像情報を解析し、作業者を認識する画像認識部IMA(画像解析部ともいう)と、認識した作業者の作業時間(例えば、作業者が作業を開始した時から終了する時までの時間、或いは、画像情報に存在する時間など)を計測する計測部CNT(時計機能を含む)とを有する。表示部DISは、認識した作業者と、該作業者に関連付けられた作業時間とを含む作業情報(労務日報など)を表示する。
【0032】
また、制御部110は、音声認識モデルVORを用いて、取得した音声に基づき、テキスト情報を生成し、生成したテキスト情報に基づき、工事情報を抽出する音声認識部VRと、抽出した工事情報に基づき、該工事情報を含む作業日報を生成する生成部GENと、をさらに有する。
【0033】
取得部ACQは、移動監視装置DRや工事監視カメラCCMにより撮像された画像をさらに取得する(例えば、ネットワークNETを介して)。そして、制御部110は、取得した画像に基づき、画像由来工事情報を生成する画像認識部IMAと、作業日報に含まれる工事情報と、画像由来工事情報とを比較し、マッチする画像由来工事情報を求め、作業日報に含まれる工事情報と、当該工事情報にマッチする画像由来工事情報に対応する画像をエビデンスとしてさらに関連付ける処理部PROとをさらに有する。
【0034】
処理部PROは、作業日報に含まれる工事情報に、当該工事情報に対応する音声をエビデンスとしてさらに関連付ける。
【0035】
工事管理支援装置100の取得部ACQは、通信部COM、ネットワークNETを介して、工事現場に設置された工事現場カメラCCMが撮影した画像情報(静止画、動画、2つのカメラで撮影された2つの画像など)を取得する。また、工事管理支援装置100は、現場の管理者が持つ端末PC1、携帯端末PDA1,携帯電話端末MS1と接続し、情報のやり取りが可能である。出力部OUTは、プリンタPRNに本装置に格納される情報や生成された情報を出力することができる。表示部DISも、本装置に格納される情報や生成された情報を表示することができる。入力部INは、マウスMUSやキーボードKBDを介して入力される操作指示や情報入力を受け付け、受け付けた情報やデータを取得部ACQに渡す。
【0036】
或いは、表示部DISにタッチパネルを設けて、入力部を兼ねるよう構成させてもよい。また、入力部や表示部は、例えば携帯端末PDA1(他の端末でもよい)に設けて、ネットワークで本装置に接続された端末、入力や表示を行ってもよい。これは以降の実施態様でも同様である。
【0037】
制御部に含まれる各機能部は、制御部のメモリ空間に読み込まれたプログラムモジュールによって実現することが好適である。通常は、記憶部或いはウェブサイトから、プロセッサを本装置の各部として機能させるソフトウェアをダウンロードして、PCにインストールして起動することで、PCが、本装置として動作する。なお、制御部に設けた各機能部は、機能上一定のまとまりのあるステップを1つにまとめたものに過ぎず、複数の機能部を1つの機能部にしたり、その一部を他の機能部に組み入れたり、他の独立した機能部に分割したりすることが可能である。
【0038】
このように、生成・抽出した情報や中間データおよび取得したデータを外部に送信したり、表示部に表示したり、生成・抽出した情報や中間データおよび取得したデータなどを記憶部に格納したりすることは、後述する他の実態態様でも同様に可能であることに注意されたい。なお、本装置は、汎用コンピュータ、特定用途コンピュータ、サーバ、PC、スマートフォンなどの携帯端末などのコンピュータ、或いは、本装置の機能や処理手順(方法)をコンピュータ上で実現(実行)するプログラムモジュールをコンピュータが持つCPUや記憶部に保持したり、外部のサーバやストレージから読み込んだりすることで、コンピュータ上に本装置を構築することが好適であり、後続の各実施態様においても同様である。また、各機能部は、ネットワークで接続された別個のコンピュータや装置に分散させてもよい。また、複数の機能部を1つにしたり、処理ステップの一部を他の機能部にしたりするような形態でもよい。このことも他の実施態様でも、同様である。
【0039】
工事情報は、
作業内容、機械、道具、器具、重機、車両、歩掛情報、社内用語、作業者情報(人工、対象作業(重機オペレータなど))および、作業量のうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする。
【0040】
記憶部120は、学習済みAIモデルLAMをさらに有し、学習済みAIモデルLAMは、制御部110(プロセッサ)に読み込まれ(ロードされ)、AI(人工知能)として機能する。制御部110は、学習済みAIモデルLAMを用いて、(前記作業日報の内容に、不明な点、または、不足な点がある場合、或いは、単純に入力を促すためのもの)、工事についての音声入力を促す問いかけ情報(「xxxを入力してください」というテキスト情報、または、「xxxについて話してください」という音声出力命令など)を生成する質問生成部QUGをさらに有する。
【0041】
また、音声認識部VR、処理部PRO、および、生成部GENのうちの少なくとも1つが、学習済みAIモデルLAMを用いる、ことを特徴とする。
【0042】
また、取得部ACQが、
移動監視装置(ドローンなど)から、現場音声情報または現場画像情報をさらに取得し、
音声認識部VR、または、画像認識部IMAが、
取得した現場音声情報または現場画像情報から、現場由来の工事情報をさらに抽出し、
生成部GENが、
抽出した工事情報に基づき、該工事情報を含む作業日報を生成するのに代えて、
抽出した工事情報、および、抽出した現場由来の工事情報に基づき、工事情報を含む作業日報を生成する。
【0043】
また、制御部110が、
移動監視装置DR(ドローンなど)に対して、現場音声情報または現場画像情報を取得するために動作するよう促す指令情報を生成する指令生成部OGEN、をさらに有し、
取得部ACQが、
移動監視装置DR(ドローンなど)から、現場音声情報または現場画像情報をさらに取得し、
音声認識部VR、または、画像認識部IMAが、
取得した現場音声情報または現場画像情報から、現場由来の工事情報を抽出し、
生成部GENが、
抽出した工事情報に基づき、該工事情報を含む作業日報を生成するのに代えて、
抽出した工事情報、および、抽出した現場由来の工事情報に基づき、工事情報を含む作業日報を生成する。
【0044】
図2は、
図1に示した工事管理支援装置で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図に示すように、ステップS11にて、記憶部120は、作業者を認識するための作業者特定情報WDI(ヒト(物、動物以外の動作する対象)、作業者の体格、身長、体重、装着ゼッケン、名札、作業服、着衣、服装、ヘルメット、装着物、帽子、顔、などの形状・色彩・模様・パターンなどの特徴など)を格納する。次にステップS12では、取得部ACQが、本装置に接続されたカメラ(図示せず)、または外部のネットワークに接続された工事現場カメラCCMに搭載された撮像手段により撮像された対象工事の画像情報を取得する。
【0045】
ステップS13にて、画像解析部IMAが、作業者特定情報を参照して、取得した画像情報を解析し、作業者を認識(特定)する。作業者などの人物の画像認識技術は、既知の技法を使用することが好適である。顔、身長、体形などの特徴量により個体(作業者)を認識、識別することが可能である。或いは、作業者に衣類、帽子、ゼッケンの番号、模様、色彩などの特徴量で認識、識別することが可能である。この画像認識は、リアルタイムで行うことが好適ではあるが、1分、5分、などの所定の時間で定期的に行うことも可能である。ステップS14にて、計測部CNTが、認識した作業者の作業時間を計測する。これは、画像に作業者が出現してから、所定の時間以上(20分、1時間など)その者が出現しなくなるまでの時間を作業時間としたり、出現している時間を作業時間としたりする。最後に、ステップS15にて、表示部DISは、認識した作業者と、該作業者に関連付けられた作業時間とを含む作業情報(労務日報など)を表示する。ステップS11などの格納ステップは、一回実施しておけば、その情報が変更されるまでは再実施する必要はない。或いは、格納ステップは、当該情報を格納したROMやフラッシュメモリを装置やコンピュータに搭載することで不要となる。格納ステップについては他の実施態様でも、同様である。
【0046】
図3は、
図1に示した工事管理装置で実行される処理およびその出力結果を模式的に示す図である。図に示すうように、この例では、作業者特定情報としてゼッケン(ビブス)の色、番号を使用している。情報として、ゼッケンの色、番号、そして作業員氏名とが予め登録されており、本装置は、カメラに映る画像情報内に、これらゼッケンの色および番号で、どの作業者が作業を開始し、終了したのかを特定・識別し、その作業時間を計測する。そして、作業情報として、作業者氏名とその作業時間とを含む作業情報(労務日報)を表示(出力)する。
【0047】
上述したように実施態様1は、工事現場においてどの作業者がどの程度作業をしたのかを画像認識を用いて求めることを主眼にしたもの、即ち、労務日報の自動作成を実現する技法を説明した。次に、音声を用いて、労務日報の自動作成を実現する技法を説明する。
【0048】
図4は、
図1に示した工事管理支援装置で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図に示すように、ステップS21にて、記憶部120は、実行予算書、(音響モデルと、パターンマッチ辞書モデルと、言語モデルとのうちの少なくとも1つとを含み、工事についての単語に対応するようカスタマイズされた)音声認識モデルと、工事情報に基づき作業日報を生成するため作業日報生成アルゴリズムとを格納する。実行予算書、作業日報生成アルゴリズムは、どちらか1つでもよいが、双方格納した方がなお好適である。ステップS22にて、取得部ACQが、音声を取得する。
次にステップS23にて、音声認識部VRが、音声認識モデルを用いて、取得した音声に基づき、テキスト情報を生成し、生成したテキスト情報に基づき、工事情報を抽出する。次にステップS24にて、生成部GENが、(作業日報生成アルゴリズムを用いて、または、実行予算書を用いて)、抽出した工事情報に基づき、該工事情報を含む作業日報を生成する。最後に、ステップS25にて、作業日報を表示する。
【0049】
図23は、本願発明の一実施態様を説明する模式図である。図に示すように、本装置は、朝礼などにおける現場代理人などの音声VCE1を取得する。音声には、「作業者2名、サトウ、ヤマダ入ります」「バックホウ1台入ります、オペレータ:タカハシ」というものが認識された。本装置は、音声認識した内容から、実行予算書PLN1(工程表)の該当箇所に、データを挿入(入力)して、作業内容SN1(日報)を生成する。このように、必要な数値や単価などは実行予算書のデータを使えるので、音声にデータ不足があっても、実用的な日報が生成可能である。
【0050】
図24は、本願発明の一実施態様を説明する模式図である。図に示すように、本装置は、日報のエビデンスとして、「作業者2名、サトウ、ヤマダ入ります」を、作業者内容の項目に関連付ける。これによって、日報の改竄などや不正確さを排除することが可能となる。
【0051】
図25は、本願発明の一実施態様を説明する模式図である。図に示すように、本装置は、夕礼などにおける現場代理人などの音声VCE2を取得する。音声には、当日の変更事項や出来高(施工量)などが入っており、これによって、作業日報SN2のように、音声「ヤマダ午後B現場に行きました。人力掘削は予定の75%」を受けて、作業時間や施工量などが修正される。また、同様に、音声「機械掘削は予定の2倍達成」を受けて、作業時間や施工量などが修正される。また、これら、音声は、修正箇所にエビデンスとして関連付けされる。
【0052】
図26は、本願発明の一実施態様を説明する模式図である。図に示すように、本装置により指令を受けたドローンDR31(移動監視装置)が、ドローンベースBSから離陸し、工事現場を撮影するために飛行開始する。現場画像(現場音声)を取得する理由は、原価管理のエビデンスを取得し、原価管理データの該当部分に関連付けるためである。この例は、現場代理人は、作業員2名、バックホウ1台と音声入力しており、その裏付けエビデンスを取得するために、飛行しながら、ドローンDR31は、現場上空を飛行する。そして、ドローンDR31は、取得した現場画像(現場音声)を本装置に送信する。
受信した本装置では、
作業員:QR1を認識=>作業員PS1
作業員:QR2を認識==>作業員PS2
重機:QR3を認識==>バックホウBH1
施工量: 100m3を画像(或いは、画像及びGPS(位置信号))から認識
現場画像から、QRコード(登録商標)などの識別情報や管理テーブル(作業内容特定テーブルなど)などを利用して、作業者を認識し、重機を認識する。
【0053】
図27は、本願発明の一実施態様を説明する模式図である。図に示すように、本装置は、作業内容(日報)に、その裏付けとなるエビデンスを関連付ける。音声VCE1の作業者に関する音声は、作業者に関する部分は、作業者に関する作業内容の項目に関連付けられる。また、現場画像においても、作業者に関する画像部分は、作業者に関する作業内容の項目に関連付けられる。このように、2重のエビデンスが関連付けられるため、本装置により原価管理データは、非常に正確で適正なものであることが保証され、第三者(役所、認証機関など)による検証も容易である。
【0054】
図28は、本発明の全体的な構成を示す模式図である。これは、本発明の全体的な構成を示すものであり、建設、土木業界の公共工事系では、非常に有効な原価管理システムの提供を可能ならしめるものである。
【0055】
次に、実施態様2では、工事現場においてどのような作業内容がどの程度の時間実施されたのかを画像認識を用いて求めることを主眼にしたもの、即ち、労務日報というよりは、作業進捗の自動管理を実現する技法を説明する。なお、特に言及しない限り、
図1のものと同様の名称の機能ブロックは、
図5でも同様に機能し作用効果を奏するものである。他の実施態様でも、これは同様である。
【0056】
<実施態様2>
図5は、本発明の実施態様2による工事管理支援装置の概要を示すブロック図である。図に示すように、工事管理支援装置200(CMSD)は、制御部(CPU、演算処理装置、プロセッサ)210、入力部IN、出力部OUT、通信部COM、記憶部220、および、表示部DISを有する。
【0057】
記憶部220は、作業内容を認識するための作業内容特定情報SCI(作業者の体格、動作パターン、身長、体重、装着ゼッケン、名札、作業服、ヘルメット、着衣、装着物、帽子、顔、道具、機械、器具、車両、重機などの形状・色彩・模様・パターンなどの特徴またはこれらの組み合わせなど)を格納する。作業内容特定情報と作業者特定情報とは似ているが、異なる点は、作業者の体格、動作パターン、身長、体重、装着ゼッケン、名札、作業服、ヘルメット、着衣、装着物、帽子、顔、道具、機械、器具、車両、重機などに、関連付けられるのが、作業内容であるという点である。
【0058】
制御部210は、撮像手段により撮像された対象工事の画像情報を取得する取得部ACQと、作業内容特定情報を参照して、取得した画像情報を解析し、作業内容を認識する画像解析部IMAと、認識した作業内容の作業時間(例えば、作業者が作業を開始した時から終了する時までの時間、画像情報に存在する時間など)を計測する計測部CNT(時計機能を含む)とを有する。表示部DISは、認識した作業内容と、該作業内容に関連付けられた作業時間とを含む作業情報(作業進捗表、労務日報など)を表示する。
【0059】
図6は、
図5に示した工事管理装置で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図に示すように、ステップS31にて、記憶部220は、作業内容を認識するための作業内容特定情報を格納する。次にステップS32では、取得部ACQが、本装置に接続されたカメラ(図示せず)、または外部のネットワークに接続された工事現場カメラCCMに搭載された撮像手段により撮像された対象工事の画像情報を取得する。ステップS33にて、画像解析部IMAが、作業内容特定情報を参照して、取得した画像情報を解析し、作業内容を認識する。ステップS34にて、計測部CNTが、認識した作業内容の作業時間を計測する。これは、画像に作業内容を示す特徴量を持つものが出現してから、所定の時間以上(20分、1時間など)その特徴量を持つものが出現しなくなるまでの時間を作業時間としたり、出現している時間を作業時間としたりする。最後に、ステップS35にて、表示部DISは、認識した作業内容と、該作業内容に関連付けられた作業時間とを含む作業情報(作業進捗情報、日進量を示す表、労務日報など)を表示する。
【0060】
図7は、
図5に示した工事管理装置で実行される処理で参照される作業内容特定情報およびその出力結果を模式的に示す図である。図に示すうように、この例では、作業内容特定情報SCIとしてゼッケン(ビブス)の番号を使用している。情報として、ゼッケン番号、そして作業内容とが予め登録されており、本装置は、カメラに映る画像情報内に、これらゼッケンの番号で、どの作業内容の作業を開始し、終了したのかを特定・識別し、その作業時間を計測する。そして、作業情報として、作業内容とその作業時間とを含む作業情報(労務日報)を表示(出力)する。
【0061】
この例では、作業内容特定情報SCIには、2つの作業内容について規定されている。作業内容特定情報SCI10は、ゼッケン11―19のものの作業内容として「人力掘削」が関連付けられる。また、ゼッケン11は「ヤマダタロウ」、ゼッケン12は「カトウシロウ」というように、氏名情報も関連付けられる。作業内容特定情報SCI11は、ゼッケン21―29のものの作業内容として「人力積込」が関連付けられる。また、ゼッケン21は「サトウタロウ」、ゼッケン22は「タカハシジロウ」というように、氏名情報も関連付けられる。
【0062】
本装置は、画像情報IMIを解析し、登録されたゼッケン11-19、21-29が存在するか否かをサーチする。登録されたゼッケン11,12のものを認識した場合は、作業内容が「人力掘削」であると特定し、その作業時間を個体別(作業者別)に計測し、例えば、ゼッケン11、作業内容「人力掘削」、作業時間7時間などの作業情報(作業進捗情報)を表示する。また、当該作業内容に従事した作業者の人数、合計作業時間などを集計して表示することも可能である。この例では、作業者が実行する作業が1つの場合に適用できるが、1人の作業者が複数の作業を実行する場合には、作業内容を特定することができない。それを解決する作業内容特定情報を次の図で説明する。
【0063】
図8は、
図5に示した工事管理装置で実行される処理で参照される作業内容特定情報およびその出力結果を模式的に示す図である。図に示すうように、この例では、作業内容特定情報SCIとしてゼッケン(ビブス)の番号と、機械(道具)とを使用している。情報として、ゼッケン番号と、機械、そして作業内容とが予め登録されており、本装置は、カメラに映る画像情報内に、これらゼッケンの番号で、そのゼッケンを装着している作業者が使用している(その近傍)機械を認識し、これでどの作業内容の作業を開始し、終了したのかを特定・識別し、その作業時間を計測する。そして、作業情報として、作業内容(そして作業者氏名)とその作業時間とを含む作業情報(労務日報)を表示(出力)する。
【0064】
この例では、作業内容特定情報SCIには、2つの作業内容について規定されている。作業内容特定情報SCI20は、ゼッケン11―19で、かつ、機械として掘削ドリルTL20のものの作業内容として「人力掘削」が関連付けられる。また、ゼッケン11は「ヤマダタロウ」、ゼッケン12は「カトウシロウ」というように、氏名情報も関連付けられる。作業内容特定情報SCI21は、ゼッケン11―19で、かつ、機械(道具)として手押し車TL21のものの作業内容として「人力積込(人力運搬)」が関連付けられる。また、同様に氏名情報も関連付けられる。即ち、同じゼッケンでも、異なる作業内容を識別することが可能な構成となっている。
【0065】
本装置は、画像情報IMIを解析し、登録されたゼッケン11-19が存在するか否かをサーチする。登録されたゼッケン11,12のものを認識した場合は、さらに、使用、操作している機械が登録されている、掘削ドリル、手押し車であるかを認識し、これによって作業内容が「人力掘削」であるか、「人力積込」であるのかを特定し、その作業時間を個体別(作業者別)に計測し、例えば、ゼッケン11、作業内容「人力掘削」、作業時間7時間などの作業情報(作業進捗情報)を表示する。また、当該作業内容に従事した作業者の人数、合計作業時間などを集計して表示することも可能である。今回の例では、「機械+ゼッケン番号」で作業内容を特定したが、これに限らず、「機械の動作パターン」+「ゼッケン番号」などでも同様に作業内容を特定可能である。例えば、同じ機械でも動作モードで、機械の動き方のパターンは異なるため、これを登録しておくことで、作業内容を特定することが可能である。
【0066】
図9は、
図5に示した工事管理装置で実行される処理で参照される個体特定情報を模式的に示す図である。図に示すうように、この例では、個体特定情報PPIとしてヘルメットや重機の天井に設置されたQRコーを使用している。情報として、個体を識別・特定するための識別コード(2次元バーコードなど)、そして作業者や重機の情報が予め登録されており、本装置は、ドローンなどの移動監視装置や固定監視装置のカメラに映る画像情報内に、これらQRコード(登録商標)で、そのQRコード(登録商標)を装着しているや重機や、作業者が使用している(その近傍)機械や道具を認識し、これでどの作業内容の作業を開始し、終了したのかを特定・識別し、その作業時間を計測する。そして、作業情報として、作業内容(そして作業者氏名、人数)とその作業時間とを含む作業情報(労務日報)を表示(出力)する。
【0067】
図10は、
図5に示した工事管理装置で実行される処理で参照される個体特定情報から作業内容(作業日報)を出力する様子を模式的に示す図である。図に示すうように、本装置は、画像情報IMIを解析し、認識したQRコード(登録商標)W1、QRコード(登録商標)M1が存在(登録されているか)するか否かをサーチする。登録されたQRコード(登録商標)W1、QRコード(登録商標)M1がヒットした場合は、さらに、使用、操作している機械が登録されている、掘削ドリル、手押し車であるかを認識し、これによって作業内容が「人力掘削」であるか、「人力積込」であるのかを特定し、その作業時間を個体別(作業者別)に計測し、例えば、ゼッケン11、作業内容「人力掘削」、作業時間7時間などの作業情報(作業進捗情報)を表示することができるかが、この例では、QRコード(登録商標)W1の作業員がいる場所が、人力掘削エリアであることを認識し、作業内容が「人力掘削」であると認識することが可能である。QRコード(登録商標)M1の場合は、その近くにダンプがあるのを認識し、作業が、「掘削・積込」であると認識する。ここの作業時間は、画像から測定してもよいし、現場代理人の音声入力から特定してもよい。また、その時間も双方を比較して、その正確性を表示させてもよい。画像からの時間が7時間で、音声でも7時間の場合は、正確性100%などの表示をしてもよい。
【0068】
<実施態様3>
図11は、本発明の実施態様3による工事管理支援装置の概要を示すブロック図である。図に示すように、工事管理支援装置300(CMSD)は、制御部(CPU、演算処理装置、プロセッサ)310、入力部IN、出力部OUT、通信部COM、記憶部320、および、表示部DISを有する。
【0069】
記憶部320は、機械、道具、器具、重機、または車両の1つである工事機械を認識するための機械特定情報MDI(機械などのサイズ、形状、札、装着物、などの形状・色彩・模様・パターンなどの特徴など)と、工事機械に関連付けられた作業内容(歩掛コードなど)を含む機械作業変換テーブルMPTとを格納する。
【0070】
制御部310は、撮像手段により撮像された対象工事の画像情報を取得する取得部ACQと、機械特定情報を参照して、取得した画像情報を解析し、工事機械を認識し、該工事機械に基づき、機械作業変換テーブルを参照して、該工事機械の作業内容を特定する画像解析部IMAと、認識した工事機械の作業時間(例えば、工事機械が作業を開始した時から終了する時までの時間、画像情報に存在する時間など)を計測する計測部CNTを有する。そして、表示部DISは、認識した工事機械と、該工事機械の作業内容と、作業時間と、を含む作業情報(工事日報、労務日報など)を表示する。
【0071】
図12は、
図11に示した工事管理装置で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図に示すように、ステップS41にて、記憶部320は、機械、道具、器具、重機、または車両の1つである工事機械を認識するための機械特定情報(機械などのサイズ、形状、札、装着物、などの形状・色彩・模様・パターンなどの特徴など)と、工事機械に関連付けられた作業内容(歩掛コードなど)を含む機械作業変換テーブルとを格納する。次にステップS42では、取得部ACQが、本装置に接続されたカメラ(図示せず)、または外部のネットワークに接続された工事現場カメラCCMに搭載された撮像手段により撮像された対象工事の画像情報を取得する。
【0072】
次に、ステップS43にて、画像解析部IMAが、機械特定情報を参照して、取得した画像情報を解析し、工事機械を認識し、該工事機械に基づき、機械作業変換テーブルを参照して、工事機械の作業内容を特定(認識)する。ステップS44にて、計測部CNTが、認識した工事機械の作業時間(例えば、工事機械が作業を開始した時から終了する時(動き始めから、一定期間動作がなくなるまで、或いは、操作者が離れるまでなど)までの時間、画像情報に存在する時間など)を計測する。例えば、これは、画像に作業内容を示す特徴量を持つものが出現してから、所定の時間以上(20分、1時間など)その特徴量を持つものが出現しなくなるまでの時間を作業時間としたり、出現している時間を作業時間としたりする。最後に、ステップS45にて、表示部DISは、認識した工事機械と、該工事機械の作業内容と、作業時間と、を含む作業情報(工事日報、労務日報など)を表示する。
【0073】
図13は、
図11に示した工事管理装置で実行される処理で参照される工事機械特定情報およびその出力結果を模式的に示す図である。図に示すうように、この例では、工事機械特定情報MDIとして「掘削ドリルKDとシャベルSH」のセット(もちろん1つでもよい)、バックホウBHを使用している。情報として、これら機械や道具を特定するための特定情報が予め登録されており、本装置は、カメラに映る画像情報内の対象物から、特定情報を用いて、機械を認識する。そして、機械と作業内容との関連付けの情報を持つ機械作業変換テーブルMPTを参照して、認識した機械から作業内容を特定する。そして、どの機械によってどの作業内容の作業を開始し、終了したのかを特定・識別し、その作業時間を計測する。最後に、作業情報として、作業内容(そして作業に使った機械・道具、および作業者氏名)とその作業時間とを含む作業情報(労務日報)を表示(出力)する。
【0074】
工事機械特定情報MDIには、2つの機械について規定されている。工事機械特定情報MDI10は、掘削ドリルKD10とシャベルSHを特定するための情報が格納される。また、工事機械特定情報MDI11は、バックホウBHを特定するための情報が格納される。2次元、3次元の形状、大きさ、などの特徴量によって機械を特定してもよいが、他の実施態様と同様にゼッケン・ナンバー標識、機械型番表示などの数字、文字などを読み取るのが最も簡便な技法である。
【0075】
機械作業変換テーブルMPT10には、MDI10の機械に関連付けられた作業内容「人力掘削」(或いは、歩掛コードABCXXX900)が格納される。また、機械作業変換テーブルMPT11には、MD11の機械に関連付けられた作業内容「掘削積込(機械掘削)」(或いは、歩掛コードABCYYY800)が格納される。
【0076】
本装置は、画像情報IMIを解析し、工事機械特定情報に格納・登録された情報を持つ機械が存在するか否かをサーチする。格納・登録された機械のものを認識した場合は、さらに、機械作業変換テーブルを参照して、これによって作業内容が例えば「人力掘削」であるか、「掘削積込」であるのかを特定し、その作業時間を機械別に計測し、例えば、使用機械「掘削ドリルKD1、シャベルSH1」、作業内容「人力掘削」、作業時間7時間などの作業情報(作業進捗情報)を表示する。同様に、他の機械として、使用機械「掘削ドリルKD2、シャベルSH2」、作業内容「人力掘削」、作業時間5時間などの作業情報(作業進捗情報)を表示する。さらに、別の機械として、使用機械「バックホウBH1」「バックホウBH2」をそれぞれ認識し、作業内容「掘削積込」、作業時間4時間、8時間などの作業情報(作業進捗情報)を表示する。
【0077】
また、当該作業内容に従事した作業者の人数、合計作業時間などを集計して表示することも可能である。今回の例では、「2つの機械(道具)」で作業内容を特定したが、これに限らず、「操作する人物の動作パターン(操作パターン)」+「機械」などでも同様に作業内容を特定可能である。例えば、同じ機械でも動作モードで、機械の動き方のパターンは異なるため、このよう動作パターンを登録しておくことで、作業内容を特定することが可能である。
【0078】
図14は、
図11に示した工事管理装置で実行される処理で参照される工事機械特定情報および機械作業変換テーブルを模式的に示す図である。図に示すうように、この例では、工事機械特定情報MDIとして3つのタイプの「バックホウBH20,21,22」を使用している。情報として、バックホウを3タイプ(3種類)に特定するための特定情報が予め登録されており、本装置は、カメラに映る画像情報内の対象物から、特定情報を用いて、機械の種類まで認識する。そして、機械と作業内容との関連付けの情報を持つ機械作業変換テーブルMPTを参照して、認識した機械の種類(タイプ)からその種類に対応した作業内容を特定する。そして、どの機械によってどの作業内容の作業を開始し、終了したのかを特定・識別し、その作業時間を計測する。
【0079】
この例では工事機械特定情報MDIには、3つの機械について規定されている。工事機械特定情報MDI20は、バックホウBH20を特定するための情報が格納される。この例では、バックホウであり、バケットを持つということで、ノーマルタイプのバックホウBH20であると認識する。2次元、3次元の形状、大きさ、などの特徴量によって機械を特定してもよいが、他の実施態様と同様にゼッケン・ナンバー標識、機械型番表示などの数字、文字などを読み取って、それによって、バケットを持つバックホウであると認識するのが最も簡便な技法である。工事機械特定情報MDI21は、バックホウBH21を特定するための情報が格納される。この例では、機械:バックホウBH21、特定情報:バックホウであり、フックFKの存在、或いは、アームの所定の閾値以下の速度での動作(クレーンモードの認識)などの特徴で認識すする。さらに、工事機械特定情報MDI22は、バックホウBH22を特定するための情報が格納される。この例では、機械:バックホウBH22は、特定情報:バックホウであり、排土板DZAの存在、或いは、車両の前後移動、アームの上げ下げの動作などの特徴で認識する。
【0080】
機械作業変換テーブルMPT20には、MDI20の機械に関連付けられた作業内容「掘削積込削」(或いは、歩掛コードABCYY200)が格納される。また、機械作業変換テーブルMPT21には、MD21の機械に関連付けられた作業内容:設置作業((玉掛け、玉外し作業)、(ブロック設置、運搬、配管設置など)、(歩掛コード:ABCYY210)が格納される。また、機械作業変換テーブルMPT22には、MD22の機械に関連付けられた作業内容:排土作業((土砂などの運搬、整地作業など)、(歩掛コード:ABCYY220)が格納される。
【0081】
このように、本装置は、画像情報を解析し、工事機械特定情報に格納・登録された情報を持つ機械が存在するか否かをサーチする。格納・登録された機械のものを認識した場合は、さらに、機械作業変換テーブルを参照して、これによって、バックホウを認識した場合であっても、その機械のタイプや動作によって、より詳細に機械を特定し、その作業内容が何であるのかを特定し、その作業時間を機械別に計測し、使用機械、作業内容、作業時間などの作業情報(作業進捗情報)を表示する。
【0082】
図15は、画像領域の一部である工事領域を指定する工事領域指定情報を指定する技法を模式的に示す図である。図に示すように、画像情報IMI10から、画像領域の一部である工事領域D-IMIを指定する工事領域指定情報を取得することができる。或いは、本装置の表示部を見ながら、操作者が所望の領域をマウスなどで指定し、これを工事領域D-IMIを指定する工事領域指定情報とすることができる。これのメリットは、画像情報内に、直接の工事の成果とは関係しない、人物、機械などが存在する場合に、工事の作業に関与する領域だけに限定できるため、より正確に機械や作業者を認識することが可能となり、結果として、より正確な作業進捗情報を得ることが可能となる。例えば、工事作業者が工事領域から外れることは作業成果に関与しないことになり、これによって休憩時間などを作業時間にカウントすることがなくなり、より正確な作業量を認識することが可能となる。また、画像内にある使用していない機械などの作業量を作業としてカウントすることもなくなるといったメリットがある。また、画像処理には演算能力を多く使うが、上記のように領域限定することで計算量を削減することができ、演算能力の低いプロセッサの機器でも本願発明を実行することが可能となるメリットもある。なお、工事領域の指定はマウスなどでもよいが、作業者が、GPS機能を持つ携帯端末を持って、所望の3点以上の場所GPS測位し、それら位置情報を頂点とする区画によって指定してすることが好適である。
【0083】
図15では正確な作業量を求める技法を説明したが、もう1つ別の技法で同じく、作業量をより正確にするものを説明する。
図16は、機械や道具の振動や動きを認識して、実稼働時間を計測する技法を説明する模式図である。工事用に機械や道具は、激しく振動したり、細かく振動したりするものが多いため、この振動を画像認識技術により認識することで、実際に作業しているか否かをこの振動によって計測することが可能である。工事機械が振動、移動、または動いているか否か(振動の認識が最も好適である)を認識し、工事機械が振動、移動、または動いている時間を実稼働時間としてさらに計測し、これを機械や作業者の実稼働時間や実作業時間として出力する。
【0084】
図11に示した取得部は、撮像手段により撮像された対象工事の画像情報と、対象工事の作業者、作業者に関連付けられた作業内容および予定出来高を含む作業進捗情報と、作業者についての単位時間あたりの出来高を含む歩掛情報とを取得する。また、画像解析部は、作業者特定情報を参照して、取得した画像情報を解析し、作業者を認識する。計測部は、認識した作業者の作業時間(例えば、作業者が作業を開始した時から終了する時までの時間、画像情報に存在する時間など)を計測する。計算部(図示せず)は、歩掛情報を参照して、作業者について計測した作業時間から出来高(作業量)を計算する。表示部は、対象工事の作業者、作業者に関連付けられた作業内容および予定出来高、および、計算した出来高を含む作業情報(出来高日報など)を表示する。作業者のみならず、工事機械や作業内容の場合でも同様に、出来高を計算することが可能である。次に図を使って詳細に説明する。
【0085】
図17は、歩掛情報と作業進捗情報を利用して、予定と計算の出来高を含む作業情報(出来高日報)を出力する仕組みを説明する図である。特に指摘しない限り
図13で説明したものと同様の符号のものは同じものであり、同様の機能を持つ。この例では、バックホウを認識し、さらに、バックホウの作業内容である掘削積込(機械掘削)歩掛コード:ABCYY800に関連する使用機械の歩掛コード:ABCYY801の歩掛情報BKI30:バックホウ:山積0.5m3(1時間あたり)と、作業進捗情報YKD30:バックホウ、作業者A、掘削積込みの予定出来高3.0m3(3立方m)というものを取得する(或いは、予め格納しておく)。そして、これらの歩掛情報を利用して、計算した出来高2.5m3(作業時間5時間×単位時間あたりの作業量0.5m3で計算する)を求め。予定出来高3.0m3、予定達成率約80%などと共に作業情報(出来高日報)として表示する。このように、作業機械や作業内容を示す歩掛コードは、相互に歩掛積算システムのコード体系で関連付けられているので、それを利用することで、認識した機械、予定作業量、計算出来高の連携を簡便にとることが可能となる。
【0086】
図18は、本願発明の一実施態様を説明する模式図である。図に示すように、工事現場に配置したカメラ(撮像手段)で工事の様子を撮影し、現場事務所のユーザが、本装置を操作して、自動的(或いは所定のユーザの操作を加えた後)に作成される労務日報を参照することが可能となる。
【0087】
図19は、本願発明の一実施態様を説明する模式図である。図に示すように、上記の各実施態様で示したマスターテーブルに代えて、作業員の情報を含む作業員マスタ、工事機械の情報を含む機械マスタ、車両の情報を含む車両マスタという形式のマスターテーブルを使用することが可能である。
【0088】
図20は、本願発明の一実施態様を説明する模式図である。図に示すように、この図では工事領域をマウスや指のタッチ、ドローなどの接触操作によって実現させている。また、候補となる工事内容を表示させ、ユーザが指定するインターフェイスを本装置に設けることも可能である。
【0089】
図21は、本願発明の一実施態様を説明する模式図である。図に示すように、機械マスター(機械特定情報)に幾つかの工事機械を登録しておき、自動認識させてその作業時間などを自動集計することが可能である。
【0090】
本装置の効果を再度説明する。第1には、原価管理の正確タイムリーな把握が可能とあることである。日々の正確な原価のインプット(画像認識による入力)により、以下のことが可能となる。
・予算通りに工事が進んでいるか把握できる。
・完成工事の粗利は幾らなのか、つかめる。
・未成工事の現在までの原価がすぐにわかる。
上述したように工事の原価状況が直ぐに掴め、素早く手が打てる。
【0091】
従来人がやっていた事を、より正確に機械(カメラ)が代わりに仕事をすることで、人件費カット及び事務効率の向上で、人員配置の変更による利益の向上を図れる。また、本発明による『画像認識による原価管理支援システム』の導入で、当然システムの導入による一時的にコストは上がるが、その上がるコスト以上にコストダウンや利益を実現できる非常に効果的な手段をご提供できる。
【0092】
第2に自社歩掛りの精度向上が可能となる。従来、ベテラン技術者は経験と勘で非常に精度の高い、自社歩掛りを行い、実行予算、見積もりに大きな差異はなく、事業の安定性に寄与してきた。昨今、ベテラン技術者が激減する中で、自社歩掛りの精度は大きな経営課題となっている。本発明の『画像認識による原価管理支援システム』は、日々の正確なインプットを蓄積し、経験と勘ではなく、データベースに保存されている膨大な実データの解析により、より客観的で、合理性のある、自社歩掛りデータをご提供可能である。
【0093】
図22は、工事管理装置で実行される処理で参照される作業内容特定情報を模式的に示す図である。図に示すうように、この例では、作業内容特定情報SCIとして2次元バーコード(QRコード(登録商標)など。或いは、ベストやステッカーなどの反射板の色彩、模様、その形状、或いは、これらの組み合わせ(これらを反射板パターンと呼ぶ)でもよい)を使用している。情報として、2次元バーコードパターン、そしてその作業内容とが予め登録されており、本装置は、カメラに映る画像情報内に、これらパターンで、どの作業内容の作業を開始し、終了したのかを特定・識別し、その作業時間を計測する。そして、作業情報として、作業内容とその作業時間とを含む作業情報(労務日報)を表示(出力)する。
【0094】
この例では、作業内容特定情報SCIには、4つの作業内容について規定されている。作業内容特定情報SCI30は、パターンの作業者の作業内容として「人力掘削」が関連付けられる。作業内容特定情報SCI31は、パターンの作業者の作業内容として「人力積込」が関連付けられる。この特定情報では、個々の作業者までは特定する情報を持たない。このような構成でも、この作業を行う作業者の人数や、延べの作業時間を計上することが可能である。
【0095】
次に、個々の作業者まで特定する情報を持つものを例示する。作業内容特定情報SCI32は、パターンの作業者の作業内容として「作業ABC」が関連付けられる。その氏名情報「ヤマダタロウ」も関連付けられる。このような個人の氏名までを反射板パターンに関連付けることで、個人レベルでの労務管理を行うことが可能である。作業内容特定情報SCI33は、パターンの機械(バックホウ)の作業内容「掘削積込(機械掘削)」(或いは、歩掛コードABCYYY800が関連付けられる。このように、ゼッケン、反射板、人物、機械の特徴を示す情報(通常は、画像処理を施して抽出した画像パターンやその特徴量など)と、これらに関連付けられる作業内容から、特定情報は構成される。
【0096】
2次元バーコードのメリットは、視認性がよく、ほとんどのOSで2次元バーコードの読み取りAPIがあり、取得、認識が容易なことである。また、反射板のメリットは、屋外では、天候により、画像の特徴量(画像解析したときの監視対象の機械、人物、ものなど)が大きく変動するが、反射板の色彩、模様、形状、それらのパターンなどは、比較的、特徴量の変動が少なく、精度よく画像認識することが可能になることである。また、反射板は工事現場の作業員や、機械には、安全管理の観点から装着することが励行されているため、違和感なく装着することが可能である。
【0097】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各部、各ステップなどに含まれる処理や機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段/部やステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。或いは、本発明による装置、方法、プログラムなどの一部の構成要素、機能、処理、ステップなどを遠隔地のサーバなどに配置することも可能であることに注意されたい。
【符号の説明】
【0098】
100……工事管理支援装置
110……制御部
120……記憶部
200……工事管理支援装置
210……制御部
220……記憶部
300……工事管理支援装置
310……制御部
320……記憶部
ABCXXX900……歩掛コード
ABCYY200……歩掛コード
ABCYYY800……歩掛コード
ACQ……取得部
B……ヤマダ午後
BH……バックホウ
BH1……バックホウ
BH2……バックホウ
BH20……バックホウ
BH20,21,22……バックホウ
BH21……バックホウ
BH22……バックホウ
BKI30……歩掛情報
BS……ドローンベース
CCM……工事監視カメラ
CCM……工事現場カメラ
CNT……計測部
COM……通信部
D……工事領域
DD……作業日報
DIS……表示部
DR……移動監視装置
DR31……ドローン
DZA……排土板
EV……実行予算書
FK……フック
GEN……生成部
GPS……場所
IMA……画像解析部
IMA……画像認識部
IMI……画像情報
IMI10……画像情報
IN……入力部
KBD……キーボード
KD……掘削ドリル
KD1……掘削ドリル
KD10……掘削ドリル
KD2……掘削ドリル
LAM……モデル
MDI……機械特定情報
MDI……工事機械特定情報
MDI10……工事機械特定情報
MDI11……工事機械特定情報
MDI20……工事機械特定情報
MDI21……工事機械特定情報
MDI22……工事機械特定情報
MPT……機械作業変換テーブル
MPT10……機械作業変換テーブル
MPT11……機械作業変換テーブル
MPT20……機械作業変換テーブル
MPT21……機械作業変換テーブル
MPT22……機械作業変換テーブル
MS1……携帯電話端末
MUS……マウス
NET……ネットワーク
OGEN……指令生成部
OUT……出力部
PC1……端末
PDA1……携帯端末
PDA1,……携帯端末
PLN1……実行予算書
PPI……個体特定情報
PRN……プリンタ
PRO……処理部
PS1……作業員
PS2……作業員
QUG……質問生成部
SCI……作業内容特定情報
SCI10……作業内容特定情報
SCI11……作業内容特定情報
SCI20……作業内容特定情報
SCI21……作業内容特定情報
SCI30……作業内容特定情報
SCI31……作業内容特定情報
SCI32……作業内容特定情報
SCI33……作業内容特定情報
SH……シャベル
SH1……シャベル
SH2……シャベル
SN1……作業内容
SN2……作業日報
TL20……掘削ドリル
TL21……車
VCE1……音声
VCE2……音声
VOR……音声認識モデル
VR……音声認識部
W1……コード
WDI……作業者特定情報
YKD30……作業進捗情報