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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022134533
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】パッケージ
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/50 20060101AFI20220908BHJP
   B65D 81/05 20060101ALI20220908BHJP
   B65D 77/04 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
B65D5/50 A
B65D81/05 210
B65D77/04 A
B65D77/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021033702
(22)【出願日】2021-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】390002370
【氏名又は名称】大塚包装工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100176337
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】上田 琢磨
【テーマコード(参考)】
3E060
3E066
3E067
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA08
3E060BB01
3E060CC05
3E060CC17
3E060CE05
3E060CE07
3E060CE18
3E060CE22
3E060DA25
3E066AA71
3E066BA06
3E066CA03
3E066DB02
3E066FA04
3E066FA13
3E066HA05
3E066JA03
3E066KA02
3E066NA51
3E067AA22
3E067AB16
3E067AC03
3E067AC14
3E067BA06B
3E067BA06C
3E067BB01B
3E067BB01C
3E067BC06B
3E067BC06C
3E067DA08
3E067EA04
3E067EA05
3E067ED08
3E067FA04
3E067FC01
3E067GD03
(57)【要約】
【課題】製函作業を効率的に実施できるパッケージを提供する。
【解決手段】パッケージは、物品を収容する第1収容空間を有する内箱と、前記内箱を収容する第2収容空間を有し、前記内箱と一体的に形成される外箱と、前記内箱と前記外箱の内面とを連結するパネルと、を備え、前記パネルは、前記外箱および前記内箱が折り畳まれた状態から前記外箱を広げた場合に、前記内箱の広がりを誘導するように構成される。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収容する第1収容空間を有する内箱と、
前記内箱を収容する第2収容空間を有し、前記内箱と一体的に形成される外箱と、
前記内箱と前記外箱の内面とを連結するパネルと、を備え、
前記パネルは、前記外箱および前記内箱が折り畳まれた状態から前記外箱を広げた場合に、前記内箱の広がりを誘導するように構成される
パッケージ。
【請求項2】
前記パネルは、第1パネル、および、前記第1パネルと前記第1収容空間を介して対向する第2パネルを含む
請求項1に記載のパッケージ。
【請求項3】
前記パネルは、前記内箱と前記外箱との間を延びる第1部分、および、前記第1部分と繋がり、前記外箱の内面と接合される第2部分を含む
請求項1または2に記載のパッケージ。
【請求項4】
前記パネルは、前記内箱の一部を前記内箱と分離しないように切り欠くことにより構成される
請求項1~3のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項5】
前記外箱は、前記第2収容空間を形成する外箱本体を含み、
前記外箱本体は、開口を含み、
前記外箱本体の内面に接合され、前記開口を介して充填された前記物品を前記第1収容空間に誘導するガイド部をさらに備える
請求項1~4のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項6】
前記内箱は、前記第1収容空間を開放および閉鎖する内蓋を含み、
前記外箱は、前記第2収容空間を開放および閉鎖する外蓋を含み、
前記内蓋と前記外蓋との間には、隙間が形成される
請求項1~5のいずれか一項に記載のパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
内箱と外箱とが一体的に形成されるパッケージが知られている。特許文献1は、このようなパッケージの一例としての包装陳列用ケースを開示している。この包装陳列用ケースは、筒状胴部と、筒状胴部の内部空間に配置される物品保持部とを含む。この陳列用ケースの製函作業では、筒状胴部および物品保持部が折り畳まれた状態において、筒状胴部を広げることによって、筒状胴部と繋がる物品保持部が広げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-201370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記包装陳列用パッケージでは、製函作業において、筒状胴部を広げたときに、物品保持部が広がらないおそれがある。このため、製函作業を効率的に実施できない。
【0005】
本発明は、製函作業を効率的に実施できるパッケージを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1観点に係るパッケージは、物品を収容する第1収容空間を有する内箱と、前記内箱を収容する第2収容空間を有し、前記内箱と一体的に形成される外箱と、前記内箱と前記外箱の内面とを連結するパネルと、を備え、前記パネルは、前記外箱および前記内箱が折り畳まれた状態から前記外箱を広げた場合に、前記内箱の広がりを誘導するように構成される。
【0007】
上記パッケージによれば、製函作業において、外箱を広げた場合に外箱と連結されるパネルによって内箱の広がりが誘導されるため、内箱を容易に広げることができる。このため、製函作業を効率的に実施できる。
【0008】
本発明の第2観点に係るパッケージは、第1観点に係るパッケージであって、前記パネルは、第1パネル、および、前記第1パネルと前記第1収容空間を介して対向する第2パネルを含む。
【0009】
上記パッケージによれば、パネルによって内箱のうちの第1収容空間を介して対向する部分が広がるように誘導されるため、製函作業において、内箱をより容易に広げることができる。
【0010】
本発明の第3観点に係るパッケージは、第1観点または第2観点に係るパッケージであって、前記パネルは、前記内箱と前記外箱との間を延びる第1部分、および、前記第1部分と繋がり、前記外箱の内面と接合される第2部分を含む。
【0011】
上記パッケージによれば、第2部分によって、内箱と外箱の内面とに隙間が形成されるため、緩衝性が高められる。このため、外箱に外力が作用した場合であっても、第1収容空間に収容されている物品が保護される。
【0012】
本発明の第4観点に係るパッケージは、第1観点から第3観点のいずれか1つに係るパッケージであって、前記パネルは、前記内箱の一部を前記内箱と分離しないように切り欠くことにより構成される。
【0013】
上記パッケージによれば、内箱の一部によってパネルが構成されるため、部品点数を削減できる。
【0014】
本発明の第5観点に係るパッケージは、第1観点から第4観点のいずれか1つに係るパッケージであって、前記外箱は、前記第2収容空間を形成する外箱本体を含み、前記外箱本体は、開口を含み、前記外箱本体の内面に接合され、前記開口を介して充填された前記物品を前記第1収容空間に誘導するガイド部をさらに備える。
【0015】
上記パッケージによれば、物品を第1収容空間に容易に収容できる。
【0016】
本発明の第6観点に係るパッケージは、第1観点から第5観点のいずれか1つに係るパッケージであって、前記内箱は、前記第1収容空間を開放および閉鎖する内蓋を含み、前記外箱は、前記第2収容空間を開放および閉鎖する外蓋を含み、前記内蓋と前記外蓋との間には、隙間が形成される。
【0017】
上記パッケージによれば、緩衝性が高められるため、外蓋に外力が作用した場合であっても、第1収容空間に収容されている物品が保護される。
【発明の効果】
【0018】
本発明に関するパッケージによれば、製函作業を効率的に実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態のパッケージの斜視図。
図2図1のパッケージの展開図。
図3図1のパッケージの上蓋および底蓋が開いた状態の底面図。
図4図1のパッケージの上蓋およびその周辺の模式図。
図5図1のパッケージの底蓋およびその周辺の模式図。
図6】搬送状態のパッケージの正面図。
図7図1のパッケージの内箱、外箱、および、パネルの関係を示す模式図。
図8】パッケージの製造工程の第1閉鎖工程の開始前の状態を示す模式図。
図9】パッケージの製造工程の第1閉鎖工程の途中の状態を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るパッケージについて説明する。
【0021】
<1.パッケージの全体構成>
図1は、物品100(図4参照)が収容された状態のパッケージ10の斜視図である。図2は、パッケージ10の展開図である。図3は、パッケージ10の上蓋40および底蓋50が開かれた状態のパッケージ10の底面図である。
【0022】
パッケージ10は、外力が作用した場合であっても、物品100が損傷しないように緩衝性を有するように構成される。パッケージ10に収容される物品100は、任意に選択可能である。物品100は、例えば、アイスクリームまたはソフトクリームに使用されるコーンである。物品100は、瓶等であってもよい。物品100がコーンのように重ねることができる形状である場合、パッケージ10には、複数の物品100が重ねられた状態で収容される。
【0023】
パッケージ10の外観形状は、任意に選択可能である。本実施形態では、パッケージ10の外観形状は、直方体である。パッケージ10の外観形状は、立方体であってもよい。
【0024】
図2または図3に示されるように、パッケージ10は、内箱20と、外箱30と、上蓋40と、底蓋50と、ガイド部60と、パネル70と、を含む。パッケージ10は、内箱20、外箱30、上蓋40、底蓋50、ガイド部60、および、パネル70が一体的に形成される。パッケージ10を構成する材料は、例えば、紙である。
【0025】
<2.内箱の構成>
図3に示されるように、内箱20は、内箱本体20Xを有する。内箱本体20Xは、物品100を収容する第1収容空間20Aを形成する。内箱20は、外箱30に対して所定の角度だけ傾いた状態で外箱30の第2収容空間30Aに収容される。内箱本体20Xは、第1開口20XA(図4参照)、第2開口20XB、第1壁21、第2壁22、第3壁23、および、第4壁24を含む。第1壁21~第4壁24は、長方形状である。第1収容空間20Aは、第1壁21~第4壁24によって囲まれる空間である。
【0026】
図4に示される第1開口20XAは、パッケージ10の上面側に形成される。第1開口20XAは、第1収容空間20Aから物品100が取り出されるときに物品100が通過する。図3または図5に示される第2開口20XBは、パッケージ10の底面側に形成される。第2開口20XBは、物品100を第1収容空間20Aに収容するときに、物品100が通過する。
【0027】
図3に示されるように、第1壁21は、第1収容空間20Aを介して第2壁22と対向する。第1壁21は、第2壁22および第3壁23と繋がる。第1壁21と第3壁23との境界部分には、容易に折り曲げることができるように、パッケージ10を貫通する切り込み91(図2参照)が長手方向に沿って所定間隔毎に形成される。
【0028】
第2壁22は、第3壁23および第4壁24と繋がる。第2壁22と第4壁24との境界部分には、容易に折り曲げることができるように、パッケージ10を貫通する切り込み92(図2参照)が長手方向に沿って所定間隔毎に形成される。第2壁22の短手方向において、切り込み92と反対側の端部には、長手方向に沿って糊付け用のハーフミシン加工22A(図2参照)が施されている。
【0029】
第3壁23は、第1収容空間20Aを介して第4壁24と対向する。第3壁23は、第1壁21および第2壁22と繋がる。第3壁23の短手方向において、切り込み91と反対側の端部には、長手方向に沿って糊付け用のハーフミシン加工23A(図2参照)が施されている。ハーフミシン加工22Aおよびハーフミシン加工23Aが形成されている領域に塗布された糊を介して、第2壁22と第3壁23とが接合される。第3壁23には、長手方向において中央よりも底蓋50に近い位置に貫通孔23Bが形成される。貫通孔23Bは、第1収容空間20Aに収容された物品100と第3壁23との摩擦抵抗を高めるために形成される。このため、第1収容空間20Aにおける物品100の位置が安定する。貫通孔23Bの形状は、任意に選択可能である。本実施形態では、貫通孔23Bは、楕円に類似する形状が第3壁23の長手方向に連続する形状である。
【0030】
第4壁24は、第1壁21および第2壁22と繋がる。第4壁24の短手方向において、切り込み92と反対側の端部には、長手方向に沿って、糊塗布領域24Aが形成される。糊塗布領域24Aに塗布された糊を介して、第4壁24と第1壁21とが接合される。第4壁24には、長手方向において中央よりも底蓋50に近い位置に貫通孔24Bが形成される。貫通孔24Bの形状および機能は、貫通孔23Bと同じである。
【0031】
<3.外箱の構成>
図3に示されるように、外箱30は、外箱本体30Xを有する。外箱本体30Xは、内箱20を収容する第2収容空間30Aを形成する。外箱本体30Xは、第1開口30XA(図4参照)、第2開口30XB、第1壁31、第2壁32、第3壁33、および、第4壁34を含む。第1壁31~第4壁34は、長方形状である。第2収容空間30Aは、第1壁31~第4壁34によって囲まれる空間である。
【0032】
図4に示される第1開口30XAは、パッケージ10の上面側に形成される。第1開口30XAは、第1収容空間20Aから物品100が取り出されるときに物品100が通過する。図3または図5に示される第2開口30XBは、パッケージ10の底面側に形成される。第2開口30XBは、物品100を第1収容空間20Aに収容するときに、物品100が通過する。
【0033】
図3に示されるように、第1壁31は、第2収容空間30Aを介して第1壁21と対向する。第1壁31は、内箱20を介して第2壁32と対向する。第1壁31は、第3壁33、および、第4壁34と繋がる。第1壁31と第3壁33との境界部分には、容易に折り曲げることができるように、パッケージ10を貫通する切り込み93(図2参照)が長手方向に沿って所定間隔毎に形成される。第1壁31と第4壁34との境界部分には、容易に折り曲げることができるように、パッケージ10を貫通する切り込み94(図2参照)が長手方向に沿って所定間隔毎に形成される。
【0034】
第2壁32は、第2収容空間30Aを介して、第2壁22と対向する。第2壁32は、第4壁34、第3壁33、および、第2壁22と繋がる。第2壁32と第4壁34との境界部分には、容易に折り曲げることができるように、パッケージ10を貫通する切り込み95(図2参照)が形成される。第2壁32と第2壁22との境界部分には、容易に折り曲げることができるように、パッケージ10を貫通する切り込み96(図2参照)が形成される。ハーフミシン加工22Aおよびハーフミシン加工23Aが形成されている領域に塗布された糊を介して、第2壁32と第3壁33とが接合される。
【0035】
第3壁33は、第2収容空間30Aを介して第3壁23と対向する。第3壁33は、第1壁31、第2壁32、および、第3壁23と繋がる。第3壁33と第3壁23との境界部分には、容易に折り曲げることができるように、パッケージ10を貫通する切り込み97(図2参照)が形成される。
【0036】
第4壁34は、第2収容空間30Aを介して第4壁24と対向する。第4壁34は、第1壁31および第2壁32と繋がる。
【0037】
<4.上蓋の構成>
図2に示されるように、上蓋40は、内蓋41および外蓋42を含む。内蓋41は、内箱20の第3壁23と繋がる。内蓋41は、第1収容空間20Aを開放および閉鎖する。内蓋41は、内箱20の第1開口20XA(図4参照)を開放することによって、第1収容空間20Aを開放する。内蓋41は、内箱20の第1開口20XAを閉鎖することによって、第1収容空間20Aを閉鎖する。
【0038】
外蓋42は、第2収容空間30Aを開放および閉鎖する。外蓋42は、一対の第1外蓋42A、42B、および、一対の第2外蓋42C、42Dを有する。第1外蓋42Aは、外箱30の第3壁33と繋がる。第1外蓋42Bは、外箱30の第4壁34と繋がる。
【0039】
図4は、内蓋41と一対の第1外蓋42A、42Bとの関係を示す模式図である。内蓋41が第1開口20XAを閉鎖している状態、および、一対の第1外蓋42A、42Bが第1開口30XAを閉鎖している状態では、内蓋41と一対の第1外蓋42A、42Bとの間に所定の隙間43が形成される。緩衝性が高められるため、一対の第1外蓋42A、42Bに外力が作用した場合であっても、第1収容空間20Aに収容されている物品100が保護される。
【0040】
図2に示される一対の第2外蓋42C、42Dは、一対の第1外蓋42A、42Bが第2収容空間30Aを閉鎖した状態で、一対の第1外蓋42A、42Bを覆う。第2外蓋42Cは、外箱30の第1壁31と繋がる。第2外蓋42Cは、一対の第1外蓋42A、42Bが第2収容空間30Aを閉鎖した状態で、第2外蓋42Dを覆う。第2外蓋42Cは、ユーザによって切断される切断部44を有する。切断部44は、第2外蓋42Cを貫通する複数の切り込みが形成されるミシン目加工部44A、および、ミシン目加工部44Aに沿って第2外蓋42Cを切断する場合にユーザによって把持される取手44Bを含む。第2外蓋42Cの裏面のうちの切断部44に対して第1壁31と反対側には、第2外蓋42Dと接合するための糊が塗布される糊塗布領域45が形成される。
【0041】
第2外蓋42Dは、外箱30の第2壁32と繋がる。第2外蓋42Dは、突起42DXが形成される。ユーザによって、第2外蓋42Cの切断部44が切断された後は、突起42DXを第2外蓋42Cの貫通孔46に挿入することによって、第1開口30XAを再封できる。
【0042】
<5.底蓋の構成>
図2または図3に示されるように、底蓋50は、一対の内蓋51A、51B、および、外蓋52を含む。内蓋51Aは、内箱20の第4壁24と繋がる。内蓋51Aは、凹部51AXが形成される。内蓋51Bは、内箱20の第3壁23と繋がる。内蓋51Bは、凹部51BXが形成される。一対の内蓋51A、51Bは、第1収容空間20Aを開放および閉鎖する。一対の内蓋51A、51Bは、内箱20の第2開口20XBを開放することによって、第1収容空間20Aを開放する。一対の内蓋51A、51Bは、内箱20の第2開口20XBを閉鎖することによって、第1収容空間20Aを閉鎖する。
【0043】
外蓋52は、第2収容空間30Aを開放および閉鎖する。外蓋52は、一対の第1外蓋52A、52B、および、一対の第2外蓋52C、52Dを有する。第1外蓋52Aは、外箱30の第3壁33と繋がる。第1外蓋52Bは、外箱30の第4壁34と繋がる。
【0044】
図5は、一対の内蓋51A、51Bと一対の第1外蓋52A、52Bとの関係を示す模式図である。底蓋50は、上蓋40と同様に、一対の内蓋51A、51Bが第2開口20XBを閉鎖している状態、および、一対の第1外蓋52A、52Bが第2開口30XBを閉鎖している状態では、一対の内蓋51A、51Bと一対の第1外蓋52A、52Bとの間に所定の隙間53が形成される。緩衝性が高められるため、一対の第1外蓋52A、52Bに外力が作用した場合であっても、第1収容空間20Aに収容されている物品100が保護される。また、一対の内蓋51A、51Bには、凹部51AX、51BX(図2参照)が形成されているため、より緩衝性が高められる。
【0045】
図2に示される一対の第2外蓋52C、52Dは、一対の第1外蓋52A、52Bが第2収容空間30Aを閉鎖した状態で、一対の第1外蓋52A、52Bを覆う。第2外蓋52Cは、外箱30の第1壁31と繋がる。第2外蓋52Cは、一対の第1外蓋52A、52Bが第2収容空間30Aを閉鎖した状態で、第2外蓋52Dを覆う。第2外蓋52Cの裏面には、第2外蓋52Dと接合するための糊が塗布される糊塗布領域54が形成される。第2外蓋52Dは、外箱30の第2壁32と繋がる。
【0046】
<6.ガイド部の構成>
図3に示されるガイド部60は、外箱30の第2開口30XBを介して充填された物品100を第1収容空間20Aに誘導する。ガイド部60は、内箱20の第2壁22と繋がる。ガイド部60の形状は、任意に選択可能である。本実施形態では、ガイド部60は、概ね四角形状である。ガイド部60には、一方の対角線に沿ってガイド部60を貫通する切り込み61が形成される。ガイド部60の切り込み61に区画される領域のうち、第2開口30XBに近い領域の裏側には、外箱30の第2壁32の内面と接合するための糊が塗布される糊塗布領域62が形成される。上述したように、内箱20は、外箱30に対して所定の角度だけ傾いた状態で外箱30の第2収容空間30Aに収容されるため、切り込み61に沿ってガイド部60を折り曲げることにより、ガイド部60と第2壁32とを容易に接合できる。
【0047】
<7.パネルの構成>
図6に示されるように、パッケージ10は、内箱20および外箱30が折り畳まれた状態(以下では、「搬送状態」という)で物品100を収容するための工程を実施する工場に搬送される。工場では、第1収容空間20Aおよび第2収容空間30Aが形成されるように、パッケージ10の製函作業が実施される。製函作業は、例えば、製函装置によって実施される。パッケージ10の製函作業においては、例えば、外箱30のうちの第1壁31と第4壁34との境界部分、および、第3壁33と第4壁34との境界部分が内方に押されることによって、外箱30が広げられる。本実施形態では、内箱20と外箱30の内面とを連結することによって、外箱30が広げられた場合に、内箱20の広がりを誘導するパネル70が配置されている。
【0048】
図7は、パッケージ10の底面側から視た、内箱20、外箱30、および、パネル70の関係を示す模式図である。パネル70は、内箱20と外箱30の内面との間を延びる第1部分70A、および、第1部分70Aと繋がり、外箱30の内面と接合される第2部分70Bを含む。第2部分70Bの裏面には、外箱30の内面と接合するための糊が塗布される糊塗布領域70X(図2参照)が形成される。
【0049】
パッケージ10が有するパネル70の数は、任意に選択可能である。本実施形態では、パッケージ10が有するパネル70の数は、2つである。以下では、2つのパネル70を区別するため、2つのパネル70を第1パネル71および第2パネル72と称する場合がある。パッケージ10が有するパネル70の数は、1つ、または、3つ以上であってもよい。
【0050】
パネル70は、内箱20の広がりを好適に誘導する観点から、第1収容空間20Aを介して対向する部分に配置されることが好ましい。本実施形態では、第1パネル71は、第1壁21に配置され、第2パネル72は、第2壁22に配置される。第1パネル71は、内箱20の第1壁21と外箱30の第1壁31とを連結する。第2パネル72は、内箱20の第2壁22と外箱30の第2壁32とを連結する。
【0051】
第1パネル71および第2パネル72は、同様の構造である。本実施形態では、内箱20の第2壁22と繋がるガイド部60(図3参照)が、外箱30の第2壁32と接合されているため、第2壁22と第2壁32との間隔が、第1壁21と第1壁31との間隔よりも狭い。このため、図7に示されるように、第2パネル72の第1部分70Aの第2壁22に対する傾斜角度θAは、第1パネル71の第1部分70Aの第1壁21に対する傾斜角度θBよりも小さい。
【0052】
部品点数の削減の観点から、パネル70は、内箱20の一部を内箱20と分離しないように切り欠くことによって形成されることが好ましい。図2に示されるように、本実施形態では、第1パネル71は、内箱20の第1壁21の長手方向の概ね中央を切り欠くことによって形成される。第2パネル72は、内箱20の第2壁22の長手方向の概ね中央を切り欠くことによって形成される。
【0053】
<8.パッケージの製造工程>
物品100が収容されたパッケージ10の製造工程の一例について説明する。
パッケージ10の製造工程は、製函工程、第1閉鎖工程、物品収容工程、および、第2閉鎖工程を含む。製函工程では、図6に示される搬送状態のパッケージ10の製函作業が実施される。製函作業では、搬送状態のパッケージ10に対して外箱30の第1壁31と第2壁32とが離間するような力が加えられる。外箱30が広げられることにともない、第1パネル71を介して第1壁31と連結される第1壁21と、第2パネル72を介して第2壁32と連結される第2壁22とが離間する。このため、内箱20がスムーズに広げられる。
【0054】
図8および図9は、第1閉鎖工程を説明する模式図である。第1閉鎖工程は、製函工程の次に実施される。第1閉鎖工程は、上蓋40を閉じる工程である。第1閉鎖工程では、図8に示されるように、一対の第1外蓋42A、42B、および、内蓋41が立ち上がった状態において、第1外蓋42Aが第1開口30XAを閉鎖するように、外箱本体30Xに対して倒される。図9に示されるように、第1外蓋42Aが外箱本体30Xに対して倒されることによって、第1外蓋42Aと対向する内蓋41も第1開口20XAを閉鎖するように、内箱本体20Xに対して倒される。次に、第1外蓋42Bが、第1開口30XAを閉鎖するように、外箱本体30Xに対して倒される。次に、第2外蓋42Dが第1開口30XAを閉鎖するように、外箱本体30Xに対して倒される。次に、第2外蓋42Cが、第1開口30XAを閉鎖するように、外箱本体30Xに対して倒され、糊塗布領域45(図2参照)に塗布された糊を介して第2外蓋42Cと第2外蓋42Dとが接合される。なお、第1閉鎖工程は、物品収容工程の後に実施してもよい。
【0055】
物品収容工程は、第1閉鎖工程の後に実施される。物品収容工程では、第2開口20XBおよび第2開口30XBを介して物品100が充填される。充填された物品100は、ガイド部60によって第1収容空間20Aに案内される。全ての物品100の充填が完了した場合、第2閉鎖工程が実施される。
【0056】
第2閉鎖工程では、第1閉鎖工程と同様の手順によって、底蓋50が閉じられる。第2閉鎖工程では、一対の第1外蓋52A、52B、および、一対の内蓋51A、51Bが立ち上がった状態において、第1外蓋52Bが第2開口30XBを閉鎖するように、外箱本体30Xに対して倒される。第1外蓋52Bが外箱本体30Xに対して倒されることによって、第1外蓋52Bと対向する内蓋51Aも第2開口20XBを閉鎖するように、内箱本体20Xに対して倒される。次に、第1外蓋52Aが、第2開口30XBを閉鎖するように、外箱本体30Xに対して倒される。第1外蓋52Aが、外箱本体30Xに対して倒されることによって、第1外蓋52Aと対向する内蓋51Bも第2開口20XBを閉鎖するように、内箱本体20Xに対して倒される。次に、第2外蓋52Dが第2開口30XBを閉鎖するように、外箱本体30Xに対して倒される。次に、第2外蓋52Cが、第2開口30XBを閉鎖するように、外箱本体30Xに対して倒され、糊塗布領域54(図2参照)に塗布された糊を介して第2外蓋52Cと第2外蓋52Dとが接合される。
【0057】
<9.本実施形態の効果>
以上のように構成されたパッケージ10によれば、次の効果を得ることができる。
パッケージ10によれば、製函作業において、外箱30を広げた場合にパネルによって内箱20の広がりが誘導されるため、内箱20を容易に広げることができる。このため、製函作業を効率的に実施できる。
【0058】
<10.変形例>
上記実施形態は本発明に関するパッケージが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に関するパッケージは、実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その一例は、実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、または、実施形態に新たな構成を付加した形態である。以下に実施形態の変形例の幾つかの例を示す。
【0059】
<10-1>
上記実施形態では、パネル70は、内箱20の一部を切り欠くことによって構成されたが、パネル70の具体的な構成は任意に変更可能である。例えば、パネル70を内箱20とは別体で構成し、内箱20の表面に接合してもよい。
【0060】
<10-2>
上記実施形態では、パネル70は、内箱20の第1壁21および第2壁22と外箱30内面とを連結していた。しかし、パネル70の構成は、これに限定されない。例えば、パネル70は、第1壁21および第4壁24と外箱30の内面とを連結してもよく、第1壁21および第3壁23と外箱30の内面とを連結してもよい。また、パネル70は、第2壁22および第4壁24と外箱30の内面とを連結してもよく、第2壁22および第3壁23と外箱30の内面とを連結してもよい。また、パネル70は、第1壁21~第4壁24のいずれか1つと外箱30の内面とを連結してもよい。
【0061】
<10-3>
上記実施形態では、ガイド部60は、内箱20の第2壁22および外箱本体30Xの内面と繋がっていたが、ガイド部60は、第1壁21、第3壁23、または、第4壁24と外箱本体30Xの内面と繋がっていてもよい。ガイド部60が第4壁24と繋がる場合、一対の内蓋51A、51Bは、第1壁21、第2壁22、または、第3壁23と繋がるように配置される。ガイド部60が第3壁23と繋がる場合、一対の内蓋51A、51Bは、第1壁21、第2壁22、または、第4壁24と繋がるように配置される。
【0062】
<10-4>
上記実施形態において、パッケージ10の各構成要素は、糊によって接合されたが、接着剤または両面テープによって接合されてもよい。
【0063】
<10-5>
上記実施形態において、内箱20の第3壁23の貫通孔23B、および、第4壁24の貫通孔24Bの少なくとも一方を省略できる。
【符号の説明】
【0064】
10 :パッケージ
20 :内箱
20A :第1収容空間
30 :外箱
30A :第2収容空間
30X :外箱本体
30XA :第1開口(開口)
30XB :第2開口(開口)
41、51:内蓋
42、52:外蓋
43、53:隙間
60 :ガイド部
70 :パネル
70A :第1部分
70B :第2部分
71 :第1パネル
72 :第2パネル
100 :物品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9