(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022134564
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】特徴量抽出方法、性能予測モデル作成方法、プラントの運転支援方法、特徴量抽出装置、性能予測モデル作成装置、及びプラントの運転支援装置
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20220908BHJP
G05B 23/02 20060101ALI20220908BHJP
F23N 5/00 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
G06T7/00 610
G05B23/02 T
G05B23/02 301Z
F23N5/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021033757
(22)【出願日】2021-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】草加 浩都
(72)【発明者】
【氏名】横井 智記
(72)【発明者】
【氏名】高橋 知大
(72)【発明者】
【氏名】喜名 大輔
(72)【発明者】
【氏名】山本 研二
(72)【発明者】
【氏名】松本 啓吾
【テーマコード(参考)】
3C223
3K003
5L096
【Fターム(参考)】
3C223AA01
3C223AA02
3C223BB08
3C223CC01
3C223DD01
3C223EB01
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3C223FF45
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3C223GG01
3C223HH02
3C223HH06
3C223HH07
3C223HH29
3K003EA07
3K003FA02
3K003GA06
5L096AA02
5L096BA03
5L096BA18
5L096CA04
5L096DA02
5L096FA15
5L096FA59
5L096FA64
5L096FA66
5L096FA67
5L096FA69
5L096GA38
5L096MA07
(57)【要約】
【課題】予測精度を向上させることで運転パラメータの最適化にかかる時間を短縮し、且つ特徴量の抽出の自動化を容易化することができる。
【解決手段】燃料を燃焼するプラントの運転パラメータと、プラントのプロセス値との関係を示す性能予測モデルを作成するための特徴量を抽出する特徴量抽出方法は、プラントの燃焼領域の画像データを取得するステップと、画像データをクラスタリング処理により色情報に応じて複数の色領域に区分された色画像データに変換するステップと、色画像データから特徴量を抽出するステップと、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料を燃焼するプラントの運転パラメータと、前記プラントのプロセス値との関係を示す性能予測モデルを作成するための特徴量を抽出する特徴量抽出方法であって、
前記プラントの燃焼領域の画像データを取得するステップと、
前記画像データをクラスタリング処理により色情報に応じて複数の色領域に区分された色画像データに変換するステップと、
前記色画像データから前記特徴量を抽出するステップと、を備える、
特徴量抽出方法。
【請求項2】
前記画像データは、前記プラントの一次燃焼領域の画像データを含み、
前記複数の色領域は、前記一次燃焼領域に供給された前記燃料が燃焼する領域が含まれる第1色領域と、前記一次燃焼領域に供給された前記燃料が未燃焼である領域が含まれる第2色領域と、を含み、
前記特徴量は、前記第1色領域及び前記第2色領域のうち少なくとも一方から抽出される第1特徴量を含む、
請求項1に記載の特徴量抽出方法。
【請求項3】
前記第1特徴量は、前記燃料を前記プラントに供給するための燃料供給口と、前記第1色領域と前記第2色領域との境界線との間の距離である着火距離を含む、
請求項2に記載の特徴量抽出方法。
【請求項4】
前記第1特徴量は、前記燃料を前記プラントに供給するための燃料供給口と、前記第1色領域と前記第2色領域との境界線との間の距離である着火距離の変化量を含む、
請求項2又は3に記載の特徴量抽出方法。
【請求項5】
前記第1特徴量は、前記第1色領域の面積及び前記第2色領域の面積のうち少なくとも1つを含む、
請求項2から4の何れか一項に記載の特徴量抽出方法。
【請求項6】
前記第1特徴量は、前記第1色領域の面積の変化量及び前記第2色領域の面積の変化量のうち少なくとも1つを含む、
請求項2から5の何れか一項に記載の特徴量抽出方法。
【請求項7】
前記第1特徴量は、前記燃料の燃焼によって発生する火炎の幅、火炎の長さ、火炎の噴出角度のうち少なくとも1つを含み、
前記燃料を前記プラントに供給するための燃料供給口の開口と交差する方向を長さ方向、該長さ方向と直交する方向を幅方向とすると、
前記火炎の幅は、前記第1色領域の前記幅方向の大きさであり、
前記火炎の長さは、前記第1色領域の前記長さ方向の大きさであり、
前記火炎の噴出角度は、前記燃料供給口を前記長さ方向に通過する第1仮想線と、前記燃料供給口と前記第1仮想線とが交差する交差点、及び前記第1色領域の前記長さ方向の前記燃料供給口側とは反対側の先端を通過する第2仮想線とによって形成される、
請求項2から6の何れか一項に記載の特徴量抽出方法。
【請求項8】
前記第1特徴量は、前記燃料の燃焼によって発生する火炎の幅の変化量、火炎の長さの変化量、火炎の噴出角度の変化量のうち少なくとも1つを含み、
前記燃料を前記プラントに供給するための燃料供給口の開口と交差する方向を長さ方向、該長さ方向と直交する方向を幅方向とすると、
前記火炎の幅は、前記第1色領域の前記幅方向の大きさであり、
前記火炎の長さは、前記第1色領域の前記長さ方向の大きさであり、
前記火炎の噴出角度は、前記燃料供給口を前記長さ方向に通過する第1仮想線と、前記燃料供給口と前記第1仮想線とが交差する交差点、及び前記第1色領域の前記長さ方向の前記燃料供給口側とは反対側の先端を通過する第2仮想線とによって形成される、
請求項2から7の何れか一項に記載の特徴量抽出方法。
【請求項9】
前記画像データは、前記プラントの二次燃焼領域の画像データを含み、
前記複数の色領域は、前記プラントの一次燃焼領域から前記二次燃焼領域に流動した未燃燃料が燃焼する領域が含まれる第3色領域と、前記プラントの前記一次燃焼領域から前記二次燃焼領域に流動した前記未燃燃料が未燃焼である領域が含まれる第4色領域と、を含み、
前記特徴量は、前記第3色領域及び前記第4色領域のうち少なくとも一方から抽出される第2特徴量を含む、
請求項1から8の何れか一項に記載の特徴量抽出方法。
【請求項10】
前記第2特徴量は、前記第3色領域の面積を含む、
請求項9に記載の特徴量抽出方法。
【請求項11】
前記第2特徴量は、前記第3色領域の面積の変化量を含む、
請求項9又は10に記載の特徴量抽出方法。
【請求項12】
前記第2特徴量は、前記第3色領域と前記第4色領域との位置関係を含む、
請求項9から11の何れか一項に記載の特徴量抽出方法。
【請求項13】
前記第2特徴量は、前記第3色領域と前記第4色領域との位置関係の変化量を含む、
請求項9から12の何れか一項に記載の特徴量抽出方法。
【請求項14】
燃料を燃焼するプラントの運転パラメータと、前記プラントのプロセス値との関係を示す性能予測モデルを作成する性能予測モデル作成方法であって、
請求項1から13の何れか一項に記載の特徴量抽出方法を用いて、第1タイミングにおける前記特徴量を抽出するステップと、
前記プラントの前記第1タイミングにおける前記運転パラメータと物理モデルパラメータセットとに基づいて、前記物理モデルパラメータセットを変化させて感度解析を実施して、前記第1タイミングにおける前記特徴量に対応する解析特徴量を算出するステップと、
前記第1タイミングにおける前記特徴量と前記解析特徴量との差に基づいて、最適物理モデルパラメータセットを決定するステップと、
前記最適物理モデルパラメータセットと前記プラントの前記運転パラメータとに基づいて、前記運転パラメータを変化させて感度解析を実施して、前記運転パラメータと前記プロセス値との関係を示す前記性能予測モデルを作成するステップと、を備える、
性能予測モデル作成方法。
【請求項15】
燃料を燃焼するプラントの運転パラメータと、前記プラントのプロセス値との関係を示す性能予測モデルを作成する性能予測モデル作成方法であって、
請求項1から13の何れか一項に記載の特徴量抽出方法を用いて、複数のタイミングにおける前記特徴量をそれぞれ抽出するステップと、
前記プラントの前記複数のタイミングにおける前記運転パラメータをそれぞれ取得するステップと、
前記プラントの前記複数のタイミングにおける前記プロセス値をそれぞれ取得するステップと、
前記複数のタイミングにおける各々の前記特徴量、前記複数のタイミングにおける各々の前記運転パラメータ、及び前記複数のタイミングにおける各々の前記プロセス値を含む学習データに基づいて、前記運転パラメータと前記プロセス値との関係を示す前記性能予測モデルを作成するステップと、を備える、
性能予測モデル作成方法。
【請求項16】
請求項14又は15に記載の性能予測モデル作成方法によって作成された前記性能予測モデルを用いるプラントの運転支援方法であって、
前記運転パラメータを設定するステップと、
前記運転パラメータを設定するステップで設定された前記運転パラメータを前記性能予測モデルに入力して、前記プロセス値を出力するステップと、
前記プロセス値を出力するステップで出力された前記プロセス値が所定条件に含まれるか否かを判断するステップと、
前記プロセス値が前記所定条件に含まれないと判断された場合に、前記運転パラメータを再設定するステップと、を備える
プラントの運転支援方法。
【請求項17】
燃料を燃焼するプラントの運転パラメータと、前記プラントのプロセス値との関係を示す性能予測モデルを作成するための特徴量を抽出する特徴量抽出装置であって、
前記プラントの燃焼領域の画像データを取得する取得部と、
前記画像データをクラスタリング処理により色情報に応じて複数の色領域に区分された色画像データに変換する変換部と、
前記色画像データから前記特徴量を抽出する抽出部と、を備える、
特徴量抽出装置。
【請求項18】
燃料を燃焼するプラントの運転パラメータと、前記プラントのプロセス値との関係を示す性能予測モデルを作成する性能予測モデル作成装置であって、
請求項17に記載の特徴量抽出装置であって、第1タイミングにおける前記特徴量を抽出する特徴量抽出装置と、
前記プラントの前記第1タイミングにおける前記運転パラメータと物理モデルパラメータセットとに基づいて、前記物理モデルパラメータセットを変化させて感度解析を実施して、前記第1タイミングにおける前記特徴量に対応する解析特徴量を算出する解析特徴量算出部と、
前記第1タイミングにおける前記特徴量と前記解析特徴量との差に基づいて、最適物理モデルパラメータセットを決定する最適物理モデルパラメータセット決定部と、
前記最適物理モデルパラメータセットと前記プラントの前記運転パラメータとに基づいて、前記運転パラメータを変化させて感度解析を実施して、前記運転パラメータと前記プロセス値との関係を示す前記性能予測モデルを作成する性能予測モデル作成部と、を備える、
性能予測モデル作成装置。
【請求項19】
請求項18に記載の性能予測モデル作成装置によって作成された前記性能予測モデルを用いるプラントの運転支援装置であって、
前記運転パラメータを設定する運転パラメータ設定部と、
前記運転パラメータ設定部が設定した前記運転パラメータを前記性能予測モデルに入力して、前記プロセス値を出力するプロセス値出力部と、
前記プロセス値出力部が出力した前記プロセス値が所定条件に含まれるか否かを判断する判断部と、を備え、
前記判断部において、前記プロセス値出力部で出力された前記プロセス値が前記所定条件に含まれないと判断された場合に、前記運転パラメータを再設定する再設定部と、を備える、
プラントの運転支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、特徴量抽出方法、性能予測モデル作成方法、プラントの運転支援方法、特徴量抽出装置、性能予測モデル作成装置、及びプラントの運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プラントの仕様や燃料の性状が変化した場合においても、プロセス値を精度よく予測することができる性能予測モデルの作成方法が開示されている。性能予測モデルは燃料を燃焼するプラントの入力パラメータ(インプット)とプロセス値(アウトプット)との関係を示すものである。この特許文献1では、プラントの運転データと、プラントの燃焼領域を上から撮影した画像データから抽出される特徴量とを性能予測モデルの入力パラメータとして取り扱っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特徴量は性能予測モデルの予測精度を向上させるような情報であることが望ましいが、プラントの燃焼領域の画像データから特徴量を抽出する具体的な手法については開示されていない。また、プラントの燃焼領域の画像データから特徴量を抽出する手法によっては、前処理や閾値の設定などのような人手による調整作業が必要となり、自動化が容易ではない場合がある。
【0005】
本開示は、上述の課題に鑑みてなされたものであって、予測精度を向上させ、且つ特徴量の抽出の自動化を容易化することができる特徴量抽出方法、及び特徴量抽出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本願は前記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げる。本開示に係る特徴量抽出方法は、燃料を燃焼するプラントの運転パラメータと、前記プラントのプロセス値との関係を示す性能予測モデルを作成するための特徴量を抽出する特徴量抽出方法であって、前記プラントの燃焼領域の画像データを取得するステップと、前記画像データをクラスタリング処理により色情報に応じて複数の色領域に区分された色画像データに変換するステップと、前記色画像データから前記特徴量を抽出するステップと、を備える。
【0007】
本開示に係る特徴量抽出装置は、燃料を燃焼するプラントの運転パラメータと、前記プラントのプロセス値との関係を示す性能予測モデルを作成するための特徴量を抽出する特徴量抽出装置であって、前記プラントの燃焼領域の画像データを取得する取得部と、前記画像データをクラスタリング処理により色情報に応じて複数の色領域に区分された色画像データに変換する変換部と、前記色画像データから前記特徴量を抽出する抽出部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示の特徴量抽出方法及び特徴量抽出装置によれば、予測精度を向上させ、且つ特徴量の抽出の自動化を容易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】一実施形態に係る特徴量抽出方法を示すフローチャートである。
【
図3】一実施形態に係る色画像データを示す図である。
【
図4】一実施形態に係る色画像データを示す図である。
【
図5】別の一実施形態に係る色画像データを示す図である。
【
図6】一実施形態に係る性能予測モデル作成方法を示すフローチャートである。
【
図7】別の一実施形態に係る性能予測モデル作成方法を示すフローチャートである。
【
図8】一実施形態に係るプラントの運転支援方法を示すフローチャートである。
【
図9】一実施形態に係る特徴量抽出装置の概略的な機能ブロック図である。
【
図10】一実施形態に係る性能予測モデル作成装置の概略的な機能ブロック図である。
【
図11】一実施形態に係るプラントの運転支援装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態による特徴量抽出方法、性能予測モデル作成方法、プラントの運転支援方法、特徴量抽出装置、性能予測モデル作成装置、及びプラントの運転支援装置について、図面に基づいて説明する。かかる実施の形態は、本開示の一態様を示すものであり、この開示を限定するものではなく、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
【0011】
燃料を燃焼するプラントの運転パラメータ(インプット)とプラントのプロセス値(アウトプット)との関係を示す性能予測モデルを作成するための特徴量を抽出する特徴量抽出方法について説明する。
【0012】
<特徴量抽出方法>
まず、本開示に係る性能予測モデルを適用するプラントの一例として、ボイラプラント100の構成を示す。
図1は、ボイラプラント100の概要図である。尚、プラントは、ボイラプラント100に限らず、広く工業製品又は材料を生成するプラントにも適用可能である。例えば、燃料を燃焼するプラントとして、発電プラント以外に、蒸気供給プラント、製鉄プラントが例示される。
【0013】
ボイラプラント100が備えるボイラ102は、固体燃料を燃焼させるように構成されている。ボイラ102は、石炭Fcを粉砕した微粉炭(固体燃料)の燃焼により発生した熱を用いて給水から蒸気を発生させることが可能な石炭焚きボイラである。なお、ボイラ102に投入する固体燃料は、微粉炭に限定されず、ボイラ102で燃焼可能であるならばバイオマスのような微粉炭以外の固体燃料であってもよい。
【0014】
図1に示すように、ボイラ102は、火炉104と、燃焼装置(燃焼バーナ106)と、1次空気供給装置108と、2次空気供給装置115と、煙道110と、を含む。
【0015】
火炉104は、例えば四角筒の中空形状を有し鉛直方向に沿って延設されている。火炉104は、1次空気供給装置108から供給される空気(1次空気)によって微粉炭を燃焼し、2次空気供給装置115から新たに供給される空気(2次空気)によって一次燃焼領域R1から二次燃焼領域R2に流動した未燃の微粉炭(未燃燃料)を燃焼する、いわゆる2段燃焼方式の火炉である。
【0016】
ボイラプラント100の火炉104における一次燃焼領域R1は、撮像装置105によって撮像されている。撮像装置105は、後述する燃料供給口109も撮像されるように一次燃焼領域R1を撮像可能な位置に少なくとも一台が火炉104に設けられている。撮像装置105は、例えば、火炉104を構成する火炉壁における鉛直方向の下部側に設けられる。撮像装置105は、動画像または静止画像の少なくとも一方を撮像可能に構成され、一次燃焼領域R1の画像データを生成する。このような撮像装置105は、例えば、デジタルカメラ、ビデオカメラ、又は特定の波長を検知可能な赤外線カメラなどのカメラである。尚、画像データの形式は、静止画であればTIFFやBMP、動画であればAVIに代表される非圧縮形式のデータであってもよい。あるいは、画像データの形式は、静止画であればJPEGやPNG、動画であればMPEGやMP4に代表される圧縮形式のデータであってもよい。
【0017】
燃焼装置は、火炉104の火炉壁の下部側に設けられており、例えば、燃焼バーナ106である。燃焼バーナ106は、微粉炭供給管112を介して粉砕機114(微粉炭機/ミル)に連結されている。粉砕機114は、図示しない搬送系統で搬送された石炭Fcを所定の微粉の大きさに粉砕し、微粉炭を生成する。粉砕機114は、微粉炭と1次空気供給装置108から供給された空気(一次空気)とを混合した混合気を、微粉炭供給管112を介して燃焼バーナ106に供給する。燃焼バーナ106は、粉砕機114から供給された混合気を火炉104内に噴射することで、火炎Frを形成して微粉炭を燃焼する。
【0018】
1次空気供給装置108は、微粉炭の燃焼に用いられる1次空気を火炉104に供給する。このような1次空気供給装置108は、1次空気供給管116と、1次空気供給管116に設けられた1次ブロワ118と、を含む。1次ブロワ118が発生させた空気は、1次空気供給管116、粉砕機114、微粉炭供給管112、及び燃焼バーナ106の順に流通し、1次空気として火炉104に供給される。火炉壁に形成される1次空気(混合気)の噴射口(燃料供給口109)は、火炉壁に形成される二次空気の供給口113よりも下方に位置している。
【0019】
2次空気供給装置115は、一次燃焼領域R1で燃え切らなかった微粉炭(未燃燃料)の燃焼に用いられる2次空気を火炉104に供給する。このような2次空気供給装置115は、2次空気供給管117と、2次空気供給管117に設けられた2次ブロワ119と、を含む。2次ブロワ119が発生させた空気は、2次空気供給管117を流通し、二次空気として火炉104に供給される。尚、2次空気供給装置115は、2次ブロワ119が発生させた空気が燃焼バーナ106に供給されるように構成されてもよい。
【0020】
煙道110は、火炉104の上部と連通しており、微粉炭の燃焼によって発生した燃焼ガスCgが流通する。煙道110には、ガス分析計111が設けられており、燃焼ガスCgに含まれる酸素や一酸化炭素のような気体成分の濃度を計測する。ガス分析計111の設置位置は、特に限定されず、煙道110の出口部であってもよいし、煙道110の入口部であってもよい。幾つかの実施形態では、ガス分析計111は火炉104に設けられる。また、煙道110には、燃焼ガスCgの熱エネルギから蒸気を発生させるための熱交換器120が設けられている。熱交換器120の設置位置は、
図1に例示する形態に限定されず、火炉104の上部に設けられてもよい。不図示であるが、幾つかの実施形態では、ボイラプラント100は、蒸気タービン及び発電機をさらに備え、熱交換器120で発生させた蒸気によって蒸気タービンを回転駆動させ、この蒸気タービンの回転軸に連結された発電機を回転駆動させることで発電を行うように構成される。
【0021】
図1に例示する形態では、ボイラプラント100は、脱硝装置150と、集じん装置152と、煙突154と、をさらに備える。脱硝装置150は、ボイラ102の煙道110と接続されており、ボイラ102の煙道110から排出された燃焼ガスCgの浄化を行う。集じん装置152は脱硝装置150と接続されており、脱硝装置150で浄化された燃焼ガスCgに含まれる飛灰を捕集する。煙突154は、集じん装置152と接続されており、集じん装置152で飛灰が捕集された燃焼ガスCgを大気中のようなボイラプラント100の外部に排出する。
【0022】
(特徴量抽出方法の構成)
図2は、一実施形態に係る特徴量抽出方法を示すフローチャートである。
図2に例示する特徴量抽出方法では、微粉炭を燃焼するボイラプラント100における一次燃焼領域R1の画像データを活用して、燃焼ガスCgに含まれる気体成分の濃度(プロセス値)を予測する性能予測モデルを作成するための特徴量を抽出する。尚、プロセス値は気体成分の濃度に限定されない。例えば、集じん装置152で捕集された灰中未燃分濃度などもある。
【0023】
図2に示すように、特徴量抽出方法は、取得ステップS2と、変換ステップS4と、抽出ステップS6と、を備える。
【0024】
まず、取得ステップS2において、ボイラプラント100の一次燃焼領域R1の画像データを火炉104に設けられた撮像装置105から取得する。尚、画像データは、リアルタイムで撮像装置105から取得されてもよいし、予め取得した画像データをデータベースのような記憶装置に記憶させ、記憶装置から取得されてもよい。
【0025】
次に、変換ステップS4において、撮像装置105から取得した画像データをクラスタリング処理により色情報に応じて複数の色領域に区分された色画像データに変換する。
【0026】
「クラスタリング処理」は、k-means等の教師無しクラスタリング手法を利用したものであり、画像データをクラスタ(複数の色領域)毎に区分された色画像データに変換する。尚、クラスタ数は、クラスタリング処理において自動的に決定される値であってもよいし、事前に設定しておく値であってもよい。
【0027】
「色情報に応じて複数の色領域に区分する」について説明する。色情報は、例えば、輝度であって、複数の輝度領域A(複数の色領域)のそれぞれは、輝度が互いに重複しないようにクラスタリング処理によって設定されている。そして、撮像装置105から取得した画像データの画素ごとに輝度を算出し、この画素が含まれる輝度領域Aを決定する。尚、本開示は、色情報を輝度に限定するものではなく、例えば、RGBの各色成分や彩度などのような輝度以外の色情報であってもよい。
【0028】
図3及び
図4は、一実施形態に係る輝度画像データ130(色画像データ)を示す図である。
図3及び
図4に例示する形態では、クラスタ数が4であり、輝度画像データ130は4つの輝度領域Aに区分されている。4つの輝度領域Aのそれぞれは、白黒(グレースケール)の濃淡の値に変換されており、輝度の低い輝度領域Aであるほど濃くなっている。4つの輝度領域Aのうち輝度が最も高い輝度領域Aは、一次燃焼領域R1に供給された微粉炭が燃焼する領域を含み、このような輝度領域Aを高輝度領域A1(A)とする。言い換えると、高輝度領域A1は、画像データのうち火炎Frが撮像された部分に相当する。残りの輝度領域Aは、一次燃焼領域R1に供給された微粉炭が未燃焼である領域を含み、このような輝度領域Aを低輝度領域A2(A)とする。
【0029】
次に、抽出ステップS6において、輝度画像データ130から第1特徴量を抽出する。言い換えると、第1特徴量は、一次燃焼領域R1の画像データに基づいて抽出される。第1特徴量は、高輝度領域A1及び低輝度領域A2のうち少なくとも一方から抽出される。第1特徴量は、例えば、高輝度領域A1の面積、低輝度領域A2の面積、着火距離X1、火炎の幅X2、火炎の長さX3、火炎の噴出角度θなどである。
【0030】
幾つかの実施形態では、第1特徴量は高輝度領域A1の面積を含む。高輝度領域A1の面積は、高輝度領域A1に区分された画素数の合計値である。高輝度領域A1の面積は、燃焼ガスCgに含まれる気体成分の濃度と高い相関を有する。このため、第1特徴量が高輝度領域A1の面積を含むことで、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0031】
幾つかの実施形態では、第1特徴量は高輝度領域A1の面積の変化量を含む。本開示において、「変化量」とは、空間的および/または時間的な変化量のことを指す。以降に記載する「変化量」についても同じことを指す。高輝度領域A1の面積の変化量は、燃焼ガスCgに含まれる気体成分の濃度と高い相関を有する。このため、第1特徴量が高輝度領域A1の面積の変化量を含むことで、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0032】
幾つかの実施形態では、第1特徴量は低輝度領域A2の面積を含む。低輝度領域A2の面積は、低輝度領域A2に区分された画素数の合計値である。低輝度領域A2の面積は、燃焼ガスCgに含まれる気体成分の濃度と高い相関を有する。このため、第1特徴量が低輝度領域A2の面積を含むことで、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0033】
幾つかの実施形態では、第1特徴量は低輝度領域A2の面積の変化量を含む。低輝度領域A2の面積の変化量は、燃焼ガスCgに含まれる気体成分の濃度と高い相関を有する。このため、第1特徴量が低輝度領域A2の面積の変化量を含むことで、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0034】
図3を参照して、輝度画像データ130から着火距離X1を抽出する具体例について説明する。
図4を参照して、輝度画像データ130から火炎Frの幅X2、火炎Frの長さX3、火炎Frの噴出角度θのそれぞれを抽出する具体例について説明する。
図3及び
図4に示すように、輝度画像データ130における燃料供給口109の位置は予め算出される。
図3及び
図4のそれぞれの紙面において、燃料供給口109から下方(火炉104内)に向かって燃料が噴射されている。
【0035】
図3及び
図4のそれぞれにおいて、燃料供給口109の開口と交差する方向を長さ方向D1、長さ方向D1と直交する方向を幅方向D2とする。燃料供給口109の幅方向D2の中心Oを長さ方向D1に沿って通過する仮想の直線を第1仮想線L1(
図3及び
図4において一点鎖線で示す)とする。
【0036】
幾つかの実施形態では、第1特徴量は着火距離X1を含む。
図3に示すように、例えば、着火距離X1は、微粉炭を火炉104に供給するための燃料供給口109と、高輝度領域A1と低輝度領域A2との境界線L3との間の距離である。より具体的には、着火距離X1は中心Oと第1仮想線L1と境界線L3とが交差する位置P1との間の距離である。着火距離X1は、燃焼ガスCgに含まれる気体成分の濃度と高い相関を有する。このため、第1特徴量が着火距離X1を含むことで、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。尚、別の一実施形態では、第1仮想線L1を中心Oから幅方向D2にずらした第1仮想線から着火距離X1が抽出されてもよい。また、別の一実施形態では、着火距離X1は、第1仮想線L1から抽出された着火距離と第1仮想線L1を中心Oから幅方向D2にずらした第1仮想線から抽出された着火距離との平均値であってもよい。
【0037】
幾つかの実施形態では、第1特徴量は着火距離X1の変化量を含む。着火距離X1の変化量は、燃焼ガスCgに含まれる気体成分の濃度と高い相関を有する。このため、第1特徴量が着火距離X1の変化量を含むことで、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0038】
幾つかの実施形態では、第1特徴量は火炎Frの幅X2を含む。
図4に示すように、例えば、火炎Frの幅X2は、高輝度領域A1の幅方向の大きさである。より具体的には、高輝度領域A1の幅方向の大きさの平均値である。火炎Frの幅X2は、燃焼ガスCgに含まれる気体成分の濃度と高い相関を有する。このため、第1特徴量が火炎Frの幅X2を含むことで、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。尚、火炎Frの幅X2は、高輝度領域A1の幅方向の大きさの平均値に限定されず、高輝度領域A1の幅方向の大きさの最大値であってもよい。
【0039】
幾つかの実施形態では、第1特徴量は火炎Frの幅X2の変化量を含む。火炎Frの幅X2の変化量は、燃焼ガスCgに含まれる気体成分の濃度と高い相関を有する。このため、第1特徴量が火炎Frの幅X2の変化量を含むことで、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0040】
幾つかの実施形態では、第1特徴量は火炎Frの長さX3を含む。
図4に示すように、例えば、火炎Frの長さX3は、高輝度領域A1の長さ方向D1の大きさである。より具体的には、高輝度領域A1の長さ方向D1における一端から他端までの距離の平均値である。火炎Frの長さX3は、燃焼ガスCgに含まれる気体成分の濃度と高い相関を有する。このため、第1特徴量が火炎Frの長さX3を含むことで、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。尚、火炎Frの長さX3は、燃料供給口109から高輝度領域A1の長さ方向D1における一端から他端までの距離の最大値であってもよい。
【0041】
幾つかの実施形態では、第1特徴量は火炎Frの長さX3の変化量を含む。火炎Frの長さX3の変化量は、燃焼ガスCgに含まれる気体成分の濃度と高い相関を有する。このため、第1特徴量が火炎Frの長さX3の変化量を含むことで、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0042】
幾つかの実施形態では、第1特徴量は火炎Frの噴出角度θを含む。
図4に示すように、例えば、火炎Frの噴出角度θは、第1仮想線L1と第2仮想線L2とによって形成される。第2仮想線L2は、長さ方向D1において、高輝度領域A1の燃料供給口109から最も遠い先端を位置P2とすると、中心O及び位置P2を通過する仮想の直線である。中心Oは、燃料供給口109と第1仮想線L1とが交差する交差点に相当する。火炎Frの噴出角度θは、燃焼ガスCgに含まれる気体成分の濃度と高い相関を有する。このため、第1特徴量が火炎Frの噴出角度θを含むことで、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0043】
幾つかの実施形態では、第1特徴量は火炎Frの噴出角度θの変化量を含む。火炎Frの噴出角度θの変化量は、燃焼ガスCgに含まれる気体成分の濃度と高い相関を有する。このため、第1特徴量が火炎Frの噴出角度θの変化量を含むことで、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0044】
(特徴量抽出方法の作用・効果)
図2に例示した形態によれば、ボイラプラント100の一次燃焼領域R1が撮像された画像データをクラスタリング処理により輝度に応じて複数の輝度領域Aに区分された輝度画像データ130に変換し、該輝度画像データ130から第1特徴量が抽出される。このため、様々な特徴量(例えば、着火距離など)を抽出することができ、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。よって、予測精度を向上させることで運転パラメータの最適化にかかる時間を短縮できる。
【0045】
図2に例示した形態によれば、画像データを輝度画像データ130に変換する際にはクラスタリング処理を適用するため、教師データを用意する必要がない。また、クラスタリング処理は、前処理や閾値の設定などのような人手による調整作業が不要である。よって、特徴量の抽出の自動化を容易化することができる。
【0046】
図2に例示した形態によれば、ボイラプラント100の一次燃焼領域R1の画像データは、クラスタリング処理により輝度に応じて高輝度領域A1と低輝度領域A2とに区分される。そして、第1特徴量は、高輝度領域A1及び低輝度領域A2のうち少なくとも一方から抽出される。このため、第1特徴量は一次燃焼領域R1の情報を含むので、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0047】
図2に例示した形態では、一次燃焼領域R1の画像データを活用して、燃焼ガスCgに含まれる気体成分の濃度を予測する性能予測モデルを作成するための特徴量を抽出していたが、本開示はこの形態に限定されない。幾つかの実施形態では、一次燃焼領域R1の画像データに加え二次燃焼領域R2の画像データも活用して、燃焼ガスCgに含まれる気体成分の濃度(プロセス値)を予測する性能予測モデルを作成するための特徴量を抽出する。
【0048】
<別の一実施形態に係る特徴量抽出方法>
図2に例示した形態とは別の一実施形態に係る特徴量抽出方法について説明する。別の一実施形態では、二次燃焼領域R2の画像データに基づいて第2特徴量をさらに抽出している点で
図2に例示した形態とは異なるが、それ以外は
図2に例示した形態と同じである。別の一実施形態の説明では、
図2に例示した形態とは異なる部分だけを説明する。
【0049】
別の一実施形態に係る特徴量抽出方法では、取得ステップS2において、ボイラプラント100の一次燃焼領域R1の画像データに加え、ボイラプラント100の二次燃焼領域R2の画像データを取得する。二次燃焼領域R2の画像データは、撮像装置105によって撮像されたものであってもよいし、撮像装置105以外の撮像装置によって撮像されたものであってもよい。
図1に例示する形態では、二次燃焼領域R2は火炉104の上部に設けられる撮像装置122によって撮像されている。この撮像装置122は、二次燃焼領域よりも上方に位置している。二次燃焼領域R2の画像データは、一次燃焼領域R1の画像データが撮像された時間と同じ時間に撮像されている。
【0050】
次に、別の一実施形態に係る特徴量抽出方法では、変換ステップS4において、二次燃焼領域R2の画像データをクラスタリング処理により輝度に応じて複数の輝度領域Bに区分された第2輝度画像データ140に変換する。第2輝度画像データ140は、輝度画像データ130を複数の輝度領域Aに区分した輝度とは異なる輝度に応じて複数の輝度領域Bに区分される。幾つかの実施形態では、第2輝度画像データ140は、輝度画像データ130を複数の輝度領域Aに区分した輝度と同じ輝度に応じて複数の輝度領域Bに区分される。
【0051】
図5は、別の一実施形態に係る第2輝度画像データ140(色画像データ)を示す図である。
図5に例示する形態では、クラスタ数が4であり、第2輝度画像データ140は4つの輝度領域Bに区分されている。4つの輝度領域Bのそれぞれは、白黒(グレースケール)の濃淡の値に変換されており、輝度の低い輝度領域Bであるほど濃くなっている。4つの輝度領域Bのうち輝度が最も高い輝度領域Bは、ボイラプラント100の一次燃焼領域R1から二次燃焼領域R2に流動した未燃の微粉炭が燃焼する領域を含み、このような輝度領域Bを第2高輝度領域B1(B)とする。残りの輝度領域Bは、ボイラプラント100の一次燃焼領域R1から二次燃焼領域R2に流動した未燃の微粉炭が未燃焼である領域を含み、このような輝度領域Bを第2低輝度領域B2(B)とする。
【0052】
次に、別の一実施形態に係る特徴量抽出方法では、抽出ステップS6において、第2輝度画像データ140から第2特徴量を抽出する。言い換えると、第2特徴量は、二次燃焼領域R2の画像データに基づいて抽出される。第2特徴量は、第2高輝度領域B1及び第2低輝度領域B2のうち少なくとも一方から抽出される。第2特徴量は、例えば、第2高輝度領域B1の面積や第2低輝度領域B2の面積である。
【0053】
幾つかの実施形態では、第2特徴量は第2高輝度領域B1の面積を含む。第2高輝度領域B1の面積は、第2高輝度領域B1に区分された第2輝度画像データ140の画素数の合計値である。第2高輝度領域B1の面積は、燃焼ガスCgに含まれる気体成分の濃度及び灰中未燃分濃度と高い相関を有する。このため、第2特徴量が第2高輝度領域B1を含むことで、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0054】
幾つかの実施形態では、第2特徴量は第2高輝度領域B1の面積の変化量を含む。第2高輝度領域B1の面積の変化量は、燃焼ガスCgに含まれる気体成分の濃度と高い相関を有する。このため、第2特徴量が第2高輝度領域B1の面積の変化量を含むことで、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0055】
幾つかの実施形態では、第2特徴量は第2低輝度領域B2の面積を含む。第2低輝度領域B2の面積は、第2低輝度領域B2に区分された第2輝度画像データ140の画素数の合計値である。第2低輝度領域B2の面積は、燃焼ガスCgに含まれる気体成分の濃度と高い相関を有する。このため、第2特徴量が第2低輝度領域B2の面積を含むことで、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0056】
幾つかの実施形態では、第2特徴量は第2低輝度領域B2の面積の変化量を含む。第2低輝度領域B2の面積の変化量は、燃焼ガスCgに含まれる気体成分の濃度と高い相関を有する。このため、第2特徴量が第2低輝度領域B2の面積の変化量を含むことで、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0057】
幾つかの実施形態では、第2特徴量は第2高輝度領域B1と第2低輝度領域B2との位置関係を含む。第2高輝度領域B1と第2低輝度領域B2との位置関係は、例えば、第2高輝度領域B1の形状から導かれる重心の位置と第2低輝度領域B2の形状から導かれる重心の位置とから算出されるベクトル量である。第2高輝度領域B1と第2低輝度領域B2との位置関係は、燃焼ガスCgに含まれる気体成分の濃度と高い相関を有する。このため、第2特徴量が第2高輝度領域B1と第2低輝度領域B2との位置関係を含むことで、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0058】
幾つかの実施形態では、第2特徴量は第2高輝度領域B1と第2低輝度領域B2との位置関係の変化量を含む。第2高輝度領域B1と第2低輝度領域B2との位置関係の変化量は、燃焼ガスCgに含まれる気体成分の濃度と高い相関を有する。このため、第2特徴量が第2高輝度領域B1と第2低輝度領域B2との位置関係の変化量を含むことで、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0059】
別の一実施形態に係る特徴量抽出方法の作用・効果について説明する。ボイラプラント100の二次燃焼領域R2の画像データを変換した第2輝度画像データ140から抽出される第2特徴量は、燃焼ガスCgに含まれる気体成分の濃度と高い相関を有する場合がある。
【0060】
別の一実施形態によれば、ボイラプラント100の二次燃焼領域R2の画像データは、クラスタリング処理により輝度に応じて第2高輝度領域B1と第2低輝度領域B2とに区分された第2輝度画像データ140に変換される。そして、第2特徴量は、第2高輝度領域B1及び第2低輝度領域B2のうち少なくとも一方から抽出される。このため、第2特徴量は二次燃焼領域R2の情報を含むので、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0061】
<性能予測モデル作成方法>
上述した特徴量抽出方法によって抽出された特徴量を用いて、性能予測モデルを作成する性能予測モデル作成方法について説明する。
【0062】
図6は、一実施形態に係る性能予測モデル作成方法を示すフローチャートである。
図6に例示する性能予測モデル作成方法では、ボイラプラント100の運転パラメータから燃焼ガスCgに含まれる気体成分の濃度や灰中未燃分濃度などの燃焼性能を予測する性能予測モデルを作成する。運転パラメータとは、例えば、火炉104に供給する空気の量、火炉104に供給する微粉炭の量などである。運転パラメータは、不図示の計測装置によってリアルタイムで計測される。プロセス値である燃焼ガスCgに含まれる気体成分の濃度は、ガス分析計111によってリアルタイムで計測される(
図1参照)。
【0063】
(性能予測モデル作成方法の構成)
図6に示すように、性能予測モデル作成方法は、特徴量抽出ステップS12と、解析特徴量算出ステップS14と、最適物理モデルパラメータセット決定ステップS16と、性能予測モデル作成ステップS18と、を備える。
【0064】
特徴量抽出ステップS12は、上述した取得ステップS2、変換ステップS4、及び抽出ステップS6を含む。この特徴量抽出ステップS12において、第1タイミングで撮像されたボイラプラント100の一次燃焼領域R1の画像データから、上述した方法で特徴量(第1特徴量)を抽出する。尚、特徴量は、一次燃焼領域R1の画像データから抽出される第1特徴量に加え、またはこの第1特徴量に代わり、二次燃焼領域R2の画像データに基づいて抽出される第2特徴量を含んでもよい。
【0065】
次に、解析特徴量算出ステップS14において、ボイラプラント100の第1タイミングにおける運転パラメータと物理モデルパラメータセットとに基づいて、物理モデルパラメータセットを変化させて感度解析を実施して、第1タイミングにおける特徴量に対応する解析特徴量を算出する。つまり、運転パラメータを変化させず、物理モデルパラメータセットを変化させる感度解析を繰り返して、解析特徴量を算出する。解析特徴量算出ステップS14における感度解析は、物理モデルパラメータセットに対する特徴量の感度を求める解析であって、例えば、応答曲面モデルを作成し、この応答曲面モデルから解析特徴量を算出する。感度解析を実行するためには、化学反応モデルや乱流モデルなどを含む物理モデル(燃焼解析モデル等)が必要である。物理モデルパラメータは、この物理モデルに設定されるパラメータである。
【0066】
次に、最適物理モデルパラメータセット決定ステップS16において、第1タイミングにおける特徴量と解析特徴量との差に基づいて、最適物理モデルパラメータセットを決定する。例えば、第1タイミングにおける特徴量と解析特徴量との差が最小となるように、最適物理モデルパラメータセットが決定される。
【0067】
次に、性能予測モデル作成ステップS18において、最適物理モデルパラメータセットとボイラプラント100の運転パラメータとに基づいて、運転パラメータを変化させて感度解析を実施して、運転パラメータとプロセス値との関係を示す性能予測モデルを作成する。性能予測モデル作成ステップS18における感度解析は、運転パラメータに対するプロセス値の感度を求める解析であって、例えば、応答曲面モデル(性能予測モデル)を作成する。
【0068】
(性能予測モデル作成方法の作用・効果)
このような性能予測モデル作成方法によれば、第1タイミングにおける特徴量と解析特徴量との差に基づいて(例えば、差が最小となるように)最適物理モデルパラメータセットが決定される。そして、運転パラメータとプロセス値との関係を示す性能予測モデルは、最適物理モデルパラメータセットとプラントの運転パラメータとに基づいて、運転パラメータを変化させて感度解析を実施することで作成される。このため、本開示に係る性能予測モデルは、運転パラメータとプロセス値との関係を解析したモデル(いわゆる物理モデル)として作成され、実際に取得可能な特徴量とプロセス値との関係を示すモデル(いわゆる統計モデル)と比較して、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0069】
別の一実施形態に係る性能予測モデル作成方法について説明する。別の一実施形態に係る性能予測モデル作成方法は、上述した特徴量抽出方法によって抽出された特徴量を用いて、性能予測モデルを作成する。
図7は、別の実施形態に係る性能予測モデル作成方法を示すフローチャートである。
【0070】
図7に示すように、別の一実施形態に係る性能予測モデル作成方法は、上述した特徴量抽出ステップS12と、運転パラメータ取得ステップS30と、プロセス値取得ステップS32と、第2の性能予測モデル作成ステップS34と、を備える。特徴量抽出ステップS12は既に説明しているので、再度の説明を省略する。
【0071】
運転パラメータ取得ステップS30において、計測装置からボイラプラント100の複数のタイミングにおける運転パラメータをそれぞれ取得する。プロセス値取得ステップS32において、ガス分析計111からボイラプラント100の複数のタイミングにおけるプロセス値をそれぞれ取得する。尚、
図7に例示する形態では、特徴量抽出ステップS12、運転パラメータ取得ステップS30、プロセス値取得ステップS32の順に実行されているが、本開示はこの形態に限定されない。例えば、特徴量抽出ステップS12、運転パラメータ取得ステップS30、及びプロセス値取得ステップS32は同時に実行されてもよい。
【0072】
第2の性能予測モデル作成ステップS34において、複数のタイミングにおける各々の特徴量、複数のタイミングにおける各々の運転パラメータ、及び複数のタイミングにおける各々のプロセス値を含む学習データに基づいて、運転パラメータとプロセス値との関係を示す性能予測モデルを作成する。具体的には、タイミングが互いに異なる複数の学習データ(特徴量+運転パラメータ+プロセス値)に対して回帰分析を実行し、運転パラメータからプロセス値を算出するための回帰式(性能予測モデル)を作成する。
【0073】
図7に例示する別の一実施形態に係る性能予測モデル作成方法によれば、性能予測モデルは、複数のタイミングにおける各々の特徴量、運転パラメータ、及びプロセスを含む学習データに基づいて作成されているので(複数のタイミングにおける学習データを機械学習しているので)、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0074】
<プラントの運転支援方法>
図6に例示した性能予測モデル作成方法によって作成された性能予測モデルを用いるプラント(ボイラプラント100)の運転支援方法について説明する。幾つかの実施形態では、プラントの運転支援方法は、
図7に例示した性能予測モデル作成方法によって作成された性能予測モデルを用いる。
【0075】
図8は、一実施形態に係るプラントの運転支援方法を示すフローチャートである。
図8に示すように、プラントの運転支援方法は、運転パラメータ設定ステップS22と、プロセス値出力ステップS24と、判断ステップS26と、再設定ステップS28と、を備える。
【0076】
まず、運転パラメータ設定ステップS22において、計測装置がリアルタイムで計測している運転パラメータを設定(取得)する。言い換えると、性能予測モデルに入力する運転パラメータを準備する。
【0077】
次に、プロセス値出力ステップS24において、運転パラメータ設定ステップS22で設定された運転パラメータを性能予測モデルに入力して、気体成分の濃度(ボイラプラント100のプロセス値)を出力する。
【0078】
次に、判断ステップS26において、プロセス値出力ステップS24で出力された気体成分の濃度が所定条件に含まれるか否かを判断する。所定条件とは、例えば、ボイラプラント100の排ガス基準である。この所定条件は、熱交換機のメタル温度などの信頼性に関わる指標や、収熱量などの効率に関わる他の指標をさらに含んでもよい。気体成分の濃度が所定条件に含まれる場合(S26:Yes)、本開示に係るプラントの運転支援方法は終了する。気体成分の濃度が所定条件に含まれない場合(S26:No)、再設定ステップS28に進む。
【0079】
再設定ステップS28において、運転パラメータを再設定する。そして、プロセス値出力ステップS24において、再設定ステップS28で再設定された運転パラメータを性能予測モデルに入力して、気体成分の濃度を再出力する。再設定ステップS28は、性能予測モデルが出力する気体成分の濃度が所定条件に含まれるまで繰り返される。
【0080】
このようなプラントの運転支援方法によれば、本開示に係る性能予測モデルを用いているので、気体成分の濃度が所定条件に含まれる運転パラメータを速やかに算出することができる。また、このようなプラントの運転支援方法によれば、実際にボイラプラント100の運転パラメータを調整する前に、気体成分の濃度が所定の所定条件に含まれるように運転パラメータが繰り返し計算される。このため、実際にボイラプラント100の最適運転パラメータを決定する時間を短縮できる。
【0081】
<特徴量抽出装置>
本開示に係る特徴量抽出装置1は、燃料(微粉炭)を燃焼するプラント(ボイラプラント100)の特徴量とプロセス値(気体成分の濃度)との関係を示す性能予測モデルを作成するための特徴量を抽出する。
【0082】
特徴量抽出装置1は、電子制御装置などのコンピュータであって、図示しないCPUやGPUといったプロセッサ、ROMやRAMといったメモリ、及びI/Oインターフェイスなどを備える。特徴量抽出装置1は、メモリにロードされたプログラムの命令に従ってプロセッサが動作(演算等)することで、特徴量抽出装置1が備える各機能部を実現する。
図9を参照して、一実施形態に係る特徴量抽出装置1の各機能部について説明する。
【0083】
図9は、一実施形態に係る特徴量抽出装置1の概略的な機能ブロック図である。
図9に示すように、特徴量抽出装置1は、取得部2と、変換部4と、抽出部6と、を備える。
【0084】
取得部2は、ボイラプラント100の一次燃焼領域R1の画像データを火炉104に設けられた撮像装置105から取得する。
【0085】
変換部4は、取得部2が撮像装置105から取得した画像データをクラスタリング処理により輝度に応じて複数の輝度領域Aに区分された輝度画像データ130に変換する。
【0086】
抽出部6は、変換部4が変換した輝度画像データ130から第1特徴量(高輝度領域A1の面積、低輝度領域A2の面積、着火距離X1、火炎の幅X2、火炎の長さX3、火炎の噴出角度θなど)を抽出する。
【0087】
このような特徴量抽出装置1によれば、変換部4は、ボイラプラント100の一次燃焼領域R1が撮像された画像データをクラスタリング処理により輝度に応じて複数の輝度領域Aに区分された輝度画像データ130に変換する。抽出部6は輝度画像データ130から第1特徴量を抽出する。このため、様々な特徴量(例えば、着火距離など)を抽出することができ、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0088】
また、特徴量抽出装置1によれば、画像データを輝度画像データ130に変換する際にはクラスタリング処理を適用するため、教師データを用意する必要がない。また、クラスタリング処理は、前処理や閾値の設定などのような人手による調整作業が不要である。よって、特徴量の抽出の自動化を容易化することができる。
【0089】
<性能予測モデル作成装置>
本開示に係る性能予測モデル作成装置50は、上述した特徴量抽出装置1によって作成された性能予測モデルを用いて、固体燃料(微粉炭)を燃焼するプラント(ボイラプラント100)の運転パラメータとプロセス値(気体成分の濃度)との関係を示す性能予測モデルを作成する。
【0090】
性能予測モデル作成装置50は、電子制御装置などのコンピュータであって、図示しないCPUやGPUといったプロセッサ、ROMやRAMといったメモリ、及びI/Oインターフェイスなどを備える。性能予測モデル作成装置50は、メモリにロードされたプログラムの命令に従ってプロセッサが動作(演算等)することで、性能予測モデル作成装置50が備える各機能部を実現する。
図10を参照して、一実施形態に係る性能予測モデル作成装置50の各機能部について説明する。
【0091】
図10は、一実施形態に係る性能予測モデル作成装置50の概略的な機能ブロック図である。
図10に示すように、性能予測モデル作成装置50は、上述した特徴量抽出装置1と、解析特徴量算出部54と、最適物理モデルパラメータセット決定部56と、性能予測モデル作成部58と、を備える。尚、性能予測モデル作成装置50は、運転パラメータ(計測装置の計測値)およびプロセス値(ガス分析計111の計測値)のそれぞれを取得可能となっている。
【0092】
特徴量抽出装置1は、第1タイミングで撮像されたボイラプラント100の一次燃焼領域R1の画像データから、上述した方法で特徴量(第1特徴量)を抽出する。尚、
図10に例示する形態では、性能予測モデル作成装置50は、特徴量抽出装置1を備えている。つまり、性能予測モデル作成装置50は、特徴量抽出装置1の機能部を含んでいる。別の実施形態では、性能予測モデル作成装置50は特徴量抽出装置1とは別体に設けられ、特徴量抽出装置1から特徴量を取得するようになっている。
【0093】
解析特徴量算出部54は、ボイラプラント100の第1タイミングにおける運転パラメータと物理モデルパラメータセットとに基づいて、物理モデルパラメータセットを変化させて感度解析を実施して、第1タイミングにおける特徴量に対応する解析特徴量を算出する。
【0094】
最適物理モデルパラメータセット決定部56は、第1タイミングにおける特徴量と解析特徴量との差に基づいて、最適物理モデルパラメータセットを決定する。
【0095】
性能予測モデル作成部58は、最適物理モデルパラメータセットとプラントの運転パラメータとに基づいて、運転パラメータを変化させて感度解析を実施して、運転パラメータとプロセス値との関係を示す性能予測モデルを作成する。
【0096】
このような性能予測モデル作成装置50によれば、第1タイミングにおける特徴量と解析特徴量との差に基づいて(例えば、差が最小となるように)最適物理モデルパラメータセットが決定される。そして、運転パラメータとプロセス値との関係を示す性能予測モデルは、最適物理モデルパラメータセットとプラントの運転パラメータとに基づいて、運転パラメータを変化させて感度解析を実施することで作成される。このため、本開示に係る性能予測モデルは、運転パラメータとプロセス値との関係を解析したモデル(いわゆる物理モデル)として作成され、実際に取得可能な特徴量とプロセス値との関係を示すモデル(いわゆる統計モデル)と比較して、プラントの運転条件や燃料の性状が変化した場合の外挿条件においても精度よく予測できる。
【0097】
不図示であるが、性能予測モデル作成装置50は、特徴量と、運転パラメータと、プロセス値とを記憶するデータベースをさらに備えてもよい。このような構成によれば、データベース60にアクセスすることで、特徴量、運転パラメータ、及びプロセス値のそれぞれを取得できる。このような構成によれば、ボイラプラント100の運転員がデータベース60に記憶されている特徴量、運転パラメータ、及びプロセス値を取得することで、ボイラプラント100を好適に運転するための特徴量を把握できる。例えば、着火距離X1が短い方がボイラプラント100の燃焼状態が好適であるという運転員の判断を抑制できる。
【0098】
<プラントの運転支援装置>
本開示に係るプラント(ボイラプラント100)の運転支援装置は、性能予測モデル作成装置50によって作成された性能予測モデルを用いて、プラントの運転を支援する。
【0099】
プラントの運転支援装置(以下、運転支援装置70とする)は、電子制御装置などのコンピュータであって、図示しないCPUやGPUといったプロセッサ、ROMやRAMといったメモリ、及びI/Oインターフェイスなどを備える。運転支援装置70は、メモリにロードされたプログラムの命令に従ってプロセッサが動作(演算等)することで、運転支援装置70が備える各機能部を実現する。
図11を参照して、一実施形態に係る運転支援装置70の各機能部について説明する。
【0100】
図11は、一実施形態に係るプラントの運転支援装置70の構成を示す図である。
図11に示すように、運転支援装置70は、運転パラメータ設定部72と、プロセス値出力部74と、判断部76と、再設定部78と、を備える。尚、運転支援装置70は、運転パラメータ(計測装置の計測値)およびプロセス値(ガス分析計111の計測値)のそれぞれを取得可能となっている。
【0101】
図11に例示する形態では、運転支援装置70は、性能予測モデル作成装置50とは別体に設けられ、性能予測モデル作成装置50から性能予測モデルを取得するようになっている。幾つかの実施形態では、運転支援装置70は、上述した性能予測モデル作成装置50を備えている。
【0102】
運転パラメータ設定部72は、計測装置がリアルタイムで計測している運転パラメータを設定(取得)する。言い換えると、性能予測モデルに入力する運転パラメータを準備する。
【0103】
プロセス値出力部74は、運転パラメータ設定部72が設定した運転パラメータを性能予測モデルに入力して、気体成分の濃度(プロセス値)を出力する。
【0104】
判断部76は、プロセス値出力部74が出力した気体成分の濃度が所定条件に含まれるか否かを判断する。
【0105】
判断部76によってプロセス値出力部74が出力した気体成分の濃度が所定条件に含まれないと判断された場合、再設定部78は、運転パラメータを再設定する。そして、プロセス値出力部74は、再設定部78が再設定した運転パラメータを性能予測モデルに入力して、気体成分の濃度を再出力する。判断部76によってプロセス値出力部74が出力した気体成分の濃度が所定条件に含まれると判断されるまで、再設定部78は、運転パラメータを再設定する。
【0106】
このような運転支援装置70によれば、性能予測モデル作成装置50によって作成された性能予測モデルを用いているので、気体成分の濃度が所定条件に含まれる運転パラメータを速やかに設定することができる。
【0107】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
【0108】
[1]本開示に係る特徴量抽出方法は、
燃料を燃焼するプラント(100)の運転パラメータと、前記プラントのプロセス値との関係を示す性能予測モデルを作成するための特徴量を抽出する特徴量抽出方法であって、
前記プラントの燃焼領域(R1、R2)の画像データを取得するステップ(S2)と、
前記画像データをクラスタリング処理により色情報に応じて複数の色領域(A、B)に区分された色画像データ(130、140)に変換するステップ(S4)と、
前記色画像データから前記特徴量を抽出するステップ(S6)と、を備える。
【0109】
上記[1]に記載の方法によれば、画像データをクラスタリング処理により色情報に応じて複数の色領域に区分された色画像データに変換し、色画像データから特徴量が抽出されるので、様々な特徴量(例えば、後述する着火距離など)を抽出する。このため、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0110】
上記[1]に記載の方法によれば、画像データを色画像データに変換する際にはクラスタリング処理を適用するため、教師データを用意する必要がない。また、クラスタリング処理は、前処理や閾値の設定などのような人手による調整作業が不要である。よって、特徴量の抽出の自動化を容易化することができる。
【0111】
[2]幾つかの実施形態では、上記[1]に記載の方法において、
前記画像データは、前記プラントの一次燃焼領域(R1)の画像データを含み、
前記複数の色領域は、前記一次燃焼領域に供給された前記燃料が燃焼する領域が含まれる第1色領域(A1)と、前記一次燃焼領域に供給された前記燃料が未燃焼である領域が含まれる第2色領域(A2)と、を含み、
前記特徴量は、前記第1色領域及び前記第2色領域のうち少なくとも一方から抽出される第1特徴量を含む。
【0112】
プラントの一次燃焼領域の画像データを変換した色画像データから抽出される特徴量は、プロセス値と高い相関を有する。上記[2]に記載の方法によれば、プラントの一次燃焼領域の画像データは、クラスタリング処理により色情報に応じて第1色領域と第2色領域とに区分された色画像データに変換される。そして、第1特徴量は、第1色領域及び第2色領域のうち少なくとも一方から抽出される。このため、第1特徴量は一次燃焼領域の情報を含み、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0113】
[3]幾つかの実施形態では、上記[2]に記載の方法において、
前記第1特徴量は、前記燃料を前記プラントに供給するための燃料供給口(109)と、前記第1色領域と前記第2色領域との境界線(L3)との間の距離である着火距離(X1)を含む。
【0114】
着火距離は、プロセス値と高い相関を有する。上記[3]に記載の方法によれば、第1特徴量は着火距離を含むので、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0115】
[4]幾つかの実施形態では、上記[2]又は[3]に記載の方法において、
前記第1特徴量は、前記燃料を前記プラントに供給するための燃料供給口と、前記第1色領域と前記第2色領域との境界線との間の距離である着火距離の変化量を含む。
【0116】
着火距離の変化量は、プロセス値と高い相関を有する。上記[4]に記載の方法によれば、第1特徴量は着火距離の変化量を含むので、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0117】
[5]幾つかの実施形態では、上記[2]から[4]の何れか1つに記載の方法において、
前記第1特徴量は、前記第1色領域の面積及び前記第2色領域の面積のうち少なくとも1つを含む。
【0118】
第1色領域の面積及び第2色領域の面積のそれぞれは、プロセス値と高い相関を有する。上記[5]に記載の方法によれば、第1特徴量は第1色領域の面積及び第2色領域の面積のうち少なくとも一方を含むので、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0119】
[6]幾つかの実施形態では、上記[2]から[5]の何れか1つに記載の方法において、
前記第1特徴量は、前記第1色領域の面積の変化量及び前記第2色領域の面積の変化量のうち少なくとも1つを含む。
【0120】
第1色領域の面積の変化量及び第2色領域の面積の変化量のそれぞれは、プロセス値と高い相関を有する。上記[6]に記載の方法によれば、第1特徴量は第1色領域の面積の変化量及び第2色領域の面積の変化量のうち少なくとも一方を含むので、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0121】
[7]幾つかの実施形態では、上記[2]から[6]の何れか1つに記載の方法において、
前記第1特徴量は、前記燃料の燃焼によって発生する火炎の幅(X2)、火炎の長さ(X3)、火炎の噴出角度(θ)のうち少なくとも1つを含み、
前記燃料を前記プラントに供給するための燃料供給口の開口と交差する方向を長さ方向(D1)、該長さ方向と直交する方向を幅方向(D2)とすると、
前記火炎の幅は、前記第1色領域の前記幅方向の大きさであり、
前記火炎の長さは、前記第1色領域の前記長さ方向の大きさであり、
前記火炎の噴出角度は、前記燃料供給口を前記長さ方向に通過する第1仮想線(L1)と、前記燃料供給口と前記第1仮想線とが交差する交差点(P1)、及び前記第1色領域の前記長さ方向の前記燃料供給口側とは反対側の先端を通過する第2仮想線(L2)とによって形成される。
【0122】
火炎の幅、火炎の長さ、及び火炎の噴出角度のそれぞれも、プロセス値と高い相関を有する。上記[7]に記載の方法によれば、第1特徴量は火炎の幅、火炎の長さ、及び火炎の噴出角度のうち少なくとも1つを含むので、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0123】
[8]幾つかの実施形態では、上記[2]から[7]の何れか1つに記載の方法において、
前記第1特徴量は、前記燃料の燃焼によって発生する火炎の幅の変化量、火炎の長さの変化量、火炎の噴出角度の変化量のうち少なくとも1つを含み、
前記燃料を前記プラントに供給するための燃料供給口の開口と交差する方向を長さ方向、該長さ方向と直交する方向を幅方向とすると、
前記火炎の幅は、前記第1色領域の前記幅方向の大きさであり、
前記火炎の長さは、前記第1色領域の前記長さ方向の大きさであり、
前記火炎の噴出角度は、前記燃料供給口を前記長さ方向に通過する第1仮想線と、前記燃料供給口と前記第1仮想線とが交差する交差点、及び前記第1色領域の前記長さ方向の前記燃料供給口側とは反対側の先端を通過する第2仮想線とによって形成される。
【0124】
火炎の幅の変化量、火炎の長さの変化量、及び火炎の噴出角度の変化量のそれぞれも、プロセス値と高い相関を有する。上記[8]に記載の方法によれば、第1特徴量は火炎の幅の変化量、火炎の長さの変化量、及び火炎の噴出角度の変化量のうち少なくとも1つを含むので、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0125】
[9]幾つかの実施形態では、上記[1]から[8]の何れか1つに記載の方法において、
前記画像データは、前記プラントの二次燃焼領域の画像データを含み、
前記複数の色領域は、前記プラントの一次燃焼領域から前記二次燃焼領域に流動した未燃燃料が燃焼する領域が含まれる第3色領域(B1)と、前記プラントの前記一次燃焼領域から前記二次燃焼領域に流動した前記未燃燃料が未燃焼である領域が含まれる第4色領域(B2)と、を含み、
前記特徴量は、前記第3色領域及び前記第4色領域のうち少なくとも一方から抽出される第2特徴量を含む。
【0126】
プラントの二次燃焼領域の画像データを変換した色画像データから抽出される特徴量は、プロセス値と高い相関を有する。上記[9]に記載の方法によれば、プラントの二次燃焼領域の画像データは、クラスタリング処理により色情報に応じて第3色領域と第4色領域とに区分された色画像データに変換される。そして、第2特徴量は、第3色領域及び第4色領域のうち少なくとも一方から抽出される。このため、第2特徴量は二次燃焼領域の情報を含み、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0127】
[10]幾つかの実施形態では、上記[9]に記載の方法において、
前記第2特徴量は、前記第3色領域の面積を含む。
【0128】
第3色領域の面積は、プロセス値と高い相関を有する。上記[10]に記載の方法によれば、第2特徴量は第3色領域の面積を含むので、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0129】
[11]幾つかの実施形態では、上記[9]又は[10]に記載の方法において、
前記第2特徴量は、前記第3色領域の面積の変化量を含む。
【0130】
第3色領域の面積の変化量は、プロセス値と高い相関を有する。上記[11]に記載の方法によれば、第2特徴量は第3色領域の面積の変化量を含むので、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0131】
[12]幾つかの実施形態では、上記[9]から[11]の何れか1つに記載の方法において、
前記第2特徴量は、前記第3色領域と前記第4色領域との位置関係を含む。
【0132】
第3色領域と第4色領域との位置関係は、プロセス値と高い相関を有する。上記[12]に記載の方法によれば、第2特徴量は第3色領域と第4色領域との位置関係を含むので、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0133】
[13]幾つかの実施形態では、上記[9]から[12]の何れか1つに記載の方法において、
前記第2特徴量は、前記第3色領域と前記第4色領域との位置関係の変化量を含む。
【0134】
第3色領域と第4色領域との位置関係の変化量は、プロセス値と高い相関を有する。上記[13]に記載の方法によれば、第2特徴量は第3色領域と第4色領域との位置関係の変化量を含むので、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0135】
[14]本開示に係る性能予測モデル作成方法は、
燃料を燃焼するプラントの運転パラメータと、前記プラントのプロセス値との関係を示す性能予測モデルを作成する性能予測モデル作成方法であって、
上記[1]から[13]の何れか1つに記載の特徴量抽出方法を用いて、第1タイミングにおける前記特徴量を抽出するステップ(S12)と、
前記プラントの前記第1タイミングにおける前記運転パラメータと物理モデルパラメータセットとに基づいて、前記物理モデルパラメータセットを変化させて感度解析を実施して、前記第1タイミングにおける前記特徴量に対応する解析特徴量を算出するステップ(S14)と、
前記第1タイミングにおける前記特徴量と前記解析特徴量との差に基づいて、最適物理モデルパラメータセットを決定するステップ(S16)と、
前記最適物理モデルパラメータセットと前記プラントの運転パラメータとに基づいて、前記運転パラメータを変化させて感度解析を実施して、前記運転パラメータと前記プロセス値との関係を示す前記性能予測モデルを作成するステップ(S18)と、を備える。
【0136】
上記[14]に記載の方法によれば、第1タイミングにおける特徴量と解析特徴量との差に基づいて最適物理モデルパラメータセットが決定される。そして、運転パラメータとプロセス値との関係を示す性能予測モデルは、最適物理モデルパラメータセットとプラントの運転パラメータとに基づいて、運転パラメータを変化させて感度解析を実施することで作成される。このため、本開示に係る性能予測モデルは、運転パラメータとプロセス値との関係を解析したモデル(いわゆる物理モデル)として作成され、実際に取得可能な特徴量とプロセス値との関係を示すモデル(いわゆる統計モデル)と比較して、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0137】
[15]本開示に係る性能予測モデル作成方法は、
燃料を燃焼するプラントの運転パラメータと、前記プラントのプロセス値との関係を示す性能予測モデルを作成する性能予測モデル作成方法であって、
上記[1]から[13]の何れか1つに記載の特徴量抽出方法を用いて、複数のタイミングにおける前記特徴量をそれぞれ抽出するステップ(S12)と、
前記プラントの前記複数のタイミングにおける前記運転パラメータをそれぞれ取得するステップ(S30)と、
前記プラントの前記複数のタイミングにおける前記プロセス値をそれぞれ取得するステップ(S32)と、
前記複数のタイミングにおける各々の前記特徴量、前記複数のタイミングにおける各々の前記運転パラメータ、及び前記複数のタイミングにおける各々の前記プロセス値を含む学習データに基づいて、前記運転パラメータと前記プロセス値との関係を示す前記性能予測モデルを作成するステップ(S34)と、を備える。
【0138】
上記[15]に記載の方法によれば、性能予測モデルは、複数のタイミングにおける各々の特徴量、運転パラメータ、及びプロセスを含む学習データに基づいて作成されているので(複数のタイミングにおける学習データを機械学習しているので)、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0139】
[16]本開示に係るプラントの運転支援方法は、
上記[14]又は[15]に記載の性能予測モデル作成方法によって作成された前記性能予測モデルを用いるプラントの運転支援方法であって、
前記運転パラメータを設定するステップ(S22)と、
前記運転パラメータを設定するステップで設定された前記運転パラメータを前記性能予測モデルに入力して、前記プロセス値を出力するステップ(S24)と、
前記プロセス値を出力するステップで出力された前記プロセス値が所定条件に含まれるか否かを判断するステップ(S26)と、
前記プロセス値が前記所定条件に含まれないと判断された場合に、前記運転パラメータを再設定するステップ(S28)と、を備える。
【0140】
上記[16]に記載の方法によれば、上記[14]又は[15]に記載の性能予測モデル作成方法によって作成された性能予測モデルを用いているので、プロセス値が所定条件に含まれる運転パラメータを速やかに算出することができる。
【0141】
[17]本開示に係る特徴量抽出装置(1)は、
燃料を燃焼するプラントの運転パラメータと、前記プラントのプロセス値との関係を示す性能予測モデルを作成するための特徴量を抽出する特徴量抽出装置であって、
前記プラントの燃焼領域の画像データを取得する取得部(2)と、
前記画像データをクラスタリング処理により色情報に応じて複数の色領域に区分された色画像データに変換する変換部(4)と、
前記色画像データから前記特徴量を抽出する抽出部(6)と、を備える。
【0142】
上記[17]に記載の構成によれば、画像データをクラスタリング処理により色情報に応じて複数の色領域に区分された色画像データに変換し、色画像データから特徴量が抽出されるので、様々な特徴量(例えば、後述する着火距離など)を抽出することができ、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0143】
上記[17]に記載の構成によれば、画像データを色画像データに変換する際にはクラスタリング処理を適用するため、教師データを用意する必要がない。また、クラスタリング処理は、前処理や閾値の設定などのような人手による調整作業が不要である。よって、特徴量の抽出の自動化を容易化することができる。
【0144】
[18]本開示に係る性能予測モデル作成装置(50)は、
燃料を燃焼するプラントの運転パラメータと、前記プラントのプロセス値との関係を示す性能予測モデルを作成する性能予測モデル作成装置であって、
上記[17]に記載の特徴量抽出装置であって、第1タイミングにおける前記特徴量を抽出する特徴量抽出装置と、
前記プラントの前記第1タイミングにおける前記運転パラメータと物理モデルパラメータセットとに基づいて、前記物理モデルパラメータセットを変化させて感度解析を実施して、前記第1タイミングにおける前記特徴量に対応する解析特徴量を算出する解析特徴量算出部(54)と、
前記第1タイミングにおける前記特徴量と前記解析特徴量との差に基づいて、最適物理モデルパラメータセットを決定する最適物理モデルパラメータセット決定部(56)と、
前記最適物理モデルパラメータセットと前記プラントの前記運転パラメータとに基づいて、前記運転パラメータを変化させて感度解析を実施して、前記運転パラメータと前記プロセス値との関係を示す前記性能予測モデルを作成する性能予測モデル作成部(58)と、を備える。
【0145】
上記[18]に記載の構成によれば、第1タイミングにおける特徴量と解析特徴量との差に基づいて最適物理モデルパラメータセットが決定される。そして、運転パラメータとプロセス値との関係を示す性能予測モデルは、最適物理モデルパラメータセットとプラントの運転パラメータとに基づいて、運転パラメータを変化させて感度解析を実施することで作成される。このため、本開示に係る性能予測モデルは、運転パラメータとプロセス値との関係を解析したモデル(いわゆる物理モデル)として作成され、実際に取得可能な特徴量とプロセス値との関係を示すモデル(いわゆる統計モデル)と比較して、性能予測モデルの予測精度を向上させることができる。
【0146】
[19]本開示に係るプラントの運転支援装置(70)は、
上記[18]に記載の性能予測モデル作成装置によって作成された前記性能予測モデルを用いるプラントの運転支援装置であって、
前記運転パラメータを設定する運転パラメータ設定部(72)と、
前記運転パラメータ設定部が設定した前記運転パラメータを前記性能予測モデルに入力して、前記プロセス値を出力するプロセス値出力部(74)と、
前記プロセス値出力部が出力した前記プロセス値が所定条件に含まれるか否かを判断する判断部(76)と、を備え、
前記判断部において、前記プロセス値出力部で出力された前記プロセス値が前記所定条件に含まれないと判断された場合に、前記運転パラメータを再設定する再設定部(78)と、を備える。
【0147】
上記[19]に記載の構成によれば、上記[18]に記載の性能予測モデル作成装置によって作成された性能予測モデルを用いているので、プロセス値が所定条件に含まれる運転パラメータを速やかに設定することができる。
【符号の説明】
【0148】
1 特徴量抽出装置
2 取得部
4 変換部
6 抽出部
50 性能予測モデル作成装置
54 解析特徴量算出部
56 最適物理モデルパラメータセット決定部
58 性能予測モデル作成部
70 運転支援装置
72 運転パラメータ設定部
74 プロセス値出力部
76 判断部
78 再設定部
100 ボイラプラント
109 燃料供給口
130 輝度画像データ(色画像データ)
140 第2輝度画像データ(色画像データ)
A 輝度領域(一次燃焼領域の画像データから区分された輝度領域)
A1 高輝度領域(第1色領域)
A2 低輝度領域(第2色領域)
B 輝度領域(二次燃焼領域の画像データから区分された輝度領域)
B1 第2高輝度領域(第3色領域)
B2 第2低輝度領域(第4色領域)
Cg 燃焼ガス
D1 長さ方向
D2 幅方向
Fr 火炎
L1 第1仮想線
L2 第2仮想線
L3 境界線
P1 位置(第1仮想線L1と境界線L3との交差点)
R1 一次燃焼領域
R2 二次燃焼領域
S2 取得ステップ
S4 変換ステップ
S6 抽出ステップ
S12 特徴量抽出ステップ
S14 解析特徴量算出ステップ
S16 最適物理モデルパラメータセット決定ステップ
S18 性能予測モデル作成ステップ
S22 運転パラメータ設定ステップ
S24 プロセス値出力ステップ
S26 判断ステップ
S28 再設定ステップ
S30 運転パラメータ取得ステップ
S32 プロセス値取得ステップ
S34 第2の性能予測モデル作成ステップ
X1 着火距離
X2 火炎の幅
X3 火炎の長さ
θ 火炎の噴出角度