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特開2022-134625賃貸併用住宅抽出支援装置、賃貸併用住宅抽出支援方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022134625
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】賃貸併用住宅抽出支援装置、賃貸併用住宅抽出支援方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20220908BHJP
   G06F 16/908 20190101ALI20220908BHJP
【FI】
G06Q50/16
G06F16/908
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021033880
(22)【出願日】2021-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】517042726
【氏名又は名称】株式会社フロンティアハウス
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古谷 幸治
【テーマコード(参考)】
5B175
5L049
【Fターム(参考)】
5B175DA10
5B175FB03
5L049CC27
(57)【要約】
【課題】賃貸併用住宅に対する希望条件および懸念事項を考慮した最適な候補物件を抽出することができる。
【解決手段】 賃貸併用住宅の属性情報である物件情報と、物件の一般的な抽出条件である基本条件および前記賃貸併用住宅に特有の抽出条件である特有条件を含む顧客リクエスト情報と、を記憶する記憶部と、前記基本条件および前記特有条件を満たす前記賃貸併用住宅の候補物件を前記物件情報から抽出する物件情報抽出部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
賃貸併用住宅の属性情報である物件情報と、物件の一般的な抽出条件である基本条件および前記賃貸併用住宅に特有の抽出条件である特有条件を含む顧客リクエスト情報と、を記憶する記憶部と、
前記基本条件および前記特有条件を満たす前記賃貸併用住宅の候補物件を前記物件情報から抽出する物件情報抽出部と、を備える
ことを特徴とする賃貸併用住宅抽出支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の賃貸併用住宅抽出支援装置であって、
前記基本条件および前記特有条件には各々、前記賃貸併用住宅のオーナー候補であるユーザの希望条件および懸念事項が含まれ、
前記物件情報抽出部は、
前記希望条件を満たし、かつ、前記懸念事項の問題を低減する前記賃貸併用住宅の候補物件を前記物件情報から抽出する
ことを特徴とする賃貸併用住宅抽出支援装置。
【請求項3】
請求項2に記載の賃貸併用住宅抽出支援装置であって、
前記特有条件には、
前記賃貸併用住宅の賃貸契約による入居者とのトラブル、または、空室リスクへの不安、に関する懸念事項と、
前記入居者との交流、または、前記ユーザのライフステージが変化した場合に前記入居者用の住居をどのように使いたいか、に関する希望条件と、が含まれている
ことを特徴とする賃貸併用住宅抽出支援装置。
【請求項4】
請求項1に記載の賃貸併用住宅抽出支援装置であって、
前記物件情報抽出部は、
抽出した前記賃貸併用住宅の候補物件の周辺エリアの他の賃貸物件の空室状況に関する情報を用いて、当該候補物件の空室リスクを評価する
ことを特徴とする賃貸併用住宅抽出支援装置。
【請求項5】
請求項4に記載の賃貸併用住宅抽出支援装置であって、
抽出された前記賃貸併用住宅の候補物件の画像情報と、当該候補物件に関する前記物件情報と、前記空室リスクの評価と、当該候補物件が抽出された際に用いられた前記基本条件または前記特有条件の内容を示すタグと、を含む抽出結果の画面情報を生成する出力処理部をさらに備える
ことを特徴とする賃貸併用住宅抽出支援装置。
【請求項6】
請求項5に記載の賃貸併用住宅抽出支援装置であって、
前記抽出結果の画面情報を、前記賃貸併用住宅のオーナー候補であるユーザの所有するユーザ端末または不動産業者が所有する不動産業者端末に送信する通信部をさらに備える
ことを特徴とする賃貸併用住宅抽出支援装置。
【請求項7】
賃貸併用住宅抽出支援装置による賃貸併用住宅抽出支援方法であって、
前記賃貸併用住宅抽出支援装置は、
賃貸併用住宅の属性情報である物件情報と、物件の一般的な抽出条件である基本条件および前記賃貸併用住宅に特有の抽出条件である特有条件を含む顧客リクエスト情報と、を記憶する記憶ステップと、
前記基本条件および前記特有条件を満たす前記賃貸併用住宅の候補物件を前記物件情報から抽出する物件情報抽出ステップと、を行う
ことを特徴とする賃貸併用住宅抽出支援方法。
【請求項8】
コンピュータを、賃貸併用住宅抽出支援装置として機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
賃貸併用住宅の属性情報である物件情報と、物件の一般的な抽出条件である基本条件および前記賃貸併用住宅に特有の抽出条件である特有条件を含む顧客リクエスト情報と、を記憶する記憶部と、
前記基本条件および前記特有条件を満たす前記賃貸併用住宅の候補物件を前記物件情報から抽出する物件情報抽出部と、して機能させる
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、賃貸併用住宅抽出支援装置、賃貸併用住宅抽出支援方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、賃貸物件の検索技術に関し、「本発明の賃貸物件検索サーバ装置では、ユーザ端末にて選択した検索対象エリア内の施設群を検索してユーザ端末のモニタに施設群のリストを分類毎に分けて表示させるので、行ったことがないエリアであっても、ユーザの生活に適した施設が充実したエリアであるか否かを容易に確認することができる。しかも、施設群と併せてモニタにお部屋検索ボタンを表示させ、そのお部屋検索ボタンがオン操作されると、検索対象エリア内の賃貸物件群をモニタに表示させるので、引っ越し先候補のエリアを絞り込んでから、スムーズにそのエリア内で引っ越し先の賃貸物件を絞り込むことができる。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-16699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、1つの建物で、オーナー用の住居と、賃貸契約による入居者用の住居と、が併用される形態の賃貸併用住宅に対する関心が高まっている。一方で、賃貸併用住宅のオーナーになるユーザにとって、賃貸契約による入居者とのトラブルが懸念されたり、ライフステージの変化に伴って入居者用住居に両親を住まわせたり子供部屋にする等の対応が可能かどうかなど、自身の希望条件や懸念事項を考慮して適切な賃貸併用住宅を検索および選定することが難しい、という課題がある。
【0005】
なお、特許文献1には、賃貸物件の検索技術が開示されているものの、賃貸併用住宅の検索や選定については考慮されていない。
【0006】
そこで、本発明は、賃貸併用住宅に対する希望条件および懸念事項を考慮した最適な候補物件を抽出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。上記の課題を解決する本発明の一態様に係る賃貸併用住宅抽出支援装置は、賃貸併用住宅の属性情報である物件情報と、物件の一般的な抽出条件である基本条件および前記賃貸併用住宅に特有の抽出条件である特有条件を含む顧客リクエスト情報と、を記憶する記憶部と、前記基本条件および前記特有条件を満たす前記賃貸併用住宅の候補物件を前記物件情報から抽出する物件情報抽出部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、賃貸併用住宅に対する希望条件および懸念事項を考慮した最適な候補物件を抽出することができる。
【0009】
なお、上記以外の課題、構成および効果等は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】賃貸併用住宅抽出支援システムの概略構成の一例を示した図である。
図2】物件情報の一例を示した図である。
図3】顧客リクエスト情報の一例を示した図である。
図4】賃貸併用住宅抽出処理の一例を示したフロー図である。
図5】候補物件の物件情報を含む候補物件表示情報の画面例を示した図である。
図6】賃貸併用住宅抽出支援装置のハードウェア構成の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【0012】
図1は、本実施形態に係る賃貸併用住宅抽出支援システムの概略構成の一例を示した図である。なお、賃貸併用住宅とは、1つの建物で、オーナー用の住居と、賃貸契約による入居者用の住居と、が併用される形態の建物である。図示するように、賃貸併用住宅抽出支援システムは、賃貸併用住宅抽出支援装置100と、ユーザ端末200と、不動産業者端末300と、を有している。また、賃貸併用住宅抽出支援装置100と、ユーザ端末200と、不動産業者端末300とは、例えばインターネット等の公衆網やLAN(Local Area Network)あるいはWAN(Wide Area Network)などのネットワークNを介して相互通信可能に接続されている。また、賃貸併用住宅抽出支援装置100は、ネットワークNを介して、空室物件に関する情報を提供する装置(以下では、空室物件情報提供装置400という場合がある)とも通信可能に接続されている。
【0013】
賃貸併用住宅抽出支援装置100は、複数ある賃貸併用住宅の中から、オーナー候補(ユーザ)の希望条件や懸念事項を考慮した最適な候補物件を抽出する装置である。具体的には、賃貸併用住宅抽出支援装置100は、ユーザの希望条件および懸念事項を入力するための画面情報をユーザ端末200や不動産業者端末300に送信し、これらの端末で入力された情報(以下では、顧客リクエスト情報123という場合がある)を取得する。また、賃貸併用住宅抽出支援装置100は、取得した情報を用いて賃貸併用住宅の候補物件を物件データベース121から抽出し、抽出結果をユーザ端末200または不動産業者端末300に送信する。
【0014】
また、賃貸併用住宅抽出支援装置100は、賃貸併用住宅の物件情報122を登録するための画面情報を不動産業者端末300に送信し、かかる端末で入力された情報を取得すると、対応する物件に紐付けて物件データベース121に登録する。
【0015】
なお、賃貸併用住宅抽出支援装置100の詳細については後述する。
【0016】
ユーザ端末200は、オーナー候補であるユーザの所有するスマートフォンやタブレット端末あるいはパーソナルコンピュータ(PC)である。ユーザは、ユーザ端末200に表示された入力画面を介して、希望条件や懸念事項など所定情報の入力を行う。また、ユーザ端末200は、入力を受け付けた所定情報(顧客リクエスト情報123)を賃貸併用住宅抽出支援装置100に送信する。また、ユーザ端末200は、賃貸併用住宅抽出支援装置100から取得した物件の抽出結果をディスプレイに表示する。
【0017】
不動産業者端末300は、不動産業管理会社を含む不動産業者が所有するパーソナルコンピュータ(PC)やタブレット端末である。不動産業者端末300は、ユーザ端末200と同様、依頼を受けたユーザの顧客リクエスト情報123を賃貸併用住宅抽出支援装置100に送信し、その抽出結果を取得してディスプレイに表示する。また、不動産業者端末300は、賃貸併用住宅に関する物件情報122の入力を受け付ける。具体的には、不動産業者端末300は、例えば不動産管理会社の担当者から賃貸併用住宅の属性情報である物件情報122の入力を受け付けると、かかる物件情報122を含む登録リクエスト情報を賃貸併用住宅抽出支援装置100に送信する。なお、賃貸併用住宅抽出支援装置100は、登録リクエスト情報を取得すると、登録リクエスト情報に含まれる物件情報122を対応する賃貸併用住宅に紐付けて物件データベース121に登録する。
【0018】
以下、賃貸併用住宅抽出支援装置100について詳細に説明する。
【0019】
賃貸併用住宅抽出支援装置100は、図示するように、演算部110と、記憶部120と、通信部130と、を有している。演算部110は、賃貸併用住宅抽出支援装置100で実行される様々な処理を行う機能部である。具体的には、演算部110は、入力受付部111と、出力処理部112と、物件情報登録部113と、物件情報抽出部114と、周辺物件情報取得部115と、を有している。
【0020】
入力受付部111は、情報の入力を受け付ける機能部である。具体的には、入力受付部111は、通信部130を介して、ユーザ端末200または不動産業者端末300から顧客リクエスト情報123の入力を受け付ける(取得する)。
【0021】
出力処理部112は、画面情報を生成する機能部である。具体的には、出力処理部112は、ユーザ端末200や不動産業者端末300に表示する画面情報を生成する。より具体的には、出力処理部112は、顧客リクエスト情報123の入力を受け付けるための画面情報を生成し、通信部130を介して、ユーザ端末200または不動産業者端末300に送信する。また、出力処理部112は、物件情報122の入力を受け付けるための画面情報を生成し、通信部130を介して、不動産業者端末300に送信する。
【0022】
物件情報登録部113は、物件情報122を登録する機能部である。具体的には、物件情報登録部113は、通信部130を介して、不動産業者端末300から登録リクエスト情報を取得すると、かかる情報に含まれている物件情報122を対応する賃貸併用住宅に紐付けて物件データベース121に登録する。
【0023】
物件情報抽出部114は、物件データベース121から顧客リクエスト情報123に含まれる所定条件を満たす物件情報122を抽出する機能部である。具体的には、物件情報抽出部114は、顧客リクエスト情報123を用いて、ユーザの希望条件や懸念事項を考慮した候補物件を物件データベース121から抽出する。また、物件情報抽出部114は、候補物件の周辺エリアの他の賃貸物件の空室状況に関する情報に基づいて、候補物件の空室リスクの評価を算出する。
【0024】
周辺物件情報取得部115は、候補物件の周辺エリアにある他の賃貸物件に関する情報を取得する機能部である。具体的には、周辺物件情報取得部115は、通信部130を介して、他の賃貸物件の空室状況に関する情報を空室物件情報提供装置400から取得する。
【0025】
記憶部120は、様々な種類の情報を記憶する機能部である。具体的には、記憶部120は、物件データベース121と、顧客リクエスト情報123と、を格納している。
【0026】
図2は、物件データベース121に格納されている物件情報122の一例を示した図である。物件情報122は、賃貸併用住宅の属性情報である物件に関する様々な情報を有している。具体的には、物件情報122は、賃貸併用住宅の住所122a、鉄道沿線122b、最寄り駅122c、最寄り駅からの徒歩122d、敷地面積122e、構造122f、防音122g、耐火122h、価格122i、オーナー間取り122j、入居者間取り122k、ペット仕様122l、デザインパターン122mおよび特徴1(122n1)~特徴n(122nn)と、が対応付けられたレコードを有している。
【0027】
なお、住所122aは、賃貸併用住宅の住所を示す情報である。また、鉄道沿線122bは、賃貸併用住宅の最寄り駅の鉄道路線を示す情報である。また、最寄り駅122cは、賃貸併用住宅の最寄り駅の路線名および駅名を示す情報である。最寄り駅からの徒歩122dは、最寄り駅から賃貸併用住宅まで徒歩でかかる時間を示す情報である。
【0028】
また、敷地面積122eは、賃貸併用住宅の敷地面積を示す情報である。構造122fは、賃貸併用住宅の構造を示す情報であって、例えば鉄筋あるいは木造などがある。防音122gは、賃貸併用住宅の防音ランクを示す情報であって、例えば1~5までのランクがあり、最も防音に優れたランクが5になる。耐火122hは、賃貸併用住宅の耐火ランクを示す情報であって、例えば1~5までのランクがあり、最も耐火に優れたランクが5になる。
【0029】
また、価格122iは、賃貸併用住宅の価格を示す情報である。オーナー間取り122jは、オーナー用住居の間取りを示す情報であって、例えば2LDK、3LDLなど様々な種類の間取りがある。また、入居者間取り122kは、賃貸契約による入居者の住居の間取りを示す情報であって、例えば1DK、2LDKなど様々な種類の間取りがある。
【0030】
ペット仕様122lは、ペット飼育に適した仕様かどうかを示す情報であって、有りまたは無しがある。また、デザインパターン122mは、賃貸併用住宅のデザインの種類を示す情報であって、例えばアーバン、コンフォートおよびラグジュアリーなどがある。
【0031】
また、特徴1(122n1)~特徴n(122nn)は、賃貸併用住宅が有する特徴を示す情報であって、例えば屋内階段有りや、庭が広いなど、様々な種類の特徴がある。
【0032】
なお、このような物件情報122は、不動産業者の担当者により入力され、対応する賃貸併用住宅の付帯情報122o(例えば、物件イメージ画像など)と共に物件データベース121に登録され、後述の賃貸併用住宅抽出処理に用いられる。
【0033】
図3は、顧客リクエスト情報123の一例を示した図である。顧客リクエスト情報123は、ユーザの希望条件や懸念事項に関する情報を有している。具体的には、顧客リクエスト情報123は、ユーザの一般的な希望条件および懸念事項に関する基本条件123aとして、希望エリア123b、土地面積123c、オーナー間取り123d、入居者間取り123e、ペット仕様123f、デザインパターン123g、将来売却可能性123hおよび火災リスクへの不安123iに関する情報が含まれている。また、顧客リクエスト情報123は、ユーザの賃貸併用住宅に特有の希望条件および懸念事項に相当する特有条件123jとして、入居者とのトラブルの不安123k、入居者との交流123l、ライフステージの変化に対応123mおよび空室リスクへの不安123nに関する情報を有している。
【0034】
なお、将来売却可能性123hは、ユーザが将来的に賃貸併用住宅を売却する可能性を示す情報であって、「有り」または「無し」が入力されている。また、火災リクスへの不安123iは、ユーザの火災リクスへの不安を示す情報であって、「有り」または「無し」が入力されている。
【0035】
また、入居者とのトラブルの不安123kは、入居者との間で生じるトラブルに関するユーザの不安の度合いを示す情報であって、不安の強さを10段階で表している。「10」寄りの値が選択されている場合、ユーザがトラブルについてより強い不安を持っていることを示している。
【0036】
また、入居者との交流123lは、ユーザが入居者との間で活発に交流したいと思う度合いを示す情報であって、その強さを10段階で表している。「10」寄りの値が選択されている場合、ユーザがより活発に交流を図りたいと思っていることを示している。
【0037】
また、ライフステージの変化に対応123mは、ユーザのライフステージが変化した場合に入居者用住居をどのように使いたいか、というユーザの構想を示す情報である。例えば、ユーザが将来的に両親との同居や子供の出産などを考えている場合、かかる項目には、「将来、賃貸部分に両親同居」あるいは「将来、賃貸部分を子供部屋」などが入力されている。
【0038】
また、空室リスクへの不安123nは、入居者用住居の空室リスクに関するユーザの不安の度合いを示す情報であって、不安の強さを10段階で表している。「10」寄りの値が選択されている場合、ユーザが入居者用住居の空室リスクについてより強い不安を持っていることを示している。
【0039】
なお、このような顧客リクエスト情報123は、ユーザ端末200あるいは不動産業者端末300を介して入力された情報であって、例えばユーザの氏名、年齢、住所、電話番号といった会員登録情報(図示せず)に対応付けられて記憶部120に格納され、後述の賃貸併用住宅抽出処理に用いられる。
【0040】
図1に戻って説明する。通信部130は、外部装置との間で情報通信を行う機能部である。具体的には、通信部130は、ユーザ端末200および不動産業者端末300に各々、所定の画面情報を送信する。また、通信部130は、不動産業者端末300から物件情報122を含む登録リクエスト情報を取得する。また、通信部130は、ユーザ端末200または不動産業者端末300から顧客リクエスト情報123を取得する。なお、通信部130は、取得した顧客リクエスト情報123を記憶部120に格納する。また、通信部130は、空室物件情報提供装置400から他の賃貸物件の空室状況に関する情報を取得する。
【0041】
以上、賃貸併用住宅抽出支援装置100の機能構成の一例について説明した。
【0042】
[動作の説明]
次に、賃貸併用住宅抽出支援装置100で行われる賃貸併用住宅抽出処理について説明する。
【0043】
図4は、賃貸併用住宅抽出処理の一例を示したフロー図である。かかる処理は、例えば入力受付部111が顧客リクエスト情報123を取得すると開始される。
【0044】
処理が開始されると、物件情報抽出部114は、顧客リクエスト情報123の基本条件を満たす賃貸併用住宅の候補物件を物件データベース121から抽出する(ステップS10)。具体的には、物件情報抽出部114は、顧客リクエスト情報123から基本条件を特定し、物件情報122を用いて、希望エリアに一致する住所または鉄道沿線の賃貸併用住宅であって、敷地面積、オーナー間取り、ライフスタイルおよびデザインパターンの基本条件を満たす賃貸併用住宅の候補物件を物件データベース121から抽出する。なお、この抽出処理では、基本条件の入居者間取りおよびペット仕様については考慮されない。すなわち、物件情報抽出部114は、入居者間取りおよびペット仕様の条件を考慮せずに候補物件の抽出を行う。
【0045】
なお、物件情報抽出部114は、これらの基本条件の全て(入居者間取りおよびペット仕様を除く)を満たす候補物件を抽出しても良いし、例えば1つ以上の条件を満たす候補物件を抽出した上で、より多くの条件を満たしている候補物件を所定数(例えば、10~100個)抽出するようにしても良い。
【0046】
また次に、顧客リクエスト情報123の「将来売却可能性」の項目123hが「有り」の場合、物件情報抽出部114は、抽出した候補物件の中から更に駅近物件に絞り込む。より具体的には、物件情報抽出部114は、物件情報122の最寄り駅から徒歩の項目122dに登録されている時間が所定時間以内(例えば、20分以内)の候補物件に絞り込む。これにより、比較的売却し易い駅近の候補物件を抽出することができる。
【0047】
なお、「将来売却可能性」123hの項目が「無し」の場合、物件情報抽出部114は、かかる絞り込みの処理を行わない。
【0048】
また次に、顧客リクエスト情報123の「火災リスクへの不安」の項目123iが「有り」の場合、物件情報抽出部114は、絞り込んだ候補物件の中から更に耐火構造の候補物件に絞り込む。具体的には、物件情報抽出部114は、物件情報122の耐火の項目122hのランクが「4」以上の候補物件に絞り込む。これにより、ランクの高い耐火構造の候補物件を抽出することができる。
【0049】
なお、「火災リクスへの不安」の項目123iが「無し」の場合、物件情報抽出部114は、かかる絞り込みの処理を行わない。
【0050】
このようにして、物件情報抽出部114は、顧客リクエスト情報123の基本条件をより多く満たす賃貸併用住宅の複数の候補物件を物件データベース121から抽出する。
【0051】
次に、物件情報抽出部114は、ステップS10で抽出した候補物件の中から入居者間取りおよびペット仕様の基本条件を満たす候補物件を抽出する(ステップS20)。具体的には、物件情報抽出部114は、顧客リクエスト情報123における基本条件123aの入居者間取りの項目123eおよびペット仕様の項目123fに入力されている情報を特定する。また、物件情報抽出部114は、特定した間取りと同じ入居者間取りおよびペット仕様の物件候補をステップS10で抽出した候補物件の中から抽出する。また、物件情報抽出部114は、抽出した候補物件に対して「基本条件」のタイトルをタグ付けして一時的に記憶部120に格納する。
【0052】
次に、物件情報抽出部114は、物件情報122を用いて、ステップS10で抽出した候補物件の中から、顧客リクエスト情報123の各特有条件に適した賃貸併用住宅の候補物件を抽出する(ステップS30)。
【0053】
まず、物件情報抽出部114は、顧客リクエスト情報123から「入居者とのトラブルの不安」の項目123kに対応付けられているレベルを特定し、かかるレベルに応じた候補物件を抽出する。例えば、特定したレベルが4~6の場合、物件情報抽出部114は、物件情報122の防音の項目122gのランクが「3」以上であって、ペット仕様の項目122lに「無し」が登録されている候補物件を抽出する。また、特定したレベルが7~10の場合、物件情報抽出部114は、物件情報122の防音の項目122gのランクが「4」以上であって、ペット仕様の項目122lに「無し」が登録され、かつ、入居者間取りの項目122kが「1DK」、「1LDK」、「2DK」、「2LDK」の候補物件を抽出する。これにより、子供のいる家族が入居者となる可能性が低い入居者間取りに絞り込み、騒音に関するトラブルが発生し難い候補物件を抽出することができる。また、物件情報抽出部114は、抽出した候補物件に対して「入居者とのトラブルの不安」のタイトルをタグ付けして一時的に記憶部120に格納する。なお、特定したレベルが1~3の場合、物件情報抽出部114は、このような絞り込み処理を行わない。
【0054】
また次に、物件情報抽出部114は、顧客リクエスト情報123から「入居者との交流」の項目123lに対応付けられているレベルを特定し、かかるレベルに応じた候補物件を抽出する。例えば、特定したレベルが4~6の場合、物件情報抽出部114は、物件情報122の特徴の項目122n1~122nnに「庭が広い」が登録されている候補物件を抽出する。また、特定したレベルが7~10の場合、物件情報抽出部114は、物件情報122の特徴の項目122n1~122nnに「庭が広い」が登録され、かつ、入居者間取り122kが「3DK」、「3LDK」の候補物件を抽出する。これにより、子供のいる家族が入居し易い間取りや交流し易い広い庭の候補物件を抽出することができる。また、特定されたレベルが7~10の場合、例えば物件情報122の特徴の項目122n1~122nnに「屋内階段有り」が登録されている候補物件を抽出しても良い。また、物件情報抽出部114は、抽出した候補物件に対して「入居者との交流」のタイトルをタグ付けして一時的に記憶部120に格納する。なお、特定したレベルが1~3の場合、物件情報抽出部114は、このような絞り込み処理を行わない。
【0055】
また次に、物件情報抽出部114は、顧客リクエスト情報123から「ライフステージの変化に対応」の項目123mに対応付けられている情報を特定し、かかる情報に応じた候補物件を抽出する。例えば、「ライフステージの変化に対応」の項目123mに対応付けられている情報が「将来、賃貸部分に両親同居」の場合、物件情報抽出部114は、物件情報122の入居者間取りの項目122kが「2DK」、「2LDK」の候補物件を抽出する。また、かかる項目123mに対応付けられている情報が「将来、賃貸部分に趣味部屋」の場合、物件情報抽出部114は、物件情報122の入居者間取りの項目122kが「1DK」の候補物件を抽出する。これにより、ユーザが想定するライフステージの変化にも対応可能な候補物件を抽出することができる。また、物件情報抽出部114は、抽出した候補物件に対して「ライフステージの変化に対応」のタイトルをタグ付けして一時的に記憶部120に格納する。
【0056】
次に、物件情報抽出部114は、ステップS20およびステップS30で抽出した候補物件について空室リスクの評価を算出する(ステップS40)。具体的には、物件情報抽出部114は、顧客リクエスト情報123から「空室リスクへの不安」の項目123nに対応付けられているレベルを特定する。また、特定したレベルが6以上の場合、物件情報抽出部114は、周辺物件情報取得部115を介して、ステップS20およびステップS30で抽出された各候補物件を中心に所定範囲内(例えば、候補物件を中心に半径500mの範囲内)に含まれる他の賃貸物件の空室状況に関する情報を空室物件情報提供装置400から取得する。また、物件情報抽出部114は、取得した空室状況に関する情報を用いて、所定期間以上(例えば、6ヶ月間以上)空室となっている他の賃貸物件の部屋数を算出する。
【0057】
また、物件情報抽出部114は、算出した部屋数が第1の範囲(例えば、20部屋未満)となるエリアの候補物件には評価「A」を対応付け、第2の範囲(例えば、20~50部屋)となるエリアの候補物件には評価「B」を対応付け、第3の範囲(例えば、50部屋以上)となるエリアの候補物件には評価「C」を対応付ける。このような評価によれば、入居者住居についての空室リスクを定量化してユーザに示すことができる。
【0058】
なお、物件情報抽出部114は、「空室リスクへの不安」の項目123nに対応付けられているレベルに応じて対応する評価の候補物件に絞り込んでも良い。例えば、特定したレベルが6~8の場合、評価「A」および「B」に対応する候補物件に絞り込み、特定したレベルが9~10の場合、評価「A」に対応する候補物件に絞り込んでも良い。このようにすれば、空室リスクに対するユーザの心配の度合いに応じて適切な候補物件に絞り込むことができる。なお、特定したレベルが5以下の場合、物件情報抽出部114は、このような絞り込み処理を行わない。
【0059】
次に、物件情報抽出部114は、ステップS20およびステップS30で抽出した各候補物件について重複する物件を整理する(ステップS50)。具体的には、物件情報抽出部114は、重複する候補物件同士を1つに整理し、整理前の各候補物件にタグ付けされていた各々のタイトルを整理後の候補物件にタグ付けし直す。
【0060】
次に、出力処理部112は、ステップS50の処理で整理された各候補物件をユーザ端末200または不動産業者端末300に表示するための画面情報を生成する(ステップS60)。具体的には、出力処理部112は、抽出された物件候補の物件情報122と、これに対応付けられている物件のイメージ画像122oと、空室リスクに関する評価と、タグ付けされているタイトルと、を含む画面情報を生成する。
【0061】
次に、出力処理部112は、通信部130を介して、生成した画面情報をユーザ端末200または不動産業者端末300に送信し(ステップS70)、本フローの処理を終了する。
【0062】
図5は、候補物件の物件情報122を含む候補物件表示情報の画面例500を示した図である。図示するように、候補物件表示情報は、タグ表示領域510と、候補物件イメージ表示領域520と、物件情報表示領域530と、空室リスク評価表示領域540と、を有している。
【0063】
タグ表示領域510には、その候補物件が抽出された条件に関するタグのタイトルが表示される。候補物件イメージ表示領域520には、各候補物件に対応付けて登録されている賃貸併用住宅のイメージ画像122oが表示される。また、物件情報表示領域530には、候補物件の物件情報122が表示される。また、空室リスク評価表示領域540には、算出された空室リスクの評価が表示される。
【0064】
以上、賃貸併用住宅抽出処理について説明した。
【0065】
このような賃貸併用住宅抽出支援装置によれば、賃貸併用住宅に対する希望条件および懸念事項を考慮した最適な候補物件を抽出することができる。特に、賃貸併用住宅抽出支援装置は、賃貸併用住宅におけるオーナー特有の懸念事項である入居者とのトラブルやライフステージの変化に対応できるかどうか、あるいは空室リスクへの不安などを考慮したより適切な賃貸併用住宅を抽出し、ユーザに提案することができる。
【0066】
なお、本発明は、本実施形態に限られるものではなく、同一の発明概念の範囲内において様々な変形が可能である。例えば、賃貸併用住宅抽出支援装置100は、不動産業者端末300と一体であっても良い。また、物件データベース121は、賃貸併用住宅抽出支援装置100以外の別の装置に記憶されていても良い。また、物件情報122に含まれる情報の種類および顧客リクエスト情報123の基本条件123aおよび特有条件123jに対応する情報は一例であって、これら以外にも様々な種類の情報が適宜用いられても良い。
【0067】
以下、賃貸併用住宅抽出支援装置100のハードウェア構成について説明する。
【0068】
図6は、賃貸併用住宅抽出支援装置100のハードウェア構成の一例を示した図である。賃貸併用住宅抽出支援装置100は、例えばサーバ装置やパーソナルコンピュータなどの情報処理装置により実現される。
【0069】
図示するように、賃貸併用住宅抽出支援装置100は、演算装置610と、主記憶装置620と、補助記憶装置630と、通信装置640と、これらを電気的に相互接続するバス650と、を有している。なお、賃貸併用住宅抽出支援装置100は、入力装置(タッチパネル、キーボードおよびマウスなど)や表示装置(ディスプレイなど)をさらに有していても良い。
【0070】
演算装置610は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。主記憶装置620は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリ装置である。
【0071】
補助記憶装置630は、デジタル情報を記憶可能ないわゆるハードディスク(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)あるいはフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置である。
【0072】
通信装置640は、ネットワークケーブルを介して有線通信を行う有線の通信装置、またはアンテナを介して無線通信を行う無線通信装置である。
【0073】
以上、賃貸併用住宅抽出支援装置100のハードウェア構成の一例について説明した。
【0074】
このような賃貸併用住宅抽出支援装置100の演算部110は、演算装置610に処理を行わせるプログラムによって実現される。このプログラムは、主記憶装置620あるいは補助記憶装置630に記憶され、プログラムの実行にあたって主記憶装置620上にロードされ、演算装置610により実行される。なお、記憶部120は、主記憶装置620または補助記憶装置630あるいはこれらの組合せにより実現される。また、通信部130は、通信装置640により実現される。
【0075】
また、賃貸併用住宅抽出支援装置100の上記の各構成、機能、処理部および処理手段等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現しても良い。また、上記構成、機能は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現しても良い。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリやハードディスク、SSD等の記憶装置またはICカード、SDカードおよびDVD等の記録媒体に置くことができる。
【符号の説明】
【0076】
100・・・賃貸併用住宅抽出支援装置、110・・・演算部、111・・・入力受付部、112・・・出力処理部、113・・・物件情報登録部、114・・・物件情報抽出部、115・・・周辺物件情報取得部、120・・・記憶部、121・・・物件データベース、122・・・物件情報、123・・・顧客リクエスト情報、130・・・通信部、200・・・ユーザ端末、300・・・不動産業者端末、400・・・空室物件情報提供装置、610・・・演算装置、620・・・主記憶装置、630・・・補助記憶装置、640・・・通信装置、650・・・バス、N・・・ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6