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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022134695
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】太陽光パネル洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   H02S 40/10 20140101AFI20220908BHJP
   B08B 3/02 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
H02S40/10
B08B3/02 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021034011
(22)【出願日】2021-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000198363
【氏名又は名称】IHI運搬機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000512
【氏名又は名称】弁理士法人山田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 正吉
(72)【発明者】
【氏名】平田 優育
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 拓弥
【テーマコード(参考)】
3B201
5F151
【Fターム(参考)】
3B201AA31
3B201AB51
3B201AB56
3B201BB22
3B201BB54
3B201BB62
5F151BA18
5F151JA15
(57)【要約】
【課題】広範囲の太陽光パネルを効率良く洗浄し得る太陽光パネル洗浄装置を提供する。
【解決手段】巻上下ワイヤ107を有するクレーン100と、クレーン100の巻上下ワイヤ107から吊り下げられ且つ洗浄ノズル320を有する洗浄アタッチメント300と、洗浄アタッチメント300へ水を供給する給水ユニット400とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻上下ワイヤを有するクレーンと、
該クレーンの巻上下ワイヤから吊り下げられ且つ洗浄ノズルを有する洗浄アタッチメントと、
該洗浄アタッチメントへ水を供給する給水ユニットと
を備えた太陽光パネル洗浄装置。
【請求項2】
前記クレーンは、
立設されるマストと、
該マストの頂部に旋回自在に配置される旋回体と、
該旋回体に起伏自在に取り付けられ且つ先端から前記巻上下ワイヤが吊り下げられるジブと
を備えたジブクレーンである請求項1記載の太陽光パネル洗浄装置。
【請求項3】
前記マストは、走行装置を有する走行フレーム上に立設される請求項2記載の太陽光パネル洗浄装置。
【請求項4】
前記クレーンは、
走行装置上に立設される脚と、
該脚の頂部に掛け渡すように配置されるガーダと、
該ガーダに横行自在に取り付けられ且つ前記巻上下ワイヤが吊り下げられるトロリと
を備えた門型クレーンである請求項1記載の太陽光パネル洗浄装置。
【請求項5】
前記洗浄アタッチメントは、太陽光パネルを搬送自在な搬送ユニットを備えた請求項1~4の何れか一項に記載の太陽光パネル洗浄装置。
【請求項6】
前記搬送ユニットは、
太陽光パネルを吸着する吸盤と、
該吸盤の内部を負圧にする吸引ポンプと
を備えた請求項5記載の太陽光パネル洗浄装置。
【請求項7】
前記給水ユニットは、
水が貯留される給水車と、
該給水車に貯留された水を前記洗浄アタッチメントへ圧送する給水ポンプと
を備えた請求項1~6の何れか一項に記載の太陽光パネル洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光パネル洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化の進行を抑制すべく再生可能エネルギへの関心が高まっており、出力が1MWを超えるメガソーラと称される大規模な太陽光発電施設が建設されている。
【0003】
一般に、太陽光パネルは、その最小構成単位である太陽電池セルを複数集めた太陽電池モジュールからなり、前記メガソーラの場合、太陽電池モジュールを複数枚集めた太陽電池アレイが架台に多数設置される形となる。
【0004】
前記太陽光パネルは、当然のことながら屋外に設置され、塵埃等が付着することが避けられないため、定期的に洗浄する必要がある。
【0005】
従来、前記太陽光パネルの洗浄には、自走式の大型洗浄機を用いる方法(例えば、特許文献1参照)やバックホウ等の重機に洗浄装置を装備した洗浄作業機を用いる方法(例えば、特許文献2参照)が導入されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-145873号公報
【特許文献2】特開2016-78013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載のものの場合、大型洗浄機を一列の太陽電池アレイに装着して自走させることで太陽光パネルの洗浄を行うため、一列の太陽電池アレイの洗浄が終わるたびに大型洗浄機を他の列の太陽電池アレイに装着し直す必要があり、手間が掛かるという不具合を有していた。又、一列の太陽電池アレイにおいて、連続せずに間隔のあいている箇所には橋渡しプレートを掛け渡す必要もある。更に又、前記太陽電池アレイが設置される架台が高くなるほど、大型洗浄機の装着やメンテナンスが行いにくくなる。
【0008】
一方、特許文献2に記載のものでは、太陽電池アレイのすぐ横に重機械が通れるスペースがないと洗浄を行うことができず、太陽電池アレイ周辺の整備が必要となっていた。
【0009】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなしたもので、広範囲の太陽光パネルを効率良く洗浄し得る太陽光パネル洗浄装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、巻上下ワイヤを有するクレーンと、
該クレーンの巻上下ワイヤから吊り下げられ且つ洗浄ノズルを有する洗浄アタッチメントと、
該洗浄アタッチメントへ水を供給する給水ユニットと
を備えた太陽光パネル洗浄装置に係るものである。
【0011】
前記太陽光パネル洗浄装置において、前記クレーンは、
立設されるマストと、
該マストの頂部に旋回自在に配置される旋回体と、
該旋回体に起伏自在に取り付けられ且つ先端から前記巻上下ワイヤが吊り下げられるジブと
を備えたジブクレーンとすることができる。
【0012】
前記太陽光パネル洗浄装置において、前記マストは、走行装置を有する走行フレーム上に立設することができる。
【0013】
前記太陽光パネル洗浄装置において、前記クレーンは、
走行装置上に立設される脚と、
該脚の頂部に掛け渡すように配置されるガーダと、
該ガーダに横行自在に取り付けられ且つ前記巻上下ワイヤが吊り下げられるトロリと
を備えた門型クレーンとすることができる。
【0014】
前記太陽光パネル洗浄装置において、前記洗浄アタッチメントは、太陽光パネルを搬送自在な搬送ユニットを備えることができる。
【0015】
前記太陽光パネル洗浄装置において、前記搬送ユニットは、
太陽光パネルを吸着する吸盤と、
該吸盤の内部を負圧にする吸引ポンプと
を備えることができる。
【0016】
前記太陽光パネル洗浄装置において、前記給水ユニットは、
水が貯留される給水車と、
該給水車に貯留された水を前記洗浄アタッチメントへ圧送する給水ポンプと
を備えることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の太陽光パネル洗浄装置によれば、広範囲の太陽光パネルを効率良く洗浄し得るという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の太陽光パネル洗浄装置の第一実施例を示す概要構成側面図である。
図2】本発明の太陽光パネル洗浄装置の第一実施例における洗浄アタッチメントを示す正面図である。
図3】本発明の太陽光パネル洗浄装置の第一実施例における洗浄範囲を示す平面図である。
図4】本発明の太陽光パネル洗浄装置の第一実施例におけるホースリールを示す斜視図である。
図5】本発明の太陽光パネル洗浄装置の第二実施例を示す概要構成側面図である。
図6】本発明の太陽光パネル洗浄装置の第二実施例における洗浄範囲を示す平面図である。
図7】本発明の太陽光パネル洗浄装置の第三実施例を示す概要構成斜視図である。
図8】本発明の太陽光パネル洗浄装置の第三実施例における洗浄範囲を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0020】
図1図4は本発明の太陽光パネル洗浄装置の第一実施例である。
【0021】
第一実施例の場合、図1に示す如く、クレーン100を太陽光パネル洗浄装置として導入した点を特徴としている。
【0022】
前記クレーン100は、クライミングクレーンであって、太陽光パネルP(太陽電池モジュールMを複数枚集めた太陽電池アレイA)が多数設置される架台200の近傍に立設され且つ上方へマストブロック101を順次継ぎ足し可能な支持部としてのマスト102を備えている。前記マスト102の頂部には、該マスト102に沿って昇降可能な昇降ユニット103を介し旋回体104が旋回自在に配置されている。前記旋回体104には、ジブ105が起伏自在に取り付けられると共に、後方へ延びるカウンタフレーム106が一体に設けられている。前記カウンタフレーム106上には、前記ジブ105先端から洗浄アタッチメント300を吊り下げる巻上下ワイヤ107を巻上げ下げするための巻上下ドラム108と、ジブ105の起伏ワイヤ109を巻上げ下げするための起伏ドラム110とが設置されている。
【0023】
前記洗浄アタッチメント300には、給水ユニット400からホース500,501を介して水が供給されるようになっている。前記給水ユニット400は、水が貯留される給水車401と、該給水車401に貯留された水を前記洗浄アタッチメント300へ圧送する給水ポンプ402とを備えている。
【0024】
前記洗浄アタッチメント300は、図2に示す如く、基盤310と、洗浄ノズル320と、搬送ユニット330とを備えている。
【0025】
前記基盤310は、上面に埋め込まれたアイボルト311に前記巻上下ワイヤ107が連結されて吊り下げられると共に、前記ホース501が接続されて内部流路312に水が供給されるようになっている。
【0026】
前記洗浄ノズル320は、前記内部流路312に接続されるよう前記基盤310の下面に取り付けられている。
【0027】
前記搬送ユニット330は、太陽光パネルPを吸着する吸盤331と、該吸盤331の内部を負圧にする吸引ポンプ332とを備えている。尚、前記吸引ポンプ332には、給電ケーブル333が接続されている。
【0028】
前記ホース500は、図1に示す如く、基端部が前記給水ポンプ402の吐出口に接続されてマスト102とジブ105に沿うよう敷設され、先端部がホースリール600の中心部に設けられた継手(図示せず)に接続されている。前記ホースリール600は、図1に示す如く、ジブ105の先端に回転自在に配設されるリール本体601を備え、該リール本体601に、図4に示す如く、ホース501が巻上げ下げ自在に巻き取られ、該ホース501の基端部は、前記継手に接続され、前記ホース501の先端部は、図2に示す如く、前記洗浄アタッチメント300の基盤310に接続されている。前記リール本体601は、前記巻上下ワイヤ107(図1及び図2参照)の巻上げ下げと連動して、図4に示す如く、モータ602により減速機603を介し回転駆動されるようになっている。尚、前記ホースリール600は、ジブ105の先端に限らず、ジブ105の基端部に設けても良い。この場合、前記ホースリール600から繰り出されるホース501は、ジブ105基端側から先端側へ延びて該ジブ105先端のシーブ或いはプーリーに掛け回され、垂下して洗浄アタッチメント300の基盤310に接続される形となる。
【0029】
次に、上記第一実施例の作用を説明する。
【0030】
先ず、マスト102を立設してクレーン100を設置し、ジブ105の先端から洗浄アタッチメント300を吊り下げ、洗浄すべき太陽光パネルP(太陽電池モジュールMを複数枚集めた太陽電池アレイA)の上方にセットする。
【0031】
続いて、給水ユニット400の給水車401に貯留された水を給水ポンプ402によりホース500,501を介して前記洗浄アタッチメント300へ圧送すると、水が基盤310の内部流路312を経て洗浄ノズル320から前記太陽光パネルPの表面に噴射され、該太陽光パネルPが洗浄される。
【0032】
ここで、前記クレーン100の旋回体104を旋回させつつジブ105を起伏させることで、図3に示す如く、広範囲に亘って太陽光パネルPの洗浄を行える。
【0033】
尚、前記太陽光パネルPの洗浄時に、搬送ユニット330の吸引ポンプ332を駆動して吸盤331により太陽光パネルPを吸着すると、洗浄ノズル320から噴射された水の反動による洗浄アタッチメント300のばたつきや振動を抑えることが可能となる。
【0034】
又、故障した太陽光パネルPは、前記搬送ユニット330の吸引ポンプ332を駆動して吸盤331により吸着した状態で、架台200から取り外し、新しい太陽光パネルPと交換することも可能となる。
【0035】
第一実施例の場合、特許文献1に記載のもののように、大型洗浄機を一列の太陽電池アレイAに装着して自走させることで太陽光パネルPの洗浄を行うのではないため、一列の太陽電池アレイAの洗浄が終わるたびに大型洗浄機を他の列の太陽電池アレイAに装着し直す必要がなく、手間が掛からない。又、一列の太陽電池アレイAにおいて、連続せずに間隔のあいている箇所に橋渡しプレートを掛け渡す必要もない。更に又、前記太陽電池アレイAが設置される架台200が高くなっても、洗浄作業を円滑に進めることができる。
【0036】
一方、特許文献2に記載のもののように、太陽電池アレイAのすぐ横に重機械が通れるスペースを延々と確保しなくても、第一実施例の場合、マスト102を立設する場所を確保しさえすれば、その位置からジブ105を延ばして太陽電池アレイAの洗浄を行うことができるため、太陽電池アレイA周辺の整備は必要最小限に簡略化できる。
【0037】
こうして、広範囲の太陽光パネルPを効率良く洗浄し得る。
【0038】
図5及び図6は本発明の太陽光パネル洗浄装置の第二実施例であって、図中、図1図4と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0039】
第二実施例のクレーン100は、第一実施例の昇降ユニット103を備えたクライミングクレーンとは異なり、走行装置700を有する走行フレーム800上にマスト102が立設される走行式のクレーンである。
【0040】
前記走行装置700は、上部イコライザビーム701と、下部イコライザビーム702と、走行車輪703とを備え、前記走行車輪703は、前記下部イコライザビーム702の走行方向両端部にレール704に沿って転動自在となるよう配設され、図示していない走行駆動モータによって回転駆動されるようになっている。尚、前記走行装置700は、レール704に沿って転動自在な走行車輪703の代わりに、タイヤ或いはクローラを備えた形式のものを採用することができる。
【0041】
前記走行フレーム800の上には、給水ユニット400の給水ポンプ402が搭載されている。
【0042】
次に、上記第二実施例の作用を説明する。
【0043】
先ず、走行装置700によりクレーン100を走行させて所望の位置に停止させ、ジブ105の先端から洗浄アタッチメント300を吊り下げ、洗浄すべき太陽光パネルP(太陽電池モジュールMを複数枚集めた太陽電池アレイA)の上方にセットする。
【0044】
続いて、給水ユニット400の給水車401に貯留された水を走行フレーム800上の給水ポンプ402によりホース500,501を介して前記洗浄アタッチメント300へ圧送すると、水が基盤310の内部流路312を経て洗浄ノズル320(図2参照)から前記太陽光パネルPの表面に噴射され、該太陽光パネルPが洗浄される。
【0045】
ここで、前記クレーン100の旋回体104を旋回させつつジブ105を起伏させることで、図6に示す如く、広範囲に亘って太陽光パネルPの洗浄を行える。しかも、第二実施例では、走行装置700によりクレーン100を走行させて所望の位置へ移動させることができるため、より広範囲の太陽光パネルPの洗浄を容易且つ安定して行える。
【0046】
尚、前記太陽光パネルPの洗浄時に、搬送ユニット330の吸引ポンプ332を駆動して吸盤331により太陽光パネルPを吸着すると、洗浄ノズル320から噴射された水の反動による洗浄アタッチメント300のばたつきや振動を抑えることが可能となる点は、第一実施例の場合と同様である。
【0047】
又、故障した太陽光パネルPに関し、前記搬送ユニット330の吸引ポンプ332を駆動して吸盤331により吸着した状態で、架台200から取り外し、新しい太陽光パネルPと交換できる点も第一実施例の場合と同様である。
【0048】
こうして、第二実施例においては、クレーン100を走行装置700で移動させることができるため、より広範囲の太陽光パネルPを効率良く洗浄し得る。
【0049】
図7及び図8は本発明の太陽光パネル洗浄装置の第三実施例であって、図中、図1図4と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0050】
第三実施例のクレーン100は、第一実施例の昇降ユニット103を備えたクライミングクレーンや第二実施例のクレーンとは異なり、脚120とガーダ130とトロリ140とを備えた門型クレーンである。
【0051】
前記脚120は、レール704に沿って転動自在な走行車輪703を有する走行装置700上に立設されている。
【0052】
前記ガーダ130は、前記脚120の頂部に掛け渡すように配置されている。
【0053】
前記トロリ140は、前記ガーダ130に横行自在に取り付けられ且つ巻上下ワイヤ107が吊り下げられている。
【0054】
前記巻上下ワイヤ107によってトロリ140から吊り下げられる洗浄アタッチメント300は、図2に示すものと同様の構造を有している。
【0055】
前記洗浄アタッチメント300へ水を供給する給水ユニット400の給水ポンプ402は、前後の走行装置700をつなぐサドル150の上に搭載されている。
【0056】
前記給水ポンプ402から延びるホース500が中心部に接続されるホースリール600は、図4に示すものと同様の構造を有し、前記ガーダ130の上に回転自在に配設されている。
【0057】
次に、上記第三実施例の作用を説明する。
【0058】
先ず、走行装置700によりクレーン100を走行させて所望の位置に停止させると共に、トロリ140を横行させて所望の位置に停止させ、該トロリ140から洗浄アタッチメント300を吊り下げ、洗浄すべき太陽光パネルP(太陽電池モジュールMを複数枚集めた太陽電池アレイA)の上方にセットする。
【0059】
続いて、給水ユニット400の給水車401に貯留された水をサドル150上の給水ポンプ402によりホース500,501を介して前記洗浄アタッチメント300へ圧送すると、水が基盤310の内部流路312を経て洗浄ノズル320(図2参照)から前記太陽光パネルPの表面に噴射され、該太陽光パネルPが洗浄される。
【0060】
ここで、前記クレーン100のトロリ140を横行させつつ、図8に示す如く、走行装置700によりクレーン100を走行させて所望の位置へ移動させることができるため、より広範囲の太陽光パネルPの洗浄を容易且つ安定して行える。
【0061】
尚、前記太陽光パネルPの洗浄時に、搬送ユニット330の吸引ポンプ332を駆動して吸盤331により太陽光パネルPを吸着すると、洗浄ノズル320から噴射された水の反動による洗浄アタッチメント300のばたつきや振動を抑えることが可能となる点は、第一実施例及び第二実施例の場合と同様である。
【0062】
又、故障した太陽光パネルPに関し、前記搬送ユニット330の吸引ポンプ332を駆動して吸盤331により吸着した状態で、架台200から取り外し、新しい太陽光パネルPと交換できる点も第一実施例及び第二実施例の場合と同様である。
【0063】
こうして、第三実施例においては、トロリ140を横行させつつクレーン100を走行装置700で移動させることができるため、より広範囲の太陽光パネルPを効率良く洗浄し得る。
【0064】
そして、第一実施例の場合、前記クレーンは、立設されるマスト102と、該マスト102の頂部に旋回自在に配置される旋回体104と、該旋回体104に起伏自在に取り付けられ且つ先端から前記巻上下ワイヤが吊り下げられるジブとを備えたジブクレーンである。このように構成すると、旋回体104の旋回とジブ105の起伏による洗浄アタッチメント300の吊下げ移動により、広範囲に亘って太陽光パネルPの洗浄を行うことができる。
【0065】
又、第二実施例の場合、前記マスト102は、走行装置700を有する走行フレーム800上に立設される。このように構成すると、走行装置700によるクレーン100の走行によって、より広範囲の太陽光パネルPの洗浄を容易且つ安定して行うことができる。
【0066】
更に又、第三実施例の場合、前記クレーンは、走行装置700上に立設される脚120と、該脚120の頂部に掛け渡すように配置されるガーダ130と、該ガーダ130に横行自在に取り付けられ且つ前記巻上下ワイヤ107が吊り下げられるトロリ140とを備えた門型クレーンである。このように構成すると、トロリ140の横行と走行装置700によるクレーン100の走行とによる洗浄アタッチメント300の吊下げ移動によって、より広範囲の太陽光パネルPの洗浄を容易且つ安定して行うことができる。
【0067】
又、前記洗浄アタッチメント300は、太陽光パネルPを搬送自在な搬送ユニット330を備えている。このように構成すると、前記太陽光パネルPの洗浄時に、搬送ユニット330により故障した太陽光パネルPを新しい太陽光パネルPと交換できる。
【0068】
又、前記搬送ユニット330は、太陽光パネルPを吸着する吸盤331と、該吸盤331の内部を負圧にする吸引ポンプ332とを備えている。このように構成すると、前記太陽光パネルPの洗浄時に、搬送ユニット330の吸引ポンプ332を駆動して吸盤331により太陽光パネルPを吸着することができ、洗浄ノズル320から噴射された水の反動による洗浄アタッチメント300のばたつきや振動を抑えることができるため、太陽光パネルPの洗浄を安定して行う上で有効となる。又、故障した太陽光パネルPを、前記搬送ユニット330の吸引ポンプ332を駆動して吸盤331により吸着した状態で、架台200から取り外し、新しい太陽光パネルPと交換することもできる。
【0069】
更に又、前記給水ユニット400は、水が貯留される給水車401と、該給水車401に貯留された水を前記洗浄アタッチメント300へ圧送する給水ポンプ402とを備えている。このように構成すると、給水車401に貯留された水を給水ポンプ402により安定して洗浄アタッチメント300へ圧送することができる。
【0070】
尚、本発明の太陽光パネル洗浄装置は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0071】
100 クレーン
101 マストブロック
102 マスト
103 昇降ユニット
104 旋回体
105 ジブ
106 カウンタフレーム
107 巻上下ワイヤ
108 巻上下ドラム
109 起伏ワイヤ
110 起伏ドラム
120 脚
130 ガーダ
140 トロリ
150 サドル
200 架台
300 洗浄アタッチメント
310 基盤
311 アイボルト
312 内部流路
320 洗浄ノズル
330 搬送ユニット
331 吸盤
332 吸引ポンプ
333 給電ケーブル
400 給水ユニット
401 給水車
402 給水ポンプ
500 ホース
501 ホース
600 ホースリール
601 リール本体
602 モータ
603 減速機
700 走行装置
701 上部イコライザビーム
702 下部イコライザビーム
703 走行車輪
704 レール
800 走行フレーム
P 太陽光パネル
A 太陽電池アレイ
M 太陽電池モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8