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特開2022-134707ループインピーダンステスタ及びループインピーダンス測定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022134707
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】ループインピーダンステスタ及びループインピーダンス測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 27/16 20060101AFI20220908BHJP
【FI】
G01R27/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021034044
(22)【出願日】2021-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】390025623
【氏名又は名称】共立電気計器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105212
【弁理士】
【氏名又は名称】保坂 延寿
(72)【発明者】
【氏名】和田 篤
【テーマコード(参考)】
2G028
【Fターム(参考)】
2G028BF03
2G028CG08
2G028DH01
2G028FK01
2G028GL07
2G028LR03
2G028LR04
2G028MS01
(57)【要約】
【課題】コストを抑制しつつ、信頼性の高いループインピーダンステスタ及びスープインピーダンス測定方法を提供する。
【解決手段】ループインピーダンステスタ1において、電流生成部6は、活線L及び接地線Eの間に、主電源2の第1の周波数fmより低い第2の周波数fsの周波数成分を含む第1の交流電流ILE1を流す。VNE電圧取得回路9は、活線L及び接地線Eの間に第1の交流電流ILE1を流した状態での中性線N及び接地線Eの間の第1の交流電圧VNE1を計測する。フィルター回路10は、第1の交流電圧VNE1から第1の周波数fmの周波数成分を低減した第2の交流電圧VNE2を取り出す。計測制御手段12は、第1の交流電流ILE1の電流値及び第2の交流電圧VNE2の電圧値から接地線EのインピーダンスZを算出し、Zを用いてループインピーダンスZLEを算出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の周波数fmの周波数成分を含む交流電圧を供給する活線Lと、中性線Nと、接地線Eと、を含む電力線路における前記活線L及び前記接地線Eの間のループインピーダンスZLEを測定するために、前記活線L、前記中性線N、及び前記接地線Eに接続されるループインピーダンステスタであって、
前記活線L及び前記中性線Nの間に負荷を接続しない状態での前記活線L及び前記接地線Eの間の第1の電圧値VLE1と、前記活線L及び前記中性線Nの間に負荷抵抗Rを接続した状態での、前記活線L及び前記中性線Nの間の第2の電圧値VLN2及び前記活線L及び前記接地線Eの間の第3の電圧値VLE2と、を計測する第1の計測回路と、
前記活線L及び前記接地線Eの間に前記第1の周波数fmより低い第2の周波数fsの周波数成分を含む第1の交流電流ILE1を流す電流生成部と、
前記活線L及び前記接地線Eの間に前記第1の交流電流ILE1を流した状態での前記中性線N及び前記接地線Eの間の第1の交流電圧VNE1を計測する第2の計測回路と、
前記第1の交流電圧VNE1から前記第1の周波数fmの周波数成分を低減した第2の交流電圧VNE2を取り出すフィルター回路と、
計測制御手段であって、
前記負荷抵抗Rの値と前記第1、第2及び第3の電圧値VLE1、VLN2及びVLE2とから前記活線Lの第1のインピーダンスZを算出し、
前記第1の交流電流ILE1の電流値及び前記第2の交流電圧VNE2の電圧値から前記接地線Eの第2のインピーダンスZを算出し、
前記第1及び第2のインピーダンスZ及びZから前記ループインピーダンスZLEを算出する、
前記計測制御手段と、
を含む、ループインピーダンステスタ。
【請求項2】
前記電流生成部は、前記活線L及び前記接地線Eの間の電圧の極性が前記第1の周波数fmで切り替わるタイミングを利用して、前記第1の交流電流ILE1の極性の前記第2の周波数fsによる切り替えを制御する制御信号生成部を含む、
請求項1に記載のループインピーダンステスタ。
【請求項3】
前記電流生成部は、
前記活線L及び前記接地線Eの間に接続された全波整流回路と、
前記全波整流回路の出力電流を前記第1の周波数fmで遮断するタイミングを切り替えることにより前記第1の交流電流ILE1の極性を切り替える制御信号生成部と、
を含む、
請求項1に記載のループインピーダンステスタ。
【請求項4】
前記電流生成部は、
前記第1の交流電流ILE1の電流値を、前記活線Lと前記中性線Nとの間に接続された漏電遮断器をトリップさせる閾値より小さい値にすることにより、前記ループインピーダンスZLEの測定を可能とする第1のモードと、
前記活線L及び前記接地線Eの間に前記閾値より大きい電流値を有する第2の交流電流ILE2を流すことにより、前記ループインピーダンステスタを漏電遮断器テスタとして機能させることを可能とする第2のモードと、
に切り替え可能な制御信号生成部を含む、
請求項1に記載のループインピーダンステスタ。
【請求項5】
第1の周波数fmの周波数成分を含む交流電圧を供給する活線Lと、中性線Nと、接地線Eと、を含む電力線路における前記活線L及び前記接地線Eの間のループインピーダンスZLEを測定するループインピーダンス測定方法であって、
前記活線L及び前記中性線Nの間に負荷を接続しない状態での前記活線L及び前記接地線Eの間の第1の電圧値VLE1と、前記活線L及び前記中性線Nの間に負荷抵抗Rを接続した状態での、前記活線L及び前記中性線Nの間の第2の電圧値VLN2及び前記活線L及び前記接地線Eの間の第3の電圧値VLE2と、を計測し、
前記活線L及び前記接地線Eの間に前記第1の周波数fmより低い第2の周波数fsの周波数成分を含む第1の交流電流ILE1を流し、
前記活線L及び前記接地線Eの間に前記第1の交流電流ILE1を流した状態での前記中性線N及び前記接地線Eの間の第1の交流電圧VNE1を計測し、
前記第1の交流電圧VNE1から前記第1の周波数fmの周波数成分を低減した第2の交流電圧VNE2を取り出し、
前記負荷抵抗Rの値と前記第1、第2及び第3の電圧値VLE1、VLN2及びVLE2とから前記活線Lの第1のインピーダンスZを算出し、
前記第1の交流電流ILE1の電流値及び前記第2の交流電圧VNE2の電圧値から前記接地線Eの第2のインピーダンスZを算出し、
前記第1及び第2のインピーダンスZ及びZから前記ループインピーダンスZLEを算出する
ことを含む、ループインピーダンス測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ループインピーダンステスタ及びループインピーダンス測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
主電源(商用電源)の交流電圧を供給する配電設備において、活線L-接地線E間のループインピーダンスの値が、新規電気配線時や、配線変更時、定期点検時等において測定され、その値が安全上規定値内であることの確認が行われている。
活線L、中性線N及び接地線Eの3線を含む図1の電力線路において、活線L-接地線E間のループインピーダンスは、活線LのインピーダンスZと接地線EのインピーダンスZとの和(Z+Z)である。
【0003】
通常、配電設備14には漏電遮断器3が設置されている。活線Lと接地線Eとが短絡した場合、接地線Eに漏えい電流が流れ、漏電遮断器3が活線Lと中性線Nとの電流差を検出してトリップし、回路を遮断することで感電及び火災が防止される。しかし、活線L-接地線E間のループインピーダンスの値が高い場合は、漏電遮断器3が動作するだけの充分な漏えい電流が流れないため漏電遮断器3が動作しない。その場合、感電や火災等の事故につながることが考えられる。活線L-接地線E間のループインピーダンスの確認が必要なのはこのためである。
【0004】
従来は、活線L-接地線E間に主電源2のエネルギーを用いて大きな電流を流し、その電圧降下を検出することで活線L-接地線E間のループインピーダンスを測定していた。活線L-接地線E間のループインピーダンスは小さいもので0.01Ω単位の測定をする必要があるが、この方法で0.01Ω単位の測定をするためには、活線L-接地線E間に6A程度の大きな電流を流して電圧降下を検出する必要がある。この場合、配電設備14に設置されている漏電遮断器3がトリップしてしまう。そこで、漏電遮断器3の電源側と負荷側とを電線でつないで漏電遮断器3をバイパスし、漏電遮断器3がトリップしないようにして測定を実施する必要があり、作業に時間を要していた。
【0005】
これを回避する手段として、特許文献1(特許第4297774号公報)では、高電流を活線L-接地線E間ではなく活線L-中性線N間に流したときの測定値と、中性線N-接地線E間に15mA以下の漏電遮断器3が動作しない低い電流を流したときの測定値とを用いることで、活線L-接地線E間のループインピーダンスを算出する方法が開示されている。しかし、この方法であると、中性線N-接地線E間に15mA以下の電流を流すためのエネルギー供給源(電流源)をループインピーダンステスタ内に設ける必要があり、電子部品の増加及びコストアップにつながっていた。また、エネルギー供給源として電池を用いることが考えられるが、配電設備14の中性線N-接地線E間の信号には、多くの場合ノイズが重畳しており、例えばノイズが10V存在した場合は、10V以上の出力が可能な電流源を構成する必要がある。電圧1.5Vの乾電池等から高い出力電圧を発生させるにはループインピーダンステスタの小型化を考慮すると限界があることから、測定できない配電設備も存在した。
【0006】
さらに、特許文献2(特許第6788259号公報)では、中性線Nを使用することなく、活線L-接地線E間に漏電遮断器3が動作しない15mA以下の低い電流を流して測定を行う方法が開示されている。しかし、0.01Ω単位でループインピーダンスを測定する場合、15mA×0.01Ω=0.15mVの測定信号を主電源2の230V(欧州の場合)の電圧から分離する必要があり、S/N比が非常に小さい(信号に対するノイズの比が大きい)ことから、測定結果のバラツキが大きく信頼性に欠ける。その対策として多くのデータを取得し平均処理することで信頼性を高めることが考えられる。しかし、測定に10秒以上の時間が必要となってしまい、点検業務の作業効率の低下につながり、また、最終的に得られた結果も特許文献1ほどの信頼性を得ることが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4297774号公報
【特許文献2】特許第6788259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明は、コストを抑制しつつ、信頼性の高いループインピーダンステスタ及びループインピーダンス測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの観点に係るループインピーダンステスタ1は、第1の周波数fmの周波数成分を含む交流電圧を供給する活線Lと、中性線Nと、接地線Eと、を含む電力線路における活線L及び接地線Eの間のループインピーダンスZLEを測定するために、活線L、中性線N、及び接地線Eに接続されるループインピーダンステスタであって、第1の計測回路15と、電流生成部6と、第2の計測回路であるVNE電圧取得回路9と、フィルター回路10と、計測制御手段12と、を含む。
第1の計測回路15は、活線L及び中性線Nの間に負荷を接続しない状態での活線L及び接地線Eの間の第1の電圧値VLE1と、活線L及び中性線Nの間に負荷抵抗Rを接続した状態での、活線L及び中性線Nの間の第2の電圧値VLN2及び活線L及び接地線Eの間の第3の電圧値VLE2と、を計測する。
電流生成部6は、活線L及び接地線Eの間に第1の周波数fmより低い第2の周波数fsの周波数成分を含む第1の交流電流ILE1を流す。
NE電圧取得回路9は、活線L及び接地線Eの間に第1の交流電流ILE1を流した状態での中性線N及び接地線Eの間の第1の交流電圧VNE1を計測する。
フィルター回路10は、第1の交流電圧VNE1から第1の周波数fmの周波数成分を低減した第2の交流電圧VNE2を取り出す。
計測制御手段12は、負荷抵抗Rの値と第1、第2及び第3の電圧値VLE1、VLN2及びVLE2とから活線LのインピーダンスZを算出し、第1の交流電流ILE1の電流値及び第2の交流電圧VNE2の電圧値から接地線EのインピーダンスZを算出し、インピーダンスZ及びZからループインピーダンスZLEを算出する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、配電設備14に接続された本発明の実施形態に係るループインピーダンステスタ1の概略構成を示す回路図である。
図2図2は、本発明の実施形態における活線LのインピーダンスZの測定について説明する回路図である。
図3図3は、本発明の実施形態における活線LのインピーダンスZの測定について説明する回路図である。
図4図4は、本発明の実施形態における接地線EのインピーダンスZの測定について説明する回路図である。
図5図5(A)~図5(D)は、本発明の実施形態における接地線EのインピーダンスZの測定手順を説明する波形図である。
図6図6は、図1及び図4に示される電流生成部6の詳細を示す回路図である。
図7図7(A)~図7(H)は、電流生成部6の動作を説明する波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。以下に説明される実施形態は、本発明の一例を示すものであって、本発明の内容を限定するものではない。また、実施形態で説明される構成及び動作の全てが本発明の構成及び動作として必須であるとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
【0012】
<1.ループインピーダンステスタ1の構成>
図1は、配電設備14に接続された本発明の実施形態に係るループインピーダンステスタ1の概略構成を示す回路図である。活線LはインピーダンスZを有し、中性線NはインピーダンスZを有し、接地線EはインピーダンスZを有する。インピーダンスZは第1のインピーダンスに相当し、インピーダンスZは第2のインピーダンスに相当する。
【0013】
ループインピーダンステスタ1は、活線Lに接続されるL端子4と、中性線Nに接続されるN端子4と、接地線Eに接続されるE端子4と、を含む。ループインピーダンステスタ1は、さらに、スイッチSW1と、負荷抵抗Rと、電流生成部6と、VLN電圧取得回路7と、VLE電圧取得回路8と、VNE電圧取得回路9と、フィルター回路10と、A/D変換回路11と、計測制御手段12と、入出力手段13と、を含む。VLN電圧取得回路7及びVLE電圧取得回路8は第1の計測回路15を構成する。VNE電圧取得回路9は第2の計測回路を構成する。
【0014】
スイッチSW1及び負荷抵抗Rは、活線L-中性線N間に直列に接続されている。スイッチSW1は通常オフであり通電を行わない。スイッチSW1は活線LのインピーダンスZを測定する際にオンにすることで主電源2を負荷抵抗Rに接続し、活線L-中性線N間に電流ILN図3)を流す。
【0015】
LN電圧取得回路7は活線L-中性線N間に接続され、スイッチSW1がオフ状態の時の活線L-中性線N間の電圧値VLN1図2)と、スイッチSW1がオン状態の時の活線L-中性線N間の電圧値である第2の電圧値VLN2図3)とを取得する。
【0016】
LE電圧取得回路8は活線L-接地線E間に接続され、スイッチSW1がオフ状態の時の活線L-接地線E間の電圧値である第1の電圧値VLE1図2)と、スイッチSW1がオン状態の時の活線L-接地線E間の電圧値である第3の電圧値VLE2図3)とを取得する。
【0017】
電流生成部6は活線L-接地線E間に接続されている。電流生成部6は通常オフであり通電を行わない。接地線EのインピーダンスZの測定を行う際にオンにすることで、主電源2のエネルギーを利用し、活線L-接地線E間に第1の交流電流ILE1図4)を流す。第1の交流電流ILE1の電流値は、漏電遮断器3を動作させる閾値よりも低い15mA以下に制限される。
【0018】
NE電圧取得回路9は中性線N-接地線E間に接続され、電流生成部6がオン状態の時の中性線N-接地線E間の電圧である第1の交流電圧VNE1図4)を取得する。
【0019】
フィルター回路10は、VNE電圧取得回路9で取得された第1の交流電圧VNE1からノイズ成分を取り除くフィルターであり、第2の周波数fsの電圧信号からなる第2の交流電圧VNE2図4)を出力する。
【0020】
A/D変換回路11は、VLN電圧取得回路7、VLE電圧取得回路8及びフィルター回路10の出力信号の振幅の大きさを測定しデジタル信号に変換する。
【0021】
計測制御手段12は、スイッチSW1及び電流生成部6を制御するほか、A/D変換回路11による測定値に基づいて、活線L-接地線E間のループインピーダンスZLEを算出する。
【0022】
入出力手段13は、表示用ディスプレイ、表示ランプ、スピーカ、ボタン、操作パネルの全て又はいずれかを備える。入出力手段13は、測定結果の表示による視覚報知、又は音声出力による聴覚報知を行い、さらに使用者の操作入力による各種試験モードの切り替えの指示を受け付ける。
【0023】
<2.ループインピーダンステスタ1の動作>
図2図4は、本発明の実施形態における活線L-接地線E間のループインピーダンスZLEの測定方法を説明する回路図である。ZLEの測定方法は、活線LのインピーダンスZの測定(図2図3)と、接地線EのインピーダンスZの測定(図4)と、ZとZとの和の計算と、を含む。図2図4の各々においては、図1と同じループインピーダンステスタ1が示されているが、各々の手順において使用されない構成要素などの一部の図示が省略されている。
【0024】
<2-1.活線LのインピーダンスZの測定>
<2-1-1.電圧値VLN1及び第1の電圧値VLE1の測定>
図2に示されるようにスイッチSW1がオフである無負荷状態で、活線L-中性線N間の電圧値VLN1をVLN電圧取得回路7にて取得する。また、同様に無負荷状態で活線L-接地線E間の第1の電圧値VLE1をVLE電圧取得回路8にて取得する。電圧値VLN1は主電源2の電圧値に相当し、第1の電圧値VLE1は地電圧と主電源2の電圧との合計に相当する。ここで取得された電圧値VLN1及び第1の電圧値VLE1は、図1中のA/D変換回路11にて測定が行われ、それぞれデジタル値に変換される。
【0025】
<2-1-2.第2の電圧値VLN2及び第3の電圧値VLE2の測定>
図3に示されるようにスイッチSW1をオンにし、主電源2をL端子4及びN端子4を経由して負荷抵抗Rに接続する。これにより活線L-中性線N間に電流ILNを流した状態で、活線L-中性線N間の第2の電圧値VLN2をVLN電圧取得回路7にて取得する。また、同様に電流ILNを流した状態で、活線L-接地線E間の第3の電圧値VLE2をVLE電圧取得回路8にて取得する。取得された第2の電圧値VLN2及び第3の電圧値VLE2は、A/D変換回路11にて測定が行われ、それぞれデジタル値に変換される。
【0026】
<2-1-3.Zの計算>
第2の電圧値VLN2は電流ILNを流した際の負荷抵抗Rにかかる電圧であるため、電流ILNは以下の式(1)で求められる。
LN=VLN2/R ... (1)
望ましい測定精度を確保するため、電流ILNの電流値が6A以上の高い値となるように、負荷抵抗Rの値が設定される。但し、電流ILNは、活線L-中性線N間に流れ、接地線Eには流れないため、漏電遮断器3をトリップさせることはない。
【0027】
第3の電圧値VLE2は、地電圧と、電流ILNを流した際の負荷抵抗R及び中性線NのインピーダンスZの両端にかかる電圧と、の合計であるから、地電圧と主電源2の電圧との合計である第1の電圧値VLE1から第3の電圧値VLE2を差し引けば、活線LのインピーダンスZ両端の電圧になる。従って、Zは以下の式(2)で表される。
=(VLE1-VLE2)/ILN ... (2)
【0028】
式(1)及び式(2)より、Zは以下の式(3)で求められる。
=(VLE1-VLE2)/(VLN2/R)
=(VLE1-VLE2)R/VLN2 ... (3)
【0029】
なお、主電源2の電圧値VLN1から、電流ILNを流した際の負荷抵抗Rの両端の電圧値である第2の電圧値VLN2を差し引けば、活線LのインピーダンスZ及び中性線NのインピーダンスZの両端の電圧が算出される。このため、活線L-中性線N間のループインピーダンスZLNは以下の式(4)で表される。
LN=(VLN1-VLN2)/ILN ... (4)
【0030】
式(1)及び式(4)より、ZLNは以下の式(5)で求められる。
LN=(VLN1-VLN2)/(VLN2/R)
=(VLN1-VLN2)R/VLN2 ... (5)
【0031】
LNは、活線L-中性線N間が短絡した場合に流れる短絡電流を算出するために用いられるループインピーダンスである。このZLNは過電流保護装置の選定の際に使用されたり、過電流保護装置が正常にトリップすることの確認のために使用されたりする。本実施形態によれば、ZLEの測定と併せて、式(5)によりZLNを測定することも可能である。
【0032】
<2-2.接地線EのインピーダンスZの測定>
<2-2-1.第1の交流電流ILE1の生成>
図4に示されるように、主電源2から電流生成部6を介して活線L-接地線E間に既知の電流である第1の交流電流ILE1を流す。第1の交流電流ILE1は、主電源2の電圧が変動しても、その影響を受けず波高値が一定の交流定電流であり、主電源2の交流電圧に同期した半波整流波形を有し、且つ主電源2の周波数である第1の周波数fm(例えば50Hz又は60Hz)よりも低い第2の周波数fs(周期1/fs)で半波整流の極性を切り替えた電流である。
このような第1の交流電流ILE1は、主電源2をエネルギー源として生成することが可能である。このため、ループインピーダンステスタ1の内部に特別な電流源を設ける必要が無くなる。
【0033】
第1の交流電流ILE1は活線L-接地線E間に流れる電流であることから、漏電遮断器3において漏電と検知される可能性がある。一般的な漏電遮断器としては定格感度電流が30mAであるものが多く使用されていることから、漏電遮断器3をトリップさせないためには、第1の交流電流ILE1は定格感度電流の1/2の電流である15mA以下にすることが望ましい。
【0034】
<2-2-2.第1の交流電圧VNE1の測定及びノイズの除去>
次に、第1の交流電流ILE1が流れている状態にて中性線N-接地線E間の第1の交流電圧VNE1をVNE電圧取得回路9にて取得する。第1の交流電圧VNE1は、接地線EのインピーダンスZに第1の交流電流ILE1が流れることで発生した電圧信号を含む。
【0035】
しかし、配電設備14の中性線N-接地線E間には、接地線Eに流れる漏れ電流や、電気機器から中性線Nに流れる負荷電流が存在していることが多い。このことから、第1の交流電圧VNE1の波形は第1の交流電流ILE1の波形と完全に比例するわけではなく、ノイズの混ざった波形となる。通常、ノイズ成分は、第1の周波数fmの周波数成分を主成分とし、さらに第1の周波数fmの高調波成分を含んだ信号で構成されている。
【0036】
図5(A)~図5(D)は、本発明の実施形態における接地線EのインピーダンスZの測定手順を説明する波形図である。図5(A)に第1の交流電流ILE1の波形が示されている。第1の交流電圧VNE1に含まれるノイズの周波数が図5(B)に示されるように第1の周波数fmと同じであった場合、第1の交流電流ILE1に比例してZの両端にかかる電圧信号にノイズが重畳した第1の交流電圧VNE1の波形は、図5(C)に示されるようになる。この波形を図4のフィルター回路10に通すことで、第1の交流電圧VNE1から第2の周波数fsより高い周波数成分を取り除き、図5(D)に示されるような第2の周波数fsの電圧信号からなる第2の交流電圧VNE2を取り出すことができる。第2の交流電圧VNE2は接地線EのインピーダンスZの大きさにほぼ比例する。なお、「取り除く」というのは完全に0にする場合に限られるものではなく、第1の周波数fmの周波数成分を低減する場合を含む。
第2の交流電圧VNE2図1中のA/D変換回路11にて測定が行われ、デジタル値に変換される。
【0037】
ここで、取り除くノイズは主に第1の周波数fmの周波数成分であり、第1の周波数fmは第2の周波数fsより高いことから、フィルター回路10としてはローパスフィルターを用いることができる。あるいは、中性線N-接地線E間には第1の周波数fm以外の周波数成分を含む様々なノイズ成分が重畳している場合もあるため、第2の周波数fsの信号成分のみを取り出すバンドパスフィルターやロックインアンプを用いることでより信頼性を向上させることもできる。
【0038】
主電源2をエネルギー源として活線L-接地線E間に交流電流を流す方法として、単純に抵抗などを介して電流を流す方法をとった場合は、その交流電流の周波数は第1の周波数fmと同じ50Hzや60Hzとなってしまう。この場合だと、中性線N-接地線E間の電圧を測定した際に重畳しているノイズと必要な信号成分とを区別するのが難しくなり、測定結果の信頼性の低下につながってしまう。
そこで本実施形態では、第1の交流電流ILE1の波形を、図5(A)に示されるように主電源2の交流電圧に同期した半波整流波形で、且つ第1の周波数fmよりも低い第2の周波数fsで半波整流の極性を切り替えた波形としている。これにより、フィルター回路10によって、第1の交流電圧VNE1から第1の周波数fmの周波数成分を主とするノイズ成分を容易に取り除くことができる。
【0039】
また、主電源2の電圧には歪みやノイズが存在し、理想的な正弦波となっていない場合が多い。第1の交流電流ILE1が主電源2の波形の歪みやノイズの影響を受け、主電源2の電圧と同様に歪みやノイズを含んでしまうと、測定結果の誤差も大きくなる。
そこで、第1の交流電流ILE1は、主電源2の電圧が変動しても、その影響を受けず波高値が一定の交流定電流とされることが望ましい。
【0040】
<2-2-3.Zの計算>
第2の交流電圧VNE2は接地線EのインピーダンスZに第1の交流電流ILE1が流れることで発生した第1の交流電圧VNE1からノイズ成分を取り除いたものであるから、Zは、第1の交流電流ILE1の電流値及び第2の交流電圧VNE2の電圧値を用いて以下の式(7)で表される。
=VNE2/ILE1 ... (7)
【0041】
中性線N-接地線E間には、先に記載したようにノイズが重畳しているが、このノイズは、ほとんどの場合大きくても20V程度である。このノイズ成分の大きさに対し、接地線EのインピーダンスZに第1の交流電流ILE1が流れた際の信号の大きさは、Zが0.01Ωの場合で0.01Ω×15mA=0.15mVと微小である。しかし、主電源2の230Vが含まれた活線L-接地線E間の電圧を取得してZを測定する場合と比較してS/N比は10倍以上に改善され、より精度の高い測定を短時間で行える。
【0042】
<2-3.ZとZとの和の計算>
最後に、式(3)及び式(7)に基づいて活線L-接地線E間のループインピーダンスZLEを以下の式(8)にて算出する。
LE=Z+Z
=(VLE1-VLE2)R/VLN2+VNE2/ILE1 ... (8)
【0043】
<3.電流生成部6の構成>
図6は、図1及び図4に示される電流生成部6の詳細を示す回路図である。電流生成部6は、全波整流回路61と、コンパレータ62と、制御信号生成部63と、D/Aコンバータ64と、定電流回路65と、を含む。
【0044】
全波整流回路61はブリッジダイオードで構成されている。全波整流回路61の交流入力端子61a及び61bが活線L-接地線E間に接続され、正極出力端子61cは定電流回路65に接続されている。全波整流回路61は、活線L-接地線E間の交流電圧波形のうちの負極性の部分を反転することにより、正の脈動電圧を出力する。
【0045】
コンパレータ62の非反転入力端子(+)は活線Lに接続され、反転入力端子(-)は接地線Eに接続されている。コンパレータ62の出力端子は制御信号生成部63に接続されている。コンパレータ62は活線L-接地線E間の電圧の極性に応じたhigh又はlowの出力電圧を含むゼロクロス信号を出力する。
【0046】
制御信号生成部63は、マイクロコンピューターなどの処理装置で構成される。制御信号生成部63は、メモリに格納されたプログラムに従い、ゼロクロス信号に同期して、定電流回路65に流れる電流の電流波形を制御するためのデジタル信号をD/Aコンバータ64に出力する。
D/Aコンバータ64の出力端子は、定電流回路65に接続されている。
【0047】
定電流回路65は、オペアンプ66と、FET67と、検出抵抗R1と、を含む。D/Aコンバータ64の出力端子がオペアンプ66の非反転入力端子(+)に接続され、オペアンプ66の出力端子がFET67のゲート端子に接続されている。FET67のドレイン端子が全波整流回路61の正極出力端子61cに接続され、ソース端子が、片側を接地された検出抵抗R1とオペアンプ66の反転入力端子(-)とに接続されている。FET67の代わりにバイポーラ型のトランジスタが用いられてもよい。
【0048】
<4.電流生成部6の動作>
図7(A)~図7(H)は、電流生成部6の動作を説明する波形図である。図7(A)に活線L-接地線E間の電圧の波形が示されている。
【0049】
全波整流回路61の出力電圧(図7(B))の波形は、活線L-接地線E間の電圧を全波整流した波形となる。但し、全波整流回路61から出力される電流は、定電流回路65によって規制される。
【0050】
コンパレータ62は、活線L-接地線E間の電圧の極性が第1の周波数fmで切り替わるタイミングに同期したゼロクロス信号(図7(C))を出力する。ゼロクロス信号は方形波で構成される。ゼロクロス信号は制御信号生成部63に入力される。
【0051】
制御信号生成部63は、ゼロクロス信号の極性が第1の周波数fmで切り替わるタイミングを利用して、第1の交流電流ILE1の電流波形を規定するためのデジタル信号を出力する。デジタル信号はD/Aコンバータ64に入力される。
【0052】
D/Aコンバータ64は、デジタル信号をアナログの電圧信号(図7(D))に変換する。この電圧信号の波形を拡大すると、図7(E)に示されるように階段状になっている。電圧信号はオペアンプ66の非反転入力端子(+)に入力される。
【0053】
定電流回路65は、オペアンプ66にて検出抵抗R1からのフィードバック信号をモニターすることで、D/Aコンバータ64から入力される電圧信号(図7(D))の電圧に比例した電流(図7(F))を流す。この電流は、活線L-接地線E間の電圧(図7(A))の振幅が変動してもその影響を受けない定電流となる。
【0054】
定電流回路65に電流が流れることで、活線L-接地線E間に第1の交流電流ILE1図7(G))が流れる。図7(G)に示される期間t~tの各々の長さは主電源2の周期1/fmの半分に相当する。
定電流回路65に流れる電流(図7(F))は片極性の電流であるが、活線L-接地線E間に流れる第1の交流電流ILE1図7(G))は両極性の電流となる。但し、期間t、t及びtの各々においては、定電流回路65に電流が流れないため、全波整流回路61の出力電流が遮断され、第1の交流電流ILE1も0となる。第1の交流電流ILE1を0とするタイミングは、制御信号生成部63で生成されるデジタル信号によって規定される。
【0055】
第1の交流電流ILE1を0とするタイミングを切り替えることで、第1の交流電流ILE1の極性を切り替えることができる。例えば、期間t~tのうちのtに付した添え字が奇数となるタイミング(例えば、t及びt)、すなわち活線L-接地線E間の電圧が正極性となるタイミングで第1の交流電流ILE1を0とし、それぞれの前後の各半周期の期間に第1の交流電流ILE1を流すことで、第1の交流電流ILE1は負極性となる。一方、tに付した添え字が偶数となるタイミング(例えば、t)、すなわち活線L-接地線E間の電圧が負極性となるタイミングで第1の交流電流ILE1を0とし、その前後の各半周期の期間に第1の交流電流ILE1を流すことで、第1の交流電流ILE1は正極性となる。第1の交流電流ILE1の極性の切り替えは、主電源2の周期1/fmよりも長い周期1/fsで行われる。
【0056】
電流生成部6は、ループインピーダンステスタ1を漏電遮断器テスタとして機能させる場合にも使用することができる。漏電遮断器テスタは、活線L-接地線E間に疑似的な漏れ電流としての第2の交流電流ILE2図7(H))を流すことで、配電設備14の漏電遮断器3をトリップさせて、漏電発生からトリップまでにかかる時間を測定する。
【0057】
第2の交流電流ILE2は、漏電遮断器3をトリップさせる閾値よりも大きい電流である点、及びt、t及びtのような休止期間を含まない点で、第1の交流電流ILE1と異なる。しかし、第2の交流電流ILE2は、正確な測定を行うために、主電源2の波形の歪みやノイズの影響を受けず、波高値が一定の交流定電流とされることが望ましい点で、第1の交流電流ILE1と同様である。本実施形態によれば、共通の電流生成部6を用いながら、制御信号生成部63で生成されるデジタル信号によって、第1の交流電流ILE1を流す第1のモードか、第2の交流電流ILE2を流す第2のモードかを切り替えることができる。
【0058】
<5.実施形態による効果>
(1)以上説明した本発明の実施形態によれば、電流生成部6は、活線L及び接地線Eの間に、主電源2の第1の周波数fmより低い第2の周波数fsの周波数成分を含む第1の交流電流ILE1を流す。VNE電圧取得回路9は、活線L及び接地線Eの間に第1の交流電流ILE1を流した状態での中性線N及び接地線Eの間の第1の交流電圧VNE1を計測する。フィルター回路10は、第1の交流電圧VNE1から第1の周波数fmの周波数成分を低減した第2の交流電圧VNE2を取り出す。計測制御手段12は、第1の交流電流ILE1の電流値及び第2の交流電圧VNE2の電圧値から接地線EのインピーダンスZを算出し、Zを用いてループインピーダンスZLEを算出する。
これによれば、第1の交流電圧VNE1から第1の周波数fmの周波数成分を低減した第2の交流電圧VNE2を取り出すことで、正確で信頼性の高いループインピーダンスZLEの測定を短時間にて行うことができ、特別な電流源を設ける必要が無いため安価で小型なループインピーダンステスタ1を実現することができる。
【0059】
(2)本発明の実施形態によれば、電流生成部6の制御信号生成部63は、活線L及び接地線Eの間の電圧の極性が第1の周波数fmで切り替わるタイミングを利用して、第1の交流電流ILE1の極性の第2の周波数fsによる切り替えを制御する。
これによれば、活線L-接地線E間の電圧の極性が切り替わるタイミングを利用することで、このタイミングに同期した制御信号を生成し、第1の交流電流ILE1の極性を切り替えることができる。
【0060】
(3)本発明の実施形態によれば、電流生成部6は、活線L及び接地線Eの間に接続された全波整流回路61と、この全波整流回路61の出力電流を第1の周波数fmで遮断するタイミングを切り替えることにより第1の交流電流ILE1の極性を切り替える制御信号生成部63と、を含む。
これによれば、活線L-接地線E間の電圧が正極性となるタイミングで全波整流回路61の出力電流を遮断することで第1の交流電流ILE1を負極性とし、活線L-接地線E間の電圧が負極性となるタイミングで全波整流回路61の出力電流を遮断することで第1の交流電流ILE1を正極性とすることができる。
【0061】
(4)本発明の実施形態によれば、電流生成部6の制御信号生成部63は、第1のモードと第2のモードとの切り替えが可能となっている。第1のモードは、第1の交流電流ILE1の電流値を、活線Lと中性線Nとの間に接続された漏電遮断器3をトリップさせる閾値より小さい値にすることにより、ループインピーダンスZLEの測定を可能とするモードである。第2のモードは、活線L及び接地線Eの間に閾値より大きい電流値を有する第2の交流電流ILE2を流すことにより、ループインピーダンステスタ1を漏電遮断器テスタとして機能させることを可能とするモードである。
これによれば、制御信号生成部63の動作モードを切り替えることによりループインピーダンスZLEの測定機能と漏電遮断器テスタとしての機能とを切り替えることができ、電流生成部6の回路を共通化することもできる。
【符号の説明】
【0062】
1...ループインピーダンステスタ、2...主電源、3...漏電遮断器、4...L端子、4...N端子、4...E端子、6...電流生成部、7...VLN電圧取得回路、8...VLE電圧取得回路、9...VNE電圧取得回路、10...フィルター回路、11...A/D変換回路、12...計測制御手段、13...入出力手段、14...配電設備、15...第1の計測回路、61...全波整流回路、61a、61b...交流入力端子、61c...正極出力端子、62...コンパレータ、63...制御信号生成部、64...D/Aコンバータ、65...定電流回路、66...オペアンプ、67...FET、L...活線、N...中性線、E...接地線、R...負荷抵抗、R1...検出抵抗、SW1...スイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7