(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022134717
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】燃焼装置
(51)【国際特許分類】
F23D 14/08 20060101AFI20220908BHJP
【FI】
F23D14/08 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021034065
(22)【出願日】2021-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000305
【氏名又は名称】特許業務法人青莪
(72)【発明者】
【氏名】武田 和也
(72)【発明者】
【氏名】杉岡 真伍
【テーマコード(参考)】
3K017
【Fターム(参考)】
3K017AA10
3K017AB10
(57)【要約】
【課題】燃焼筐1の後板13の内側に、燃焼筐1内に並設する複数のバーナ2を横方向に位置決めするバーナ位置決め板18が設けられる燃焼装置において、バーナ位置決め板18の単価を安くすると共に組立工数を削減して、コストダウンを図ることができるようにする。
【解決手段】燃焼筐1の横方向の側板12の後端に、横方向外方に折り曲げられたフランジ部121を設けると共に、バーナ位置決め板18の横方向の端部に、横方向外方に突出して前方に屈曲する係合爪183を設ける。フランジ部121に、係合爪183が後方から挿入可能な係合孔122を形成する。そして、係合爪183を係合孔122に挿入して、バーナ位置決め板18を燃焼筐1の両側板12の後端間に仮止めした状態で、燃焼筐1の後板13を両側板12の後端間に取付ける。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼筐内に、上端に炎口部を有する前後方向に長手のバーナを横方向に複数並設した燃焼装置であって、燃焼筐の後板の内側に、複数のバーナを横方向に位置決めするバーナ位置決め板が設けられるものにおいて、
燃焼筐の横方向両側の各側板の後端に、横方向外方に折り曲げられたフランジ部が設けられると共に、バーナ位置決め板の横方向両側の各端部に、横方向外方に突出して前方に屈曲する係合爪が設けられ、フランジ部に、係合爪が後方から挿入可能な係合孔が形成され、係合爪を係合孔に挿入して、バーナ位置決め板を燃焼筐の両側板の後端間に仮止めした状態で、燃焼板の後板が燃焼筐の両側板の後端間に取付けられることを特徴とする燃焼装置。
【請求項2】
前記係合爪に、後方に向けて横方向外方に傾斜するように切起された切起し片が設けられ、切起し片が前記係合孔を潜り抜けて前記フランジ部の係合孔の横方向外方部分の前面に係合することにより、前記バーナ位置決め板が抜け止めされることを特徴とする請求項1記載の燃焼装置。
【請求項3】
前記バーナ位置決め板は、前記各バーナ間の隙間に後方から挿入されてバーナを横方向に位置決めする櫛歯状の複数の位置決め爪を有し、前記係合爪の前端が前記係合孔に挿入されてからバーナ位置決め板を更に前方に移動させたときに、バーナを横方向に位置決め可能な位置に位置決め爪が到達することを特徴とする請求項1又は2記載の燃焼装置。
【請求項4】
前記係合孔は、前記バーナ位置決め板の横方向各側の端部から横方向外方に突出する前記係合爪の基端部を受け入れられるように、前記フランジ部の折り曲げ基部に亘って形成され、係合孔に係合爪の基端部を受け入れさせることで、バーナ位置決め板の後面とフランジ部の後面とが面一になることを特徴とする請求項1~3の何れか1項記載の燃焼装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼筐内に、上端に炎口部を有する前後方向に長手のバーナを横方向に複数並設した燃焼装置であって、燃焼筐の後板の内側に、複数のバーナを横方向に位置決めするバーナ位置決め板が設けられるものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の燃焼装置として、特許文献1に記載のものが知られている。このものでは、バーナ位置決め板に、各バーナ間の隙間に後方から挿入されてバーナを横方向に位置決めする櫛歯状の複数の位置決め爪を設けると共に、横方向両側の端部から前方に屈曲してのびる一対の側板部を設けている。燃焼装置の組立に際しては、燃焼筐の後板を取付ける前に、燃焼筐の底板上に複数のバーナをセットし、次に、これらバーナが位置決め板の両側板部間に収まるようにバーナ位置決め板を後方から組付ける。これにより、各位置決め爪が後方から各バーナ間の隙間に挿入されて、複数のバーナが横方向に位置決めされる。この状態で、各側板部の前端を燃焼筐の前板に締結し、その後、燃焼筐の両側板の後端間に、バーナ位置決め板の後側から後板を取付ける。
【0003】
上記従来例のものでは、バーナ位置決め板の横方向両端に、燃焼筐の前板に達する大きな側板部を設けることが必要になる。そのため、バーナ位置決め板の単価が高くなってしまう。更に、各側板部の前端を前板に締結することが必要で、組立工数が増加し、バーナ位置決め板の単価が高くなることと相俟って、コストアップの要因になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上の点に鑑み、バーナ位置決め板の単価を安くすると共に組立工数を削減して、コストダウンを図ることができるようにした燃焼装置を提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、燃焼筐内に、上端に炎口部を有する前後方向に長手のバーナを横方向に複数並設した燃焼装置であって、燃焼筐の後板の内側に、複数のバーナを横方向に位置決めするバーナ位置決め板が設けられるものにおいて、燃焼筐の横方向両側の各側板の後端に、横方向外方に折り曲げられたフランジ部が設けられると共に、バーナ位置決め板の横方向両側の各端部に、横方向外方に突出して前方に屈曲する係合爪が設けられ、フランジ部に、係合爪が後方から挿入可能な係合孔が形成され、係合爪を係合孔に挿入して、バーナ位置決め板を燃焼筐の両側板の後端間に仮止めした状態で、燃焼板の後板が燃焼筐の両側板の後端間に取付けられることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、バーナ位置決め板の横方向両側の端部に、係合爪を設けるだけで、従来例の如き燃焼筐の前板に達する大きな側板部を設ける必要がない。そのため、バーナ位置決め板の単価を安くすることができる。また、バーナ位置決め板の組付けに際しては、燃焼筐の側板後端のフランジ部に形成した係合孔に係合爪を挿入するだけであり、従来例の如く側板部の前端を前板に締結する必要がない。そのため、燃焼装置の組立工数を削減することもでき、バーナ位置決め板の単価を安くできることと相俟って、コストダウンを図ることができる。
【0008】
また、本発明においては、上記係合爪に、後方に向けて横方向外方に傾斜するように切起された切起し片が設けられ、切起し片が上記係合孔を潜り抜けて上記フランジ部の係合孔の横方向外方部分の前面に係合することにより、バーナ位置決め板が抜け止めされるようにすることが望ましい。これによれば、バーナ位置決め板の組付け後に、バーナ位置決め板を組付けた半製品を搬送しても、バーナ位置決め板は脱落しない。そのため、バーナ位置決め板の組付け工程と後板の取付け工程とを別の場所で行うことができ、燃焼装置の組立の自動化が容易になる。
【0009】
更に、本発明において、バーナ位置決め板は、各バーナ間の隙間に後方から挿入されてバーナを横方向に位置決めする櫛歯状の複数の位置決め爪を有し、上記係合爪の前端が上記係合孔に挿入されてからバーナ位置決め板を更に前方に移動させたときに、バーナを横方向に位置決め可能な位置に位置決め爪が到達することが望ましい。これによれば、係合孔への係合爪の挿入により、燃焼筐の側板に対しバーナ位置決め板を上下左右に位置決めした状態で位置決め爪によるバーナの位置決めが行われることになり、バーナを確実に位置決めすることができる。
【0010】
また、本発明において、上記係合孔は、バーナ位置決め板の横方向各側の端部から横方向外方に突出する係合爪の基端部を受け入れられるように、上記フランジ部の折り曲げ基部に亘って形成され、係合孔に係合爪の基端部を受け入れさせることで、バーナ位置決め板の後面とフランジ部の後面とが面一になることが望ましい。これによれば、燃焼筐の後板を、係合爪の基端部の板厚分の隙間を生ずることなく、フランジ部の後面に密着できる。そのため、フランジ部後面と後板との間の隙間を閉塞する加工や部材が不要となり、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図3】
図1のIII-III線で切断した切断側面図。
【
図5】
図4のV-V線で切断した要部の拡大断面図。
【
図7】実施形態の燃焼装置に設けられるバーナの斜視図。
【
図8】
図7のVIII-VIII線で切断したバーナの断面図。
【
図9】実施形態の燃焼装置に設けられるバーナ位置決め板の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1乃至
図4を参照して、本発明の実施形態の燃焼装置は、燃焼筐1と、燃焼筐1内の下部に横方向に隙間を存して並設した前後方向に長手の複数(本実施形態では6個)のバーナ2と、これらバーナ2に燃料ガスを供給するガスマニホールド3と、燃焼筐1内の上部に配置した、バーナ2からの燃焼ガスにより加熱される熱交換器4とを備えている。熱交換器4には、上流側の給水管41と下流側の出湯管42とが接続されている。また、ガスマニホールド3には、燃料ガスの供給を制御するバルブユニット5が接続されている。
【0013】
図7、
図8を参照して、バーナ2は、横方向に対峙する一対の側板21a,21aを有するバーナ本体21と、バーナ本体21を横方向両側の外側から覆う一対の側板22a,22aを有するバーナキャップ22とを備えている。そして、バーナ2の上端に、混合気を噴出する炎口23として、バーナ本体21の両側板21a,21aの上端間に位置する主炎口23aと、バーナ本体21の各側板21aの上端とバーナキャップ22の各側板22aの上端との間に画成される袖火炎口23bとを設けている。尚、主炎口23aは、バーナ本体21の両側板21a,21aの上端を繋ぐ上板部21bに前後方向の間隔を存して複数形成されている。
【0014】
バーナ本体21には、前端の流入口24aから後方にのびる下部の混合管部24と、混合管部24の後端部から前後方向に広がりながら上方にのびる主混合気通路25とが設けられている。そして、流入口24aから流入する燃料ガスと一次空気との混合気が混合管部24と主混合気通路25とを介して主炎口23aに導かれるようにしている。
【0015】
バーナ本体21の各側板21aとバーナキャップ22の各側板22aとの間には、袖火炎口23bに連なる袖火混合気通路26が設けられている。また、バーナ本体21の各側板21aには、バーナキャップ22の各側板22aの下部が重ね合わされる部分より上方に位置させて、主混合気通路25と袖火混合気通路26とを連通する通気孔26aが前後方向の間隔を存して複数形成されている。そして、主混合気通路25からこれら通気孔26aを介して分流される混合気が袖火混合気通路26を介して袖火炎口23bに供給され、袖火炎口23b上に形成される袖火により主炎口23a上に形成される主炎が保炎されるようにしている。
【0016】
また、バーナキャップ22の各側板22aに、通気孔26aより上方に位置させて、横方向内方に窪む溝部27を形成している。これにより、通気孔26aから袖火混合気通路26に流入する混合気が溝部27より下方の部分で前後方向に分布して、袖火炎口23bから噴出する混合気の前後方向における分布の均一性を確保できる。尚、バーナキャップ22は、両側板22a,22aの上端を前後複数箇所で繋ぐブリッジ部22bを有している。
【0017】
燃焼筐1は、ガスマニホールド3の上方に位置する燃焼筐1の前面部分を覆う前板11と、横方向両側の側板12,12と、後板13と、底板14とで構成されている。また、前板11と各側板12と後板13の内面に対向するように各遮熱板15,16,17が設けられている。更に、前板11には、バーナ2に点火するための点火電極71と、バーナ2の火炎検知のためのフレームロッド72とを有する電極部品7が装着されている。
【0018】
底板14の前部には、ガスマニホールド3の後方位置で上方に立上る起立板部141と、起立板部141の上端から前方に屈曲して前側の側板11に達する上板部142とが形成されている。起立板部141には、各バーナ2の流入口24aに臨む開口部143が開設されている。また、起立板部141の前面には、各バーナ2の流入口24aに臨む、燃料ガス及び一次空気が通過する開口部61を複数のバーナ2に対応して複数有する通気調節板6が配置されている。通気調節板6は、その横方向中央部の上端部で起立板部141にネジ62止めされている。
【0019】
底板14には、各バーナ2の下縁を横方向両側から挟む、上方への窪み144が複数形成されると共に、小孔145が多数形成されている。また、上板部142の前端には、前板11の内面に沿って立ち上がる第2の起立板部146が形成されている。そして、第2の起立板部146の上端に、隣接するバーナ2,2の前端部間の隙間に挿入されてバーナ2の前端部を横方向に位置決めする爪部147が複数曲成されている。
【0020】
燃焼筐1の上端には、排気フード81を介して排気ファン8が接続されている。排気ファン8には、ファンモータ82が付設されている。熱交換器4を通過した燃焼ガスは、排気ファン8に吸引され、排気ファン8の出口83に接続される図示省略した排気筒を介して燃焼ガスが外部に排出される。また、排気ファン8の吸引力により各バーナ2に燃焼用空気が供給される。即ち、通気調節板6の各開口部61と起立板部141の各開口部143とを介して流入口24aから吸引される空気が各バーナ2に燃焼用の一次空気として供給されると共に、小孔145から吸引される空気が各バーナ2,2間の隙間に下方から燃焼用の二次空気として供給される。
【0021】
燃焼筐1の後板13の内側には、複数のバーナ2を横方向に位置決めする
図9に示すバーナ位置決め板18が設けられている。バーナ位置決め板18の下端には、バーナ本体21の後端縁下部に形成した凹欠部28に挿入されて、バーナ2の浮き上がりを阻止する下端の押え片部181が設けられている。押え片部181には、各バーナ2の横ずれを阻止するため、凹欠部28で前方に窪んだバーナ本体21の後縁部の部分が挿入されるスリット状の切欠き181aが複数のバーナ2に対応して複数形成されている。
【0022】
また、バーナ位置決め板18の上端には、各バーナ2,2間の隙間に後方から挿入されてバーナ2を横方向に位置決めする櫛歯状の複数の位置決め爪182が設けられている。各位置決め爪182は、各バーナ2,2間の隙間に下方から供給される二次空気の上昇を邪魔し、隣接するバーナ2,2から噴出する混合気の一部を位置決め爪182の直上部に滞留させて、火移りを促進する機能も発揮する。位置決め爪182の側縁部は、
図5に示す如く、バーナキャップ22の側板22aに形成した上記溝部27に挿入される。そして、位置決め爪182がバーナ2,2間の隙間に溝部27に係合するようにして挿入されることでバーナ2が横方向に位置決めされる。
【0023】
尚、位置決め爪182の前端には、斜め前下方にのびる舌片部182aが設けられている。舌片部182aを設ける理由は、以下の通りである。位置決め爪182の前端近傍では、上方に向かう二次空気の流れに渦が発生する。そして、この渦がバーナ2の上端に達すると、渦の影響でバーナ2の燃焼性に悪影響が及ぶ。舌片部182aを設けると、上方に向かう二次空気の流れに舌片部182aの前端近傍で渦が発生することになる。従って、渦の発生位置が下方にずれて、バーナ2の上端まで渦が到達し難くなり、バーナ2の燃焼性が渦の影響で悪化することを防止できる。尚、舌片部182aは、溝部27よりも下方にのばすために、側縁部が溝部27に挿入される位置決め爪182の本体部分よりも横幅が狭くなっている。そのため、舌片部182aではバーナ2を横方向に位置決めすることはできない。
【0024】
図6、
図9を参照して、バーナ位置決め板18の横方向両側の各端部には、横方向外方に突出して前方に屈曲する係合爪183が設けられている。また、燃焼筐1の各側板12の後端には、横方向外方に折り曲げられたフランジ部121が設けられている。フランジ部121には、係合爪183が後方から挿入可能な係合孔122が形成されている。
【0025】
燃焼装置の組立に際しては、燃焼筐1の後板13を取付ける前に、燃焼筐1の底板14上に複数のバーナ2をセットし、次に、バーナ位置決め板18を後方から組付ける。これにより、各位置決め爪182が後方から各バーナ2,2間の隙間に挿入されて、複数のバーナ2が横方向に位置決めされる。また、係合爪183を係合孔122に後方から挿入して、バーナ位置決め板18を燃焼筐1の両側板12,12の後端間に仮止めする。この状態で、燃焼筐1の後板13を燃焼筐1の両側板12,12の後端間に取付ける。具体的には、後板13の横方向両側の側端部が両側板12,12の後端のフランジ部121,121の後面に重なるように後板13をセットした後、フランジ部121,121をヘミング加工して、後板13を固定する。
【0026】
これによれば、バーナ位置決め板18の横方向両側の端部に、係合爪183を設けるだけで、従来例の如き燃焼筐1の前板11に達する大きな側板部を設ける必要がない。そのため、バーナ位置決め板18の単価を安くすることができる。また、バーナ位置決め板18の組付けに際しては、係合孔122に係合爪183を挿入するだけであり、従来例の如く側板部の前端を前板11に締結する必要がない。そのため、燃焼装置の組立工数を削減することもでき、バーナ位置決め板18の単価を安くできることと相俟って、コストダウンを図ることができる。
【0027】
また、係合爪183には、後方に向けて横方向外方に傾斜するように切起された切起し片183aが設けられている。そして、切起し片183aが係合孔122を潜り抜けてフランジ部121の係合孔122の横方向外方部分の前面に係合することにより、バーナ位置決め板18が抜け止めされるようにしている。これによれば、バーナ位置決め板18の組付け後に、バーナ位置決め板18を組付けた半製品を搬送しても、バーナ位置決め板18は脱落しない。そのため、バーナ位置決め板18の組付け工程と後板13の取付け工程とを別の場所で行うことができ、燃焼装置の組立の自動化が容易になる。
【0028】
更に、本実施形態では、係合爪183の前端が係合孔122に挿入されてからバーナ位置決め板18を更に前方に移動させたときに、バーナ2を横方向に位置決め可能な位置、即ち、位置決め爪183の幅広の本体部分の前端がバーナキャップ22の溝部27の後端に係合し始める位置に、位置決め爪183が到達するようにしている。これによれば、係合孔122への係合爪183の挿入により、燃焼筐1の側板12に対しバーナ位置決め板18を上下左右に位置決めした状態で位置決め爪183によるバーナ2の位置決めが行われることになる。従って、位置決め爪183がバーナキャップ22の溝部27から上下にずれて、溝部27に係合不能となるようなことはなく、バーナ2を確実に位置決めすることができる。
【0029】
また、本実施形態では、
図6に示す如く、係合孔122を、バーナ位置決め板18の横方向各側の端部から横方向外方に突出する係合爪183の基端部183bを受け入れられるように、フランジ部121の折り曲げ基部121aに亘って形成している。そして、係合孔122に係合爪183の基端部183bを受け入れさせることで、バーナ位置決め板18の後面とフランジ部121の後面とが面一になるようにしている。これによれば、後板13を、係合爪183の基端部183bの板厚分の隙間を生ずることなく、フランジ部121の後面に密着できる。そのため、フランジ部121の後面と後板13との間の隙間を閉塞する加工や部材が不要となり、コストダウンを図ることができる。
【0030】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記実施形態は、排気ファン8の吸引力で燃焼用空気が供給されるようにした燃焼装置に本発明を適用したものであるが、燃焼筐1の底板14の下にファンから空気が供給される給気室を設け、給気室から燃焼用空気が供給されるようにした燃焼装置にも同様に本発明を適用できる。
【符号の説明】
【0031】
1…燃焼筐、12…側板、121…フランジ部、121a…フランジ部の折り曲げ基端部、122…係合孔、13…後板、18…バーナ位置決め板、182…位置決め爪、183…係合爪、183a…切起し片、183b…係合爪の基端部、2…バーナ。