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  • 特開-エアゾールスプレー缶 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022134728
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】エアゾールスプレー缶
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/14 20060101AFI20220908BHJP
   B05B 9/04 20060101ALI20220908BHJP
   B05B 7/30 20060101ALI20220908BHJP
   B05D 1/02 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
B65D83/14 200
B05B9/04
B05B7/30
B05D1/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021034082
(22)【出願日】2021-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】305003542
【氏名又は名称】旭トステム外装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】石井 東
【テーマコード(参考)】
3E014
4D075
4F033
【Fターム(参考)】
3E014PA01
3E014PB01
3E014PC03
3E014PD01
3E014PD30
3E014PE30
3E014PF10
4D075AA02
4D075AA74
4D075DA27
4D075DB01
4D075DC02
4F033QA01
4F033QB02Y
4F033QB03X
4F033QB13Y
4F033QB18
4F033QD04
4F033QD18
4F033QE06
4F033QE19
4F033QF01X
4F033QF02Y
4F033RA02
4F033RC01
4F033RC24
(57)【要約】
【課題】補修後の補修痕が目立たず、かつ施工時の作業性を向上できる、金属サイディング材の補修用のエアゾールスプレー缶を提供すること。
【解決手段】金属サイディング材の補修に用いられる、エアゾールスプレー缶であり、噴射剤が貯留された気体容器と、塗料組成物が貯留された液体容器と、気体容器と液体容器とを、接続する接続部材と、を備え、接続部材は、螺合によって液体容器及び気体容器とを接続する。既存の液体容器のネジ部を利用して接続部材によって接続が行われる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴射剤が貯留された気体容器と、
塗料組成物が貯留された液体容器と、
前記気体容器と前記液体容器とを接続する接続部材と、を備え、
前記接続部材は、前記気体容器に形成される第1ネジ部と螺合可能な第2ネジ部を有し、前記第1ネジ部と前記第2ネジ部とを螺合させることで前記気体容器と接続され、
金属サイディング材の補修に用いられる、エアゾールスプレー缶。
【請求項2】
前記接続部材は、前記液体容器に形成される第3ネジ部と螺合可能な第4ネジ部を有し、前記第3ネジ部と前記第4ネジ部とを螺合させることで前記液体容器と接続される、請求項1に記載のエアゾールスプレー缶。
【請求項3】
前記接続部材は、合成樹脂により一体に成形される、請求項1又は2に記載のエアゾールスプレー缶。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載のエアゾールスプレー缶を用いて、前記塗料組成物を前記金属サイディング材にスプレー塗布するスプレー塗布工程を含む、金属サイディング材の補修方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアゾールスプレー缶に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の外壁に外装材として金属サイディングを取り付けることが行われている。金属サイディング材には、外的刺激によって傷が付く場合があり、補修が必要な場合がある。上記補修は、金属サイディング材の表面に補修用塗料を塗布することで行われる。上記補修は、例えば塗料を刷毛や筆等を用いて塗布することで行われている。上記刷毛や筆等を用いた補修以外に、サイディング表面の補修を行うための補修用治具に関する発明が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-235272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術は、補修塗料材を染み出させる染出部を治具本体の先端部から突出した状態で設け、染出部を補修すべき部分に押し付けることで塗装補修を行うものである。しかし、上記補修方法は、補修痕が目立ち易く、補修後の自然な仕上り外観が得られない問題があった。更に、専用の治具に補修塗料材を充填する手間がかかる問題があった。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであり、補修後の補修痕が目立たず、かつ施工時の作業性を向上できる、金属サイディング材の補修用のエアゾールスプレー缶を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
噴射剤が貯留された気体容器と、塗料組成物が貯留された液体容器と、前記気体容器と前記液体容器とを接続する接続部材と、を備え、前記接続部材は、前記気体容器に形成される第1ネジ部と螺合可能な第2ネジ部を有し、前記第1ネジ部と前記第2ネジ部とを螺合させることで前記気体容器と接続され、金属サイディング材の補修に用いられる、エアゾールスプレー缶。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係るエアゾールスプレー缶を示す正面図である。
図2】本実施形態に係るエアゾールスプレー缶を示す分解図である。
図3】本実施形態に係るエアゾールスプレー缶の拡大縦断面図である。
図4】本実施形態のエアゾールスプレー缶で補修したサイディングの写真である。
図5】従来の筆塗りによる方法で補修したサイディングの写真である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<エアゾールスプレー缶>
本実施形態に係るエアゾールスプレー缶1は、金属サイディング材の補修に用いられる。上記金属サイディング材は、例えば建物の外壁用の外装材として用いられる。上記エアゾールスプレー缶1は、図1に示すように、噴射剤が貯留された気体容器20と、金属サイディング材補修用の塗料組成物が貯留された液体容器30と、気体容器20と液体容器30とを接続する接続部材10と、を有する。
【0009】
(気体容器)
気体容器20は、噴射剤が充填された、例えば金属製のボンベ21と、ボンベ21に装着されるホルダー22と、を有する。
【0010】
ボンベ21に貯留された噴射剤としては特に限定されず、エアゾール製品に利用されている公知の各種噴射剤が使用できる。噴射剤として、例えば、液化ガス、圧縮ガス等を用いることができる。上記液化ガスとしては、例えば、各種の液化石油ガス、ジメチルエーテル及びこれらを混合した液化ガスが挙げられる。上記圧縮ガスとしては、例えば、窒素ガス、炭酸ガス等の圧縮ガスが挙げられる。ボンベ21に貯留された噴射剤は、ボンベ21の頂部に設けられたステム(図示せず)を押下げる操作によってボンベ21の外部に噴出可能である。
【0011】
ホルダー22は、押込みボタン221と、ヘッド部222と、を有する。ホルダー22は、例えば合成樹脂等により一体に成形される。ホルダー22は、例えば篏合等の方式によって、ボンベ21の上部に装着される。
【0012】
押込みボタン221は、ボンベ21の頂部に設けられたステムに装着される。押込みボタン221の内部には、上記ステム及び後述する噴射口223に連通する流路が設けられる。押込みボタン221を押し込む操作を行うことでステムが押下げられる。これにより、ボンベ21に貯留された噴射剤が、押込みボタン221の内部に設けられた流路を介し噴射口223から噴射される。
【0013】
ヘッド部222は、図1及び図2に示すように、噴射口223と、ノズル224と、を有する。ヘッド部222は、図3に示すように、接続部材10の一部を挿入可能な、下方に向けて開口する円状の開口部を有する。上記開口部の内周面には、接続部材10と螺合可能な第1ネジ部としての雌ネジ部226が形成される。上記開口部は、図3に示すように、ノズル224と連通している。
【0014】
噴射口223から、ボンベ21に貯留された噴射剤が、図3で矢印で示す方向に噴射される。ノズル224から、液体容器30に貯留された塗料組成物が吐出される。ノズル224には、図2及び図3に示すように、チューブ225が接続される。チューブ225は、内部に塗料組成物が流通可能な流路を有する筒状部材である。チューブ225を介し、ノズル224に塗料組成物が供給される。チューブ225の先端部は、液体容器30に貯留された塗料組成物中に挿入される。チューブ225は、ノズル224に対して着脱可能であってもよい。
【0015】
(液体容器)
液体容器30は、金属サイディング補修用の塗料組成物を貯留する容器である。上記塗料組成物としては特に限定されず、例えば、顔料、樹脂、溶剤等を含む既存の塗料組成物を、補修対象である金属サイディング材の色彩に応じて選定して用いることができる。上記塗料組成物は、スプレー塗布に適した粘度に適宜調製することができる。
【0016】
液体容器30は、接続部材10を介して気体容器20と着脱可能に構成される。上記液体容器30としては、上記塗料組成物の貯留に用いられる既存の容器を転用することができる。液体容器30は、例えば円筒状の容器本体を有し、図2及び図3に示すように、容器本体の頂部に雄ネジ部31が形成されている。液体容器30の内部に上記塗料組成物を充填した後、上記雄ネジ部31に対し、蓋部Cの内部に形成された雌ネジ部(図示せず)を螺合させる。これにより、上記塗料組成物が液体容器30の内部に封入される。上記雄ネジ部31は、第3ネジ部として接続部材10との接続に利用される。
【0017】
(接続部材)
接続部材10は、気体容器20と、液体容器30とを接続する部材である。接続部材10は、図2及び図3に示すように、略円筒形状を有する。上記円筒形状は、気体容器20と液体容器30の径に応じて、両端部で径の大きさが異なっていてもよい。接続部材10は、図2及び図3に示すように、チューブ225を挿通可能な空間を内部に有している。
【0018】
接続部材10の一端側の外周面には、第2ネジ部としての雄ネジ部11が形成される。雄ネジ部11は、気体容器20のヘッド部222の内面に形成される雌ネジ部226と螺合可能である。接続部材10の他端側の内周面には、第4ネジ部としての雌ネジ部12が形成される。雌ネジ部12は、液体容器30の頂部に形成される雄ネジ部31と螺合可能である。これにより、接続部材10は、液体容器30の蓋部Cとの螺合に用いられる雄ネジ部31を利用して、液体容器30を接続できる。このため、例えば専用の容器に塗料組成物を移し替える等の手間を要しないため、施工時の作業性を向上できる。
【0019】
接続部材10は、例えば合成樹脂等によって一体に成形される。従って、液体容器30の頂部に形成される雄ネジ部の径の大きさに応じて、雌ネジ部12が形成される内周面の径の大きさを調整可能である。これにより、接続部材10は、径の大きさが異なる複数の液体容器30と接続可能である。例えば、既存の液体容器30の径の大きさに応じて、上記内周面の径の大きさが異なる複数の接続部材10を用意しておくことで、径の大きさが異なる複数の液体容器30を、気体容器20と接続できる。
【0020】
接続部材10を用いて、気体容器20と液体容器30とを接続する手順について、図2を用いて説明する。まず、気体容器20と接続部材10とを接続する手順について説明する。気体容器20のノズル224に対し、チューブ225を連結する。次に、接続部材10の一端側からチューブ225を接続部材10の内部に挿通させる。次に、ヘッド部222の開口部に接続部材10の一端側を挿入する。次に、接続部材10の雄ネジ部11と開口部の内面に形成された雌ネジ部226とを螺合させて固定する。この状態では、接続部材10の他端側からチューブ225が突出している。
【0021】
次に、接続部材10が接続された気体容器20に対して、液体容器30を接続する手順について説明する。まず、液体容器30の蓋部Cを取外す。次に、液体容器30の中に貯留された塗料組成物の中にチューブ225の先端部が没入するように、チューブ225を液体容器30の内部に挿入する。次に、接続部材10の雌ネジ部12と、液体容器30の雄ネジ部31とを螺合させて固定する。上記手順によって、図3に示すように、気体容器20と液体容器30とが、接続部材10によって接続される。このように、接続部材10を用いて気体容器20と液体容器30とを螺合によって接続することで、確実に気体容器20と液体容器30とを接続できる。従って、液体容器30の重量が重い場合や、塗料組成物の粘度が低い場合であっても、液体容器30の外れや塗料組成物の漏れを防止できる。
【0022】
<金属サイディング材の補修方法>
本実施形態に係る金属サイディング材の補修方法は、上記エアゾールスプレー缶1を用いて、補修対象である金属サイディング材に対して塗料組成物をスプレー塗布するスプレー塗布工程を含む。これにより、従来行われていた筆塗りによる補修方法と比較して、均一に金属サイディング材の補修箇所に塗料組成物を塗布することができるため、補修後の補修痕が目立たず、好ましい仕上り外観を得ることができる。
【0023】
本実施形態に係るエアゾールスプレー缶1を用いたスプレー塗布の方法について以下に説明する。エアゾールスプレー缶1の使用者(以下、「使用者」と記載する)は、補修対象の金属サイディング材の色彩に応じた塗料組成物が貯留された液体容器30を選定し、接続部材10を用いて上記手順によって気体容器20と接続する。次に、使用者は、スプレー塗布工程において、エアゾールスプレー缶1の噴射口223を補修箇所に向け、押込みボタン221を押し込む操作を行う。これにより、液体容器30に貯留された塗料組成物が、均一に補修箇所に対してスプレー塗布される。
【0024】
使用者が押込みボタン221を押し込む操作を行うと、噴射口223から、図3に矢印で示す方向に噴射剤が噴射される。これにより、噴射剤の噴射気流によって負圧が発生する。この負圧によって、チューブ225内に吸引力が発生し、液体容器30に貯留された塗料組成物がチューブ225を通して吸い上げられる。吸い上げられた塗料組成物は、ノズル224から吐出され、噴射口223から噴射される噴射剤に同伴して図3の矢印方向に向けて噴射される。これにより、塗料組成物は均一に金属サイディング材の補修箇所に対してスプレー塗布される。
【0025】
図5は、従来の筆塗りによる補修方法で補修した金属サイディング材を撮影した写真である。図5に示すように、従来の筆塗りによる補修方法は、筆塗りを行った箇所に補修痕が形成され、上記補修痕は他の箇所と比較して明らかに目立つものであった。これに対し、図4は、本実施形態に係るエアゾールスプレー缶1を用いて、塗料組成物をスプレー塗布する方法によって補修した金属サイディング材を撮影した写真である。図4に示すように、本実施形態に係るエアゾールスプレー缶1を用いた補修方法で補修した金属サイディング材は、他の箇所と区別が付かない程度に補修痕が目立たないものであった。
【0026】
以上、本開示の好ましい実施形態について説明した。本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、変形、改良等は本開示に含まれる。
【0027】
上記実施形態では、ヘッド部222に開口部が形成され、開口部の内面に形成される雌ネジ部226に対して接続部材10の雄ネジ部11を螺合させるものとして説明した。上記に限定されない。ヘッド部222に雄ネジ部が形成され、接続部材10に該雄ネジ部と螺合可能な雌ネジ部が形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0028】
1 エアゾールスプレー缶、10 接続部材、20 気体容器、30 液体容器、226 雌ネジ部(第1ネジ部)、11 雄ネジ部(第2ネジ部)、31 雄ネジ部(第3ネジ部)、12 雌ネジ部(第4ネジ部)
図1
図2
図3
図4
図5