(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022134735
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】除菌浄化装置
(51)【国際特許分類】
A61L 9/00 20060101AFI20220908BHJP
A61L 9/20 20060101ALI20220908BHJP
D03D 1/00 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
A61L9/00 C
A61L9/20
D03D1/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021034090
(22)【出願日】2021-03-04
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100157901
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】津崎 修
【テーマコード(参考)】
4C180
4L048
【Fターム(参考)】
4C180AA02
4C180AA07
4C180AA16
4C180BB06
4C180BB08
4C180BB09
4C180CC03
4C180CC17
4C180DD03
4C180DD04
4C180DD09
4C180EA06X
4C180EA07X
4C180EA08X
4C180EA16X
4C180EA33X
4C180EA34X
4C180HH05
4C180HH15
4C180HH19
4L048AA04
4L048BA06
(57)【要約】
【課題】ガスの浄化、および、細菌やウィルスなどの効果的な除菌や不活性化を行うことができる除菌浄化装置を提供することである。
【解決手段】実施形態に係る除菌浄化装置は、シートと、前記シートに坦持された複数の光触媒と、を有する光触媒フィルタと;前記光触媒フィルタと対向し、第1の発光素子と、第2の発光素子と、を有する光源と;を具備している。前記第1の発光素子は、ピーク波長が315nm以上、400nm以下の紫外光を照射する。前記第2の発光素子は、ピーク波長が280nm以下の紫外光を照射する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートと、前記シートに坦持された複数の光触媒と、を有する光触媒フィルタと;
前記光触媒フィルタと対向し、第1の発光素子と、第2の発光素子と、を有する光源と;
を具備し、
前記第1の発光素子は、ピーク波長が315nm以上、400nm以下の紫外光を照射し、
前記第2の発光素子は、ピーク波長が280nm以下の紫外光を照射する除菌浄化装置。
【請求項2】
処理の対象となるガスは、前記光触媒フィルタ側から、前記光触媒フィルタと対向する前記光源側に向けて流れる請求項1記載の除菌浄化装置。
【請求項3】
前記光触媒フィルタと対向し、前記光源側とは反対側に設けられたフィルタをさらに備えた請求項1または2に記載の除菌浄化装置。
【請求項4】
前記光触媒フィルタ側から、前記光触媒フィルタと対向する前記光源側に向けて流れる前記ガスの流れを形成するファンをさらに備えた請求項2記載の除菌浄化装置。
【請求項5】
前記ファンは、前記光源の、前記光触媒フィルタ側とは反対側に設けられている請求項4記載の除菌浄化装置。
【請求項6】
前記シートは、複数の線状体を含む織物であり、
前記複数の線状体は、金属を含む請求項1~5のいずれか1つに記載の除菌浄化装置。
【請求項7】
前記シートのメッシュ数は、500以下である請求項1~6のいずれか1つに記載の除菌浄化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、除菌浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
健康意識の高まりを反映して、電車や自動車などの車内、冷蔵庫内、居住空間などの所謂、閉鎖空間におけるガスの浄化(例えば、空気の浄化)の要望が高まっている。例えば、食物から発生するアンモニアやエチレンの除去、タバコ煙に含まれるアセトアルデヒドなどのVOC(Volatile Organic Compounds;揮発性有機化合物)の除去、脱臭などの要求が高まっている。
そのため、複数の発光ダイオードを有する光源と、光触媒が坦持された光触媒フィルタとを備えた光触媒装置が提案されている。
【0003】
ここで、一般的には、光触媒フィルタには、いわゆる紫外光応答型の光触媒が用いられる。そのため、光源には、紫外光を照射する発光ダイオードが用いられる。紫外光には殺菌作用があるので、紫外光を照射する発光ダイオードを備えた光触媒装置とすれば、光触媒作用により生成された活性酸素種などによりガスの浄化を行うことができ、且つ、生成された活性酸素種などと、紫外光とにより、細菌やウィルスをある程度除菌したり、不活性化したりすることができる。
【0004】
しかしながら、近年においては、細菌やウィルスなどの除菌や不活性化をより効果的に行うことが求められている。この場合、脱臭などのガスの浄化を行う光触媒装置と、細菌やウィルスなどの除菌や不活性化を行う殺菌装置とを設けることもできるが、この様にすると、装置の大型化、高コスト化、設置スペースの増大などを招くことになる。
そこで、ガスの浄化、および、細菌やウィルスなどの効果的な除菌や不活性化を行うことができる技術の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-218073号公報
【特許文献2】実用新案登録第3228240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、ガスの浄化、および、細菌やウィルスなどの効果的な除菌や不活性化を行うことができる除菌浄化装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る除菌浄化装置は、シートと、前記シートに坦持された複数の光触媒と、を有する光触媒フィルタと;前記光触媒フィルタと対向し、第1の発光素子と、第2の発光素子と、を有する光源と;を具備している。前記第1の発光素子は、ピーク波長が315nm以上、400nm以下の紫外光を照射する。前記第2の発光素子は、ピーク波長が280nm以下の紫外光を照射する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によれば、ガスの浄化、および、細菌やウィルスなどの効果的な除菌や不活性化を行うことができる除菌浄化装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施の形態に係る除菌浄化装置を例示するための模式分解図である。
【
図2】
図1における除菌浄化装置のA-A線方向の模式断面図である。
【
図3】(a)、(b)は、他の実施形態に係る除菌浄化装置を例示するための模式断面図である。
【
図4】(a)、(b)は、比較例に係る除菌浄化装置を例示するための模式断面図である。
【
図5】閉鎖空間における浮遊菌の除菌効果を例示するためのグラフである。
【
図6】光源と光触媒フィルタの配置の効果について例示するためのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本実施の形態に係る除菌浄化装置1を例示するための模式分解図である。
図2は、
図1における除菌浄化装置1のA-A線方向の模式断面図である。
図1および
図2に示すように、除菌浄化装置1は、例えば、フレーム2、蓋3、光源4、および光触媒フィルタ5を有する。
【0011】
フレーム2は、箱状を呈している。ガスGの流入側から見た場合に、フレーム2の輪郭は、
図1に例示をしたように略四角形とすることができる。この場合、フレーム2の輪郭は、例えば、略多角形とすることもできる。ただし、後述する光源4および光触媒フィルタ5の着脱やスペース効率を考慮すると、フレーム2の輪郭は、略四角形とすることが好ましい。
【0012】
フレーム2の、一方の端部2aは開口している。フレーム2の、端部2aに対向する端部2bは塞がっている。フレーム2の、一方の側面2cには孔2c1が設けられている。フレーム2の、側面2cに対向する側面2dには孔2d1が設けられている。
【0013】
側面2cの孔2c1、および側面2dの孔2d1は、処理の対象となるガスGの流入口または流出口となる。この場合、
図2に示すように、例えば、側面2cの孔2c1をガスGの流入口、側面2dの孔2d1をガスGの流出口とすることができる。なお、側面2cの孔2c1をガスGの流出口、側面2dの孔2d1をガスGの流入口としてもよい。すなわち、ガスGの流れ方向には特に限定がない。
【0014】
ガスGは、例えば、空気を主成分とし、処理の対象となる物質、細菌、ウィルスなどを含む気体とすることができる。なお、処理の対象となる物質は、光触媒作用により浄化可能なものであればよい。処理の対象となる物質は、例えば、アンモニア、エチレン、アセトアルデヒドなどのVOCなどとすることができる。
【0015】
また、フレーム2の、側面2cおよび側面2dの少なくともいずれかにはフィルタや格子などを設けることもできる。フィルタが設けられていれば、フレーム2の内部にゴミなどが吸引されるのを抑制することができる。そのため、ゴミなどが光触媒や発光素子に付着して光触媒作用が低下するのを抑制することができる。格子が設けられていれば、指や異物がフレーム2の内部に侵入するのを抑制することができる。
【0016】
フレーム2の、側面2cに交差する側面2eには複数の溝2e1が設けられている。フレーム2の、側面2eに対向する側面2fには複数の溝2f1が設けられている。複数の溝2e1および複数の溝2f1は、フレーム2の内部に開口している。複数の溝2e1および複数の溝2f1は、フレーム2の側面2cと側面2dとの間に並べて設けられている。複数の溝2e1および複数の溝2f1は、フレーム2の端部2aと端部2bとの間を延びている。
【0017】
溝2e1は、対向する溝2f1と略平行に設けられている。互いに対向する一対の溝2e1、2f1は、いわゆるスロットとなる。光源4および光触媒フィルタ5のそれぞれは、一対の溝2e1、2f1(スロット)に挿入される。一対の溝2e1、2f1に挿入された光触媒フィルタ5は、他の一対の溝2e1、2f1に挿入された光源4と略平行となる。そのため、光源4から照射された光を光触媒フィルタ5に効率よく入射させることができる。
【0018】
光源4および光触媒フィルタ5のそれぞれが挿入される一対の溝2e1、2f1が設けられていれば、光源4および光触媒フィルタ5を、フレーム2の内部に抜き差し自在に設けることができる。そのため、メンテナンス性の向上を図ることができる。
【0019】
フレーム2の材料には、特に限定はない。ただし、フレーム2の材料を熱可塑性樹脂とすれば、射出成形法を用いてフレーム2を形成することができる。そのため、製造コストの低減を図ることができる。
【0020】
例えば、フレーム2の材料は、ABS樹脂(アクリルニトリルーブタジエンースチレン共重合合成樹脂)とすることができる。フレーム2の材料が、ABS樹脂であれば、成形性の向上と低コスト化を図ることができる。この場合、フレーム2の材料を強化ABS樹脂とすれば、フレーム2の強度を向上させることができる。なお、強化ABS樹脂は、ABS樹脂にガラス繊維などを混合させたものである。
【0021】
また、フレーム2の材料は、例えば、ポリプロピレン樹脂やアクリル樹脂(ポリメタクリル酸メチル樹脂)などであってもよい。この場合、フレーム2の材料が、アクリル樹脂であれば、光源4から照射された紫外光に対する耐性と、ガスGに含まれるVOCに対する耐性が向上する。また、アクリル樹脂の重合度を10000~15000程度とすれば、発臭を抑制することができる。
【0022】
また、フレーム2の材料は、金属とすることもできる。フレーム2の材料を金属とすれば、除菌浄化装置1の剛性を高めることができる。金属は、例えば、鉄、ステンレス、アルミニウム合金などとすることができる。
【0023】
蓋3は、フレーム2の端部2aに設けられている。蓋3は、端部2aに設けられた開口を覆ってる。蓋3が設けられていれば、フレーム2の内部に設けられた光源4および光触媒フィルタ5が、脱離するのを抑制することができる。また、フレーム2の内部にゴミなどが侵入するのを抑制することができる。蓋3は、ネジなどを用いてフレーム2に取り付けることができる。また、蓋3にフックなどを設け、フレーム2に設けられた凹部や凸部にフックを保持させるようにしてもよい。蓋3がフレーム2に着脱自在に設けられていれば、メンテナンス性の向上を図ることができる。蓋3の材料には特に限定がない。例えば、蓋3の材料は、フレーム2の材料と同じとすることができる。
【0024】
光源4は、少なくとも1つ設けることができる。光源4は、フレーム2の内部に設けられる。光源4は、光触媒フィルタ5と対向している。ガスGの流れ方向において、光源4は、光触媒フィルタ5の上流側に設けられていてもよいし、下流側に設けられていてもよいし、両側に設けられていてもよい。
【0025】
光源4は、例えば、基板4a、発光素子4b(第1の発光素子の一例に相当する)、および発光素子4c(第2の発光素子の一例に相当する)を有する。
基板4aは、板状を呈している。基板4aはガスGの流路に設けられる。そのため、基板4aが設けられていると、ガスGの流通が妨げられるおそれがある。この場合、厚み方向を貫通する複数の孔を基板4aに設けることができる。しかしながら、孔の大きさが小さければ圧力損失が大きくなるのでガスGの流通が妨げられる。孔の大きさを大きくすると、発光素子4b、4cと配線パターンの配置や数などに制約が生じる。
【0026】
そこで、
図1に示すように、基板4aの幅寸法W1は、光触媒フィルタ5の幅寸法W2よりも小さくしている。なお、幅寸法は、一対の溝2e1、2f1(スロット)が延びる方向における寸法である。この様にすれば、適切なガスGの流通を確保することができるとともに、発光素子4b、4cと配線パターンの配置や数などに制約が生じるのを抑制することができる。
本発明者の得た知見によれば、「W1(mm)/W2(mm)」が、0.5より小さければ、適切なガスGの流通を確保するのが容易となる。
【0027】
基板4aの材料や構造には特に限定はない。例えば、基板4aは、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどの無機材料(セラミックス)、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料などから形成することができる。また、基板4aは、金属板の表面を絶縁材料で被覆したメタルコア基板などであってもよい。
【0028】
発光素子4b、4cの発熱量が多い場合には、放熱性の観点から熱伝導率の高い材料を用いて基板4aを形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料としては、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、高熱伝導性樹脂、メタルコア基板などを例示することができる。高熱伝導性樹脂は、例えば、PET(Polyethylene terephthalate)やナイロン等の樹脂に、酸化アルミニウムや炭素(カーボン)などからなるフィラーを混合させたものである。
また、基板4aは、単層構造を有するものであってもよいし、多層構造を有するものであってもよい。
【0029】
発光素子4bは、基板4aの、光触媒フィルタ5と対向する側の面に設けることができる。光触媒フィルタ5が光源4の一方の側に設けられている場合には、発光素子4bは、基板4aの一方の面に設けることができる。光触媒フィルタ5が光源4の両側に設けられている場合には、発光素子4bは、基板4aの両側の面に設けることができる。
【0030】
発光素子4bは、例えば、基板4aの面に設けられた配線パターンと電気的に接続される。発光素子4bの形式には特に限定はない。発光素子4bは、例えば、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)型などの表面実装型の発光素子とすることができる。発光素子4bは、例えば、砲弾型などのリード線を有する発光素子とすることもできる。
【0031】
また、発光素子4bは、COB(Chip On Board)により実装されるものとしてもよい。COBにより実装される発光素子4bとする場合には、チップ状の発光素子と、発光素子と配線パターンを電気的に接続する配線と、チップ状の発光素子と配線を覆う封止部などと、を基板4aの上に設けることができる。
【0032】
発光素子4bは、少なくとも1つ設けることができる。ただし、複数の発光素子4bが設けられていれば、光触媒フィルタ5の広い領域に光を照射することができる。複数の発光素子4bは、直列接続することができる。複数の発光素子4bの配置には特に限定はないが、基板4aの面にほぼ均等に設けることが好ましい。複数の発光素子4bが、基板4aの面にほぼ均等に設けられていれば、光触媒フィルタ5の表面に均等に光を照射するのが容易となる。
【0033】
ここで、光触媒5bの反応の速度は、光触媒5bの吸収波長領域と光強度(光量)によって変化する。そのため、複数の発光素子4bの配置や数は、1つの発光素子4bが照射する光の光量と、光触媒5bを坦持しているシート5aの面積と、発光素子4bの発光面とシート5aとの間の距離と、に基づいて決定することができる。
例えば、光源4に最も近い光触媒フィルタ5(シート5a)の、全面積の60%以上で、光照射強度が1mW/cm2以上となるように、複数の発光素子4bの配置や数などを設定することが好ましい。
【0034】
発光素子4bは、光触媒5bが坦持されたシート5aに向けて所定の波長を有する光を照射する。この場合、光触媒5bの材料や組成が変われば、光触媒5bの吸収波長領域が変化する。そのため、光触媒5bの吸収波長領域に応じて、適切な波長の光を照射する発光素子4bを選択する。
【0035】
例えば、光触媒5bが、酸化チタンなどを含む紫外光応答型の光触媒であれば、発光素子4bは、ピーク波長が、例えば、315nm以上、400nm以下の紫外光を照射する発光ダイオードやレーザダイオードなどとすることができる。
また、光触媒5bが、酸化タングステンなどの可視光応答型の光触媒であれば、発光素子4bは、ピーク波長が、例えば、405nm以上、600nm以下の可視光を照射する発光ダイオード、レーザダイオード、有機発光ダイオードなどとすることができる。
この場合、発光素子4bはピーク波長が同じものを複数設けることもできるし、ピーク波長が異なるものを複数種類設けることもできる。
【0036】
発光素子4cは、基板4aの、発光素子4bが設けられる面に設けることができる。
前述した発光素子4bと同様に、発光素子4cは、PLCC型などの表面実装型の発光素子、砲弾型などのリード線を有する発光素子、COBにより実装されるチップ状の発光素子のいずれであってもよい。
【0037】
発光素子4cは、少なくとも1つ設けることができる。ただし、複数の発光素子4cが設けられていれば、光触媒フィルタ5の広い領域に紫外光を照射することができる。
発光素子4cは、例えば、基板4aの面に設けられた配線パターンと電気的に接続される。この場合、例えば、発光素子4cと発光素子4bとを直列接続することもできるし、発光素子4cと発光素子4bとを並列接続することもできる。また、例えば、複数の発光素子4cと複数の発光素子4bとを直列接続することもできるし、複数の発光素子4cと複数の発光素子4bとを並列接続することもできる。
【0038】
複数の発光素子4cの配置には特に限定はないが、基板4aの面にほぼ均等に設けることが好ましい。複数の発光素子4cが、基板4aの面にほぼ均等に設けられていれば、光触媒フィルタ5の表面に均等に光を照射するのが容易となる。例えば、発光素子4cと発光素子4bとを交互に設けたり、複数の発光素子4cからなる列と、複数の発光素子4bからなる列とを基板4aの面の幅方向に並べて設けることができる。なお、
図1に例示をした光源4の場合には、1つの発光素子4cが基板4aの略中央に設けられ、発光素子4cを挟んで2つの発光素子4cが設けられている。
【0039】
発光素子4cの数は、発光素子4bの数と同じとすることもできるし、異なるものとすることもできる。
例えば、前述した発光素子4bと同様に、光源4に最も近い光触媒フィルタ5(シート5a)の、全面積の60%以上で、光照射強度が1mW/cm2以上となるように、複数の発光素子4cの配置や数などを設定することができる。
【0040】
ここで、ガスGが、フレーム2の内部を流れた際に、ガスGに含まれていた細菌やウィルスなどが光触媒フィルタ5(シート5a)の表面に付着する場合がある。紫外光には殺菌作用があるので、発光素子4bから、例えば、ピーク波長が315nm以上、400nm以下の紫外光が照射されれば、細菌やウィルスをある程度除菌したり、不活性化したりすることができる。
【0041】
しかしながら、近年においては、閉鎖空間におけるガスの浄化とともに、細菌やウィルスなどの効果的な除菌や不活性化を行うことが求められている。この場合、紫外光のピーク波長が短くなれば殺菌作用が強くなる。
そこで、発光素子4cは、発光素子4bから照射される紫外光よりもピーク波長が短い紫外光を照射するものとしている。
【0042】
例えば、発光素子4cは、ピーク波長が280nm以下の紫外光を照射する発光ダイオードやレーザダイオードなどとすることができる。この場合、ピーク波長が短くなるほど殺菌作用が強くなるが、発光素子4cの価格が高くなる。そのため、発光素子4cは、ピーク波長が270nm以上、280nm以下の紫外光を照射する発光ダイオードやレーザダイオードなどとすることが好ましい。
【0043】
この様な発光素子4cが設けられていれば、発光素子4bから照射される紫外光よりも殺菌作用の強い紫外光を光触媒フィルタ5(シート5a)の表面に照射することができるので、細菌やウィルスなどの効果的な除菌や不活性化を行うことができる。また、フレーム2の内部を流れるガスGに含まれている細菌やウィルスなどの効果的な除菌や不活性化も可能となる。
なお、発光素子4cの効果に関する詳細は後述する。
【0044】
光触媒フィルタ5は、例えば、シート5a、および、複数の光触媒5bを有する。
シート5aは、例えば、複数の線状体を織り込んだものである。すなわち、シート5aは、複数の線状体を含む織物である。
ここで、一般的には、光触媒を坦持するシートは、複数のガラス繊維を用いて形成される。複数のガラス繊維から形成されたシートは剛性が低いので、シートの周縁を保持する枠状部材が必要となる。また、近年においては、処理能力の向上が求められており、シートを透過するガスGの流量や流速が増加する傾向にある。
【0045】
そのため、シートの中央領域の変形を抑制するために、枠状部材に桟などが設けられる場合がある。枠状部材や桟などが設けられると、発光素子4b、4cから照射された光が入射せず、ガスGも流通することができない領域が生じるので、処理能力の向上を図れなくなる。
【0046】
そこで、本実施の形態に係るシート5aは、金属を含む複数の線状体から形成されている。線状体の材料は、例えば、ステンレス、ニッケル、モネル、リン青銅、チタン、銅、銅合金、銀、銀合金などである。
線状体の線径(太さ)は、例えば、0.016mm以上、2.0mm以下とすることができる。
【0047】
この様な線状体を用いてシート5aを形成すれば、シート5aの剛性を高めることができるので、シート5aを透過するガスGの流量や流速を増加させることができる。また、補強のための枠状部材や桟などを設ける必要もない。そのため、除菌浄化装置1の処理能力の向上を図ることができる。
【0048】
ここで、線状体が金属を含んでいると、線状体の表面に付着したウィルスなどの感染力がある程度の間維持される。しかしながら、前述したように、発光素子4cから照射される紫外光は、殺菌作用が強いので、線状体の表面に付着したウィルスなどの除菌や不活性化を容易に行うことができる。
また、線状体の材料が、銅や銅合金などの銅イオンを発生させる金属であれば、銅イオンにより、線状体の表面に付着したウィルスなどの除菌や不活性化を行うこともできる。
線状体の材料が、銀や銀合金などの銀イオンを発生させる金属であれば、銀イオンにより、線状体の表面に付着したウィルスなどの除菌や不活性化を行うこともできる。
【0049】
複数の線状体を織り込むと、隣接する線状体により画された領域に隙間が生ずる。すなわち、シート5aには、厚み方向を貫通する複数の隙間が設けられる。厚み方向を貫通する複数の隙間が設けられていれば、複数の隙間がガスGの流路となる。
【0050】
複数の線状体の織り方には特に限定はない。この場合、綾畳折とすれば、シート5aの厚み方向に曲がりくねった隙間が形成される。綾畳折とすれば、シート5aの剛性を向上させることができ、圧力損失も低減させることができる。平畳折とすれば、シート5aの剛性を向上させることができ、圧力損失も低減させることができる。
【0051】
ここで、1インチ(25.4mm)の間にある隙間の数、すなわち、メッシュ数が大きくなると、断面積の小さな隙間が設けられることになる。隙間の断面積が小さくなると、隙間を流通するガスGの圧力損失が大きくなる。この場合、圧力損失が50Paを越えると、シート5aを通り抜けるガスGの流量が少なくなり、所望の処理能力が得られなくなるおそれがある。本発明者の得た知見によれば、メッシュ数を500以下にすれば、圧力損失を50Pa以下とすることができる。そのため、メッシュ数は、500以下とすることが好ましい。
【0052】
複数の光触媒5bは、シート5aに坦持されている。複数の光触媒5bは、例えば、粒状体である。光触媒5bの種類は、除菌浄化装置1の用途や、ガスGに含まれる物質などに応じて適宜選択することができる。例えば、光触媒5bは、紫外光応答型の光触媒や可視光応答型の光触媒などとすることができる。紫外光応答型の光触媒は、例えば、酸化チタンなどを含んでいる。可視光応答型の光触媒は、例えば、酸化タングステン、窒素などをドープした酸化チタン、異種金属をイオン注入した酸化チタンなどを含んでいる。
【0053】
この場合、前述したように、光触媒5bが紫外光応答型の光触媒であれば、発光素子4bを、紫外光を照射する発光素子とすることができる。発光素子4bから照射される紫外光の波長は、発光素子4cから照射される紫外光の波長よりも長いので、発光素子4bから照射される紫外光に比べて殺菌作用が弱くなる。しかしながら、発光素子4bから紫外光が照射されれば、発光素子4cから照射される紫外光による殺菌作用を増強することができる。
【0054】
そのため、光触媒5bを、酸化チタンなどの紫外光応答型の光触媒とし、発光素子4bを、紫外光を照射する発光ダイオードやレーザダイオードなどとすることが好ましい。
【0055】
光触媒フィルタ5は、少なくとも1つ設けることができる。複数の光触媒フィルタ5を設ける場合には、複数の光触媒フィルタ5を、フレーム2の側面2cと側面2dの間に並べて設けることができる。光触媒フィルタ5は、光源4と並べて設けることができる。光触媒フィルタ5は、基板4aの発光素子4b、4cが設けられる側に、光源4と並べて設けることができる。
【0056】
光触媒フィルタ5の数には特に限定はない。光触媒フィルタ5の数は、ガスGの流量、ガスGに含まれている物質の量、光源4から照射される光の光強度(光量)などに応じて適宜変更することができる。この場合、光触媒フィルタ5の数は、光源4の数と同じとすることもできるし、光源4の数よりも多くすることもできる。
【0057】
ここで、基板4aの両側の面に発光素子4b、4cを設ければ、光触媒フィルタ5と光触媒フィルタ5との間に光源4を設けることができる。光源4と光触媒フィルタ5との間の距離が長くなるほど、または、光源4と光触媒フィルタ5との間に設けられる他の光触媒フィルタ5の数が多くなるほど、光触媒反応の速度が遅くなったり、除菌効果などが低くなったりする。基板4aの両側の面に発光素子4b、4cを設ければ、光触媒フィルタ5と光触媒フィルタ5との間に光源4を設けることができるので、光源4と、光源4から最も遠い光触媒フィルタ5との間の距離を短くすることができる。また、光源4と光触媒フィルタ5との間に設けられる他の光触媒フィルタ5の数を少なくすることができる。そのため、光触媒反応の速度を速くすることができ、且つ、除菌効果などを向上させることができる。
【0058】
光触媒フィルタ5は、例えば、以下のようにして形成することができる。
まず、複数の線状体を織り込んでシート5aを形成する。
次に、エマルジョン溶液を生成する。
例えば、純水に燐酸などを加えて、pH(水素イオン濃度)を2~7に調整した水溶液を生成する。
続いて、水溶液に、複数の光触媒5bを加える。
以上の様にして、エマルジョン溶液を生成することができる。
【0059】
次に、シート5aをエマルジョン溶液に10分間程度浸漬させる。
次に、エマルジョン溶液からシート5aを引き上げて乾燥させる。
乾燥は、加熱乾燥とすることができる。
以上の様にして、光触媒フィルタ5を形成することができる。
【0060】
図3(a)、(b)は、他の実施形態に係る除菌浄化装置1aを例示するための模式断面図である。
なお、
図3(b)は、
図3(a)における除菌浄化装置1aのB-B線方向の模式断面図である。
図4(a)、(b)は、比較例に係る除菌浄化装置100を例示するための模式断面図である。
なお、
図4(b)は、
図4(a)における除菌浄化装置100のC-C線方向の模式断面図である。
【0061】
まず、比較例に係る除菌浄化装置100について説明する。
図4(a)、(b)に示すように、除菌浄化装置100は、フレーム2、蓋3、光源4、光触媒フィルタ5、フィルタ6、およびファン7を有する。
フィルタ6は、例えば、フレーム2の、側面2dに設けられている。
ファン7は、例えば、フレーム2の、側面2cに設けられている。
【0062】
ファン7により、フレーム2の内部にあるガスGが排気されることで、フレーム2の外部にあるガスGがフィルタ6を介して、フレーム2の内部に導入される。
そのため、
図4(b)に示すように、フレーム2の内部に、フィルタ6側からファン7側に向けて流れるガスGの流れが形成される。
【0063】
ここで、発光素子4b、4cには、封止材としてシリコーン樹脂が用いられている。シリコーン樹脂は紫外線に対する耐性が高いが、発光素子4b、4cが紫外線を照射した際にシリコーン樹脂の一部が分解する場合がある。この場合、照射される紫外線のピーク波長が短くなるほどシリコーン樹脂の分解が生じ易くなる。そのため、発光素子4cに用いられているシリコーン樹脂の分解がさらに生じ易くなる。
【0064】
また、発光素子4b、4cが紫外線を照射した際に熱が発生する。発生した熱により、シリコーン樹脂が加熱されると、シリコーン樹脂の分解がさらに生じ易くなる。
シリコーン樹脂が分解されると、シリコーン樹脂の成分を含むガスが、発光素子4b、4cから放出される。発光素子4b、4cから放出されたガスは、フレーム2の内部を流れるガスGの流れに乗ってフレーム2の外部に排出される。
【0065】
この際、
図4(b)に示すように、フレーム2の内部を流れるガスGの流れの上流側に光源4(発光素子4b、4c)が設けられ、光源4よりも下流側に光触媒フィルタ5が設けられていると、ガスGに含まれているシリコーン樹脂の成分が、光触媒フィルタ5の光触媒5bに付着しやすくなる。シリコーン樹脂の成分が光触媒5bに付着すると、紫外線が光触媒5bに入射し難くなったり、処理の対象となるガスGが光触媒5bに接触しにくくなったりする。そのため、除菌浄化装置100の機能(ガスの浄化、細菌やウィルスなどの除菌や不活性化など)が経時的に低下するおそれがある。
【0066】
図3(a)、(b)に示すように、他の実施形態に係る除菌浄化装置1aは、フレーム2、蓋3、光源4、光触媒フィルタ5、フィルタ6、およびファン7を有する。
除菌浄化装置1aにおいては、フィルタ6は、例えば、フレーム2の、側面2cに設けられている。フィルタ6は、光触媒フィルタ5と対向し、光源4側とは反対側に設けられている。フィルタ6は、フレーム2の内部にゴミなどが吸引されるのを抑制するために設けられている。
【0067】
ファン7は、例えば、フレーム2の、側面2dに設けられている。ファン7は、光源4の、光触媒フィルタ5側とは反対側に設けられている。ファン7は、フレーム2の内部にあるガスGを排気する。ファン7は、光触媒フィルタ5側から、光触媒フィルタ5と対向する光源4側に向けて流れるガスGの流れを形成する。
【0068】
ファン7により、フレーム2の内部にあるガスGが排気されることで、フレーム2の外部にあるガスGがフィルタ6を介して、フレーム2の内部に導入される。
そのため、
図3(b)に示すように、フレーム2の内部に、フィルタ6側からファン7側に向けて流れるガスGの流れが形成される。
すなわち、処理の対象となるガスGは、光触媒フィルタ5側から、光触媒フィルタ5と対向する光源4側に向けて流れる。
【0069】
図3(b)に示すように、除菌浄化装置1aにおいては、フレーム2の内部を流れるガスGの流れの上流側に光触媒フィルタ5が設けられ、光触媒フィルタ5よりも下流側に光源4(発光素子4b、4c)が設けられている。なお、
図2に示すように、除菌浄化装置1においても、ガスGの流れの上流側に光触媒フィルタ5が設けられ、光触媒フィルタ5よりも下流側に光源4が設けられている。
そのため、シリコーン樹脂の成分を含むガスが、発光素子4b、4cから放出されたとしても、ガスGの流れにより、放出されたガスが光触媒フィルタ5に到達するのが阻害される。
その結果、除菌浄化装置1aの機能(ガスの浄化、細菌やウィルスなどの除菌や不活性化など)が経時的に低下するのを抑制することができる。
なお、光源4と光触媒フィルタ5の配置の効果に関する詳細は後述する。
【0070】
次に、発光素子4cの効果についてさらに説明する。
図5は、閉鎖空間における浮遊菌の除菌効果を例示するためのグラフである。
図5中のD1は、発光素子4bのみが設けられた場合である。
図5中のD2は、発光素子4bと発光素子4cが設けられた場合である。すなわち、D2は、除菌浄化装置1の場合である。
浮遊菌の除菌効果の確認は、チャンバの内部で行った。閉鎖空間の体積は、1m
3とした。閉鎖空間に含まれるガスは、浮遊菌を含む空気とした。
【0071】
発光素子4bは、ピーク波長が400nm、光量が3500mW(順方向電流350mA)の紫外光を照射する発光ダイオードとした。
発光素子4cは、ピーク波長が280nm、光量が140mW(順方向電流350mA)の紫外光を照射する発光ダイオードとした。
光触媒フィルタ5の光触媒5bは、酸化チタンを含み、平均粒度が約200μmの粒子とした。
光触媒フィルタ5のシート5aは、ステンレスの線状体を織り込んだものとし、メッシュ数は200とした。
【0072】
図5中のD1から分かるように、発光素子4bのみが設けられた場合には、通電開始から30分経過後の浮遊菌の除去率は45%程度であった。
これに対し、
図5中のD2から分かるように、発光素子4bと発光素子4cが設けられた場合には、通電開始から30分経過後の浮遊菌の除去率は99%以上とすることができた。
ちなみに、発光素子4bのみが設けられた場合には、浮遊菌の除去率が99%となる時間は131分であった。
発光素子4bと発光素子4cが設けられた場合には、浮遊菌の除去率が99%となる時間は26分であった。
【0073】
なお、発光素子4bが設けられていれば、発光素子4bから照射された光が、触媒フィルタ5のシート5aに坦持された光触媒5bに入射するので、活性酸素種などを生成することができる。活性酸素種などが生成されれば、ガスGに含まれている物質を活性酸素種などより処理することができる。すなわち、ガスGの浄化も併せて行うことができる。
【0074】
次に、光源4と光触媒フィルタ5の配置の効果についてさらに説明する。
図6は、光源4と光触媒フィルタ5の配置の効果について例示するためのグラフである。
図6は、アセトアルデヒドに対する脱臭性能の時間変化を表したものである。また、縦軸の脱臭性能維持率は、「(所定の時間経過後の脱臭性能/初期の脱臭性能)×100」である。
なお、
図6中のE1は、前述した比較例に係る除菌浄化装置100の場合である。すなわち、ガスGの流れの上流側に光源4が設けられ、光源4よりも下流側に光触媒フィルタ5が設けられた場合である。
図6中のE2は、前述した除菌浄化装置1、1aの場合である。すなわち、ガスGの流れの上流側に光触媒フィルタ5が設けられ、光触媒フィルタ5よりも下流側に光源4が設けられた場合である。
【0075】
比較例に係る除菌浄化装置100のように、ガスGの流れの上流側に光源4が設けられ、光源4よりも下流側に光触媒フィルタ5が設けられた場合には、
図6中のE1から分かるように、動作開始から1600時間経過後の脱臭性能維持率は19%となった。
これに対して、除菌浄化装置1、1aの場合のように、ガスGの流れの上流側に光触媒フィルタ5が設けられ、光触媒フィルタ5よりも下流側に光源4が設けられた場合には、
図6中のE2から分かるように、動作開始から1600時間経過後の脱臭性能維持率は84%となった。
すなわち、ガスGの流れの上流側に光触媒フィルタ5が設けられ、光触媒フィルタ5よりも下流側に光源4が設けられた場合には、脱臭性能維持率を大幅に向上させることができた。
【0076】
以上に説明した様に、本実施の形態に係る除菌浄化装置1とすれば、ガスの浄化、および、細菌やウィルスなどの効果的な除菌や不活性化を行うことができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0077】
1 除菌浄化装置、1a 除菌浄化装置、2 フレーム、3 蓋、4 光源、4a 基板、4b 発光素子、4c 発光素子、5 光触媒フィルタ、5a シート、5b 光触媒、6 フィルタ、7 ファン、G ガス
【手続補正書】
【提出日】2021-09-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートと、前記シートに坦持された複数の光触媒と、を有する光触媒フィルタと;
前記光触媒フィルタと対向し、第1の発光素子と、第2の発光素子と、を有する光源と;
を具備し、
前記第1の発光素子は、封止材としてシリコーン樹脂を含み、ピーク波長が315nm以上、400nm以下の紫外光を照射し、
前記第2の発光素子は、封止材としてシリコーン樹脂を含み、ピーク波長が280nm以下の紫外光を照射し、
処理の対象となるガスは、前記光触媒フィルタ側から、前記光触媒フィルタと対向する前記光源側に向けて流れ、
前記紫外光を照射する前記第1の発光素子と、前記紫外光を照射する前記第2の発光素子と、を有する前記光源は、前記光触媒フィルタの、前記ガスの流れの下流側に設けられ、前記光触媒フィルタの、前記ガスの流れの上流側には設けられていない除菌浄化装置。
【請求項2】
箱状を呈し、前記光源と前記光触媒フィルタとが収納されるフレームをさらに備え、
前記フレームの内壁には、互いに対向する一対の溝が並べて複数組設けられ、
前記光触媒フィルタは、前記一対の溝に抜き差し自在に設けられ、
前記光源は、前記光触媒フィルタが設けられる前記一対の溝の、前記ガスの流れの下流側に位置する他の前記一対の溝に抜き差し自在に設けられる請求項1記載の除菌浄化装置。
【請求項3】
前記光触媒フィルタと対向し、前記光源側とは反対側に設けられたフィルタをさらに備えた請求項1または2に記載の除菌浄化装置。
【請求項4】
前記光触媒フィルタ側から、前記光触媒フィルタと対向する前記光源側に向けて流れる前記ガスの流れを形成するファンをさらに備えた請求項1~3のいずれか1つに記載の除菌浄化装置。
【請求項5】
前記ファンは、前記光源の、前記光触媒フィルタ側とは反対側に設けられている請求項4記載の除菌浄化装置。
【請求項6】
前記シートは、複数の線状体を含む織物であり、
前記複数の線状体は、金属を含む請求項1~5のいずれか1つに記載の除菌浄化装置。
【請求項7】
前記シートのメッシュ数は、500以下である請求項1~6のいずれか1つに記載の除菌浄化装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
実施形態に係る除菌浄化装置は、シートと、前記シートに坦持された複数の光触媒と、を有する光触媒フィルタと;前記光触媒フィルタと対向し、第1の発光素子と、第2の発光素子と、を有する光源と;を具備している。前記第1の発光素子は、封止材としてシリコーン樹脂を含み、ピーク波長が315nm以上、400nm以下の紫外光を照射する。前記第2の発光素子は、封止材としてシリコーン樹脂を含み、ピーク波長が280nm以下の紫外光を照射する。処理の対象となるガスは、前記光触媒フィルタ側から、前記光触媒フィルタと対向する前記光源側に向けて流れ、前記紫外光を照射する前記第1の発光素子と、前記紫外光を照射する前記第2の発光素子と、を有する前記光源は、前記光触媒フィルタの、前記ガスの流れの下流側に設けられ、前記光触媒フィルタの、前記ガスの流れの上流側には設けられていない。
【手続補正書】
【提出日】2021-11-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
シートと、前記シートに坦持された複数の光触媒と、を有する光触媒フィルタと;
前記光触媒フィルタと対向する基板と、前記基板の、前記光触媒フィルタと対向する面に設けられた第1の発光素子および第2の発光素子と、を有する光源と;
箱状を呈し、前記光源と前記光触媒フィルタとが収納されるフレームと;
を具備し、
前記第1の発光素子は、封止材としてシリコーン樹脂を含み、ピーク波長が315nm以上、400nm以下の紫外光を照射し、
前記第2の発光素子は、封止材としてシリコーン樹脂を含み、ピーク波長が280nm以下の紫外光を照射し、
処理の対象となるガスは、前記フレームの内部を、前記光触媒フィルタ側から、前記光触媒フィルタと対向する前記光源側に向けて流れ、
前記第2の発光素子は、前記第1の発光素子よりも、前記フレームの中央側に設けられ、
前記光源は、前記光触媒フィルタの、前記ガスの流れの下流側に設けられ、前記光触媒フィルタの、前記ガスの流れの上流側には設けられていない除菌浄化装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項2】
前記フレームの内壁には、互いに対向する一対の溝が並べて複数組設けられ、
前記光触媒フィルタは、前記一対の溝に抜き差し自在に設けられ、
前記光源は、前記光触媒フィルタが設けられる前記一対の溝の、前記ガスの流れの下流側に位置する他の前記一対の溝に抜き差し自在に設けられる請求項1記載の除菌浄化装置。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
実施形態に係る除菌浄化装置は、シートと、前記シートに坦持された複数の光触媒と、を有する光触媒フィルタと;前記光触媒フィルタと対向する基板と、前記基板の、前記光触媒フィルタと対向する面に設けられた第1の発光素子および第2の発光素子と、を有する光源と;箱状を呈し、前記光源と前記光触媒フィルタとが収納されるフレームと;を具備している。前記第1の発光素子は、封止材としてシリコーン樹脂を含み、ピーク波長が315nm以上、400nm以下の紫外光を照射する。前記第2の発光素子は、封止材としてシリコーン樹脂を含み、ピーク波長が280nm以下の紫外光を照射する。処理の対象となるガスは、前記フレームの内部を、前記光触媒フィルタ側から、前記光触媒フィルタと対向する前記光源側に向けて流れ、前記第2の発光素子は、前記第1の発光素子よりも、前記フレームの中央側に設けられ、前記光源は、前記光触媒フィルタの、前記ガスの流れの下流側に設けられ、前記光触媒フィルタの、前記ガスの流れの上流側には設けられていない。