(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022134754
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 1/3228 20190101AFI20220908BHJP
G06F 1/3231 20190101ALI20220908BHJP
G06F 1/3234 20190101ALI20220908BHJP
H04M 1/73 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
G06F1/3228
G06F1/3231
G06F1/3234
H04M1/73
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021034122
(22)【出願日】2021-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】特許業務法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 晶子
【テーマコード(参考)】
5B011
5K127
【Fターム(参考)】
5B011DA06
5B011EA04
5B011KK00
5B011LL11
5K127AA08
5K127AA11
5K127AA16
5K127BA03
5K127BA16
5K127GA29
5K127GD21
5K127JA04
5K127JA05
5K127JA25
5K127KA24
(57)【要約】
【課題】電力消費を抑制することができる。
【解決手段】情報処理装置10は、自装置が起動状態で中断指示を取得した場合、ユーザの行動予定を示すスケジュール情報11aおよび自装置が移動したか否かに基づいて、自装置を起動状態より消費電力の小さい第1電力状態に移行するか、第1電力状態より消費電力の小さい第2電力状態に移行するかを決定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置が起動状態で中断指示を取得した場合、ユーザの行動予定を示すスケジュール情報および自装置が移動したか否かに基づいて、自装置を前記起動状態より消費電力の小さい第1電力状態に移行するか、前記第1電力状態より消費電力の小さい第2電力状態に移行するかを決定する処理部、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記スケジュール情報に含まれる予定時刻と現在時刻との差が閾値未満である場合、自装置を前記第1電力状態に移行すると決定し、前記予定時刻と現在時刻との差が閾値以上である場合、自装置が移動したか否かに基づいて、自装置を前記第1電力状態に移行するか、前記第2電力状態に移行するかを決定する、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記処理部は、自装置を前記第2電力状態に移行すると決定した場合、前記スケジュール情報に基づいて、前記第2電力状態から前記第2電力状態より消費電力の大きい第3電力状態に移行する時刻を設定し、自装置を前記第2電力状態に移行する、
請求項1または2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記処理部は、自装置が移動していない場合、自装置を前記第1電力状態に移行すると決定し、自装置が移動した場合、自装置を前記第2電力状態に移行すると決定する、
請求項1ないし3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記中断指示を取得した場合、所定時間待機してから、自装置を前記第1電力状態に移行するか、前記第2電力状態に移行するかを決定する、
請求項1ないし4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記処理部は、業務終了時刻を過ぎた場合、プロセス情報に登録されたプロセスが実行中であるか否かを判定し、前記プロセス情報に登録されたプロセスが実行中でない場合、自装置を前記起動状態より消費電力の小さい第4電力状態に移行すると決定する、
請求項1ないし5のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記処理部は、前記業務終了時刻を過ぎ、前記プロセス情報にプロセスが登録されていない場合、プロセスの選択を受け付け、選択されたプロセスを前記プロセス情報に登録する、
請求項6記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータに、
自装置が起動状態で中断指示を取得した場合、ユーザの行動予定を示すスケジュール情報および自装置が移動したか否かに基づいて、自装置を前記起動状態より消費電力の小さい第1電力状態に移行するか、前記第1電力状態より消費電力の小さい第2電力状態に移行するかを決定する、
処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
PC(Personal Computer)のユーザは、作業を中断するときに、PCをスリープ状態に移行させることがある。すると、PCは、ユーザが作業を再開するときに素早く復帰することができる。
【0003】
PCのスリープ状態に関する技術としては、例えば、テレビを視聴する場合の消費電力を抑制することが可能な情報処理装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
PCのスリープ状態は、休止状態やシャットダウン状態よりも素早く復帰することができるが、休止状態やシャットダウン状態よりも消費電力が大きい。よって、使用しないPCを長時間スリープ状態にしておいた場合、余分に電力を消費してしまうことがある。
【0006】
1つの側面では、本件は、電力消費を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの案では、処理部を有する情報処理装置が提供される。処理部は、自装置が起動状態で中断指示を取得した場合、ユーザの行動予定を示すスケジュール情報および自装置が移動したか否かに基づいて、自装置を起動状態より消費電力の小さい第1電力状態に移行するか、第1電力状態より消費電力の小さい第2電力状態に移行するかを決定する。
【発明の効果】
【0008】
1態様によれば、電力消費を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施の形態に係る情報処理装置の一例を示す図である。
【
図2】第2の実施の形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。
【
図3】情報処理装置のハードウェアの一構成例を示す図である。
【
図4】携帯端末のハードウェアの一構成例を示す図である。
【
図5】情報処理装置および携帯端末の機能例を示すブロック図である。
【
図9】状態決定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図10】移動通知処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図11】移動検知処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。なお各実施の形態は、矛盾のない範囲で複数の実施の形態を組み合わせて実施することができる。
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る情報処理装置の一例を示す図である。第1の実施の形態は、情報処理装置10が、中断指示に応じて消費電力の小さい状態に移行するものである。
【0011】
情報処理装置10は、ユーザが携帯可能なコンピュータである。情報処理装置10は、例えば、ノートPC、スマートフォン、タブレット端末等である。情報処理装置10は、記憶部11と処理部12とを有する。記憶部11は、情報処理装置10が実行する処理に用いられるデータを記憶する。記憶部11は、例えば、情報処理装置10が有するメモリまたはストレージ装置である。処理部12は、情報処理装置10を制御し、所要の処理を実行可能である。処理部12は、例えば、情報処理装置10が有するプロセッサまたは演算回路である。
【0012】
記憶部11は、スケジュール情報11aを記憶する。スケジュール情報11aは、ユーザの行動予定を示す。スケジュール情報11aは、例えば、情報処理装置10にインストールされているスケジュールアプリケーションによって行動予定が登録される。一例として、スケジュール情報11aには、予定時刻が「15:00」、内容が「会議」である行動予定が登録されている。
【0013】
処理部12は、自装置が起動状態で中断指示を取得した場合、所定時間待機する。例えば、中断指示は、ノートPCである情報処理装置10のふたを閉める操作である。また、例えば、中断指示は、電源ボタン等の所定のボタンの押下操作等でもよい。ここで、処理部12は、自装置の移動を検知する。例えば、処理部12は、情報処理装置10が有する加速度センサやGPS(Global Positioning System)受信機等によって、自装置の移動を検知する。また、例えば、処理部12は、情報処理装置10の近くにある装置から、当該装置の移動を検知したことを通知されることで、自装置の移動を検知する。
【0014】
そして、処理部12は、スケジュール情報11aおよび自装置が移動したか否かに基づいて、自装置を第1電力状態に移行するか、第2電力状態に移行するかを決定する。第1電力状態は、起動状態より消費電力の小さい状態である。第1電力状態は、例えば、スリープ状態である。第2電力状態は、第1電力状態より消費電力の小さい状態である。第2電力状態は、第1電力状態より起動状態への復帰に時間がかかる状態であってもよい。第2電力状態は、例えば、休止状態である。
【0015】
例えば、処理部12は、スケジュール情報11aに含まれる、現在時刻より後で、現在時刻に一番近い予定時刻(つまり、次の行動予定の予定時刻)を参照する。そして、処理部12は、予定時刻と現在時刻との差が閾値未満(予定時刻-現在時刻<閾値)である場合、自装置を第1電力状態に移行すると決定する。また、処理部12は、予定時刻と現在時刻との差が閾値以上(予定時刻-現在時刻≧閾値)である場合、自装置が移動したか否かに基づいて、自装置を第1電力状態に移行するか、第2電力状態に移行するかを決定する。処理部12は、自装置が移動していない場合、自装置を第1電力状態に移行すると決定し、自装置が移動した場合、自装置を第2電力状態に移行すると決定する。
【0016】
第1の実施の形態によれば、情報処理装置10の処理部12は、自装置が起動状態で中断指示を取得した場合、スケジュール情報11aおよび自装置が移動したか否かに基づいて、自装置を第1電力状態に移行するか、第2電力状態に移行するかを決定する。これにより、情報処理装置10は、次にユーザに使用されるまでの時間に応じて、第1電力状態に移行するか、第1電力状態より消費電力が小さい第2電力状態に移行するかを決定できる。よって、情報処理装置10は、長時間使用されない場合に第2電力状態に移行し、電力消費を抑制することができる。
【0017】
また、処理部12は、スケジュール情報11aに含まれる予定時刻と現在時刻との差が閾値未満である場合、自装置を第1電力状態に移行すると決定する。処理部12は、予定時刻と現在時刻との差が閾値以上である場合、自装置が移動したか否かに基づいて、自装置を第1電力状態に移行するか、第2電力状態に移行するかを決定する。ここで、第2電力状態は、第1電力状態より消費電力が小さいため、第1電力状態より起動状態への復帰に時間がかかることがある。よって、情報処理装置10は、すぐに使用予定がある場合は素早く復帰できるように第1電力状態に移行できる。
【0018】
また、処理部12は、自装置が移動していない場合、自装置を第1電力状態に移行すると決定し、自装置が移動した場合、自装置を第2電力状態に移行すると決定する。これにより、情報処理装置10は、情報処理装置10を持ってユーザが出張する場合等、情報処理装置10が長時間使用されない可能性が高い場合に、電力消費が小さくなるように第2電力状態に移行できる。
【0019】
また、処理部12は中断指示を取得した場合、所定時間待機してから、自装置を第1電力状態に移行するか、第2電力状態に移行するかを決定する。これにより、情報処理装置10は、中断指示を取得してから、自装置の移動を検知できる。
【0020】
なお、処理部12は、自装置を第2電力状態に移行すると決定した場合、スケジュール情報11aに基づいて、第2電力状態から第2電力状態より消費電力の大きい第3電力状態に移行する時刻を設定し、自装置を第2電力状態に移行してもよい。これにより、情報処理装置10は、ユーザが使用するときに素早く復帰することができる。
【0021】
また、処理部12は、業務終了時刻を過ぎた場合、プロセス情報に登録されたプロセスが実行中であるか否かを判定し、プロセス情報に登録されたプロセスが実行中でない場合、自装置を起動状態より消費電力の小さい第4電力状態に移行すると決定してもよい。これにより、情報処理装置10は、業務終了後、ユーザの作業が終わってから第4電力状態に移行できる。
【0022】
また、処理部12は、業務終了時刻を過ぎ、プロセス情報にプロセスが登録されていない場合、プロセスの選択を受け付け、選択されたプロセスをプロセス情報に登録してもよい。これにより、情報処理装置10は、業務終了後、ユーザが作業中であるか否かを適切に判定できる。
【0023】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、情報処理装置をスリープ状態または休止状態に適切に切り替えるものである。ここで、スリープ状態は、コンピュータがメモリのデータを残したまま(つまり、メモリへの電力を供給したまま)、コンピュータ内の一部の装置への電力供給を停止するものである。また、休止状態は、メモリのデータをストレージ装置に退避させ、メモリを含む、コンピュータ内の一部の装置への電力供給を停止するものである。よって、スリープ状態は、コンピュータが起動している状態(起動状態)よりも消費電力が小さい。また、休止状態は、スリープ状態よりも消費電力が小さい。また、スリープ状態のコンピュータは、休止状態のコンピュータよりも素早く復帰することができる。なお、スリープ状態は、第1の実施の形態に示した第1電力状態の一例であり、休止状態は、第1の実施の形態に示した第2電力状態の一例である。
【0024】
図2は、第2の実施の形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。第2の実施の形態の情報処理システムは、情報処理装置100および携帯端末200を有する。情報処理装置100は、ユーザ20が操作するノートPCである。情報処理装置100は、無線通信によって携帯端末200と通信可能である。携帯端末200は、ユーザ20が携帯するスマートフォンである。携帯端末200は、携帯端末200を携帯するユーザ20の移動を、加速度センサによって検知可能である。また、携帯端末200は、ユーザ20の移動を検知した場合、情報処理装置100に通知する。
【0025】
つまり、情報処理装置100は、ユーザ20が情報処理装置100を持って移動すると、携帯端末200からユーザ20の移動の通知を取得する。これにより、情報処理装置100は、自装置の移動を検知できる。情報処理装置100は、情報処理装置100のふたが閉められる操作(クローズ操作)を検知すると、ユーザ20の行動予定が登録されたスケジュール情報を参照する。そして、情報処理装置100は、スケジュール情報および自装置の移動の有無に基づいて、スリープ状態に移行するか休止状態に移行するかを決定し、決定した状態に移行する。なお、クローズ操作の検知は、第1の実施の形態に示した中断指示の取得の一例である。
【0026】
図3は、情報処理装置のハードウェアの一構成例を示す図である。情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101によって装置全体が制御されている。CPU101は、プログラムの命令を実行するプロセッサである。なお、CPU101は複数のプロセッサコアを含んでもよい。また、CPU101は、複数のプロセッサであってもよく、MPU(Micro Processing Unit)、またはDSP(Digital Signal Processor)等であってもよい。また、CPU101がプログラムを実行することで実現する機能の少なくとも一部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現してもよい。CPU101には、バス110を介してRAM(Random Access Memory)102と複数の周辺機器が接続されている。
【0027】
RAM102は、情報処理装置100の主記憶装置である。RAM102には、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、CPU101による処理に利用する各種データが格納される。なお、情報処理装置100は、RAM以外の種類のメモリを備えてもよく、複数個のメモリを備えてもよい。
【0028】
バス110に接続されている周辺機器としては、HDD(Hard Disk Drive)103、GPU(Graphics Processing Unit)104、入力インタフェース105、光学ドライブ装置106、機器接続インタフェース107がある。また、バス110に接続されている周辺機器としては、ネットワークインタフェース108および無線インタフェース109がある。
【0029】
HDD103は、情報処理装置100の補助記憶装置である。HDD103は、内蔵した磁気ディスクに対して、磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。HDD103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、情報処理装置100は、フラッシュメモリやSSD(Solid State Drive)等の他の種類の補助記憶装置を備えてもよく、複数の補助記憶装置を備えてもよい。
【0030】
GPU104には、モニタ31が接続されている。GPU104は、CPU101からの命令に従って、画像をモニタ31の画面に表示させる。モニタ31としては、有機EL(Electro Luminescence)を用いた表示装置や液晶表示装置等がある。
【0031】
入力インタフェース105には、キーボード32とマウス33とが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード32やマウス33から送られてくる信号をCPU101に送信する。なお、マウス33は、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボール等がある。
【0032】
光学ドライブ装置106は、レーザ光等を利用して、光ディスク34に記録されたデータの読み取りを行う。光ディスク34は、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された可搬型の記録媒体である。光ディスク34には、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(ReWritable)等がある。
【0033】
機器接続インタフェース107は、情報処理装置100に周辺機器を接続するための通信インタフェースである。例えば機器接続インタフェース107には、メモリ装置35やメモリリーダライタ36を接続することができる。メモリ装置35は、機器接続インタフェース107との通信機能を搭載した記録媒体である。メモリリーダライタ36は、メモリカード37へのデータの書き込み、またはメモリカード37からのデータの読み出しを行う装置である。メモリカード37は、カード型の記録媒体である。
【0034】
ネットワークインタフェース108は、ネットワーク30に接続されている。ネットワークインタフェース108は、ネットワーク30を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信を行う。
【0035】
無線インタフェース109は、近距離の無線通信により、携帯端末200と通信を行う。無線インタフェース109が用いる通信規格としては、例えば、Bluetooth(登録商標)等がある。
【0036】
情報処理装置100は、以上のようなハードウェア構成によって、第2の実施の形態の処理機能を実現することができる。なお、第1の実施の形態に示した情報処理装置10も、
図3に示した情報処理装置100と同様のハードウェアにより実現することができる。また、CPU101は、第1の実施の形態に示した処理部12の一例である。またRAM102またはHDD103は、第1の実施の形態に示した記憶部11の一例である。
【0037】
情報処理装置100は、例えばコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、第2の実施の形態の処理機能を実現する。情報処理装置100に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。例えば、情報処理装置100に実行させるプログラムをHDD103に格納しておくことができる。CPU101は、HDD103内のプログラムの少なくとも一部をRAM102にロードし、プログラムを実行する。また、情報処理装置100に実行させるプログラムを、光ディスク34、メモリ装置35、メモリカード37等の可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に格納されたプログラムは、例えばCPU101からの制御により、HDD103にインストールされた後、実行可能となる。また、CPU101が、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み出して実行することもできる。
【0038】
図4は、携帯端末のハードウェアの一構成例を示す図である。携帯端末200は、CPU201によって装置全体が制御されている。CPU201は、プログラムの命令を実行するプロセッサである。なお、CPU201は複数のプロセッサコアを含んでもよい。また、CPU201は、複数のプロセッサであってもよく、MPU、またはDSP等であってもよい。また、CPU201がプログラムを実行することで実現する機能の少なくとも一部を、ASIC、PLD等の電子回路で実現してもよい。CPU201には、バス210を介してRAM202と複数の周辺機器が接続されている。
【0039】
RAM202は、携帯端末200の主記憶装置である。RAM202には、CPU201に実行させるOSのプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM202には、CPU201による処理に利用する各種データが格納される。なお、携帯端末200は、RAM以外の種類のメモリを備えてもよく、複数個のメモリを備えてもよい。
【0040】
バス210に接続されている周辺機器としては、フラッシュメモリ203、ディスプレイ装置204、タッチパネル205、機器接続インタフェース206、加速度センサ207、ネットワークインタフェース208および無線インタフェース209がある。
【0041】
フラッシュメモリ203は、携帯端末200の補助記憶装置である。フラッシュメモリ203には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、携帯端末200は、SSD等の他の種類の補助記憶装置を備えてもよく、複数の補助記憶装置を備えてもよい。
【0042】
ディスプレイ装置204は、CPU201からの命令に従って、画像を表示する。ディスプレイ装置204としては、有機ELを用いた表示装置や液晶表示装置等がある。タッチパネル205は、ディスプレイ装置204の画面の前面に配置されており、画面上の押された位置を検知して、その位置を示す信号をCPU201に送信する。
【0043】
機器接続インタフェース206は、携帯端末200に周辺機器を接続するための通信インタフェースである。例えば機器接続インタフェース206には、メモリカード41を接続することができる。メモリカード41は、機器接続インタフェース206との通信機能を搭載した、カード型の記録媒体である。加速度センサ207は、加速度を計測するセンサである。加速度センサ207は、計測した加速度をCPU201に送信する。
【0044】
ネットワークインタフェース208は、無線通信によるネットワークインタフェースである。ネットワークインタフェース208は、ネットワーク40に接続されている。ネットワークインタフェース208は、ネットワーク40を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信を行う。なお、ネットワーク30とネットワーク40とは、同じネットワークでもよいし、異なるネットワークであってもよい。
【0045】
無線インタフェース209は、近距離の無線通信により、情報処理装置100と通信を行う。無線インタフェース209は、情報処理装置100の無線インタフェース109と同様の通信規格を用いる。
【0046】
次に、情報処理装置100および携帯端末200の機能について詳細に説明する。
図5は、情報処理装置および携帯端末の機能例を示すブロック図である。情報処理装置100は、記憶部120、受信部130、判定部140および設定部150を有する。記憶部120は、RAM102またはHDD103の記憶領域を用いて実現される。受信部130、判定部140および設定部150は、RAM102に記憶されたプログラムをCPU101が実行することで実現される。
【0047】
記憶部120は、スケジュール情報121およびプロセス情報122を記憶する。スケジュール情報121には、ユーザ20の行動予定が登録される。プロセス情報122には、ユーザ20が作業に用いるプロセスが登録される。受信部130は、携帯端末200から携帯端末200の移動が検知されたことを示す移動通知を受信する。
【0048】
判定部140は、クローズ操作を検知すると、スケジュール情報121および情報処理装置100が移動したか否かに基づいて、情報処理装置100をスリープ状態に移行するか休止状態に移行するかを決定する。まず、判定部140は、スケジュール情報121から、ユーザ20の次の予定がX1分以上先か否かを判定する。なお、X1分は、第1の実施の形態に示した閾値の一例である。判定部140は、次の予定までX1分未満と判定した場合、情報処理装置100をスリープ状態に移行すると決定する。
【0049】
また、判定部140は、次の予定がX1分以上先と判定した場合、移動検知処理を実行する。移動検知処理では、例えば、判定部140は、受信部130が携帯端末200から移動通知を受信したか否かをX6秒おきに判定する。判定部140は、携帯端末200から移動通知を受信したと判定した場合、情報処理装置100を休止状態に移行すると決定する。そして、判定部140は、次の予定時刻と現在時刻との差X2(X2=次の予定時刻-現在時刻)を算出する。また、判定部140は、X7回の判定で(つまり、X6×X7秒間で)携帯端末200から移動通知を受信していないと判定した場合、情報処理装置100をスリープ状態に移行すると決定する。なお、X6×X7秒間は、第1の実施の形態に示した所定時間の一例である。
【0050】
また、判定部140は、業務終了時刻になると、プロセス情報122に基づいて、情報処理装置100を休止状態に移行するか否かを決定する。まず、判定部140は、プロセス情報122にプロセスが登録されているか否かを判定する。判定部140は、プロセス情報122にプロセスが登録されていないと判定した場合、プロセス情報122にプロセスを登録するための画面をモニタ31に表示させ、プロセスの選択を受け付ける。判定部140は、選択されたプロセスをプロセス情報122に登録する。
【0051】
そして、判定部140は、X3分おきにプロセス情報122に登録されたプロセスが実行中であるか否かを判定する。判定部140は、プロセス情報122に登録されたプロセスが実行中でないと判定した場合、情報処理装置100を休止状態に移行すると決定する。なお、休止状態は、第1の実施の形態に示した第4電力状態の一例である。
【0052】
設定部150は、判定部140の決定に基づいて、情報処理装置100の状態設定をする。設定部150は、判定部140がクローズ操作の検知によってスリープ状態に移行すると決定した場合、情報処理装置100をスリープ状態に移行させる。また、設定部150は、判定部140がクローズ操作の検知によって休止状態に移行すると決定した場合、X2分後に、休止状態の情報処理装置100が自動で起動状態に移行してからスリープ状態に移行するよう設定する。なお、スリープ状態は、第1の実施の形態に示した第3電力状態の一例である。そして、設定部150は、情報処理装置100を休止状態に移行させる。
【0053】
また、設定部150は、判定部140が業務終了時刻後に、休止状態に移行すると決定した場合、情報処理装置100が段階的に休止状態に移行するよう設定する。例えば、設定部150は、情報処理装置100がX4分間操作を受け付けなかった場合、自動でスリープ状態に移行するよう設定する。さらに、設定部150は、スリープ状態の情報処理装置100がX5分間操作を受け付けなかった場合、自動で休止状態に移行するよう設定する。また、設定部150は、次の業務開始時刻に、休止状態の情報処理装置100が自動で起動状態に移行するよう設定する。
【0054】
携帯端末200は、移動検知部220および通知部230を有する。移動検知部220および通知部230は、RAM202に記憶されたプログラムをCPU201が実行することで実現される。移動検知部220は、加速度センサ207によって移動を検知したか否かを判定する。例えば、移動検知部220は、加速度センサ207が測定した加速度が所定の加速度以上だった場合、移動を検知したと判定する。通知部230は、移動検知部220が移動を検知したと判定した場合、移動通知を情報処理装置100に送信する。
【0055】
次に、記憶部120に記憶される情報について詳細に説明する。
図6は、スケジュール情報の一例を示す図である。スケジュール情報121は、ユーザ20の行動予定が登録される。スケジュール情報121は、例えば、情報処理装置100にインストールされたスケジュールアプリケーションによって、ユーザ20の行動予定が登録される。スケジュール情報121は、日時および予定の項目を有する。
【0056】
日時の項目には、ユーザ20の行動予定の日時が設定される。なお、スケジュール情報121に登録されているレコードは、日時の項目に設定されている日時の順にソートされている。予定の項目には、ユーザ20の行動予定の内容が設定される。一例として、スケジュール情報121の最初のレコードは、日時の項目に「2021/3/10 10:00」が設定され、予定の項目に「開発部打ち合わせ」が設定されている。スケジュール情報121の最初のレコードは、ユーザ20の次の予定が、2021年3月10日10:00に開発部との打ち合わせであることを示す。
【0057】
図7は、プロセス情報の一例を示す図である。プロセス情報122は、ユーザ20が作業に用いるプロセスのプロセス名が登録される。判定部140は、業務終了時刻後になると、プロセス情報122にプロセス名が登録されたプロセスが実行中であるか否かを判定する。そして、判定部140は、プロセス情報122に登録されたプロセスが実行中でない場合に、情報処理装置100を休止状態に移行すると決定する。これにより、情報処理装置100は、業務終了後、ユーザ20の作業が終了してから休止状態に移行できる。
【0058】
次に、プロセス情報122にプロセスを登録するための画面について説明する。
図8は、選択画面の一例を示す図である。選択画面51は、プロセス情報122にプロセスを登録するための画面である。判定部140は、業務終了時刻後、プロセス情報122にプロセスが登録されていない場合、選択画面51をモニタ31に表示させる。
【0059】
選択画面51は、プロセス名の欄および設定ボタンを有する。プロセス名の欄には、例えば、選択画面51が表示されたときに実行中のプロセスのプロセス名が含まれる。判定部140は、プロセス名の欄に含まれるプロセス名の選択と設定ボタンの押下とを受け付けると、選択されたプロセス名をプロセス情報122に追加する。
【0060】
なお、選択画面51は、業務終了時刻より前に表示されてもよいし、プロセス情報122にプロセスが登録されている場合に表示されてもよい。例えば、選択画面51は、プロセス情報122へのプロセス登録要求を情報処理装置100が受け付けたときにモニタ31に表示されてもよい。
【0061】
以下、情報処理装置100が実行する処理の手順について、詳細に説明する。
図9は、状態決定処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、
図9に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0062】
[ステップS11]判定部140は、クローズ操作を検知したか否かを判定する。判定部140は、クローズ操作を検知したと判定した場合、処理をステップS12に進める。また、判定部140は、クローズ操作を検知していないと判定した場合、処理をステップS20に進める。
【0063】
[ステップS12]判定部140は、スケジュール情報121から、ユーザ20の次の予定を参照する。例えば、判定部140は、スケジュール情報121の最初のレコードを参照する。
【0064】
[ステップS13]判定部140は、次の予定がX1分以上先か否かを判定する。例えば、判定部140は、ステップS12で参照したスケジュール情報121のレコードの日時の項目に設定された時刻と現在時刻との差がX1分以上である場合、次の予定がX1分以上先と判定する。判定部140は、次の予定がX1分以上先と判定した場合、処理をステップS14に進める。また、判定部140は、次の予定までX1分未満と判定した場合、処理をステップS19に進める。
【0065】
[ステップS14]判定部140は、移動検知処理を実行する。移動検知処理の詳細については後述する(
図11参照)。
[ステップS15]判定部140は、情報処理装置100の移動があったか否かを判定する。例えば、判定部140は、ステップS14で移動が検知された場合、情報処理装置100の移動があったと判定する。判定部140は、情報処理装置100の移動があったと判定した場合、処理をステップS16に進める。また、判定部140は、情報処理装置100の移動がなかったと判定した場合、処理をステップS19に進める。
【0066】
[ステップS16]判定部140は、次の予定時刻と現在時刻との差X2(X2=次の予定時刻-現在時刻)を算出する。例えば、判定部140は、ステップS12で参照したスケジュール情報121のレコードの日時の項目に設定された時刻と現在時刻との差をX2として算出する。
【0067】
[ステップS17]設定部150は、X2分後に休止状態からスリープ状態になるよう設定する。例えば、設定部150は、X2分後に、休止状態の情報処理装置100が自動で起動状態に移行し、起動状態の情報処理装置100がスリープ状態に移行するよう設定する。なお、設定部150は、X2分後に情報処理装置100が休止状態から単に起動状態に移行するよう設定してもよい。
【0068】
[ステップS18]設定部150は、情報処理装置100を休止状態に移行させる。そして、処理が終了する。
[ステップS19]設定部150は、情報処理装置100をスリープ状態に移行させる。そして、処理が終了する。
【0069】
[ステップS20]判定部140は、業務終了時刻になったか否かを判定する。判定部140は、業務終了時刻になったと判定した場合、処理をステップS21に進める。また、判定部140は、業務終了時刻になっていないと判定した場合、処理をステップS11に進める。
【0070】
[ステップS21]判定部140は、プロセス情報122にプロセスが登録されているか否かを判定する。判定部140は、プロセス情報122にプロセスが登録されていると判定した場合、処理をステップS24に進める。また、判定部140は、プロセス情報122にプロセスが登録されていないと判定した場合、処理をステップS22に進める。
【0071】
[ステップS22]判定部140は、選択画面51をモニタ31に表示させ、プロセスの選択を受け付ける。
[ステップS23]判定部140は、ステップS22で選択されたプロセスをプロセス情報122に登録する。例えば、判定部140は、選択されたプロセスのプロセス名をプロセス情報122に追加する。
【0072】
[ステップS24]判定部140は、X3分間待機する。
[ステップS25]判定部140は、プロセス情報122に登録されたプロセスが実行中であるか否かを判定する。例えば、判定部140は、プロセス情報122にプロセス名が登録されているプロセスのうちのいずれかが実行中である場合、プロセス情報122に登録されたプロセスが実行中であると判定する。また、判定部140は、プロセス情報122にプロセス名が登録されているすべてのプロセスが実行されていない場合、プロセス情報122に登録されたプロセスが実行中でないと判定する。判定部140は、プロセス情報122に登録されたプロセスが実行中であると判定した場合、処理をステップS24に進める。また、判定部140は、プロセス情報122に登録されたプロセスが実行中でないと判定した場合、処理をステップS26に進める。
【0073】
[ステップS26]設定部150は、X4分間無操作で起動状態からスリープ状態に移行するよう設定する。例えば、設定部150は、情報処理装置100がX4分間操作を受け付けなかった場合、自動でスリープ状態に移行するよう設定する。
【0074】
[ステップS27]設定部150は、X5分間無操作でスリープ状態から休止状態に移行するよう設定する。例えば、設定部150は、スリープ状態の情報処理装置100がX5分間操作を受け付けなかった場合、自動で休止状態に移行するよう設定する。
【0075】
[ステップS28]設定部150は、業務開始時刻に起動するよう設定する。例えば、設定部150は、次の業務開始時刻に、休止状態の情報処理装置100が自動で起動状態に移行するよう設定する。
【0076】
このようにして、判定部140は、情報処理装置100をスリープ状態に移行するか、休止状態に移行するかを決定し、設定部150は、判定部140の決定に基づいて、情報処理装置100の状態設定をする。判定部140は、スケジュール情報121に含まれる予定時刻と現在時刻との差がX1分未満である場合、情報処理装置100をスリープ状態に移行すると決定する。これにより、設定部150は、すぐに情報処理装置100の使用予定がある場合は素早く復帰できるように情報処理装置100をスリープ状態に移行できる。
【0077】
また、判定部140は、予定時刻と現在時刻との差がX1分以上であり、情報処理装置100が移動した場合、情報処理装置100を休止状態に移行すると決定する。ここで、情報処理装置100が移動する場合として、情報処理装置100を持ってユーザ20が出張する場合等が考えられる。よって、スケジュール情報121に使用予定もなく、情報処理装置100が移動した場合、情報処理装置100は、長時間使用されない可能性が高い。設定部150は、このように情報処理装置100が長時間使用される可能性が低い場合に、電力消費が小さくなるように休止状態に移行できる。よって、設定部150は、電力消費を抑制することができる。
【0078】
ここで、設定部150は、次の予定時刻と現在時刻との差であるX2分後に、情報処理装置100が休止状態から起動状態に移行するよう設定してから、休止状態に移行する。これにより、設定部150は、ユーザ20が情報処理装置100を使用するときに、情報処理装置100が素早く復帰するよう設定できる。なお、判定部140は、X2が所定値以上である場合、X2を当該所定値としてもよい。これにより、設定部150は、ユーザ20がスケジュール情報121に予定を登録し忘れた場合でも、ユーザ20が情報処理装置100を使用するまでに、情報処理装置100が起動状態に移行するよう設定できる。
【0079】
また、判定部140は、業務終了時刻を過ぎた場合、X3分おきにプロセス情報122に登録されたプロセスが実行中であるか否かを判定する。そして、判定部140は、プロセス情報122に登録されたプロセスが実行中でない場合、情報処理装置100を休止状態に移行すると決定する。これにより、設定部150は、業務終了後、ユーザ20の作業が終わってから休止状態に移行できる。
【0080】
なお、判定部140は、プロセス情報122にプロセスが登録されていない場合、選択画面51をモニタ31に表示させ、プロセスの選択を受け付ける。これにより、判定部140は、ユーザ20が作業に用いるプロセスを選択画面51から選択させることができる。そして、判定部140は、選択されたプロセスをプロセス情報122に登録することで、ユーザ20が作業中であるか否かを適切に判定できるようになる。
【0081】
次に、携帯端末200が実行する処理の手順について、詳細に説明する。
図10は、移動通知処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、
図10に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0082】
[ステップS31]携帯端末200の移動検知部220は、加速度センサ207によって携帯端末200の移動を検知したか否かを判定する。例えば、移動検知部220は、加速度センサ207が測定した加速度が所定の加速度以上だった場合、移動を検知したと判定する。移動検知部220は、移動を検知したと判定した場合、処理をステップS32に進める。また、移動検知部220は、移動を検知していないと判定した場合、処理をステップS31に進める。
【0083】
[ステップS32]携帯端末200の通知部230は、移動が検知されたことを示す移動通知を情報処理装置100に送信する。
[ステップS33]情報処理装置100の受信部130は、携帯端末200から移動通知を受信する。そして、処理がステップS31に進む。
【0084】
このようにして、移動検知部220は、加速度センサ207によって携帯端末200の移動を検知し、通知部230は、移動通知を情報処理装置100に送信する。これにより、携帯端末200は、情報処理装置100をユーザ20が持って移動することによる情報処理装置100の移動を、情報処理装置100に検知させることができる。
【0085】
次に、情報処理装置100の移動検知処理について、詳細に説明する。
図11は、移動検知処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、
図11に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0086】
[ステップS41]判定部140は、変数iに0を代入(i=0)する。
[ステップS42]判定部140は、X6秒間待機する。
[ステップS43]判定部140は、受信部130が携帯端末200から移動通知を受信したか否かを判定する。判定部140は、携帯端末200から移動通知を受信したと判定した場合、処理をステップS47に進める。また、判定部140は、携帯端末200から移動通知を受信していないと判定した場合、処理をステップS44に進める。
【0087】
[ステップS44]判定部140は、変数iをインクリメント(i++)する。
[ステップS45]判定部140は、変数iが定数X7以上(i≧X7)か否かを判定する。判定部140は、変数iが定数X7以上と判定した場合、処理をステップS46に進める。また、判定部140は、変数iが定数X7未満と判定した場合、処理をステップS42に進める。
【0088】
[ステップS46]判定部140は、移動検知がなかったと判定する。そして、処理が終了する。
[ステップS47]判定部140は、移動検知があったと判定する。
【0089】
このように、判定部140は、クローズ操作を検知した後の移動検知処理において、X6秒おきに最大X7回、携帯端末200から携帯端末200の移動が検知されたことを示す移動通知を受信したか否かを判定する。これにより、判定部140は、クローズ操作を検知してからX6×X7秒間の待機時間に、情報処理装置100の移動を検知できる。
【0090】
第2の実施の形態によれば、情報処理装置100の判定部140は、自装置が起動状態でクローズ操作を検知した場合、スケジュール情報121および自装置が移動したか否かに基づいて、自装置をスリープ状態に移行するか、休止状態に移行するかを決定する。これにより、情報処理装置100は、次にユーザ20に使用されるまでの時間に応じて、スリープ状態に移行するか、休止状態に移行するかを決定できる。よって、情報処理装置100は、長時間使用されない場合に休止状態に移行し、電力消費を抑制することができる。
【0091】
また、判定部140は、スケジュール情報121に含まれる予定時刻と現在時刻との差がX1分未満である場合、自装置をスリープ状態に移行すると決定し、予定時刻と現在時刻との差がX1分以上である場合、自装置が移動したか否かに基づいて、自装置をスリープ状態に移行するか、休止状態に移行するかを決定する。これにより、情報処理装置100は、すぐに使用予定がある場合は素早く復帰できるようにスリープ状態に移行できる。
【0092】
また、設定部150は、自装置を休止状態に移行すると決定した場合、スケジュール情報121に基づいて、休止状態からスリープ状態に移行する時刻を設定し、自装置を休止状態に移行する。これにより、情報処理装置100は、ユーザ20が使用するときに素早く復帰することができる。
【0093】
また、判定部140は、自装置が移動していない場合、自装置をスリープ状態に移行すると決定し、自装置が移動した場合、自装置を休止状態に移行すると決定する。これにより、情報処理装置100は、情報処理装置100を持ってユーザ20が出張する場合等、情報処理装置100が長時間使用されない可能性が高い場合に、電力消費が小さくなるように休止状態に移行できる。
【0094】
また、判定部140は、クローズ操作を検知した場合、X6×X7秒間待機してから、自装置をスリープ状態に移行するか、休止状態に移行するかを決定する。これにより、情報処理装置100は、クローズ操作を検知してから、自装置の移動を検知できる。
【0095】
また、判定部140は、業務終了時刻を過ぎた場合、プロセス情報122に登録されたプロセスが実行中であるか否かを判定し、プロセス情報122に登録されたプロセスが実行中でない場合、自装置を休止状態に移行すると決定する。これにより、情報処理装置100は、業務終了後、ユーザ20の作業が終わってから休止状態に移行できる。
【0096】
また、判定部140は、業務終了時刻を過ぎ、プロセス情報122にプロセスが登録されていない場合、プロセスの選択を受け付け、選択されたプロセスをプロセス情報122に登録する。これにより、情報処理装置100は、業務終了後、ユーザ20が作業中であるか否かを適切に判定できる。
【0097】
なお、第2の実施の形態では、携帯端末200が加速度センサ207によって移動を検知していたがGPS受信機等によって移動を検知してもよい。また、第2の実施の形態では、情報処理装置100は、加速度センサ207を備える携帯端末200から移動が通知されることで、自装置の移動を検知していたが、情報処理装置100が加速度センサやGPS受信機を備えることで、自装置の移動を検知してもよい。
【0098】
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。さらに、前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0099】
10 情報処理装置
11 記憶部
11a スケジュール情報
12 処理部