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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022134770
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】変圧器
(51)【国際特許分類】
   H01F 27/26 20060101AFI20220908BHJP
【FI】
H01F27/26 130A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021034153
(22)【出願日】2021-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】特許業務法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今 元
(72)【発明者】
【氏名】永露 友宏
(57)【要約】
【課題】変圧器の鉄心を支持するフレームの強度を向上させる。
【解決手段】変圧器10は、重力方向に延在する複数の脚部102、複数の脚部102の下端間を接続する第1ヨーク部104、及び、複数の脚部102の上端間を接続する第2ヨーク部106を含む鉄心100と、複数のモールドコイル200と、鉄心100を下側から支持する第1フレーム500と、複数のモールドコイル200を受ける複数の第1スペーサ300とを備え、第1フレーム500は、X方向に延在し、第1ヨーク部104を下側から支持する底面部532と、Z方向において第1ヨーク部104を挟むように配置され、底面部532から上側にそれぞれ突出した2つの側面部534と、2つの側面部534の各々の上縁部及び下縁部の間の位置から、第1ヨーク部104から離れる方向に突出し、複数の第1スペーサ300の少なくとも1つが置かれる座面部552とを含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重力方向に延在する複数の脚部、前記複数の脚部の下端間を接続する第1ヨーク部、及び、前記複数の脚部の上端間を接続する第2ヨーク部を含む鉄心と、
前記複数の脚部のうちの2つ以上の脚部をそれぞれ包囲する複数のコイルと、
前記鉄心を下側から支持するフレームと、
前記フレームに支持され、前記複数のコイルを受ける複数のコイル受け部材と、
を備え、
前記フレームは、
前記第1ヨーク部の底面に対向する面を含み、前記複数の脚部の配列方向である第1方向に延在し、前記第1ヨーク部を下側から支持する支持部と、
前記重力方向及び前記第1方向の両方と直交する第2方向において前記第1ヨーク部を挟むように配置され、前記支持部から上側にそれぞれ突出した2つの側面部と、
前記2つの側面部の各々の上縁部及び下縁部の間の位置から、前記第1ヨーク部から離れる方向に突出し、前記複数のコイル受け部材の少なくとも1つが置かれる座面部と、
を含む、
ことを特徴とする変圧器。
【請求項2】
前記フレームは、
前記支持部から下側に突出し、前記第1方向に延在する第1補強部をさらに含む、
請求項1に記載の変圧器。
【請求項3】
重力方向に延在する複数の脚部、前記複数の脚部の下端間を接続する第1ヨーク部、及び、前記複数の脚部の上端間を接続する第2ヨーク部を含む鉄心と、
前記複数の脚部のうちの2つ以上の脚部をそれぞれ包囲する複数のコイルと、
前記鉄心を下側から支持するフレームと、
前記フレームに支持され、前記複数のコイルを受ける複数のコイル受け部材と、
を備え、
前記フレームは、
前記第1ヨーク部の底面に対向する面を含み、前記複数の脚部の配列方向である第1方向に延在し、前記第1ヨーク部を下側から支持する支持部と、
前記重力方向及び前記第1方向の両方と直交する第2方向において前記第1ヨーク部を挟むように配置され、前記支持部から上側にそれぞれ突出した2つの側面部と、
前記2つの側面部の各々の上縁部から、前記第1ヨーク部から離れる方向に突出し、前記複数のコイル受け部材の少なくとも1つが置かれる座面部と、
前記支持部から下側に突出し、前記第1方向に延在する第1補強部と、
を含む、
ことを特徴とする変圧器。
【請求項4】
前記第1補強部は、
前記支持部の前記第1方向に沿う2つの縁部の間に配置される、
請求項2又は3に記載の変圧器。
【請求項5】
前記フレームは、
前記第2方向に沿って配置され、前記第1補強部を含む複数の補強部を有し、
前記複数の補強部の各々は、
前記支持部から下側に突出し、前記第1方向に延在する、
請求項2又は3に記載の変圧器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変圧器に関する。
【背景技術】
【0002】
変圧器として、3つの脚を有する鉄心を含む3脚鉄心変圧器、及び、5つの脚を有する鉄心を含む5脚鉄心変圧器等が知られている。特許文献1には、3相3脚鉄心変圧器が開示されている。3脚鉄心変圧器では、3つの脚の全てに巻線(導線)が巻かれる。また、特許文献2には、3相5脚鉄心変圧器が開示されている。5脚鉄心変圧器では、例えば、巻線が巻かれた3つの主脚の両側に、磁気回路の帰路に相当する2つの帰路脚が配置される。5脚鉄心変圧器では、3つの主脚の両側に帰路脚が配置されるため、横幅は3脚鉄心変圧器の横幅に比べて大きくなるが、高さを3脚鉄心変圧器の高さに比べて小さくすることができる。例えば、5脚鉄心変圧器では、脚間を接続する継鉄の高さ(厚さ)を、3脚鉄心変圧器の継鉄の高さに比べて、小さくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-208454号公報
【特許文献2】特開2002-025834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、変圧器の鉄心は、鉄心の下側に配置されたフレームにより支持される。従来構成のフレームでは、フレームと巻線との間隔が小さい場合、フレームと巻線との間隔が大きい場合に比べて、フレームの高さが小さくなるため、フレームの強度が低下する。なお、フレームと巻線との間隔は、例えば、脚間を接続する継鉄の高さが小さい場合、脚間を接続する継鉄の高さが大きい場合に比べて、小さくなる。従って、例えば、脚間を接続する継鉄の高さが小さい変圧器では、脚間を接続する継鉄の高さが大きい変圧器と同様な構造のフレームを用いた場合、フレームの強度が不足するおそれがある。以上の事情を考慮して、本発明は、変圧器の鉄心を支持するフレームの強度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の好適な態様に係る変圧器は、重力方向に延在する複数の脚部、前記複数の脚部の下端間を接続する第1ヨーク部、及び、前記複数の脚部の上端間を接続する第2ヨーク部を含む鉄心と、前記複数の脚部のうちの2つ以上の脚部をそれぞれ包囲する複数のコイルと、前記鉄心を下側から支持するフレームと、前記フレームに支持され、前記複数のコイルを受ける複数のコイル受け部材と、を備え、前記フレームは、前記第1ヨーク部の底面に対向する面を含み、前記複数の脚部の配列方向である第1方向に延在し、前記第1ヨーク部を下側から支持する支持部と、前記重力方向及び前記第1方向の両方と直交する第2方向において前記第1ヨーク部を挟むように配置され、前記支持部から上側にそれぞれ突出した2つの側面部と、前記2つの側面部の各々の上縁部及び下縁部の間の位置から、前記第1ヨーク部から離れる方向に突出し、前記複数のコイル受け部材の少なくとも1つが置かれる座面部と、を含む。
【0006】
本発明の好適な他の態様に係る変圧器は、重力方向に延在する複数の脚部、前記複数の脚部の下端間を接続する第1ヨーク部、及び、前記複数の脚部の上端間を接続する第2ヨーク部を含む鉄心と、前記複数の脚部のうちの2つ以上の脚部をそれぞれ包囲する複数のコイルと、前記鉄心を下側から支持するフレームと、前記フレームに支持され、前記複数のコイルを受ける複数のコイル受け部材と、を備え、前記フレームは、前記第1ヨーク部の底面に対向する面を含み、前記複数の脚部の配列方向である第1方向に延在し、前記第1ヨーク部を下側から支持する支持部と、前記重力方向及び前記第1方向の両方と直交する第2方向において前記第1ヨーク部を挟むように配置され、前記支持部から上側にそれぞれ突出した2つの側面部と、前記2つの側面部の各々の上縁部から、前記第1ヨーク部から離れる方向に突出し、前記複数のコイル受け部材の少なくとも1つが置かれる座面部と、前記支持部から下側に突出し、前記第1方向に延在する第1補強部と、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明の変圧器によれば、変圧器の鉄心を支持するフレームの強度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る変圧器の概略図である。
図2図1に示した鉄心及びモールドコイルを説明するための説明図である。
図3図1に示した変圧器を+X方向から見た概略図である。
図4図1に示した第1フレームの効果を説明するための説明図である。
図5】第2実施形態に係る変圧器を+X方向から見た概略図である。
図6図5に示した変圧器を+Z方向から見た概略図である。
図7図5に示した変圧器を-Y方向から見た概略図である。
図8】第3実施形態に係る変圧器を+X方向から見た概略図である。
図9】第1変形例に係る第1フレームの一例を説明するための説明図である。
図10】第1変形例に係る第1フレームの別の例を説明するための説明図である。
図11】第1変形例に係る第1フレームの別の例を説明するための説明図である。
図12】第1変形例に係る第1フレームの別の例を説明するための説明図である。
図13】第1変形例に係る第1フレームの別の例を説明するための説明図である。
図14】第1変形例に係る第1フレームの別の例を説明するための説明図である。
図15】第1変形例に係る第1フレームの別の例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。ただし、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0010】
A.実施形態
以下、本発明の実施形態を説明する。先ず、図1を参照しながら、第1実施形態に係る変圧器10の概要の一例について説明する。
【0011】
A1:第1実施形態
図1は、第1実施形態に係る変圧器10の概略図である。
【0012】
なお、以下では、説明の便宜上、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を有する3軸の直交座標系を導入する。以下では、X軸の矢印の指す方向は+X方向と称され、+X方向の反対方向は-X方向と称される。Y軸の矢印の指す方向は+Y方向と称され、+Y方向の反対方向は-Y方向と称される。また、Z軸の矢印の指す方向は+Z方向と称され、+Z方向の反対方向は-Z方向と称される。以下では、+Y方向及び-Y方向を特に区別することなく、Y方向と称し、+X方向及び-X方向を、特に区別することなく、X方向と称する場合がある。また、+Z方向及び-Z方向を、特に区別することなく、Z方向と称する場合がある。また、以下では、+Y方向を上方又は上側と称し、-Y方向を下方又は下側と称する場合がある。なお、本実施形態では、-Y方向は、「重力方向」に該当する。また、X方向は、「第1方向」の一例であり、Z方向は、「重力方向及び第1方向の両方と直交する第2方向」の一例である。但し、「直交」は、厳密な直交だけではなく、実質的な直交(例えば、誤差範囲内の直交)も含む。
【0013】
また、以下では、特定の方向から対象物をみることを、平面視と称する場合がある。例えば、図1は、+Z方向から平面視した変圧器10を示している。
【0014】
本実施形態では、変圧器10が3相5脚鉄心変圧器である場合を想定する。例えば、変圧器10は、鉄心100、3つのモールドコイル200、複数の第1スペーサ300、複数の第2スペーサ400、第1フレーム500、第2フレーム600、第3フレーム700及び第4フレーム800を有し、設置台900に設置される。鉄心100は、「鉄心」の一例であり、3つのモールドコイル200は、「複数のコイル」の一例である。また、複数の第1スペーサ300は、「複数のコイル受け部材」の一例であり、第1フレーム500は、「フレーム」の一例である。
【0015】
鉄心100及びモールドコイル200の詳細は後述する図2において説明するが、例えば、鉄心100は、5つの脚部102を有する5脚鉄心である。また、3つのモールドコイル200は、例えば、鉄心100の5つの脚部102のうちの主脚に相当する3つの脚部102a(図2参照)をそれぞれ包囲し、X方向に沿って配列される。3のモールドコイル200のうちの一のモールドコイル200は、他のモールドコイル200に、配線WIにより接続される。なお、複数のモールドコイル200の結線方法は、特に限定されない。
【0016】
第1フレーム500は、モールドコイル200の下方(モールドコイル200に対して-Y方向)に配置され、鉄心100を下側(-Y方向)から支持する。例えば、第1フレーム500が後述する2つの台座部902に固定されることにより、変圧器10が設置台900に設置される。なお、第1フレーム500の詳細は、後述する図3において説明する。また、第2フレーム600は、例えば、モールドコイル200の上方(モールドコイル200に対して+Y方向)に配置される。
【0017】
第3フレーム700及び第4フレーム800は、X方向において鉄心100を挟むように第1フレーム500と第2フレーム600との間に配置され、第1フレーム500及び第2フレーム600に接続される。例えば、第1フレーム500は、ねじ締結又は溶接等により、第3フレーム700、第4フレーム800及び設置台900等に接続される。同様に、第2フレーム600は、ねじ締結又は溶接等により、第3フレーム700及び第4フレーム800等に接続される。なお、ねじ締結とは、例えば、ボルト及びナット等のねじSCを用いて複数の要素を互いに接続することである。
【0018】
第1フレーム500、第2フレーム600、第3フレーム700、第4フレーム800及び設置台900の材料は、特に限定されない。例えば、第1フレーム500、第2フレーム600、第3フレーム700、第4フレーム800及び設置台900は、鉄等の金属材料により形成されてもよい。
【0019】
複数の第1スペーサ300は、第1フレーム500に支持され、3つのモールドコイル200を受ける。また、複数の第2スペーサ400は、第2フレーム600とモールドコイル200との間に配置される。なお、第1スペーサ300及び第2スペーサ400の材料は特に限定されないが、第1スペーサ300及び第2スペーサ400は、例えば、ゴム等の弾性体により形成されてもよい。
【0020】
設置台900は、Z方向に延在し、X方向に配置される2つの台座部902と、X方向に延在し、2つの台座部902を連結する連結部904とを有する。X方向に互いに間隔を空けて配置された2つの台座部902により第1フレーム500が支持されるため、重力方向の荷重に対する第1フレーム500の強度が不足する場合、変圧器10の重さにより第1フレーム500が変形するおそれがある。例えば、2つの台座部902間の距離D1が大きい場合、距離D1が小さい場合に比べて、第1フレーム500の強度を高くすることが望まれる。このため、本実施形態では、第1フレーム500の構造を工夫することにより、第1フレーム500の強度を向上させる。第1フレーム500の構造を説明する前に、鉄心100の構成の一例を、図2を参照しながら説明する。
【0021】
図2は、図1に示した鉄心100及びモールドコイル200を説明するための説明図である。なお、図2は、+Z方向から平面視した鉄心100及びモールドコイル200を示している。図2では、図を見やすくするために、配線WI等の記載が省略されている。また、図2では、説明を分かり易くするために、鉄心100のうち、鉄心100を+Z方向から平面視した場合にモールドコイル200に隠れる部分を点線で示している。
【0022】
本実施形態では、鉄心100が、複数の電磁鋼板が積層されることにより形成される積層鉄心である場合を想定する。なお、鉄心100は、積層鉄心に限定されない。鉄心100は、例えば、重力方向(-Y方向)に延在し、X方向に配列された5つの脚部102と、第1ヨーク部104と、第2ヨーク部106とを含む。5つの脚部102は、「複数の脚部」の一例であり、第1ヨーク部104は、「第1ヨーク部」の一例であり、第2ヨーク部106は、「第2ヨーク部」の一例である。
【0023】
5つの脚部102は、主脚に相当する3つの脚部102aと、磁気回路の帰路として機能する帰路脚に相当する2つの脚部102b(すなわち側脚)とを含む。2つの脚部102b(側脚)の間に3つの脚部102a(主脚)が位置する。3つの脚部102aは、3つのモールドコイル200にそれぞれ包囲される。また、例えば、第1ヨーク部104は、5つの脚部102の下端間を接続する継鉄であり、第2ヨーク部106は、5つの脚部102の上端間を接続する継鉄である。
【0024】
面BTyは、第1ヨーク部104を-Y方向から平面視した場合に把握される面、すなわち、第1ヨーク部104の下側の面である。また、面SDyは、第1ヨーク部104を+Z方向又は-Z方向から平面視した場合に把握される面、すなわち、第1ヨーク部104のX方向に沿う側面である。以下では、面BTy及びSDyの符号を用いずに、面BTyを第1ヨーク部104の底面と称し、面SDyを第1ヨーク部104の側面と称する場合がある。
【0025】
3つのモールドコイル200は、鉄心100の3つの脚部102a(主脚)と一対一に対応する。例えば、各モールドコイル200は、対応する脚部102aを包囲する巻線を絶縁性の樹脂でモールドした筒状の第1モールドコイル(図示せず)と、第1モールドコイルを包囲する巻線を絶縁性の樹脂でモールドした筒状の第2モールドコイル(図示せず)とを含む。
【0026】
図3は、図1に示した変圧器10を+X方向から見た概略図である。図3では、第1フレーム500の構造を中心に説明する。また、図3では、説明を分かり易くするために、変圧器10を+X方向から平面視した場合に第3フレーム700に隠れる鉄心100を点線で示している。
【0027】
第1フレーム500は、X方向に延在するフレーム本体部材520a及び520bと、X方向に延在する座面部材540a及び540bとを含む。フレーム本体部材520aの構成は、フレーム本体部材520bの構成と同様であり、座面部材540aの構成は、座面部材540bの構成と同様である。以下では、フレーム本体部材520a及び520bをフレーム本体部材520と総称し、座面部材540a及び540bを座面部材540と総称する場合がある。図3に示す第1フレーム500では、第1フレーム500を+X方向から平面視した場合、フレーム本体部材520及び座面部材540の各々は、L字形として把握される。
【0028】
フレーム本体部材520a及び520bの各々は、第1ヨーク部104の底面に対向する面BTfを含み、X方向に延在する底面部532と、第1ヨーク部104の側面に対向する面SDfを含み、底面部532から上側に突出する側面部534とを有する。例えば、フレーム本体部材520aの側面部534の面SDfは、第1ヨーク部104の+Z側の側面に対向し、フレーム本体部材520bの側面部534の面SDfは、第1ヨーク部104の-Z側の側面に対向する。すなわち、フレーム本体部材520aの側面部534及びフレーム本体部材520bの側面部534は、Z方向において第1ヨーク部104を挟むように配置される。
【0029】
また、フレーム本体部材520aの底面部532及びフレーム本体部材520bの底面部532は、第1ヨーク部104の下側に配置され、第1ヨーク部104を下側から支持する。従って、フレーム本体部材520a及び520bは、第1ヨーク部104の下側に底面部532が位置し、第1ヨーク部104に対して+Z方向及び-Z方向に側面部534が位置するように、配置される。なお、フレーム本体部材520aの底面部532及びフレーム本体部材520bの底面部532を含む底面部532は、「支持部」の一例である。また、フレーム本体部材520aの側面部534とフレーム本体部材520bの側面部534との2つの側面部534は、「2つの側面部」の一例である。
【0030】
座面部材540a及び540bの各々は、第1スペーサ300が置かれる座面部552と、フレーム本体部材520の側面部534に接続される接続部554とを含む。例えば、座面部材540aは、フレーム本体部材520aの側面部534の上縁部及び下縁部の間の位置から座面部552が+Z方向に突出するように、フレーム本体部材520aの側面部534に、ねじ締結又は溶接等により接続される。また、例えば、座面部材540bは、フレーム本体部材520bの側面部534の上縁部及び下縁部の間の位置から座面部552が-Z方向に突出するように、フレーム本体部材520bの側面部534に、ねじ締結又は溶接等により接続される。
【0031】
すなわち、座面部材540a及び540bの各々の座面部552は、フレーム本体部材520a及び520bの各々の側面部534の上縁部及び下縁部の間の位置から、第1ヨーク部104から離れる方向に突出する。なお、例えば、座面部材540aの座面部552と座面部材540bの座面部552とのY方向における位置は、互いに同じ、又はほぼ同じである。以下では、第1ヨーク部104から離れる方向を、単に、外側と称する場合がある。
【0032】
なお、変圧器10の構成は、図1から図3に示した例に限定されない。例えば、第3フレーム700及び第4フレーム800は、省かれてもよい。次に、第1フレーム500の構造による効果を、図4を参照しながら説明する。
【0033】
図4は、図1に示した第1フレーム500の効果を説明するための説明図である。図4では、対比例の第1フレーム500EXと比較して、第1フレーム500の効果を説明する。なお、図4では、図を見やすくするために、図3に示した第3フレーム700等の記載を省略している。先ず、対比例の第1フレーム500EXの構造について説明する。
【0034】
対比例では、X方向に延在する底面部532と2つの側面部534と2つの座面部552とを含む1つのフレーム本体部材528が、第1フレーム500EXとして形成される。例えば、2つの側面部534は、底面部532のX方向に沿う2つの縁部から上側にそれぞれ突出する。また、2つの座面部552は、2つの側面部534の上縁部から外側(第1ヨーク部104から離れる方向)にそれぞれ突出する。従って、第1フレーム500EXでは、底面部532の下面から座面部552の上面までの距離D3が、側面部534の重力方向(-Y方向)に沿う長さLYex(側面部534の高さ)に対応する。なお、底面部532の下面は、例えば、底面部532を-Y方向から平面視した場合に把握される面である。また、座面部552の上面は、例えば、座面部552を+Y方向から平面視した場合に把握される面である。
【0035】
ここで、底面部532の下面から座面部552の上面までの距離D3は、例えば、底面部532の下面からモールドコイル200の下面までの距離D2と第1スペーサ300の高さとにより制限される。また、底面部532の下面からモールドコイル200の下面までの距離D2は、例えば、第1ヨーク部104の厚さT1(高さ)が小さい場合、第1ヨーク部104の厚さT1が大きい場合に比べて、小さくなる。従って、第1フレーム500EXでは、例えば、第1ヨーク部104の厚さT1が小さい場合、第1ヨーク部104の厚さT1が大きい場合に比べて、側面部534の重力方向の長さLYexが小さくなる。
【0036】
これに対し、本実施形態の第1フレーム500では、座面部552は、側面部534の上縁部及び下縁部の間の位置から外側に突出する。図4に示す第1フレーム500では、側面部534の上縁部から下側に距離D4離れた位置に座面部552が設けられる場合を想定する。この場合、側面部534の重力方向の長さLY1を、底面部532の下面から座面部552の上面までの距離D3より、距離D4だけ長くすることができる。すなわち、第1フレーム500では、側面部534の重力方向の長さLY1を第1フレーム500EXの側面部534の重力方向の長さLYexより長くすることができる。以下では、側面部534の重力方向の長さLY1及びLYexを、側面部534の重力方向の長さLYと総称する場合がある。
【0037】
重力方向の荷重に対する第1フレーム500の強度は、側面部534の重力方向の長さLYが小さい場合、側面部534の重力方向の長さLYが大きい場合に比べて低下する。第1フレーム500では、対比例の第1フレーム500EXに比べて、側面部534の重力方向の長さLYを大きくすることができるため、第1フレーム500の強度を高くすることができる。さらに、第1フレーム500では、側面部534に接続部554が接続されるため、側面部534と接続部554との接続部分のZ方向に沿う厚さが、第1フレーム500EXの側面部534のZ方向に沿う厚さより大きくなる。このため、第1フレーム500では、第1フレーム500の強度を高くすることができる。
【0038】
また、第1フレーム500では、側面部534は、側面部534の上縁部が座面部552の上面とモールドコイル200の下面との間に位置するように、形成される。従って、変圧器10の高さは、対比例の第1フレーム500EXが使用される変圧器10EXの高さと同じである。すなわち、本実施形態では、変圧器10の高さが大きくなることを抑制しつつ、第1フレーム500の強度を向上させることができる。
【0039】
以上、本実施形態では、変圧器10は、鉄心100と、複数のモールドコイル200と、鉄心100を下側から支持する第1フレーム500と、第1フレーム500に支持され、複数のモールドコイル200を受ける複数の第1スペーサ300とを有する。鉄心100は、重力方向(-Y方向)に延在する複数の脚部102、複数の脚部102の下端間を接続する第1ヨーク部104、及び、複数の脚部102の上端間を接続する第2ヨーク部106を含む。複数のモールドコイル200は、複数の脚部102のうちの2つ以上の脚部102bをそれぞれ包囲する。
【0040】
第1フレーム500は、第1ヨーク部104を下側から支持する底面部532と、底面部532から上側にそれぞれ突出した2つの側面部534と、2つの側面部534の各々に設けられる座面部552とを含む。底面部532は、第1ヨーク部104の底面に対向する面BTfを含み、複数の脚部102の配列方向であるX方向に延在する。2つの側面部534は、重力方向及びX方向の両方と直交するZ方向において第1ヨーク部104を挟むように配置される。座面部552は、側面部534の上縁部及び下縁部の間の位置から、第1ヨーク部104から離れる方向に突出する。そして、座面部552には、複数の第1スペーサ300の少なくとも1つが置かれる。
【0041】
このように、本実施形態では、第1フレーム500の座面部552は、側面部534の上縁部及び下縁部の間の位置に設けられる。このため、本実施形態では、側面部534の重力方向の長さLYを、底面部532の下面から座面部552の上面までの距離D3より長くすることができる。これにより、本実施形態では、例えば、側面部534の上縁部に座面部552が設けられる第1フレーム500EXに比べて、第1フレーム500の強度を高くすることができる。すなわち、本実施形態では、変圧器10の鉄心100を支持する第1フレーム500の強度を向上させることができる。
【0042】
A2:第2実施形態
図5図6及び図7は、第2実施形態に係る変圧器10の概略図である。例えば、図5は、第2実施形態に係る変圧器10を+X方向から見た概略図である。また、図6は、図5に示した変圧器10を+Z方向から見た概略図である。そして、図7は、図5に示した変圧器10を-Y方向から見た概略図である。なお、図5図6及び図7では、第1フレーム500は、第1フレーム500Aと称される。図1から図4において説明した要素と同様の要素については、同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0043】
図5から図7に示す変圧器10は、図1等に示した第1フレーム500の代わりに第1フレーム500Aを有することを除いて、図1等に示した変圧器10と同様である。図5図6及び図7では、第1フレーム500Aと図1等に示した第1フレーム500との主な相違点を中心に説明する。第1フレーム500Aの第1フレーム500に対する主な相違点は、底面部532から下側に突出する突出部536が設けられる点である。なお、突出部536は、「第1補強部」の一例である。
【0044】
図5に示されるように、第1フレーム500Aは、X方向に延在するフレーム本体部材522a及び522bと、X方向に延在する座面部材540a及び540bとを含む。座面部材540(540a及び540b)は、図3に示した座面部材540と同様である。また、フレーム本体部材522aの構成は、フレーム本体部材522bの構成と同様である。以下では、フレーム本体部材522a及び522bをフレーム本体部材522と総称する場合がある。
【0045】
フレーム本体部材522は、底面部532から重力方向に沿って下側に突出する突出部536を含むことを除いて、図3に示したフレーム本体部材520と同様である。例えば、フレーム本体部材522a及び522bの各々は、X方向に延在する底面部532と、底面部532から上側に突出する側面部534と、X方向に延在し、底面部532から下側に突出する突出部536とを有する。突出部536は、例えば、底面部532のX方向に延在する2つの縁部のうち、側面部534が設けられていない縁部に設けられる。
【0046】
また、例えば、フレーム本体部材522aの突出部536は、フレーム本体部材522bの突出部536に、ねじ締結又は溶接等により接続される。すなわち、突出部536は、フレーム本体部材522aの底面部532とフレーム本体部材522bの底面部532とを含む底面部532において、2つの側面部534がそれぞれ設けられる2つの縁部の間に配置される。換言すれば、突出部536は、フレーム本体部材522aの底面部532とフレーム本体部材522bの底面部532とを含む底面部532のX方向に沿う2つの縁部の間に配置される。例えば、フレーム本体部材522aの底面部532とフレーム本体部材522bの底面部532とを含む底面部532のX方向に沿う2つの縁部間の中央付近に突出部536が配置された場合、2つの縁部付近の強度を、互いに同じ又はほぼ同じにすることができる。すなわち、フレーム本体部材522aの底面部532とフレーム本体部材522bの底面部532とを含む底面部532のX方向に沿う2つの縁部間の中央付近に突出部536が配置された場合、第1フレーム500Aの全体の強度を効率よく向上させることができる。
【0047】
座面部材540aは、例えば、フレーム本体部材522aの側面部534の上縁部及び下縁部の間の位置から座面部552が+Z方向に突出するように、フレーム本体部材522aの側面部534に、ねじ締結又は溶接等により接続される。また、座面部材540bは、例えば、フレーム本体部材522bの側面部534の上縁部及び下縁部の間の位置から座面部552が-Z方向に突出するように、フレーム本体部材522bの側面部534に、ねじ締結又は溶接等により接続される。
【0048】
第1フレーム500Aでは、底面部532から重力方向に沿って下側に突出する突出部536が設けられるため、突出部536が設けられない第1フレーム500に比べて、重力方向の荷重に対する第1フレーム500の強度を高くすることができる。
【0049】
また、突出部536は、例えば、図5から図7に示されるように、突出部536を含まない第1フレーム500が設置台900に設置された場合に生じる第1フレーム500と設置台900との隙間に配置される。従って、第1フレーム500Aが使用される変圧器10の高さは、突出部536を含まない第1フレーム500が使用される変圧器10の高さと同じである。すなわち、本実施形態では、変圧器10の高さが大きくなることを抑制しつつ、第1フレーム500Aの強度を向上させることができる。
【0050】
以上、本実施形態では、第1フレーム500Aは、底面部532、側面部534及び座面部552の他に、底面部532から下側に突出し、X方向に延在する突出部536を有する。このように、本実施形態では、底面部532から下側に突出する突出部536が第1フレーム500Aに設けられるため、第1フレーム500Aの強度を向上させることができる。
【0051】
また、本実施形態では、突出部536は、フレーム本体部材522aの底面部532とフレーム本体部材522bの底面部532とを含む底面部532のX方向に沿う2つの縁部の間に配置される。例えば、フレーム本体部材522aの底面部532とフレーム本体部材522bの底面部532とを含む底面部532のX方向に沿う2つの縁部間の中央付近に突出部536が配置された場合、第1フレーム500Aの全体の強度を効率よく向上させることができる。
【0052】
A3:第3実施形態
図8は、第3実施形態に係る変圧器10を+X方向から見た概略図である。なお、図8では、第1フレーム500は、第1フレーム500Bと称される。図1から図7において説明した要素と同様の要素については、同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0053】
図8に示す変圧器10は、図5等に示した第1フレーム500Aの代わりに第1フレーム500Bを有することを除いて、図5等に示した変圧器10と同様である。図8では、第1フレーム500Bと第1フレーム500Aとの主な相違点を中心に説明する。第1フレーム500Bの第1フレーム500Aに対する主な相違点は、側面部534の上縁部に座面部552が設けられる点である。
【0054】
第1フレーム500Bは、X方向に延在するフレーム本体部材524a及び524bを含む。フレーム本体部材524aの構成は、フレーム本体部材524bの構成と同様である。以下では、フレーム本体部材524a及び524bをフレーム本体部材524と総称する場合がある。フレーム本体部材524は、側面部534の上縁部から外側(第1ヨーク部104から離れる方向)に突出する座面部552が形成されることを除いて、図5に示したフレーム本体部材522と同様である。
【0055】
例えば、フレーム本体部材524a及び524bの各々は、X方向に延在する底面部532と、底面部532から上側に突出する側面部534と、底面部532から下側に突出する突出部536と、側面部534の上縁部から外側に突出する座面部552とを有する。第1フレーム500Bにおいても、突出部536が設けられるため、突出部536が設けられない構成(例えば、図4に示した第1フレーム500EX)に比べて、第1フレーム500Bの強度を向上させることができる。
【0056】
以上、本実施形態では、変圧器10は、鉄心100と、複数のモールドコイル200と、鉄心100を下側から支持する第1フレーム500Bと、第1フレーム500Bに支持され、複数のモールドコイル200を受ける複数の第1スペーサ300とを有する。鉄心100は、重力方向(-Y方向)に延在する複数の脚部102、複数の脚部102の下端間を接続する第1ヨーク部104、及び、複数の脚部102の上端間を接続する第2ヨーク部106を含む。複数のモールドコイル200は、複数の脚部102のうちの2つ以上の脚部102bをそれぞれ包囲する。
【0057】
第1フレーム500Bは、第1ヨーク部104を下側から支持する底面部532と、底面部532から上側にそれぞれ突出した2つの側面部534と、2つの側面部534の各々に設けられる座面部552と、突出部536とを含む。底面部532は、第1ヨーク部104の底面に対向する面BTfを含み、複数の脚部102の配列方向であるX方向に延在する。2つの側面部534は、重力方向及びX方向の両方と直交するZ方向において第1ヨーク部104を挟むように配置される。座面部552は、側面部534の上縁部から、第1ヨーク部104から離れる方向に突出する。そして、座面部552には、複数の第1スペーサ300の少なくとも1つが置かれる。また、突出部536は、底面部532から下側に突出し、X方向に延在する。
【0058】
このように、本実施形態では、底面部532から下側に突出する突出部536が第1フレーム500Bに設けられるため、第1フレーム500Bの強度を向上させることができる。
【0059】
B:変形例
以上に例示した実施形態は多様に変形され得る。前述の実施形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を、相互に矛盾しない範囲で併合してもよい。
【0060】
B1:第1変形例
上述した実施形態では、第1フレーム500として、3種類の第1フレーム500、500A及び500Bを例示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。第1変形例に係る第1フレーム500の複数の例を、図9から図15を参照しながら説明する。
【0061】
図9は、第1変形例に係る第1フレーム500の一例を説明するための説明図である。また、図10から図15までの各図は、第1変形例に係る第1フレーム500の別の例を説明するための説明図である。図9から図15までの各図では、第1フレーム500は、符号の末尾に、アルファベットの“C”から“I”までのいずれかを付して称される。
【0062】
例えば、図9に示されるように、第1フレーム500Cは、X方向に延在する底面部532と2つの側面部534とを含む1つのフレーム本体部材526と、2つの座面部材540(540a及び540b)とを有してもよい。座面部材540a及び540bは、例えば、ねじ締結又は溶接等により、フレーム本体部材526の2つの側面部534にそれぞれ接続される。すなわち、第1フレーム500Cでは、図3に示したフレーム本体部材520a及び520bが1つのフレーム本体部材526として形成される。第1フレーム500Cにおいても、上述した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0063】
また、例えば、図10に示されるように、第1フレーム500Dは、フレーム本体部材526と、2つの座面部材540(540a及び540b)と、X方向に延在する補強部材537とを有してもよい。補強部材537は、「第1補強部」の別の例である。補強部材537は、底面部532から重力方向に沿って下側に突出するように、底面部532の下面に、ねじ締結又は溶接等により、接続される。なお、底面部532の下面に接続される補強部材537の数は、図11に示すように、2つ以上でもよい。底面部532から下側に突出するように接続された補強部材537により、第1フレーム500Dの強度が向上する。従って、第1フレーム500Dにおいても、上述した第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0064】
また、例えば、図11に示されるように、第1フレーム500Eは、フレーム本体部材528と、X方向に延在し、Z方向に沿って配置される複数の補強部材537とを有してもよい。複数の補強部材537は、「複数の補強部」の一例である。例えば、複数の補強部材537は、底面部532から下側に突出するように、底面部532の下面に、ねじ締結又は溶接等により、接続される。なお、底面部532の下面に接続される補強部材537は、1つでもよい。底面部532から下側に突出するように接続された補強部材537により、第1フレーム500Eの強度が向上する。また、複数の補強部材537が設けられる場合、1つの補強部材537が設けられる場合に比べて、第1フレーム500Eの強度をさらに向上させることができる。
【0065】
また、例えば、図12に示されるように、第1フレーム500Fは、フレーム本体部材528と、X方向に延在する2つの側面部材535(535a及び535b)とを有してもよい。2つの側面部材535は、「2つの側面部」の一例である。側面部材535aは、例えば、フレーム本体部材528の2つの側面部534のうちの+Z方向に位置する側面部534及び底面部532に、ねじ締結又は溶接等により、接続される。また、側面部材535bは、例えば、フレーム本体部材528の2つの側面部534のうちの-Z方向に位置する側面部534及び底面部532に、ねじ締結又は溶接等により、接続される。また、側面部材535(535a及び535b)は、フレーム本体部材528の側面部534に接続された場合に、上縁部がフレーム本体部材528の座面部552より+Y方向に位置するように、形成される。これにより、側面部材535の重力方向の長さLY1を、フレーム本体部材528の側面部534の重力方向の長さLYexより長くすることができる。従って、第1フレーム500Fにおいても、上述した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0066】
また、例えば、図13に示されるように、第1フレーム500Gは、フレーム本体部材528と、2つの側面部材535(535a及び535b)と、補強部材537とを有してもよい。例えば、補強部材537は、底面部532から下側に突出するように、底面部532の下面に、ねじ締結又は溶接等により、接続される。すなわち、第1フレーム500Gでは、図12に示した第1フレーム500Fに、補強部材537が接続される。従って、第1フレーム500Gにおいても、上述した第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0067】
また、例えば、図14に示されるように、第1フレーム500Hは、2つのフレーム本体部材524(524a及び524b)と、2つの側面部材535(535a及び535b)とを有してもよい。側面部材535aは、例えば、フレーム本体部材524aの側面部534及び底面部532に、ねじ締結又は溶接等により、接続される。また、側面部材535bは、例えば、フレーム本体部材524bの側面部534及び底面部532に、ねじ締結又は溶接等により、接続される。また、側面部材535は、フレーム本体部材524の側面部534に接続された場合に、上縁部がフレーム本体部材524の座面部552より+Y方向に位置するように、形成される。従って、第1フレーム500Hにおいても、上述した第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0068】
また、例えば、図15に示されるように、第1フレーム500Iは、フレーム本体部材526と、2つの座面部材542(542a及び542b)とを有してもよい。座面部材542a及び542bの各々は、座面部552と、フレーム本体部材526の側面部534に接続される部分を含む補強部556と、を有する。例えば、座面部材542a及び542bの各々は、フレーム本体部材526の側面部534の上縁部及び下縁部の間の位置から座面部552が外側に突出するように、フレーム本体部材526の側面部534に、ねじ締結又は溶接等により接続される。なお、座面部材542の補強部556は、フレーム本体部材526に座面部材542が接続された場合に補強部556の下縁部がフレーム本体部材526の底面部532より-Y方向に位置するように、形成される。すなわち、補強部556の一部が、フレーム本体部材526の底面部532から重力方向に沿って下側に突出する。これにより、座面部材542の補強部556は、重力方向の荷重に対する第1フレーム500Iの強度を補強する補強部として機能する。従って、第1フレーム500Iにおいても、上述した第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0069】
なお、上述した第1実施形態において、座面部材540の代わりに、座面部材542がフレーム本体部材520に接続されてもよい。あるいは、上述した第2実施形態において、座面部材540の代わりに、座面部材542がフレーム本体部材522に接続されてもよい。
【0070】
B2:第2変形例
上述した実施形態及び第1変形例では、変圧器10が3相5脚鉄心変圧器である場合を例示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、変圧器10は、3つ以上の脚部102を有する鉄心100を含む変圧器であってもよい。あるいは、変圧器10は、2つ以上の単相の変圧器により構成されてもよい。
【符号の説明】
【0071】
10、10EX…変圧器、100…鉄心、102…脚部、104…第1ヨーク部、106…第2ヨーク部、200…モールドコイル、300…第1スペーサ、400…第2スペーサ、500、500A-500I、500EX…第1フレーム、520、522、524、526、528…フレーム本体部材、532…底面部、534…側面部、535…側面部材、536…突出部、537…補強部材、540、542…座面部材、552…座面部、556…補強部、600…第2フレーム、700…第3フレーム、800…第4フレーム、900…設置台、SC…ねじ、WI…配線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15