(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022134774
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】タイヤの製造方法および成形装置
(51)【国際特許分類】
B29D 30/70 20060101AFI20220908BHJP
B29D 30/38 20060101ALI20220908BHJP
B29D 30/16 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
B29D30/70
B29D30/38
B29D30/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021034165
(22)【出願日】2021-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】高梨 雄太
【テーマコード(参考)】
4F215
【Fターム(参考)】
4F215AH20
4F215VA01
4F215VD07
4F215VL06
4F215VP28
4F215VP33
(57)【要約】
【課題】剛性コアの外周側に多数のストリップ材を貼り付けてベルト層を成形する設備のコンパクト化を図ることができるタイヤの製造方法および成形装置を提供する。
【解決手段】1本の帯状のストリップ材23を順次、1つのストリップ材供給ライン10を通じて供給し、保持機13によって配置ユニット5に設置されたストリップ材23を、貼り付け機構3を用いて剛性コア2の外周側の成形面に貼り付ける工程を繰返して、剛性コア2の周方向に対して補強コード23aを所定の傾斜角度にしてストリップ材23を周方向に並べたベルト層22aを形成し、保持機13に保持したストリップ材23を表裏反対に旋回させて配置ユニット5に設置することで、上下に隣り合うベルト層22aの補強コード23aの傾斜方向を反対方向にしたベルト積層体22を構築して、このベルト積層体22を備えたグリーンタイヤGを成形する。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行に引き揃えられた複数本の補強コードが未加硫ゴムで被覆された1本の帯状のストリップ材を順次、剛性コアの外周側に位置する成形面に、前記剛性コアの周方向に対して前記補強コードを所定の傾斜角度にして斜め方向に延在させて前記周方向に並べて貼り付けることにより、前記周方向に隣り合って貼り付けられた前記ストリップ材どうしを接合してベルト層を形成し、前記ベルト層を複数積層して上下に隣り合う前記ベルト層のそれぞれの前記補強コードの前記周方向に対する傾斜方向を反対方向にしたベルト積層体を構築し、前記ベルト積層体を有するグリーンタイヤを成形し、このグリーンタイヤを加硫するタイヤの製造方法において、
前記ベルト積層体を構築する際に、1つのストリップ材供給ラインを通じて供給された1本の前記ストリップ材を保持機によって保持して配置ユニットに移動させて設置し、前記配置ユニットに設置された前記ストリップ材を前記成形面に貼り付ける工程を繰り返し行うことで、それぞれの前記ベルト層を形成し、上下に隣り合う前記ベルト層の前記補強コードの前記傾斜方向を反対方向にするには、前記保持機によって保持した前記ストリップ材を表裏反対に旋回させて前記配置ユニットに設置することを特徴とするタイヤの製造方法。
【請求項2】
前記ストリップ材を表裏反対に旋回させる時に、前記ストリップ材の長手方向に対する直交軸を中心して旋回させる請求項1に記載のタイヤの製造方法。
【請求項3】
前記ストリップ材を表裏反対に旋回させる時に、前記ストリップ材の長手方向に対する平行軸を中心して旋回させる請求項1に記載のタイヤの製造方法。
【請求項4】
前記剛性コアの外周面が幅方向位置で周長が変化するプロファイルを有し、予め把握している前記プロファイルに基づいて、前記配置ユニットに設置された前記ストリップ材に対して前記成形面を近接させるように前記剛性コアを相対的に移動させつつ、前記周方向に隣り合って貼り付けられた前記ストリップ材どうしの前記剛性コアの幅方向位置による接合しろのばらつきが小さくなるように、前記配置ユニットに設置された前記ストリップ材の長手方向に対する前記周方向の角度が変化する方向に前記剛性コアを相対的に旋回させながら、前記配置ユニットに設置された前記ストリップ材を前記成形面に貼り付ける請求項1~3のいずれかに記載のタイヤの製造方法。
【請求項5】
平行に引き揃えられた複数本の補強コードが未加硫ゴムで被覆された1本の帯状のストリップ材が設置される配置ユニットと、剛性コアと前記配置ユニットの少なくとも一方を他方に対して相対移動させる貼り付け機構とを有し、前記貼り付け機構により前記剛性コアと前記配置ユニットの少なくとも一方を相対移動させて、前記配置ユニットに設置された1本の前記ストリップ材が順次、前記剛性コアの外周側に位置する成形面に、前記剛性コアの周方向に対して前記補強コードを所定の傾斜角度にして斜め方向に延在して前記周方向に並べて貼り付けられて、前記周方向に隣り合って貼り付けられている前記ストリップ材どうしを接合してベルト層が形成され、前記ベルト層が複数積層されて上下に隣り合う前記ベルト層のそれぞれの前記補強コードの前記周方向に対する傾斜方向を反対方向にしたベルト積層体が構築される構成にしたタイヤの成形装置において、
1本の前記ストリップ材を順次供給する1つのストリップ材供給ラインと、供給されたそれぞれの前記ストリップ材を保持して前記配置ユニットに移動させて設置する保持機を有し、前記保持機は保持した前記ストリップ材を表裏反対に旋回させる旋回機構を有し、上下に隣り合う前記ベルト層の前記補強コードの前記傾斜方向を反対方向にする際には、前記保持機によって保持された前記ストリップ材が表裏反対に旋回されて前記配置ユニットに設置される構成にしたことを特徴とするタイヤの成形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタイヤの製造方法および成形装置に関し、さらに詳しくは、多数のストリップ材を順次、剛性コアの外周に周方向に並べて配置して貼り付けて、周方向に隣り合うストリップ材どうしを接合してベルト層を形成する際に、設備のコンパクト化を図ることができるタイヤの製造方法および成形装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タイヤの製造工程で、完成タイヤのタイヤ内周面形状に対応した外周面形状を有する剛性コアを使用する方法が知られている。剛性コアの外周にはタイヤ構成部材が順次積層されてグリーンタイヤが成形される(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の発明では、ベルト層を形成するために、平行に引き揃えられた複数本の補強コードが未加硫ゴムでコーティングされて形成されたストリップ材が多数使用される。このストリップ材が順次、剛性コアの周方向に対して補強コードを所定の傾斜角度にして剛性コアの幅方向に延在されて剛性コアの周方向に並べて配置される。
【0003】
複数積層されるベルト層は、一般的に1層ごとにそれぞれの補強コードの剛性コアの周方向に対する傾斜方向を反対にして積層される。そのため、グリーンタイヤを成形する際には、補強コードの剛性コアの周方向に対する傾斜方向を反対にした2種類のストリップ材を用意する必要がある。この2種類のストリップ材のそれぞれを剛性コアに対して供給する供給ラインを個別に設けると設備が大型化するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、剛性コアの外周側に位置する成形面で周方向に隣接するストリップ材どうしを接合してベルト層を成形する際、設備のコンパクト化を図ることができるタイヤの製造方法および成形装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため本発明のタイヤの製造方法は、平行に引き揃えられた複数本の補強コードが未加硫ゴムでコーティングされた1本の帯状のストリップ材を順次、剛性コアの外周側に位置する成形面に、前記剛性コアの周方向に対して前記補強コードを所定の傾斜角度にして斜め方向に延在させて前記周方向に並べて貼り付けることにより、前記周方向に隣り合って貼り付けられた前記ストリップ材どうしを接合してベルト層を形成し、前記ベルト層を複数積層して上下に隣り合う前記ベルト層のそれぞれの前記補強コードの前記周方向に対する傾斜方向を反対方向にしたベルト積層体を構築し、前記ベルト積層体を有するグリーンタイヤを成形し、このグリーンタイヤを加硫するタイヤの製造方法において、前記ベルト積層体を構築する際に、1つのストリップ材供給ラインを通じて供給された1本の前記ストリップ材を保持機によって保持して配置ユニットに移動させて設置し、前記配置ユニットに設置された前記ストリップ材を前記成形面に貼り付ける工程を繰り返し行うことで、それぞれの前記ベルト層を形成し、上下に隣り合う前記ベルト層の前記補強コードの前記傾斜方向を反対方向にするには、前記保持機によって保持した前記ストリップ材を表裏反対に旋回させて前記配置ユニットに設置することを特徴とする。
【0007】
本発明のタイヤの成形装置は、平行に引き揃えられた複数本の補強コードが未加硫ゴムで被覆された1本の帯状のストリップ材が設置される配置ユニットと、剛性コアと前記配置ユニットの少なくとも一方を他方に対して相対移動させる貼り付け機構とを有し、前記貼り付け機構により前記剛性コアと前記配置ユニットの少なくとも一方を相対移動させて、前記配置ユニットに設置された1本の前記ストリップ材が順次、前記剛性コアの外周側に位置する成形面に、前記剛性コアの周方向に対して前記補強コードを所定の傾斜角度にして斜め方向に延在して前記周方向に並べて貼り付けられて、前記周方向に隣り合って貼り付けられている前記ストリップ材どうしを接合してベルト層が形成され、前記ベルト層が複数積層されて上下に隣り合う前記ベルト層のそれぞれの前記補強コードの前記周方向に対する傾斜方向を反対方向にしたベルト積層体が構築される構成にしたタイヤの成形装置において、1本の前記ストリップ材を順次供給する1つのストリップ材供給ラインと、供給されたそれぞれの前記ストリップ材を保持して前記配置ユニットに移動させて設置する保持機を有し、前記保持機は保持した前記ストリップ材を表裏反対に旋回させる旋回機構を有し、上下に隣り合う前記ベルト層の前記補強コードの前記傾斜方向を反対方向にする際には、前記保持機によって保持された前記ストリップ材が表裏反対に旋回されて前記配置ユニットに設置される構成にしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、順次供給されるストリップ材を保持する保持機によって、ストリップ材を表裏反対に旋回させて配置ユニットに設置することができる。それ故、多数のストリップ材を順次、剛性コアの外周に周方向に並べて配置して貼り付けてベルト層を形成し、上下に隣り合うベルト層の補強コードの傾斜方向を反対方向にしたベルト積層体を構築するには、1本のストリップ材を順次供給する1つのストリップ材供給ラインを設ければ済む。即ち、補強コードの傾斜方向を反対にした2種類のストリップ材をそれぞれ供給する供給ラインを個別に設ける必要がなくなる。これに伴い、ベルト積層体を構築するための設備のコンパクト化を図ることができるので、設備のための広い設置スペースが不要になり、設備コストの低減にも寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明のタイヤの成形装置を平面視で例示する説明図である。
【
図2】
図1の成形装置の一部を正面視で例示する説明図である。
【
図3】
図1の保持機およびストリップ材供給ライン周辺を配置ユニット側から正面視で例示する説明図である。
【
図4】
図1の剛性コアの上半分を横断面視で例示する説明図である。
【
図5】一部のタイヤ構成部材が貼り付けられた成形途中のグリーンタイヤの上半分を横断面視で例示する説明図である。
【
図6】保持機にストリップ材を供給する工程を平面視で例示する説明図である。
【
図7】
図6のストリップ材を保持機によって保持して位置決めした状態を平面視で例示する説明図である。
【
図8】
図7のストリップ材を配置ユニットに設置する工程を平面視で例示する説明図である。
【
図9】
図8のグリーンタイヤにストリップ材を貼り付ける工程を成形装置の平面視で例示する説明図である。
【
図10】
図9のグリーンタイヤにストリップ材の長手方向中心部を貼り付けている状態を成形装置の正面視で例示する説明図である。
【
図11】
図10のグリーンタイヤにストリップ材を長手方向に延在させて貼り付けている状態を成形装置の正面視で例示する説明図である。
【
図12】ストリップ材を成形面に貼り付ける際の剛性コアの旋回角度を例示する説明図である。
【
図13】ベルト層が形成された成形途中のグリーンタイヤをタイヤ正面視で例示する説明図である。
【
図14】ストリップ材を旋回させて配置ユニットに設置する工程を平面視で例示する説明図である。
【
図15】
図14のストリップ材を保持している保持機を配置ユニット側から正面視で例示する説明図である。
【
図16】ストリップ材を保持する保持機の変形例を平面視で示す説明図である。
【
図17】
図16のストリップ材を旋回させて配置ユニットに設置する工程を平面視で例示する説明図である。
【
図18】成形されたグリーンタイヤの上半分を横断面視で例示する説明図である。
【
図19】グリーンタイヤを加硫する工程を加硫装置の断面視で例示する説明図である。
【
図20】加硫後の製造されたタイヤの上半分を横断面視で例示する説明図である。
【
図21】配置ユニットの下方に剛性コアが配置される成形装置の実施形態を正面視で例示する説明図である。
【
図22】成形装置の別の実施形態の一部を正面視で例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明のタイヤの製造方法およびタイヤの成形装置を、図に示した実施形態に基づいて説明する。
【0011】
本発明のタイヤの製造方法は、
図1~
図3に例示する本発明のタイヤの成形装置1を使用してグリーンタイヤGを成形し、成形したグリーンタイヤGを加硫することによりタイヤTを製造する。尚、本発明は、一般的な空気入りタイヤに限らず、ソリッドタイヤなど様々なタイヤTを製造する際に適用できる。
【0012】
グリーンタイヤGの成形には、金属等によって形成された
図4に例示する剛性コア2が用いられる。剛性コア2は、完成したタイヤTのタイヤ内周面形状に対応した外周面形状を有している。そのため、剛性コア2の外周面2bは、剛性コア2の幅方向位置によって周長が変化するプロファイルになっている。一般的には、剛性コア2の幅方向中央部が両端部よりも外周側に突出したプロファイルになる。剛性コア2は例えば中心軸2aを中心にして周方向に分割された複数のセグメントと、セグメントの内側を支える支持棒とにより構成される。
【0013】
尚、剛性コア2の幅方向W、周方向Lはそれぞれ、グリーンタイヤGおよび完成タイヤTの幅方向、周方向に対応する。図中の一点鎖線CLはタイヤ軸(中心軸2aの軸心)を示し、一点鎖線Zは一点鎖線CLと直交して剛性コア2の幅方向Wの中心を通る旋回軸を示している。
【0014】
成形装置1は、1本の帯状のストリップ材23が設置される配置ユニット5と、剛性コア2と配置ユニット5の少なくとも一方を他方に対して相対移動させる貼り付け機構3と、1本のストリップ23材を順次供給する1つのストリップ材供給ライン10と、供給されたそれぞれのストリップ材23を保持して配置ユニット5に移動させて設置する保持機13と、制御部17とを有している。貼り付け機構3、配置ユニット5、ストリップ材供給ライン10および保持機13の動作は制御部17によって制御される。制御部17としてはコンピュータが用いられる。制御部17は1つに限らず複数備えることもできる。
【0015】
ストリップ材23は、平行に引き揃えられた複数本の補強コード23aが未加硫ゴムで被覆されて形成されている。補強コード23aの延在方向がストリップ材23の長手方向になっている。ストリップ材23の長手方向両端は長手方向に対して所定の傾斜角度aで切断されて互いが平行になる(傾斜角度aは鋭角)。切断された1本のストリップ材23の幅Hは例えば5mm~50mm、長さは例えば200mm~800mmである。したがって、ストリップ材23は比較的小さくて軽量である。
【0016】
ストリップ材供給ライン10は、ストリップ材23の長尺体を長手方向に移動させる搬送機構11と、この長尺体を所定長さに切断する切断部12とを有している。搬送機構11としては、サーボモータや流体シリンダ等で前後進するベース台や搬送コンベヤなどを用いることができる。この実施形態では、切断部12として丸刃が採用されているが、公知の種々のカッターを用いることができる。
【0017】
保持機13は、保持アーム14と、保持アーム14の先端部に配置された一対の把持部14aと、保持アーム14をアーム軸心を中心にして旋回させる旋回機構15と、保持アーム14を配置ユニット5に対して近接離反移動させる進退機構16aと、保持アーム14を進退機構16aによる進退方向に対する直交方向に移動させる位置決め機構16bとを有している。一対の把持部14aを近接移動させることで、これら把持部14aの間にストリップ材3が挟まれて把持される。一対の把持部14aを離反移動させることで、これら把持部14aに挟まれたストリップ材3の把持が解除される。
【0018】
旋回機構15としては、保持アーム14を任意角度ずつ、或いは、180°ずつ旋回させるサーボモータ等を用いることができる。進退機構16a、位置決め機構16bとしては、保持アーム14を移動させるサーボモータや流体シリンダ等を用いることができる。
【0019】
配置ユニット5は、床面に固定状態で設置されているベースフレーム5aと、ベースフレーム5aに取り付けられた一対の圧着ローラ6と、互いの圧着ローラ6を近接離反する方向に水平移動させる移動機構7とを有している。移動機構7は例えば、ボールねじとボールねじを回転させるサーボモータとで構成される。或いは、流体シリンダ等を移動機構7として用いることもできる。それぞれの圧着ローラ6を単独で水平移動させる構成にすることも、互いを同期させて水平移動させる構成にすることもできる。
【0020】
配置ユニット5は、さらに、圧着ローラ6どうしの間で上下移動する押圧体8と、それぞれの圧着ローラ6の近傍に配置されたガイド9とを備えている。それぞれのガイド9は、回転軸の軸方向に離間して外嵌されたガイドローラを有している。それぞれのガイド9は、近傍する圧着ローラ6に対して外側(互いの圧着ローラ6が離反する方向側)の位置に設置されていて、近接する圧着ローラ6とともに水平移動可能になっている。それぞれのガイド9は、近接する圧着ローラ6と水平方向に近接離反移動可能にするとよい。
【0021】
貼り付け機構3は、配置ユニット5に設置された1本のストリップ材23を、剛性コア2の外周側に位置する成形面14aに貼り付ける。この実施形態では、剛性コア2を任意の位置に移動させる自在アーム4が貼り付け機構3として用いられている。自在アーム4としては産業用ロボット等を例示できる。自在アーム4の先端部には剛性コア2の中心軸2aが保持されて、剛性コア2は中心軸2aを中心に回転可能になっている。また、剛性コア2は旋回軸Zを中心にして回転可能になっている。
【0022】
貼り付け機構3は、この実施形態のように所定位置に固定されている配置ユニット5(ベースフレーム5a)に対して剛性コア2を移動させる構成に限定されず、所定位置に固定されている剛性コア2に対して配置ユニット5を移動させる構成でもよく、剛性コア2と配置ユニット5の両方を移動させる構成でもよい。
【0023】
次に、本発明のタイヤの製造方法によってタイヤTを製造する手順の一例を説明する。
【0024】
図4に例示する剛性コア2の外周面2bには順次、公知の方法で
図5に例示するように所定のタイヤ構成部材(インナーライナ19やカーカス層21など)を貼り付ける。具体的には、剛性コア2の外周面2bに順次、インナーライナ19、カーカス層21を積層して貼り付けてそれぞれを円筒状にする。剛性コア2の幅方向両側面では、カーカス層21の上にリング状のビード部材20を配置して、それぞれのビード部材20のビードコア20aの周りでカーカス層21を折り返した状態にする。また、カーカス層21の幅方向両端部には未加硫のサイドゴム24を積層して貼り付けておく。必要に応じてその他のタイヤ構成部材を貼り付ける。
【0025】
次いで、
図5の剛性コア2の外周側に貼り付けられている円筒状のカーカス層21の外周面(成形面21a)に円筒状のベルト積層体22を構築する。ベルト積層体22は、円筒状のベルト層22aが上下に積層して形成されている。それぞれのベルト層22aは、多数のストリップ材23を接合して形成される。ストリップ材23は、複数本の補強コード23aが未加硫ゴムでコーティングされて形成されている。
【0026】
図6に例示するように、ベルト層22a(ベルト積層体22)を成形するには、ストリップ材供給ライン10を通じて供給源からストリップ材23を保持機13に供給する。ストリップ材23の長尺体は、ストリップ材23の予め設定された1本分の長さずつ、保持機13に向かって供給される。保持機13は、ストリップ材供給ライン10の途中に設置されている。
【0027】
切断部12は、供給されたストリップ材23の長尺体を予め設定された1本分の長さに切断して、1本のストリップ材23を形成する。このストリップ材23の長手方向両端は、長手方向に対して所定の傾斜角度aで切断されて互いが平行になる。切断された1本のストリップ材23は、保持機13の正面に配置された状態になる。この時、保持機13の把持部14aは待機位置にある。
【0028】
次いで、
図7に例示するように、保持アーム14を進退機構16aによって前進させ、一対の把持部14aによってストリップ材23の長手方向中心部Mを上下に挟んで把持する。保持アーム14を位置決め機構16bによって移動させて、ストリップ材23の長手方向中心部Mを、配置ユニット5の一対の圧着ローラ6どうしの中間位置(押圧体8の位置)に位置決めする。切断部12は待機位置に移動させる。
【0029】
次いで、
図8に例示するように、保持アーム14を進退機構16aによってさらに前進させて配置ユニット5(一対の圧着ローラ6)の上まで移動させる。移動させた1本のストリップ材23は、一対の圧着ローラ6の上に掛け渡して配置する。この時、一対の圧着ローラ6は互いに近接した位置にあり、押圧体8はそれぞれの圧着ローラ6よりも上方に突出しない位置にある。尚、後述する
図8~
図14、
図16、17では、ベルト層22a(ストリップ材23)以外のタイヤ構成部材を省略して図示していない。
【0030】
その後、把持部14aどうしを離間移動させてストリップ材23の把持を解除し、
図9に例示するように、保持アーム14を進退機構16aによって待機位置まで後退させる。また、それぞれのガイド9と近接する圧着ローラ6との間にストリップ材23を挿通させる。これにより、1本のストリップ材23は、その長手方向中心部Mが押圧体8の上方に位置した状態で一対の圧着ローラ6の上にセットされる。それぞれのガイド9のガイドローラどうしの離間距離は、ストリップ材23のストリップ幅Hより僅かに大きく設定されている。
【0031】
制御部17には、剛性コア2の形状データが入力されていて、幅方向位置で周長が変化する外周面2bのプロファイルのデータも入力されている。また、使用するタイヤ構成部材(19、20、21、22aなど)の形状データ(長さ、幅、厚さ)や、成形するグリーンタイヤGの仕様データなど、種々のデータが入力されている。
【0032】
次いで、剛性コア2と貼り付け機構3とを協働させることで、剛性コア2の外周側に積層されているカーカス層21の外周面に、配置ユニット5にセットされたストリップ材23を貼り付ける。即ち、このカーカス層21の外周面が、これからストリップ材23を貼り付ける成形面21aになる。
【0033】
ベルト層22aを形成するには、この成形面21aに、多数のストリップ材23(補強コード23a)を順次、剛性コア2の周方向に対して斜めの方向(傾斜角度a)に延在させて周方向に並べて貼り付ける。そして、周方向に隣り合って成形面21aに貼り付けられたストリップ材23どうしを接合してベルト層22aを形成する。
【0034】
剛性コア2の外周面2bは上述したように幅方向位置で周長が変化するプロファイルを有している。そして、外周面2bに順次貼り付けられるインナーライナ19やカーカス層21は一定厚さの部材なので、ストリップ材23を貼り付ける成形面21aも外周面2bと同様に幅方向位置で周長(周方向長さ)が変化するプロファイルを有している。
【0035】
そこで、制御部17に入力されて予め把握している剛性コア2の外周面2bのプロファイルに基づいて、剛性コア2および貼り付け機構3を作動させてベルト層22aを形成する。まず
図10に例示するように、一対の圧着ローラ6の間に掛け渡された状態のストリップ材23に対して押圧体8を上方移動させる。これにより、ストリップ材23の長手方向中心部Mを剛性コア2の幅方向中央部で成形面21aに押圧して貼り付ける。
【0036】
次いで、
図11に例示するように、成形面21aに貼り付けられるストリップ材23に対して成形面21aを近接させるように剛性コア2を下方移動させるとともに、剛性コア2を旋回軸Zを中心にして旋回させながら、ストリップ材23を長手方向に延在させて成形面21aに貼り付ける。詳述すると、剛性コア2のこの下方移動とともに、成形面21aの周方向に隣り合って貼り付けられるストリップ材23どうしの剛性コア2の幅方向位置による接合しろ(周方向に隣接するストリップ材23の対向する端面どうしの周方向の接合長さ)のばらつきが小さくなるように、この貼り付けられるストリップ材23の長手方向に対する剛性コア2の周方向の角度が変化する方向に剛性コア2を旋回させる。隣接するストリップ材23どうしは基本的に突き合わせて接合させるので、この接合しろはプラスでもマイナスでもなくゼロに近づける。
【0037】
剛性コア2のトレッドに相当する範囲の幅方向両端部では、幅方向中央部に比して成形面21a周長が短い。そのため、ストリップ材23を貼り付ける際に、この幅方向両端部では、幅方向中央部に比して傾斜角度aが大きくなるように剛性コア2を旋回させる。
【0038】
そして、剛性コア2のこの旋回とともに、一対の圧着ローラ6を互いが離反する方向に水平移動させる。これにより、貼り付けられるストリップ材23を成形面21aと圧着ローラ6との間で挟んだ状態にして、このストリップ材23を長手方向に延在させて成形面21aに押圧して貼り付ける。
【0039】
例えばベルト層22aを形成するために同じ仕様のストリップ材23(ストリップ幅H)をN枚使用することが予め設定されている場合には以下のように剛性コア2を旋回させる。
図12に示す剛性コア2の幅方向位置での成形面21aの周長Kは予め把握できる。そして、ストリップ材23を剛性コア2の周方向に対して傾斜角度aで貼り付けた場合にこの幅方向位置におけるこのストリップ材23の剛性コア2の周方向に対する長さTはT=H/Sin(a)になる。そして、周長K=長さT×N枚になるので整理すると以下(1)式が導ける。
傾斜角度a=Sin
-1(H・N/K)・・・(1)
【0040】
そこで、それぞれのストリップ材23を成形面21aに貼り付ける際には、剛性コア2の幅方向位置に応じてストリップ材23の傾斜角度aが上記(1)式を満足するように剛性コア2を旋回させる。
【0041】
この実施形態では、剛性コア2のプロファイルが幅方向中心に対して対称形状なので、貼り付けられるストリップ材23の長手方向中心部Mを、剛性コア2の幅方向中央部で成形面21aに貼り付けた後、長手方向中心部Mから長手方向両端に向かってストリップ材23を貼り付けている。これにより、より短時間でストリップ材23の貼り付けを完了させるには有利になる。
【0042】
剛性コア2のプロファイルが幅方向中心に対して非対称形状の場合は、例えば、貼り付けられるストリップ材23の長手方向中心部Mを、剛性コア2の幅方向中央部で成形面21aに貼り付けた後、長手方向中心部Mから長手方向一端に向かってストリップ材23を成形面21aに貼り付ける。その後、長手方向中心部Mから長手方向他端に向かってストリップ材23を成形面21aに貼り付けるとよい。
【0043】
この実施形態では、ストリップ材23の成形面21aに貼り付けられる直前部分は、それぞれのガイド9によってストリップ幅方向への動きがを規制されている。そのため、剛性コア2を旋回させつつストリップ材23を成形面21aに貼り付けても、このストリップ材23が、既に成形面21aに貼り付けられているストリップ材23をずれ移動させるような不具合を防止するには有利になっている。
【0044】
このようにして1本のストリップ材23を順次、成形面21aに貼り付ける工程を繰り返し行うことで、
図13に例示するそれぞれのベルト層22aが形成される。
図13では、ベルト積層体22を構成する内周側および外周側のベルト層22aのうち、内周側のベルト層22aは円筒状に形成されて完成しているが、外周側のベルト層22aは未完成の状態である。
【0045】
内周側のベルト層22aと外周側のベルト層22aとは、それぞれの補強コード23aの剛性コア2の周方向に対する傾斜方向が反対方向になっている。そこで、この成形装置1の保持機13には旋回機構15が備わっている。内周側のベルト層22aに外周側のベルト層22aを積層して形成する際には、ストリップ材23を貼り付ける成形面21aは、内周側のベルト層22aの表面になる。
【0046】
このベルト積層体22を構築する際には、
図14、
図15に例示するように、1本のストリップ材23を保持した保持機13の保持アーム14を、旋回機構15によってアーム軸心を中心にして旋回させる。これにより、保持機13によって保持されたストリップ材23を、ストリップ材23の長手方向に対する直交軸を中心にして表裏反対に旋回させる。
【0047】
旋回させたストリップ材23は、保持アーム14をさらに前進させて配置ユニット5(一対の圧着ローラ6)に設置する。保持機13によってストリップ材23を保持する前の工程、ストリップ材23を配置ユニット5に設置した後の工程は、内周側のベルト層22aを形成する場合と同じである。ただし、剛性コア2の平面視の向きは
図8の場合とは反対向きにする(保持アーム14の軸心方向に対して対称の向きにする)。
【0048】
このように、配置ユニット5にセットするストリップ材23を表裏反対に旋回させて順次一連の工程を繰り返すことで、外周側のベルト層22aを形成してベルト積層体22を構築する。ストリップ材23を安定して旋回させるには、ストリップ材23の長手方向中心部Mを一対の把持部14aで把持することが好ましい。
【0049】
保持機13は、ストリップ材23を表裏反対に旋回できる構造であればよいので、その他の構造を採用することもできる。
図16、
図17に例示する保持機13は、一対の把持部14aを先端に有する保持アーム14を進退させる油圧シリンダを位置決め機構16bとして利用し、保持アーム14の進退方向と直交する方向に延在するレールに沿って保持アーム14を移動させるサーボモータ等を進退機構16aとして利用している。
【0050】
図16に例示するように、この保持機13はストリップ材供給ライン10を通じて供給された1本のストリップ材23を長手方向一端部側から一対の把持部14aの間に挿入して把持部14aの間に挟んで保持する。ストリップ材23の幅方向中心部と保持アーム14のアーム軸心とを一致させてストリップ材23を保持するとよい。その後、進退機構16aによって保持アーム14を配置ユニット5に向かって移動させる。
【0051】
次いで、
図17に例示するように、ストリップ材供給ライン10と配置ユニット5との間の位置で、1本のストリップ材23を保持した保持機13の保持アーム14を、旋回機構15によってアーム軸心を中心にして旋回させる。これにより、保持機13によって保持されたストリップ材23を、ストリップ材の長手方向に対する平行軸を中心して表裏反対に旋回させる。
【0052】
その後、進退機構16aおよび位置決め機構16bを用いて保持アーム14を配置ユニット5(一対の圧着ローラ6)の上に移動させて、旋回させたストリップ材23を配置ユニット5に設置する。このように、ストリップ材23を表裏反対に旋回させる時には、ストリップ材23の長手方向に対する直交軸を中心して旋回させることも、ストリップ材23の長手方向に対する平行軸を中心して旋回させることもできる。この直交軸、平行軸のいずれを中心にしてストリップ材23を旋回させるかは、設備の設置スペース等を考慮して決定するが、
図14、
図15の構造にすると、ストリップ材23を配置ユニット5の所定位置により精度よく設置するには有利である。
【0053】
図18に例示するグリーンタイヤGを成形するには、上述した手順によってベルト積層体22を構築した後は、ベルト積層体22の外周面に順次、ベルト補強層や未加硫のトレッドゴム25等の必要なタイヤ構成部材を貼り付ける。このようにしてベルト積層体22を有するグリーンタイヤGを成形する。
【0054】
次いで、
図19に例示するようにグリーンタイヤGを剛性コア2とともに、加硫装置18に設置された加硫用モールド18aの内部に配置して加硫用モールド18aを閉型する。次いで、閉型した加硫用モールド18aの内部でグリーンタイヤGを所定条件で加硫することで
図20に例示するタイヤT(この実施形態では空気入りタイヤT)が完成する。加硫用モールド18aから取り出した後で、完成したタイヤTから剛性コア2から分離させる。
【0055】
ホイールと一体化させたタイヤTを製造する場合は、例えば、そのホイールを剛性コア2として利用することも可能である。このような仕様のタイヤTを製造する場合には、グリーンタイヤGを加硫した後に、完成したタイヤTを剛性コア2(ホイール)から分離させる必要はない。
【0056】
上述したとおり、本発明によれば、順次供給されるストリップ材23を保持する保持機13によって、ストリップ材23を表裏反対に旋回させて配置ユニット5に設置することができる。それ故、上下に隣り合うベルト層22aの補強コード23aの傾斜方向を反対方向にしたベルト積層体22を構築するには、成形装置1は、1本のストリップ材23を順次、保持機13に供給する1つのストリップ材供給ライン10を備えていれば済む。
【0057】
ベルト積層体22を構築するために、補強コード23aの傾斜方向を反対にした2種類のストリップ材23をそれぞれ供給する個別の供給ラインを設ける場合は、2種類のストリップ材23毎に、搬送機構11、切断部12、保持機13などを備える必要がある。即ち、同様の設備を重複して備える必要があるので、設備を設置するためにより広いスペースが必要になるデメリット、設備コストが増大するデメリットが生じる。また、重複して備えた設備の稼働率を高くするには不利にあるデメリットもある。
【0058】
本発明では、ストリップ材供給ライン10が1つだけでよいので、ベルト積層体22を構築するための設備が大幅にコンパクト化することが可能になる。これに伴い、上述した種々のデメリットを解消できる。
【0059】
切断部12によるストリップ材23に対する切断角度を任意に設定できる仕様にすることがより好ましい。この仕様にすることで、貼り付けるストリップ材23の補強コード23aを、剛性コア2の周方向に対して任意の所定の傾斜角度aに設定できる。それ故、より様々な仕様のグリーンタイヤGを成形することができる汎用性の高い成形装置1になる。
【0060】
剛性コア2の外周面2bが幅方向位置で周長が変化するプロファイルを有する場合は、上述したように、予め把握しているこのプロファイルのデータに基づいて、それぞれのストリップ材23を成形面21aに貼り付けてベルト層22aを形成する。そのため、成形面21aに貼り付けられて周方向に隣接するストリップ材23どうしが過大に周方向にオーバーラップしたり、隣接するストリップ材23どうしの間に周方向隙間が生じる不具合を防止するには有利になる。それ故、幅方向位置によって変化する剛性コア2の外周面2bの周長に起因するストリップ材23どうしの接合乱れを抑制することが可能になる。これに伴い、製造されたタイヤTの品質向上にも寄与する。
【0061】
上述した成形装置1では、配置ユニット5の上方に剛性コア2を配置した状態で、ベルト層22aを形成するが、
図21に例示する成形装置1のように、配置ユニット5の下方に剛性コア2を配置してベルト層22a(ベルト積層体22)を形成することもできる。この成形装置1では、配置ユニット5(ベースフレーム5a)が支持面から下方に吊り下げられて固定状態で設置され、剛性コア2が自在アーム4によって移動可能になっている。
【0062】
この成形装置1は、
図1、2に例示した成形装置1の剛性コア2と配置ユニット5の上下関係を逆にした構成であり、その他の構成は実質的に同じである。ただし、この成形装置1は、それぞれのガイド9の外側に支持ローラ9aを有している。ストリップ材23は、圧着ローラ6とガイド9との間を挿通して一対の圧着ローラ6の間に掛け渡された状態になり、ストリップ材23の長手方向両端部はそれぞれ支持ローラ9aによって支持される。この成形装置1では一対の圧着ローラ6を上下移動可能にする仕様は必須ではないので、必要に応じて採用すればよい。この成形装置1を用いて、グリーンタイヤGを成形する手順は、先の実施形態で説明した手順と同様である。
【0063】
図22、
図23に例示する成形装置1の別の実施形態では、剛性コア2は床面に立設された支柱2cに固定された中心軸2aを中心に回転可能になっている。即ち、剛性コア2は床面に固定状態(平面移動できない状態)で設置されている。配置ユニット5は自在アーム4によって任意の位置に移動可能に設置されている。配置ユニット5は、平面視で押圧体8の中心を上下に延在する旋回軸Zを中心にして旋回可能になっている。尚、剛性コア2は旋回軸Zを中心にして旋回することできない状態で固定されている。
【0064】
この成形装置1を用いてグリーンタイヤGを成形する手順は、先の実施形態で説明した手順と同様である。ただし、この実施形態では主に配置ユニット5を移動させる。
【符号の説明】
【0065】
1 成形装置
2 剛性コア
2a 中心軸
2b 外周面
2c 支柱
3 貼り付け機構
4 自在アーム
5 配置ユニット
5a ベースフレーム
6 圧着ローラ
7 移動機構
8 押圧体
9 ガイド
9a 支持ローラ
10 ストリップ材供給ライン
11 搬送機構
12 切断部
13 保持機
14 保持アーム
14a 把持部
15 旋回機構
16a 進退機構
16b 位置決め機構
17 制御部
18 加硫装置
18a 加硫用モールド
19 インナーライナ
20 ビード部材
20a ビードコア
21 カーカス層
21a 成形面
22 ベルト積層体
22a ベルト層
23 ストリップ材
23a 補強コード
24 サイドゴム
25 トレッドゴム
G グリーンタイヤ
T タイヤ(完成タイヤ)