(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022134791
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】表示制御装置、表示制御装置の制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20220908BHJP
G01C 21/36 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
H04N7/18 J
G01C21/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021034189
(22)【出願日】2021-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(71)【出願人】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安藤 俊博
(72)【発明者】
【氏名】宮川 浩一
(72)【発明者】
【氏名】俵 克和
(72)【発明者】
【氏名】山本 晃大
【テーマコード(参考)】
2F129
5C054
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129GG17
2F129HH02
2F129HH12
2F129HH19
2F129HH21
5C054FE11
5C054FE26
5C054FE28
5C054HA30
(57)【要約】
【課題】すれ違い運転時における使い勝手を向上させ、ユーザの操作の手間を削減しつつユーザの必要とする情報を提供する。
【解決手段】実施形態の表示制御装置は、すれ違い画面表示要求信号、車両速度情報及びシフト位置情報のうち、少なくとも前記車両速度情報及び前記シフト位置情報に基づいて車両のすれ違い状態になっているか否かを判断する判断部と、前記すれ違い状態になっていると判断された場合に表示装置にすれ違い支援画面を表示する制御部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
すれ違い画面表示要求信号、車両速度情報及びシフト位置情報のうち、少なくとも前記車両速度情報及び前記シフト位置情報に基づいて車両のすれ違い状態になっているか否かを判断する判断部と、
前記すれ違い状態になっていると判断された場合に表示装置にすれ違い支援画面を表示する制御部と、
を備えた表示制御装置。
【請求項2】
前記すれ違い画面表示要求信号、前記車両速度情報及び前記シフト位置情報に基づいてすれ違い支援画面を表示する第1表示モードと、
前記車両速度情報及び前記シフト位置情報に基づいてすれ違い支援画面を表示する第2表示モードと、を備え、
前記制御部は、ユーザに前記第1表示モードあるいは前記第2表示モードの選択を促すモード選択画面を表示する、
請求項1記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、ユーザに前記すれ違い支援画面の表示あるいは非表示の選択を促す設定画面を表示する、
請求項2記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1表示モードが選択されている場合には、前記すれ違い画面表示要求信号により表示要求がなされており、
前記車両速度情報に基づく車速が所定の車速以下であり、
前記シフト位置情報に基づくシフト位置が前進位置である場合に、前記すれ違い支援画面を表示する、
請求項2または請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第2表示モードが選択されている場合には、
前記車両速度情報に基づく車速が所定の車速以下であり、
前記シフト位置情報に基づくシフト位置が前進位置である場合に、前記すれ違い支援画面を常時表示する、
請求項2または請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記すれ違い支援画面表示時に前記シフト位置情報が前進位置ではなくなった場合でも、第1の所定時間は、前記すれ違い支援画面を表示し続ける、
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記すれ違い支援画面表示時に車速が所定の車速を超えた場合でも、第2の所定時間は、前記すれ違い支援画面を表示し続ける、
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【請求項8】
外部からすれ違い画面表示要求信号が入力される表示制御装置で実行される方法であって、
前記すれ違い画面表示要求信号、車両速度情報及びシフト位置情報のうち、少なくとも前記車両速度情報及び前記シフト位置情報に基づいて車両のすれ違い状態になっているか否かを判断する過程と、
前記すれ違い状態になっていると判断された場合に表示装置にすれ違い支援画面を表示する過程と、
を備えた表示制御装置の制御方法。
【請求項9】
外部からすれ違い画面表示要求信号が入力される表示制御装置をコンピュータにより制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記すれ違い画面表示要求信号、車両速度情報及びシフト位置情報のうち、少なくとも前記車両速度情報及び前記シフト位置情報に基づいて車両のすれ違い状態になっているか否かを判断する手段と、
前記すれ違い状態になっていると判断された場合に表示装置にすれ違い支援画面を表示させる手段と、
して機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、表示制御装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の走行速度が所定の閾値より低い場合には、ユーザ(ドライバ)が表示モードの切り替えを行うこと無く、自動的に周辺画像を表示させることで、車両の周辺の必要な領域の状況をユーザに提供する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ユーザにとっては車両の走行速度低下時にもナビゲーション情報を取得したい場面が考えられる。しかしながら、従来技術においては、そのような状況下においても、車両の走行速度が所定の閾値より低くなると周辺画像が表示されてしまい、ユーザが必要としているナビゲーション情報の提供がなされなくなるおそれがあった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、使い勝手を向上させ、ユーザの操作の手間を削減しつつユーザの必要とする情報を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の表示制御装置は、すれ違い画面表示要求信号、車両速度情報及びシフト位置情報のうち、少なくとも前記車両速度情報及び前記シフト位置情報に基づいて車両のすれ違い状態になっているか否かを判断する判断部と、前記すれ違い状態になっていると判断された場合に表示装置にすれ違い支援画面を表示する制御部と、を備える。
上記構成によれば、すれ違い画面表示要求信号、車両速度情報及びシフト位置情報のうち、少なくとも車両速度情報及びシフト位置情報に基づいて車両のすれ違い状態になっている場合に、表示装置にすれ違い支援画面を表示することができるので、使い勝手を向上させ、ユーザの操作の手間を削減しつつユーザの必要とする情報を提供することができる。
【0006】
上記構成において、前記すれ違い画面表示要求信号、前記車両速度情報及び前記シフト位置情報に基づいてすれ違い支援画面を表示する第1表示モードと、前記車両速度情報及び前記シフト位置情報に基づいてすれ違い支援画面を表示する第2表示モードと、を備え、前記制御部は、ユーザに前記第1表示モードあるいは前記第2表示モードの選択を促すモード選択画面を表示するようにしてもよい。
上記構成によれば、ユーザの望む頻度ですれ違い支援画面を表示することができる。
【0007】
また、前記制御部は、ユーザに前記すれ違い支援画面の表示あるいは非表示の選択を促す設定画面を表示するようにしてもよい。
上記構成によれば、ユーザが望む状況ですれ違い支援画面の表示を行わせることができる。
【0008】
また、前記制御部は、前記第1表示モードが選択されている場合には、前記すれ違い画面表示要求信号により表示要求がなされており、前記車両速度情報に基づく車速が所定の車速以下であり、前記シフト位置情報に基づくシフト位置が前進位置である場合に、前記すれ違い支援画面を表示するようにしてもよい。
上記構成によれば、すれ違い支援が必要であるか否かを確実に判断して、すれ違い支援画面の表示が行える。
【0009】
また、前記制御部は、前記第2表示モードが選択されている場合には、前記車両速度情報に基づく車速が所定の車速以下であり、前記シフト位置情報に基づくシフト位置が前進位置である場合に、前記すれ違い支援画面を表示するようにしてもよい。
上記構成によれば、車速が所定の車速以下であり、前記シフト位置情報に基づくシフト位置が前進位置である場合に、すれ違い支援画面を表示するので、すれ違い運転が苦手なユーザであってもより容易にすれ違い運転が行える。
【0010】
前記制御部は、前記すれ違い支援画面表示時に前記シフト位置情報が前進位置ではなくなった場合でも、第1の所定時間は、前記すれ違い支援画面を表示し続けるようにしてもよい。
上記構成によれば、すれ違い運転時に切り返し、後退等によりシフト位置が一時的に前進位置でなくなった場合でも、すれ違い支援画面が表示され続けるので、より使い勝手が向上する。
【0011】
前記制御部は、前記すれ違い支援画面表示時に前記車速が前記所定の車速を超えた場合でも、第2の所定時間は、前記すれ違い支援画面を表示し続けるようにしてもよい。
上記構成によれば、すれ違い運転時に車両操作により、車速が一時的に所定の車速を超えた場合でも、すれ違い支援画面が表示され続けるので、より使い勝手が向上する。
【0012】
また実施形態の表示制御装置の制御方法は、外部からすれ違い画面表示要求信号が入力される表示制御装置で実行される表示制御装置の制御方法であって、前記すれ違い画面表示要求信号、車両速度情報及びシフト位置情報のうち、少なくとも前記車両速度情報及び前記シフト位置情報に基づいて車両のすれ違い状態になっているか否かを判断する過程と、前記すれ違い状態になっていると判断された場合に表示装置にすれ違い支援画面を表示する過程と、を備える。
上記構成によれば、すれ違い画面表示要求信号、車両速度情報及びシフト位置情報のうち、少なくとも車両速度情報及びシフト位置情報に基づいて車両のすれ違い状態になっている場合に、表示装置にすれ違い支援画面を表示することができるので、使い勝手を向上させ、ユーザの操作の手間を削減しつつユーザの必要とする情報を提供することができる。
【0013】
実施形態のプログラムは、外部からすれ違い画面表示要求信号が入力される表示制御装置をコンピュータにより制御するためのプログラムであって、前記コンピュータを、前記すれ違い画面表示要求信号、車両速度情報及びシフト位置情報のうち、少なくとも前記車両速度情報及び前記シフト位置情報に基づいて車両のすれ違い状態になっているか否かを判断する手段と、前記すれ違い状態になっていると判断された場合に表示装置にすれ違い支援画面を表示させる手段と、して機能させる。
上記構成によれば、すれ違い画面表示要求信号、車両速度情報及びシフト位置情報のうち、少なくとも車両速度情報及びシフト位置情報に基づいて車両のすれ違い状態になっている場合に、表示装置にすれ違い支援画面を表示することができるので、使い勝手を向上させ、ユーザの操作の手間を削減しつつユーザの必要とする情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、実施形態の車載周辺監視システムの概要構成ブロック図である。
【
図2】
図2は、カメラECUの機能ブロック図である。
【
図3】
図3は、初期設定画面の一例の説明図である。
【
図4】
図4は、実施形態のメイン処理フローチャートである。
【
図5】
図5は、第1すれ違い支援モード処理の処理フローチャートである。
【
図6】
図6は、すれ違い支援画像を表示した、すれ違い支援表示画面の一例の説明図である。
【
図7】
図7は、第2すれ違い支援モード処理の処理フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。以下に示される実施形態の構成(技術的特徴)、ならびに当該構成によってもたらされる作用および効果は、あくまで一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能であるとともに、基本的な構成によって得られる種々の効果のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
【0016】
なお、以下の例示的な複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、同様の構成要素には共通の符号が付されるとともに、重複する説明が省略される。また、本明細書において、序数は、部材(部品)や部位等を区別するために便宜上付与されており、優先順位や順番を示すものではない。
【0017】
図1は、実施形態の車載周辺監視システムの概要構成ブロック図である。
車載周辺監視システム10は、ステレオカメラユニット11と、第1周辺監視カメラ12-1~第4周辺監視カメラ12-4と、車速センサ13と、シフトセンサ14と、カメラECU15と、タッチパネルディスプレイ16と、を備えている。
【0018】
ステレオカメラユニット11は、一対の撮像素子を備えた撮像ユニット11Aと、撮像ユニット11Aの出力信号の処理を行い、すれ違い支援画像の表示が必要か否かを判断し、CAN(Controller Area Network)を介して、カメラECU15にすれ違い画面表示要求信号RQを出力する。
【0019】
第1周辺監視カメラ12-1~第4周辺監視カメラ12-4は、同一構成を採っており、それぞれ対応する撮像領域の周辺監視画像を出力する。
本実施形態においては、第1周辺監視カメラ12-1は、車両の前方を監視可能なようにフロントグリル近傍に配置されている。
第2周辺監視カメラ12-2は、車両の右側方を監視可能なように、車両の右サイドミラーに配置されている。
【0020】
第3周辺監視カメラ12-3は、車両の左側方を監視可能なように、車両の左サイドミラーに配置されている。
第4周辺監視カメラ12-4は、車両の後方を監視可能なように、車両のリアバンパー近傍に配置されている。
【0021】
車速センサ13は、車両の速度を検出して車速情報DVを出力する。
シフトセンサ14は、車両の変速操作部の可動部(例えば、レバー、アーム、ボタン)の位置(例えば、ドライブD、ニュートラルN等)を検出してシフト位置情報DSを出力する。
【0022】
カメラECU15は、ステレオカメラユニット11から入力されたすれ違い支援画像表示要求信号RQ、車速センサ13からの車速情報DV、シフトセンサからのシフト位置情報DSのうち、少なくとも車速情報DV及びシフト位置情報DSに基づいてすれ違い支援画像の表示制御を行う。また、カメラECU15は、第1周辺監視カメラ12-1~第4周辺監視カメラ12-4が出力した周辺監視画像に基づいて、周辺監視画像の表示制御を行う。
【0023】
タッチパネルディスプレイ16は、カメラECU15の制御下ですれ違い支援画像及び周辺監視画像の表示を行う。また、後述するすれ違い支援モードの設定等の各種操作を行う。
【0024】
図2は、カメラECUの機能ブロック図である。
カメラECU15は、表示制御装置として機能しており、すれ違い支援画像表示要求信号RQ、車速情報DV、シフト位置情報DSのうち、少なくとも車速情報DV及びシフト位置情報DSに基づいて車両のすれ違い状態になっているか否かを判断する判断部15Aと、判断部15Aにより、すれ違い状態になっていると判断された場合に表示装置であるタッチパネルディスプレイ16にすれ違い支援画面を表示する制御部15Bと、第1周辺監視カメラ12-1~第4周辺監視カメラ12-4との間のインタフェース動作を行うカメラI/F部15Cと、を備えている。
【0025】
ここで、すれ違い支援モードについて詳細に説明する。
本実施形態においては、すれ違い支援モードには、第1すれ違い支援モードと、第2すれ違い支援モードの二つが存在している。
【0026】
まず、第1すれ違い支援モードについて説明する。
第1すれ違い支援モードは、すれ違い支援機能がオン状態であり、車速情報DVに対応する車速が所定速度(例えば、5km/hr)以下であり、シフト位置情報DSに対応するシフト位置がドライブD又はニュートラルNである場合(車両の前進位置である場合。以下、同様)に、さらにステレオカメラユニット11からすれ違い画面表示要求信号RQが出力された場合にのみ、すれ違い支援画面を自動的にタッチパネルディスプレイ16に表示するモードである。
【0027】
この第1すれ違い支援モードは、本実施形態においては、標準的なすれ違い支援モードとされている。
【0028】
次に第2すれ違い支援モードについて説明する。
一方、第2すれ違い支援モードは、すれ違い支援機能がオン状態であり、車速情報DVに対応する車速が所定速度(例えば、5km/hr)以下であり、シフト位置情報DSに対応するシフト位置がドライブD又はニュートラルNである場合に、すれ違い支援画面を自動的にタッチパネルディスプレイ16に表示するモードである。
【0029】
すなわち、第2すれ違い支援モードは、ステレオカメラユニット11からすれ違い画面表示要求信号RQの出力の有無にかかわらず、すれ違い支援画面を自動的にタッチパネルディスプレイ16に表示するモードであり、車速が所定速度以下、かつ、シフト位置がドライブD又はニュートラルNである場合に、常時すれ違い支援モードに移行するすれ違い支援モードである。
【0030】
ここで、すれ違い支援機能に関する初期設定について説明する。
図3は、初期設定画面の一例の説明図である。
本実施形態においては、すれ違い支援機能のオン(使用)/オフ(非使用)の設定及びすれ違い支援機能のオン(使用)時に実行するすれ違い支援モードの設定が行えるようになっている。
【0031】
初期設定画面DG1の全方位モニタ設定タブTB1のすれ違い支援機能設定領域21においては、
図3に示すように、すれ違い支援機能のオン/オフ設定ボタン22が設けられている。
【0032】
さらに初期設定画面DG1においては、第1すれ違い支援モード(図中、第1モードと表記)に対応する標準ボタン23と、第2すれ違い支援モード(図中、第2モードと表記)に対応する常時ボタン24と、が設けられている。これらの標準ボタン23と常時ボタン24とは、排他的に選択状態とされる。
図4の例では、標準ボタン23が選択された状態を示している。
【0033】
初期設定画面DG1の全方位モニタ設定タブTB1のフロント映像自動表示機能設定領域25においては、
図4に示すように、フロント映像自動表示機能のオン/オフ設定ボタン26が設けられている。
【0034】
このフロント映像自動表示機能は、操作シフト操作のみでドライブDまたはニュートラルNにシフトされた場合には、第1周辺監視カメラ12-1によるフロント映像を表示することはないが、リア(バック)Rを経由してドライブDまたはニュートラルNにシフトされた場合に第1周辺監視カメラ12-1によるフロント映像を表示する機能である。
【0035】
次に実施形態の動作を説明する。
図4は、実施形態のメイン処理フローチャートである。
まず、カメラECU15は、すれ違い支援モードがオン状態であるか否かを判断する(ステップS11)。
【0036】
ステップS11の判断において、すれ違い支援モードがオン状態である場合、すなわち、初期設定画面DG1のすれ違い支援機能のオン/オフ設定ボタン22がオン状態である場合には(ステップS11;Yes)、カメラECU15は、判断部15Aとして機能し、設定モードが、第1すれ違い支援モードあるいは第2すれ違い支援モードのいずれであるかを判断する(ステップS12)。
【0037】
ステップS12の判断において、設定モードが第1すれ違い支援モードである場合、すなわち、初期設定画面DG1の標準ボタン23が選択状態にある場合には(ステップS12;第1すれ違い支援モード)、カメラECU15は、処理を第1すれ違い支援モード処理に移行する(ステップS13)。
【0038】
図5は、第1すれ違い支援モード処理の処理フローチャートである。
まずカメラECU15の判断部15Aは、支援実行許可状態であるか否かを判断する(ステップS21)。
ステップS21の判断において、支援実行許可状態ではない場合には(ステップS21;No)、待機状態となる。
【0039】
ステップS21の判断において、支援実行許可状態である場合には(ステップS21;Yes)、カメラECU15の判断部15Aは、現在タッチパネルディスプレイ16にナビゲーション画面を表示中であるか否かを判断する(ステップS22)。
【0040】
ステップS22の判断において、ナビゲーション画面を表示中ではない場合には(ステップS22;No)、すれ違い支援を行う条件を満たしていないと考えられるので、カメラECU15は、処理を再びステップS21に移行して待機状態となる。
【0041】
ステップS22の判断において、ナビゲーション画面を表示中である場合には(ステップS22;Yes)、カメラECU15の判断部15Aは、シフト位置情報DSに基づいて、シフト位置がドライブDあるいはニュートラルNであるか否かを判断する(ステップS23)。
【0042】
ステップS23の判断において、シフト位置がドライブDあるいはニュートラルNのいずれでもない場合には(ステップS23;No)、すれ違い支援を行う条件を満たしていないと考えられるので、カメラECU15の判断部15Aは、処理を再びステップS21に移行して待機状態となる。
【0043】
ステップS23の判断において、シフト位置がドライブDあるいはニュートラルNである場合には(ステップS23;Yes)、カメラECU15の判断部15Aは、車速情報DVに基づいて、車速が所定速度(例えば、5km/hr)以下であるか否かを判断する(ステップS24)。
【0044】
ステップS24の判断において、車速が所定速度を超えている場合には(ステップS24;No)、すれ違い支援を行う条件を満たしていないと考えられるので、カメラECU15は、処理を再びステップS21に移行して待機状態となる。
【0045】
ステップS24の判断において、車速が所定速度以下である場合には(ステップS24;Yes)、カメラECU15の判断部15Aは、ステレオカメラユニット11からすれ違い画面表示要求信号RQがなされているか否かを判断する(ステップS25)。
【0046】
ステップS25の判断において、すれ違い画面表示要求信号RQがなされていない場合には(ステップS25;No)、すれ違い支援を行う条件を満たしていないと考えられるので、カメラECU15の判断部15Aは、待機状態となる。
【0047】
ステップS25の判断において、すれ違い画面表示要求信号RQがなされている場合には(ステップS25;Yes)、すれ違い支援を行う条件を満たしているので、タッチパネルディスプレイ16にすれ違い支援画像の表示を行う(ステップS26)。
【0048】
図6は、すれ違い支援画像を表示した、すれ違い支援表示画面の一例の説明図である。
タッチパネルディスプレイ16の画面の第1表示領域31には、第2周辺監視カメラ12-2の出力に基づく、自車両MVの右側方の画像GD1がすれ違い支援画像として表示されている。
【0049】
また、タッチパネルディスプレイ16の画面の第2表示領域32には、第1周辺監視カメラ12-1の出力に基づくフロント画像として、自車両MVの前方に位置するすれ違いの対象となる対向車両OVを含む画像GD2が表示されている。
さらに、タッチパネルディスプレイ16の画面の第3表示領域33には、ユーザに対する注意喚起等のコメントが表示されている。
【0050】
上記構成の結果、ユーザであるドライバは、ステレオカメラユニット11からすれ違い画面表示要求信号RQが入力され、さらに車両速度が所定速度以下となり、かつ、シフト位置がドライブDあるいはニュートラルNである場合にすれ違い支援モードに移行し、第1表示領域31に自動的にすれ違い支援画像としての画像GD1を表示することができる。したがって、ユーザは、自動的に表示されたすれ違い支援画像としての画像GD1を参酌しつつ、すれ違い運転を行うことができるので、すれ違い支援画像が必要とされる状況において、ユーザの手間を煩わせることなくすれ違い運転が行える。
【0051】
次に第2すれ違い支援モードにおける処理について説明する。
図7は、第2すれ違い支援モード処理の処理フローチャートである。
まずカメラECU15の判断部15Aは、支援実行許可状態であるか否かを判断する(ステップS31)。
ステップS31の判断において、支援実行許可状態ではない場合には(ステップS31;No)、待機状態となる。
【0052】
ステップS31の判断において、支援実行許可状態である場合には(ステップS31;Yes)、カメラECU15の判断部15Aは、現在タッチパネルディスプレイ16にナビゲーション画面を表示中であるか否かを判断する(ステップS32)。
【0053】
ステップS32の判断において、ナビゲーション画面を表示中である場合には(ステップS32;Yes)、カメラECU15の判断部15Aは、シフト位置情報DSに基づいて、シフト位置がドライブDあるいはニュートラルNであるか否かを判断する(ステップS33)。
【0054】
ステップS33の判断において、シフト位置がドライブDあるいはニュートラルNのいずれでもない場合には(ステップS33;No)、すれ違い支援を行う条件を満たしていないと考えられるので、カメラECU15の判断部15Aは、処理を終了する。
【0055】
ステップS33の判断において、シフト位置がドライブDあるいはニュートラルNである場合には(ステップS33;Yes)、カメラECU15の判断部15Aは、車速情報DVに基づいて、車速が所定速度(例えば、5km/hr)以下であるか否かを判断する(ステップS34)。
【0056】
ステップS34の判断において、車速が所定速度を超えている場合には(ステップS34;No)、すれ違い支援を行う条件を満たしていないと考えられるので、カメラECU15の判断部15Aは、処理を終了する。
【0057】
ステップS34の判断において、車速が所定速度以下である場合には(ステップS34;Yes)、カメラECU15の判断部15Aは、すれ違い支援を行う条件を満たしているとして、タッチパネルディスプレイ16にすれ違い支援画像の表示を行う(ステップS35)。
【0058】
一方、ステップS32の判断において、ナビゲーション画面を表示中ではない場合には(ステップS32;No)、カメラECU15の判断部15Aは、シフト位置情報DSに基づいて、シフト位置がパーキングPであるか否かを判断する(ステップS36)。
ステップS36の判断において、シフト位置がパーキングPである場合には(ステップS36;Yes)、カメラECU15の判断部15Aは、処理をステップS33に移行して、上述した処理を行う。
【0059】
ステップS36の判断において、シフト位置がパーキングPではない場合には(ステップS36;No)、カメラECU15の判断部15Aは、シフト位置情報DSに基づいて、シフト位置がリア(バック)Rであるか否かを判断する(ステップS37)。
【0060】
ステップS37の判断において、シフト位置がリア(バック)Rではない場合には(ステップS36;No)、カメラECU15の判断部15Aは、処理を再びステップS32に移行して上述した処理を繰り返す。
【0061】
ステップS37の判断において、シフト位置がリア(バック)Rである場合には(ステップS37;Yes)、カメラECU15の判断部15Aは、初期設定に基づいてフロント自動表示がオンであるか否かを判断する(ステップS38)。
【0062】
ステップS38の判断において、フロント自動表示がオフである場合には(ステップS38;No)、カメラECU15の判断部15Aは、処理を再びステップS32に移行して上述した処理を繰り返す。
【0063】
ステップS38の判断において、フロント自動表示がオンである場合には(ステップS38;Yes)、カメラECU15の判断部15Aは、処理をステップS33に移行して、上述した処理を行う。
【0064】
そして、カメラECU15の判断部15Aは、シフト位置がドライブDまたはニュートラルN、かつ、車速が所定速度以下である場合に、すれ違い支援画像を表示して処理を終了する(ステップS33~ステップS35)。
【0065】
以上の説明のように、第2すれ違い支援モード処理によれば、シフト位置がドライブDまたはニュートラルNであって、車速が所定速度以下となれば、常時すれ違い支援画像を表示することとなるので、第1すれ違い支援モード処理と比較して、ステレオカメラユニット11からのすれ違い支援画像表示要求信号RQがない場合でもすれ違い支援画像表示を行うこととなり、すれ違い支援がなされる頻度が高くなり、よりすれ違いが苦手なユーザであっても、すれ違いを容易に行えるようになる。
【0066】
以上の説明のように、本実施形態によれば、すれ違い支援の機能提供の有無、すれ違い支援の機能提供時における提供頻度を第1すれ違い支援モードあるいは第2すれ違い支援モードのいずれかを選択可能とすることで、よりユーザの望む状況ですれ違い支援を行うことが可能となる。
【0067】
以上の説明においては、詳細に述べなかったが、一旦、すれ違い支援モード(第1すれ違い支援モードあるいは第2すれ違い支援モード)に移行した場合には、第1の所定時間の間(例えば、30秒以内)であれば、一時的にシフト位置がドライブDあるいはニュートラルN以外となった場合でも、切り返し等に伴う一時的なシフト位置の変更であるとして、すれ違い支援モードを継続し、すれ違い支援画像の表示を継続するようにしてもよい。
【0068】
同様に一旦、すれ違い支援モード(第1すれ違い支援モードあるいは第2すれ違い支援モード)に移行した場合には、第2の所定時間の間(例えば、20秒以内)であれば、一時的に車速が所定値を超えた場合でも、一時的な移動速度の変更であるとして、すれ違い支援モードを継続し、すれ違い支援画像の表示を継続するようにしてもよい。
なお、第1の所定時間及び第2の所定時間は、任意に設定可能であり、同じでもかまわない。
【0069】
本実施形態の表示制御装置としてのカメラECU15で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでDVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能なディスク状記録媒体、USBメモリ、SSD(Solid state Disk)等の半導体メモリ装置等に記録して提供するように構成してもよい。
【0070】
さらに、本実施形態の表示制御装置としてのカメラECU15で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のカメラECU15で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0071】
以上、本発明の実施形態を例示したが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、表示要素等のスペック(構造、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0072】
10 車載周辺監視システム
11 ステレオカメラユニット
11A 撮像ユニット
11B 信号処理部
12-1~12-4 第1周辺監視カメラ~第4周辺カメラ
13 車速センサ
14 シフトセンサ
15 カメラECU
15A 判断部
15B 制御部
15C カメラI/F部
16 タッチパネルディスプレイ
21 支援機能設定領域
22 オフ設定ボタン
23 標準ボタン
24 常時ボタン
25 フロント映像自動表示機能設定領域
26 オフ設定ボタン
31 第1表示領域
32 第2表示領域
33 第3表示領域
D ドライブ
DG1 初期設定画面
DS シフト位置情報
DV 車速情報
GD1、GD2 画像
MV 自車両
N ニュートラル
OV 対向車両
P パーキング
RQ すれ違い画面表示要求信号
TB1 全方位モニタ設定タブ