(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022134932
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】物品運搬機構、物品運搬設備、及びストッパ部材
(51)【国際特許分類】
B65G 47/52 20060101AFI20220908BHJP
B62B 3/04 20060101ALI20220908BHJP
B62B 3/02 20060101ALI20220908BHJP
B62B 5/00 20060101ALI20220908BHJP
B65G 47/88 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
B65G47/52 A
B62B3/04 A
B62B3/02 Z
B62B5/00 F
B65G47/88 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021034445
(22)【出願日】2021-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立Astemo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大吉 暁彦
【テーマコード(参考)】
3D050
3F017
3F044
【Fターム(参考)】
3D050AA01
3D050BB21
3D050DD01
3D050EE08
3D050EE15
3F017CA01
3F017EA01
3F017FA01
3F017FA07
3F044AA01
3F044AB08
3F044AB13
3F044CD09
3F044CE07
3F044CE09
3F044CE33
(57)【要約】
【課題】構造の複雑化を抑制する。
【解決手段】物品Gを載置面54Aに載置して物品Gを運搬する運搬台51Aと、運搬台51Aの載置面54Aとは反対側に設けられた受け部101Aと、運搬台51Aの運搬方向における一端部に設けられたストッパ軸61Aと、ストッパ軸61Aに取り付けられたストッパ部材71Aであって、ストッパ軸61Aに支持される支持部81Aと、支持部81Aから、運搬台51Aの載置面54Aに対して物品Gを載置する側に延出し、支持部81Aを支点として揺動するストッパ部82Aと、支持部81Aから、物品Gを載置する側とは反対側に延出し、受け部101Aに当接することで、ストッパ部82Aの揺動を規制する規制部83Aと、ストッパ部82Aの先端部に設けられ、他の物品運搬機構に連結する連結部84Aと、を有するストッパ部材71Aと、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の物品運搬機構との間で物品の受け渡しを行う物品運搬機構であって、
前記物品を載置面に載置して前記物品を運搬する運搬台と、
前記運搬台の載置面とは反対側に設けられた受け部と、
前記運搬台の運搬方向における一端部に設けられたストッパ軸と、
前記ストッパ軸に取り付けられたストッパ部材であって、
前記ストッパ軸に支持される支持部と、
前記支持部から、前記運搬台の載置面に対して前記物品を載置する側に延出し、前記支持部を支点として揺動するストッパ部と、
前記支持部から、前記物品を載置する側とは反対側に延出し、前記受け部に当接することで、前記ストッパ部の揺動を規制する規制部と、
前記ストッパ部の先端部に設けられ、前記他の物品運搬機構に連結する連結部と、
を有するストッパ部材と、
を備える物品運搬機構。
【請求項2】
請求項1に記載の物品運搬機構であって、
前記規制部は、
前記ストッパ部を揺動させることで前記ストッパ部が前記受け部に当接したときに、前記運搬台の載置面に対して前記物品を載置する側に延出するように構成されている、
物品運搬機構。
【請求項3】
請求項1に記載の物品運搬機構であって、
前記ストッパ部材は、
前記ストッパ部の先端部に、前記連結部の側に屈曲した屈曲部を備える、
物品運搬機構。
【請求項4】
第1の物品運搬機構と、前記第1の物品運搬機構との間で物品の受け渡しを行う第2の物品運搬機構と、を備える物品運搬設備であって、
前記第1の物品運搬機構は、
前記物品を載置面に載置して前記物品を運搬する第1の運搬台と、
前記第1の運搬台の載置面とは反対側に設けられた第1の受け部と、
前記第1の運搬台の運搬方向における一端部に設けられた第1のストッパ軸と、
前記第1のストッパ軸に取り付けられた第1のストッパ部材であって、
前記第1のストッパ軸に支持される第1の支持部と、
前記第1の支持部から、前記第1の運搬台の載置面に対して前記物品を載置する側に延出し、前記第1の支持部を支点として揺動する第1のストッパ部と、
前記第1の支持部から、前記物品を載置する側とは反対側に延出し、前記第1の受け部に当接することで、前記第1のストッパ部の揺動を規制する第1の規制部と、
前記第1のストッパ部の先端部に設けられ、前記第2の物品運搬機構に連結する第1の連結部と、
を有する第1のストッパ部材と、
を備え、
前記第2の物品運搬機構は、
前記物品を載置面に載置して前記物品を運搬する第2の運搬台と、
前記第2の運搬台の載置面とは反対側に設けられた第2の受け部と、
前記第2の運搬台の運搬方向における一端部に設けられた第2のストッパ軸と、
前記第2のストッパ軸に取り付けられた第2のストッパ部材であって、
前記第2のストッパ軸に支持される第2の支持部と、
前記第2の支持部から、前記第2の運搬台の載置面に対して前記物品を載置する側に延出し、前記第2の支持部を支点として揺動する第2のストッパ部と、
前記第2の支持部から、前記物品を載置する側とは反対側に延出し、前記第2の受け部に当接することで、前記第2のストッパ部の揺動を規制する第2の規制部と、
前記第2のストッパ部の先端部に設けられ、前記第1の物品運搬機構に連結する第2の連結部と、
を有する第2のストッパ部材と、
を備える物品運搬設備。
【請求項5】
他の物品運搬機構との間で物品の受け渡しを行う物品運搬機構に設けられるストッパ部材であって、
前記物品を載置面に載置して前記物品を運搬する運搬台の運搬方向における一端部に設けられたストッパ軸に支持される支持部と、
前記支持部から、前記運搬台の載置面に対して前記物品を載置する側に延出し、前記支持部を支点として揺動するストッパ部と、
前記支持部から、前記物品を載置する側とは反対側に延出し、前記運搬台の載置面とは反対側に設けられた受け部に当接することで、前記ストッパ部の揺動を規制する規制部と、
前記ストッパ部の先端部に設けられ、前記他の物品運搬機構に連結する連結部と、
を備えるストッパ部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品運搬機構、物品運搬設備、及びストッパ部材に関する。
【背景技術】
【0002】
重量物を載置して移送可能な複数のローラ群を有する移送台を備えると共に、脚部に複数のキャスタを備え、他の運搬用台車との間で重量物の受け渡しを行う重量物運搬用台車が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
物品運搬機構において、構造の複雑化を抑制することが望まれている。
【0005】
本発明の目的は、構造の複雑化を抑制することが可能となる物品運搬機構、物品運搬設備、及びストッパ部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る物品運搬機構の一態様は、他の物品運搬機構との間で物品の受け渡しを行う物品運搬機構であって、前記物品を載置面に載置して前記物品を運搬する運搬台と、前記運搬台の載置面とは反対側に設けられた受け部と、前記運搬台の運搬方向における一端部に設けられたストッパ軸と、前記ストッパ軸に取り付けられたストッパ部材であって、前記ストッパ軸に支持される支持部と、前記支持部から、前記運搬台の載置面に対して前記物品を載置する側に延出し、前記支持部を支点として揺動するストッパ部と、前記支持部から、前記物品を載置する側とは反対側に延出し、前記受け部に当接することで、前記ストッパ部の揺動を規制する規制部と、前記ストッパ部の先端部に設けられ、前記他の物品運搬機構に連結する連結部と、を有するストッパ部材と、を備える。
【0007】
本発明に係る物品運搬設備の一態様は、第1の物品運搬機構と、前記第1の物品運搬機構との間で物品の受け渡しを行う第2の物品運搬機構と、を備える物品運搬設備であって、前記第1の物品運搬機構は、前記物品を載置面に載置して前記物品を運搬する第1の運搬台と、前記第1の運搬台の載置面とは反対側に設けられた第1の受け部と、前記第1の運搬台の運搬方向における一端部に設けられた第1のストッパ軸と、前記第1のストッパ軸に取り付けられた第1のストッパ部材であって、前記第1のストッパ軸に支持される第1の支持部と、前記第1の支持部から、前記第1の運搬台の載置面に対して前記物品を載置する側に延出し、前記第1の支持部を支点として揺動する第1のストッパ部と、前記第1の支持部から、前記物品を載置する側とは反対側に延出し、前記第1の受け部に当接することで、前記第1のストッパ部の揺動を規制する第1の規制部と、前記第1のストッパ部の先端部に設けられ、前記第2の物品運搬機構に連結する第1の連結部と、を有する第1のストッパ部材と、を備え、前記第2の物品運搬機構は、前記物品を載置面に載置して前記物品を運搬する第2の運搬台と、前記第2の運搬台の載置面とは反対側に設けられた第2の受け部と、前記第2の運搬台の運搬方向における一端部に設けられた第2のストッパ軸と、前記第2のストッパ軸に取り付けられた第2のストッパ部材であって、前記第2のストッパ軸に支持される第2の支持部と、前記第2の支持部から、前記第2の運搬台の載置面に対して前記物品を載置する側に延出し、前記第2の支持部を支点として揺動する第2のストッパ部と、前記第2の支持部から、前記物品を載置する側とは反対側に延出し、前記第2の受け部に当接することで、前記第2のストッパ部の揺動を規制する第2の規制部と、前記第2のストッパ部の先端部に設けられ、前記第1の物品運搬機構に連結する第2の連結部と、を有する第2のストッパ部材と、を備える。
【0008】
本発明に係るストッパ部材の一態様は、他の物品運搬機構との間で物品の受け渡しを行う物品運搬機構に設けられるストッパ部材であって、前記物品を載置面に載置して前記物品を運搬する運搬台の運搬方向における一端部に設けられたストッパ軸に支持される支持部と、前記支持部から、前記運搬台の載置面に対して前記物品を載置する側に延出し、前記支持部を支点として揺動するストッパ部と、前記支持部から、前記物品を載置する側とは反対側に延出し、前記運搬台の載置面とは反対側に設けられた受け部に当接することで、前記ストッパ部の揺動を規制する規制部と、前記ストッパ部の先端部に設けられ、前記他の物品運搬機構に連結する連結部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、構造の複雑化を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態の物品運搬機構を備えたシュートを示す斜視図。
【
図2】実施形態の物品運搬機構を構成するストッパ部材を示す斜視図。
【
図3】実施形態の物品運搬機構を備えたシュートにおけるストッパ部材の状態を説明する一部を透過状態とした側面図。
【
図4】実施形態の物品運搬機構を備えた台車を示す斜視図。
【
図5】実施形態の物品運搬設備を構成するシュート及び台車の連結状態を示す斜視図。
【
図6】実施形態の物品運搬設備を構成するシュート及び台車の連結状態を示す一部を透過状態とした側面図。
【
図7】実施形態の物品運搬機構を備えたシュートを示す一部を透過状態とした側面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施形態を図面を参照して以下に説明する。
図1は、実施形態の物品運搬機構10A,11Aを備えるシュート12Aを示すものである。シュート12Aは、フレーム13Aと、フレーム13Aに支持された同様の構成の複数、具体的には2箇所の物品運搬機構10A,11Aとを有している。シュート12Aは、フロアに設置されて用いられる。
【0012】
フレーム13Aは、複数の物品運搬機構10A,11Aを支持する矩形枠状のメインフレーム部21Aと、フレーム13Aの下部にあってメインフレーム部21Aから下方に延出する複数の脚部22Aと、メインフレーム部21Aの幅方向における一端部から上方に延出する壁フレーム部23Aと、メインフレーム部21Aの幅方向における他端部から上方に延出する壁フレーム部24Aと、メインフレーム部21Aの幅方向における中央部から上方に延出する壁フレーム部25Aと、を有している。壁フレーム部23A,24A,25Aは、同様の構成である。
【0013】
複数の物品運搬機構10A,11Aは、高さ位置を揃えてメインフレーム部21Aの幅方向に並んで設けられている。壁フレーム部23Aと壁フレーム部25Aとの間に物品運搬機構10Aが設けられており、壁フレーム部24Aと壁フレーム部25Aとの間に物品運搬機構11Aが設けられている。複数の物品運搬機構10A,11Aは、物品Gの運搬方向である物品運搬方向を揃えている。物品運搬方向は、水平方向であり、メインフレーム部21Aの長手方向となっている。複数の物品運搬機構10A,11Aは、同様の構成であるため、これらのうちの一方の物品運搬機構10Aについて説明する。
【0014】
物品運搬機構10Aは、物品Gを運搬する運搬台51Aを備えている。運搬台51Aは、メインフレーム部21Aに支持されるローラコンベア52Aを有している。ローラコンベア52Aは、互いに平行をなし軸方向の位置を揃えて水平に並べられた複数の同外径のローラ53Aを有している。ローラコンベア52Aは、その全てのローラ53Aが、上端部の高さ位置を揃えて同一の水平面に配置されており、これらローラ53Aの上端部が物品Gを載置する載置面54Aを構成している。運搬台51Aは、そのローラコンベア52Aが、物品Gを載置面54Aに載置し、載置されている物品Gを物品運搬方向に運搬する。ローラコンベア52Aは、載置面54Aにおいて物品運搬方向にローラ53Aが回転するように、物品運搬方向に対し直交する水平方向に平行にローラ53Aの中心軸が配置されている。
【0015】
物品運搬機構10Aは、運搬台51Aの物品運搬方向における一端部に設けられたストッパ軸61Aと、運搬台51Aの物品運搬方向における他端部に設けられたストッパ軸62Aと、を備えている。一方のストッパ軸61Aは、ローラコンベア52Aよりも物品運搬方向における一の外側に配置されてメインフレーム部21Aに支持されており、他方のストッパ軸62Aは、ローラコンベア52Aよりも物品運搬方向における他の外側に配置されてメインフレーム部21Aに支持されている。これらのストッパ軸61A,62Aは、物品運搬方向に対し直交する水平方向に平行に延びている。言い換えれば、これらのストッパ軸61A,62Aは、ローラ53Aと平行に設けられている。これらのストッパ軸61A,62Aは、外径が同径であってローラ53Aの外径よりも小径であり、軸方向位置及び高さ位置を揃えている。これらのストッパ軸61A,62Aは、上端部の高さ位置がローラ53Aの上端部の高さ位置よりも低くなっている。
【0016】
物品運搬機構10Aは、一方のストッパ軸61Aの物品運搬方向におけるローラコンベア52Aとは反対側に配置されたメインフレーム部21Aの棒状部65Aと、他方のストッパ軸62Aの物品運搬方向におけるローラコンベア52Aとは反対側に配置されたメインフレーム部21Aの棒状部66Aとを含んでいる。これら棒状部65A,66Aは、物品運搬方向に対し直交する水平方向に平行に延びている。言い換えれば、これらの棒状部65A,66Aは、ストッパ軸61A,62Aと平行に設けられている。これらの棒状部65A,66Aは、外径が同径であってローラ53Aの外径よりも小径かつストッパ軸61A,62Aの外径よりも大径であり、軸方向位置及び高さ位置を揃えている。これらの棒状部65A,66Aは、上端部の高さ位置がストッパ軸61A,62Aの上端部の高さ位置よりも低くなっている。一方のストッパ軸61Aと、そのローラコンベア52Aとは反対側に配置された棒状部65Aとの物品運搬方向における距離は、他方のストッパ軸62Aと、そのローラコンベア52Aとは反対側に配置された棒状部66Aとの物品運搬方向における距離と同等になっている。
【0017】
物品運搬機構10Aは、一方のストッパ軸61Aに取り付けられた一方のストッパ部材71Aと、他方のストッパ軸62Aに取り付けられた他方のストッパ部材72Aと、を備えている。これらストッパ部材71A,72Aは、同形状の共通部品であるため、一方のストッパ部材71Aについて説明する。また、棒状部65A、ストッパ軸61A、及びストッパ部材71Aの関係と、棒状部66A、ストッパ軸62A、及びストッパ部材72Aの関係とは、物品運搬方向において鏡面対称状である以外は同様であるため、棒状部65A、ストッパ軸61A、及びストッパ部材71Aの関係について説明する。
【0018】
図2に示すように、ストッパ部材71Aは、その長手方向の中間位置に設けられた支持部81Aと、支持部81Aからストッパ部材71Aの長手方向における一側に延出するストッパ部82Aと、支持部81Aからストッパ部材71Aの長手方向における逆側に延出する規制部83Aと、ストッパ部材71Aの長手方向におけるストッパ部82Aの支持部81Aとは反対側の端縁部に設けられた連結部84A及び屈曲部85Aと、を有している。ストッパ部材71Aは、鋼板が適宜折り曲げられ溶接されて形成されている。言い換えれば、ストッパ部材71Aは、鉄工材のみで形成されている。
【0019】
ストッパ部材71Aは、支持部81Aの一部とストッパ部82Aの全部と規制部83Aの全部とを構成する矩形平板状の主板部87Aを有している。ストッパ部材71Aの長手方向は主板部87Aの長手方向となっている。支持部81A、連結部84A、及び屈曲部85Aは、主板部87Aの幅方向に延びている。主板部87Aの幅方向はストッパ部材71Aの幅方向である。
【0020】
支持部81Aは、主板部87Aの長手方向の中間部に設けられている。支持部81Aは、主板部87Aにおけるストッパ部82Aと規制部83Aとの間の矩形平板状の中間板部91Aと、中間板部91Aのストッパ部82A側の端縁位置から主板部87Aの長手方向に直交して広がるように主板部87Aの厚さ方向一側に立ち上がる矩形平板状の脚板部92Aと、中間板部91Aの規制部83A側の端縁位置から主板部87Aの長手方向に直交して広がるように主板部87Aの厚さ方向一側に立ち上がる矩形平板状の脚板部93Aと、これら脚板部92A,93Aの主板部87Aの厚さ方向における主板部87Aとは反対側の端縁部同士を連結する平板状の蓋板部94Aと、を有している。脚板部92A,93Aは互いに平行をなして主板部87Aに対し垂直同側に立ち上がっており、蓋板部94Aは主板部87Aに対し平行に広がっている。脚板部92A,93A及び蓋板部94Aは、ストッパ部材71Aの幅方向に沿って延びている。
【0021】
支持部81Aには、中間板部91Aと脚板部92Aと蓋板部94Aと脚板部93Aとで囲まれて貫通穴97Aが形成されている。貫通穴97Aは支持部81Aをストッパ部材71Aの幅方向に沿って貫通している。脚板部92Aと脚板部93Aとの距離は、中間板部91Aと蓋板部94Aとの距離よりも長い。よって、貫通穴97Aは断面矩形の長穴となっている。
【0022】
ストッパ部82Aは、矩形平板状であり、中間板部91Aとは反対側の端縁部がストッパ部材71Aの幅方向に延びている。規制部83Aも、矩形平板状であり、中間板部91Aとは反対側の端縁部がストッパ部材71Aの幅方向に延びている。
【0023】
連結部84Aは、矩形平板状であり、ストッパ部82Aの中間板部91Aとは反対側の先端縁部から、主板部87Aの長手方向に直交して広がるように主板部87Aの厚さ方向一側に立ち上がっている。連結部84Aは、ストッパ部82Aから脚板部92Aと同側に立ち上がっており、脚板部92Aと平行に広がっている。言い換えれば、連結部84Aはストッパ部82Aに対し垂直に立ち上がっている。連結部84Aはストッパ部82Aとは反対側の端縁部がストッパ部材71Aの幅方向に沿って延びている。連結部84Aと、支持部81Aの脚板部93Aとの間の最小距離は、
図1に示すストッパ軸61Aと棒状部65Aとの間の物品運搬方向における最大距離の2倍よりも若干長くなっている。
【0024】
図2に示すように、屈曲部85Aは、矩形平板状であり、ストッパ部82Aの中間板部91Aとは反対側の先端縁部から、主板部87Aの長手方向外側に、外側ほど主板部87Aの厚さ方向において連結部84A側に位置するように延出している。言い換えれば、屈曲部85Aは、ストッパ部82Aの中間板部91Aとは反対側の先端縁部から、ストッパ部82Aの支持部81Aとは反対の延長方向と連結部84Aとの間でストッパ部82Aに対し斜めに延出している。屈曲部85Aは、ストッパ部82Aとは反対側の端縁部がストッパ部材71Aの幅方向に沿って延びている。よって、ストッパ部材71Aは、ストッパ部82Aの支持部81Aとは反対側の先端部に、ストッパ部82Aに対し連結部84Aの側に屈曲した屈曲部85Aを備える。屈曲部85Aには、その厚さ方向の連結部84Aとは反対の面に、作業者に視覚的にストッパ部材71Aにおける取っ手部分であることを示すための安全テープ(図示略)が貼り付けられる。
【0025】
ストッパ部材71Aは、例えば、主板部87A及び屈曲部85Aが一枚の鋼板を折り曲げることで形成されており、これに、一枚の鋼板からなる脚板部92Aと、一枚の鋼板からなる脚板部93Aと、一枚の鋼板からなる連結部84Aとを溶接し、さらに、脚板部92A,93Aに一枚の鋼板からなる蓋板部94Aを溶接して形成されている。なお、脚板部92A,93Aおよび蓋板部94Aを、一枚の鋼板を折り曲げることで形成しても良い。
【0026】
図1に示すように、ストッパ部材71Aは、その支持部81Aの貫通穴97Aにストッパ軸61Aを挿通させており、この支持部81Aでストッパ軸61Aに支持されている。ストッパ部材71Aは、ストッパ軸61Aの軸方向に移動可能であり、ストッパ軸61Aの軸回りに回転可能となっている。また、ストッパ部材71Aは、貫通穴97Aの範囲でストッパ軸61Aに対しストッパ軸61Aの径方向に移動可能となっている。ストッパ部材71Aの軸方向の長さは、ストッパ部材71Aの幅の2倍以上よりも長い。
【0027】
ストッパ部材71Aは、例えば、
図3に実線で示すように、支持部81Aに対しストッパ部82Aが上方に延出し規制部83Aが下方に延出すると共に、支持部81A、連結部84A、及び屈曲部85Aがストッパ部82Aに対し物品運搬方向におけるローラコンベア52Aとは反対側に突出する運搬規制姿勢となる。この運搬規制姿勢にあるとき、ストッパ部材71Aは、ストッパ部82Aが、支持部81Aから、運搬台51Aの載置面54Aに対して物品Gを載置する側、すなわち上側に延出する。また、ストッパ部材71Aは、この運搬規制姿勢にあるとき、規制部83Aが、支持部81Aから、物品Gを載置する側とは反対側、すなわち下側に延出する。また、ストッパ部材71Aは、この運搬規制姿勢にあるとき、ストッパ部82A及び規制部83Aが物品運搬方向に対して直交して広がる状態となる。そして、ストッパ部材71Aは、この運搬規制姿勢から、
図3に二点鎖線、一点鎖線、及び破線で示すように、ストッパ軸61Aを中心に回転し、よって、ストッパ部82Aを支持部81Aを支点として揺動させるようになっている。
【0028】
図1に示すように、物品運搬機構10Aは、運搬台51Aの載置面54Aとは反対側に設けられた受け部101A,102Aを備えている。物品運搬機構10Aは、
図3に示すように、一方のストッパ軸61Aと物品運搬方向における位置を合わせて、このストッパ軸61Aの下方位置に受け部101Aを有している。受け部101Aは、メインフレーム部21Aの棒状部65Aを含んでいる。また、
図1に示すように、他方のストッパ軸62Aと物品運搬方向における位置を合わせて、このストッパ軸62Aの下方位置にも同様の受け部102Aを有している。受け部102Aは、メインフレーム部21Aの棒状部66Aを含んでいる。これらの受け部101A,102Aも、物品運搬方向において鏡面対称の構造となっている。これらの受け部101A,102Aは、物品運搬方向において鏡面対称の構造となっている以外は同様の構成であるため、これらのうちの一つの受け部101Aについて説明する。また、ストッパ軸61A、ストッパ部材71A、及び受け部101Aの関係と、ストッパ軸62A、ストッパ部材72A、及び受け部102Aの関係とは、物品運搬方向において鏡面対称の構造となっている以外は同様であるため、ここでは、ストッパ軸61A、ストッパ部材71A、及び受け部101Aの関係について説明する。
【0029】
図3に示すように、受け部101Aは、メインフレーム部21Aの上記棒状部65Aを含む複数、具体的には3本の棒状部65A,111A,112Aを有している。これらの棒状部65A,111A,112Aは、物品運搬方向に対し直交する水平方向に平行に延びている。言い換えれば、これらの棒状部65A,111A,112Aは、ローラ53A及びストッパ軸61Aと平行に設けられている。これらの棒状部65A,111A,112Aは、外径が同径であってローラ53Aの外径よりも小径かつストッパ軸61Aの外径よりも大径であり、軸方向位置の位置を揃えて、物品運搬方向の位置及び高さ位置を異ならせている。これらの棒状部65A,111A,112Aのうち、物品運搬方向においてローラコンベア52Aから最も離れた位置にある棒状部65Aが最も高さ位置が高く、物品運搬方向においてローラコンベア52Aに最も近い棒状部112Aが最も高さ位置が低く、物品運搬方向において棒状部65A及び棒状部112Aの間にある棒状部111Aが、これらの間の高さ位置となっている。
【0030】
受け部101Aと物品運搬方向における位置を合わせて設けられたストッパ軸61Aに支持されたストッパ部材71Aは、上記した運搬規制姿勢にあって、しかも自重で支持部81Aのこのとき上側にある脚板部92Aをストッパ軸61Aに当接させた状態にあるとき、規制部83Aが棒状部111Aと棒状部112Aとの間に入り込み、これら棒状部111A,112Aに当接して、物品運搬方向の移動が規制される。よって、この状態では、ストッパ部材71Aは、ストッパ部82Aを含んで揺動が規制される。言い換えれば、規制部83Aが、支持部81Aから、下方に延出し、受け部101Aに当接することで、ストッパ部82Aの揺動を規制する。ストッパ部材71Aは、この状態が、ローラコンベア52Aの載置面54Aに載置された物品Gの、載置面54A上での、そのストッパ部82Aを越える物品運搬方向の移動をこの物品Gにストッパ部82Aにおいて当接して規制する第1運搬規制状態となる。第1運搬規制状態にあるストッパ部材71Aは、ローラコンベア52Aの載置面54A上にある物品Gの物品運搬方向外方への運搬を規制する。
【0031】
この第1運搬規制状態にあるストッパ部材71Aを、例えば連結部84A及び屈曲部85Aを取っ手として持ち自重に逆らって上方に引き上げると、このストッパ部材71Aは、貫通穴97Aが長穴であるため、上方への移動が許容される。そして、
図3に実線で示すように、支持部81Aのこのとき下側にある脚板部93Aをストッパ軸61Aに当接させるまでストッパ部材71Aを引き上げると、規制部83Aが棒状部111Aと棒状部112Aとの間から抜け出し、物品運搬方向においてローラコンベア52Aとは反対側の棒状部111Aには当接するものの、ローラコンベア52A側の棒状部112Aには当接しない状態となる。よって、規制部83Aは、物品運搬方向において、ローラコンベア52Aとは反対側への移動は棒状部111Aで規制されるもののローラコンベア52A側への移動が許容される。これにより、ストッパ部材71Aは、
図3において二点鎖線で示すように、ストッパ部82Aを物品運搬方向においてローラコンベア52Aとは反対側へ移動するように揺動させる。
【0032】
ストッパ部82Aが、このように揺動すると、ストッパ部材71Aは、
図3において一点鎖線で示すように、ストッパ部82Aが略水平に広がる状態となり、連結部84Aがストッパ部82Aから略鉛直下方に突出する状態となる。この状態から、さらにストッパ部82Aが下がるように揺動すると、ストッパ部材71Aは、
図3において破線で示すように、ストッパ部82Aが受け部101Aの物品運搬方向において最もローラコンベア52Aとは反対側にある棒状部65Aに当接して、それ以上の下方への揺動が規制される。このとき、ストッパ部材71Aは、規制部83Aが、ローラコンベア52Aの載置面54Aに対して物品Gを載置する側、すなわち上側に延出するように構成されている。しかも、このとき、ストッパ部材71Aは、ストッパ部82Aが棒状部65Aに当接しているため、規制部83Aの物品運搬方向におけるローラコンベア52Aとは反対側への移動を規制する状態になる。すなわち、このようにストッパ部82Aが棒状部65Aに当接する状態で、ストッパ部材71Aは、ローラコンベア52Aの載置面54A上にある物品Gの規制部83Aを越える物品運搬方向の移動を、物品Gに規制部83Aで当接することにより規制する第2運搬規制状態となる。第2運搬規制状態にあるストッパ部材71Aも、ローラコンベア52Aの載置面54A上にある物品Gの物品運搬方向外方への運搬を規制する。
【0033】
図4は、実施形態の物品運搬機構10B,11Bを備える台車12Bを示すものである。台車12Bは、フレーム13Bと、フレーム13Bに支持された同様の構成の複数、具体的には2箇所の物品運搬機構10B,11Bと、台車12Bの下部における四隅に設けられたキャスタ15Bと、を有している。
【0034】
台車12Bのフレーム13Bは、複数の物品運搬機構10B,11Bを支持する矩形枠状のメインフレーム部21Bを有しており、メインフレーム部21Bの四隅にキャスタ15Bが取り付けられている。フレーム13Bは、メインフレーム部21Bの長手方向における一端部から上方に延出するハンドルフレーム部41Bを有している。ハンドルフレーム部41Bは、上部にハンドル42Bを有している。台車12Bは、キャスタ15Bを有していてフロア上を走行移動可能となっており、ハンドル42Bを介して押し引きされることによりフロア上を移動する。
【0035】
複数の物品運搬機構10B,11Bは、高さ位置を揃えてメインフレーム部21Bの長手方向に並んで設けられている。メインフレーム部21Bの長手方向において、物品運搬機構11Bは、物品運搬機構10Bよりもハンドルフレーム部41B側に設けられている。複数の物品運搬機構10B,11Bは、物品Gの運搬方向である物品運搬方向を揃えている。複数の物品運搬機構10B,11Bは、物品運搬方向が、水平方向であり、メインフレーム部21Bの幅方向となっている。複数の物品運搬機構10B,11Bは、同様の構成であるため、これらのうちの一方の物品運搬機構10Bについて説明する。
【0036】
物品運搬機構10Bは、シュート12Aの物品運搬機構10A,11Aとほぼ同様の構成である。物品運搬機構10Bは、シュート12Aの物品運搬機構10Aの運搬台51Aとは一部異なる運搬台51Bを備えている。運搬台51Bは、メインフレーム部21Bに支持されるローラコンベア52Bの物品運搬方向の長さが、シュート12Aのローラコンベア52Aよりも短い。言い換えれば、ローラコンベア52Bは、シュート12Aのローラコンベア52Aよりもローラ53Bの数が少ない。ローラコンベア52Bは、その全てのローラ53Bの上端部で構成される載置面54Bも、物品運搬方向の長さが、シュート12Aの載置面54Aよりも短い。台車12Bの載置面54Bは、シュート12Aの載置面54Aと高さ位置を合わせている。
【0037】
物品運搬機構10Bは、物品運搬機構10A,11Bと同様に、運搬台51Bの物品運搬方向における一端部に設けられた、ストッパ軸61Aと同様のストッパ軸61Bと、運搬台51Bの物品運搬方向における他端部に設けられた、ストッパ軸62Aと同様のストッパ軸62Bと、を備えている。ストッパ軸61B,62Bは、同径であり、物品運搬機構10A,11Aのストッパ軸61A,62Aと高さ位置を合わせている。
【0038】
また、物品運搬機構10Bは、物品運搬機構10A,11Bと同様に、一方のストッパ軸61Bの物品運搬方向におけるローラコンベア52Bとは反対側に配置されたメインフレーム部21Bの棒状部65Bと、他方のストッパ軸62Bの物品運搬方向におけるローラコンベア52Bとは反対側に配置されたメインフレーム部21Bの棒状部66Bとを含んでいる。棒状部65B,66Bは、物品運搬機構10A,11Aの棒状部65A,66Aと同径であり、棒状部65A,66Aと高さ位置を合わせている。
【0039】
一方のストッパ軸61Bと、そのローラコンベア52Bとは反対側に配置された棒状部65Bとの物品運搬方向における距離は、他方のストッパ軸62Bと、そのローラコンベア52Bとは反対側に配置された棒状部66Bとの物品運搬方向における距離と同等になっている。また、一方のストッパ軸61Bと棒状部65Bとの物品運搬方向における距離は、物品運搬機構10Aのストッパ軸61Aと棒状部65Aとの距離と同等になっている。
【0040】
物品運搬機構10Bは、ストッパ部材71A,72Aと同形状の共通部品であるストッパ部材71B,72Bを備えている。ストッパ部材71Bはストッパ軸61Bに取り付けられており、ストッパ部材72Bはストッパ軸62Bに取り付けられている。棒状部65B、ストッパ軸61B、及びストッパ部材71Bの関係と、棒状部66B、ストッパ軸62B、及びストッパ部材72Bの関係とは、物品運搬方向において鏡面対称状である以外は同様である。
【0041】
ストッパ部材71B,72Bは、支持部81Aと同様の支持部81Bと、ストッパ部82Aと同様のストッパ部82Bと、規制部83Aと同様の規制部83Bと、連結部84Aと同様の連結部84Bと、屈曲部85Aと同様の屈曲部85Bとを有している。ストッパ部材71B,72Bは、主板部87Aと同様の主板部87Bを有している。支持部81Bは、中間板部91Aと同様の中間板部91Bと、脚板部92Aと同様の脚板部92Bと、脚板部93Aと同様の脚板部93Bと、蓋板部94Aと同様の蓋板部94Bと、を有している。支持部81Bには貫通穴97Aと同様の貫通穴97Bが形成されている。屈曲部85Bには、屈曲部85Aと同様に安全テープ(図示略)が貼り付けられる。
【0042】
ストッパ部材71Bは、物品運搬機構10Aのストッパ部材71Aと同様、ストッパ軸61Bの軸回りに回転可能となっており、貫通穴97Bの範囲でストッパ軸61Bに対しストッパ軸61Bの径方向に移動可能となっている。ただし、ストッパ部材71Bは、ストッパ軸61Bに設けられた規制部材(図示略)によりストッパ軸61Bの軸方向には移動不可となっている。
【0043】
ストッパ部材71Bは、ストッパ軸61Bの軸方向の移動が規制されているため、台車12Bの走行による振動や物品Gとの接触等でストッパ軸61Bの軸方向に移動することがない。ストッパ部材72Bも、同様に、ストッパ軸62Bの軸方向には移動不可となっており、よって、台車12Bの走行による振動や物品Gとの接触等でストッパ軸62Bの軸方向に移動することがない。よって、物品Gを載置面54B上のストッパ部材71B,72Bによって脱落が防止される位置に載置させれば、ストッパ部材71B,72Bの位置ずれに起因して物品Gが台車12Bから脱落してしまうことを抑制できる。
【0044】
ストッパ部材71Bは、ストッパ軸61Bに対し、ストッパ軸61Bの軸方向における片側に寄せられており、ストッパ部材72Bは、ストッパ軸62Bに対し、ストッパ軸62Bの軸方向における片側に寄せられている。具体的に、一方の物品運搬機構10Bの両側のストッパ部材71B,72Bは、他方の物品運搬機構11B側に寄せられており、他方の物品運搬機構11Bの両側のストッパ部材71B,72Bは、一方の物品運搬機構10B側に寄せられている。
【0045】
ストッパ部材71B,72Bも、運搬規制姿勢にあるとき、ストッパ部材71Aと同様、ストッパ部82Bが、支持部81Bから運搬台51Bの載置面54Bに対して物品Gを載置する側に延出し、規制部83Bが、支持部81Bから物品Gを載置する側とは反対側に延出すると共に、物品運搬方向において、支持部81B及び連結部84Bがストッパ部82Bからローラコンベア52Bとは反対側に突出する状態になる。
【0046】
物品運搬機構10Bは、運搬台51Bの載置面54Bとは反対側に、物品運搬機構10Aの受け部101Aと同様の受け部101Bと、物品運搬機構10Aの受け部102Aと同様の受け部102Bとを備えている。受け部101Aは、メインフレーム部21Bの上記棒状部65Bを含んでいる。受け部102Bは、メインフレーム部21Bの上記棒状部66Bを含んでいる。
【0047】
物品運搬機構10Bは、一方のストッパ軸61Bと物品運搬方向における位置を合わせて、このストッパ軸61Bの下方位置に受け部101Aと同様の受け部101Bを有しており、他方のストッパ軸62Bと物品運搬方向における位置を合わせて、このストッパ軸62Bの下方位置に受け部102Aと同様の図示略の受け部102Bを有している。ストッパ軸61B、ストッパ部材71B、及び受け部101Bの関係と、ストッパ軸62B、ストッパ部材72B、及び受け部102Bの関係とは、物品運搬方向において鏡面対称状である以外同様であるため、ここでは、ストッパ軸61B、ストッパ部材71B、及び受け部101Bの関係について説明する。
【0048】
物品運搬機構10Bにおいても、受け部101Bと物品運搬方向における位置を合わせて設けられたストッパ軸61Bに支持されたストッパ部材71Bが、上記した運搬規制姿勢にあり、しかも自重で下がった状態にあるとき、その規制部83Bがこの受け部101Bに当接して、物品運搬方向の移動が規制されて、第1運搬規制状態となる。
【0049】
また、物品運搬機構10Bにおいても、この第1運搬規制状態にあるストッパ部材71Bを自重に逆らって上方に引き上げると、規制部83Bが受け部101Bから抜け出し、受け部101Bに対し物品運搬方向のローラコンベア52Bとは反対側には当接するものの、ローラコンベア52B側には当接しない状態となる。これにより、ストッパ部材71Bは、ストッパ部82Bを物品運搬方向においてローラコンベア52Bとは反対側へ移動するように揺動させる。
【0050】
また、物品運搬機構10Bにおいても、ストッパ部材71Bは、このように揺動したストッパ部82Bが、水平に広がる状態となると、連結部84Bがストッパ部82Bから鉛直下方に突出する状態となる。この状態から、さらにストッパ部82Bが下がるように揺動すると、ストッパ部材71Bは、ストッパ部82Bが受け部101Bの棒状部65Bに当接して、それ以上の下方への揺動が規制される。このとき、ストッパ部材71Bは、規制部83Bが、運搬台51Bのローラコンベア52Bの載置面54Bに対して物品Gを載置する側、すなわち上側に延出する第2運搬規制状態となる。
【0051】
図5に示すように、物品運搬機構10A,11Aを備えるシュート12Aと、物品運搬機構10B,11Bを備える台車12Bとが、物品運搬設備121を構成している。物品運搬設備121においては、シュート12Aにある物品Gを台車12Bに向け運搬して台車12Bに移し替えたり、台車12Bで運ばれてきた物品Gをシュート12Aに向け運搬してシュート12Aに移し替えたりする。
【0052】
シュート12Aにおいては、台車12Bとの間で物品Gの受け渡しを行わない状態では、
図1に示すように、全ての物品運搬機構10A,11Aにおいて、両側のストッパ部材71A,72Aを第1運搬規制状態としている。これにより、全ての物品運搬機構10A,11Aにおいて、載置面54Aに載置した物品Gがあっても、物品Gがシュート12Aから脱落することがないようになっている。
【0053】
また、台車12Bにおいても、シュート12Aあるいは他の台車12Bとの間で物品Gの受け渡しを行わない状態では、
図4に示すように、全ての物品運搬機構10B,11Bにおいて、両側のストッパ部材71B,72Bを第1運搬規制状態としている。これにより、全ての物品運搬機構10B,11Bにおいて、載置面54Bに載置した物品Gがあっても、物品Gが台車12Bから脱落することがないようになっている。
【0054】
この状態から、例えば、
図5に示すように、物品運搬設備121が備えているシュート12Aの一方の第1の物品運搬機構10Aと、物品運搬設備121が備えている台車12Bの一方の第2の物品運搬機構10Bとを連結して、これらの間で物品Gの受け渡しを行う場合、作業者は、シュート12Aの第1の物品運搬機構10Aの台車12B側の第1の棒状部65Aに、台車12Bの第2の物品運搬機構10Bのシュート12A側の第2の棒状部65Bを平行に近接させ、これら第1の棒状部65A及び第2の棒状部65B同士の軸方向の位置を合わせる。
【0055】
このとき、
図1に示すように、シュート12Aの第1の物品運搬機構10Aには、第1の運搬台51Aの物品運搬方向における台車12B側(
図5参照)の一端部に、第1のストッパ軸61Aが設けられており、第1の運搬台51Aの第1の載置面54Aとは反対側であって、物品運搬方向における台車12B側(
図5参照)に第1の受け部101Aが設けられている。また、このとき、第1の物品運搬機構10Aは、その第1の支持部81Aにおいて第1のストッパ軸61Aに取り付けられた第1のストッパ部材71Aを有している。
【0056】
また、このとき、第1運搬規制状態となっている第1のストッパ部材71Aは、その第1の規制部83Aが、第1の支持部81Aから、物品Gを載置する側とは反対側に延出し、第1の受け部101Aに当接することで、第1のストッパ部82Aの揺動を規制している。また、このとき、第1のストッパ部82Aは、第1の支持部81Aから、第1の物品運搬機構10Aの第1の運搬台51Aの第1の載置面54Aに対して物品Gを載置する側に延出している。
【0057】
また、このとき、
図4に示すように、台車12Bの第2の物品運搬機構10Bには、第2の運搬台51Bの物品運搬方向におけるシュート12A側(
図5参照)の一端部に第2のストッパ軸61Bが設けられており、第2の運搬台51Bの第2の載置面54Bとは反対側であって、物品運搬方向におけるシュート12A側(
図5参照)に第2の受け部101Bが設けられている。また、このとき、第2の物品運搬機構10Bは、その第2の支持部81Bにおいて第2のストッパ軸61Bに取り付けられた第2のストッパ部材71Bを有している。
【0058】
また、このとき、第1運搬規制状態となっている第2のストッパ部材71Bは、その第2の規制部83Bが、第2の支持部81Bから、物品Gを載置する側とは反対側に延出し、第2の受け部101Bに当接することで、第2のストッパ部82Bの揺動を規制している。また、このとき、第2のストッパ部82Bは、第2の支持部81Bから、第2の物品運搬機構10Bの第2の運搬台51Bの第2の載置面54Bに対して物品Gを載置する側に延出している。
【0059】
この状態で、作業者は、必要により、シュート12Aの第1の物品運搬機構10Aの台車12B側の第1のストッパ部材71Aを、第1のストッパ部材71Aの第1の支持部81Aを支持している第1のストッパ軸61Aの軸方向における一側に寄せて、第1のストッパ部材71A及び第2のストッパ部材71Bの位置をずらす。具体的には、第2のストッパ軸61Bに対して第2のストッパ軸61Bの軸方向における移動が規制された第2のストッパ部材71Bが壁フレーム部23A側に位置しているため、第1のストッパ部材71Aを、第1のストッパ軸61Aの軸方向において壁フレーム部25A側に寄せる。
【0060】
この状態から、一方で、作業者は、シュート12Aの第1の物品運搬機構10Aの台車12B側の第1のストッパ部材71Aを引き上げて、その第1の規制部83Aを第1の物品運搬機構10Aの台車12B側の第1の受け部101Aから引き抜く。そして、作業者は、第1のストッパ部材71Aを、その第1のストッパ部82Aが第1の支持部81Aを支点として台車12Bに近づく方向に揺動するように回転させる。すると、
図6に実線で示すように、第1のストッパ部材71Aの第1のストッパ部82Aが、第2の物品運搬機構10Bのシュート12A側の第2のストッパ軸61Bに上から当接する。
【0061】
この状態で、第1のストッパ部材71Aは、その第1の主板部87Aが、第1のストッパ部82Aが支持部81Aから若干前下がりに延出するように、略水平に広がり、その第1の連結部84Aが、第1の主板部87Aから垂直下方に突出する状態になる。このとき、第1のストッパ部材71Aの第1の連結部84A及び第1の屈曲部85Aは、第2のストッパ軸61Bと、第2の物品運搬機構10Bの第2の運搬台51Bの第2のローラコンベア52Bとの間に配置される。よって、第1の連結部84Aが、水平方向における第2のストッパ軸61Bのシュート12Aとは反対側に位置する。
【0062】
このため、物品運搬方向において台車12Bがシュート12Aから離れる方向の移動を第1の連結部84Aが第2のストッパ軸61Bに当接することによって規制する。すなわち、第1の物品運搬機構10Aの第1のストッパ部材71Aは、第1のストッパ部82Aの先端部に設けられた第1の連結部84Aが、第1の物品運搬機構10Aを、他の第2の物品運搬機構10Bに連結する連結状態になる。このとき、第1のストッパ部材71Aは、第1の屈曲部85Aが、略水平に広がる第1の主板部87Aから斜め下方に延出する状態となる。
【0063】
また、他方で、作業者は、台車12Bの第2の物品運搬機構10Bのシュート12A側の第2のストッパ部材71Bを引き上げて、その第2の規制部83Bを第2の物品運搬機構10Bのシュート12A側の第2の受け部101Bから引き抜く。そして、作業者は、第2のストッパ部材71Bを、その第2のストッパ部82Bが第2の支持部81Bを支点としてシュート12Aに近づく方向に揺動するように回転させる。すると、
図6に破線で示すように、第2のストッパ部材71Bの第2のストッパ部82Bが、第1の物品運搬機構10Aの台車12B側の第1のストッパ軸61Aに上から当接する。
【0064】
この状態で、第2のストッパ部材71Bは、その第2の主板部87Bが、第2のストッパ部82Bが支持部81Bから若干前下がりに延出するように、略水平に広がり、その第2の連結部84Bが、第2の主板部87Bから垂直下方に突出する状態になる。このとき、第2のストッパ部材71Bの第2の連結部84B及び第2の屈曲部85Bは、第1のストッパ軸61Aと、第1の物品運搬機構10Aの第1の運搬台51Aの第1のローラコンベア52Aとの間に配置される。よって、第2の連結部84Bが、水平方向における第1のストッパ軸61Aの台車12Bとは反対側に位置する。
【0065】
このため、物品搬送方向において台車12Bがシュート12Aから離れる方向の移動を第2の連結部84Bが第1のストッパ軸61Aに当接することによって規制する。すなわち、第2の物品運搬機構10Bの第2のストッパ部材71Bは、第2のストッパ部82Bの先端部に設けられた第2の連結部84Bが、第2の物品運搬機構10Bを、他の第1の物品運搬機構10Aに連結する連結状態になる。このとき、第2のストッパ部材71Bは、第2の屈曲部85Bが、略水平に広がる第2の主板部87Bから斜め下方に延出する状態となる。
【0066】
このようにして、シュート12Aの第1の物品運搬機構10Aと台車12Bの第2の物品運搬機構10Bとが、物品運搬方向に沿って一直線状に配置され、第1の物品運搬機構10Aの第1のローラコンベア52Aと、第2の物品運搬機構10Bの第2のローラコンベア52Bとの間で、これらを結ぶように、第1のストッパ部材71Aの第1の主板部87Aと第2のストッパ部材71Bの第2の主板部87Bとが略水平に広がる状態になる。このとき、第1の主板部87Aの上面と第2の主板部87Bの上面とは略同一面に配置されることになる。第1の主板部87Aの上面及び第2の主板部87Bの上面は、同一の水平面に配置される第1のローラコンベア52Aの第1の載置面54A及び第2のローラコンベア52Bの第2の載置面54Bよりも、若干高さ位置が低くなっている。
【0067】
以上により、シュート12Aからの台車12Bの離間を抑制しつつ、シュート12Aの第1の物品運搬機構10Aと、台車12Bの第2の物品運搬機構10Bとの間で物品Gを受け渡すことができる。言い換えれば、シュート12Aの第1の物品運搬機構10Aが、他の物品運搬機構である台車12Bの第2の物品運搬機構10Bとの間で物品Gの受け渡しを行う状態になり、台車12Bの第2の物品運搬機構10Bが、他の物品運搬機構であるシュート12Aの第1の物品運搬機構10Aとの間で物品Gの受け渡しを行う状態になる。
【0068】
そして、物品運搬設備121が備えているシュート12Aの第1の物品運搬機構10Aは、その第1の運搬台51Aが、その第1の載置面54Aに物品Gを載置している場合、第1の載置面54Aに載置している物品Gを台車12Bに向け運搬する状態になる。また、物品運搬設備121が備えている台車12Bの第2の物品運搬機構10Bは、その第2の運搬台51Bが、その第2の載置面54Bに物品Gを載置している場合、第2の載置面54Bに載置している物品Gをシュート12Aに向け運搬する状態になる。
【0069】
なお、上記のようにシュート12Aの第1のストッパ部材71Aを台車12Bに連結せず、あるいは、台車12Bの第2のストッパ部材71Bをシュート12Aに連結しなければ、第1のストッパ部材71A及び第2のストッパ部材71Bの少なくともいずれか一方が、第1運搬規制状態になっているため、シュート12Aと台車12Bとの間での物品Gの受け渡しを阻害する。
【0070】
上記のようにシュート12Aの第1のストッパ部材71Aを台車12Bに連結し、かつ、台車12Bの第2のストッパ部材71Bをシュート12Aに連結すると、シュート12Aの第1の物品運搬機構10Aに設けられた第1のストッパ部材71Aが、他の物品運搬機構である台車12Bの第2の物品運搬機構10Bとの間で物品Gの受け渡しを行う状態になる。それと共に、台車12Bの第2の物品運搬機構10Bに設けられた第2のストッパ部材71Bが、他の物品運搬機構であるシュート12Aの第1の物品運搬機構10Aとの間で物品Gの受け渡しを行う状態になる。
【0071】
第1の物品運搬機構10Aに設けられた第1のストッパ部材71Aは、物品Gを第1の載置面54Aに載置して物品Gを運搬する第1の運搬台51Aの運搬方向における一端部に設けられた第1のストッパ軸61Aに支持される第1の支持部81Aと、第1の支持部81Aから、第1の運搬台51Aの第1の載置面54Aに対して物品Gを載置する側に延出し、第1の支持部81Aを支点として揺動する第1のストッパ部82Aと、第1の支持部81Aから、物品Gを載置する側とは反対側に延出し、第1の運搬台51Aの第1の載置面54Aとは反対側に設けられた第1の受け部101Aに当接することで、第1のストッパ部82Aの揺動を規制する第1の規制部83Aと、第1のストッパ部82Aの先端部に設けられ、他の第2の物品運搬機構10Bに連結する第1の連結部84Aと、を備える。
【0072】
第2の物品運搬機構10Bに設けられた第2のストッパ部材71Bは、物品Gを第2の載置面54Bに載置して物品Gを運搬する第2の運搬台51Bの運搬方向における一端部に設けられた第2のストッパ軸61Bに支持される第2の支持部81Bと、第2の支持部81Bから、第2の運搬台51Bの第2の載置面54Bに対して物品Gを載置する側に延出し、第2の支持部81Bを支点として揺動する第2のストッパ部82Bと、第2の支持部81Bから、物品Gを載置する側とは反対側に延出し、第2の運搬台51Bの第2の載置面54Bとは反対側に設けられた第2の受け部101Bに当接することで、第2のストッパ部82Bの揺動を規制する第2の規制部83Bと、第2のストッパ部82Bの先端部に設けられ、他の第1の物品運搬機構10Aに連結する第2の連結部84Bと、を備える。
【0073】
シュート12Aの第1の物品運搬機構10Aと台車12Bの第2の物品運搬機構10Bとの間で物品Gの受け渡しが行われた後、作業者は、台車12Bを動かす前に、シュート12Aの第1のストッパ部材71Aを、例えば第1の屈曲部85Aを取っ手として掴んで持ち上げ、第1のストッパ軸61Aを中心に回転させながら引き上げて運搬規制姿勢とし、そのまま下方に下げることで、第1運搬規制状態に戻すことになる。また、作業者は、台車12Bの第2のストッパ部材71Bを、例えば第2の屈曲部85Bを取っ手として掴んで持ち上げ、第2のストッパ軸61Bを中心に回転させながら引き上げて運搬規制姿勢とし、そのまま下方に下げることで、第1運搬規制状態に戻すことになる。その後、作業者は、台車12Bを動かすことになる。
【0074】
なお、作業者が、シュート12Aの第1のストッパ部材71Aに触れて、これを第1運搬規制状態に戻すと共に、台車12Bの第2のストッパ部材71Bに触れて、これを第1運搬規制状態に戻すことにより、台車12Bをシュート12Aから離すことができる状態になる。このように、台車12Bをシュート12Aから離すために、作業者は、物品Gの受け渡しのため連結状態にあった第1のストッパ部材71A及び第2のストッパ部材71Bを、必ず持ち上げなければならない。この持ち上げ作業と、第1のストッパ部材71A及び第2のストッパ部材71Bを第1運搬規制状態に戻す作業とが一連する作業となるため、第1のストッパ部材71A及び第2のストッパ部材71Bの第1運搬規制状態への戻し忘れを抑制することができる。
【0075】
ここで、例え、シュート12Aと台車12Bとの連結解除後に、第1のストッパ部材71Aを第1運搬規制状態に戻し忘れたり、あるいは何らかの理由があって、第1のストッパ部材71Aが第1の受け部101Aから外れてしまっても、第1のストッパ部材71Aは、
図7に示すように、第1の受け部101Aの棒状部65Aに当接して停止する。すると、第1のストッパ部材71Aは、第1の規制部83Aを第1の載置面54Aよりも上方に突出させる第2運搬規制状態となるため、物品Gの第1の載置面54Aからの脱落を抑制することができる。第2のストッパ部材71Bについても同様である。
【0076】
なお、
図5では、シュート12Aの壁フレーム部23Aと壁フレーム部25Aとの間の物品運搬機構10Aの物品運搬方向一側と、台車12Bのハンドル42Bとは反対側の物品運搬機構10Bの物品運搬方向一側とを連結して、これらの間で物品Gを受け渡しを行う場合を示しているが、これに限らない。上記した物品運搬設備121では、シュート12Aが、それぞれ物品運搬方向両側で台車12Bに連結可能な2つの物品運搬機構10A,11Aを有しており、台車12Bが、それぞれ物品運搬方向両側でシュート12Aに連結可能な2つの物品運搬機構10B,11Bを有しているため、16通りの連結パターンがあり、そのいずれのパターンにおいても同様となる。さらには、一の台車12Bの物品運搬機構10B,11Bのいずれか一方と、他の台車12Bの物品運搬機構10B,11Bのいずれか一方とを連結して、これらの間で物品Gの受け渡しを行う場合も同様となる。
【0077】
上記した特許文献1には、重量物を載置して移送可能な複数のローラ群を有する移送台を備えると共に、脚部に複数のキャスタを備え、他の運搬用台車との間で重量物の受け渡しを行う運搬用台車であって、移送台の前方端部に、ローラ群の上方に突出して移送台に載置された重量物の落下を防止するストッパ、及び他の運搬用台車との連結部を備えており、ストッパは弾性付勢体によって支持されており、ストッパ、連結部、及び弾性付勢体によってインターロック機構が形成されており、インターロック機構により、他の運搬用台車と連結されていない場合、ストッパがローラ群よりも上方に突出しており、他の運搬用台車と連結されている場合、ストッパが前記ローラ群よりも下方へ下降しているように構成されている重量物運搬用台車が開示されている。
【0078】
しかしながら、特許文献1に開示された重量物運搬用台車では、重量物の落下を防止するストッパが重量物運搬用台車に保持されているため、ストッパの取り付け忘れは抑制できるものの、このストッパを含むストッパ機構が複雑になってしまうおそれがあった。
【0079】
これに対して、例えば、物品運搬機構10Aは、運搬台51Aの運搬方向における一端部にストッパ軸61Aを設け、このストッパ軸61Aにストッパ部材71Aを取り付ける。そして、このストッパ部材71Aが、ストッパ軸61Aに支持される支持部81Aと、支持部81Aから、運搬台51Aの載置面54Aに対して物品Gを載置する側に延出し、支持部81Aを支点として揺動するストッパ部82Aと、支持部81Aから、物品Gを載置する側とは反対側に延出し、運搬台51Aの載置面54Aとは反対側に設けられた受け部101Aに当接することで、ストッパ部82Aの揺動を規制する規制部83Aと、ストッパ部82Aの先端部に設けられ、他の例えば物品運搬機構10Bに連結する連結部84Aと、を有する。
【0080】
そして、ストッパ部材71Aは、ストッパ部82Aを、支持部81Aから、運搬台51Aの載置面54Aに対して物品Gを載置する側に延出する状態とし、規制部83Aを受け部101Aに当接させて、ストッパ部82Aの揺動を規制する第1運搬規制状態になることで、ストッパ部82Aによって運搬台51Aの載置面54Aからの物品Gの脱落を抑制することができる。また、ストッパ部材71Aは、ストッパ部82Aを揺動させることで、ストッパ部82Aの先端部に設けられた連結部84Aが、他の例えば物品運搬機構10Bに連結する連結状態になる。これにより、他の物品運搬機構10Bの離間を抑制することができ、他の物品運搬機構10Bとの間の物品Gの受け渡し作業の作業性が向上する。しかも、上記構造であることから、ストッパ部材71Aの構造の複雑化を抑制することができ、ストッパ部材71Aを含む物品運搬機構10Aの構造の複雑化を抑制することができる。
【0081】
また、例えば、ストッパ部材71Aは、運搬台51Aの載置面54Aからの物品Gの脱落を抑制する第1運搬規制状態にあったストッパ部82Aを揺動させることで、ストッパ部82Aの先端部に設けられた連結部84Aが、他の例えば物品運搬機構10Bに連結することから、他の物品運搬機構10Bからの連結を解除するためには、ストッパ部82Aを逆に揺動させることが必要になる。このストッパ部82Aを逆に揺動させる作業は、ストッパ部82Aによって運搬台51Aの載置面54Aからの物品Gの脱落を抑制する第1運搬規制状態に戻す作業に繋がるため、この作業のし忘れを抑制することができる。
【0082】
また、例えば、物品運搬機構10Aは、ストッパ部材71Aの規制部83Aが、ストッパ部82Aを揺動させることでストッパ部82Aが受け部101Aに当接したときに、運搬台51Aの載置面54Aに対して物品Gを載置する側に延出する第2運搬規制状態になるように構成されている。このため、第1運搬規制状態に戻すことを忘れたとしても、ストッパ部材71Aが第2運搬規制状態になって、運搬台51Aの載置面54Aからの物品Gの脱落を抑制することができる。
【0083】
また、ストッパ部材71Aは、ストッパ部82Aの先端部に、連結部84Aの側に屈曲した屈曲部85Aを備えるため、例えば、連結状態にあるストッパ部材71Aの連結を解除する際に屈曲部85Aを取っ手として使用することができる。よって、作業性を向上させることができる。また、屈曲部85Aは、連結部84Aの側に屈曲しているため、例えば、屈曲部85Aに安全テープを張り付けた場合、他の例えば物品運搬機構10Bとの間で物品Gの受け渡しを行う際に、擦れて安全テープが剥がれてしまうことを抑制することができる。
【0084】
また、ストッパ部材71Aは、鉄工材のみで形成されているため、安価であり、構造もシンプルなためリードタイムも短く製作が容易である。よって、コスト増を抑制することができる。
【0085】
ここで、以上においては、物品運搬機構10Aのストッパ部材71A側の構成による効果について説明したが、物品運搬機構10Aのストッパ部材72A側の構成、物品運搬機構11Aのストッパ部材71A側の構成、物品運搬機構11Aのストッパ部材72A側の構成、物品運搬機構10Bのストッパ部材71B側の構成、物品運搬機構10Bのストッパ部材72B側の構成、物品運搬機構11Bのストッパ部材71B側の構成、及び物品運搬機構11Bのストッパ部材72B側の構成も、全て、物品運搬機構10Aのストッパ部材71A側の構成と同様の構成であるため、これらについても、同様の効果を奏する。加えて、物品運搬機構10A,11Aと物品運搬機構10B,11Bとを備える物品運搬設備121においても、物品運搬機構10A,11A及び物品運搬機構10B,11Bがそれぞれ同様の効果を奏する。
【0086】
また、シュート12Aのストッパ部材71A,72Aと台車12Bのストッパ部材71B,72Bとの構造を共通化しているため、シュート12A及び台車12Bの取付先の違いによってストッパ部材の種類を変更する必要がない。よって、コスト増を抑制することができる。
【0087】
また、台車12Bのストッパ部材71Bはストッパ軸61Bに対してその軸方向に移動不可となっており、ストッパ部材72Bもストッパ軸62Bに対してその軸方向に移動不可となっているため、台車12Bの走行中の振動や物品Gとの接触でストッパ部材71B,72Bが移動してしまうことがない。このため、台車12Bからの物品Gの脱落を抑制することができる。
【0088】
また、走行しないシュート12Aのストッパ部材71Aはストッパ軸61Aに対してその軸方向に移動可能となっており、ストッパ部材72Aもストッパ軸62Aに対してその軸方向に移動可能となっているため、台車12Bのストッパ部材71Bをストッパ軸61Bに対し移動不可とし、台車12Bのストッパ部材72Bをストッパ軸62Bに対し移動不可としても、シュート12Aのストッパ部材71A,72Aを移動させることで、連結が可能となる。
【0089】
なお、運搬台51A,51Bは、ローラコンベア52A,52Bを有するものに限定されるものではなく、ベルトコンベアを有するものであっても良く、載置面54A,54Bが固定面であって物品Gを滑らせて搬送する運搬台等、他の種々の運搬台を適用することができる。
【0090】
以上に述べた実施形態の第1の態様は、
他の物品運搬機構との間で物品(例えば物品G)の受け渡しを行う物品運搬機構(例えば物品運搬機構10A,10B,11A,11B)であって、
前記物品を載置面(例えば載置面54A,54B)に載置して前記物品を運搬する運搬台(例えば運搬台51A,51B)と、
前記運搬台の載置面とは反対側に設けられた受け部(例えば受け部101A,101B,102A,102B)と、
前記運搬台の運搬方向における一端部に設けられたストッパ軸(例えばストッパ軸61A,61B,62A,62B)と、
前記ストッパ軸に取り付けられたストッパ部材(例えばストッパ部材71A,71B,72A,72B)であって、
前記ストッパ軸に支持される支持部(例えば支持部81A,81B)と、
前記支持部から、前記運搬台の載置面に対して前記物品を載置する側に延出し、前記支持部を支点として揺動するストッパ部(例えばストッパ部82A,82B)と、
前記支持部から、前記物品を載置する側とは反対側に延出し、前記受け部に当接することで、前記ストッパ部の揺動を規制する規制部(例えば規制部83A,83B)と、
前記ストッパ部の先端部に設けられ、前記他の物品運搬機構に連結する連結部(例えば連結部84A,84B)と、
を有するストッパ部材と、
を備える。
これにより、構造の複雑化を抑制することが可能となる。
【0091】
第2の態様は、第1の態様において、
前記規制部は、
前記ストッパ部を揺動させることで前記ストッパ部が前記受け部に当接したときに、前記運搬台の載置面に対して前記物品を載置する側に延出するように構成されている。
【0092】
第3の態様は、第1の態様において、
前記ストッパ部材は、
前記ストッパ部の先端部に、前記連結部の側に屈曲した屈曲部(例えば屈曲部85A,85B)を備える。
【0093】
第4の態様は、
第1の物品運搬機構(例えば物品運搬機構10A)と、前記第1の物品運搬機構との間で物品(例えば物品G)の受け渡しを行う第2の物品運搬機構(例えば物品運搬機構10B)と、を備える物品運搬設備(例えば物品運搬設備121)であって、
前記第1の物品運搬機構は、
前記物品を載置面(例えば載置面54A)に載置して前記物品を運搬する第1の運搬台(例えば運搬台51A)と、
前記第1の運搬台の載置面とは反対側に設けられた第1の受け部(例えば受け部101A)と、
前記第1の運搬台の運搬方向における一端部に設けられた第1のストッパ軸(例えばストッパ軸61A)と、
前記第1のストッパ軸に取り付けられた第1のストッパ部材(例えばストッパ部材71A)であって、
前記第1のストッパ軸に支持される第1の支持部(例えば支持部81A)と、
前記第1の支持部から、前記第1の運搬台の載置面に対して前記物品を載置する側に延出し、前記第1の支持部を支点として揺動する第1のストッパ部(例えばストッパ部82A)と、
前記第1の支持部から、前記物品を載置する側とは反対側に延出し、前記第1の受け部に当接することで、前記第1のストッパ部の揺動を規制する第1の規制部(例えば規制部83A)と、
前記第1のストッパ部の先端部に設けられ、前記第2の物品運搬機構に連結する第1の連結部(例えば連結部84A)と、
を有する第1のストッパ部材と、
を備え、
前記第2の物品運搬機構は、
前記物品を載置面(例えば載置面54B)に載置して前記物品を運搬する第2の運搬台(例えば運搬台51B)と、
前記第2の運搬台の載置面とは反対側に設けられた第2の受け部(例えば受け部101B)と、
前記第2の運搬台の運搬方向における一端部に設けられた第2のストッパ軸(例えばストッパ軸61B)と、
前記第2のストッパ軸に取り付けられた第2のストッパ部材(例えばストッパ部材71B)であって、
前記第2のストッパ軸に支持される第2の支持部(例えば支持部81B)と、
前記第2の支持部から、前記第2の運搬台の載置面に対して前記物品を載置する側に延出し、前記第2の支持部を支点として揺動する第2のストッパ部(例えばストッパ部82B)と、
前記第2の支持部から、前記物品を載置する側とは反対側に延出し、前記第2の受け部に当接することで、前記第2のストッパ部の揺動を規制する第2の規制部(例えば規制部83B)と、
前記第2のストッパ部の先端部に設けられ、前記第1の物品運搬機構に連結する第2の連結部(例えば連結部84B)と、
を有する第2のストッパ部材と、
を備える。
これにより、構造の複雑化を抑制することが可能となる。
【0094】
第5の態様は、
他の物品運搬機構との間で物品(例えば物品G)の受け渡しを行う物品運搬機構(例えば物品運搬機構10A,10B,11A,11B)に設けられるストッパ部材(例えばストッパ部材71A,71B,72A,72B)であって、
前記物品を載置面(例えば載置面54A、54B)に載置して前記物品を運搬する運搬台(例えば運搬台51A,51B)の運搬方向における一端部に設けられたストッパ軸(例えばストッパ軸61A,61B,62A,62B)に支持される支持部(例えば、支持部81A,81B)と、
前記支持部から、前記運搬台の載置面に対して前記物品を載置する側に延出し、前記支持部を支点として揺動するストッパ部(例えばストッパ部82A,82B)と、
前記支持部から、前記物品を載置する側とは反対側に延出し、前記運搬台の載置面とは反対側に設けられた受け部(例えば受け部101A,101B,102A,102B)に当接することで、前記ストッパ部の揺動を規制する規制部(例えば規制部83A,83B)と、
前記ストッパ部の先端部に設けられ、前記他の物品運搬機構に連結する連結部(例えば連結部84A,84B)と、
を備える。
これにより、構造の複雑化を抑制することが可能となる。
【符号の説明】
【0095】
10A,10B,11A,11B 物品運搬機構
51A,51B 運搬台
54A,54B 載置面
61A,61B,62A,62B ストッパ軸
71A,71B,72A,72B ストッパ部材
81A,81B 支持部
82A,82B ストッパ部
83A,83B 規制部
84A,84B 連結部
85A,85B 屈曲部
101A,101B,102A,102B 受け部
121 物品運搬設備
G 物品