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特開2022-135057レベル出し支援装置、基板製造用装置及び部品実装装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022135057
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】レベル出し支援装置、基板製造用装置及び部品実装装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20220908BHJP
   G12B 5/00 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
H05K13/04 Z
G12B5/00 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021034635
(22)【出願日】2021-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100176304
【弁理士】
【氏名又は名称】福成 勉
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 雄一
【テーマコード(参考)】
2F078
5E353
【Fターム(参考)】
2F078CA04
2F078CA08
2F078CB01
2F078CB02
2F078CB18
2F078CC20
5E353GG01
5E353GG29
5E353JJ21
5E353JJ44
5E353JJ48
5E353KK03
5E353LL06
5E353NN18
5E353QQ05
(57)【要約】
【課題】基板製造用装置のレベル出し(水平出し)作業の効率化を図る。
【解決手段】アジャスタ装置20を備えた部品実装装置1に備えられるレベル出し支援装置。このレベル出し支援装置は、部品実装装置1の高さ及び/又は傾きの計測結果を取得する支援実行部54aと、予め定められた位置の前記計測結果に基づき、レベル出しに必要なアジャスタ装置20の高さ補正量ΔH1~ΔH4、を求める補正量算出部54bと、この補正量ΔH1~ΔH4だけ高さを変化させるために必要なアジャスタ装置20の操作を教示する情報である操作支援情報70、71を生成するとともに、この操作支援情報70、71を表示部62(報知装置)に出力する支援情報生成部54cと、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アジャスタ装置を備えた基板製造用装置に備えられ、前記アジャスタ装置の操作によるレベル出し作業を支援する装置であって、
前記基板製造用装置の高さ及び/又は傾きの計測結果を取得可能な情報取得部と、
予め定められた位置の前記計測結果に基づき、レベル出しに必要なアジャスタ装置の高さ補正量を求める補正量算出部と、
前記補正量だけ高さを変化させるために必要な前記アジャスタ装置の操作を教示する情報である操作支援情報を生成する支援情報生成部と、
画像及び/又は音声により前記操作支援情報を報知することが可能な報知装置に対して前記操作支援情報を出力する情報出力部と、を備える、ことを特徴とするレベル出し支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載のレベル出し支援装置において、
前記アジャスタ装置は、ねじ軸からなる脚柱を備え、当該脚柱が回転操作を受けることにより基板製造用装置の高さを変更可能に構成され、
前記操作支援情報は、前記脚柱の回転方向及び回転量を含む、ことを特徴とするレベル出し支援装置。
【請求項3】
請求項2に記載のレベル出し支援装置において、
前記操作支援情報は、アジャスタ装置の前記回転方向及び前記回転量を画像により特定する情報であって、
前記報知装置は、前記操作支援情報を画像により報知する、ことを特徴とするレベル出し支援装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載のレベル出し支援装置において、
計測対象物の傾きを計測してその計測結果を無線送信可能な水準器から送信される計測結果を受信可能な受信部を備え、
前記情報取得部は、前記水準器から送信される計測結果を取得する、ことを特徴とするレベル出し支援装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載のレベル出し支援装置において、
前記操作支援情報を無線送信可能な送信部を備え、
前記報知装置は、前記送信部から送信される前記操作支援情報を受信することが可能な携帯端末である、ことを特徴とするレベル出し支援装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載のレベル出し支援装置において、
レベル出しの基準となる基準高さの情報を入力可能な情報入力部をさらに備え、
前記補正量演算部は、前記基準高さの情報と、前記情報取得部が取得した計測結果とに基づき前記高さ補正量を求める、ことを特徴とするレベル出し支援装置。
【請求項7】
請求項6に記載のレベル出し支援装置において、
前記基板製造用装置における水平な一方向における一方側の端部を第1端部、他方側の端部を第2端部としたときに、
前記基板製造用装置は、前記第1端部及び前記第2端部に各々前記アジャスタ装置を備え、
前記基準高さは、前記第1端部の所定箇所における床面からの目標調整高さであり、
前記補正量演算部は、前記情報入力部から基準高さの情報が入力され、かつ前記情報取得部が前記所定箇所の高さの計測結果を取得すると、前記基準高さの情報と前記高さの計測結果とに基づいて前記第1端部のアジャスタ装置の前記高さ補正量を求めるとともに、前記情報取得部が当該基板製造用装置の傾きの計測結果であって、前記第1端部と前記第2端部の間の予め設定された位置での計測結果を取得すると、前記第2端部のアジャスタ装置の前記高さ補正量を求める、ことを特徴とするレベル出し支援装置。
【請求項8】
基板上に部品が実装された部品実装基板を製造するための設備を備え、底面部にアジャスタ装置を備えた基板製造用装置であって、
請求項1乃至7の何れか一項に記載のレベル出し支援装置を備えている、ことを特徴とする基板製造用装置。
【請求項9】
請求項8に記載の基板製造用装置において、
予め定められた位置の前記基板製造用装置の高さ及び/又は傾きを計測する計測部をさらに備え、
前記情報取得部は、前記計測部による計測結果を取得する、ことを特徴とする基板製造用装置。
【請求項10】
部品実装用の移動可能なヘッドと部品供給部とを備え、前記ヘッドにより部品供給部から部品を取り出して基板に実装する部品実装装置であって、
当該部品実装装置の高さを調整可能なモータ駆動の複数のアジャスタ装置と、
予め定められた位置の当該部品実装装置の高さ及び/又は傾きを計測する計測部と、
前記計測部による計測結果を取得可能な情報取得部と、
前記情報取得部が取得した計測結果に基づき、レベル出しに必要なアジャスタ装置の高さ補正量を求める補正量算出部と、
前記補正量に基づき前記各アジャスタ装置を駆動制御するアジャスタ制御部と、を備えている、ことを特徴とする部品実装装置。
【請求項11】
請求項10に記載の部品実装装置において、
前記ヘッドと共に移動可能な基板認識用のカメラを備え、
前記計測部として、カメラにより撮像可能な位置に配置される気泡管型の水準器を備え、
前記情報取得部は、前記カメラにより撮像される前記水準器の画像に基づき前記計測結果を取得する、ことを特徴とする部品実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品実装装置などの基板製造用装置を設置する際のレベル出し(水平出し)作業を支援するレベル出し支援装置、このレベル出し支援装置を備えた基板製造用装置、及び部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント基板に部品が実装された部品実装基板を生産する部品実装装置が公知である。部品実装装置の底面部には、高さ調整機構であるアジャスタ装置が設けられている(例えば特許文献1)。アジャスタ装置は、底面部のうち、少なくとも角部4箇所を含む複数箇所に設けられている。部品実装装置を新規に工場等に設置する際には、これらアジャスタ装置を操作することによって、高さ調整を含む、部品実装装置のレベル出し(水平出し)が行われる。
【0003】
アジャスタ装置は、下端に接地プレートを備えた脚柱と、この脚柱に装着されるロックナットとを備えており、脚柱を回転させて部品実装装置の床面からの高さを調整した後、ロックナットで脚柱を固定するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-176297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
部品実装装置のレベル出しは、通常、装置上に水準器を設置し、作業者が、水準器の計測結果を確認しながら各アジャスタ装置を調整する作業となる。何れのアジャスタ装置を調整するかは感覚に頼る所多く、一定水準のレベル出しを行おうとすると、慣れた作業者でも比較的時間を要する。なお、このような課題は、部品の実装に先立って基板上にハンダを印刷する印刷装置や接着剤を塗布する塗布装置、あるいは部品実装基板を検査する検査装置等、部品実装装置以外の基板製造用装置についても同様である。
【0006】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、基板製造用装置のレベル出し(水平出し)作業の効率化を図ることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面に係るレベル出し支援装置は、アジャスタ装置を備えた基板製造用装置に備えられ、前記アジャスタ装置の操作によるレベル出し作業を支援する装置であって、前記基板製造用装置の高さ及び/又は傾きの計測結果を取得可能な情報取得部と、予め定められた位置の前記計測結果に基づき、レベル出しに必要なアジャスタ装置の高さ補正量を求める補正量算出部と、前記補正量だけ高さを変化させるために必要な前記アジャスタ装置の操作を教示する情報である操作支援情報を生成する支援情報生成部と、画像及び/又は音声により前記操作支援情報を報知することが可能な報知装置に対して前記操作支援情報を出力する情報出力部と、を備えることを特徴とする。なお、基板製造用装置の「高さ」とは、基板製造用装置が設置される床面から当該基板製造用装置の特定箇所までの鉛直距離であり、「傾き」とは、当該基板製造用装置の水平面に対する傾きである。
【0008】
このレベル出し支援装置によれば、基板製造用装置の高さ及び/又は傾きの計測結果を情報取得部が取得すると、アジャスタ装置の操作を教示する操作支援情報を報知装置によって報知させることが可能となる。この操作支援情報は、レベル出しに必要なアジャスタ装置の高さ補正量に対応する情報、つまり、当該補正量だけ高さを変化させるために必要なアジャスタ装置の操作を教示する情報である。よって、作業者は、この操作支援情報に従ってアジャスタ装置を操作することで、感覚に頼ることなく基板製造用装置のレベル出しを速やかに行うことが可能となり、レベル出し作業の効率化が図られる。
【0009】
より具体的には、前記アジャスタ装置は、ねじ軸からなる脚柱を備え、当該脚柱が回転操作を受けることにより基板製造用装置の高さを変更可能に構成され、前記操作支援情報は、前記脚柱の回転方向及び回転量を含む。
【0010】
この構成によると、作業者は、報知される、回転方向及び回転量だけ脚柱を操作することにより、基板製造用装置のレベル出しを速やかに行うことが可能となる。
【0011】
この場合、前記操作支援情報は、アジャスタ装置の前記回転方向及び前記回転量を画像により特定する情報であって、前記報知装置は、前記操作支援情報を画像により報知するのが好適である。
【0012】
この構成によれば、アジャスタ装置の脚柱の回転方向及び回転量を直感的に認識することができる。そのため、レベル出し作業の効率化により一層寄与する。
【0013】
なお、上記のレベル出し支援装置においては、計測対象物の傾きを計測してその計測結果を無線送信可能な水準器から送信される計測結果を受信可能な受信部を備え、前記情報取得部は、前記水準器から送信される計測結果を取得するのが好適である。
【0014】
例えば、キーボード等の入力装置を設け、水準器による計測結果を作業者が確認して手作業で入力してもよい。しかし、上記構成によれば、そのような手作業での入力操作が不要となるため、レベル出し作業の効率がよりアップする。また、入力ミスを回避できるため、レベル出し作業の精度アップにも寄与する。
【0015】
上記レベル出し支援装置においては、前記操作支援情報を無線送信可能な送信部を備え、前記報知装置は、前記送信部から送信される前記操作支援情報を受信することが可能な携帯端末であるのが好適である。
【0016】
この構成によれば、操作対象となるアジャスタ装置の近くに携帯端末を置いて、当該携帯端末で操作支援情報を逐次確認しながら作業を行うことが可能となる。そのため、レベル出し作業の効率アップおよび精度アップにより一層寄与する。
【0017】
上記レベル出し支援装置においては、レベル出しの基準となる基準高さの情報を入力可能な情報入力部をさらに備え、前記補正量演算部は、前記基準高さの情報と、前記情報取得部が取得した計測結果とに基づき前記高さ補正量を求めるように構成されていてもよい。
【0018】
この構成によれば、所望の基準高さに基づき、基板製造用装置のレベル出しを行うことが可能となる。
【0019】
この場合には、前記基板製造用装置における水平な一方向における一方側の端部を第1端部、他方側の端部を第2端部としたときに、前記基板製造用装置は、前記第1端部及び前記第2端部に各々前記アジャスタ装置を備え、前記基準高さは、前記第1端部の所定箇所における床面からの目標調整高さであり、前記補正量演算部は、前記情報入力部から基準高さの情報が入力され、かつ前記情報取得部が前記所定箇所の高さの計測結果を取得すると、前記基準高さの情報と前記高さの計測結果とに基づいて前記第1端部のアジャスタ装置の前記高さ補正量を求めるとともに、前記情報取得部が当該基板製造用装置の傾きの計測結果であって、前記第1端部と前記第2端部の間の予め設定された位置での計測結果を取得すると、前記第2端部のアジャスタ装置の前記高さ補正量を求めるように構成されていてもよい。
【0020】
この構成によれば、基準高さの情報が入力され、情報取得部が当該基準高さに対応する所定箇所の計測結果を取得すると、第1端部のアジャスタ装置の高さ補正量が求められて、当該アジャスタ装置の操作支援情報が報知される。また、情報取得部が第1端部と第2端部の間の予め設定された位置での傾きの計測結果を取得すると、第2端部のアジャスタ装置の高さ補正量が求められて、当該アジャスタ装置の操作支援情報が報知される。従って、まず、基板製造用装置の第1端部を基準高さに調整してから、全体が水平になるように第2端部の高さを調整することが可能となる。
【0021】
一方、本発明の他の一局面に係る基板製造用装置は、基板上に部品が実装された部品実装基板を製造するための設備を備え、底面部にアジャスタ装置を備えた基板製造用装置であって、上述した何れかのレベル出し支援装置を備えていることを特徴とする。
【0022】
この基板製造用装置の構成によれば、既述のようなレベル出し支援装置が予め備えられているため、当該レベル出し支援装置を用いて既述の通りレベル出し作業を速やかに行うことができる。そのため、基板製造用装置のレベル出し作業の効率アップに寄与する。
【0023】
この場合には、予め定められた位置の前記基板製造用装置の高さ及び/又は傾きを計測する計測部をさらに備え、前記情報取得部は、前記計測部による計測結果を取得するのが好適である。
【0024】
この構成によれば、高さ及び/又は傾きの計測及びその計測結果の入力作業を自動化することが可能となるため、基板製造用装置のレベル出し作業の効率アップにより一層寄与する。
【0025】
また、本発明の一局面に係る部品実装装置は、部品実装用の移動可能なヘッドと部品供給部とを備え、前記ヘッドにより部品供給部から部品を取り出して基板に実装する部品実装装置であって、当該部品実装装置の高さを調整可能なモータ駆動の複数のアジャスタ装置と、予め定められた位置の当該部品実装装置の高さ及び/又は傾きを計測する計測部と、前記計測部による計測結果を取得可能な情報取得部と、前記情報取得部が取得した計測結果に基づき、レベル出しに必要なアジャスタ装置の高さ補正量を求める補正量算出部と、前記補正量に基づき前記各アジャスタ装置を駆動制御するアジャスタ制御部と、を備えていることを特徴とする。
【0026】
この部品実装装置によれば、計測部が計測した部品実装装置の高さ及び/又は傾きの計測結果を情報取得部が取得すると、レベル出しに必要なアジャスタ装置の高さ補正量を補正量算出部が求め、その補正量に基づきアジャスタ制御部が各アジャスタ装置を駆動制御する。そのため、部品実装装置のレベル出し作業を自動化することが可能となる。
【0027】
この場合、部品実装装置は、前記ヘッドと共に移動可能な基板認識用のカメラを備え、前記計測部として、カメラにより撮像可能な位置に配置される気泡管型の水準器を備え、前記情報取得部は、前記カメラにより撮像される前記水準器の画像に基づき前記計測結果を取得するものであってもよい。
【0028】
つまり、情報取得部は、水準器の計測結果(部品実装装置の傾き)を、基板認識用のカメラが撮像した当該水準器の画像データに基づき取得する。そのため、低廉な水準器と既存の部品認識用のカメラとを用いた合理的な構成で、部品実装装置の傾き情報を取得することが可能となる。
【発明の効果】
【0029】
上述した本発明によれば、基板製造用装置を設置する際のレベル出し(水平出し)作業の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る部品実装装置(本発明に係る基板製造用装置)を示す平面図である。
図2図2は、前記部品実装装置の正面図である。
図3図3は、前記部品実装装置の制御系の構成を示すブロック図である。
図4図4は、レベル出し支援動作の制御の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、コンベアの高さ計測の場所を説明する部品実装装置の模式図である。
図6図6は、操作支援情報の生成プロセスを説明するための図である。
図7図7は、操作支援情報の一例を示す図である。
図8図8は、操作支援情報の一例を示す図である。
図9図9は、第2実施形態に係る部品実装装置のブロック図である。
図10図10は、第3実施形態に係る部品実装装置の正面図である。
図11図11は、部品実装装置の制御系の構成を示すブロック図である。
図12図12は、レベル出し支援動作の制御の一例を示すフローチャートである。
図13図13は、第4実施形態に係る部品実装装置の制御系の構成を示すブロック図である。
図14図14は、レベル出し支援動作の制御の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0032】
[部品実装装置の全体構成]
図1は、本発明に係る部品実装装置1の平面図であり、図2は、部品実装装置1の正面図である。部品実装装置1は、プリント配線板等の基板Pに電子部品が実装された部品実装基板を製造する基板製造用装置の一つである。図中には、方向関係の明確化のためにXYZ軸を示している。X方向は水平面と平行な方向であり、Y方向は水平面上でX方向と直交する方向であり、Z方向はX方向及びY方向にそれぞれ直交する方向(上下方向)である。
【0033】
部品実装装置1は、基台2と、この基台2上に設けられた、基板搬送部3、バックアップ部5、部品供給部6及びヘッドユニット7等とを備えている。
【0034】
基板搬送部3は、X方向に互いに平行に延在する一対のコンベア4を備えている。コンベア4は、当例ではベルトコンベアである。基板搬送部3は、図1の左側(X1側)から基板Pを受け入れて作業位置(同図に示す基板Pの位置)に搬送し、実装作業終了後、基板Pを作業位置から同図の左側(X2側)に搬出する。
【0035】
バックアップ部5は、基板Pを下側から支持する機構であり、基台2の上面に備えられている。バックアップ部5は、上面に複数のバックアップピン(図示省略)が立設されたバックアップテーブル5aと、このバックアップテーブル5aを昇降させる図外のアクチュエータとを含む。バックアップテーブル5aが所定の上昇位置に配置されることにより、基板Pがバックアップピンにより支持された状態で、前記作業位置に位置決めされる。
【0036】
部品供給部6は、Y方向における基板搬送部3の両側に各々配置されている(図2では省略)。部品供給部6には、複数のテープフィーダ6aが配置されており、各テープフィーダ6aにより小片状の部品(電子部品)が供給される。
【0037】
ヘッドユニット7は、部品供給部6から部品を取り出して基板Pに実装(搭載)するものである。ヘッドユニット7は、ヘッドユニット駆動機構8の作動により、X方向及びY方向に移動する。ヘッドユニット駆動機構8は、いわゆるX-Yロボットである。具体的には、ヘッドユニット駆動機構8は、基台2に設置された高架フレームに各々固定された固定レール10に沿ってY方向に移動するビーム11と、このビーム11に沿ってX方向に移動する図外のユニット支持部とを備える。当該ユニット支持部にヘッドユニット7が組付けられている。Y軸サーボモータ12(図3に示す)によりビーム11が駆動され、X軸サーボモータ13(図3に示す)によりユニット支持部材が駆動されることによって、ヘッドユニット7がX方向及びY方向の任意の位置に移動する。
【0038】
ヘッドユニット7には、Z方向(上下方向)に延びる複数の軸状のヘッド7aと、これらヘッド7aを駆動するヘッド駆動機構とが備えられている。ヘッド駆動機構は、各ヘッド7aを昇降(Z方向に移動)させ、また、各ヘッド7aを各々中心軸回り(R方向)に回転させる機構である。ヘッド駆動機構は、各ヘッド7aに各々対応する複数のZ軸サーボモータ15(図3に示す)と、各ヘッド7aに共通する一つのR軸サーボモータ16(図3に示す)とを備える。つまり、各Z軸サーボモータによりヘッド7aが個別に昇降駆動され、R軸サーボモータ16により各ヘッド7aが同期して一体に回転駆動される。
【0039】
なお、各ヘッド7aの先端には、部品吸着用のノズルが備えられている。各ノズルの先端に図外の負圧供給源から負圧が供給されることにより、各ヘッド7aによって部品を吸着、保持することが可能となる。
【0040】
ヘッドユニット7には、さらに基板認識用のヘッドカメラ9が備えられている。ヘッドカメラ9は、作業位置に位置決めされた基板Pの所定のマークを撮像する照明付のカメラであり、CCD等の撮像素子を備える。部品の実装動作中は、ヘッドカメラ9が撮像した前記マークの画像位置に基づいて、ヘッドユニット7と基板Pとの相対的な位置関係が認識される。
【0041】
なお、図2中の符号26は、作業空間を覆うように基台2上に設けられたカバー部材であり、符号62は、各種情報を画像表示するための液晶表示モニター等の表示部である。
【0042】
この部品実装装置1では、基板搬送部3によって、上流側(X1側)に隣接する装置U1(例えば他の部品実装装置/以下、上流側装置U1と称す)から作業位置に基板Pが搬入される。そして、ヘッドユニット7が部品供給部6と作業位置の基板Pとの間を往復しながら、部品供給部6から部品を取り出して基板Pに実装(搭載)する。予め設定されていた総ての部品を基板Pに実装した後、基板搬送部3により、作業位置から下流側(X2側)に隣接する装置D1(例えば他の部品実装装置/以下、下流側装置D1と称す)に基板Pが搬出される。部品実装装置1では、このような部品実装動作が繰り返し実行される。
【0043】
部品実装装置1には、その高さ及び水平度を調整するための複数のアジャスタ装置20が備えられている。アジャスタ装置20は、基台2の底面部に設けられている。具体的には、基台2は、図1に示すように、平面視長方形又は正方形の箱形の金属構造体からなり、アジャスタ装置20は、基台2の底面部の角部に各々設けられている。以下の説明では、基板搬送方向における上流側(X1側)に位置する2つのアジャスタ装置20を、第1アジャスタ装置20A、第2アジャスタ装置20Bと称し、下流側(X2側)に位置する2つのアジャスタ装置20を、第3アジャスタ装置20C、第4アジャスタ装置20Dと称する。なお、当例では、部品実装装置1のX1側の端部が本発明の「第1端部」に相当し、X2側の端部が本発明の「第2端部」に相当する。従って、第1アジャスタ装置20A及び第2アジャスタ装置20Bが、本発明の「第1端部のアジャスタ装置」に相当し、第3アジャスタ装置20C、第4アジャスタ装置20Dが、本発明の「第2端部のアジャスタ装置」に相当する。
【0044】
図2に示すように、アジャスタ装置20は、基台2の底面部に一体的に設けられたナット部材24と、このナット部材に挿入された脚柱22と、ロックナット23とで構成される。
【0045】
脚柱22は、ナット部材24に螺合、挿入された上下方向(Z方向)に延びるねじ軸からなる軸部22aと、その下端部に回転自在に連結された接地プレート22bと、設置プレート22bに隣接するように軸部22aに一体形成された操作部22cとを備えている。つまり、部品実装装置1は、アジャスタ装置20の脚柱22(接地プレート22b)により床面Fに支持されている。
【0046】
操作部22cは、断面六角形のナット型の形状を有しており、この操作部22cがスパナ等の工具により回転操作を受けることにより、脚柱22がその軸方向(Z方向)に移動する。この脚柱22の移動により床面Fからの部品実装装置1の高さが変化する。なお、ロックナット23は、脚柱22の移動を規制(ロック)するための部材であり、図2に示すように、ナット部材24に下側から突き当てられた状態で若干絞め増しされることによって脚柱22の移動をロックする。
【0047】
この部品実装装置1では、上流側装置U1からの円滑かつ安定的な基板搬送を確保するために、部品実装装置1の稼働に先立ち高さ調整が必要となる。具体的には、上流側装置U1及び下流の部品実装装置1のコンベア4(基板搬送部3)同士の高さを一致させる必要がある。そして、ヘッドユニット7等を円滑かつ安定的に作動させる、ひいては基板Pに対する高い実装精度を確保するために、部品実装装置1のレベル出し(水平出し)が必要となる。アジャスタ装置20は、このような高さ調整を含む、部品実装装置1のレベル出し作業の際に作業者によって操作される。
【0048】
[部品実装装置1の制御系]
図3は、部品実装装置1の制御系の構成を示すブロック図である。部品実装装置1は、同図に示すような制御装置50を備えている。制御装置50は、CPU、ROM、RAM及び周辺回路等を備えて構成されており、主な機能構成として、実装制御部52、レベル出し支援制御部54、記憶部56及び入出力制御部58等を含む。
【0049】
実装制御部52は、部品実装装置1の部品実装動作を統括的に制御するものである。実装制御部52は、所定の実装プログラム及び記憶部56に記憶される各種データに基づいて、ヘッドユニット駆動機構8及びヘッド駆動機構等の駆動を制御することにより、既述のような一連の部品実装動作を制御する。
【0050】
レベル出し支援制御部54は、部品実装装置1のレベル出し支援動作を制御するものである。「レベル出し支援動作」とは、作業者による部品実装装置1のレベル出しの作業を支援するための動作である。具体的には、レベル出し支援動作は、レベル出しに必要なアジャスタ装置20の操作を教示する操作支援情報を作業者に報知する動作であり(第2、第3実施形態について同じ)、レベル出し支援制御部54は、所定のレベル出し支援プログラムに基づいて、操作支援情報を生成し、当該情報を前記表示部62に表示させる。レベル出し支援制御部54は、このレベル出し支援動作を実行するための機能構成として、支援実行部54a、補正量算出部54b及び支援情報生成部54cを備えている。
【0051】
支援実行部54aは、後記入力部64を介して入力される、部品実装装置1の高さ計測結果、及び後記水準器65から送信される部品実装装置1の傾き計測結果を取得し、レベル出し支援動作を統括的に制御するものである。
【0052】
補正量算出部54bは、前記計測結果に基づき、レベル出しのために必要なアジャスタ装置20の補正量ΔH、すなわちアジャスタ装置20の位置における部品実装装置1の高さの補正量を算出するものである。支援情報生成部54cは、前記補正量ΔHに対応する操作支援情報を生成するものであり、生成した操作支援情報を作業者に報知するために入出力制御部58を介して後記表示部62に当該操作支援情報を出力する。なお、当例では、支援実行部54aが本発明の「情報取得部」に相当し、支援情報生成部54cが本発明の「情報出力部」の機能を兼ね備えた構成となっている。また、表示部62が本発明の「報知装置」に相当する。
【0053】
入出力制御部58は、制御装置50と外部機器との通信制御を行うインターフェースである。入出力制御部58には、制御装置50に対してコマンドや各種情報を入力するためのキーボード等の入力部64(本発明の「情報入力部」に相当する)と、前記表示部62とが接続されている。なお、表示部62は、入力部64の機能を兼ね備えたタッチパネル型のモニターであってもよい。
【0054】
[レベル出し支援動作制御]
次に、制御装置50(レベル出し支援制御部54)によるレベル出し支援動作の制御について、図5図8を参照しつつ、図4のフローチャートに従って説明する。
【0055】
図4のフローチャートに示す制御は、作業者が入力部64を操作して、レベル出し支援動作プログラムの実行コマンドを制御装置50に入力することによりスタートする。
【0056】
この制御がスタートすると、まず、支援実行部54aは、部品実装装置1の基準高さHの入力を要求する画面(基準高さ入力要求画面)を表示部62に表示させ(ステップS1)、作業者により基準高さHの情報が入力されるのを待つ(ステップS3)。基準高さHとは、アジャスタ装置20によって調整すべき部品実装装置1の目標調整高さであり、部品実装装置1のX1側の端部(本発明の「第1端部」に相当する)の目標調整高さである。当例では、図2に示すように、基準高さHは、上流側装置U1における床面FからコンベアU4(基板搬送部U3)までの高さ、詳しくは床面Fから基板搬送面までの高さとされる。なお、以下の説明では、コンベア4、U4の床面Fから基板搬送面までの高さを、単にコンベア4、U4の高さという場合がある。
【0057】
基準高さHは、コンベアU4以外の箇所の高さでもよいが、既述の通り、部品実装装置1は、上流側装置U1から基板Pを受け入れる必要があるため、当該コンベアU4の基板搬送面を基準高さHとするのが望ましい。この場合、基準高さHは、設計値であってもよいし、当該上流側装置U1の床面Fからコンベア4の基板搬送面までの高さの計測値(実測値)でもよい。
【0058】
入力部64の操作により基準高さHが入力され、支援実行部54aが当該基準高さHの情報を取得すると(ステップS3でYes)、支援実行部54aは、部品実装装置1のうち基準高さHに対応する箇所を計測して、その計測結果を入力することを要求する画面(計測結果入力要求画面)を表示部62に表示させ(ステップS5)、計測結果が入力されるのを待つ(ステップS7)。この場合には、図5に示すように、一対のコンベア4のうち、Y2側のコンベア4の上流側端部の高さの計測結果(計測値H1)と、Y1側のコンベア4の上流側端部の同計測結果(計測値H2)とを入力することが要求される。
【0059】
入力部64の操作により計測結果が入力され、支援実行部54aが計測値H1、H2を取得すると(ステップS7でYes)、次に、補正量算出部54bが、基準高さH及び計測値H1、H2に基づき、各コンベア4の上流側端部の高さを基準高さHにするために必要なアジャスタ装置20、つまり作業対象(調整対象)となるアジャスタ装置20を特定するとともに、当該アジャスタ装置20の補正量ΔHを算出する(ステップS9)。
【0060】
当例では、補正量算出部54bは、各コンベア4の上流側端部の高さの変更に直接関係する、第1アジャスタ装置20A及び第2アジャスタ装置20Bを作業対象として特定し、第1アジャスタ装置20Aの高さ補正量ΔH1と、第2アジャスタ装置20Bの高さ補正量ΔH2とを下記式(1)、(2)に基づき算出する。
【0061】
補正量ΔH1=H-H1 ・・・(1)
補正量ΔH2=H-H2 ・・・(2)
補正量ΔH1、ΔH2が求まると、次に、支援情報生成部54cが、当該補正量ΔH1、ΔH2だけ高さを変化させるのに必要な第1アジャスタ装置20A及び第2アジャスタ装置20Bの操作を教示する画像情報、すなわち操作支援情報を生成し、当該操作支援情報を、入出力制御部58を介して表示部62に出力する。これにより、表示部62に操作支援情報を表示させる(ステップS11)。
【0062】
図7は、表示部62に表示された操作支援情報の一例である。同図に示す操作支援情報70は、作業対象となるアジャスタ装置20を教示する作業対象情報72と、アジャスタ装置20の具体的な操作内容、すなわちアジャスタ装置20(脚柱22)の回転方向および回転量(回転角度)を教示する操作情報74とを含む。なお、アジャスタ装置20の回転方向及び回転量は、脚柱22を構成するねじ軸の既知のデータ(リード、リード角)と補正量ΔHとに基づき算出することができる。
【0063】
作業対象情報72は、基台2を模した長方形の基台図G2と各アジャスタ装置20(20A~20D)を模した円形のアジャスタ図G20(G20A~G20D)とを含む図形情報であって、例えば、作業対象となるアジャスタ図G20のみに着色等の装飾が施された情報である。従って、図7では、第1アジャスタ図G20A及び第2アジャスタ図G20Bのみに着色(図7ではハッチング)が施されている。
【0064】
操作情報74は、主情報74aと副情報74bとを含む。主情報74aは、アジャスタ装置20の回転方向及び回転量を示す文字情報であり、作業対象のアジャスタ図G20に隣接する位置に表示される。図7では、第1アジャスタ図G20A及び第2アジャスタ図G20Bに隣接する位置に各々主情報74aが表示されている。
【0065】
一方、副情報74bは、回転方向及び回転量を矢印で示す図形情報であり、作業対象となるアジャスタ装置20のアジャスタ図G20を取り囲むように表示される。図7では、第1アジャスタ図G20A及び第2アジャスタ図G20Bを各々取り囲むように作業対象情報72が表示されている。なお、副情報74bは、アジャスタ装置20の中心を通る基準線L(Y方向に相当する方向に延びる直線)の位置を起点として回転方向に延び、かつ回転量に対応した位置が終点(矢印の先端)となるように表示される。
【0066】
作業者は、表示部62に表示された操作支援情報70を参照し、その内容に従って第1アジャスタ装置20A及び第2アジャスタ装置20Bを操作することにより、第1アジャスタ装置20Aの高さを補正量ΔH1だけ補正し、また、第2アジャスタ装置20Bの高さを補正量ΔH2だけ補正することができる。このように第1アジャスタ装置20A及び第2アジャスタ装置20Bが操作されることにより、各コンベア4の上流側端部の高さが基準高さHに調整される。
【0067】
次に、支援実行部54aは、基準高さの調整作業の終了を待って(ステップS15)、具体的には、入力部64の操作により、制御装置50に対して第1アジャスタ装置20A及び第2アジャスタ装置20Bの高さ調整が終了したことを示すコマンドが入力されるのを待って、当該入力があると、第1設置ポイントPt1における部品実装装置1の傾き計測を要求する画面(傾き計測要求画面)を表示部62に表示させる(ステップS17)。
【0068】
第1設置ポイントPt1は、平面視で基台2の上面中心に設定されている。当例では、基台2の上面には、既述の通りバックアップ部5が設けられている。そのため、第1設置ポイントPt1は、詳しくは、基台2の上面中心であってかつバックアップテーブル5aの上面に設定されている。
【0069】
部品実装装置1の傾き計測は、互いに直交する二方向に沿った傾きを同時に計測可能なデジタル水準器を使用することを前提としており、ステップS17では、X方向及びY方向の二方向の傾き計測を要求する画面が表示される。なお、デジタル水準器は、傾き計測を行うための機器として周知のデバイスであり、例えば、被計測面に載置した状態で計測ボタンを押すと二方向の傾きを同時に計測でき、送信ボタンを押すと、その計測結果を無線送信可能に構成されている。部品実装装置1には、図3に示すように、デジタル水準器65(以下、水準器65と略す)からの送信データを受信可能な通信回路部60が備えられており、水準器65から送信される計測結果が、通信回路部60及び入出力制御部58を介して制御装置50(レベル出し支援制御部54)に入力されるようになっている。
【0070】
作業者の送信ボタン操作による傾き計測結果の入力を待って(ステップS19)、すなわち、水準器65から制御装置50への計測結果の送信を待って、当該計測結果を支援実行部54aが取得すると(ステップS19でYes)、補正量算出部54bが、その計測結果に基づき、部品実装装置1を水平にするために必要なアジャスタ装置20、つまり作業対象(調整対象)となるアジャスタ装置20を特定するとともに、当該アジャスタ装置20の補正量ΔHを算出する(ステップS21)。
【0071】
当例では、補正量算出部54bは、第3アジャスタ装置20C及び第4アジャスタ装置20Dを作業対象として特定し、第3アジャスタ装置20Cの高さ補正量ΔH3と、第4アジャスタ装置20Dの高さ補正量ΔH4とを算出する。つまり、高さ調整が一旦済んでいる部品実装装置1のX1側の端部を基準として部品実装装置1を水平にするように補正量ΔH3、ΔH4が求められる。
【0072】
ここで、図6に示すように、第1設置ポイントPt1におけるX方向に沿った傾き角度をθx、Y方向に沿った傾き角度をθy、第1設置ポイントPt1から各アジャスタ装置20C、20D(脚柱22)までのX方向の水平距離をLx、第1設置ポイントPt1から各アジャスタ装置20C、20D(脚柱22)までのY方向の水平距離をLyとすると、補正量ΔH3、ΔH4は下記式(3)、(4)で示される。
【0073】
ΔH3=tanθx・Lx+tanθy・Ly ・・・(3)
ΔH4=tanθx・Lx-tanθy・Ly ・・・(4)
従って、補正量算出部54bは、傾きの計測結果に基づき、式(3)、(4)に基づき、補正量ΔH3、ΔH4を算出する。
【0074】
補正量ΔH3、ΔH4が求まると、次に、支援情報生成部54cが、当該補正量ΔH3、ΔH4だけ高さを変化させるのに必要な第3アジャスタ装置20C及び第4アジャスタ装置20Dの操作を教示する操作支援情報を生成し、当該操作支援情報を、入出力制御部58を介して表示部62に出力する。これにより、表示部62に操作支援情報を表示させる(ステップS23)。
【0075】
図8は、表示部62に表示された操作支援情報の一例である。同図に示す操作支援情報71も、基本的には、図7に示した操作支援情報70と同様に、作業対象情報72と操作情報74(主情報74a、副情報74b)とを含む。図8では、作業対象である第3アジャスタ装置20C及び第4アジャスタ装置20Dのアジャスタ図G20C、G20Dのみに着色(図8ではハッチング)が施された作業対象情報72が表示されている。そして、操作情報74として、第3アジャスタ図G20C及び第4アジャスタ図G20Dに隣接する位置に各々主情報74aが表示されるとともに、第3アジャスタ図G20C及び第4アジャスタ図G20Dを各々取り囲むように副情報74bが表示されている。
【0076】
作業者は、表示部62に表示された操作支援情報71を参照し、その内容に従って第3アジャスタ装置20C及び第4アジャスタ装置20Dを操作することにより、第3アジャスタ装置20Cの高さを補正量ΔH3だけ補正し、また、第4アジャスタ装置20Dの高さを補正量ΔH4だけ補正することができる。このように第1アジャスタ装置20A及び第2アジャスタ装置20Bが操作されることにより、部品実装装置1が水平又はほぼ水平な状態に調整される。
【0077】
次に、支援実行部54aは、第3アジャスタ装置20C及び第4アジャスタ装置20Dの高さ調整作業の終了を待って(ステップS25)、入力部64の操作により当該調整作業が終了したことを示すコマンドが入力されると(ステップS25でYes)、さらに、支援実行部54aは、第2設置ポイントPt2における部品実装装置1の傾き計測を要求する画面(傾き計測要求画面)を表示部62に表示させる(ステップS27)。第2設置ポイントPt2は、平面視で基台2の上面のX2側の端部であってかつY方向の中央に設定されている(図6参照)。
【0078】
傾き計測要求画面が表示されると、支援実行部54aは、傾き計測結果の入力を待って(ステップS29)、水準器65から制御装置50に計測結果が送信され、当該計測結果を支援実行部54aが取得すると(ステップS29でYes)、補正量算出部54bが、その計測結果に基づき、さらに部品実装装置1を水平にするために必要な、第3アジャスタ装置20Cの高さ補正量ΔH3′と、第4アジャスタ装置20Dの高さ補正量ΔH4′とを演算する(ステップS31)。
【0079】
この場合、補正量算出部54bは、ステップS21の処理に準じた処理に基づき補正量ΔH3′ΔH4′を演算する。
【0080】
補正量ΔH3′、ΔH4′が求まると、次に、支援情報生成部54cが、当該補正量ΔH3′、ΔH4′だけ高さを変更するのに必要な第3アジャスタ装置20C及び第4アジャスタ装置20Dの操作を教示する操作支援情報を生成し、当該操作支援情報を、入出力制御部58を介して表示部62に出力する。これにより、操作支援情報を表示部62に表示させる(ステップS33)。
【0081】
図示を省略するが、この場合の操作支援情報は、図8に示した操作支援情報71と同様に、作業対象情報72と操作情報74(主情報74a、副情報74b)とを含む。従って、作業者は、表示部62に表示された操作支援情報を参照し、その内容に従って第3アジャスタ装置20C及び第4アジャスタ装置20Dを操作することにより、第3アジャスタ装置20Cの高さを補正量ΔH3′だけ補正し、また、第4アジャスタ装置20Dの高さを補正量ΔH4′だけ補正することができる。
【0082】
なお、ステップS21~S25の処理に基づき部品実装装置1のレベル出しは大凡完了しており、ステップS27以降の処理は、レベル出しの精度を上げるための、いわばレベル出しの微調整と言うことができる。従って、ステップS31で算出される補正量ΔH3′ΔH4′は0又はそれに近い値となる。
【0083】
次に、支援実行部54aは、第3アジャスタ装置20C及び第4アジャスタ装置20Dの高さ調整作業の終了を待って(ステップS35)、入力部64の操作により高さ調整作業が終了したことを示すコマンドが入力されると(ステップS35でYes)、当該フローチャートを終了する。
【0084】
なお、上記説明では言及していないが、ステップS15、S23、S33の処理において、本来的には作業対象となることが予定されているアジャスタ装置20であっても、補正量ΔHが「0」の場合には、補正量算出部54bは、操作支援情報70のうち、当該アジャスタ装置20に関する情報は生成しない。そのため、例えばステップS23の処理において、第3アジャスタ装置20Cの補正量ΔH3が「0」の場合には、操作支援情報71(図8)において、第3アジャスタ図G20Cには装飾が施されず、また、第3アジャスタ装置20Cに関する操作情報74は何も表示されない。
【0085】
[作用効果]
上記部品実装装置1によると、レベル出し支援動作プログラムを実行するコマンドを入力し、レベル出し支援動作を実行させれば、作業者は、表示部62に表示される操作支援情報70、71等に従って作業を進めるだけで、部品実装装置1のレベル出しを簡単かつ速やかに行うことができる。すなわち、作業者は、基準高さH(上流側装置U1のコンベア4の高さ)を入力した後、部品実装装置1の各コンベア4の高さを計測してその計測結果(H1、H2)を入力すれば、各コンベア4の高さを基準高さHにするためのアジャスタ装置20の補正量ΔH1、ΔH2が算出され、当該補正量ΔH1、ΔH2に対応するアジャスタ装置20の操作を教示する操作支援情報70が表示部62に表示される。この操作支援情報70は、作業対象となるアジャスタ装置20を教示する作業対象情報72に加え、アジャスタ装置20(脚柱22)の回転方向とその回転量(回転角度)を教示する操作情報74とが含まれる。そのため、作業者は、作業対象情報72が示すアジャスタ装置20の脚柱22を、操作情報74が示す回転方向及び回転量だけ操作するだけで、コンベア4の高さを難なく基準高さHに調整することができる。
【0086】
また、予め設定された設置ポイントPt1、Pt2に水準器65を載置して部品実装装置1の傾きを計測し、その計測結果を送信すれば、部品実装装置1を水平にするためのアジャスタ装置20の高さ補正量ΔH3、ΔH4(ΔH3′、ΔH4′)が算出され、当該補正量ΔH3、ΔH4(ΔH3′、ΔH4′)に対応するアジャスタ装置20の操作を教示する操作支援情報71が表示部62に表示される。そのため、作業者は、作業対象情報72が示すアジャスタ装置20の脚柱22を、操作情報74が示す回転方向及び回転量だけ操作するだけで、部品実装装置1のレベル出しを難なく行うことができる。
【0087】
従って、上記の部品実装装置1によれば、従来のような感覚に頼った試行錯誤的なアジャスタ装置の調整が不要となり、部品実装装置1を設置する際のレベル出し(水平出し)作業の効率化を図ることが可能となる。
【0088】
特に、部品実装装置1では、水準器65から無線送信される計測結果を通信回路部60で受信することにより、レベル出し支援制御部54(支援実行部54a)が部品実装装置1の傾き情報を取得するように構成されている。そのため、作業者が入力部64をいちいち操作して傾き計測結果を入力する必要がない。また、傾き計測結果の入力ミスを回避することもできる。そのため、部品実装装置1によれば、レベル出し作業の効率化を図りながら、精度良くレベル出しを行うことが可能になる。
【0089】
なお、この実施形態のレベル出し支援動作制御のステップS27~S35の処理は、既述の通り、レベル出しの精度を高めるための処理である。そのため、レベル出しの精度上許容できる場合には、当該ステップS27~S35の処理を省略してもよい。逆に、より高精度にレベル出しを行う必要がある場合には、ステップS35の後、例えば、平面視で基台2の上面のX1側の端部であってかつY方向の中央を第3設置ポイントとして、ステップS27~S35の処理と同様の処理を繰り返すようにしてもよい。
【0090】
また、ステップS25の処理の後に部品実装装置1の傾き計測を再要求し、その計測結果が許容範囲外である場合にのみステップS27の処理に移行し、許容範囲内である場合には、本フローチャートを終了するようにしてもよい。
【0091】
[第2実施形態]
図9は、第2実施形態に係る部品実装装置1Aの制御系を示すブロック図である。第2実施形態の部品実装装置1Aの構成は、以下に説明する点を除き、基本的には既述の第1実施形態の部品実装装置1と共通している。
【0092】
同図に示すように、第2実施形態の部品実装装置1Aは、通信回路部60が、水準器65から送信される計測結果を受信可能な受信部61aと、液晶等の表示画面を備えた携帯端末66に対して各種情報を無線送信可能な送信部61bとを備えている。
【0093】
そして、第2実施形態の部品実装装置1Aでは、レベル出し支援制御部54(支援情報生成部54c)において操作支援情報が生成されると、当該操作支援情報が通信回路部60(送信部61b)を介して携帯端末66(本発明の「報知装置」に相当する)に送信される。つまり、作業者は、表示部62に加えて(又は表示部62の代わりに)、携帯端末66の表示画面に表示される操作支援情報70、71を確認しながらアジャスタ装置20の調整作業を行うことができる。
【0094】
このような第2実施形態の部品実装装置1Aによれば、携帯端末66を作業対象となるアジャスタ装置20の近傍に置いて操作支援情報を確認しながら作業を行うことができる。そのため、表示部62に表示される操作支援情報を確認するためにいちいち立ち上がる必要が無くなり、これにより、より一層レベル出し作業の効率化を図ることが可能となる。
【0095】
[第3実施形態]
図10は、第3実施形態に係る部品実装装置1Bの正面図であり、図11は、部品実装装置1Bの制御系を示すブロック図である。第3実施形態の部品実装装置1Bの構成は、基本的には既述の第1実施形態の部品実装装置1と共通しており、従って、以下の説明では、第1実施形態との相違点について主に説明する。
【0096】
図10及び図11に示すように、部品実装装置1Bは、各コンベア4の床面Fからの高さを計測する距離センサを備えている。詳しくは、Y2側のコンベア4のフレーム下面に第1距離センサ30aが固定され、Y1側のコンベア4のフレーム下面に第2距離センサ30bが固定されている。各距離センサ30a、30bは、所謂レーザ変位計である。各距離センサ30a、30bは、入出力制御部58を介してレベル出し支援制御部54に接続されており、支援実行部54aの制御により各々床面Fからの高さ(垂直距離)を計測してその計測結果を制御装置50に出力する。
【0097】
また、バックアップ部5のバックアップテーブル5aの上面、詳しくは、基台2の上面中心であってかつバックアップテーブル5aの上面には、気泡管型の水準器32が固定されている。水準器32は、X方向に沿った傾き検出する部分と、Y方向に沿った傾きを検出する部分とを備えている。水準器32は、ヘッドカメラ9により計測結果を撮像可能な状態、すなわち気泡及び目盛りを撮像可能な状態で、例えばバックアップテーブル5aの上面に埋設されている。
【0098】
次に、第3実施形態の部品実装装置1Bにおけるレベル出し支援動作の制御について説明する。図12は、制御装置50(レベル出し支援制御部54)によるレベル出し支援動作制御の一例を示すフローチャートである。当該制御も、入力部64を介してレベル出し支援動作プログラムの実行コマンドが制御装置50に入力されることによりスタートする。
【0099】
この制御がスタートすると、支援実行部54aは、基準高さHの入力要求画面を表示部62に表示させて(ステップS51)、基準高さHの情報が入力されるのを待つ(ステップS53)。これらステップS51、S53の処理は、第1実施形態のステップS1、S3の処理と同じである。
【0100】
基準高さHが入力されると(ステップS53でYes)、支援実行部54aは、距離センサ30a、30bを制御し、各コンベア4の高さを計測する(ステップS55)。支援実行部54aが、距離センサ30a、30bからの計測結果(計測値H1、H2)を取得すると、次に、補正量算出部54bが、各コンベア4の高さを基準高さHにするために必要な第1アジャスタ装置20Aの高さ補正量ΔH1と、第2アジャスタ装置20Bの高さ補正量ΔH2とを算出する(ステップS57)。そして、さらに支援情報生成部54cが、当該補正量ΔH1、ΔH2だけ高さを変化させるのに必要な第1アジャスタ装置20A及び第2アジャスタ装置20Bの操作を教示する操作支援情報を生成し、当該操作支援情報を、入出力制御部58を介して表示部62に出力する。これにより、表示部62に操作支援情報を表示させる(ステップS59)。これらステップS57、S59の処理は、第1実施形態のステップS9、S11の処理と同じである。よって、表示部62には、図7のような操作支援情報70が表示される。作業者は、この操作支援情報70を参照し、その内容に従って各アジャスタ装置20A、20Bを操作することにより、各コンベア4の上流側端部の高さを基準高さHに調整することができる。
【0101】
次に、各アジャスタ装置20A、20Bの高さ調整が終了したことを示すコマンドの入力を待って(ステップS61)、当該入力があると、支援実行部54aは、部品実装装置1の傾き計測を実行する(ステップS63)。詳しくは、支援実行部54aは、ヘッドユニット7を制御し、ヘッドカメラ9を水準器32の上方に移動させて当該水準器32を撮像させ、その画像データに基づき部品実装装置1のX方向に沿った傾き角度θx、及びY方向に沿った傾き角度θyを取得する(ステップS63)。
【0102】
傾き角度θx、θyを取得すると、次に、補正量演算部54bが、これら傾き角度θx、θyと上記式(3)、(4)とに基づき、第3アジャスタ装置20Cの補正量ΔH3と、第4アジャスタ装置20Dの補正量ΔH4とを算出する(ステップS65)。補正量ΔH3、ΔH4が求まると、支援情報生成部54cが、当該補正量ΔH3、ΔH4だけ高さを変化させるのに必要な第3アジャスタ装置20C及び第4アジャスタ装置20Dの操作を教示する操作支援情報を生成し、当該操作支援情報を、入出力制御部58を介して表示部62に出力する。これにより、表示部62に操作支援情報を表示させる(ステップS67)。
【0103】
これらステップS65、S67の処理は、第1実施形態のステップS21、S23の処理と同じであり、よって、表示部62には、図8のような操作支援情報71が表示される。作業者は、この操作支援情報71を参照し、その内容に従って各アジャスタ装置20C、20Dを操作することにより、部品実装装置1が水平又はそれに近い状態に調整される。
【0104】
次に、支援実行部54aは、各アジャスタ装置20C、20Dの高さ調整作業が終了したことを示すコマンドが入力されるのを待って(ステップS69)、当該入力があると(ステップS69でYes)、支援実行部54aは、コンベア4の高さ計測及び部品実装装置1の傾き計測を再実行する(ステップS71)。つまり、ステップS55、S63の処理と同様にして、コンベア4の高さ(計測値H1、H2)及び部品実装装置1の傾き角度θx、θyを取得する。
【0105】
支援実行部54aは、ステップS71で取得した計測結果(計測値H1、H2及び傾き角度θx、θy)が予め設定された許容範囲内か否かを判断し(ステップS73)、Noの場合、つまり、レベル出しが十分でない場合には、支援実行部54aは、処理をステップS55に移行し、ステップS55~S69の処理を繰し実行する。一方、ステップS73でYesの場合には、レベル出しが完了したと判断して本フローチャートを終了する。
【0106】
以上のような第3実施形態の部品実装装置1Bによれば、コンベア4の高さ計測及び部品実装装置1の傾き計測が自動化される。そのため、この自動化の分だけ、第1実施形態の部品実装装置1に比べて、よりレベル出し作業の効率化を図ることが可能となる。
【0107】
しかも、この部品実装装置1Bでは、一旦、レベル出し作業が終了した段階(ステップS69でYes)で、再計測が実施され(ステップS71、S73)、レベル出しが適正でない場合には、レベル出し作業を再度実行させるように構成されている。従って、作業者によるレベル出し精度のばらつきを抑えて、より精度良くレベル出し作業を行うことが可能となる。
【0108】
[第4実施形態]
図13は、第4実施形態に係る部品実装装置1Cの制御系を示すブロック図である。第4実施形態の部品実装装置1Cの構成は、基本的には既述の第3実施形態の部品実装装置1Bと共通している。従って、以下の説明では、第3実施形態との相違点について主に説明する。
【0109】
第4実施形態の部品実装装置1Cでは、アジャスタ装置20(20A~20D)としてモータ駆動のアジャスタ装置20が備えられている。詳しくは、各アジャスタ装置20は、L軸サーボモータ21と減速機構を備えており、L軸サーボモータ21により減速機構を介して脚柱22を回転駆動するように構成されている。
【0110】
また、図13に示すように、制御装置50のレベル出し支援制御部54には支援情報生成部54cは含まれておらず、支援実行部54aがアジャスタ装置20の駆動を制御することで、レベル出し作業を支援する。
【0111】
図14は、第4実施形態の制御装置50によるレベル出し支援動作制御の一例を示すフローチャートである。第4実施形態の制御装置50によるレベル出し支援動作制御は、図12に示す第3実施形態の制御と基本的に同じであり、異なる点は、第3実施形態のステップS59及びS67の処理の代わり、ステップS60及びS68の処理を含む点、また、第3実施形態のステップS61、S69の処理が無い点である。
【0112】
つまり、第4実施形態では、ステップS57の処理で、補正量算出部54bが、各コンベア4の高さを基準高さHにするために必要な第1アジャスタ装置20A及び第2アジャスタ装置20Bの高さ補正量ΔH1、ΔH2を算出すると、支援実行部54aが当該補正量ΔH1、ΔH2だけ高さを変化させるのに必要な各アジャスタ装置20A、20Bの回転方向及び回転量を算出し、当該回転方向及び回転量に基づき第1アジャスタ装置20A及び第2アジャスタ装置20Bを作動させる(ステップS60)。つまり、支援実行部54aは、第1アジャスタ装置20A及び第2アジャスタ装置20Bの高さ調整を実行し、その後、ステップS63に処理を移行する。なお、当例では、支援実行部54aが本発明の「アジャスタ制御部」に相当する。
【0113】
また、ステップS65の処理で、補正量算出部54bが、部品実装装置1を水平にするために必要な第3アジャスタ装置20C及び第3アジャスタ装置20Cの高さ補正量ΔH3、ΔH4を算出すると、支援実行部54aが当該補正量ΔH3、ΔH4だけ高さを変化させるのに必要な各アジャスタ装置20C、20Dの回転方向及び回転量を算出し、当該回転方向及び回転量に基づき各アジャスタ装置20C、20Dを作動させる(ステップS68)。つまり、支援実行部54aは、各アジャスタ装置20C、20Dの高さ調整を実行し、その後、ステップS69に処理を移行する。
【0114】
このように、第4実施形態の部品実装装置1Cは、補正量算出部54bが算出した補正量ΔH1、ΔH2、ΔH3、ΔH4に基づき、支援実行部54aがアジャスタ装置20の駆動を制御してその高さを調整することにより、レベル出し作業を支援するように構成されている。
【0115】
このような第4実施形態の部品実装装置1Cによれば、作業者は、表示部62に表示される基準高さ入力要求画面に従い、基準高さHの情報を入力するだけで、極めて簡単に部品実装装置1のレベル出しを行うことができる。また、レベル出しの精度に個人差も出ない。そのため、第4実施形態の部品実装装置1Cによれば、レベル出し作業をより効率的に、かつ精度良く行うことが可能となる。
【0116】
[変形例等]
以上説明した実施形態の部品実装装置1、1A~1Cは、本発明に係る部品実装装置の好ましい実施形態の例示であって、その具体的な構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、以下のような構成も適用可能である。
【0117】
(1)第1~第4実施形態の部品実装装置1、1A~1Cは、何れも4つのアジャスタ装置20を備えている。しかし、アジャスタ装置20の数は5つ以上であってもよい。また、レベル出しのための各アジャスタ装置20の補正量ΔHの算出方法も、実施形態の方法に限定されるものではなく、アジャスタ装置20の位置や、計測時の水準器32、65の位置などに応じて適切な算出方法を選定すればよい。
【0118】
(2)第1,第2実施形態の部品実装装置1、1Aは、デジタル水準器65により部品実装装置1の傾き角度を自動計測し、その計測結果を水準器65から制御装置50に無線送信させるように構成されている。しかし、例えば水準器をバックアップテーブル5a上に載置し、作業者が目視で傾き角度を計測した後、その計測結果を、入力部64を操作して制御装置50に入力するように構成してもよい。この場合、入力部64を操作する代わりに、作業者がカメラ付き携帯端末で水準器を撮像し、その画像データを、通信回路部60を通じて制御装置50に送信することにより、レベル出し支援制御部54(支援実行部54a)がその画像データに基づき計測結果を取得するように構成してもよい。
【0119】
(3)第1~第4実施形態の部品実装装置1、1A~1Cは、上流側装置U1のコンベアU4の高さを基準高さHとし、まず、部品実装装置1のX1側のアジャスタ装置20A、20Bの高さ調整を行った後、X2側のアジャスタ装置20C、20Dの高さ調整を行うことにより、部品実装装置1のレベル出しを行う、すなわち、部品実装装置1のX1側の端部の高さを基準としてレベル出しを行う場合の当該作業を支援するように構成されている。しかし、部品実装装置1、1A~1Cは、下流側装置D1のコンベアの高さを基準高さHとし、まず、部品実装装置1のX2側のアジャスタ装置20C、20Dの高さ調整を行った後、X1側のアジャスタ装置20A、20Bの高さ調整を行うことにより、部品実装装置1のレベル出しを行う、すなわち、部品実装装置1のX2側の端部の高さを基準としてレベル出しを行う場合の当該作業を支援するように構成されていてもよい。この場合、部品実装装置1のX1側及びX軸2の何れを基準にするかを作業者が入力部64の操作により選択できるように構成してもよい。
【0120】
また、例えば基台2上の特定位置(例えば前記設置ポジションPt1)を基準としてレベル出しを行う場合の当該作業を支援するように構成されてもよい。この場合には、例えば基準高さHとして設計値を入力し、基台上面の四隅の高さを計測結果として制御装置50(レベル出し支援制御部54)に入力すると、各アジャスタ装置20A~20Dの高さ補正量ΔHが算出され、全てのアジャスタ装置20A~20Dを作業対象とする操作支援情報が表示部62等に表示されるようにしてもよい。
【0121】
(4)実施形態では、操作支援情報70、71は、表示部62や携帯端末66を介して画像により作業者に報知されるが、画像による報知の代わりに、又は画像による報知と共に音声で報知されるようにしてもよい。
【0122】
(5)実施形態では、基板製造用装置の一例として部品実装装置に本発明が適用された例について説明したが、本発明は、部品の実装に先立って基板上にハンダを印刷する印刷装置や接着剤を塗布する塗布装置、あるいは部品実装基板を検査する検査装置等、部品実装装置以外の基板製造用装置についても適用可能である。
【符号の説明】
【0123】
1、1A、1B、1C 部品実装装置
2 基台
4 コンベア
5 バックアップ部
5a バックアップテーブル
7 ヘッドユニット
9 ヘッドカメラ(基板認識用のカメラ)
20(20A~20D) アジャスタ装置
22 脚柱
23 ロックナット
24 ナット部材
30a 第1距離センサ
30b 第2距離センサ
32、65 水準器
50 制御装置
52 実装制御部
54 レベル出し支援制御部
54a 支援実行部(情報取得部/情報出力部/アジャスタ制御部)
54b 補正量算出部
54c 支援情報生成部
56 記憶部
58 入出力制御部
60 通信回路部
62 表示部(報知装置)
64 入力部(情報入力部)
70、71 操作支援情報
72 作業対象情報
74 操作情報
74a 主情報
74b 副情報
F 床面
H 基準高さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14