(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022135078
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】表示制御装置
(51)【国際特許分類】
G06F 13/00 20060101AFI20220908BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
G06F13/00 540A
G09G5/00 510V
G09G5/00 550B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021034664
(22)【出願日】2021-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】得平 洋史
(72)【発明者】
【氏名】津金 榮則
【テーマコード(参考)】
5B084
5C182
【Fターム(参考)】
5B084AA01
5B084AA12
5B084AA29
5B084AB35
5B084BA02
5B084BB01
5B084CC14
5B084CD09
5B084CD23
5B084CD24
5B084CE03
5B084CE12
5B084CF12
5B084DB12
5B084DC02
5B084DC06
5B084DC27
5C182AA03
5C182AA04
5C182AB11
5C182BB02
5C182BB11
5C182BC26
5C182DA65
(57)【要約】
【課題】同一のコンテンツを複数回見ることを抑制することができる表示制御装置を得る。
【解決手段】表示制御装置10は、稼働可能で、かつ、使用されていない表示装置が複数存在する場合、当該複数の表示装置の少なくとも1つに対して予め定められたコンテンツを表示する制御を行う制御部11B、を備え、制御部11Bは、予め定められた制限条件に応じて、コンテンツの表示対象とする表示装置の数を制限する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
稼働可能で、かつ、使用されていない表示装置が複数存在する場合、当該複数の表示装置の少なくとも1つに対して予め定められたコンテンツを表示する制御を行う制御部、を備え、
前記制御部は、予め定められた制限条件に応じて、前記コンテンツの表示対象とする前記表示装置の数を制限する、
表示制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記コンテンツの表示対象とする表示装置が予め定められた領域内に複数存在し、かつ、予め定められた距離以内に近接する近接表示装置が複数存在する場合、当該複数の近接表示装置については異なる種類のコンテンツを表示する制御を行う、
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記複数の表示装置を参照可能な位置における人の流れ及び当該人の属性の少なくとも一方の予め定められた時刻毎の状況の解析を行う解析部、を更に備え、
前記制御部は、前記解析部による解析結果を用いて、前記表示装置に表示するコンテンツの内容を前記時刻毎に切り替える制御を行う、
請求項1又は請求項2に記載の表示制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ディスプレイ装置やプロジェクタ等の電子的な表示装置を用いて、屋外や店頭、公共交通機関等のあらゆる場所で情報を発信する技術であるデジタルサイネージ(Digital Signage)が注目されている。このデジタルサイネージに関する技術として次の技術があった。
【0003】
即ち、特許文献1には、クライアント端末とサーバとを有し、前記クライアント端末の使用状況に基づいてコンテンツを提供するコンテンツ提供システムが開示されている。
【0004】
このコンテンツ提供システムにおいて、前記クライアント端末は、前記コンテンツを提供するためのコンテンツ枠を確保するクライアント制御部と、表示部とを有する。
【0005】
また、このコンテンツ提供システムにおいて、前記サーバは、前記クライアント端末の端末情報を管理するクライアント端末管理部と、前記コンテンツを保存するコンテンツ記録部と、前記コンテンツのコンテンツ情報を管理するコンテンツ管理部と、を有する。更に、前記サーバは、前記コンテンツの配信制御を行うコンテンツ配信制御部と、前記クライアント端末の前記端末情報及び前記コンテンツの前記コンテンツ情報に基づいて配信条件を生成して、前記配信条件を前記クライアント制御部へ通知する配信条件管理部と、を有する。
【0006】
ここで、前記クライアント制御部は、前記配信条件管理部から通知された前記配信条件に基づいて前記コンテンツ枠を確保して、前記コンテンツ配信制御部に前記コンテンツの配信要求を送信する。また、前記コンテンツ配信制御部は、前記コンテンツを前記コンテンツ記録部から抽出して配信し、前記クライアント制御部は、前記コンテンツ配信制御部が配信する前記コンテンツを前記コンテンツ枠内において、前記表示部に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、近年、デジタルサイネージに関する技術として、オフィス内の従業員等の端末装置の不使用時に、各種コンテンツを当該端末装置に配信して、使用していない表示装置に当該コンテンツを表示させる技術がある。
【0009】
しかしながら、この技術では、近隣に設けられた複数の端末装置が不使用となった場合に、同一のコンテンツが近隣の表示装置に表示されてしまい、当該表示装置を参照可能な領域にいる人は、同一のコンテンツしか見ることができない、という問題点があった。なお、特許文献1に記載の技術では、近隣に設けられた端末装置の表示装置に対するコンテンツの表示内容については考慮されていないため、この問題点を解決することはできない。
【0010】
本開示は、以上の事情を鑑みて成されたものであり、同一のコンテンツを複数回見ることを抑制することができる表示制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の本発明に係る表示制御装置は、稼働可能で、かつ、使用されていない表示装置が複数存在する場合、当該複数の表示装置の少なくとも1つに対して予め定められたコンテンツを表示する制御を行う制御部、を備え、前記制御部は、予め定められた制限条件に応じて、前記コンテンツの表示対象とする前記表示装置の数を制限する。
【0012】
請求項1に記載の本発明に係る表示制御装置によれば、稼働可能で、かつ、使用されていない表示装置が複数存在する場合、当該複数の表示装置の少なくとも1つに対して予め定められたコンテンツを表示する制御を行うにあたり、予め定められた制限条件に応じて、コンテンツの表示対象とする表示装置の数を制限することで、同一のコンテンツを複数回見ることを抑制することができる。
【0013】
請求項2に記載の本発明に係る表示制御装置は、請求項1に記載の表示制御装置であって、前記制御部が、前記コンテンツの表示対象とする表示装置が予め定められた領域内に複数存在し、かつ、予め定められた距離以内に近接する近接表示装置が複数存在する場合、当該複数の近接表示装置については異なる種類のコンテンツを表示する制御を行うものである。
【0014】
請求項2に記載の本発明に係る表示制御装置によれば、コンテンツの表示対象とする表示装置が予め定められた領域内に複数存在し、かつ、予め定められた距離以内に近接する近接表示装置が複数存在する場合、当該複数の近接表示装置については異なる種類のコンテンツを表示する制御を行うことで、より確実に、同一のコンテンツを複数回見ることを抑制することができる。
【0015】
請求項3に記載の本発明に係る表示制御装置は、請求項1又は請求項2に記載の表示制御装置であって、前記複数の表示装置を参照可能な位置における人の流れ及び当該人の属性の少なくとも一方の予め定められた時刻毎の状況の解析を行う解析部、を更に備え、前記制御部が、前記解析部による解析結果を用いて、前記表示装置に表示するコンテンツの内容を前記時刻毎に切り替える制御を行うものである。
【0016】
請求項3に記載の本発明に係る表示制御装置によれば、複数の表示装置を参照可能な位置における人の流れ及び当該人の属性の少なくとも一方の予め定められた時刻毎の状況の解析を行い、当該解析結果を用いて、表示装置に表示するコンテンツの内容を時刻毎に切り替える制御を行うことで、見る人の需要に応じたコンテンツを表示することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明によれば、同一のコンテンツを複数回見ることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施形態に係る表示制御システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】実施形態に係る表示制御装置、広告配信クラウドサーバ、及び建物内統合配信サーバの機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る対象執務室の構成の一例を示す平面図である。
【
図4】実施形態に係る執務者情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
【
図5】実施形態に係る表示装置情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
【
図6】実施形態に係るコンテンツ情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
【
図7】実施形態に係る表示制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】実施形態に係る表示制御処理の説明に供する図であり、会議室に設けられた表示装置に対する表示状態の一例を示す平面図である。
【
図9】実施形態に係る表示制御処理の説明に供する図であり、居室に設けられた表示装置に対する表示状態の一例を示す平面図である。
【
図10】実施形態に係る表示制御処理の説明に供する図であり、居室に設けられた表示装置に対する表示状態の他の例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態例を詳細に説明する。なお、本実施形態では、本発明を、企業が入居する建物(以下、「対象建物」という。)内の執務室(以下、「対象執務室」という。)に設けられた複数の表示装置を対象として、広告のコンテンツを選択的に表示する形態に適用した場合について説明する。
【0020】
まず、
図1及び
図2を参照して、本実施形態に係る表示制御システム90の構成を説明する。
図1は、本実施形態に係る表示制御システム90のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。また、
図2は、本実施形態に係る表示制御装置10、広告配信クラウドサーバ20、及び建物内統合配信サーバ50の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
図1に示すように、本実施形態に係る表示制御システム90は、ネットワーク40に各々アクセス可能とされた、表示制御装置10と、広告配信クラウドサーバ20と、建物内統合配信サーバ50と、を含む。なお、表示制御装置10、広告配信クラウドサーバ20、及び建物内統合配信サーバ50の例としては、パーソナルコンピュータ及びサーバコンピュータ等の情報処理装置が挙げられる。
【0022】
また、本実施形態に係る表示制御システム90は、ネットワーク40に各々接続され、かつ、対象執務室に設けられた、会議室用の表示装置60A、60Bと、居室用の表示装置62A、62B、・・・と、会議室用のカメラ70と、居室用のカメラ72と、を含む。なお、以下では、会議室用の表示装置60Aと表示装置60Bとを特に区別する必要がない場合には、これらの表示装置を総称して「表示装置60」という。また、以下では、居室用の表示装置62A、62B、・・・を特に区別する必要がない場合には、これらの表示装置を総称して「表示装置62」という。
【0023】
本実施形態に係る表示制御装置10は、表示制御システム90において中核的な役割を有する装置である。表示制御装置10は、後述する表示制御処理による各種コンテンツの配信のサービスを行うものであり、対象建物における各種情報の集約や、各種設備の制御を行うものと共用されている。
【0024】
表示制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、一時記憶領域としてのメモリ12、不揮発性の記憶部13、キーボードとマウス等の入力部14、液晶ディスプレイ等の表示部15、媒体読み書き装置(R/W)16及び通信インタフェース(I/F)部18を備えている。CPU11、メモリ12、記憶部13、入力部14、表示部15、媒体読み書き装置16及び通信I/F部18はバスBを介して互いに接続されている。媒体読み書き装置16は、記録媒体17に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体17への情報の書き込みを行う。
【0025】
記憶部13はHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部13には、表示制御プログラム13Aが記憶されている。表示制御プログラム13Aは、表示制御プログラム13Aが書き込まれた記録媒体17が媒体読み書き装置16にセットされ、媒体読み書き装置16が記録媒体17からの表示制御プログラム13Aの読み出しを行うことで、記憶部13へ記憶される。CPU11は、表示制御プログラム13Aを記憶部13から読み出してメモリ12に展開し、表示制御プログラム13Aが有するプロセスを順次実行する。
【0026】
また、記憶部13には、執務者情報データベース13B、表示装置情報データベース13C、及びコンテンツ情報データベース13Dが記憶される。これらの各データベースについては、詳細を後述する。
【0027】
一方、本実施形態に係る広告配信クラウドサーバ20は、広告のコンテンツを配信する装置である。このように、本実施形態では、広告のコンテンツを配信する装置として、クラウドサーバを適用しているが、これに限るものではなく、クラウドシステムとして構成されていない、通常のサーバを広告のコンテンツを配信する装置として適用する形態としてもよい。
【0028】
また、本実施形態に係る建物内統合配信サーバ50は、対象建物の各所に設けられた表示装置に対して広告のコンテンツの配信を直接制御するものであり、対象建物に設けられている。
【0029】
更に、本実施形態に係る表示装置60、表示装置62、カメラ70、及びカメラ72は、上述したように対象建物の対象執務室内に設けられたものである。表示装置60は、対象執務室に設けられた会議室(以下、単に「会議室」という。)に設けられており、当該会議室での会議に参加する人が参照するものである。また、表示装置62は、対象執務室に設けられた居室(以下、単に「居室」という。)で執務者(以下、単に「執務者」という。)が執務を行う際に用いる机の上に設けられており、当該執務者が参照するものである。なお、本実施形態では、居室が、執務者の固定席を決めず、その日の執務内容に合わせて効率的に執務が進められる座席を選んで働くワークスタイルであるフリーアドレスが採用されたものとされているが、これに限るものではない。例えば、当該居室として、各執務者が用いる机が固定された通常の居室を適用する形態としてもよい。
【0030】
一方、カメラ70は会議室に設けられており、当該会議室の全域が撮影可能とされている。また、カメラ72は居室に設けられており、当該居室の全域が撮影可能とされている。このように、本実施形態では、会議室用のカメラ及び居室用のカメラが各々1台ずつ用いられているが、これに限るものではない。例えば、会議室用のカメラ及び居室用のカメラの少なくとも一方が複数台用いられる形態としてもよい。
【0031】
本実施形態に係る表示制御システム90では、上述したように、表示装置60、表示装置62、カメラ70、及びカメラ72がネットワーク40に接続されている。このため、これらの各種装置の作動の制御は、表示制御装置10及び建物内統合配信サーバ50の双方において行うことができる。但し、この形態に限るものではなく、例えば、表示装置60、表示装置62、カメラ70、及びカメラ72をネットワーク40には接続せず、建物内統合配信サーバ50のみに接続しておく形態としてもよい。この場合、表示制御装置10が上記各種装置の作動を制御する場合は、建物内統合配信サーバ50を介して制御する形態としてもよい。
【0032】
なお、本実施形態に係る表示装置60及び表示装置62は、表示制御装置10及び建物内統合配信サーバ50との間で通信が行われる場合に、対応する表示装置を特定することのできる情報を、ネットワーク40を介して対応する装置に送信する。本実施形態では、上記表示装置を特定することのできる情報として、後述する表示装置ID(Identification)を適用しているが、これに限るものではないことは言うまでもない。
【0033】
次に、
図2を参照して、本実施形態に係る表示制御装置10、広告配信クラウドサーバ20、及び建物内統合配信サーバ50の機能的な構成について説明する。
図2に示すように、本実施形態に係る表示制御装置10は、解析部11A、及び制御部11Bを含む。表示制御装置10のCPU11が表示制御プログラム13Aを実行することで、解析部11A、及び制御部11Bとして機能する。
【0034】
本実施形態に係る解析部11Aは、稼働可能で、かつ、使用されていない複数の表示装置を参照可能な位置における人の流れ及び当該人の属性の双方の予め定められた時刻毎の状況の解析を行う。
【0035】
なお、本実施形態では、上記属性として、対応する執務者の性別及び年齢層を含む情報を適用しているが、これに限るものではない。例えば、対応する執務者の性別及び年齢層に加えて、出身地、家族構成、前職等の各種情報の1つ、又は複数の組み合わせを上記属性として適用する形態としてもよい。また、本実施形態では、上記予め定められた時刻として、対象執務室での執務可能な時間帯における1分毎の時刻を適用しているが、これに限るものではないことは言うまでもない。また、上述したように、本実施形態では、人の流れ及び当該人の属性の双方の解析を行っているが、これに限るものではない。例えば、人の流れ及び当該人の属性の何れか一方のみの解析を行う形態としてもよい。
【0036】
一方、本実施形態に係る制御部11Bは、稼働可能で、かつ、使用されていない表示装置が複数存在する場合、当該複数の表示装置の少なくとも1つに対して予め定められたコンテンツを表示する制御を行う。また、本実施形態に係る制御部11Bは、予め定められた制限条件に応じて、コンテンツの表示対象とする表示装置の数を制限する。
【0037】
ここで、本実施形態に係る制御部11Bは、コンテンツの表示対象とする表示装置が所定領域内に複数存在し、かつ、所定の距離以内に近接する近接表示装置が複数存在する場合、当該複数の近接表示装置については異なる種類のコンテンツを表示する制御を行う。
【0038】
また、本実施形態に係る制御部11Bは、解析部11Aによる解析結果を用いて、表示装置に表示するコンテンツの内容を時刻毎に切り替える制御を行う。
【0039】
一方、本実施形態に係る広告配信クラウドサーバ20は、制御部21Aを含む。広告配信クラウドサーバ20のCPU(図示省略。)が、通信I/F部28を介した他の装置との通信の制御を行う一方、記憶部23に対するアクセス等を制御する不図示のプログラムを実行することで、制御部21Aとして機能する。
【0040】
更に、本実施形態に係る建物内統合配信サーバ50は、制御部51Aを含む。建物内統合配信サーバ50のCPU(図示省略。)が、通信I/F部58を介した他の装置との通信の制御を行う一方、記憶部53に対するアクセス等を制御する不図示のプログラムを実行することで、制御部51Aとして機能する。
【0041】
ここで、
図3を参照して、本実施形態に係る表示制御システム90が対応する対象執務室について説明する。
図3は、本実施形態に係る対象執務室80の構成の一例を示す平面図である。
【0042】
図3に示すように、本実施形態に係る対象執務室80は、1つの入退出口89が設けられており、執務者は入退出口89を介して対象執務室80への入室及び対象執務室80からの退室を行う。なお、対象執務室80の入退出口89の数は1つに限らず、複数設けられていてもよいことは言うまでもない。
【0043】
本実施形態に係る対象執務室80は、会議室82及び居室84の2つの領域に壁部86によって仕切られている。本実施形態に係る壁部86は、略全域がガラス等の透明性を有する部材によって構成されており、会議室82の内部が居室84に居る人から常時参照することができるものとされている。なお、会議室82は必ずしも仕切られている必要はなく、例えば、対象執務室80における仕切りのない打ち合わせコーナーを会議室82として適用する形態としてもよい。
【0044】
本実施形態に係る会議室82には、会議用の2つのテーブル83A、83Bが設けられている。テーブル83Aの一端部側には表示装置60Aが視認可能に設けられており、テーブル83Bの一端部側には表示装置60Bが視認可能に設けられている。従って、表示装置60A及び表示装置60Bは、双方ともに居室84からも参照することができる。
【0045】
一方、居室84には、執務者によって用いられる複数の座席85Aが設けられており、座席85Aの各々の机の上には表示装置62が設けられている。なお、本実施形態に係る表示装置60及び表示装置62は、STB(Set Top Box)やUSB(Universal Serial Bus)ドングル等を用いて表示制御装置10及び建物内統合配信サーバ50と通信可能とされているが、これに限るものでないことも言うまでもない。
【0046】
次に、
図4~
図6を参照して、本実施形態に係る各種データベースについて説明する。まず、
図4を参照して、本実施形態に係る執務者情報データベース13Bについて説明する。
図4は、本実施形態に係る執務者情報データベース13Bの構成の一例を示す模式図である。
【0047】
図4に示すように、本実施形態に係る執務者情報データベース13Bは、執務者ID、属性、位置、日時、及び表示拒否申請の各情報が関連付けられて記憶される。
【0048】
上記執務者IDは、対象執務室80で執務を行う執務者を個別に識別するために、当該執務者の各々毎に異なるものとして予め付与された情報である。また、上記属性は、対応する執務者の属性を示す情報であり、本実施形態では、性別、及び年齢層等が含まれる。なお、本実施形態では、上記年齢層として、10代、20代といったように10歳刻みの年齢層を適用しているが、これに限るものではない。例えば、若者、中年層といった大凡の年齢層を適用する形態としてもよいし、5歳刻みの年齢層といった、より詳細な区分の年齢層を適用する形態としてもよい。
【0049】
図4に示す例では、執務者IDとして「S001」が付与された執務者は、40代の男性であることが示されている。
【0050】
また、上記位置及び上記日時は、各々、対応する執務者に関する、予め定められた時間帯(本実施形態では、昼休みを含む勤務時間帯)における対象執務室80での存在位置及び当該存在位置に存在した日時を示す情報である。
【0051】
なお、
図4に示すように、本実施形態では、上記日時を示す情報として所定時間(
図4に示す例では、1分)毎の日及び時刻を示す情報を適用している。また、本実施形態では、上記位置を示す情報として、緯度及び経度等の2次元の位置を適用している。但し、この形態に限らず、例えば、上記位置を示す情報として、緯度及び経度等を示す情報に加えて、高度等を示す情報を適用して、3次元の位置を適用する形態としてもよい。
【0052】
また、本実施形態では、上記位置を示す情報を得るために、カメラ70及びカメラ72による撮影により得られた会議室82及び居室84の動画像を用いる。より具体的には、当該動画像を用いた画像認識(本実施形態では、パターンマッチング)により各執務者を個人別に特定し、当該動画像における各執務者の位置を、上述した緯度及び経度等の2次元の位置に換算して上記位置を示す情報を得ている。但し、この形態に限るものではなく、例えば、各執務者にRFID(Radio Frequency Identification)タグ等の近距離通信が可能で、かつ、対応する執務者の識別情報を発信可能な媒体を所持させ、当該媒体を用いて各執務者の位置を特定する形態としてもよい。また、例えば、各執務者が所持する携帯端末とビーコンとを活用することにより、各執務者の位置を特定する形態としてもよい。
【0053】
図4に示す例では、執務者IDとして「S001」が付与された執務者は、2021年3月24日の8時は経度がX1で、緯度がY1の位置に存在していたことが示されている。
【0054】
更に、上記表示拒否申請は、対応する執務者によって、後述する表示制御処理による広告のコンテンツの表示を拒否する申請(所謂オプトアウト(Opt-out)の申請であり、以下、「オプトアウト申請」という。)が行われているか否かを示す情報である。なお、本実施形態では、対象執務室80における居室84のみを対象としてオプトアウト申請を認める形態としているが、これに限るものではない。例えば、居室84に加えて、会議室82についてもオプトアウト申請を認める形態としてもよいし、会議室82のみについてオプトアウト申請を認める形態としてもよい。
【0055】
図4に示す例では、執務者IDとして「S001」が付与された執務者はオプトアウト申請を行っており、執務者IDとして「S002」が付与された執務者はオプトアウト申請を行っていないことが示されている。
【0056】
次に、
図5を参照して、本実施形態に係る表示装置情報データベース13Cについて説明する。
図5は、本実施形態に係る表示装置情報データベース13Cの構成の一例を示す模式図である。
【0057】
図5に示すように、本実施形態に係る表示装置情報データベース13Cは、上述した表示装置ID、設置場所、設置位置、及び使用状況の各情報が関連付けられて記憶される。
【0058】
上記表示装置IDは、対象執務室80に設けられた表示装置60及び表示装置62を個別に識別するために、当該表示装置の各々毎に異なるものとして予め付与された情報である。また、上記設置場所は、対応する表示装置60又は表示装置62の設置場所を示す情報であり、上記設置位置は、対応する表示装置60又は表示装置62の設置位置を示す情報である。更に、上記使用状況は、対応する表示装置60又は表示装置62が使用されているか否かを示す情報である。
【0059】
なお、上記設置位置を示す情報は、執務者情報データベース13Bにおける位置と同様の情報(本実施形態では、緯度及び経度等の2次元の位置)とされているが、これに限るものではない。この情報も、緯度及び経度等を示す情報に加えて、高度等を示す情報を適用して、3次元の位置を適用する形態としてもよい。
【0060】
また、本実施形態では、上記使用状況を示す情報として、過去の所定期間(本実施形態では、5分間)に渡って画面表示が行われておらず、かつ、リモートコントロール装置による操作も行われていない場合に、使用していないものとする情報を適用している。但し、この形態に限るものではなく、例えば、リモートコントロール装置による操作の如何に関わらず、上記所定期間の画面表示が行われていないことのみをもって使用していないものとする情報を適用する形態としてもよい。
【0061】
図5に示す例では、表示装置IDとして「D001」が付与された表示装置は、会議室82における経度がX10で、緯度がY10の位置に設置されており、この時点において使用されていることが示されている。
【0062】
次に、
図6を参照して、本実施形態に係るコンテンツ情報データベース13Dについて説明する。
図6は、本実施形態に係るコンテンツ情報データベース13Dの構成の一例を示す模式図である。
【0063】
図6に示すように、本実施形態に係るコンテンツ情報データベース13Dは、コンテンツID、及び対象属性の各情報が関連付けられて記憶される。
【0064】
上記コンテンツIDは、後述する表示制御処理によって表示対象とされているコンテンツの各々を個別に識別するために、コンテンツの各々毎に異なるものとして予め付与された情報である。また、上記対象属性は、対応するコンテンツがターゲットとしている人の属性を示す情報であり、本実施形態では、執務者情報データベース13Bにおける属性と同一種類の情報を適用している。なお、本実施形態では、広告配信クラウドサーバ20によって提供される広告の各種コンテンツに関する情報を用いて、コンテンツ情報データベース13Dが随時更新されるものとしているが、これに限るものではない。例えば、コンテンツ情報データベース13Dを表示制御装置10に構築することなく、当該コンテンツ情報データベース13Dに代えて、広告配信クラウドサーバ20から直接、コンテンツ情報データベース13Dと同様の情報を読み出して用いる形態としてもよい。
【0065】
図6に示す例では、コンテンツIDとして「C001」が付与されたコンテンツは、20代から40代までの年齢層の男性をターゲットとした広告であることが示されている。
【0066】
次に、
図7~
図10を参照して、本実施形態に係る表示制御システム90の作用として、表示制御処理を実行する場合の表示制御装置10の作用を説明する。本実施形態に係る表示制御装置10では、対象執務室80での執務が可能となる時刻(本実施形態では、午前6時)となった場合に、表示制御装置10のCPU11が表示制御プログラム13Aを実行することにより、
図7に示す表示制御処理が実行される。なお、錯綜を回避するために、以下では、各データベース13B~13Dが既に構築されており、表示装置情報データベース13Cの使用状況を示す情報が状況に即して随時更新されている場合について説明する。また、以下では、表示制御装置10が対象執務室80に設けられているテーブル83A、83B、及び座席85Aの各々の設置位置を把握している場合について説明する。更に、以下では、居室84に設けられた表示装置62に対する、コンテンツを表示してよい台数の上限値である制限台数が予め設定されている場合について説明する。
【0067】
図7のステップ100で、CPU11は、執務者情報データベース13Bから全ての情報(以下、「執務者情報」という。)を読み出し、表示装置情報データベース13Cから全ての情報(以下、「表示装置情報」という。)を読み出す。また、ステップ100で、CPU11は、コンテンツ情報データベース13Dから全ての情報(以下、「コンテンツ情報」という。)を読み出す。
【0068】
ステップ102で、CPU11は、執務者情報を用いて、対象執務室80における、各執務者による人流及び属性の状況を解析する処理(以下、「人流状況解析処理」という。)を以下に示すように実行する。
【0069】
まず、CPU11は、対象執務室80の室内における空間の全域を平面視し、予め定められたサイズで、かつ、予め定められた形状の複数の区分領域(以下、単に「区分領域」という。)に区分する。本実施形態では、上記サイズ及び形状として、一辺が1mの正方形を適用しているが、これに限るものではない。例えば、サイズの異なる正方形や、長方形等の他の形状を適用する形態としてもよい。
【0070】
そして、CPU11は、執務者情報を用いて、区分領域毎で、かつ、予め定められた時刻毎、かつ、予め定められた属性の種類毎に執務者の人数を計数する。本実施形態では、上記予め定められた時刻として、対象執務室80での執務が可能である時間帯における予め定められた期間(本実施形態では、1分間)毎の時刻を適用し、上記予め定められた属性の種類として、性別及び属性を適用している。但し、上記時刻及び上記属性の種類ともに、これらに限定されるものではないことは言うまでもない。
【0071】
以上の人流状況解析処理により、区分領域毎で、かつ、上記時刻毎に、対応する区分領域に存在する執務者の属性の種類毎の人数を得ることができる。
【0072】
ステップ104で、CPU11は、表示装置情報における使用状況を示す情報を用いて、この時点で使用していない表示装置(以下、「不使用表示装置」という。)を特定する。ステップ106で、CPU11は、以上の処理によって得られた各種情報を用いて、特定した不使用表示装置のうち、コンテンツを表示する表示装置を以下に示すように決定する。
【0073】
まず、CPU11は、執務者情報における、各執務者の直近の位置を示す情報を用いて、この時点から直近の各執務者の位置(以下、「執務者位置」という。)を特定する。そして、CPU11は、特定した執務者位置が、何れかの座席85Aの設置位置からの距離が当該座席85Aに着座していると見なすことのできる位置となっている執務者を、当該座席85Aに着座している執務者として特定する。なお、ここで特定した執務者を、以下では「着座執務者」という。
【0074】
次いで、CPU11は、執務者情報における、着座執務者に対応する表示拒否申請を示す情報を用いて、着座執務者からオプトアウト申請を行った執務者(以下、「表示拒否執務者」という。)を特定する。次いで、CPU11は、特定した表示拒否執務者が着座している座席85Aから所定距離(本実施形態では、1m)以内に存在する不使用表示装置を除く不使用表示装置を、コンテンツの表示対象とする表示装置(以下、「第1表示対象表示装置」という。)として決定する。
【0075】
ここで、決定した第1表示対象表示装置の数が上記制限台数を超えた場合、CPU11は、当該制限台数以下となるように第1表示対象表示装置の数を絞り込む。本実施形態では、この第1表示対象表示装置の絞り込みとして、対象執務室80の壁に近いほど優先して第1表示対象表示装置から外す処理を適用しているが、これに限るものではない。例えば、予めユーザに対して、表示装置62の各々について、コンテンツを表示する優先順位を指定させておき、当該優先順位が低い順から第1表示対象表示装置から外す処理を、上記第1表示対象表示装置の絞り込みとして適用する形態としてもよい。
【0076】
一方、CPU11は、不使用表示装置に会議室82に設けられた表示装置60A及び表示装置60Bの少なくとも一方が含まれる場合、以下に示すようにコンテンツの表示対象とする表示装置を決定する。即ち、この場合、CPU11は、特定した全ての執務者の執務者位置が、テーブル83A及びテーブル83Bの設置位置から所定距離(本実施形態では、1m)以上離れている場合、何れの執務者も会議室82を用いていないものと見なして、会議室82に設けられている不使用表示装置を、表示対象とする表示装置(以下、「第2表示対象表示装置」という。)として決定する。
【0077】
ステップ108で、CPU11は、人流状況解析処理によって得られた情報(以下、「解析結果情報」という。)を用いて、第1表示対象表示装置及び第2表示対象表示装置の各々に対して表示させるコンテンツを以下に示すように決定する。
【0078】
まず、CPU11は、解析結果情報から、この時点が含まれる時刻に対応し、かつ、第1表示対象表示装置から所定距離(本実施形態では、1m)以内に存在する区分領域毎で、かつ、属性の種類毎の執務者の人数を、第1表示対象表示装置の各々毎に抽出する。なお、この場合、第1表示対象表示装置から当該所定距離以内に存在する区分領域が複数存在する場合もあるが、この場合、CPU11は、当該複数の区分領域の全てを対象として、上記属性の種類毎の執務者の人数を抽出する。
【0079】
次いで、CPU11は、コンテンツ情報における、抽出した属性の種類毎の執務者の人数における、当該属性の種類の組み合わせ毎の合計人数が最も多い当該組み合わせに対応するコンテンツを、対応する第1表示対象表示装置に表示するコンテンツとして決定する。
【0080】
そして、CPU11は、決定した表示対象とするコンテンツが同一である第1表示対象表示装置が所定距離(本実施形態では、2m)以内に複数存在する場合、当該複数の第1表示対象表示装置に表示するコンテンツを互いに異なるものとする処理を行う。本実施形態では、当該処理として、対象となる第1表示対象表示装置群に対して、上述した合計人数が所定人数(本実施形態では、5人)以上となるコンテンツから、互いに異なるコンテンツを選択的に適用する処理を適用している。但し、この形態に限るものではなく、例えば、予めユーザに対して、表示するコンテンツの優先順位を指定させておき、当該優先順位が高い順から、対象となる第1表示対象表示装置群に対して1つずつコンテンツを割り当てる処理を適用する形態としてもよい。
【0081】
一方、CPU11は、第2表示対象表示装置に表示するコンテンツとして、全ての執務者における、上記属性の種類の組み合わせ毎の合計人数が最も多い当該組み合わせに対応するコンテンツを決定する。但し、この形態に限らず、例えば、広告主から得られる収入が高いコンテンツを優先して適用する形態や、執務者からの要望が高いコンテンツを優先して適用する形態等としてもよい。
【0082】
ステップ110で、CPU11は、第1表示対象表示装置及び第2表示対象表示装置の各々に対して、対応するコンテンツの表示を開始する制御を行い、ステップ112で、CPU11は、所定時間(本実施形態では、1分間)が経過するまで待機する。
【0083】
ステップ114で、CPU11は、予め定められた終了タイミングが到来したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ100に戻る一方、肯定判定となった場合はステップ116に移行する。
【0084】
なお、本実施形態では、上記終了タイミングとして、対象執務室80が利用できなくなる時刻(本実施形態では、午後9時)となったタイミングを適用している。但し、この形態に限るものではなく、対象執務室80で執務を行っていた執務者の全てが対象執務室80から退室したタイミング、表示制御装置10のユーザによって表示制御処理の終了を指示する指示情報が入力部14等を介して入力されたタイミング等を上記終了タイミングとして適用する形態としてもよい。
【0085】
ステップ116で、CPU11は、この時点でコンテンツが表示されている各表示対象表示装置による当該コンテンツの表示を停止するように制御し、その後に本表示制御処理を終了する。
【0086】
以上の表示制御処理により、一例として
図8に示すように、会議室82に設けられた表示装置60の各々については、会議が実施されている場合はコンテンツが表示されないが、会議が実施されていない場合には、コンテンツが表示される。
【0087】
また、以上の表示制御処理により、一例として
図9に示すように、居室84に設けられた表示装置62の各々については、不使用表示装置に対して、上述した制限台数以下に制限された状態で、近隣に着座する執務者の属性に応じたコンテンツが表示される。また、この場合、一例として
図10に示すように、オプトアウト申請の状況に応じて、コンテンツが表示される不使用表示装置が制限される。
【0088】
以上説明したように、本実施形態によれば、表示制御装置10が、稼働可能で、かつ、使用されていない表示装置が複数存在する場合、当該複数の表示装置の少なくとも1つに対して予め定められたコンテンツを表示する制御を行う制御部11B、を備える。そして、制御部11Bは、予め定められた制限条件に応じて、コンテンツの表示対象とする表示装置の数を制限する。従って、同一のコンテンツを複数回見ることを抑制することができる。
【0089】
また、本実施形態によれば、コンテンツの表示対象とする表示装置が予め定められた領域内に複数存在し、かつ予め定められた距離以内に近接する近接表示装置が複数存在する場合、当該複数の近接表示装置については異なる種類のコンテンツを表示する制御を行う。従って、より確実に、同一のコンテンツを複数回見ることを抑制することができる。
【0090】
更に、本実施形態によれば、複数の表示装置を参照可能な位置における人の流れ及び当該人の属性の少なくとも一方の予め定められた時刻毎の状況の解析を行い、当該解析結果を用いて、表示装置に表示するコンテンツの内容を時刻毎に切り替える制御を行う。従って、見る人の需要に応じたコンテンツを表示することができる。
【0091】
なお、上記実施形態では、オプトアウト申請が行われた執務者の近隣には無条件にコンテンツの表示を行わない場合について説明したが、これに限定されない。例えば、オプトアウト申請が行われた執務者の近隣であっても、所定時間(例えば、5時間)が経過した場合には、コンテンツの表示を行う形態としてもよい。
【0092】
また、上記実施形態では、着座している執務者からの距離に関わらず、第1表示対象表示装置に対してコンテンツを表示する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、着座している執務者からの距離が所定距離(例えば、1m)以内に存在する第1表示対象表示装置には無条件にコンテンツを表示しない形態としてもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、コンテンツを表示する第1表示対象表示装置の密集の度合いについては考慮しない場合について説明したが、これに限定されない。例えば、コンテンツを表示する第1表示対象表示装置の距離を所定距離(例えば、2m)以上離隔する形態としてもよい。
【0094】
また、上記実施形態では、特に言及しなかったが、オプトアウト申請の発生を判定値として機械学習させ、オプトアウト申請の発生が生じ難い表示装置を第1表示対象表示装置として適用する形態としてもよい。
【0095】
また、上記実施形態では、コンテンツとして広告に関するものを適用した場合について説明したが、これに限定されない。例えば、環境映像、ミュージックビデオ等の他のコンテンツを適用する形態としてもよい。
【0096】
また、上記実施形態で適用した各種データベースの構成は一例であり、例示したものに限定されるものでないことは言うまでもない。
【0097】
また、上記実施形態において、例えば、解析部11A及び制御部11Bの各処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0098】
処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0099】
処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0100】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。
【符号の説明】
【0101】
10 表示制御装置
11 CPU
11A 解析部
11B 制御部
12 メモリ
13 記憶部
13A 表示制御プログラム
13B 執務者情報データベース
13C 表示装置情報データベース
13D コンテンツ情報データベース
14 入力部
15 表示部
16 媒体読み書き装置
17 記録媒体
18 通信I/F部
20 広告配信クラウドサーバ
21A 制御部
23 記憶部
40 ネットワーク
50 建物内統合配信サーバ
51A 制御部
53 記憶部
60 表示装置
62 表示装置
70 カメラ
72 カメラ
80 対象執務室
82 会議室
83A、83B テーブル
84 居室
85A 座席
86 壁部
89 入退出口
90 表示制御システム