(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022135114
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】マットレス
(51)【国際特許分類】
A47C 27/00 20060101AFI20220908BHJP
A47C 27/14 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
A47C27/00 D
A47C27/14 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021034720
(22)【出願日】2021-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】596006536
【氏名又は名称】カネカフォームプラスチックス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】大野 一成
(72)【発明者】
【氏名】蜂須 和則
(72)【発明者】
【氏名】中道 幹芳
【テーマコード(参考)】
3B096
【Fターム(参考)】
3B096AB02
3B096AD07
(57)【要約】
【課題】汚れ防止用のカバー体がマットレスからずれることを防止することにより、十分なマッサージ効果を使用者に与える。
【解決手段】表面側に断面部分円状の複数の突条部(16)が長さ方向に沿って形成されているとともに、幅方向に沿って複数列に配置されており、各突条部(16)の表面に複数の突起(20)が形成されたマットレス(10)において、幅方向の端部(13)に形成された突条部(16a)は、角部(11)を有し、角部(11)は、突条部(16a)の頂部(16t)から水平面に対して鋭角または鉛直となるように下方に延びた側面(13a)と、突条部(16a)の表面(16b)と、により構成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂発泡体からなり、表面側に断面部分円状の複数の突条部が長さ方向に沿って形成されるとともに、幅方向に沿って複数列に配置されており、各突条部の表面に複数の突起が形成されたマットレスであって、
幅方向の端部に形成された前記突条部は、角部を有し、
前記角部は、前記突条部の頂部または当該頂部よりも内側部分から水平面に対して鋭角または鉛直となるように下方に延びた側面と、前記突条部の表面と、により構成されている、マットレス。
【請求項2】
前記側面は、幅方向の端部に形成された前記突条部の頂部から鉛直下方に延びた面である、請求項1に記載のマットレス。
【請求項3】
前記側面は、幅方向に突出した凸部と幅方向に凹んだ凹部とにより構成された凹凸形状を有する、請求項1または2に記載のマットレス。
【請求項4】
下層と、前記下層の上面に形成された上層とを備え、
複数の前記突条部が前記上層の表面側に形成されている、請求項1~3の何れか1項に記載のマットレス。
【請求項5】
前記上層を構成する合成樹脂発泡体は、ポリオレフィン系樹脂発泡体である、請求項4に記載のマットレス。
【請求項6】
前記上層を構成する合成樹脂発泡体の発泡倍率は、18倍以上でかつ42倍以下であり、前記上層の最大厚みは、30mm以上でかつ100mm以下である、請求項4または5に記載のマットレス。
【請求項7】
前記下層を構成する合成樹脂発泡体は、復元力を有する弾性合成樹脂発泡体である、請求項4~6の何れか1項に記載のマットレス。
【請求項8】
前記下層を構成する弾性合成樹脂発泡体は、ポリウレタン系樹脂発泡体である、請求項7に記載のマットレス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージ効果を使用者に与えることができるマットレスに関する。
【背景技術】
【0002】
就寝中の使用者の寝返り等の動きを利用して、使用者に対してマッサージ効果を与えるマットレスが広く用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1に示すマットレスは、硬質又は半硬質のシート成形体からなるマットレスの表面側に断面部分円状の複数の突条部が長さ方向及び幅方向に沿って形成されている。突条部の配置状態は、幅方向に複数列になっている。各突条部の表面には、複数の突起が形成されている。これにより、複数の突条部及び多数の突起によって使用者の身体を点接触又は線接触で受け止めて、マッサージ効果を使用者に与えて、使用者の筋肉をほぐして血行を増進できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、マットレスの使用時には、マットレスの汚れを防止するために、カバー体によりマットレスを被覆する。従来のマットレスを使用した場合、汚れ防止用のカバー体がマットレスからずれて皺になる、あるいは、マットレスが捩れることがある。このような場合、使用者に対してマットレスによる十分なマッサージ効果を与えることができないという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の一態様は、汚れ防止用のカバー体がマットレスからずれることを防止することにより、十分なマッサージ効果を使用者に与えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明の一態様に係るマットレスは、合成樹脂発泡体からなり、表面側に断面部分円状の複数の突条部が長さ方向に沿って形成されるとともに、幅方向に沿って複数列に配置されており、各突条部の表面に複数の突起が形成されたマットレスであって、幅方向の端部に形成された前記突条部は、角部を有し、前記角部は、前記突条部の頂部または当該頂部よりも内側部分から水平面に対して鋭角または鉛直となるように下方に延びた側面と、前記突条部の表面と、により構成されている。
【0008】
前記マットレスにおいて、前記側面は、幅方向の端部に形成された前記突条部の頂部から鉛直下方に延びた面であってもよい。
【0009】
前記マットレスにおいて、前記側面は、幅方向に突出した凸部と幅方向に凹んだ凹部とにより構成された凹凸形状を有していてもよい。
【0010】
前記マットレスにおいて、下層と、前記下層の上面に形成された上層とを備え、複数の前記突条部が前記上層の表面側に形成されていてもよい。
【0011】
前記マットレスにおいて、前記上層を構成する合成樹脂発泡体は、ポリオレフィン系樹脂発泡体であってもよい。
【0012】
前記マットレスにおいて、前記上層を構成する合成樹脂発泡体の発泡倍率は、18倍以上でかつ42倍以下であり、前記上層の最大厚みは、30mm以上でかつ100mm以下であってもよい。
【0013】
前記マットレスにおいて、前記下層を構成する合成樹脂発泡体は、復元力を有する弾性合成樹脂発泡体であってもよい。
【0014】
前記マットレスにおいて、前記下層を構成する弾性合成樹脂発泡体は、ポリウレタン系樹脂発泡体であってもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、汚れ防止用のカバー体がマットレスからずれることを防止することにより、十分なマッサージ効果を使用者に与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態1に係るマットレスの模式的な斜視図である。
【
図2】
図1に示すマットレスの模式的な平面図である。
【
図3】
図2におけるA-A線に沿った拡大断面図である。
【
図4】401~403は、実施形態1に係るマットレスの角部の構成例を模式的に示す断面図である。
【
図5】本実施形態2に係るマットレスの端部を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。「長さ方向」とは、マットレスの長手方向のことであり、縦方向と同義である。「幅方向」とは、マットレスの短手方向のことであり、横方向と同義である。「厚み方向」とは、マットレスの厚み方向のことである。図面中において、「LD」は長さ方向、「WD」は幅方向、「TD」は厚み方向をそれぞれ指している。
【0018】
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態について
図1から
図3を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るマットレス10の模式的な斜視図である。
図2は、
図1に示すマットレス10の模式的な平面図である。
図3は、
図2におけるA-A線に沿った拡大断面図である。
【0019】
(マットレス10の全体構成)
図1から
図3に示すように、実施形態1に係るマットレス10は、マッサージ効果を使用者に与えることができる縦長のマットレスである。マットレス10は、合成樹脂発泡体からなり、縦長の下層12と、下層12の表面(上面)に積層された縦長の上層14とを備えた二層構造になっている。なお、マットレス10を二層構造にする代わりに、上層のみの単層構造又は二層以外の多層構造にしてもよい。
【0020】
上層14の表面側には、断面部分円状(断面円弧状)の複数の突条部16が長さ方向に沿って形成されており、各突条部16は、長さ方向に延びている。複数の突条部16の配置状態は、幅方向に沿って複数列になっており、長さ方向に沿って千鳥状になっている。幅方向に隣接する各列の突条部16間には、長さ方向の一方側から見て下方向に窪んだ谷部18が形成されており、各谷部18は、長手方向に延びている。上層14の幅方向に沿った断面形状は、長さ方向の一方側から見て全体として波型形状に形成されている。なお、各突条部16の断面形状は、1つの曲率半径を有する断面形状に限定されるものでなく、複数の曲率変形を有する断面形状であってもよい。また、マットレス10は模式的に図示しており、突条部16の数及び配置密度は、図面に示されたものに限定されない。
【0021】
各突条部16の表面には、鉛直上方に向かって突出した円柱状の複数の突起20が形成されている。これにより、複数の突条部16及び多数の突起20によって使用者の身体を点接触又は線接触で受け止めることができ、マッサージ効果を使用者に与えて、使用者の筋肉をほぐして血行を増進できると共に、使用者の床ずれを防止できる。なお、各突起20の先端部分を円錐台状又は円錐状に形成してもよい。
【0022】
長さ方向に隣接する突条部16間には、幅方向に延びた溝部22が形成されている。複数の溝部22の配置状態は、長さ方向に沿って千鳥状になっている。長さ方向に隣接する各突条部16同士間には、縦リブ24が連結するように形成されており、各縦リブ24は、溝部22内に位置している。各縦リブ24の高さは、各突条部16の最大高さよりも低く設定されている。複数の縦リブ24の配置状態は、長さ方向に沿って千鳥状になっている。これにより、溝部22によってマットレス10の曲げ剛性が過大になることを抑えつつ、複数の縦リブ24によってマットレス10を適度な曲げ剛性を保つことができる。
【0023】
幅方向に隣接する各突条部16同士間には、横リブ26が連結するように形成されており、各横リブ26は、谷部18内に位置している。各横リブ26の高さは、各縦リブ24と同じ高さに設定されている。これにより、突条部16の列間隔の拡張及び突条部の幅方向の倒れ込み(変形)を抑制することができる。なお、各横リブ26の高さが各突条部16の最大高さよりも低く設定されていれば、各縦リブ24と異なる高さに設定されてもよい。
【0024】
上層14の裏面(下面)における各突条部16に対応する部位には、長さ方向に延びた凹部28が形成されている。これにより、上層14の裏面側の通気性を十分に確保して、マットレス10の蒸れを防止することができる。
【0025】
(マットレス10の構成材料に関する構成)
下層12を構成する合成樹脂発泡体は、復元力を有する弾性合成樹脂発泡体であり、より具体的には、通気性を有する連続気泡からなるポリウレタン系樹脂発泡体である。これにより、下層12が上層14の撓みを受け止めるクッション層としての機能を十分に発揮することができる。
【0026】
下層12を構成するポリウレタン系樹脂発泡体の発泡倍率は、10倍以上でかつ60倍以下であることが好ましく、20倍以上でかつ50倍以下であることがより好ましい。これは、ポリウレタン系樹脂発泡体の発泡倍率が10倍未満であると、下層12が硬く、クッション層としての機能が低下する傾向にあるからである。また、ポリウレタン系樹脂発泡体の発泡倍率が60倍を超えると、上層14を支持する強度が不足し、下層12の潰れによってマットレス10の通気性が低下する傾向にあるからである。
【0027】
下層12の厚みは、20mm以上でかつ200mm以下に設定されていることが好ましく、35mm以上でかつ150mm以下であることがより好ましい。これは、下層12の厚みが20mm未満であると、上層14を支持する強度が不足し、下層12の潰れによってマットレス10の通気性が低下する傾向にあるからである。また、下層12の厚みが200mmを超えると、マットレス10の曲げ剛性が過大になる傾向にあるからである。
【0028】
上層14を構成する合成樹脂発泡体は、特に限定されないが、好ましくはポリオレフィン系樹脂発泡体であり、より好ましくはポリエチレン系樹脂発泡体である。ポリオレフィン系樹脂発泡体の発泡倍率は、18倍以上でかつ42倍以下であることが好ましく、25倍以上でかつ40倍以下であることがより好ましい。これは、ポリオレフィン系樹脂発泡体の発泡倍率が18倍未満であると、上層14が硬く、クッション性が低下する傾向にあるからである。また、ポリオレフィン系樹脂発泡体の発泡倍率が42倍を超えると、上層14が柔らかくなりすぎて、使用者の体圧による突条部16の沈み込み(へたれ)が大きくなって、多数の突起20によるマッサージ効果が十分に発揮できない傾向にあるからである。
【0029】
上層14の最大厚みは、30mm以上でかつ100mm以下であることが好ましく、35mmでかつ85mmであることがより好ましい。これは、上層14の最大厚みが30mm未満であると、突条部16の高さ及び突起20の数を十分に確保することができず、マッサージ効果及び使用者の床ずれ防止効果が十分に発揮されない傾向にあるからである。ここで、上層14の最大厚みとは、上層14の裏面(底面)から最も高い突起20の先端までの厚み方向の寸法(サイズ)のことをいう。
【0030】
(WD方向の端部13に形成された突条部16a)
図3に示すように、WD方向の端部13に形成された突条部16aは、角部11を有している。角部11は、突条部16aの頂部16tから鉛直下方に延びた側面13aと、突条部16aの表面16bと、により構成されている。側面13aの下層12側の縁16cは、頂部16tの鉛直下方に位置する。
【0031】
また、
図3に示す構成では、上層14の裏面(下面)における突条部16aに対応する部位には、長さ方向に延びた凹部28が形成されていない。しかし、凹部28は、上層14の裏面(下面)における突条部16aに対応する部位に設けられていてもよい。
【0032】
(作用効果)
マットレス10によれば、WD方向の端部13に形成された突条部16aの角部11は、突条部16aの頂部16tから鉛直下方に延びた側面13aと、突条部16aの表面16bと、により構成されている。それゆえ、汚れ防止用のカバー体(布製のシーツ等)をマットレス10に被覆したとき、カバー体は、角部11に引っ掛かる。このため、カバー体がマットレス10からずれるのを防止できる。その結果、カバー体がマットレス10からずれて皺になる、あるいは、マットレス10が捩れるのを防止することができるので、十分なマッサージ効果を使用者に与えることができる。
【0033】
(角部11の構成例)
図3に示された構成では、角部11は、突条部16aの頂部16tから鉛直下方に延びた側面13aと、突条部16aの表面16bと、により構成されている。しかし、カバー体がマットレス10からずれるのを防止できる角部11が形成されていれば、側面13aは、頂部16tから鉛直下方に延びた面に限定されない。角部11の側面13aは、突条部16aの頂部16tまたは頂部16tよりも内側部分から水平面に対して鋭角または鉛直となるように下方に延びた面であればよい。
図4の401~403は、本実施形態に係るマットレスの角部の構成例を模式的に示す断面図である。
【0034】
図4の401に示す角部11Aでは、側面13aは、突条部16aの頂部16tから水平面に対して鋭角となるように下方に延びた面である。換言すれば、側面13aは、側面13aの下層12側の縁16cが頂部16tよりも幅方向(WD方向)の内側に位置するように、水平面に対して傾斜している。
【0035】
なお、縁16cが頂部16tよりも幅方向(WD方向)の外側に位置するように、側面13aが水平面に対して傾斜している場合、すなわち、側面13aが水平面に対して鈍角となるように下方に延びた面である場合、マットレスに対するカバー体のずれを防止する効果が弱くなる。
【0036】
また、
図4の402に示す角部11Bでは、幅方向において、側面13aは、突条部16aの頂部16tよりも内側の部分16dから鉛直下方に延びた面である。側面13aの縁16cは、頂部16tよりも内側の部分16dの鉛直下方に位置する。
【0037】
また、
図4の403に示す角部11Cでは、幅方向において、側面13aは、突条部16aの頂部16tよりも内側の部分16dから水平面に対して鋭角となるように下方に延びた面である。換言すれば、側面13aは、側面13aの縁16cが部分16dよりも幅方向(WD方向)の内側に位置するように、水平面に対して傾斜している。
【0038】
〔実施形態2〕
以下、本発明の他の実施形態について
図5を参照して説明する。
図5は、本実施形態に係るマットレス10Aの端部13を模式的に示す断面図である。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0039】
図5に示すように、本実施形態に係るマットレス10Aは、側面13aが凹凸形状15を有する点が、前記実施形態1と異なる。凹凸形状15は、幅方向(WD方向)に突出した凸部と幅方向に凹んだ凹部とにより構成されている。
【0040】
本実施形態に係るマットレス10Aによれば、汚れ防止用のカバー体(布製のシーツ等)をマットレス10Aに被覆したとき、凹凸形状15が抵抗となって、マットレス10Aに対してカバー体が移動しにくくなる。このため、カバー体がマットレス10Aからずれるのを防止できる。その結果、カバー体がマットレス10Aからずれて皺になる、あるいは、マットレス10Aが捩れるのを防止することができるので、十分なマッサージ効果を使用者に与えることができる。
【0041】
本発明は前述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【実施例0042】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0043】
(実施例1)
実施品1として、
図1~
図3に示すマットレス10を作製した。上層14として、発泡倍率が38倍であるポリエチレン系樹脂発泡体を準備した。当該ポリエチレン系樹脂発泡体の寸法は、長さ1000mm、幅660mm、厚さ50mmである。
【0044】
長さ方向に隣接する突条部16のクリアランス(溝部22の縦幅)を8mm、幅方向に隣接する突条部16のクリアランス(谷部18の横幅)を14.4mmに設定した。縦リブ24の横幅を20mm、縦リブ24の高さを5mm、横リブ26の縦幅を20mm、横リブ26の高さを5mmに設定した。また、幅方向に隣接する突条部16は、長さ方向において突条部16の半分の長さずつずれた配置となっている。
【0045】
突条部16の寸法は、長さ173.4mm、幅68.1mm、高さ27mmである。また、突条部16の表面に設けられた突起20の寸法は、径φ15mm、高さ6mmである。
【0046】
また、下層12として、発泡倍率が30倍であるポリウレタン系樹脂発泡体を準備した。当該ポリウレタン系樹脂発泡体の寸法は、長さ1000mm、幅660mm、厚さ50mmである。
【0047】
そして、実施品1に布製のカバーを被覆し、使用者が実施品1を一昼夜使用した。そして、前記布製カバーのズレ、マットレス10の撚れを目視評価するとともに、マットレス10使用時のマッサージ効果を官能評価した。
【0048】
その結果、布製カバーのズレおよびマットレス10の撚れは発生せず、使用者に対して適度のマッサージ効果が発現した。
【0049】
(実施例2)
実施品2として、
図4に示すマットレス10Aを作製した。実施品2は、
図1~
図3に示すマットレス10の側面13aに深さ1mmの凹凸形状15が形成されたこと以外、実施品1と同様である。
【0050】
実施品2に布製のカバーを被覆し、使用者が実施品2を一昼夜使用した。そして、前記布製カバーのズレ、マットレス10Aの撚れを目視評価するとともに、マットレス10A使用時のマッサージ効果を官能評価した。
【0051】
その結果、布製カバーのズレおよびマットレス10Aの撚れは発生せず、使用者に対して適度のマッサージ効果が発現した。
【0052】
(比較例)
比較品として、
図1~
図3に示す側面13aが形成されていない比較用マットレスを作製した。当該比較用マットレスの幅方向の端部には突条部の谷部となっている。比較品では、当該比較用マットレスの幅方向の端部以外の構成は、実施品1と同様である。
【0053】
比較品に布製のカバーを被覆し、使用者が比較品を一昼夜使用した。そして、前記布製カバーのズレ、比較用マットレスの撚れを目視評価するとともに、比較用マットレス使用時のマッサージ効果を官能評価した。
【0054】
その結果、布製カバーのズレが発生し、これにより、比較用マットレスに撚れが生じた。このため、使用者は、仰向けの仰臥姿勢では、背中部分に違和感があった。そして、使用者は、寝返りを打つ際にとる側臥姿勢になり、辛さを感じた。