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特開2022-135135方法、プログラム、装置およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022135135
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】方法、プログラム、装置およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20220908BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021034746
(22)【出願日】2021-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】518080651
【氏名又は名称】株式会社モノフル
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平野 将樹
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 弘幸
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
5L049CC51
(57)【要約】      (修正有)
【課題】特定のバースと近似する実態を有する他のバースの情報をユーザに提供する方法、プログラム、装置及びシステムを提供する。
【解決手段】管理サーバと表示端末による方法は、評価対象の物流拠点である評価拠点及び比較対象の物流拠点である比較拠点について、評価拠点における複数の管理項目のそれぞれの実態を示す実態データと、複数の比較拠点のそれぞれにおける、複数の管理項目のそれぞれの実態データとを比較し、それぞれの比較結果を示す数値を特定する特定段階S105と、特定した複数の数値に基づいて、評価拠点における複数の管理項目の実態データと近似する実態データを有する少なくとも1つの比較拠点を選択する選択段階S107と、選択した少なくとも1つの比較拠点に基づく情報を、ユーザが視認可能なディスプレイに表示する表示段階S125とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
評価対象の物流拠点である評価拠点、および、比較対象の物流拠点である比較拠点について、前記評価拠点における複数の管理項目のそれぞれの実態を示す実態データと、データベースに格納された、複数の前記比較拠点のそれぞれにおける、前記複数の管理項目のそれぞれの前記実態データとを比較し、それぞれの比較結果を示す数値を特定する特定段階と、
特定した複数の前記数値に基づいて、前記評価拠点における前記複数の管理項目の前記実態データと近似する前記実態データを有する少なくとも1つの前記比較拠点を選択する選択段階と、
選択した前記少なくとも1つの比較拠点に基づく情報を、ユーザが視認可能なディスプレイに表示する表示段階と
を備える方法。
【請求項2】
前記特定段階は、前記数値として、前記評価拠点における前記複数の管理項目のそれぞれの前記実態データと、前記複数の比較拠点のそれぞれにおける前記複数の管理項目のそれぞれの前記実態データとを正規化した数値の差分を特定する段階を含み、
前記選択段階は、複数の前記差分に基づいて、前記少なくとも1つの比較拠点を選択する段階を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記選択段階は、前記複数の差分が小さなものから順に予め定められた個数の前記比較拠点を選択する段階を含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の管理項目は、物流拠点におけるバース数、トラックが物流拠点のバースで積卸を行う時間帯、1日当たりに物流拠点のバースで積卸を行うトラックの台数、トラックが物流拠点のバースで積卸を行うのに要する時間の平均値、トラックが物流拠点のバースで積卸を行う時間の予約制度の利用率、および、物流拠点のバースで積卸を行うトラックが常連である割合、のうちの少なくとも何れかを含む、
請求項1から3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の管理項目は、トラックが物流拠点のバースで積卸を行う時間の予約制度の有無、物流拠点で受け付けを済ませたトラックを呼び出すルール内容、物流拠点が入庫用であるか出庫用であるかの別、トラックのドライバが物流拠点で受け付け手続きを行う際に受付簿へ識別情報を記入することの要否、および、トラックのドライバが物流拠点から退場する際の手続きの有無、のうちの少なくとも何れかを含む、
請求項1から4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記特定段階は、物流拠点の定量的に表される実績を示す、互いに種類が異なる複数の実績データに関して、前記評価拠点において成功が期待されるものとして設定された実績データの種類と、前記データベースに格納された、前記複数の比較拠点の前記実績データの種類とを比較する段階を含み、
前記選択段階は、前記評価拠点の前記実績データと前記種類が同じ前記実績データを有し、且つ、前記評価拠点における前記複数の管理項目の前記実態データと近似する前記実態データを有する、前記少なくとも1つの比較拠点を選択する段階を含む、
請求項1から5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記選択段階は、前記評価拠点の前記実績データと前記種類が同じ前記実績データを有し、且つ、前記実績データに改善傾向が示されている又は予め定められた閾値以上の改善結果が示されていて、且つ、前記評価拠点における前記複数の管理項目の前記実態データと近似する前記実態データを有する、前記少なくとも1つの比較拠点を選択する段階を含む、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記実績データの前記種類は、トラックが物流拠点のバースに到着してから積卸を開始するまでの待機時間の削減度合い又は削減率、物流拠点を稼働させるために必要とされる人員数の削減度合い又は削減率、物流拠点を稼働させるために必要とされる工程数の削減度合い又は削減率、および、物流拠点を稼働させるために必要とされるコストの削減度合い又は削減率、のうちの少なくとも何れかを含む、
請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの比較拠点の前記実績データと、前記評価拠点の前記実績データとの差分を算出する算出段階と、
算出した前記差分を前記ディスプレイに表示する第2表示段階と
を更に備える、
請求項6から8の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
物流拠点の定量的に表される実績を示す実績データに関して、前記データベースに格納された、前記少なくとも1つの比較拠点の前記実績データの過去の変移結果に基づき、前記少なくとも1つの比較拠点における、前記複数の管理項目の前記実態データと前記実績データとの相関を統計的に解析する解析段階と、
前記相関の解析結果から、前記少なくとも1つの比較拠点の前記実績データが改善する要因となった1つ又は複数の前記管理項目における運用の変更内容を示す変更データを前記データベースから抽出する抽出段階と
を更に備える、請求項1から5の何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの比較拠点の前記実績データが改善する要因となった前記1つ又は複数の管理項目のそれぞれについて、前記評価拠点の前記実態データと前記少なくとも1つの比較拠点の前記実態データとを正規化した数値の差分の有無を判定する判定段階と、
前記差分が存在する場合に、前記差分が存在する前記管理項目の前記変更データを前記ディスプレイに表示する第2表示段階と
を更に備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの比較拠点の前記実績データが改善する要因となった前記1つ又は複数の管理項目のそれぞれについて、前記評価拠点の前記実態データと前記少なくとも1つの比較拠点の前記実態データとを正規化した数値の差分の有無を判定する判定段階と、
前記差分が存在する場合に、前記差分が存在する前記管理項目における前記運用の変更内容を前記評価拠点に適用することをシミュレーションし、前記運用の変更内容が適用された後の前記評価拠点における変化後の前記実績データを推定する推定段階と
を更に備える、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記評価拠点について推定した前記変化後の実績データを、前記差分が存在する前記管理項目の前記変更データと共に前記ディスプレイに表示する第2表示段階を更に備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記特定段階は、互いに種類が異なる複数の前記実績データに関して、前記評価拠点において成功が期待されるものとして設定された前記実績データの種類と、前記データベースに格納された、前記複数の比較拠点の前記実績データの種類とを比較する段階を含み、
前記選択段階は、前記評価拠点の前記実績データと前記種類が同じ前記実績データを有し、且つ、前記評価拠点における前記複数の管理項目の前記実態データと近似する前記実態データを有する、前記少なくとも1つの比較拠点を選択する段階を含み、
前記少なくとも1つの比較拠点の前記実績データと、前記評価拠点について推定した前記変化後の実績データとの第2差分を算出する第2算出段階と、
前記評価拠点について推定した前記変化後の実績データを、前記差分が存在する前記管理項目の前記変更データおよび前記第2差分と共に前記ディスプレイに表示する第2表示段階と
を更に備える、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
推定した前記変化後の実績データを有する前記評価拠点について、前記特定段階、前記選択段階、前記解析段階、前記抽出段階および前記判定段階をこの順に繰り返す繰返段階と、
前記評価拠点について推定した前記変化後の実績データを、前記繰返段階の前の前記判定段階および前記繰返段階における2回目の前記判定段階のそれぞれで前記差分が存在すると判定された前記管理項目の前記変更データと共に前記ディスプレイに表示する第2表示段階と
を更に備える、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
評価対象の物流拠点である評価拠点、および、比較対象の物流拠点である比較拠点について、前記評価拠点における複数の管理項目のそれぞれの実態を示す実態データと、データベースに格納された、複数の前記比較拠点のそれぞれにおける、前記複数の管理項目のそれぞれの前記実態データとを比較し、それぞれの比較結果を示す数値を特定する特定手順と、
特定した複数の前記数値に基づいて、前記評価拠点における前記複数の管理項目の前記実態データと近似する前記実態データを有する少なくとも1つの前記比較拠点を選択する選択手順と、
選択した前記少なくとも1つの比較拠点に基づく情報を、ユーザが視認可能なディスプレイに表示する表示手順と
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項17】
格納部と、
評価対象の物流拠点である評価拠点、および、比較対象の物流拠点である比較拠点について、前記評価拠点における複数の管理項目のそれぞれの実態を示す実態データと、前記格納部に格納された、複数の前記比較拠点のそれぞれにおける、前記複数の管理項目のそれぞれの前記実態データとを比較し、それぞれの比較結果を示す数値を特定する特定部と、
特定した複数の前記数値に基づいて、前記評価拠点における前記複数の管理項目の前記実態データと近似する前記実態データを有する少なくとも1つの前記比較拠点を選択する選択部と、
選択した前記少なくとも1つの比較拠点に基づく情報を、ユーザが視認可能なディスプレイに表示する表示部と
を備える装置。
【請求項18】
ネットワークを介して相互に通信する表示端末および管理サーバを備えるシステムであって、
前記表示端末は、ユーザから、評価対象の物流拠点である評価拠点における複数の管理項目のそれぞれの実態を示す実態データの入力を受け付けた場合に、前記実態データを前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、
データベースと、
前記表示端末から前記実態データを受信した場合に、前記評価拠点、および、比較対象の物流拠点である比較拠点について、前記評価拠点における前記実態データと、前記データベースに格納された、複数の前記比較拠点のそれぞれにおける、前記複数の管理項目のそれぞれの前記実態データとを比較し、それぞれの比較結果を示す数値を特定する特定部と、
特定した複数の前記数値に基づいて、前記評価拠点における前記複数の管理項目の前記実態データと近似する前記実態データを有する少なくとも1つの前記比較拠点を選択する選択部と、
前記表示端末から前記実態データを受信し、選択した前記少なくとも1つの比較拠点を示す情報を前記表示端末に送信する通信部と
を有し、
前記表示端末は、前記少なくとも1つの比較拠点を示す情報を受信した場合に、前記少なくとも1つの比較拠点に基づく情報を、前記ユーザが視認可能なディスプレイに表示する、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、方法、プログラム、装置およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
「荷物運搬車両の待機時間の長期化を解消する管理システム」が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2019-6555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記管理システムによれば、「より適切な着バース案内をするための着バース端末上での情報提示及び/又はドライバー端末上での情報提示」(段落0096)を行うが、特定のバースと近似する実態を有する他のバースの情報をユーザに提供することができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様においては、方法が提供される。方法は、評価対象の物流拠点である評価拠点、および、比較対象の物流拠点である比較拠点について、評価拠点における複数の管理項目のそれぞれの実態を示す実態データと、データベースに格納された、複数の比較拠点のそれぞれにおける、複数の管理項目のそれぞれの実態データとを比較し、それぞれの比較結果を示す数値を特定する特定段階を備えてもよい。方法は、特定した複数の数値に基づいて、評価拠点における複数の管理項目の実態データと近似する実態データを有する少なくとも1つの比較拠点を選択する選択段階を備えてもよい。方法は、選択した少なくとも1つの比較拠点に基づく情報を、ユーザが視認可能なディスプレイに表示する表示段階を備えてもよい。
【0005】
特定段階は、数値として、評価拠点における複数の管理項目のそれぞれの実態データと、複数の比較拠点のそれぞれにおける複数の管理項目のそれぞれの実態データとを正規化した数値の差分を特定する段階を含んでもよい。選択段階は、複数の差分に基づいて、少なくとも1つの比較拠点を選択する段階を含んでもよい。
【0006】
選択段階は、複数の差分が小さなものから順に予め定められた個数の比較拠点を選択する段階を含んでもよい。
【0007】
複数の管理項目は、物流拠点におけるバース数、トラックが物流拠点のバースで積卸を行う時間帯、1日当たりに物流拠点のバースで積卸を行うトラックの台数、トラックが物流拠点のバースで積卸を行うのに要する時間の平均値、トラックが物流拠点のバースで積卸を行う時間の予約制度の利用率、および、物流拠点のバースで積卸を行うトラックが常連である割合、のうちの少なくとも何れかを含んでもよい。
【0008】
複数の管理項目は、トラックが物流拠点のバースで積卸を行う時間の予約制度の有無、物流拠点で受け付けを済ませたトラックを呼び出すルール内容、物流拠点が入庫用であるか出庫用であるかの別、トラックのドライバが物流拠点で受け付け手続きを行う際に受付簿へ識別情報を記入することの要否、および、トラックのドライバが物流拠点から退場する際の手続きの有無、のうちの少なくとも何れかを含んでもよい。
【0009】
特定段階は、物流拠点の定量的に表される実績を示す、互いに種類が異なる複数の実績データに関して、評価拠点において成功が期待されるものとして設定された実績データの種類と、データベースに格納された、複数の比較拠点の実績データの種類とを比較する段階を含んでもよい。選択段階は、評価拠点の実績データと種類が同じ実績データを有し、且つ、評価拠点における複数の管理項目の実態データと近似する実態データを有する、少なくとも1つの比較拠点を選択する段階を含んでもよい。
【0010】
選択段階は、評価拠点の実績データと種類が同じ実績データを有し、且つ、実績データに改善傾向が示されている又は予め定められた閾値以上の改善結果が示されていて、且つ、評価拠点における複数の管理項目の実態データと近似する実態データを有する、少なくとも1つの比較拠点を選択する段階を含んでもよい。
【0011】
実績データの種類は、トラックが物流拠点のバースに到着してから積卸を開始するまでの待機時間の削減度合い又は削減率、物流拠点を稼働させるために必要とされる人員数の削減度合い又は削減率、物流拠点を稼働させるために必要とされる工程数の削減度合い又は削減率、および、物流拠点を稼働させるために必要とされるコストの削減度合い又は削減率、のうちの少なくとも何れかを含んでもよい。
【0012】
方法は、少なくとも1つの比較拠点の実績データと、評価拠点の実績データとの差分を算出する算出段階を更に備えてもよい。方法は、算出した差分をディスプレイに表示する第2表示段階を更に備えてもよい。
【0013】
方法は、物流拠点の定量的に表される実績を示す実績データに関して、データベースに格納された、少なくとも1つの比較拠点の実績データの過去の変移結果に基づき、少なくとも1つの比較拠点における、複数の管理項目の実態データと実績データとの相関を統計的に解析する解析段階を更に備えてもよい。方法は、相関の解析結果から、少なくとも1つの比較拠点の実績データが改善する要因となった1つ又は複数の管理項目における運用の変更内容を示す変更データをデータベースから抽出する抽出段階を更に備えてもよい。
【0014】
方法は、少なくとも1つの比較拠点の実績データが改善する要因となった1つ又は複数の管理項目のそれぞれについて、評価拠点の実態データと少なくとも1つの比較拠点の実態データとを正規化した数値の差分の有無を判定する判定段階を更に備えてもよい。方法は、差分が存在する場合に、差分が存在する管理項目の変更データをディスプレイに表示する第2表示段階を更に備えてもよい。
【0015】
方法は、少なくとも1つの比較拠点の実績データが改善する要因となった1つ又は複数の管理項目のそれぞれについて、評価拠点の実態データと少なくとも1つの比較拠点の実態データとを正規化した数値の差分の有無を判定する判定段階を更に備えてもよい。方法は、差分が存在する場合に、差分が存在する管理項目における運用の変更内容を評価拠点に適用することをシミュレーションし、運用の変更内容が適用された後の評価拠点における変化後の実績データを推定する推定段階を更に備えてもよい。
【0016】
方法は、評価拠点について推定した変化後の実績データを、差分が存在する管理項目の変更データと共にディスプレイに表示する第2表示段階を更に備えてもよい。
【0017】
特定段階は、互いに種類が異なる複数の実績データに関して、評価拠点において成功が期待されるものとして設定された実績データの種類と、データベースに格納された、複数の比較拠点の実績データの種類とを比較する段階を含んでもよい。選択段階は、評価拠点の実績データと種類が同じ実績データを有し、且つ、評価拠点における複数の管理項目の実態データと近似する実態データを有する、少なくとも1つの比較拠点を選択する段階を含んでもよい。方法は、少なくとも1つの比較拠点の実績データと、評価拠点について推定した変化後の実績データとの第2差分を算出する第2算出段階を更に備えてもよい。方法は、評価拠点について推定した変化後の実績データを、差分が存在する管理項目の変更データおよび第2差分と共にディスプレイに表示する第2表示段階を更に備えてもよい。
【0018】
方法は、推定した変化後の実績データを有する評価拠点について、特定段階、選択段階、解析段階、抽出段階および判定段階をこの順に繰り返す繰返段階を更に備えてもよい。方法は、評価拠点について推定した変化後の実績データを、繰返段階の前の判定段階および繰返段階における2回目の判定段階のそれぞれで差分が存在すると判定された管理項目の変更データと共にディスプレイに表示する第2表示段階を更に備えてもよい。
【0019】
本発明の一態様においては、プログラムが提供される。プログラムは、コンピュータに、評価対象の物流拠点である評価拠点、および、比較対象の物流拠点である比較拠点について、評価拠点における複数の管理項目のそれぞれの実態を示す実態データと、データベースに格納された、複数の比較拠点のそれぞれにおける、複数の管理項目のそれぞれの実態データとを比較し、それぞれの比較結果を示す数値を特定する特定手順を実行させてもよい。プログラムは、コンピュータに、特定した複数の数値に基づいて、評価拠点における複数の管理項目の実態データと近似する実態データを有する少なくとも1つの比較拠点を選択する選択手順を実行させてもよい。プログラムは、コンピュータに、選択した少なくとも1つの比較拠点に基づく情報を、ユーザが視認可能なディスプレイに表示する表示手順を実行させてもよい。
【0020】
本発明の一態様においては、装置が提供される。装置は、格納部を備えてもよい。装置は、評価対象の物流拠点である評価拠点、および、比較対象の物流拠点である比較拠点について、評価拠点における複数の管理項目のそれぞれの実態を示す実態データと、格納部に格納された、複数の比較拠点のそれぞれにおける、複数の管理項目のそれぞれの実態データとを比較し、それぞれの比較結果を示す数値を特定する特定部を備えてもよい。装置は、特定した複数の数値に基づいて、評価拠点における複数の管理項目の実態データと近似する実態データを有する少なくとも1つの比較拠点を選択する選択部を備えてもよい。装置は、選択した少なくとも1つの比較拠点に基づく情報を、ユーザが視認可能なディスプレイに表示する表示部を備えてもよい。
【0021】
本発明の一態様においては、システムが提供される。システムは、ネットワークを介して相互に通信する表示端末および管理サーバを備えてもよい。表示端末は、ユーザから、評価対象の物流拠点である評価拠点における複数の管理項目のそれぞれの実態を示す実態データの入力を受け付けた場合に、実態データを管理サーバに送信してもよい。管理サーバは、データベースを有してもよい。管理サーバは、表示端末から実態データを受信した場合に、評価拠点、および、比較対象の物流拠点である比較拠点について、評価拠点における実態データと、データベースに格納された、複数の比較拠点のそれぞれにおける、複数の管理項目のそれぞれの実態データとを比較し、それぞれの比較結果を示す数値を特定する特定部を有してもよい。システムは、特定した複数の数値に基づいて、評価拠点における複数の管理項目の実態データと近似する実態データを有する少なくとも1つの比較拠点を選択する選択部を有してもよい。システムは、表示端末から実態データを受信し、選択した少なくとも1つの比較拠点を示す情報を表示端末に送信する通信部を有してもよい。表示端末は、少なくとも1つの比較拠点を示す情報を受信した場合に、少なくとも1つの比較拠点に基づく情報を、ユーザが視認可能なディスプレイに表示してもよい。
【0022】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】一実施形態によるシステム10の概略図である。
図2】一実施形態による管理サーバ100のブロック図である。
図3】一実施形態による方法のフロー図である。
図4】一実施形態による表示端末30のディスプレイに表示される画像の一例である。
図5】一実施形態による、管理サーバ100のデータベース107に格納されるテーブルの一例である。
図6】一実施形態による、複数の管理項目について、評価拠点の実態データと複数の比較拠点の実態データとを比較する方法を説明するための図である。
図7】一実施形態による表示端末30のディスプレイに表示される画像の一例である。
図8】一実施形態による、管理サーバ100のデータベース107に格納されるテーブルの一例である。
図9】一実施形態による、比較拠点Cにおける、複数の管理項目の実態データと実績データとの相関を統計的に解析し、実績データが改善する要因となった管理項目における運用の変更内容を示す変更データを抽出する方法を説明するための図である。
図10】一実施形態による表示端末30のディスプレイに表示される画像の一例である。
図11】本発明の複数の態様が全体的又は部分的に具現化されうるコンピュータ1200の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一または類似の部分には同一の参照番号を付して、重複する説明を省く場合がある。
【0025】
図1は、一実施形態によるシステム10の概略図である。システム10は、通信ネットワーク50を介して相互に通信する表示端末30および管理サーバ100を備える。システム10は、評価対象となる物流拠点の、複数の管理項目の実態を示す実態データの入力を受け付けた場合に、システム10が保有している他の複数の物流拠点の情報から、複数の管理項目の実態が近似している1又は複数の物流拠点を選択し、ユーザ20に向けて当該1又は複数の物流拠点に基づく情報を表示する。なお、通信ネットワーク50は有線か無線かを問わない。
【0026】
本明細書において、評価対象となる物流拠点を評価拠点と称する場合があり、また同様に、比較対象となる物流拠点を比較拠点と称する場合がある。なお、物流拠点とは、一例として、荷物の積卸を行う施設であってもよい。
【0027】
表示端末30は、ユーザ20から、評価拠点における複数の管理項目のそれぞれの実態を示す実態データの入力を受け付けた場合に、当該実態データを管理サーバ100に送信する。表示端末30は、少なくとも1つの比較拠点に基づく情報を受信した場合に、当該情報を、ユーザ20が視認可能なディスプレイに表示する。
【0028】
表示端末30は、一例として、スマートフォンやタブレットなどのタッチパネル型の通信端末であってもよく、ユーザ20によって所有されてもよい。表示端末30は、タッチパネルディスプレイ上で、ユーザ20により実態データを入力されてもよい。
【0029】
表示端末30は、一例として、当該システム用に予めインストールされたアプリケーションをユーザ20によって起動された後、当該アプリケーション上で、実態データの入力を受け付けて管理サーバ100に送信してもよい。表示端末30は、一例として、管理サーバ100から比較拠点に基づく情報を受信した場合に、当該アプリケーション上で、当該情報をディスプレイに表示してもよい。
【0030】
管理サーバ100は、表示端末30から評価拠点の実態データを受信した場合に、当該実態データを管理サーバ100が保有する複数の比較拠点の実態データと比較する。管理サーバ100は、当該比較結果に基づき、実態データが近似する1又は複数の比較拠点を選択する。管理サーバ100は、選択した1又は複数の比較拠点に基づく情報を表示端末30に送信する。管理サーバ100は、一例として、物流会社をコンサルティングする会社によって管理されてもよい。
【0031】
図2は、一実施形態による管理サーバ100のブロック図である。管理サーバ100は、通信部101と、特定部103と、選択部105と、データベース107とを備える。本実施形態における管理サーバ100は更に、算出部109と、解析部111と、抽出部113と、判定部115と、推定部117とを備える。なお、管理サーバ100は、算出部109と、解析部111と、抽出部113と、判定部115と、推定部117とを備えなくてもよい。
【0032】
通信部101は、管理サーバ100の外部の装置、例えば表示端末30と相互に通信する。本実施形態において、通信部101は、表示端末30から評価拠点における複数の管理項目の実態データを受信した場合に、当該実態データを特定部103に出力する。通信部101は、選択部105が選択した少なくとも1つの比較拠点に基づく情報を選択部105から入力された場合に、当該情報を表示端末30に送信する。
【0033】
本実施形態における通信部101は更に、表示端末30から、評価拠点の実態データに加えて評価拠点の実績データも受信した場合に、当該実態データも特定部103に出力する。実績データは、物流拠点の定量的に表される実績を示す。
【0034】
実績データには、一例として、複数の種類が存在する。ユーザ20が表示端末30に入力する実績データは、一例として、互いに種類が異なる複数の実績データに関して、評価拠点において成功が期待されるものとして設定された実績データの種類と、ユーザ20がデータ入力する時点における、評価拠点の実績とを含む。
【0035】
特定部103は、通信部101から評価拠点の実態データを入力された場合に、評価拠点における実態データと、データベース107に格納された、複数の比較拠点のそれぞれにおける、複数の管理項目のそれぞれの実態データとを比較する。特定部103は更に、それぞれの比較結果を示す数値を特定する。
【0036】
本実施形態における特定部103は、より具体的には、当該数値として、評価拠点における複数の管理項目のそれぞれの実態データと、複数の比較拠点のそれぞれにおける複数の管理項目のそれぞれの実態データとを正規化した数値の差分を特定する。
【0037】
本実施形態における特定部103は更に、通信部101から評価拠点の実績データも入力された場合に、評価拠点において成功が期待されるものとして設定された実績データの種類と、データベース107に格納された、複数の比較拠点の実績データの種類とを比較する。本実施形態における特定部103は、評価拠点の実態データと1又は複数の比較拠点の実態データとを比較する前に実績データの比較を行う。その結果として、特定部103は、実態データに関する評価拠点との比較対象を、評価拠点の実績データと種類が同じ実績データを有する1又は複数の比較拠点に絞る。
【0038】
特定部103は、特定した上記の複数の数値を選択部105に出力する。本実施形態における特定部103は、評価拠点と各比較拠点とについて特定した複数の差分に加えて、評価拠点と、比較対象として絞った1又は複数の比較拠点との間で共通する実績データの種類、および、各拠点の実績を選択部105に出力する。なお、実績データの比較に関して、特定部103は、評価拠点の実態データと1又は複数の比較拠点の実態データとの比較から独立して、別個に、実績データの比較を行い、比較結果を選択部105に出力してもよい。
【0039】
選択部105は、特定部103から上記の複数の数値を入力された場合に、当該複数の数値に基づいて、評価拠点における複数の管理項目の実態データと近似する実態データを有する少なくとも1つの比較拠点を選択する。
【0040】
本実施形態における選択部105は、特定部103から上記の複数の差分および実績データの種類を入力された場合に、当該複数の差分および当該種類に基づいて、評価拠点の実績データと種類が同じ実績データを有し、且つ、評価拠点における複数の管理項目の実態データと近似する実態データを有する、少なくとも1つの比較拠点を選択する。
【0041】
より具体的には、選択部105は、評価拠点の実績データと種類が同じ実績データを有する1又は複数の比較拠点のうち、当該複数の差分が小さなものから順に予め定められた個数の比較拠点を選択する。
【0042】
選択部105は、選択した少なくとも1つの比較拠点を示す情報を通信部101に出力する。本実施形態における選択部105は更に、当該情報を算出部109および解析部111にも出力する。また、本実施形態における選択部105は、特定部103から上記の実績データを入力された場合に、当該実績データを、選択した少なくとも1つの比較拠点を示す情報と共に、算出部109および解析部111に出力する。
【0043】
算出部109は、選択部105から上記の比較拠点を示す情報と実績データとを入力された場合に、少なくとも1つの比較拠点の実績データと、評価拠点の実績データとの差分を算出する。より具体的には、算出部109は、少なくとも1つの比較拠点の実績と、評価拠点の実績との差分を算出する。算出部109は、算出した当該差分を通信部101に出力する。
【0044】
解析部111は、選択部105から上記の比較拠点を示す情報と実績データとを入力された場合に、データベース107に格納された、当該比較拠点の実績データの過去の変移結果を参照する。解析部111は更に、当該変移結果に基づき、当該比較拠点における、複数の管理項目の実態データと実績データとの相関を統計的に解析する。解析部111は、相関の解析結果を抽出部113に出力する。
【0045】
抽出部113は、解析部111から当該比較拠点における上記の相関の解析結果を入力された場合に、当該解析結果から、当該比較拠点の実績データが改善する要因となった1つ又は複数の管理項目における運用の変更内容を示す変更データをデータベース107から抽出する。抽出部113は、抽出した変更データを判定部115に出力する。
【0046】
判定部115は、抽出部113から当該変更データを入力された場合に、当該変更データに示される、当該比較拠点の実績データが改善する要因となった1つ又は複数の管理項目のそれぞれについて、評価拠点の実態データと当該比較拠点の実態データとを正規化した数値の差分の有無を判定する。判定部115は、少なくとも1つの管理項目について当該差分が存在すると判定した場合に、その旨を当該変更データと共に推定部117に出力する。
【0047】
推定部117は、判定部115から上記の差分が存在する旨と当該変更データとを入力された場合に、差分が存在する管理項目における運用の変更内容を評価拠点に適用することをシミュレーションする。推定部117は更に、運用の変更内容が適用された後の評価拠点における変化後の実績データを推定する。
【0048】
推定部117は、評価拠点について推定した変化後の実績データを、差分が存在する管理項目の変更データと共に通信部101に出力する。推定部117は更に、評価拠点について推定した変化後の実績データを算出部109に出力し、当該比較拠点の実績データと、評価拠点について推定した変化後の実績データとの第2差分を算出させてもよい。この場合、算出部109は、評価拠点について推定した変化後の実績データを、差分が存在する管理項目の変更データおよび当該第2差分と共に通信部101に出力してもよい。
【0049】
推定部117は更に、評価拠点について推定した変化後の実績データを特定部103に出力し、推定した変化後の実績データを有する評価拠点について、特定部103、選択部105、解析部111、抽出部113および判定部115のそれぞれにおける処理をこの順に繰り返させてもよい。この場合、推定部117は、判定部115から2回目の上記入力があった場合、評価拠点について推定した変化後の実績データを、判定部115において1回目に差分が存在すると判定された管理項目の変更データ、および、判定部115において2回目に差分が存在すると判定された管理項目の変更データと共に、通信部101に出力してもよい。
【0050】
図3は、一実施形態による方法のフロー図である。また、図4は、一実施形態による表示端末30のディスプレイに表示される画像の一例である。また、図5は、一実施形態による、管理サーバ100のデータベース107に格納されるテーブルの一例である。また、図6は、一実施形態による、複数の管理項目について、評価拠点の実態データと複数の比較拠点の実態データとを比較する方法を説明するための図である。
【0051】
また、図7は、一実施形態による表示端末30のディスプレイに表示される画像の一例である。また、図8は、一実施形態による、管理サーバ100のデータベース107に格納されるテーブルの一例である。また、図9は、一実施形態による、比較拠点Cにおける、複数の管理項目の実態データと実績データとの相関を統計的に解析し、実績データが改善する要因となった管理項目における運用の変更内容を示す変更データを抽出する方法を説明するための図である。また、図10は、一実施形態による表示端末30のディスプレイに表示される画像の一例である。
【0052】
以下で図3に示すフローを説明するにあたり、図4図10を適宜、参照する。図3に示すフローは、一例として、ユーザ20が、表示端末30に予めインストールされた、システム10用のアプリケーションを起動することによって開始されてもよい。ユーザ20は、表示端末30のディスプレイに表示されるアプリケーションの操作説明に従って、当該フローで必要とされる、表示端末30上の各操作を行ってもよい。
【0053】
表示端末30は、ユーザ20に、評価拠点における複数の管理項目のそれぞれの実態を示す実態データ、および、評価拠点の実績データを入力させる(ステップS101)。図4には、ユーザ20が表示端末30のディスプレイ上で評価拠点の実態データおよび実績データを入力するための画像の一例を示す。
【0054】
図4に示す例のように、複数の管理項目における実態データは、種別1と種別2に大別されてもよい。種別1に含まれる実態データは、一例として、個数や割合のように、数値で表される生データである。種別2に含まれる実態データは、一例として、種別1に分類できないデータ、例えばカテゴリ変数にダミー変数を割り当てたものである。
【0055】
図4に示す例のように、種別1において、複数の管理項目は、バース数、積卸時間帯、トラック台数/日、バラ積みの場合における平均積卸所要時間、パレット積みの場合における平均積卸所要時間、予約制度利用率、および、常連割合のうちの少なくとも何れかを含んでもよい。
【0056】
バース数は、一例として、物流拠点におけるバースの数である。積卸時間帯は、一例として、トラックが物流拠点のバースで積卸を行う時間帯である。積卸時間帯は任意の方法で定義されてもよく、図4に示す例では、24時間を4分割し、0-6時の場合を数値0、6-12時の場合を数値1、12-18時の場合を数値2、18-24時の場合を数値3で定義する。
【0057】
トラック台数/日は、一例として、1日当たりに物流拠点のバースで積卸を行うトラックの台数である。平均積卸所要時間は、一例として、トラックが物流拠点のバースで積卸を行うのに要する時間の平均値である。平均積卸所要時間は任意の方法で定義されてもよく、図4に示す例では、トラック1台当たりにかかる時間(分)の平均値で定義する。
【0058】
予約制度利用率は、一例として、トラックが物流拠点のバースで積卸を行う時間の予約制度の利用率である。常連割合は、一例として、物流拠点のバースで積卸を行うトラックが常連である割合である。予約制度利用率および常連割合は任意の方法で定義されてもよく、図4に示す例では、百分率で定義する。
【0059】
また、図4に示す例のように、種別2において、複数の管理項目は、予約制度有無、呼び出しルール内容、入庫用/出庫用の別、識別情報記入要否、および、退場手続有無のうちの少なくとも何れかを含んでもよい。種別2に含まれる管理項目の実態データは任意の方法でダミー変数を割り当ててもよく、図4に示す例では、0、1および2の何れかのダミー変数が割り当てられている。
【0060】
予約制度有無は、一例として、トラックが物流拠点のバースで積卸を行う時間の予約制度の有無である。図4に示す例では、予約制度が有る場合を0、無い場合を1と定義する。
【0061】
呼び出しルール内容は、一例として、物流拠点で受け付けを済ませたトラックを呼び出すルール内容である。図4に示す例では、呼び出しルール内容が、受け付け順の場合を0、予約優先の場合を1、自社車両優先の場合を2と定義する。
【0062】
入庫用/出庫用の別は、一例として、物流拠点が入庫用であるか出庫用であるかの別である。図4に示す例では、入庫用の場合を0、出庫用の場合を1と定義する。
【0063】
識別情報記入要否は、一例として、トラックのドライバが物流拠点で受け付け手続きを行う際に受付簿へ識別情報を記入することの要否である。図4に示す例では、記入が必要な場合を0、記入が不要な場合を1と定義する。
【0064】
退場手続有無は、一例として、トラックのドライバが物流拠点から退場する際の手続きの有無である。図4に示す例では、手続きが有る場合を0、手続きが無い場合を1と定義する。
【0065】
評価拠点の実績データは、互いに種類が異なる複数の実績データに関して、評価拠点において成功が期待されるものとして設定された実績データの種類と、ユーザ20がデータ入力する時点における、評価拠点の実績とを含む。
【0066】
実績データの種類は、一例として、待機時間の削減度合い又は削減率、人員数の削減度合い又は削減率、工程数の削減度合い又は削減率、および、コストの削減度合い又は削減率、のうちの少なくとも何れかを含む。
【0067】
待機時間は、一例として、トラックが物流拠点のバースに到着してから積卸を開始するまでの時間である。人員数は、一例として、物流拠点を稼働させるために必要とされる人の数である。
【0068】
工程数は、一例として、物流拠点を稼働させるために必要とされる工程の数である。コストは、一例として、物流拠点を稼働させるために必要とされるコストであり、人件費、設備費などを含む。
【0069】
実績は、例えば、現時点における待機時間が過去の任意の時点における待機時間に比べてどれだけ短縮されたかを示すものであってもよく、百分率で表されてもよい。なお、評価拠点の実績は、一例として、ユーザ20がデータ入力する時点において0%であってもよい。
【0070】
図3のフローにおいて、表示端末30は、ユーザ20から評価拠点の実態データおよび実績データの入力を受け付けた場合に、実態データおよび実績データを管理サーバ100に送信する(ステップS103)。
【0071】
管理サーバ100は、表示端末30から評価拠点の実態データおよび実績データを受信した場合に、特定段階を実行する(ステップS105)。より具体的には、本実施形態における特定部103は、評価拠点の実態データと1又は複数の比較拠点の実態データとを比較する前に、評価拠点の実績データの種類と、データベース107に格納された、複数の比較拠点の実績データの種類とを比較する。これにより、特定部103は、実態データに関する評価拠点との比較対象を、評価拠点の実績データと種類が同じ実績データを有する複数の比較拠点に絞る。なお、特定部103は、実績データの種類に基づいて、実態データの比較対象を絞らなくてもよい。
【0072】
特定部103は、評価拠点の実態データと、実績データの種類に基づいて絞られた、上記の複数の比較拠点のそれぞれの実態データとを比較する。図5には、管理サーバ100のデータベース107に格納されているテーブルの一例として、当該複数の比較拠点のそれぞれの、複数の管理項目における実態データと実績データとを含むテーブルを示す。図5に示す当該テーブルには、一例として、比較拠点A、比較拠点B、比較拠点C、比較拠点D、および、比較拠点Eの各データが含まれる。
【0073】
図5に示す例では、特定部103は、実態データの比較対象として、図4に示す評価拠点の実績データの種類と同じ、「待機時間削減率」の実績を有する上記5つの比較拠点に限定している。
【0074】
特定部103は、一例として、図4に示す、ユーザ20によって入力された評価拠点の実態データと、図5に示す当該テーブル内の、比較拠点A~Eのそれぞれにおける複数の管理項目の実態データとを比較する。
【0075】
図6には、図4および図5に示した複数の管理項目について、評価拠点の実態データと複数の比較拠点の実態データとを比較する方法を説明するための概念図を示す。図6には、単に説明を目的として、評価拠点および比較拠点A~Eにおける各管理項目の実態データを0~1の範囲内で正規化した数値をプロットしたレーダーチャートを、評価拠点および比較拠点A~Eのそれぞれについて示している。
【0076】
図6に示す例のように、特定部103は、評価拠点および比較拠点A~Eについて、図4および図5に示した複数の管理項目のうち、種別1に含まれる複数の管理項目のそれぞれの実態データを個別に、0~1の範囲内で正規化する。特定部103は、評価拠点と、比較拠点A~Eのそれぞれとの間における、各管理項目の実態データの差分を特定する。より具体的には、特定部103は、種別1に含まれる実態データについては、正規化した数値の差分を特定し、種別2に含まれる実態データについては、評価拠点と各比較拠点との間でダミー変数が一致する場合に差分0を特定し、ダミー変数が一致しない場合に差分1を特定する。
【0077】
図3のフローにおいて、管理サーバ100は、特定段階に続けて、選択段階を実行し(ステップS107)、更に第1算出段階を実行する(ステップS109)。
【0078】
より具体的には、本実施形態における選択部105は、評価拠点の実績データと種類が同じ実績データを有する1又は複数の比較拠点のうち、特定部103が特定した上記の複数の差分が小さなものから順に予め定められた個数の比較拠点を選択する。また、本実施形態における算出部109は、選択部105によって選択された少なくとも1つの比較拠点の実績データと、評価拠点の実績データとの差分を算出する。
【0079】
図7には、選択部105が、上記の複数の差分が小さなものから順に2つの比較拠点を選択し、算出部109が更に、評価拠点の実績データと2つの比較拠点のそれぞれの実績データとの差分を算出し、表示端末30のディスプレイに表示させた画像の例を示す。図7に示す例では、選択部105は、図4に示した評価拠点と図5に示した比較拠点A~Eのそれぞれとの間における、当該複数の差分の絶対値の合計を算出し、当該合計が一番小さな比較拠点Cと、二番目に小さな比較拠点Bとを選択し、表示端末30に表示させている。
【0080】
なお、選択部105は、評価拠点と1又は複数の比較拠点のそれぞれとの間における当該複数の差分の絶対値の合計を算出することに代えて、当該複数の差分の二乗和を算出してもよい。この場合も、選択部105は、当該二乗和が小さなものから順に予め定められた個数の比較拠点を選択してもよい。また、選択部105は、種別2に含まれる実態データについて割り当てられたダミー変数の影響が、種別1に含まれる実態データの数値変数の影響よりも大きく出ることを抑止すべく、ダミー変数に対して、トライアンドエラーで決めた重みを付けた上で、複数の差分の絶対値の合計を算出したり、二乗和を算出したりしてもよい。
【0081】
なお、選択部105は、評価拠点の実績データと種類が同じ実績データを有し、且つ、実績データに改善傾向が示されている又は予め定められた閾値以上の改善結果が示されていて、且つ、評価拠点における複数の管理項目の実態データと近似する実態データを有する、少なくとも1つの比較拠点を選択するように構成されていてもよい。当該閾値は、データベース107に格納されていてもよい。
【0082】
また、図7に示す例では、算出部109は、評価拠点と比較拠点Cおよび比較拠点Bのそれぞれとの間における、待機時間削減率の実績の差分を算出し、表示端末30に表示させている。図7に示す例のように、各実績が百分率で表される場合、算出部109は、当該差分を百分率で算出してもよい。なお、図7の、表示端末30のディスプレイに表示させた画像に示される情報の少なくとも何れかは、少なくとも1つの比較拠点に基づく情報の一例である。
【0083】
図3のフローにおいて、管理サーバ100は、第1算出段階に続けて、解析段階を実行し(ステップS111)、更に抽出段階を実行する(ステップS113)。より具体的には、本実施形態における解析部111は、データベース107を参照し、選択部105によって選択された比較拠点Cの実績データの過去の変移結果を取得する。解析部111は更に、当該変移結果に基づき、比較拠点Cにおける、複数の管理項目の実態データと実績データとの相関を統計的に解析する。解析部111は、上記の複数の差分が二番目に小さかった比較拠点Bについても同様に、相関を解析してもよい。なお、解析部111は、例えば重回帰分析などの統計手法を用いて、当該相関を解析してもよい。
【0084】
また、本実施形態における抽出部113は、当該相関の解析結果から、比較拠点Cの実績データが改善する要因となった1つ又は複数の管理項目における運用の変更内容を示す変更データをデータベース107から抽出する。
【0085】
図8には、データベース107に格納されるテーブルの一例として、比較拠点Cの実績データの過去の変移結果と、比較拠点Cの過去の実態データとを含むテーブルを示す。図8に示す例では、当該テーブルに、比較拠点Cの最新の実績データと、最新の時点から過去1年間における3ヶ月ごと4回分の実績データとが含まれる。また、当該テーブルに、比較拠点Cの複数の管理項目における運用の変更内容を示す変更データとして、実態データの数値の変更内容を矢印で示す。
【0086】
図9には、解析部111による上記の相関の解析方法、および、当該解析結果から抽出部113が変更データを抽出する方法の一例を示す。図9に示す例では、解析部111は、テーブル内の複数の管理項目のうち、積卸時間帯、入庫用/出庫用の別、および、識別情報記入要否は、テーブルに示される期間内に変更が無いため、実績データとの間に相関を有する実態データの対象から除外する。
【0087】
また、解析部111は、評価拠点との間で共通する実績データの種類である待機時間削減率の実績について、2020年4月から2020年7月の間には変異が無かったと判断し、2020年4月に変更された呼び出しルール内容と、待機時間削減率の実績との間に相関は無いと判断する。
【0088】
また、解析部111は、待機時間削減率の実績について、2020年1月から2020年4月の間、2020年7月から2020年10月の間、および、2020年10月から2021年1月の間はそれぞれ変異が有ったと判断し、各期間に変更された実態データと待機時間削減率の実績との間に相関は有ると判断する。
【0089】
抽出部113は、解析部111によって上記の相関が有ると判断された実態データの変更内容を示す変更データを抽出する。図9に示す例では、抽出部113は、比較拠点Cの待機時間削減率の実績が改善する要因となった1つ又は複数の管理項目における運用の変更内容を示す変更データとして、バース数、トラック台数/日、バラ積みおよびパレット積みの平均積卸所要時間、予約制度利用率、常連割合、予約制度有無、および、退場手続有無のそれぞれの変更データを当該テーブルから抽出する。
【0090】
図3のフローにおいて、管理サーバ100は、抽出段階に続けて、判定段階を実行する(ステップS115)。より具体的には、本実施形態における判定部115は、解析部111および抽出部113によって特定された、比較拠点Cの待機時間削減率の実績が改善する要因となった1つ又は複数の管理項目のそれぞれについて、評価拠点の実態データと比較拠点Cの実態データとを正規化した数値の差分の有無を判定する。
【0091】
図3のフローのステップS115において、管理サーバ100は、上記差分が少なくとも1つ存在すると判定した場合(ステップS115:YES)、推定段階を実行し(ステップS117)、更に第2算出段階を実行する(ステップS119)。
【0092】
より具体的には、本実施形態における推定部117は、判定部115によって上記差分が存在すると判定された、バース数、トラック台数/日、予約制度利用率、および、常連割合のそれぞれにおける運用の変更内容を評価拠点に適用することをシミュレーションし、運用の変更内容が適用された後の評価拠点における変化後の実績データを推定する。
【0093】
また、本実施形態における算出部109は、比較拠点Cの実績データと、評価拠点について推定部117が推定した変化後の実績データとの第2差分を算出する。
【0094】
図10には、判定部115が当該差分の有無を判定し、当該判定の対象となった評価拠点および比較拠点Cのそれぞれの実態データと、当該判定結果とを、表示端末30のディスプレイの上部に表示させた画像の例を示す。図10に示す例では、判定部115が、当該差分が存在すると判定した管理項目について、抽出部113によって抽出された変更データを共に表示端末30に表示させている。なお、図10に示す例では、判定部115が、当該差分が存在しないと判定した管理項目について、当該変更データを表示させずにグレーアウトさせている。
【0095】
また、図10の画像の例においては、推定部117が評価拠点について推定した変化後の実績データを、差分が存在する管理項目の変更データ、および、算出部109によって算出された第2差分と共に、表示端末30のディスプレイの下部に表示させている。図10に示す例によれば、図7に示した比較拠点Cの実績40%と評価拠点の実績0%との差分40%に比べて、比較拠点Cの実績40%と評価拠点について推定した変更後の実績20%との差分は20%と小さくなっており、すなわち、比較拠点Cにおける運用の変更内容を評価拠点に適用することで、待機時間削減率の実績が改善することが予想されている。なお、図10の、表示端末30のディスプレイに表示させた画像に示される情報の少なくとも何れかは、少なくとも1つの比較拠点に基づく情報の一例である。
【0096】
図3のフローにおいて、管理サーバ100は、第2算出段階に続けて、繰返段階を実行し(ステップS121)、ステップS105に戻る。より具体的には、管理サーバ100は、推定した変化後の実績データを有する評価拠点について、特定段階、選択段階、解析段階、抽出段階および判定段階をこの順に繰り返す。なお、当該繰返段階において、1回目に比較された1又は複数の比較拠点は、再度比較されてもよく、他の比較拠点が比較されてもよい。
【0097】
図3のフローのステップS115において、管理サーバ100は、上記差分が1つも存在しないと判定した場合(ステップS115:NO)、表示データを表示端末30に送信し(ステップS123)、表示端末30は、管理サーバ100から受信した表示データをディスプレイに表示し(ステップS125)、当該フローは終了する。
【0098】
より具体的には、本実施形態における通信部101は、選択部105、算出部109、および、推定部117のそれぞれから入力された表示データを、まとめて表示端末30に送信する。表示データは、一例として、図7や、図10に示した画像であってもよい。なお、通信部101は、上記のようにまとめて表示端末30に表示データを送信することに代えて、選択部105、算出部109、および、推定部117のそれぞれから表示データを入力される度に、または幾つかの表示データをまとめて段階的に、表示端末30に送信してもよい。
【0099】
当該表示データは、一例として、評価拠点について推定した変化後の実績データを、繰返段階の前の判定段階および繰返段階における2回目の判定段階のそれぞれで上記差分が存在すると判定された管理項目の変更データと共に示す画像であってもよい。なお、ステップS121の繰返段階が3回以上続く場合は、当該繰返段階が繰り返された分だけ、上記差分が存在すると判定された管理項目の変更データを示してもよい。なお、上述した表示データの少なくとも何れかは、少なくとも1つの比較拠点に基づく情報の一例である。
【0100】
なお、図3に示すフロー図の一例では、管理サーバ100は、ステップS115において上記差分が1つ以上存在すると判定した場合にステップS117へと進んで上記の繰返段階を実行する構成として説明した。これに代えて、管理サーバ100は、例えば2回目のステップS115を実行する場合には上記差分の有無に拘わらずステップS123へと進んでもよく、例えば上記差分が1つ以上存在する場合であっても当該差分の大きさが予め定められた閾値以下である場合にはステップS123へと進んでもよい。
【0101】
なお、管理サーバ100は、ステップS111の解析段階およびステップS113の抽出段階を、当該フローを開始する前に予め実行しておいてもよい。例えば、管理サーバ100は、比較拠点の実績データが変移する度に、これらの段階の少なくとも何れかを実行してもよい。また、これに代えて、ユーザ20が、表示端末30へ比較拠点の実態データを入力する度に、自ら上記の解析及び抽出の何れかを行ってもよく、この場合、上記の解析及び抽出の何れかの結果は、上記フローを開始する前の任意のタイミングで表示端末30から管理サーバ100へ送信され、管理サーバ100のデータベース107に格納されていてもよい。
【0102】
以上、本実施形態によるシステム10および方法によれば、評価拠点における複数の管理項目のそれぞれの実態データと、データベース107に格納された、複数の比較拠点のそれぞれにおける、複数の管理項目のそれぞれの実態データとを比較し、それぞれの比較結果を示す数値を特定する。システム10等は更に、特定した複数の数値に基づいて、評価拠点における複数の管理項目の実態データと近似する実態データを有する少なくとも1つの比較拠点を選択し、選択した少なくとも1つの比較拠点に基づく情報を、ユーザが視認可能なディスプレイに表示する。これにより、システム10等は、データベース107に格納される比較拠点の数や管理項目の数が増加しても、評価対象の実態データに近似する実態データを有する1又は複数の比較拠点を効率的に選択して、選択した1又は複数の比較拠点に基づく情報をユーザ20に提示することができる。また例えば、システム10等によれば、ユーザ20が自らの経験に基づいて評価対象の実態データに近似する実態データを有する1又は複数の比較拠点を選択する場合に比べて、近似する実態データを有する比較拠点を選択する精度を高めることができる。また、システム10等は、図3のフローに例示した1又は複数の段階を実行することにより、ユーザ20が所望する表示データを提示することができ、例えばユーザ20が上記のコンサルティング会社の社員である場合には、ユーザ20のコンサルティング業務を効果的にサポートすることができる。
【0103】
以上の実施形態において、表示端末30は、ユーザ20からのデータ入力を受け付けて、管理サーバ100と通信し、表示データを表示する構成とし、図3のフローに例示したほとんどの段階を管理サーバ100が実行する構成として説明した。これに代えて、図3のフローに例示した、管理サーバ100によって実行される複数の段階の1又は複数を表示端末30が実行してもよい。一例として、表示端末30は追加的に、管理サーバ100のデータベース107、特定部103および選択部105のそれぞれと同様の機能を有する、格納部と、特定部と、選択部とを備えてもよい。なお、この場合の表示端末30は、装置の一例である。
【0104】
本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0105】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0106】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0107】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0108】
図11は、本発明の複数の態様が全体的又は部分的に具現化されうるコンピュータ1200の例を示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該装置の1又は複数の「部」として機能させ、又は当該オペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本発明の実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。このようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0109】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、グラフィックコントローラ1216、及びディスプレイデバイス1218を含み、これらはホストコントローラ1210によって相互に接続される。コンピュータ1200はまた、通信インターフェース1222、ハードディスクドライブ1224、DVD-ROMドライブ1226、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、これらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続される。コンピュータはまた、ROM1230及びキーボード1242のようなレガシの入出力ユニットを含み、これらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続される。
【0110】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、これにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又は当該グラフィックコントローラ1216自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示させる。
【0111】
通信インターフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVD-ROMドライブ1226は、プログラム又はデータをDVD-ROM1201から読み取り、ハードディスクドライブ1224にRAM1214を介してプログラム又はデータを提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0112】
ROM1230は、内部に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0113】
プログラムが、DVD-ROM1201又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもあるハードディスクドライブ1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0114】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インターフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インターフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、ハードディスクドライブ1224、DVD-ROM1201、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0115】
また、CPU1212は、ハードディスクドライブ1224、DVD-ROMドライブ1226(DVD-ROM1201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0116】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような、様々なタイプの情報が、情報処理されるべく、記録媒体に格納されてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、これにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0117】
以上の説明によるプログラム又はソフトウェアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、これにより、プログラムをコンピュータ1200にネットワークを介して提供する。
【0118】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、技術的に矛盾しない範囲において、特定の実施形態について説明した事項を、他の実施形態に適用することができる。また、各構成要素は、名称が同一で、参照符号が異なる他の構成要素と同様の特徴を有してもよい。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0119】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0120】
10 システム
20 ユーザ
30 表示端末
50 通信ネットワーク
100 管理サーバ
101 通信部
103 特定部
105 選択部
107 データベース
109 算出部
111 解析部
113 抽出部
115 判定部
117 推定部
1200 コンピュータ
1201 DVD-ROM
1210 ホストコントローラ
1212 CPU
1214 RAM
1216 グラフィックコントローラ
1218 ディスプレイデバイス
1220 入出力コントローラ
1222 通信インターフェース
1224 ハードディスクドライブ
1226 DVD-ROMドライブ
1230 ROM
1240 入出力チップ
1242 キーボード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11