(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022135157
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】止水プレートおよび建築物
(51)【国際特許分類】
E06B 5/00 20060101AFI20220908BHJP
【FI】
E06B5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021034780
(22)【出願日】2021-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】有本 浩治
(72)【発明者】
【氏名】阿部 美佳子
【テーマコード(参考)】
2E239
【Fターム(参考)】
2E239AC04
(57)【要約】
【課題】建築物の外部空間から建築物の内部空間に水が侵入することが抑制される止水プレートおよび建築物を提供する。
【解決手段】建築物1の開口部2と基礎4との間の隙間に設けられ、前記隙間からの水の侵入を抑制する止水プレート10であって、基材20と、水を吸収することで膨張する水膨張部材30を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物の開口部と基礎との間の隙間に設けられ、前記隙間からの水の侵入を抑制する止水プレートであって、
基材と、
水を吸収することで膨張する水膨張部材と、を備える
止水プレート。
【請求項2】
前記基材は、前記開口部の枠と対向する第1基材および前記基礎と対向する第2基材を備え、
前記第1基材および前記第2基材の少なくとも一方は、前記水膨張部材を備える
請求項1に記載の止水プレート。
【請求項3】
前記水膨張部材は、水膨張性ウレタンフォーム、水膨張性不織布、および、水膨張性ゴムの少なくとも1つで構成される
請求項1または2に記載の止水プレート。
【請求項4】
前記基材は、前記基礎に固定部材で固定される
請求項1~3のいずれか一項に記載の止水プレート。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の前記止水プレートを備える
建築物。
【請求項6】
前記基材の少なくとも一部分は、前記基礎に設けられる仕上部材で覆われる
請求項5に記載の建築物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、止水プレートおよび建築物に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅内への浸水を抑制するための構成が知られている。特許文献1は、玄関の防水構造の一例を開示する。玄関の防水構造は、防水シートおよび止水プレートを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の玄関の防水構造では、玄関を構成する開口部と基礎との間に形成される隙間からの浸水について特に考慮されていない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明に関する止水プレートは、建築物の開口部と基礎との間の隙間に設けられ、前記隙間からの水の侵入を抑制する止水プレートであって、基材と、水を吸収することで膨張する水膨張部材を備える。
この構成によれば、止水プレートは水膨張部材を備えるため、開口部と基礎との間の隙間の止水性が向上して、建築物の外部空間から建築物の内部空間に水が侵入することを抑制できる。
【0006】
(2)好ましい例では、上記(1)の止水プレートにおいて、前記基材は、前記開口部の枠と対向する第1基材および前記基礎と対向する第2基材を備え、前記第1基材および前記第2基材の少なくとも一方は、前記水膨張部材を備える。
この構成によれば、止水プレートと開口部との間または止水プレートと基礎との間に隙間が形成されにくい。このため、建築物の内部空間に水が侵入することがさらに抑制される。
【0007】
(3)好ましい例では、上記(1)または(2)の止水プレートにおいて、前記水膨張部材は、水膨張性ウレタンフォーム水膨張性不織布、および、水膨張性ゴムの少なくとも1つで構成される。
この構成によれば、水膨張部材が適切な材料で形成されるため、建築物の内部空間に水が侵入することがさらに抑制される。
【0008】
(4)好ましい例では、上記(1)から(3)のいずれか1つの止水プレートにおいて、前記基材は、前記基礎に固定部材で固定される。
この構成によれば、止水プレートが好適に基礎に取り付けられる。
【0009】
(5)本発明に関する建築物は、上記(1)から(4)のいずれかに記載の前記止水プレートを備える。
この構成によれば、建築物の外部空間から建築物の内部空間に水が侵入することが抑制される。
【0010】
(6)好ましい例では、上記(5)の建築物において、前記基材の少なくとも一部分は、前記基礎に設けられる仕上部材で覆われる。
この構成によれば、建築物において、止水プレートが設けられている部分の意匠性が向上する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の止水プレートおよび建築物によれば、建築物の外部空間から建築物の内部空間に水が侵入することが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態の止水プレートの正面側の構成を示す斜視図。
【
図2】
図1の止水プレートの背面側の構成を示す斜視図。
【
図3】建築物の開口部と基礎との間の隙間を示す斜視図。
【
図4】
図3の隙間に止水プレートを配置した状態を示す斜視図。
【
図5】
図4の止水プレートが仕上部材で覆われた状態を示す斜視図。
【
図6】止水プレートが取り付けられた位置を示し、
図4のVI-VI線に沿う玄関の断面図。
【
図7】止水プレートが取り付けられた位置を示す玄関の正面図。
【
図8】
図7の矢印Aからみて止水プレートが取り付けられた位置を示す玄関の側面図。
【
図9】
図1のプレートが配置された建築物の外観を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施形態>
図1~
図9を参照して、実施形態の止水プレート10について説明する。止水プレート10は、建築物1(
図9参照)に設けられる。建築物1は、建築物1の外側の外部空間Oと建築物1の内側の内部空間Iとを繋ぐ開口部2を有する。開口部2は、建築物1の建物本体に設けられる。開口部2は、開口部2の下部が建築物1の基礎4に接触するように設けられる。開口部2の枠と基礎4との間には、通気口としての隙間Gが設けられる。本実施形態の止水プレート10は、建築物1の開口部2と基礎4(
図4参照)との間に設けられる隙間Gに設けられる。開口部2には、ドア3が設けられる。開口部2およびドア3は、例えば建築物1の出入口を構成する。建築物1は、たとえば住宅である。出入口は、たとえば玄関である。基礎4は、少なくとも一部分が地中に埋められる。基礎4は、建築物1を支持する。
【0014】
止水プレート10を構成する主な要素は、基材20である。基材20を構成する材料は、例えば金属である。基材20を構成する材料は、例えば塩ビ鋼板またはアルミニウムである。基材20は、第1基材21および第2基材22を備える。第1基材21および第2基材22は、一体的に構成される。第1基材21および第2基材22の一方は、止水プレート10を隙間Gに配置した状態で開口部2の枠と対向するように配置される。第1基材21および第2基材22の他方は、止水プレート10を隙間Gに配置した状態で基礎4の一部と対向するように配置される。本実施形態において、第1基材21は、止水プレート10を隙間Gに配置した状態で開口部2の枠と対向するように配置される。第1基材21は、隙間Gからの水の侵入を抑制する。第2基材22は、止水プレート10を隙間Gに配置した状態で基礎4と対向して配置される。第2基材22は、基礎4に固定される。
【0015】
第1基材21の本体は、第1主面21Aおよび第2主面21Bを備える。第1基材21の本体の形状は、例えば板状に形成される。第1主面21Aは、止水プレート10を隙間Gに配置した状態で、内部空間Iに向く。第2主面21Bは、止水プレート10を隙間Gに配置した状態で、第2主面21Bの少なくとも一部分が開口部2の側方枠2Bと対向する面である。第1基材21の本体の寸法は、任意に設定される。一例では、長手方向XAの長さは、100mmである。短手方向XBの長さは、50mmである。
【0016】
第2基材22の本体は、第1主面22Aおよび第2主面22Bを備える。第2基材22の本体の形状は、例えば板状に形成される。第1主面22Aは、止水プレート10を隙間Gに配置した状態で、内部空間Iと対向する面である。第2主面22Bは、止水プレート10を隙間Gに配置した状態で、少なくとも一部分が基礎4と対向する面である。第2基材22の本体の寸法は、任意に設定される。一例では、長手方向XAの長さは、100mmである。短手方向XCの長さは、90mmである。第2基材22は、1つまたは複数の開口42を備える。図示される例では、2つの開口42を備える。開口42は、固定部材40により止水プレート10を基礎4に固定される場合に使用される。一例では、開口42は、第1主面22Aから第2主面22Bまで貫通する貫通孔である。
【0017】
第1主面21Aと第1主面22Aとは、連続して形成される。第2主面21Bと第2主面22Bとは、連続して形成される。第1主面21Aと第1主面22Aとにより構成される角度θは、たとえば90度である。
【0018】
止水プレート10は、水膨張部材30をさらに備える。第1基材21および第2基材22の少なくとも一方は、水膨張部材30が設けられる。本実施形態において、第1基材21および第2基材22の両方に水膨張部材30が設けられる。水膨張部材30は、第1基材21の第2主面21Bに少なくとも設けられる。第1基材21の第2主面21Bに設けられる水膨張部材30は、止水プレート10を隙間Gに配置した状態で、第1基材21と開口部2の側方枠2Bとの間に配置される。水膨張部材30は、第2基材22の第2主面22Bに少なくとも設けられる。第2基材22の第2主面22Bに設けられる水膨張部材30は、止水プレート10を隙間Gに配置した状態で、第2基材22と基礎4との間に配置される。
【0019】
水膨張部材30は、水を吸収することで膨張する。水膨張部材30は、水を吸収することによって膨張する材料で構成される。一例では、水膨張部材30として、水膨張性ウレタンフォーム、および水膨張性不織布が挙げられる。水膨張部材30は、水膨張性ウレタンフォームと、水膨張性不織布との積層体であってもよい。水膨張性ウレタンフォームは、例えば、多孔性ウレタン部材から構成される。水膨張性不織布は、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム塩を含むポリマーから形成される。水膨張部材30として、水膨張性ゴムを用いてもよい。
【0020】
水膨張部材30は、第1水膨張部材31、および、第2水膨張部材32を含む。第1水膨張部材31、および、第2水膨張部材32の任意の1つは、他の1つとは材料、幅、厚み、および、膨張率の少なくとも1つが異なるように構成されてもよい。本実施形態において、第1水膨張部材31、および、第2水膨張部材32は、それぞれ異なる材料で構成される。第1水膨張部材31は、不織布で構成される。第2水膨張部材32は、スポンジで構成される。
【0021】
水膨張部材30は、第1基材21の第2主面21Bにおける側端に沿うように設けられる。好ましくは、水膨張部材30は第2主面21Bの長手方向XA全体にわたるように設けられる。本実施形態において、第2主面21Bは、第1水膨張部材31および第2水膨張部材32を備える。第1水膨張部材31および第2水膨張部材32は、第2主面21Bに1つずつ設けられる。第1水膨張部材31および第2水膨張部材32は、短手方向XBに並べられる。
【0022】
水膨張部材30は、第2基材22の第2主面22Bの側端に沿うように設けられる。具体的には、水膨張部材30は、第2基材22の第2主面22Bの2つの側端のうちで、第1基材21に近い側端に沿うように、第2主面22Bに設けられる。好ましくは、水膨張部材30は第2主面22Bの長手方向XA全体にわたるように設けられる。本実施形態において、第2主面22Bは第1水膨張部材31、および、第2水膨張部材32を備える。第1水膨張部材31、および、第2水膨張部材32は、第2主面22Bに1つずつ設けられる。第1水膨張部材31、および、第2水膨張部材32は、短手方向XCに並べられる。
【0023】
第1基材21に設けられる第1水膨張部材31の寸法および第2基材22に設けられる第1水膨張部材31の寸法は、同じであってもよく、異なっていてもよい。本実施形態において、第1基材21に設けられる第1水膨張部材31の短手方向XBの長さは、第2基材22に設けられる第1水膨張部材31の長さよりも短い。
【0024】
第1基材21に設けられる第2水膨張部材32の寸法および第2基材22に設けられる第2水膨張部材32の寸法は、同じであってもよく異なっていてもよい。本実施形態において、第1基材21に設けられる第2水膨張部材32の短手方向XBの長さは、第2基材22に設けられる第2水膨張部材32の短手方向XCの長さよりも短い。
【0025】
止水プレート10は、緩衝部材33をさらに備える。本実施形態において、緩衝部材33は、第2基材22の第2主面22Bに設けられる。緩衝部材33は、止水プレート10を隙間Gに配置した状態で、第2基材22と基礎4との間に配置される。固定部材40によって第2基材22が基礎4に固定される場合に、第2基材22が基礎4に接触することによって基礎4が欠けることがある。このような欠けを抑止するために、緩衝部材33は、第2基材22に設けられる。緩衝部材33は、第2基材22の第2主面22Bの側端に沿うように設けられる。具体的には、緩衝部材33は、第2基材22の第2主面22Bの2つの側端のうちで、第1基材21から遠い側端に沿うように、第2主面22Bに設けられる。緩衝部材33は、たとえば、ゴムによって構成される。ゴムの一例は、エチレンプロピレンジエンゴムである。
【0026】
図3に示されるように、建築物1の開口部2は、下方枠2A、および側方枠2Bを備える。開口部2は、上方枠2C(
図9参照)をさらに備える。側方枠2Bは、複数設けられる。下方枠2A、複数の側方枠2B、および、上方枠2Cに囲まれる場所に、ドア3が配置される。
【0027】
基礎4は、天面4Aを備える。天面4Aには、建築物1を構成する種々の要素が配置される。種々の要素として、柱用の取付金具、および、壁パネルが挙げられる。
【0028】
基礎4には、開口部2が設けられるところに、凹部4Bが設けられる。凹部4Bの上方に、開口部2が設けられる。基礎4の凹部4Bは、底面4Cと、側面4Dとを備える。基礎4の凹部4Bには、開口部2の下方枠2Aが配置される。建築物1の開口部2と基礎4の側面4Dとの間には、隙間Gが形成される。隙間Gは、下方枠2Aの端部および側面4Dの間に形成される。隙間Gは、側方枠2Bおよび側面4Dの間に形成される。隙間Gは、建築物1の外部空間Oと建築物1の内部空間Iとを繋ぐように構成される。
【0029】
図4に示されるように、止水プレート10は、基礎4の凹部4Bに固定部材40で固定される。図示される第1例では、固定部材40はビス41である。第2基材22に設けられる開口42を介してビス41で基礎4の側面4Dに固定される。第2例では、固定部材40は、接着剤である。第3例では、固定部材40は、接着テープである。接着テープの一例は、両面テープである。両面テープは、防水性を有することが好ましい。例えば、両面テープは、止水プレート10の第2基材22と基礎4の側面4Dとの間に配置される。止水プレート10は、両面テープによって基礎4に固定される。両面テープは、止水プレート10の第1基材21と開口部2の側方枠2Bとの間に配置されてもよい。両面テープは、第1基材21および第2基材22において、水膨張部材30以外の部分に設けられてもよいし、水膨張部材30に重なるように設けられてもよい。
【0030】
図5に示されるように、基礎4の凹部4Bは、仕上部材50によって外観が整えられる。仕上部材50は、止水プレート10が開口部2と基礎4との間の隙間Gに配置された状態で、凹部4Bに打設される。止水プレート10の少なくとも一部分は、仕上部材50により覆われる。仕上部材50は、基礎4の凹部4Bの一部を埋めるように設けられる。止水プレート10の下部は、仕上部材50に埋まる。止水プレート10の上部は、仕上部材50から露出する。仕上部材50は、コンクリート、セメント、または、モルタルである。図示される例では、第1基材21および第2基材22の長手方向XAの半分程度の部分が仕上部材50であるモルタルにより覆われる。
【0031】
図6~
図8を参照して、本実施形態の止水プレート10の作用について説明する。
止水プレート10は、開口部2および基礎4の間に形成される隙間Gに配置される。洪水が生じると、隙間Gを介して外部空間Oから内部空間Iに水が浸入する虞がある。第1基材21は、隙間Gに配置されることで、隙間Gからの水の侵入を抑制する。第1基材21の第2主面21Bには、水膨張部材30が設けられる。第2主面21Bの水膨張部材30は、隙間Gに侵入した水を吸収して膨張する。第2基材22の第2主面22Bには、水膨張部材30が設けられる。このため、止水プレート10の第1基材21のうちで開口部2に重なる部分において、開口部2の側方枠2Bと第1基材21との間の隙間Gが小さくなる。第2主面22Bの水膨張部材30は、隙間Gに侵入した水を吸収して膨張する。このため、止水プレート10の第2基材22のうちで基礎4に重なる部分において、基礎4の側面4Dと第2基材22との間の隙間Gが小さくなる。これによって、外部空間Oから内部空間Iへの水の侵入が抑制される。
図7および
図8に示されるように、第2基材22の長手方向XAの頂点は、基礎4の天面4Aの高さと一致する。このため、基礎4の天面4Aまでの浸水が抑制される。
【0032】
本実施形態の止水プレート10によれば、以下の効果が得られる。
(1)止水プレート10は、建築物1の開口部2と基礎4との間の隙間Gに設けられる。止水プレート10は、隙間Gからの水の侵入を抑制する。止水プレート10は、基材20と、水を吸収することで膨張する水膨張部材30を備える。
【0033】
本実施形態の止水プレート10は水膨張部材30を備える。水が侵入したとき、水膨張部材30が膨張するため、止水プレート10の周囲の少なくとも一部を水密にすることができる。これによって、建築物1の外部空間Oから建築物1の内部空間Iに水が侵入することを抑制できる。
【0034】
(2)基材20は、開口部2の枠と対向する第1基材21および基礎4の側面4Dと対向する第2基材22を備える。第1基材21および第2基材22の少なくとも一方は、水膨張部材30を備える。
【0035】
本実施形態の止水プレート10の構成によれば、止水プレート10と開口部2との間または止水プレート10と基礎4との間に隙間Gが形成されにくい。このため、建築物1の内部空間Iに水が侵入することがさらに抑制される。
【0036】
(3)水膨張部材30は、水膨張性ウレタンフォームおよび水膨張性不織布の少なくとも1つで構成される。
本実施形態の止水プレート10の構成によれば、水膨張部材30が適切な材料で形成されるため、建築物1の内部空間Iに水が侵入することがさらに抑制される。
【0037】
(4)基材20は、基礎4に固定部材40で固定される。
本実施形態の止水プレート10の構成によれば、止水プレート10が好適に基礎4に取り付けられる。
【0038】
(5)水膨張部材30は、第1水膨張部材31、および、第2水膨張部材32を含む。水膨張部材30のそれぞれは、異なる材料によって構成される。
本実施形態の止水プレート10の構成によれば、第1水膨張部材31、および、第2水膨張部材32それぞれは、異なる材料によって構成される。第1水膨張部材31、および、第2水膨張部材32それぞれは、異なる膨張率の材料によって構成されてもよい。この場合において、外部空間Oから水が浸入しやすい部分と侵入しにくい部分とで水膨張部材30の材料を変更してもよい。この構成によって、好適に水の侵入を抑制できる。好適な水抑制は、長期間にわたって水の侵入を抑制できる。
【0039】
(6)建築物1は、止水プレート10を備える。
本実施形態の建築物1の構成によれば、建築物1の外部空間Oから建築物1の内部空間Iに水が侵入することが抑制される。
【0040】
(7)建築物1において、基材20の少なくとも一部分は、仕上部材50で覆われる。
本実施形態の建築物1の構成によれば、止水プレート10が設けられている部分の意匠性が向上する。
【0041】
<変形例>
実施形態に関する説明は本発明に従う止水プレート10および建築物1が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に従う止水プレート10および建築物1は、実施形態以外にたとえば以下に示される実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。
【0042】
・第1基材21に設けられる水膨張部材30は、任意に変更できる。第1例では、水膨張部材30は、第1水膨張部材31のみを含む。第2例では、水膨張部材30は、第2水膨張部材32のみを含む。第1基材21の第1主面21Aに少なくとも1つの水膨張部材30が設けられていてもよい。第1水膨張部材31、および、第2水膨張部材32のうち、少なくとも1つが短手方向XBにおいて離れた状態で設けられていてもよい。
【0043】
・第2基材22に設けられる水膨張部材30は、任意に変更できる。第1例では、水膨張部材30は、第1水膨張部材31のみを含む。第2例では、水膨張部材30は、第2水膨張部材32のみを含む。第2基材22の第1主面22Aに少なくとも1つの水膨張部材30が設けられていてもよい。第1水膨張部材31、および、第2水膨張部材32のうち、少なくとも1つが短手方向XCにおいて離れた状態で設けられていてもよい。
【0044】
第1水膨張部材31、および第2水膨張部材32は、同じ材料で構成されていてもよい。同じ材料で構成される水膨張部材30は、表面状態または密度が異なることにより、膨張率が異なるように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1…建築物
2…開口部
3…ドア
4…基礎
10…止水プレート
20…基材
21…第1基材
22…第2基材
30…水膨張部材
40…固定部材
50…仕上部材