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特開2022-135178学習モデル生成方法および異常判定システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022135178
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】学習モデル生成方法および異常判定システム
(51)【国際特許分類】
   G06N 20/00 20190101AFI20220908BHJP
【FI】
G06N20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021034810
(22)【出願日】2021-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000000929
【氏名又は名称】KYB株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】宮内 悠樹
(57)【要約】
【課題】作業者ごとの収集データの傾向に応じた作業者ごとの最適な学習モデルを生成する。
【解決手段】複数の作業者ごとに有意差が生じるパラメータのデータを収集するセンサ10により収集されたデータを前記作業者ごとのデータ群に分類し、分類された前記データ群に基づいて、前記作業者ごとの学習モデルを生成する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の作業者ごとに有意差が生じるパラメータのデータを収集するセンサにより収集された前記データを前記作業者ごとのデータ群に分類する分類工程と、
該分類工程により分類された前記データ群に基づいて、前記作業者ごとの学習モデルを生成する学習モデル生成工程と、
を含むことを特徴とする学習モデル生成方法。
【請求項2】
前記学習モデル生成工程において、前記分類工程により分類されたデータ群の類似度を求め、該類似度が予め定めた第1の閾値以上のデータ群を統合して、前記分類工程により分類されたデータ群に対応する前記作業者の学習モデルを生成することを特徴とする請求項1に記載の学習モデル生成方法。
【請求項3】
前記学習モデル生成工程において、前記分類工程により分類されたデータ群の中に、新たな作業者の新たな前記データ群があるときに、該新たな前記データ群と類似度が予め定めた第1の閾値以上の前記データ群に対応する学習モデルを前記新たな前記データ群に対応する前記新たな作業者の学習モデルとすることを特徴とする請求項1に記載の学習モデル生成方法。
【請求項4】
前記学習モデル生成工程において、前記新たな作業者のデータ群に基づいて、再学習を行い、前記新たな前記データ群に対応する前記新たな作業者の学習モデルとすることを特徴とする請求項3に記載の学習モデル生成方法。
【請求項5】
前記分類工程において分類された前記作業者ごとの前記データ群を逐次格納する格納工程と、
該格納工程に格納された前記データ群を時系列に沿って解析し、前記データ群の変容度を算出する変容度算出工程と、
を備え、
前記学習モデル生成工程において、前記変容度算出工程において算出された前記変容度が予め定めた第2の閾値以上となった場合に、前記変容度が予め定めた前記第2の閾値以上となった以降の前記データ群に基づいて、前記作業者に対応する新たな前記学習モデルを生成することを特徴とする請求項1に記載の学習モデル生成方法。
【請求項6】
第1の部品に第2の部品を組み付ける組付け作業工程において、異常判定を行う異常判定システムであって、
加圧による振動を検知する振動センサと、
組付け作業を行っている作業者を識別する識別情報を生成する識別装置と、
前記振動センサからのセンサ出力データを入力データとして、前記識別情報に応じて選択された前記振動センサにより収集された前記作業者ごとのデータ群に基づいて生成された前記作業者ごとの学習モデルを用いて、前記組付け作業工程における異常判定を行う判定装置と、
を含むことを特徴とする異常判定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習モデル生成方法および異常判定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
機械学習では、ニューラルネットに、多くのデータを与えて学習させることにより、さまざまな予測や判断を行う。上記の学習フェーズでは、センサ等から収集した大量のデータをニューラルネットワークに読み込ませ、シナプスの「重みづけ」を最適に調整した学習モデルとして生成する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Yangqing Jia, Evan Shelhamer, Jeff Donahue, Sergey Karayev, Jonathan Long, Ross Girshick, Sergio Guadarrama, and Trevor Darrell. Caffe: Convolutional architecture for fast feature embedding. In Proceedings of the 22nd ACM international conference on Multimedia (pp. 675-678). ACM.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのため、例えば、複数の作業者が同じ目的をもって作業を行う作業工程において、学習モデルを生成する場合には、複数の作業者に対して得られたセンサの収集データを一括してニューラルネットワークに読み込ませ学習データを生成していた。
【0005】
しかしながら、上記の方法では、作業者ごとに異なる傾向を示すデータを一括してニューラルネットワークに読み込ませ学習データを生成していたため、汎用性は高いものの、作業者ごとに見た場合、精度の高い学習モデルを得ることが困難であるという課題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、作業者ごとの収集データの傾向に応じた作業者ごとの最適な学習モデルを生成する学習モデル生成方法および異常判定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
形態1:本発明の1またはそれ以上の実施形態は、複数の作業者ごとに有意差が生じるパラメータのデータを収集するセンサにより収集された前記データを前記作業者ごとのデータ群に分類する分類工程と、該分類工程により分類された前記データ群に基づいて、前記作業者ごとの学習モデルを生成する学習モデル生成工程と、を含むことを特徴とする学習モデル生成方法を提案している。
【0008】
本発明の1またはそれ以上の実施形態に係る学習モデル生成方法は、複数の作業者ごとに有意差が生じるパラメータのデータを収集するセンサにより収集されたデータを作業者ごとのデータ群に分類し、分類されたデータ群に基づいて、作業者ごとの学習モデルを生成する。
そのため、作業者ごとの収集データの傾向に応じた作業者ごとの最適な学習モデルを生成することができる。
【0009】
形態2:本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記学習モデル生成工程において、前記分類工程により分類されたデータ群の類似度を求め、該類似度が予め定めた第1の閾値以上のデータ群を統合して、前記分類工程により分類されたデータ群に対応する前記作業者の学習モデルを生成することを特徴とする学習モデル生成方法を提案している。
【0010】
本発明の1またはそれ以上の実施形態に係る学習モデル生成方法は、分類されたデータ群の類似度を求め、該類似度が予め定めた第1の閾値以上のデータ群を統合して、分類工程により分類されたデータ群に対応する作業者の学習モデルを生成する。
ここで、複数の作業者ごとに有意差が生じるパラメータのデータを収集するセンサにより収集されたデータを作業者ごとのデータ群に分類し、分類されたデータ群に基づいて、作業者ごとの学習モデルを生成する方法では、作業者ごとの最適な学習モデルを生成することができる。
一方で、更に、学習モデルの精度を高めるためには、多くのデータが必要となり、上記の方法では、ある程度の精度を得るためには、多くの時間を要する。
しかしながら、本発明の1またはそれ以上の実施形態に係る学習モデル生成方法では、分類されたデータ群の類似度を求め、該類似度が予め定めた第1の閾値以上のデータ群を統合して、分類工程により分類されたデータ群に対応する作業者の学習モデルを生成することから、作業者ごとの収集データの傾向に応じた作業者ごとの最適かつ高精度な学習モデルを生成することができる。
【0011】
形態3:本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記学習モデル生成工程において、前記分類工程により分類されたデータ群の中に、新たな作業者の新たな前記データ群があるときに、該新たな前記データ群と類似度が予め定めた第1の閾値以上の前記データ群に対応する学習モデルを前記新たな前記データ群に対応する前記新たな作業者の学習モデルとすることを特徴とする学習モデル生成方法を提案している。
【0012】
本発明の1またはそれ以上の実施形態に係る学習モデル生成方法は、分類されたデータ群の中に、新たな作業者の新たなデータ群があるときに、その新たなデータ群と類似度が予め定めた第1の閾値以上のデータ群に対応する学習モデルを新たな作業者の学習モデルとする。
つまり、分類されたデータ群の中に、新たなデータ群がある場合には、新たな作業員が従事するようになったと予想できるが、この新たな作業員に最適な学習モデルを生成するためには、ある程度のデータを収集する必要があり、時間を要する。
そのため、本発明の1またはそれ以上の実施形態に係る学習モデル生成方法では、分類されたデータ群の中に、新たなデータ群があるときに、その新たなデータ群と類似度が予め定めた第2の閾値以上のデータ群に対応する学習モデルを新たな作業者の初期の学習モデルとすることにより、例えば、異常判定を実施しながら、新たな作業員に最適な学習モデルを生成することができる。
【0013】
形態4:本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記学習モデル生成工程において、前記新たな作業者のデータ群に基づいて、再学習を行い、前記新たな前記データ群に対応する前記新たな作業者の学習モデルとすることを特徴とする学習モデル生成方法を提案している。
【0014】
本発明の1またはそれ以上の実施形態に係る学習モデル生成方法は、新たな作業者のデータ群に基づいて、再学習を行い、新たな作業者の学習モデルとする。
つまり、本発明の1またはそれ以上の実施形態に係る学習モデル生成方法では、分類されたデータ群の中に、新たなデータ群があるときに、その新たなデータ群と類似度が予め定めた第1の閾値以上のデータ群に対応する学習モデルを新たな作業者の初期の学習モデルとするとともに、新たな作業者のデータ群に基づいて、再学習を行い、新たな作業者の学習モデルとする。
そのため、例えば、異常判定を実施しながら、再学習により、新たな作業員に最適かつ高精度な学習モデルを生成することができる。
【0015】
形態5:本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記分類工程において分類された前記作業者ごとの前記データ群を逐次格納する格納工程と、該格納工程に格納された前記データ群を時系列に沿って解析し、前記データ群の変容度を算出する変容度算出工程と、を備え、前記学習モデル生成工程において、前記変容度算出工程において算出された前記変容度が予め定めた第2の閾値以上となった場合に、前記変容度が予め定めた前記第2の閾値以上となった以降の前記データ群に基づいて、前記作業者に対応する新たな前記学習モデルを生成することを特徴とする学習モデル生成方法を提案している。
【0016】
本発明の1またはそれ以上の実施形態に係る学習モデル生成方法は、データ群の変容度が予め定めた閾値以上となった場合に、変容度が予め定めた閾値以上となった以降のデータ群に基づいて、作業者に対応する新たな学習モデルを生成する。
つまり、作業者ごとのデータ群の変容度が予め定めた閾値以上となった場合には、現在の学習モデルが最適なものとは言えなくなっている。
そのため、本発明の1またはそれ以上の実施形態に係る学習モデル生成方法では、データ群の変容度が予め定めた閾値以上となった場合に、変容度が予め定めた閾値以上となった以降のデータ群に基づいて、作業者に対応する新たな学習モデルを生成することから、データ群が変容しても、作業者ごとに最適な学習モデルを生成することができる。
【0017】
形態6:本発明の1またはそれ以上の実施形態は、第1の部品に第2の部品を組み付ける組付け作業工程において、異常判定を行う異常判定システムであって、加圧による振動を検知する振動センサと、組付け作業を行っている作業者を識別する識別情報を生成する識別装置と、前記振動センサからのセンサ出力データを入力データとして、前記識別情報に応じて選択された前記振動センサにより収集された前記作業者ごとのデータ群に基づいて生成された前記作業者ごとの学習モデルを用いて、前記組付け作業工程における異常判定を行う判定装置と、を含むことを特徴とする異常判定システムを提案している。
【0018】
本発明の1またはそれ以上の実施形態に係る異常判定システムは、第1の部品に第2の部品を組み付ける組付け作業工程において、判定装置が振動センサからのセンサ出力データを入力データとして、識別情報に応じて選択された振動センサにより収集された作業者ごとのデータ群に基づいて生成された作業者ごとの学習モデルを用いて、組付け作業工程における異常判定を行う。
そのため、本発明の1またはそれ以上の実施形態に係る異常判定システムにおいては、作業者の識別結果に応じて、振動センサからのセンサ出力データを入力データとして、識別情報に応じて選択された振動センサにより収集された作業者ごとのデータ群に基づいて生成された作業者ごとの学習モデルを用いて、作業工程における異常判定を行うことから、適切な異常判定を行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の1またはそれ以上の実施形態によれば、作業者ごとの収集データの傾向に応じた作業者ごとの最適な学習モデルを生成することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1の実施形態に係る異常判定システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る異常判定システムにおける学習モデル生成装置の構成を示すブロック図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る異常判定システムにおける学習モデル生成装置の学習モデル生成方法に関する概念図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る異常判定システムにおける判定装置の構成を示すブロック図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係る異常判定システムの処理を示すフローチャートである。
図6】本発明の第1の実施形態に係る異常判定システムにおける学習モデル生成装置の処理を示すフローチャートである。
図7】本発明の第2の実施形態に係る異常判定システムにおける学習モデル生成装置の構成を示すブロック図である。
図8】本発明の第2の実施形態に係る異常判定システムにおける学習モデル生成装置の学習モデル生成方法に関する概念図である。
図9】本発明の第3の実施形態に係る異常判定システムにおける学習モデル生成装置の構成を示すブロック図である。
図10】本発明の第3の実施形態に係る異常判定システムにおける学習モデル生成装置の学習モデル生成方法に関する概念図である。
図11】本発明の第4の実施形態に係る異常判定システムにおける学習モデル生成装置の構成を示すブロック図である。
図12】本発明の第4の実施形態に係る異常判定システムにおける学習モデル生成装置の学習モデル生成方法に関する概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図1から図12を用いて、本発明の実施形態について説明する。
なお、以下では、第1の部品に第2の部品を組み付ける組付け作業工程において、異常判定を行う異常判定システムを例示して、説明する。
【0022】
<第1の実施形態>
図1から図6を用いて、本発明の実施形態について説明する。
【0023】
<異常判定システムの構成>
図1に示すように、本実施形態に係る異常判定システム1は、センサ10と、識別装置20と、学習モデル生成装置30と、判定装置40と、表示装置50と、を含んで構成されている。
【0024】
センサ10は、例えば、作業工程等において、複数の作業者ごとに有意差が生じるパラメータのデータを収集する。
例えば、本実施形態のような第1の部品に第2の部品を組み付ける組付け作業工程においては、加圧による振動を検知する振動センサ等を例示することができる。
なお、作業環境等によって、センサ10は、加速度センサ、圧力センサ、撮像装置等であってもよい。
【0025】
識別装置20は、作業者等を特定する情報を、後述する学習モデル生成装置30に出力する装置である。
識別装置20は、本実施形態のような第1の部品に第2の部品を組み付ける組付け作業工程においては、組付け作業を行っている作業者を識別する識別情報を生成し、後述する学習モデル生成装置30に出力する装置である。
識別装置20は、例えば、出退勤情報とシフト表等から得られる情報とを組み合わせて得られる情報を、作業者等を特定する識別情報として生成し、後述する学習モデル生成装置30に出力する。
【0026】
学習モデル生成装置30は、センサ10により収集されたデータを識別装置20において生成された識別情報に基づいて作業者ごとのデータ群に分類し、分類されたデータ群に基づいて、作業者ごとの学習モデルを生成する。
【0027】
判定装置40は、センサ10からのセンサ出力データを入力データとして、識別装置20において生成された識別情報によって、学習モデル生成装置30により生成された学習モデルを切り替えて、組付け作業工程における異常判定を行う。
【0028】
表示装置50は、例えば、液晶ディスプレイであり、判定装置40の判定結果等を表示する。
表示装置50は、専用装置でなくとも、パーソナルコンピュータ等のモニタであってもよい。
【0029】
<学習モデル生成装置の構成>
図2に示すように、本実施形態に係る学習モデル生成装置30は、分類部31と、データ記憶部33と、学習部35と、学習モデル記憶部37と、出力部39と、を含んで構成されている。
【0030】
分類部31は、複数の作業者ごとに有意差が生じるパラメータのデータを収集するセンサ10により収集されたデータを識別装置20において生成された識別情報に基づいて作業者ごとのデータ群に分類する。
例えば、図3(1)は、センサ10により収集された全ての正常データであり、図3(2)は、センサ10により収集された全ての異常データである。
分類部31は、例えば、センサ10により収集された全ての正常データを識別装置20において生成された識別情報に基づいて、図3(3)に示す作業者Aの正常データと、図3(4)に示す作業者Bの正常データと、に分類する。
また、分類部31は、例えば、センサ10により収集された全ての異常データを識別装置20において生成された識別情報に基づいて、図3(5)に示す作業者Aの異常データと、図3(6)に示す作業者Bの異常データと、に分類する。
【0031】
データ記憶部33は、例えば、RAM(Random Access Memory)等により構成され、分類部31において、分類されたデータ群と識別装置20において生成された識別情報とを紐付けたデータベースを格納する。
【0032】
学習部35は、データ記憶部33から作業者ごとのデータ群を読み出して、読みだしたデータ群に基づいて、機械学習やディープラーニング等の人工知能技術を用いた学習処理を実行し、学習モデルを生成する。
具体的には、図3に示すように、例えば、作業者Aの正常データ(図3(3))と異常データ(図3(5))とに基づいて、作業者Aの学習モデルを生成し(図3(7))、作業者Bの正常データ(図3(4))と異常データ(図3(6))とに基づいて、作業者Bの学習モデルを生成する(図3(8))。
なお、学習部35において用いられるニューラルネットワークの種別としては、CNN、RNN、フィードフォワード、オートエンコーダ、ボルツマンマシン等を例示することができる。
【0033】
学習モデル記憶部37は、例えば、RAM(Random Access Memory)等により構成され、学習部35において生成された学習モデルを作業者情報と紐付けたデータベースを記憶する。
【0034】
出力部39は、学習モデル記憶部37に格納されている学習部35において生成された学習モデルと、識別装置20から入力した識別情報と、を紐付けたデータベースを、後述する判定装置40に出力する。
【0035】
<判定装置の構成>
図4に示すように、本実施形態に係る判定装置40は、学習モデルデータベース(DB)41と、学習モデル選択部42と、学習モデル43と、センサデータ抽出部44と、判定対象データセット45と、判定部46と、判定結果データベース(DB)47と、を含んで構成されている。
【0036】
学習モデルデータベース(DB)41は、RAM(Random Access Memory)等により構成され、学習モデル生成装置30の出力部39から出力される学習モデルと、識別情報とを、紐付けたデータを学習モデルデータベースとして格納する。
【0037】
学習モデル選択部42は、学習モデル生成装置30の出力部39から出力される識別情報に基づいて、学習モデルデータベース(DB)41から判定を行う作業者に対応する学習モデル43を選択する。学習モデル選択部42は、選択した学習モデル43を判定部46に出力する。
【0038】
センサデータ抽出部44は、学習モデル生成装置30の出力部39から出力される識別情報に基づいて、判定対象の作業者に対応するセンサデータを抽出する。
センサデータ抽出部44は、抽出したセンサデータを判定対象データセット45として、判定部46に出力する。
【0039】
判定部46は、センサデータ抽出部44により抽出されたセンサデータを判定対象データセット45として、学習モデル選択部42により選択された学習モデル43を用いて、第1の部品に第2の部品を組み付ける組付け作業工程における異常判定処理を実行する。
そして、判定部46における異常判定の処理結果は、表示装置50に出力され、表示装置50の表示部に表示される。
また、判定部46における異常判定の処理結果は、判定結果データベース(DB)47に格納される。
【0040】
判定結果データベース(DB)47は、RAM(Random Access Memory)等により構成され、判定部46において判定される第1の部品に第2の部品を組み付ける組付け作業工程における異常判定処理の結果を、作業者情報やタイムスタンプ等と紐付けてデータベースとして格納する。
【0041】
<異常判定システムの処理>
以下、図5図6を用いて、本実施形態に係る異常判定システム1の処理について説明する。
【0042】
図5に示すように、学習モデル生成装置30は、センサ10により収集されたデータを識別装置20において生成された識別情報に基づいて作業者ごとのデータ群に分類し、分類されたデータ群に基づいて、作業者ごとの学習モデルを生成する(ステップS110)。
なお、学習モデル生成装置30における学習モデル生成処理の詳細については、後述する。
【0043】
判定装置40の学習モデル選択部42は、学習モデル生成装置30の出力部39から出力される識別情報に基づいて、学習モデルデータベース(DB)41から判定を行う作業者に対応する学習モデル43を選択する(ステップS200)。
そして、学習モデル選択部42は、選択した学習モデル43を判定部46に出力する。
【0044】
判定装置40のセンサデータ抽出部44は、学習モデル生成装置30の出力部39から出力される識別情報に基づいて、センサデータの中から判定対象の作業者に対応するセンサデータを抽出する(ステップS300)。
そして、センサデータ抽出部44は、抽出したセンサデータを判定対象データセット45として、判定部46に出力する。
【0045】
判定装置40の判定部46は、センサデータ抽出部44より抽出されたセンサデータを判定対象データセット45として、学習モデル選択部42により選択された学習モデル43を用いて、第1の部品に第2の部品を組み付ける組付け作業工程における異常判定処理を実行する(ステップS400)。
そして、判定部46における異常判定の処理結果は、表示装置50に出力され、表示装置50の表示部に表示される。
また、判定部46における異常判定の処理結果は、判定結果データベース(DB)47に格納される。
【0046】
<学習モデル生成装置における学習モデル生成処理>
図6を用いて、本実施形態に係る学習モデル生成装置30における学習モデル生成処理について説明する。
【0047】
学習モデル生成装置30の分類部31は、複数の作業者ごとに有意差が生じるパラメータのデータを収集するセンサ10により収集されたデータを識別装置20において生成された識別情報に基づいて作業者ごとのデータ群に分類する(ステップS110)。
【0048】
そして、分類部31において分類されたデータ群は、識別装置20から取得した識別情報ととともに、紐付けられデータ記憶部33に格納される(ステップS120)。
【0049】
学習部35は、データ記憶部33から作業者ごとのデータ群を読みだして、当該データ群に基づいて、機械学習やディープラーニング等の人工知能技術を用いた学習処理を実行し、学習モデルを生成する(ステップS130)。
【0050】
学習部35において生成された作業者ごとの学習モデルは、学習モデル記憶部37に格納される(ステップS140)。
【0051】
<作用・効果>
以上、説明したように、本実施形態に係る異常判定システム1は、第1の部品に第2の部品を組み付ける組付け作業工程において、異常判定を行う異常判定システムであって、複数の作業者ごとに有意差が生じるパラメータのデータを収集するセンサ10としての加圧による振動を検知する振動センサと、組付け作業を行っている作業者を識別する識別装置20と、振動センサにより収集されたデータを作業者ごとのデータ群に分類し、分類されたデータ群に基づいて、作業者ごとの学習モデルを生成する学習モデル生成装置30と、その振動センサからのセンサ出力データを入力データとして、識別装置20の識別結果により、学習モデル生成装置30により生成された学習モデルを切り替えて、組付け作業工程における異常判定を行う判定装置40と、を含んで構成されている。
【0052】
つまり、実施形態に係る異常判定システム1は、第1の部品に第2の部品を組み付ける組付け作業工程において、判定装置40が組付け作業を行っている作業者を識別する識別装置20の識別結果に応じて、学習モデル生成装置30により生成された学習モデルを切り替えて、組付け作業工程における異常判定を行う。
そのため、作業者の識別結果に応じて、学習モデル生成装置30において生成された作業者ごとの学習モデルを現在の作業中の作業者に対応する学習モデルに切り替えて、作業工程における異常判定を行うことから、適切な異常判定を行うことができる。
【0053】
また、本実施形態に係る異常判定システム1おける学習モデル生成装置30は、複数の作業者ごとに有意差が生じるパラメータのデータを収集するセンサ10としての振動センサにより収集されたデータを作業者ごとに分類されたデータ群に基づいて、作業者ごとの学習モデルを生成する。
そのため、作業者ごとの収集データの傾向に応じた作業者ごとの最適な学習モデルを生成することができる。
【0054】
また、本実施形態に係る異常判定システム1においては、第1の部品に第2の部品を組み付ける組付け作業工程において、複数の作業者のデータを収集するセンサ10として、複数の作業者ごとに有意差が生じるパラメータのデータを収集するセンサを用いている。
そのため、限られたセンサにより、複数の作業者のデータを収集して作業工程における異常判定を行うことから、異常判定システムのコスト削減を図ることができる。
さらに、学習モデル生成装置30は、複数の作業者ごとに有意差が生じるパラメータのデータを収集するセンサから得られるデータに基づいて、学習モデルを生成することから、多くのセンサからのデータにより学習モデルを生成する場合に比べて、学習モデル生成装置30の処理負荷を軽減できるとともに、処理時間の短縮化を図ることができる。
【0055】
<第2の実施形態>
図7図8を用いて、本発明の実施形態について説明する。
【0056】
<学習モデル生成装置の構成>
図7に示すように、本実施形態に係る学習モデル生成装置30Aは、分類部31と、類似度判定部32と、データ記憶部33と、学習部35Aと、学習モデル記憶部37と、出力部39と、を含んで構成されている。
なお、第1の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同様の機能を有することから、その詳細な説明は、省略する。
【0057】
類似度判定部32は、分類部31において分類されたデータ群の類似度を求め、この類似度が予め定めた第1の閾値以上である場合に、類似度が予め定めた第1の閾値以上であるデータ群を統合して、学習モデルを生成することを指示する信号を学習部35Aに出力する。
なお、第1の閾値は、予め設定されたものでもよいし、任意に設定できるようにしてもよい。
【0058】
学習部35Aは、データ記憶部33から作業者ごとのデータ群を読みだして、当該データ群に基づいて、機械学習やディープラーニング等の人工知能技術を用いた学習処理を実行し、学習モデルを生成する。
また、学習部35Aは、類似度判定部32からの信号を受信した場合には、データ記憶部33から作業者ごとのデータ群を読み出し、類似度が予め定めた第1の閾値以上であるデータ群を統合して、統合したデータ群に基づいて、機械学習やディープラーニング等の人工知能技術を用いた学習処理を実行し、学習モデルを生成する。
そして、生成された作業者ごとの学習モデルは、学習モデル記憶部37に格納される。
また、データ群が統合された場合には、学習部35Aは、統合したデータ群に対応する複数の作業者に、生成された同一の学習モデルを紐付けて学習モデル記憶部37に格納する。
【0059】
<学習モデル生成装置における学習モデル生成処理>
図8を用いて、本実施形態に係る学習モデル生成装置30Aにおける学習モデル生成処理について説明する。
【0060】
学習モデル生成装置30Aの分類部31は、複数の作業者ごとに有意差が生じるパラメータのデータを収集するセンサ10により収集されたデータを識別装置20から取得した識別情報に基づいて作業者ごとのデータ群に分類する(ステップS110)。
【0061】
学習モデル生成装置30Aの類似度判定部32は、分類部31において分類されたデータ群の類似度を求め、この類似度が予め定めた第1の閾値以上であるか否かを判定する。
そして、類似度が予め定めた第1の閾値以上である場合に、類似度が予め定めた第1の閾値以上であるデータ群を統合して、学習モデルを生成することを指示する信号を学習部35Aに出力する(ステップS111)。
【0062】
そして、分類部31において分類されたデータ群は、識別装置20から取得した識別情報ととともに、紐付けられデータ記憶部33に格納される(ステップS120)。
【0063】
学習モデル生成装置30Aの学習部35Aは、データ記憶部33から作業者ごとのデータ群を読みだして、当該データ群に基づいて、機械学習やディープラーニング等の人工知能技術を用いた学習処理を実行し、学習モデルを生成する。
また、学習モデル生成装置30Aの学習部35Aは、類似度判定部32からの信号を受信した場合は、データ記憶部33から作業者ごとのデータ群を読み出し、類似度が予め定めた第1の閾値以上であるデータ群を統合して、統合したデータ群に基づいて、機械学習やディープラーニング等の人工知能技術を用いた学習処理を実行し、学習モデルを生成する(ステップS131)。
【0064】
学習モデル生成装置30Aの学習部35Aにおいて生成された作業者ごとの学習モデルは、学習モデル生成装置30Aの学習モデル記憶部37に格納される。
また、データ群が統合された場合には、学習部35Aは、統合したデータ群に対応する複数の作業者に、生成された同一の学習モデルを紐付けて学習モデル記憶部37に格納する(ステップS140)。
【0065】
<作用・効果>
以上、説明したように、本実施形態に係る異常判定システム1では、類似度判定部32は、分類部31において分類されたデータ群の類似度を求め、この類似度が予め定めた第1の閾値以上である場合に、類似度が予め定めた第1の閾値以上であるデータ群を統合して、学習モデルを生成することを指示する信号を学習部35Aに出力する。
そして、学習部35Aは、類似度判定部32からの信号を受信した場合には、データ記憶部33から作業者ごとのデータ群を読み出し、類似度が予め定めた第1の閾値以上であるデータ群を統合して、統合したデータ群に基づいて、機械学習やディープラーニング等の人工知能技術を用いた学習処理を実行し、学習モデルを生成する。
そのため、類似度が予め定めた第1の閾値以上であるデータ群を統合して、学習モデルを生成することから、学習モデル生成装置30Aにおいて、類似度が予め定めた第1の閾値以上であるデータ群に対応する作業者の学習モデルを生成するためのデータ量が増加することから、生成される学習モデルを最適かつ高精度なものとすることにより、判定装置40における判定精度の向上を図ることができる。
【0066】
<第3の実施形態>
図9図10を用いて、本発明の実施形態について説明する。
【0067】
<学習モデル生成装置の構成>
図9に示すように、本実施形態に係る学習モデル生成装置30Bは、分類部31と、類似度判定部32Aと、データ記憶部33と、学習部35Bと、学習モデル記憶部37と、出力部39と、を含んで構成されている。
なお、第1の実施形態および第2の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同様の機能を有することから、その詳細な説明は、省略する。
【0068】
類似度判定部32Aは、データ記憶部33に格納されたデータ群の中に、新たなデータ群があるときに、新たなデータ群と類似度が予め定めた第1の閾値以上のデータ群に対応する学習モデルを新たな作業者の学習モデルとするように、学習モデル記憶部37内の情報を書き換える。
また、類似度判定部32Aは、学習モデル記憶部37に格納されたデータ群を検索し、新たな作業者に対応するデータ群の情報量が所定量以下の場合には、学習部35Bにおける新たな作業者に対応する学習モデルの生成を停止させ、新たな作業者に対応するデータ群の情報量が所定量以上になった時には、学習部35Bにおける新たな作業者に対応する学習モデルの生成を指示する。
【0069】
学習部35Bは、新たな作業者に対応する学習モデルの生成停止指示を類似度判定部32Aから受けた場合には、新たな作業者に対応する学習モデルの生成を停止する。
また、学習部35Bは、新たな作業者に対応する学習モデルの生成指示を類似度判定部32Aから受けた場合には、データ記憶部33から当該新たな作業者に対応するデータ群を読みだして、当該データ群に基づいて、機械学習やディープラーニング等の人工知能技術を用いた学習処理を実行し、学習モデルを生成する。
そして、生成された新たな作業者の学習モデルは、学習モデル記憶部37に格納される。
なお、このとき、学習部35Bは、類似度判定部32Aにおいて書き換えられた情報を元の情報に戻す。
【0070】
<学習モデル生成装置における学習モデル生成処理>
図10を用いて、本実施形態に係る学習モデル生成装置30Bにおける学習モデル生成処理について説明する。
【0071】
学習モデル生成装置30Bの分類部31は、複数の作業者ごとに有意差が生じるパラメータのデータを収集するセンサ10により収集されたデータを識別装置20から取得した識別情報に基づいて作業者ごとのデータ群に分類する(ステップS110)。
【0072】
そして、分類部31において分類されたデータ群は、識別装置20から取得した識別情報ととともに、紐付けられデータ記憶部33に格納される(ステップS120)。
【0073】
学習モデル生成装置30Bの類似度判定部32Aは、データ記憶部33に格納されたデータ群の中に、新たなデータ群があるときに、新たなデータ群と類似度が予め定めた第1の閾値以上のデータ群に対応する学習モデルを新たな作業者の学習モデルするように、学習モデル記憶部37内の情報を書き換える。
また、類似度判定部32Aは、学習モデル記憶部37に格納されたデータ群をモニタし、新たな作業者に対応するデータ群の情報量が所定量以下の場合には、学習部35Bにおける新たな作業者に対応する学習モデルの生成を停止させ、新たな作業者に対応するデータ群の情報量が所定量以上になった時には、学習部35Bにおける新たな作業者に対応する学習モデルの生成を指示する(ステップS121)。
【0074】
学習モデル生成装置30Bの学習部35Bは、新たな作業者に対応する学習モデルの生成停止指示を類似度判定部32Aから受けた場合には、新たな作業者に対応する学習モデルの生成を停止する。
また、学習部35Bは、新たな作業者に対応する学習モデルの生成指示を類似度判定部32Aから受けた場合には、データ記憶部33から当該新たな作業者に対応するデータ群を読みだして、当該データ群に基づいて、機械学習やディープラーニング等の人工知能技術を用いた学習処理を実行し、学習モデルを生成する(ステップS132)。
【0075】
学習モデル生成装置30Bの学習部35Bにおいて生成された作業者ごとの学習モデルは、学習モデル生成装置30Bの学習モデル記憶部37に格納される(ステップS140)。
なお、このとき、学習部35Bは、類似度判定部32Aにおいて書き換えられた情報を元の情報に戻す処理を実行する。
【0076】
<作用・効果>
以上、説明したように、本実施形態に係る異常判定システム1では、類似度判定部32Aは、データ記憶部33に格納されたデータ群の中に、新たなデータ群があるときに、学習部35Bに対して、新たなデータ群と類似度が予め定めた第1の閾値以上のデータ群に対応する学習モデルを新たな作業者の学習モデルするように、学習モデル記憶部37内の情報を書き換える。
そして、学習部35Bは、新たな作業者に対応する学習モデルの生成停止指示を類似度判定部32Aから受けた場合には、新たな作業者に対応する学習モデルの生成を停止する。
つまり、データ記憶部33に格納されたデータ群の中に、新たなデータ群がある場合には、新たな作業員が従事するようになったと予想できる。
しかしながら、この新たな作業員に最適な学習モデルを生成するためには、ある程度のデータを収集する必要があり、時間を要する。
そのため、データ記憶部33に格納されたデータ群の中に、その新たなデータ群と類似度が予め定めた第1の閾値以上のデータ群があると類似度判定部32Aが判定した場合には、その新たなデータ群と類似度が予め定めた第1の閾値以上のデータ群に対応する学習モデルを新たな作業者の初期の学習モデルとすることにより、例えば、異常判定を実施しながら、新たな作業員に最適な学習モデルを生成することができる。
【0077】
また、本実施形態に係る異常判定システム1における類似度判定部32Aは、データ記憶部33に格納されたデータ群をモニタし、新たな作業者に対応するデータ群の情報量が所定量以下の場合には、学習部35Bにおける新たな作業者に対応する学習モデルの生成を停止させ、新たな作業者に対応するデータ群の情報量が所定量以上になった時には、学習部35Bにおける新たな作業者に対応する学習モデルの生成を指示する。
そして、学習部35Bは、新たな作業者に対応する学習モデルの生成指示を類似度判定部32Aから受けた場合には、データ記憶部33から当該新たな作業者に対応するデータ群を読みだして、当該データ群に基づいて、機械学習やディープラーニング等の人工知能技術を用いた学習処理を実行し、学習モデルを生成する。
そのため、例えば、異常判定を実施しながら、再学習により、新たな作業員に最適かつ高精度な学習モデルを生成することができる。
【0078】
<第4の実施形態>
図11図12を用いて、本発明の実施形態について説明する。
【0079】
<学習モデル生成装置の構成>
図11に示すように、本実施形態に係る学習モデル生成装置30Cは、分類部31と、データ記憶部33と、変容度算出部34と、学習部35Cと、学習モデル記憶部37と、出力部39と、を含んで構成されている。
なお、第1の実施形態から第3の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同様の機能を有することから、その詳細な説明は、省略する。
【0080】
変容度算出部34は、データ記憶部33に格納されたデータ群を時系列に沿って解析し、データ群の変容度を算出する。
そして、変容度算出部34は、算出された変容度が予め定めた第2の閾値以上となった場合に、変容度が予め定めた第2の閾値以上となった以降のデータ群を学習部35Cに出力するとともに、出力したデータ群に基づいて、新たな学習モデルを生成するよう指示する。
【0081】
学習部35Cは、変容度算出部34からデータ群と当該データ群に基づいて、新たな学習モデルを生成する指示を受信すると、当該データ群に基づいて、機械学習やディープラーニング等の人工知能技術を用いた学習処理を実行し、学習モデルを生成する。
そして、生成された新たな学習モデルは、当該データ群と対応する作業者情報と紐付けられて、学習モデル記憶部37に格納される。なお、このとき、新たな学習モデルと当該データ群と対応する作業者情報とは、先に、格納されていた同一の作業者情報に紐付けられていた学習モデルに対して、上書き保存される。
【0082】
<学習モデル生成装置における学習モデル生成処理>
図12を用いて、本実施形態に係る学習モデル生成装置30Cにおける学習モデル生成処理について説明する。
【0083】
学習モデル生成装置30Cの分類部31は、複数の作業者ごとに有意差が生じるパラメータのデータを収集するセンサ10により収集されたデータを識別装置20から取得した識別情報に基づいて作業者ごとのデータ群に分類する(ステップS110)。
【0084】
そして、分類部31において分類されたデータ群は、識別装置20から取得した識別情報ととともに、紐付けられデータ記憶部33に格納される(ステップS120)。
【0085】
学習モデル生成装置30Cの変容度算出部34は、データ記憶部33に格納されたデータ群を時系列に沿って解析し、データ群の変容度を算出する。
そして、変容度算出部34は、算出された変容度が予め定めた第2の閾値以上となった場合に、変容度が予め定めた第2の閾値以上となった以降のデータ群を学習部35Cに出力するとともに、出力したデータ群に基づいて、新たな学習モデルを生成するよう指示する(ステップS122)。
【0086】
学習モデル生成装置30Cの学習部35Cは、変容度算出部34からデータ群と当該データ群に基づいて、新たな学習モデルを生成する指示を受信すると、当該データ群に基づいて、機械学習やディープラーニング等の人工知能技術を用いた学習処理を実行し、学習モデルを生成する(ステップS133)。
【0087】
学習モデル生成装置30Bの学習部35Cにおいて生成された作業者ごとの学習モデルは、学習モデル生成装置30Cの学習モデル記憶部37に格納される(ステップS140)。
なお、再学習された新たな学習モデルと当該データ群と対応する作業者情報とは、先に、格納されていた同一の作業者情報に紐付けられていた学習モデルに対して、上書き保存される。
【0088】
<作用・効果>
以上、説明したように、本実施形態に係る異常判定システム1では、変容度算出部34は、データ記憶部33に格納されたデータ群を時系列に沿って解析し、データ群の変容度を算出する。
そして、変容度算出部34は、算出された変容度が予め定めた第2の閾値以上となった場合に、変容度が予め定めた第2の閾値以上となった以降のデータ群に基づいて、新たな学習モデルを生成するよう指示する。
学習部35Cは、新たな学習モデルを生成する指示を受信すると、当該データ群に基づいて、機械学習やディープラーニング等の人工知能技術を用いた学習処理を実行し、学習モデルを生成する。
そして、生成された新たな学習モデルは、当該データ群と対応する作業者情報と紐付けて、学習モデル記憶部37に格納される。
つまり、作業者ごとのデータ群の変容度が予め定めた第2の閾値以上となった場合には、現在の学習モデルが最適なものとは言えなくなっている。
そのため、本実施形態においては、データ群の変容度が予め定めた第2の閾値以上となった場合に、変容度が予め定めた第2の閾値以上となった以降のデータ群に基づいて、作業者に対応する新たな学習モデルを生成することから、データ群が変容しても、作業者ごとに最適な学習モデルを生成することができる。
【0089】
<変形例>
上記第2の実施形態から第4の実施形態においては、類似度判定部32、32A、変容度算出部34が、データ記憶部33に格納されたデータ群をモニタする例を説明したが、類似度判定部32、32A、変容度算出部34がメモリを備え、分類部31のデータを逐次取り込んで処理を行ってもよい。
【0090】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0091】
1;異常判定システム、10;センサ20;識別装置、30、30A、30B、30C;学習モデル生成装置、31;分類部、32、32A;類似度判定部、33;データ記憶部、34;変容度算出部、35、35A、35B、35C;学習部、37;学習モデル記憶部、39;出力部、40;判定装置、41;学習モデルデータベース(DB)、42;学習モデル選択部、43;学習モデル、44;センサデータ抽出部、45;判定対象データセット、46;判定部、47;判定結果データベース(DB)、50;表示装置、
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12