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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022135202
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】溶接補助部品
(51)【国際特許分類】
   B23K 37/06 20060101AFI20220908BHJP
   B23K 37/04 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
B23K37/06 C
B23K37/06 Q
B23K37/04 Y
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021034847
(22)【出願日】2021-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】520007329
【氏名又は名称】有限会社甲林工務店
(74)【代理人】
【識別番号】100141092
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 英生
(72)【発明者】
【氏名】林 穣二
(57)【要約】      (修正有)
【課題】被溶接部材へパイプ状の溶接部材端部を溶接する際に、裏板を適切に配置することが容易となる溶接補助部品を提供する。
【解決手段】被溶接部材2への略パイプ状の溶接部材3の端部の溶接に用いる溶接補助部品1であって、前記被溶接部材2に取り付けられる取付部と、前記取付部から突出し、前記溶接部材3の内側に嵌まるガイド部12と、を備え、前記ガイド部12を、前記溶接部材3の内面に対向し裏板として用いられる溶接補助部品1とする。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被溶接部材への略パイプ状の溶接部材の端部の溶接に用いる部品であって、
前記被溶接部材に取り付けられる取付部と、
前記取付部から突出し、前記溶接部材の内側に嵌まるガイド部と、を備え、
前記ガイド部は、
前記溶接部材の内面に対向し裏板として用いられることを特徴とする溶接補助部品。
【請求項2】
前記溶接部材は角パイプであり、
前記ガイド部は、
前記角パイプの内面の各平面に対応して設けられ、対応する前記平面に対向し裏板として用いられることを特徴とする請求項1に記載の溶接補助部品。
【請求項3】
前記ガイド部は、
前後を厚み方向とする略平板状の前記取付部の縁から、前方または斜め前方である突出方向へ折れ曲がって形成されていることを特徴とする請求項2に記載の溶接補助部品。
【請求項4】
前記突出方向から見て前記ガイド部よりも外向きに突出し、前記被溶接部材と前記角パイプの端面との間の一部に介在して隙間を確保するスペーサー部を備えたことを特徴とする請求項3に記載の溶接補助部品。
【請求項5】
前記端面の四辺それぞれに対応するように、複数の前記スペーサー部を備えたことを特徴とする請求項4に記載の溶接補助部品。
【請求項6】
前記端面の四隅それぞれに対応するように、複数の前記スペーサー部を備えたことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の溶接補助部品。
【請求項7】
前記取付部の前方から見た略中央位置に、ネジ止め孔を設けたことを特徴とする請求項3から請求項6の何れかに記載の溶接補助部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接に用いる溶接補助部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建築物の骨組の構築作業等において、部材同士を溶接する工程が広く行われている。また溶接の形態として、十分な溶接強度が要求される場合には、接合する部材同士の間に開先(溝)を設けておく突合せ溶接等が好適である。
【0003】
開先を設けて溶接を行う際には、開先の裏側を塞ぐように裏板が予め配置され、表側から開先を埋めるようにして溶接作業が行われる。特許文献1には、2つの板部材を裏板を介して溶接する際に、板部材の開先の先端に十分な厚みで溶接材が盛られるようにするための溶接用治具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-333593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した開先を設けておく溶接形態によれば、一般的に隅肉溶接等に比べ高い溶接強度を得ることが可能である。しかし被溶接部材(例えば柱材)へパイプ状の溶接部材(例えば角パイプ)の端部を溶接する場合において、裏板を適切に配置する作業は容易ではなく、開先を設けて溶接する際の作業効率等が問題となり得る。
【0006】
本発明は上述した課題に鑑み、被溶接部材へパイプ状の溶接部材端部を溶接する際に、裏板を適切に配置することが容易となる溶接補助部品の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る溶接補助部品は、被溶接部材への略パイプ状の溶接部材の端部の溶接に用いる部品であって、前記被溶接部材に取り付けられる取付部と、前記取付部から突出し、前記溶接部材の内側に嵌まるガイド部と、を備え、前記ガイド部は、前記溶接部材の内面に対向し裏板として用いられる構成とする。本構成によれば、被溶接部材へパイプ状の溶接部材端部を溶接する際に、裏板を適切に配置することが容易となる。
【0008】
上記構成としてより具体的には、前記溶接部材は角パイプであり、前記ガイド部は、前記角パイプの内面の各平面に対応して設けられ、対応する前記平面に対向し裏板として用いられる構成としても良い。本構成によれば、角パイプの内面の各平面に対応する裏板を適切に配置することが容易となる。
【0009】
また上記構成としてより具体的には、前記ガイド部は、前後を厚み方向とする略平板状の前記取付部の縁から、前方または斜め前方である突出方向へ折れ曲がって形成されている構成としても良い。
【0010】
また上記構成としてより具体的には、前記突出方向から見て前記ガイド部よりも外向きに突出し、前記被溶接部材と前記角パイプの端面との間の一部に介在して隙間を確保するスペーサー部を備えた構成としても良い。本構成によれば、被溶接部材と角パイプの端面との間に、開先として利用可能な隙間を容易に確保することが可能となる。
【0011】
更に当該構成は、前記端面の四辺それぞれに対応するように、複数の前記スペーサー部を備えた構成としても良い。また上記構成としてより具体的には、前記端面の四隅それぞれに対応するように、複数の前記スペーサー部を備えた構成としても良い。更に上記構成としてより具体的には、前記取付部の前方から見た略中央位置に、ネジ止め孔を設けた構成としても良い。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る溶接補助部品によれば、被溶接部材へパイプ状の溶接部材端部を溶接する際に、裏板を適切に配置することが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る溶接補助部品1の斜視図である。
図2】溶接補助部品1の別の角度から見た斜視図である。
図3】柱材に角パイプが溶接された構造物の斜視図である。
図4】柱材に角パイプが溶接された構造物の断面図である。
図5】溶接補助部品1を用いた溶接の工程に関する説明図である。
図6】溶接補助部品1を用いた溶接の工程に関する説明図である。
図7】溶接補助部品1を利用して位置決めした状態の斜視図である。
図8】溶接補助部品1を利用して位置決めした状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係る実施形態について、各図面を参照しながら以下に説明する。なお以下の説明において、上下、左右、および前後の各方向(互いに直交する方向)は、各図面に示すように便宜的に定めたものに過ぎない。
【0015】
図1は、本実施形態に係る溶接補助部品1の斜視図であり、図2は、溶接補助部品1の別の角度から見た斜視図である。また図3は、溶接補助部品1を用いて柱材2に角パイプ3が溶接された構造物の斜視図であり、図4は、当該構造物の断面図(角パイプ3の中央より少し右寄りの平面で切断した場合の右方から見た断面図)である。
【0016】
溶接補助部品1は、柱材2への角パイプ3の端部の溶接に用いることが可能な部品であって、所定形状に切断加工された一枚の平板状の金属板材に対して、折り曲げ加工を施して形成されている。より具体的に説明すると、溶接補助部品1の展開図に相当する形状に加工された平板状の金属板材に対し、取付部11における上下左右の四辺の外縁でガイド部12の部分を直角に折り曲げる曲げ加工を施して、溶接補助部品1が形成されている。
【0017】
なお、当該平板状の金属板材において、ガイド部12の部分の縁とスペーサー部14の部分の縁には隙間が設けられている。そのため、ガイド部12の部分を折り曲げてもスペーサー部14の部分には影響せず、スペーサー部14は取付部11と一連の平板状を維持する。
【0018】
柱材2は中空の四角柱形状である金属材(鋼管)であって、本発明に係る被溶接部材の一例である。角パイプ3は、中空の四角柱形状である金属材(鋼管)であって、本発明に係る溶接部材の一例である。角パイプ3は柱材2に比べ、上下および左右方向の寸法が小さい又は同等となっている。溶接補助部品1は、取付部11、ガイド部12、ネジ止め孔13、およびスペーサー部14を備えており、全体的に見て左右対称かつ上下対称の形状となっている。
【0019】
取付部11は、前後を厚み方向とする前方視矩形状の外縁(上下左右の四辺の外縁)を有する平板状に形成されており、柱材2に取り付けられる部分である。本実施形態の例では、取付部11の前方から見た中央位置にネジ止め孔13が設けられている。ネジ止め孔13は、ビス等のネジを用いて取付部11を柱材2に取り付け可能とする貫通孔であり、ネジのサイズに応じて適切な径寸法に設定されている。
【0020】
ガイド部12は、取付部11から立ち上がって伸びるように突出し、角パイプ3の内側に嵌まる部分である。本実施形態の例では、取付部11の上下左右の四辺の外縁それぞれから前方の突出方向へ折れ曲がって、合計4個のガイド部12が形成されている。ガイド部12は、角パイプ3の内面の各平面に対応して設けられており、対応する当該平面に対向して裏板として用いられる。
【0021】
スペーサー部14は、取付部11の外縁から外向き(取付部11の中央から離れる向き)へ突出するように設けられている。スペーサー部14は、前方(ガイド部12の突出方向)から見てガイド部12よりも外向きに突出しており、柱材2と角パイプ3の端面との間の一部に介在して隙間を確保する役割を果たす。
【0022】
本実施形態の例では、スペーサー部14として、角パイプ3の端面の四辺(肉厚を無視して当該端面の形状を四角形と見た場合の四辺)それぞれに対応する4個の辺対応スペーサー部14aと、角パイプ3の端面の四隅(肉厚を無視して当該端面の形状を四角形と見た場合の四隅)それぞれに対応する4個の隅対応スペーサー部14bが設けられている。辺対応スペーサー部14aそれぞれは、取付部11の上下左右の四辺の外縁における中央それぞれから突出し、隅対応スペーサー部14bそれぞれは、取付部11の四隅の外縁それぞれから突出している。
【0023】
次に、溶接補助部品1を用いて柱材2に角パイプ3を溶接する作業工程について説明する。
【0024】
溶接の作業に先立ち、柱材2における角パイプ3が接続される部分の中央位置には、センターポイントの印21を罫書いておく。その後、図5に示すように、ビス等のネジ4を用いて、溶接補助部品1を柱材2にネジ止めによって固定する。この際、取付部11の後面と柱材2の表面を接触させ、かつ、ネジ止め孔13と印21の位置を合わせるようにして溶接補助部品1を位置決めしておき、この状態を保持したまま、ネジ止め孔13を通してネジ4を捻じ込むようにすれば良い。
【0025】
その次に、図6に点線矢印で示すように、柱材2に固定済みの溶接補助部品1に向けて角パイプ3を移動させ、角パイプ3の開口した端部から内側へガイド部12が嵌まるようにしながら、スペーサー部14の全てに角パイプ3の端面を接触させる。これにより、溶接補助部品1を取り付け済みの柱材2に対して、端面がスペーサー部14へ接触するように角パイプ3を位置決めしておくことができ、溶接前の仮付けが達成される。なお角パイプ3を移動させる作業は、角パイプ3の内面をガイド部12で滑らせながら行うこともでき、角パイプ3を容易かつ的確に移動させることが可能である。
【0026】
ここで図7は、溶接補助部品1を取り付け済みの柱材2に対して角パイプ3を位置決めした状態の斜視図を示し、図8はこの状態の断面図(図4と同等の断面および視点による断面図)を示す。図7および図8に示す状態では、角パイプ3の端部近傍の内面における上下左右の各平面は上下左右の各ガイド部12に面接触し、角パイプ3の上下左右方向への位置ずれは阻止される。更に図7および図8に示す状態では、スペーサー部14が柱材2と角パイプ3の端面との間の一部に介在しており、これらの間に開先として利用可能な隙間SPが確保される。
【0027】
このように角パイプ3を位置決めした後、溶接材で隙間SPを埋めるように柱材2と角パイプ3の溶接を行う。これにより、開先を設けておく完全溶け込み溶接或いはこれに準じた形態で溶接を行うことができ、柱材2、角パイプ3、およびガイド部12が溶接により一体化し、柱材2と角パイプ3を強固に溶接することが可能となる。
【0028】
なお柱材2と角パイプ3の溶接形態は、溶接中に付加される溶加材を溶接材とする形態に限られず、柱材2および角パイプ3の少なくとも一方を母材とする溶融溶接の形態が採用されても良く、この場合は母材の一部が溶接材となる。ここまでの作業工程を行うことにより、図3或いは図4に示したように、溶接補助部品1を用いて柱材2に角パイプ3が溶接された構造物が得られる。これらの図に示すように、当該構造物における柱材2と角パイプ3の境界部には固化した溶接材5の一部が露出している。
【0029】
なお柱材2と角パイプ3の溶接の際、角パイプ3の内面の上下左右の各平面に対応して設けられている上下左右の各ガイド部12は、対応する当該平面に対向し裏板として機能する。そのため、裏板(裏当て金)を別途配置する作業を省略することができ、開先を設けて溶接する際の作業効率の低下は回避される。
【0030】
また、柱材2と角パイプ3の溶接部位は、角パイプ3に撓む方向へ外力が加わった際に力のモーメントが最も大きくなる箇所となる。しかし、ガイド部12が角パイプ3を支持するように伸びた溶接補助部品1は、このモーメントに対する強度補強の役割も果たし、柱材2と角パイプ3を含む構造物の安定性向上に寄与する。
【0031】
上述したとおり溶接補助部品1は、柱材2と角パイプ3の間における位置決めの簡易化、および、これら部材の溶接前における仮付けの簡易化を実現するとともに、溶接の際の裏板としての役割、および、上記モーメントに対する強度補強の役割をも果たす。このように溶接補助部品1は多くの役割を果たすように工夫されており、溶接に関わる作業性向上や構造物の品質向上に大きく貢献する。更に溶接補助部品1は、溶接後は角パイプ3の内側に隠れて基本的に見えなくなり、美観が損なわれることも回避される。
【0032】
なお、構造物の更なる強度向上を求める場合は、角パイプ3とガイド部12を貫通させるように角パイプ3の外面にビス等を打ち込むようにしても良い。これにより、角パイプ3とガイド部12を出来るだけ一体化させて、強度を向上させることが可能である。このビス等の打ち込みは、角パイプ3の上下左右の全ての外面において行っても良く、一部の外面のみにおいて行っても良い。
【0033】
以上に説明したとおり溶接補助部品1は、柱材2(被溶接部材の一例)への角パイプ3(略パイプ状の溶接部材の一例)の端部の溶接に用いる部品であって、柱材2に取り付けられる取付部11と、取付部11から突出し、角パイプ3の内側に嵌まるガイド部と、を備え、ガイド部12は角パイプ3の内面に対向し裏板として用いられる。そのため溶接補助部品1によれば、柱材2へ角パイプ3を溶接する際に、裏板を適切に配置することが容易となる。
【0034】
なお上記実施形態では、略パイプ状の溶接部材として角パイプを例に挙げたが、他のパイプ材が適用されても良い。また、溶接部材は完全なパイプ状のものには限られず、例えば、一端が閉鎖された有底筒状の部材等であっても構わない。
【0035】
また溶接補助部品1において、ガイド部12は角パイプ3の内面の各平面に対応して設けられ、対応する当該平面に対向し裏板として用いられる。なお、角パイプ3の断面(前後方向に直交する断面)の形状や寸法は既知であり、特にJIS規格の角形鋼管等においては当該断面の形状や寸法は予め定められている。このような既知の形状や寸法に基づき、溶接補助部品1においては、柱材2と角パイプ3の位置決め時における上下左右の各ガイド部12の外側の表面(平面)の位置が、角パイプ3の内面の上下左右の各平面の位置と概ね一致するように、形状および寸法が設定されている。
【0036】
これにより柱材2と角パイプ3の位置決めを行うだけで、4個のガイド部12が角パイプ3の内面のほぼ全周に対する裏板となるように、ガイド部12を適切な位置に配置することが可能である。但し、溶接補助部品1における各ガイド部12の位置は、裏板として利用可能な範囲において適宜改変されても良く、ガイド部12と角パイプ3の内面との間に少し隙間が生じるようになっていても構わない。
【0037】
また溶接補助部品1では、ガイド部12は、前後を厚み方向とする平板状の取付部11の縁から前方へ折れ曲がって形成されている。これによりガイド部12は前方へ伸び、柱材2から前方へ伸びた状態(柱部2の表面に対して直角に伸びた状態)で、角パイプ3を柱材2へ溶接させる用途に好適である。但しガイド部12は、取付部11の縁から斜め前方へ折れ曲がって形成され、斜め前方へ伸びるようにしても良い。これにより、柱材2から斜め前方へ(ガイド部12の伸びと同じ方向へ)伸びた状態で、角パイプ3を柱材2へ溶接させる用途に好適となる。
【0038】
また溶接補助部品1では、ガイド部12の突出方向から見てガイド部12よりも外向きに突出し、柱材2と角パイプ3の端面との間の一部に介在して隙間を確保するスペーサー部14を備えている。これにより、スペーサー部14の肉厚(溶接補助部品1の形成に用いた金属板材の肉厚)の分、先述した隙間SPを形成することが可能である。なお、隙間SPとして所望の大きさの隙間を確保させる場合は、スペーサー部14の肉厚をこの大きさに合わせて設定しておけば良い。
【0039】
特に本実施形態では、スペーサー部14として、角パイプ3の端面の四辺の中央それぞれに対応する辺対応スペーサー部14aと、当該端面の四隅それぞれに対応する隅対応スペーサー部14bとを設けており、隙間SPを非常に安定して維持することが可能となっている。但しスペーサー部14の具体的形態はこれに限定されず、例えば、辺対応スペーサー部14aと隅対応スペーサー部14bの何れか一方だけを設けるようにしても良く、また、スペーサー部14を一つだけ設けておくこと等も可能である。
【0040】
またスペーサー部14の突出量は、位置決めされた角パイプ3の外面と概ね面一となる突出量(例えば上側の辺対応スペーサー部14aであれば、角パイプ3の上側の外面と概ね面一となる突出量)、或いはこれよりもやや短い突出量に設定されることがより好ましい。これにより溶接後、固化した溶接材5にほぼ完全に埋まることで、スペーサー部14をより確実に見えなくすることが可能となる。
【0041】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の構成は上記実施形態に限られず、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、溶接に用いる溶接補助部品に利用可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 溶接補助部品
11 取付部
12 ガイド部
13 ネジ止め孔
14 スペーサー部
14a 辺対応スペーサー部
14b 隅対応スペーサー部
2 柱材(被溶接部材)
21 印
3 角パイプ(溶接部材)
4 ネジ
5 溶接材
SP 隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8