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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022135229
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】除菌装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/10 20060101AFI20220908BHJP
   A61L 2/24 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
A61L2/10
A61L2/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021034894
(22)【出願日】2021-03-05
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】591085710
【氏名又は名称】株式会社オーテックエレクトロニクス
(74)【代理人】
【識別番号】100119297
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 正男
(72)【発明者】
【氏名】西山 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】林 宏明
(72)【発明者】
【氏名】柳澤 啓太
(72)【発明者】
【氏名】有野 頌宗
(72)【発明者】
【氏名】市川 裕太
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA02
4C058BB06
4C058DD01
4C058DD12
4C058EE22
4C058EE26
4C058KK02
4C058KK23
4C058KK32
(57)【要約】
【課題】
紫外線を除菌対象物の表裏全体に照射することで、ムラのない効果的な除菌が可能である除菌装置を提供する。
【解決手段】
除菌対象物に紫外線を照射して除菌を行う蓋部と容器本体部とを備えた箱型の除菌装置であって、
除菌対象物を載置する格子状の載置台と、前記載置台の上下方向に所定の離隔で、前記蓋部裏側に設けられた上板と、前記容器本体部内側に設けられた下板とに配置された除菌用の紫外線を発生する複数の紫外線光源とを備え、
前記格子状の載置台は、除菌対象物に応じた格子サイズの載置台に着脱可能に構成する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
除菌対象物に紫外線を照射して除菌を行う蓋部と容器本体部とを備えた箱型の除菌装置であって、
除菌対象物を載置する格子状の載置台と、前記載置台の上下方向に所定の離隔で、前記蓋部裏側に設けられた上板と、前記容器本体部内側に設けられた下板とに配置された除菌用の紫外線を発生する複数の紫外線光源とを備え、
前記格子状の載置台は、除菌対象物に応じた格子サイズの載置台に着脱可能に構成されていることを特徴とする除菌装置。
【請求項2】
前記蓋部の開閉を検知する開閉センサーを備え、前記蓋部の開を検知すると前記紫外線光源を消灯する光源制御部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の除菌装置。
【請求項3】
前記光源制御部は、前記紫外線光源が点灯時における印加電圧を検出し、前記印加電圧に異常が生じた場合、前記紫外線光源を消灯させる電圧検出部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の除菌装置。
【請求項4】
前記蓋部を開閉可能とする連結部と、前記蓋部に対して開運動力を及ぼすバネを有する軸部材と、前記蓋部が閉じられた際に前記蓋部に設けられた磁石との磁力により、前記蓋部の閉状態を維持する開閉駆動部とを備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の除菌装置。
【請求項5】
前記格子状の載置台の材料は抗菌性を有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の除菌装置
【請求項6】
前記開閉センサーはリードスイッチであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の除菌装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線光源、特に深紫外線光源による確実な除菌と、人体への安全性を考慮したコンパクトな除菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、新型コロナウイルスなどの感染症の伝染が社会的問題となり、人の手から手への伝染を防ぐ為に、丁寧な手洗いが推奨を促されている。また、家庭に細菌などを持ち込まないため、手洗いに加え利用者が日常的に使用している物、例えばスマートフォン、眼鏡等の除菌を行う必要があることから、人が手で触れるものを簡便に除菌できる除菌装置が望まれている。
【0003】
除菌作業は、例えば、アルコール、次亜塩素酸水等の消毒液を用い、対象を洗浄することにより実現できる。アルコール等の消毒液での洗浄・拭き取りは有効な滅菌手段ではあるが、除菌対象物の全体を隈なく消毒・拭き取る必要があり、かかる作業は容易ではない。消毒液で隈なく消毒・拭き取る作業は煩わしく、負担が大きい。また、除菌効果が限定的である、といった問題がある。
【0004】
このため、紫外線光源(LED)を使用した除菌装置が、このところ数多く販売されている。紫外線は可視光線よりも波長が短い光で、特に100~400nmの波長域のものを指すが、そのなかでも100~280nmの深紫外線(UV-C)は、最もエネルギーが高く、細菌やウイルスなどを効果的に殺菌・無害化できる、とされている。
【0005】
一方、深紫外線は強い殺菌力を持つことから、人体に悪影響を及ぼすともいわれており、深紫外線が目にあたると目の障害(眼痛・充血・角膜の炎症など)を誘発したり、人体に照射されると、紅斑や皮膚のDNA損傷による癌を誘発するとの懸念がある。深紫外線は、あらゆる種類の病原菌、ウイルスを短時間で有効に死滅させることができ、良好な除菌効果が得られるが、深紫外線光源を裸眼で見たり、無防備で人体を曝すことは、極めて危険である。
【0006】
非特許文献1には、スマートフォンなどを収納し、紫外線で除菌する「UVマルチ除菌ケース」が開示されている。下記非特許文献1に記載の除菌ケースは、ケースの内部にスマートフォンやマスク、メガネ、歯ブラシといった小物を収納し、ケース内に内蔵されているLEDによりUV-Cライトを除菌対象物に照射することで、約5分で99.9%除菌できるとしている。
【0007】
しかし、下記非特許文献1の除菌ケースに内蔵されているLEDは、ケースの上面に3個配置されているだけである。このため、LEDからの深紫外線(UV-C)は、除菌対象物の表面に照射されるが裏面には照射されず、裏面に付着しているウイルス等の除菌はできない、と思われる。また、タイマーが設けられておりLEDの点灯から5分後にLEDが消灯する機能を有するが、LED点灯時(深紫外線照射時)にケースを開けても、LEDは点灯状態のままであることから、紫外線が目や皮膚に照射される危険性がある。
【0008】
下記特許文献1には、紫外線光源として深紫外紫外発光ダイオードを用いた紫外線殺菌装置であって、確実な殺菌が可能な紫外線殺菌装置が開示されている。特許文献1に記載の技術は、一以上の深紫外線発光ダイオードを有し被殺菌体に向けて深紫外線を出射する深紫外線光源(光触媒材に向けて深紫外線を出射するものを除く。)と、制御手段とを有し、該制御手段は、(1)被殺菌体に深紫外線を照射する時間として定義される照射時間t(単位:秒)、(2)被殺菌体と深紫外線光源との間の距離d(単位:cm)、および(3)深紫外線光源の発光出力P(単位:mW)から選ばれる1以上を制御して、照射時間内に被殺菌体に対して照射される深紫外線の積算照射量I(単位:mJ/cm2)が予め定めた所定値I0となるようにするものであることを特徴とする紫外線殺菌装置である。
【0009】
しかし、特許文献1に記載の紫外線殺菌装置も、筐体に内蔵されているLEDは筐体の上面にのみ設置されており、除菌対象物の裏面には紫外線が届かないという問題がある。また、殺菌処理の終了は殺菌処理の開始を行った操作者にディスプレイで伝える仕組みとなっているが、殺菌処理終了前に何らかの原因により筐体が開いても、紫外線照射が停止する機能は無く、非特許文献1と同様に、筐体の開放による深紫外線が目や皮膚に照射される恐れがある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】週刊アスキー UV-Cライトを照射するLEDを内蔵。パッケージでは「約5分で99.9%除菌」が可能とうたわれている。「令和3年2月13日検索」、https://weekly.ascii.jp/elem/000/004/018/4018737/
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2017-113648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そこで本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、紫外線を除菌対象物の表裏全体に照射することで、ムラのない効果的な除菌が可能である除菌装置を提供することにある。また、不測の事態においても深紫外線が人体に照射されない紫外線光源消灯機能を搭載することにより、人体への安全性を考慮した除菌装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため本発明は、除菌対象物に紫外線を照射して除菌を行う蓋部と容器本体部とを備えた箱型の除菌装置であって、
除菌対象物を載置する格子状の載置台と、前記載置台の上下方向に所定の離隔で、前記蓋部裏側に設けられた上板と、前記容器本体部内側に設けられた下板とに配置された除菌用の紫外線を発生する複数の紫外線光源とを備え、
前記載置台は除菌対象物に応じた格子サイズの載置台に着脱可能に構成されていることを特徴とする除菌装置、である。
【0014】
除菌対象物の上下方向に紫外線を照射する紫外線光源を設け、除菌対象物を載置する載置台の形状を格子状とすることで、除菌対象物の表裏全体に紫外線を照射することができる。また、載置台を着脱可能な構成とし除菌対象物に適合した載置台に取替えることで、載置台が除菌に与える負の影響を最小限にすることができる。
【0015】
前記蓋部の開閉を検知する開閉センサーを備え、前記蓋部の開を検知することで前記紫外線光源を消灯する光源制御部を備えることが好適である。何らかの原因により、紫外線光源が点灯している状態で蓋部が開いても、蓋部が開いたことを検知するセンサーにより紫外線光源を消灯することで、紫外線の人体への悪影響を防ぐことができる。
【0016】
また、前記光源制御部は、前記紫外線光源の点灯時における印加電圧を検出し、前記印加電圧に異常が生じた場合、前記紫外線光源を消灯させる電圧検出部を有することが好適である。電圧検出部により、一部の紫外線光源の印加電圧が異常であることを検知した場合、その異常を報知し全ての紫外線光源を消灯することで、不用意な蓋部の開きがあっても、人体への紫外線照射を防ぐことができる。
【0017】
前記蓋部を開閉可能とする連結部と、前記蓋部に対して開運動力を及ぼすバネを有する軸部材と、前記蓋部が閉じられた際に前記蓋部に設けられた磁石との磁力により、前記蓋部の閉状態を維持する開閉駆動部とを備えることは好適である。
【0018】
磁石が設けられた蓋部の蓋部磁石部に当接する、除菌対象物を収容する収容部に、蓋部磁石との磁力により、開運動力に抗し蓋部を閉状態に維持する磁石を回動させる開閉駆動部を設ける。開閉駆動部が磁石を回動させることにより、蓋部磁石部との磁力により蓋部の開閉が制御することができる。蓋部の開閉を検知する開閉センサーとして、リードスイッチを用いることは好適である。蓋部の開閉という機械的な動作をリードスイッチにより電気信号に変換することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、人の手を介さず除菌対象部を自動的に除菌する安価で操作性の良い除菌装置を提供することができる。また、短時間で除菌対象物をムラなく効果的に除菌することができる除菌装置を提供することができる。さらに、不測の事態においても深紫外線が人体に照射されない紫外線光源消灯機能により、人体への安全性を考慮した除菌装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施例である除菌装置1の斜視図である。
図2】本発明の一実施例である除菌装置1の容器本体部20の内部平面図である。
図3】本発明の一実施例である除菌装置1の長手方向の断面図である。
図4】本発明の一実施例である除菌装置1の短手方向の断面図である。
図5】除菌対象物100を載置する格子状の載置台の平面図である。
図6】本発明の一実施例である除菌装置1のブロック構成図である。
図7】本発明の一実施例である除菌の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。図1は本発明の一実施例である除菌装置1の斜視図である。除菌装置1は、蓋部10と、蓋部10とその周縁が当接し、除菌対象物を収容する容器本体部20、除菌対象物を載置する格子状の載置台2、格子状の載置台2の上下方向となる蓋部10の裏側の上板と容器本体部20の内部の下板に設けられた紫外線光源3とを備える。蓋部10の前面には除菌スタートスイッチ70、除菌状態を表示する表示部80が設けられている。
【0022】
図2は本発明の一実施例である除菌装置1の容器本体部20の内部平面図である。図2(a)に示すように容器本体部10の内部の下板230(図3参照)には紫外線光源3bが片列4個、計8個設けられている。紫外線光源3a、3bの上下には格子状の載置台2が、支持金具140により着脱可能に設置されている。
【0023】
容器本体部20と蓋部10とは、蓋部10を容器本体部20に連結する蝶番121と、前記蓋部10に対して開運動力を及ぼすバネを有する軸部材122とを有する連結部120により開閉可能に連結されている。軸部材122によるバネ力は、蓋部10に開方向の運動力を与えるので、他の外力が働かない限り蓋部10は、軸部材122のバネ力により開いた状態となる。
【0024】
図2(b)は除菌対象物100、図2(b)においてはスマートフォンが格子状の載置台2に載置されている状態を示した図である。除菌対象物100は格子状の載置台2上にあるため、容器本体部20の下板230に設置された紫外線光源3bにより、その裏面もほぼムラなく紫外線が照射される。
【0025】
図3は本発明の一実施例である除菌装置1の長手方向の断面図である。図3に示すように紫外線光源3aは、蓋部10の上板130に1列4個で2列、計8個設置されている。また、蓋部10の前面の周縁中央には、磁石110が設けられている。
【0026】
本体容器部20の下板230には、紫外線光源3bが1列4個で2列、計8個、紫外線光源3bと対称に設けられている。また、本体容器部20の底板にはスピーカ220が配置されており、そこから除菌中であることを報知する音楽が流れる。
【0027】
容器本体部20の底部には、頂部に磁石202を有するアーム201を回動可能に駆動する駆動部200が設置されている。駆動部200によりアーム201上の磁石202が回動(傾動)し、アーム201が直立した状態では、アーム201上の磁石202と磁石110との磁力により、バネ力に抗して蓋部10は閉じた状態となる。駆動部200によりアーム201が回動(傾動)し、磁石202が磁石110から離れることで、軸部材122のバネ力により蓋部10が開いた状態となる。
【0028】
蓋部10が開いた状態か、閉じた状態にあるのかを検知するので、リードスイッチ42と磁石111とを有する開閉センサー40である。リードスイッチ42は基板41上に固定されている。リードスイッチ42が設置されている本体容器部20の外部周縁と当接する蓋部10の内側には磁石111が設けられている。
【0029】
蓋部10が閉じた状態では磁石111によりリードスイッチ42は蓋部10が閉じられている信号を制御部50(図6参照)に送信する。駆動部20による磁石202の回動で蓋部10が開くことにより、磁石111がリードスイッチ42から離れ、リードスイッチ42は蓋部10が開いたことを知らせる信号を光源制御部53(図6参照)に送信する。
【0030】
図4は、本発明の一実施例である除菌装置1の短手方向の断面図である。図4においては格子状の載置台2に除菌対象物100が載置されている。除菌対象物100の上下方向に紫外線光源3がそれぞれ設けられており、紫外線を照射にムラが出ないように構成されている。図4においてその右側面には、蓋部10と本体容器部20とが、蝶番121と、蝶番121の軸穴を貫通するバネを備えた連部材122とを有する連結部120により開閉可能に連結されている。
【0031】
紫外線光源3と除菌対象部100との距離により除菌効果が変化する。また、その距離や紫外線光源の強度により除菌時間が変化する。本発明の実施にあたっては、紫外線光源3と除菌対象物の距離との関係、所定条件下においての除菌に必要な紫外線光源の発光強度の基準設定、紫外線光源の効果的照射範囲、単一の紫外線光源による除菌時間の分布を求め、これらから20秒前後で99%以上の除菌が可能な構成(紫外線光源の個数、除菌対象物と紫外線光源との距離、紫外線光源の発光強度)を定めた。
【0032】
本発明の一実施例である除菌装置1による除菌効果を検証するため、試験菌バクテリオファージQβ(NBRC 20012)を接種したフィルムを使った除菌試験を試験研究機関に委託した。除菌装置1による除菌後のフィルムに残った試験菌バクテリオファージQβ(NBRC 20012)の感染価を評価した結果、20秒で平均99.2%、30秒で99.9%除菌された。
【0033】
図5は除菌対象物100を載置する格子状の載置台2の平面図である。格子状の載置台2は支持金具140により着脱可能に設置されているので、除菌対象物に応じて格子サイズの異なるものに取り換えることができる。例えば、図5に示す格子状の載置台2の中央部に配置されている長手方向の仕切りが無い格子状の載置台、あるいは短手方向中央の仕切りを無くした格子状の載置台等である。格子の仕切り数を減らすことで、よりムラなく除菌対象物に紫外線を照射することができる。
【0034】
格子状の載置台2の材料としては、抗菌性を有するもの、例えば銅、コバルト、アルミニウム、ニッケル、亜鉛、パラジウム、モリブデン、タングステンなどが挙げられる。抗菌効果のある材料を使うことにより、僅かに菌が残ったとしても使用後に生き残った菌数を減らす効果があるからである。
【0035】
図6は本発明の一実施例である除菌装置1のブロック構成図である。制御部50は、紫外線光源3を制御する光源制御部53、駆動部200を制御する駆動制御部54、除菌中であることを報知する音楽を生成する音声モジュール51、これらを制御するMPU52とから構成されている。
【0036】
開閉センサー40は蓋部10の開閉状態を検知し、検知した信号を光源制御部53に送信する。光源制御部53は、蓋部10が開いていれば紫外線光源3a、3bを消灯し、表示部80に除菌停止状態にあることを表示する信号を送信する。
スタートスイッチ70により除菌が開始され、紫外線光源が点灯し表示部80が除菌状態であることを表示する。音声モジュール51は除菌装置が除菌中であることをスピーカ220により報知する。
【0037】
図7は本発明の一実施例である除菌の手順を示すフローチャートである。先ず、除菌装置1の蓋部10が開いているか否かを判定し(S1、S2)、開いていれば紫外線光源を消灯し(S3)、蓋部が閉じられ除菌スタートボタンが押されると、紫外線光源が点灯し、消灯用タイマーが起動する(S4~S10)。紫外線光源が点灯されると同時に、紫外線光源の印加電圧チェックが行われ(S7)、印加電圧に異常があれば紫外線光源を消灯する(S8、S9)。印加電圧に異常がなければタイマーの設定時間が経過したかどうかを判定し(S11)、タイマー設定時間が経過することで紫外線光源を消灯する(S11、S12)。
【0038】
図7に示すように除菌装置1は、蓋部10が開いた状態での紫外線光源の点灯を3重に防止している。一つは蓋部10の開閉センサー40による蓋部10の開閉検知による紫外線光源の消灯である。もう一つは、消灯用タイマーによる所定の時間経過での紫外線光源の消灯である。さらに、紫外線光源に印加される電圧のチェックによる消灯である。本発明の除菌装置は、これら3重の消灯機能により、開閉センサー40の不調、タイマー故障等の不測の事態であっても、蓋部10が開くと必ず紫外線光源が消灯する安全機能を備えている。これにより、人体への紫外線照射による悪影響を防ぐことができる。
【符号の説明】
【0039】
1:除菌装置
2:格子状の載置台
3:紫外線光源
3a:紫外線光源(蓋裏側)
3b:紫外線光源(容器本体部内側)
10:蓋部
20:容器本体部
40:開閉センサー
41:基板
42:リードスイッチ
50:制御部
51:音声モジュール
52:MPU
53:光源制御部
54:駆動制御部
70:スタートスイッチ
80:表示部
100:除菌対象物
110:磁石
111:磁石
120:連結部
121:蝶番
122:軸部材
130:上板
140:指示金具
200:駆動部
201:アーム
202:磁石
220:スピーカ
230:下板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7