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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022013528
(43)【公開日】2022-01-18
(54)【発明の名称】寝袋、抱き枕カバー、及び、掛布団
(51)【国際特許分類】
   A47G 9/08 20060101AFI20220111BHJP
   A47G 9/02 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
A47G9/08 C
A47G9/02 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】26
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020136603
(22)【出願日】2020-08-13
(31)【優先権主張番号】P 2020113698
(32)【優先日】2020-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】520239610
【氏名又は名称】丸田 篤史
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】丸田 篤史
【テーマコード(参考)】
3B102
【Fターム(参考)】
3B102BA16
(57)【要約】
【課題】本発明は、高温多湿で不快指数の高い場面でも睡眠が取れる寝袋、抱き枕カバー及び掛布団を提供する。
【解決手段】本発明の寝袋はユーザの体を収容する内部空間が形成された寝袋本体を有し、前記寝袋本体における上掛け部は、外部の空気を前記寝袋本体の内部空間に分散して送風する空気送風手段が設けられ、前記空気送風手段は、外部の空気を前記内部空間に送風するための送風装置、送風装置が取り付けられる開口部、送風装置によって開口部から送風された空気の通路であるエアパイプ、及び、エアパイプに送風された空気を前記内部空間に排出するための複数の排出口を含み、送風装置によって開口部から前記エアパイプ内に空気が送風されると、送風された空気はエアパイプ内を通過して、複数の排出口から分散されて寝袋本体の内部空間内へと排出されて、前記寝袋本体の内部空間にあるユーザの体に外部からの空気が送風される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの体を収容する内部空間が形成された寝袋本体を有する寝袋であって、
前記寝袋本体において使用時にユーザに上から掛かる上掛け部は、外部の空気を前記寝袋本体の内部空間に分散して送風する空気送風手段が設けられ、
前記空気送風手段は、外部の空気を前記内部空間に送風するための送風装置、前記送風装置が取り付けられる開口部、前記送風装置によって前記開口部から送風された空気の通路であるエアパイプ、及び、前記上掛け部の裏側に形成され、前記エアパイプに送風された空気を前記内部空間に排出するための複数の排出口を含み、
前記送風装置によって前記開口部から前記エアパイプ内に空気が送風されると、送風された空気は前記エアパイプ内を通過して、複数の前記排出口から分散されて前記寝袋本体の内部空間内へと排出されて、前記寝袋本体の内部空間にある前記ユーザの体に外部からの空気が送風されることを特徴とする、寝袋。
【請求項2】
前記寝袋本体は、矩形の前記上掛け部、及び、矩形の敷部から構成され、
前記上掛け部と前記敷部とは3辺で互いに結合され、結合されていない1辺の部分が、前記内部空間にユーザが体を入れるための開口として形成され、前記空気送風手段によって前記内部空間内に送風された空気は、前記開口を通して外部に排出されることを特徴とする、請求項1に記載の寝袋。
【請求項3】
前記寝袋の開口には、前記開口の大きさを調整する調整手段が設けられていることを特徴とする、請求項2に記載の寝袋。
【請求項4】
前記敷部と前記上掛け部との結合部分にファスナーを設けたことを特徴とする、請求項2または3に記載の寝袋。
【請求項5】
前記寝袋本体の上方側に前記ユーザの頭部分を収容する寝袋頭部を有し、
前記寝袋頭部の上面に前記ユーザの顔を露出することができる開口を有し、
前記寝袋本体には、前記開口の下端部から足元方向に延伸し、前記寝袋本体を開閉するファスナーが設けられており、前記空気送風手段によって前記内部空間内に送風された空気は、前記開口を通して外部に排出されることを特徴とする請求項1に記載の寝袋。
【請求項6】
前記送風装置は電気で駆動されるファンを有し、前記ファンの回転によって外部の空気が前記開口部を通じて前記エアパイプ内に送風されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の寝袋。
【請求項7】
前記送風装置は温風送風機であり、前記開口部に前記温風送風機のダクトの先端が接続され、前記温風送風機からの温風が前記開口部を通じて前記エアパイプ内に送風されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の寝袋。
【請求項8】
前記排出口は、スリット、孔、またはメッシュの少なくとも1種類であることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の寝袋。
【請求項9】
前記排出口はスリットであり、複数の前記スリットは、前記エアパイプの延伸方向に対して斜めに形成されていることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の寝袋。
【請求項10】
前記上掛け部は表地及び裏地からなり、前記エアパイプは、前記上掛け部の前記表地と前記裏地との間に形成され、前記開口部は前記表地に設けられ、前記排出口は前記裏地に形成されていることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載の寝袋。
【請求項11】
前記上掛け部の表面に、エアパイプ用の生地によって前記エアパイプが形成されており、前記エアパイプ用の生地に前記開口部が設けられ、前記排出口は、前記上掛け部に形成されていることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載の寝袋。
【請求項12】
前記上掛け部の裏面に、エアパイプ用の生地によって前記エアパイプが形成されており、前記上掛け部に前記開口部が設けられ、前記排出口は、前記エアパイプ用の生地に形成されていることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載の寝袋。
【請求項13】
表地及び裏地からなり、内部空間に抱き枕が収容される抱き枕カバーであって、
空気を抱き枕カバーを使用しているユーザに分散して送風する空気送風手段が設けられ、
前記空気送風手段は、空気をユーザに送風するための送風装置、前記送風装置が取り付けられる開口部、前記送風装置によって前記開口部から送風された空気の通路であるエアパイプ、及び、前記エアパイプに送風された空気を前記ユーザに送風するための複数の排出口を含み、
前記開口部は前記表地に形成され、前記エアパイプは前記内部空間において前記抱き枕が収容されて残った空間であり、前記排出口は前記裏地に形成され、
前記送風装置によって前記開口部から前記エアパイプ内に外部から空気が送風されると、送風された空気は前記エアパイプ内を通過して、複数の前記排出口を通じて、分散されて外部に排出されて、前記抱き枕を使用しているユーザの体に空気が送風されることを特徴とする、抱き枕カバー。
【請求項14】
前記送風装置は、電気で駆動されるファンを有し、前記ファンの回転によって外部の空気が前記開口部を通じて前記エアパイプ内に送風されることを特徴とする、請求項13に記載の抱き枕カバー。
【請求項15】
前記送風装置は温風送風機であり、前記開口部に前記温風送風機のダクトの先端が接続され、前記温風送風機からの温風が前記エアパイプ内に送風されることを特徴とする、請求項13に記載の抱き枕カバー。
【請求項16】
前記排出口は、スリット、孔、またはメッシュの少なくとも1種類であることを特徴とする、請求項13~15のいずれか1項に記載の寝袋。
【請求項17】
前記排出口はスリットであり、前記スリットは、前記エアパイプの延伸方向に対して斜めに形成されていることを特徴とする、請求項13~15のいずれか1項に記載の抱き枕カバー。
【請求項18】
前記抱き枕カバーの内部に抱き枕を出し入れするための開閉可能な開口を備えることを特徴とする、請求項13~17のいずれか1項に記載の抱き枕カバー。
【請求項19】
掛布団本体の裏側からユーザに空気を送風する掛布団であって、
前記掛布団本体に、空気を前記掛布団本体の裏側から分散して送風する空気送風手段が設けられ、
前記空気送風手段は、空気を送風するための送風装置、前記掛布団本体の表側に形成され、前記送風装置が取り付けられる開口部、前記送風装置によって前記開口部から送風された空気の通路であるエアパイプ、及び、前記掛布団本体の裏側に形成され、前記エアパイプに送風された空気をユーザに送風するための複数の排出口を含み、
前記送風装置によって前記開口部から前記エアパイプ内に外部からの空気が送風されると、送風された空気は前記エアパイプ内を通過して、複数の前記排出口から分散されて前記寝袋本体の裏側に排出されて、前記ユーザの体に外部からの空気が送風されることを特徴とする、掛布団。
【請求項20】
前記送風装置は、電気で駆動されるファンを有し、前記ファンの回転によって外部の空気が前記開口部を通じて前記エアパイプ内に送風されることを特徴とする、請求項19に記載の掛布団。
【請求項21】
前記送風装置は温風送風機であり、前記開口部に前記温風送風機のダクトの先端が接続され、前記温風送風機からの温風が前記エアパイプ内に送風されることを特徴とする、請求項19に記載の掛布団。
【請求項22】
前記排出口は、スリット、孔、またはメッシュの少なくとも1種類であることを特徴とする、請求項19~21のいずれか1項に記載の掛布団。
【請求項23】
前記排出口はスリットであり、複数の前記スリットは、前記エアパイプの延伸方向に対して斜めに形成されていることを特徴とする、請求項19~21のいずれか1項に記載の掛布団。
【請求項24】
前記掛布団本体は表地及び裏地からなり、前記エアパイプは、前記表地と前記裏地との間に形成され、前記開口部は前記表地に設けられ、前記排出口は前記裏地に形成されることを特徴とする、請求項19~23のいずれか1項に記載の掛布団。
【請求項25】
前記掛布団本体の表面に、エアパイプ用の生地によって前記エアパイプが形成されており、前記エアパイプ用の生地に前記開口部が設けられ、前記排出口は、前記上掛け部に形成されていることを特徴とする、請求項19~23のいずれか1項に記載の掛布団。
【請求項26】
前記掛布団本体の裏面に、エアパイプ用の生地によって前記エアパイプが形成されており、前記上掛け部に前記開口部が設けられ、前記排出口は、前記エアパイプ用の生地に形成されていることを特徴とする、請求項19~23のいずれか1項に記載の掛布団。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャンプ等で使用する寝袋、抱き枕カバー、及び、掛布団に関する。
【背景技術】
【0002】
キャンプ等で使用する寝袋には、様々な形態が存在しており、特に、寒さ対策が行われた寝袋が多数存在している。例えば、特許文献1には、寒冷地で使用できるように保温性を有する寝袋が開示されており、特許文献2には、肩部及び首部の保温性を向上させた寝袋が開示されている。
【0003】
このように、寒さ対策のために保温性を向上させた寝袋は多数存在しているが、このような寝袋を夏に使用すると、保温性のために暑さが問題となる。そこで、暑さ対策として、特許文献3には、人体の各部分に対して良好な換気効果を享受できる空気循環機能付き人体カバーが開示されており、前記人体カバーは、人体を覆うためのチャンバを有するかまたは形成することができるカバー本体を含み、チャンバに開口部を設けて、カバー本体には、チャンバと外部との間の空気の循環を促進する換気装置が設けられている。
【0004】
このような換気装置を用いて暑さ対策を行う方法は寝袋以外にも用いられており、例えば、特許文献4には、冷暖房兼用の小型空調機付き冷暖コートについて開示されており、冷暖房兼用の空調機をコートのベルトに取り付け、用途に応じて冷暖房兼用の靴や手袋を接続して使用している。また、通風孔に本物品外である空調機から寝袋全周に形成された上方及び下方空気室内に所望の温度の空気を送風し、循環させることにより、寝袋内を適温に保つことができる寝袋が存在する。
【0005】
特許文献5には、人一人が休憩するのに必要最小限の空間を冷房して、エネルギー資源の浪費を抑えることができる寝袋が開示されており、寝袋本体に、低温物を収容可能な容器と、通風路と、前記容器に対して伝熱的に接続されると共に前記通風路に露出して設けられた熱交換器と、熱交換器に前記空間の空気を送る送風装置とを有する空気調和装置を接続して構成し、前記送風装置によって、前記空間と熱交換器との間で前記通風路を経由して少なくとも一部の空気を循環させることで、前記容器内の低温物によって前記通風路を通過する空気の熱が奪われ、熱を奪われた空気によって、前記寝袋本体内の空間が冷房される。
【0006】
上述のように、暑さ対策として、小型ファンを利用した寝袋、冷暖コートは既に存在しているが、体が入る場所に空気を直接送風することから、空気圧が掛かることにより、風が直接体に当たりづらくなり、涼感に乏しいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2020-44036号公報
【特許文献2】特開2016-16136号公報
【特許文献3】実用新案登録第3224227号公報
【特許文献4】特開平11-335909号公報
【特許文献5】特開2007-111372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、上述のような問題を解決し、高温多湿で不快指数の高い場面でも睡眠が取れる暑さ対策を施した新しい寝袋、及び、この技術を応用した抱き枕カバー及び掛布団を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の寝袋は、ユーザの体を収容する内部空間が形成された寝袋本体を有する寝袋であって、前記寝袋本体において使用時にユーザに上から掛かる上掛け部は、外部の空気を前記寝袋本体の内部空間に分散して送風する空気送風手段が設けられ、前記空気送風手段は、外部の空気を前記内部空間に送風するための送風装置、前記送風装置が取り付けられる開口部、前記送風装置によって前記開口部から送風された空気の通路であるエアパイプ、及び、前記上掛け部の裏面に形成され、前記エアパイプに送風された空気を前記内部空間に排出するための複数の排出口を含み、前記送風装置によって前記開口部から前記エアパイプ内に空気が送風されると、送風された空気は前記エアパイプ内を通過して、複数の前記排出口から分散されて前記寝袋本体の内部空間内へと排出されて、前記寝袋本体の内部空間にある前記ユーザの体に外部からの空気が送風されることを特徴とする。
【0010】
前記寝袋本体は、矩形の前記上掛け部、及び、矩形の敷部から構成され、前記上掛け部と前記敷部とは3辺で互いに結合され、結合されていない1辺の部分が、前記内部空間にユーザが体を入れるための開口として形成され、前記空気送風手段によって前記内部空間内に送風された空気は、前記開口を通して外部に排出される。
【0011】
前記寝袋の開口には、前記開口の大きさを調整する調整手段が設けられている。
【0012】
前記敷部と前記上掛け部との接続部分にファスナーを設けている。
【0013】
前記寝袋本体の上方側に前記ユーザの頭部分を収容する寝袋頭部を有し、前記寝袋頭部の上面に前記ユーザの顔を露出することができる開口を有し、前記寝袋本体には、前記開口の下端部から足元方向に延伸し、前記寝袋本体を開閉するファスナーが設けられており、前記空気送風手段によって前記内部空間内に送風された空気は、前記開口を通して外部に排出される。
【0014】
前記送風装置は電気で駆動されるファンを有し、前記ファンの回転によって外部の空気が前記開口部を通じて前記エアパイプ内に送風される。
【0015】
前記送風装置は温風送風機であり、前記開口部に前記温風送風機のダクトの先端が接続され、前記温風送風機からの温風が前記開口部を通じて前記エアパイプ内に送風される。
【0016】
前記排出口は、スリット、孔、またはメッシュの少なくとも1種類である。
【0017】
前記排出口はスリットであり、複数の前記スリットは、前記エアパイプの延伸方向に対して斜めに形成されている。
【0018】
前記上掛け部は表地及び裏地からなり、前記エアパイプは、前記上掛け部の前記表地と前記裏地との間に形成され、前記開口部は前記表地に設けられ、前記排出口は前記裏地に形成されている。
【0019】
前記上掛け部の表面に、エアパイプ用の生地によって前記エアパイプが形成されており、前記エアパイプ用の生地に前記開口部が設けられ、前記排出口は、前記上掛け部に形成されている。
【0020】
前記上掛け部の裏面に、エアパイプ用の生地によって前記エアパイプが形成されており、前記上掛け部に前記開口部が設けられ、前記排出口は、前記エアパイプ用の生地に形成されている。
【0021】
本発明の抱き枕カバーは、表地及び裏地からなり、内部空間に抱き枕が収容される抱き枕カバーであって、空気を抱き枕カバーを使用しているユーザに分散して送風する空気送風手段が設けられ、前記空気送風手段は、空気をユーザに送風するための送風装置、前記送風装置が取り付けられる開口部、前記送風装置によって前記開口部から送風された空気の通路であるエアパイプ、及び、前記エアパイプに送風された空気を前記ユーザに送風するための複数の排出口を含み、前記開口部は前記表地に形成され、前記エアパイプは前記内部空間において前記抱き枕が収容されて残った空間であり、前記排出口は前記裏地に形成され、前記送風装置によって前記開口部から前記エアパイプ内に外部から空気が送風されると、送風された空気は前記エアパイプ内を通過して、複数の前記排出口を通じて、分散されて外部に排出されて、前記抱き枕を使用しているユーザの体に空気が送風されることを特徴とする。
【0022】
前記送風装置は、電気で駆動されるファンを有し、前記ファンの回転によって外部の空気が前記開口部を通じて前記エアパイプ内に送風される。
【0023】
前記送風装置は温風送風機であり、前記開口部に前記温風送風機のダクトの先端が接続され、前記温風送風機からの温風が前記エアパイプ内に送風される。
【0024】
前記排出口は、スリット、孔、またはメッシュの少なくとも1種類である。
【0025】
前記排出口はスリットであり、前記スリットは、前記エアパイプの延伸方向に対して斜めに形成されている。
【0026】
前記抱き枕カバーの内部に抱き枕を出し入れするための開閉可能な開口を備える。
【0027】
本発明の掛布団は、掛布団本体の裏側からユーザに空気を送風する掛布団であって、前記掛布団本体に、空気を前記掛布団本体の裏側から分散して送風する空気送風手段が設けられ、前記空気送風手段は、空気を送風するための送風装置、前記掛布団本体の表側に形成され、前記送風装置が取り付けられる開口部、前記送風装置によって前記開口部から送風された空気の通路であるエアパイプ、及び、前記掛布団本体の裏側に形成され、前記エアパイプに送風された空気をユーザに送風するための複数の排出口を含み、前記送風装置によって前記開口部から前記エアパイプ内に外部からの空気が送風されると、送風された空気は前記エアパイプ内を通過して、複数の前記排出口から分散されて前記寝袋本体の裏側に排出されて、前記ユーザの体に外部からの空気が送風されることを特徴とする。
【0028】
前記送風装置は、電気で駆動されるファンを有し、前記ファンの回転によって外部の空気が前記開口部を通じて前記エアパイプ内に送風される。
【0029】
前記送風装置は温風送風機であり、前記開口部に前記温風送風機のダクトの先端が接続され、前記温風送風機からの温風が前記エアパイプ内に送風される。
【0030】
前記排出口は、スリット、孔、またはメッシュの少なくとも1種類である。
【0031】
前記排出口はスリットであり、複数の前記スリットは、前記エアパイプの延伸方向に対して斜めに形成されている。
【0032】
前記掛布団本体は表地及び裏地からなり、前記エアパイプは、前記表地と前記裏地との間に形成され、前記開口部は前記表地に設けられ、前記排出口は前記裏地に形成される。
【0033】
前記掛布団本体の表面に、エアパイプ用の生地によって前記エアパイプが形成されており、前記エアパイプ用の生地に前記開口部が設けられ、前記排出口は、前記上掛け部に形成されている。
【0034】
前記掛布団本体の裏面に、エアパイプ用の生地によって前記エアパイプが形成されており、前記上掛け部に前記開口部が設けられ、前記排出口は、前記エアパイプ用の生地に形成されている。
【発明の効果】
【0035】
本発明の寝袋は、ユーザの体を収容する内部空間が形成された寝袋本体を有する寝袋であって、前記寝袋本体において使用時にユーザに上から掛かる上掛け部は、外部の空気を前記寝袋本体の内部空間に分散して送風する空気送風手段が設けられ、前記空気送風手段は、外部の空気を前記内部空間に送風するための送風装置、前記送風装置が取り付けられる開口部、前記送風装置によって前記開口部から送風された空気の通路であるエアパイプ、及び、前記上掛け部の裏面に形成され、前記エアパイプに送風された空気を前記内部空間に排出するための複数の排出口を含み、前記送風装置によって前記開口部から前記エアパイプ内に空気が送風されると、送風された空気は前記エアパイプ内を通過して、複数の前記排出口から分散されて前記寝袋本体の内部空間内へと排出されて、前記寝袋本体の内部空間にある前記ユーザの体に外部からの空気が送風されることにより、キャンプ中や、自宅の場合でも熱帯夜など、睡眠時に熱中症が発生する恐れのある高温多湿で不快指数の高い場面でも体に空気を分散させて送風することで快適に眠ることができ、キャンプ・車中泊だけではなく、夏場の災害避難所や、クーラーが普及していない発展途上国においても暑さ対策として低コストで導入することが可能となる。
【0036】
前記寝袋本体は、矩形の前記上掛け部、及び、矩形の敷部から構成され、前記上掛け部と前記敷部とは3辺で互いに結合され、結合されていない1辺の部分が、前記内部空間にユーザが体を入れるための開口として形成され、前記空気送風手段によって前記内部空間内に送風された空気は、前記開口を通して外部に排出されることにより、本発明の寝袋を封筒型の寝袋とすることができる。
【0037】
前記寝袋の開口には、前記開口の大きさを調整する調整手段が設けられていることにより、ユーザが前記開口から顔を出した状態で、開口を絞ると、前記内部空間の気圧が上がり、ユーザの首の回りから空気が外部へと放出されることで、ユーザは寝袋から外部に露出している顔、頭、首元にも涼感を得ることができるようになる。
【0038】
前記敷部と前記上掛け部との接続部分にファスナーを設けることにより、前記ファスナーを開閉して、前記内部空間内に送風された空気を外部へと放出する量を調節することができるようになる。
【0039】
前記寝袋本体の上方側に前記ユーザの頭部分を収容する寝袋頭部を有し、前記寝袋頭部の上面に前記ユーザの顔を露出することができる開口を有し、前記寝袋本体には、前記開口の下端部から足元方向に延伸し、前記寝袋本体を開閉するファスナーが設けられており、前記空気送風手段によって前記内部空間内に送風された空気は、前記開口を通して外部に排出されることにより、本発明の寝袋をマミー型又は棺桶型の寝袋とすることができる。
【0040】
前記送風装置は電気で駆動されるファンを有し、前記ファンの回転によって外部の空気が前記開口部を通じて前記エアパイプ内に送風されることにより、全身に空気を効果的に送風することができ、ユーザに対して涼感を与えることができ、体温の上昇を抑えることができる。
【0041】
前記送風装置は温風送風機であり、前記開口部に前記温風送風機のダクトの先端が接続され、前記温風送風機からの温風が前記開口部を通じて前記エアパイプ内に送風されることにより、ユーザに対して温感を与えることができ、1つの寝袋で暑さ対策だけでなく、寒さ対策も可能となる。
【0042】
前記排出口は、スリット、孔、またはメッシュの少なくとも1種類であることにより、ユーザに対する空気の送風効果をより高めることができる。
【0043】
前記排出口はスリットであり、複数の前記スリットは、前記エアパイプの延伸方向に対して斜めに形成されていることにより、ユーザに対して空気を効果的に送風することができる。
【0044】
本発明の抱き枕カバーは、表地及び裏地からなり、内部空間に抱き枕が収容される抱き枕カバーであって、空気を抱き枕カバーを使用しているユーザに分散して送風する空気送風手段が設けられ、前記空気送風手段は、空気をユーザに送風するための送風装置、前記送風装置が取り付けられる開口部、前記送風装置によって前記開口部から送風された空気の通路であるエアパイプ、及び、前記エアパイプに送風された空気を前記ユーザに送風するための複数の排出口を含み、前記開口部は前記表地に形成され、前記エアパイプは前記内部空間において前記抱き枕が収容されて残った空間であり、前記排出口は前記裏地に形成され、前記送風装置によって前記開口部から前記エアパイプ内に外部から空気が送風されると、送風された空気は前記エアパイプ内を通過して、複数の前記排出口を通じて、分散されて外部に排出されて、前記抱き枕を使用しているユーザの体に空気が送風されることにより、前記排出口を介して送風された空気によって、抱き枕を使用しているユーザは、抱き枕から風を受けることができ、夏場などに抱き枕を使用した際の暑さに不快感を低減させ、さらに、ユーザに快適な使用感を提供することができる。
【0045】
前記送風装置は電気で駆動されるファンを有し、前記ファンの回転によって外部の空気が前記開口部を通じて前記エアパイプ内に送風されることにより、ユーザに対して空気を効果的に送風することができ、ユーザは抱き枕を使用しながら涼感を得ることができる。
【0046】
前記送風装置は温風送風機であり、前記開口部に前記温風送風機のダクトの先端が接続され、前記温風送風機からの温風が前記開口部を通じて前記エアパイプ内に送風されることにより、ユーザは抱き枕を使用しながらぬくもりを得ることができ、1つの抱き枕カバーで、涼感だけでなく温感を得ることができるようになる。
【0047】
前記排出口は、スリット、孔、またはメッシュの少なくとも1種類であることにより、ユーザに対する空気の送風効果をより高めることができる。
【0048】
前記排出口はスリットであり、複数の前記スリットは、前記エアパイプの延伸方向に対して斜めに形成されていることにより、ユーザに対して空気を効果的に送風することができる。
【0049】
前記抱き枕カバーの内部に抱き枕を出し入れするための開閉可能な開口を備えることにより、抱き枕カバーを取り外して洗濯が可能であり、また、抱き枕及び抱き枕カバーを交換することが可能となる。
【0050】
本発明の掛布団は、掛布団本体の裏側からユーザに空気を送風する掛布団であって、前記掛布団本体に、空気を前記掛布団本体の裏側から分散して送風する空気送風手段が設けられ、前記空気送風手段は、空気を送風するための送風装置、前記掛布団本体の表側に形成され、前記送風装置が取り付けられる開口部、前記送風装置によって前記開口部から送風された空気の通路であるエアパイプ、及び、前記掛布団本体の裏側に形成され、前記エアパイプに送風された空気をユーザに送風するための複数の排出口を含み、前記送風装置によって前記開口部から前記エアパイプ内に外部からの空気が送風されると、送風された空気は前記エアパイプ内を通過して、複数の前記排出口から分散されて前記寝袋本体の裏側に排出されて、前記ユーザの体に外部からの空気が送風されることにより、夏の暑い時期に掛布団を使用しているユーザに対して、体に空気を直接送風することができるので、ユーザは快適に眠ることができ、クーラーが普及していない発展途上国においても暑さ対策として低コストで導入することが可能となる。
【0051】
前記送風装置は電気で駆動されるファンを有し、前記ファンの回転によって外部の空気が前記開口部を通じて前記エアパイプ内に送風されることにより、全身に空気を効果的に送風することができ、ユーザに対して涼感を与えることができ、体温の上昇を抑えることができる。
【0052】
前記送風装置は温風送風機であり、前記開口部に前記温風送風機のダクトの先端が接続され、前記温風送風機からの温風が前記開口部を通じて前記エアパイプ内に送風されることにより、ユーザに対して温感を与えることができ、夏だけでなく冬にも掛布団として使用することができる。
【0053】
前記排出口は、スリット、孔、またはメッシュの少なくとも1種類であることにより、ユーザに対する空気の送風効果をより高めることができる。
【0054】
前記排出口はスリットであり、複数の前記スリットは、前記エアパイプの延伸方向に対して斜めに形成されていることにより、ユーザに対して空気を効果的に送風することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1】本発明の第1の実施形態の寝袋の斜視図である。
図2】第1の実施形態の寝袋の上掛け部を下から見た図である。
図3】第1の実施形態の寝袋の断面図である。
図4】第1の実施形態の寝袋のファスナーを開けた状態の斜視図である。
図5】本発明の第2の実施形態の寝袋の斜視図である。
図6】第2の実施形態の寝袋の断面図である。
図7】第2の実施形態の寝袋の上掛け部だけを抜き出した概略斜視図である。
図8】本発明の第3の実施形態の寝袋の斜視図である。
図9】第3の実施形態の寝袋の断面図である。
図10】第3の実施形態の寝袋の上掛け部および一部を抜き出した概略斜視図である。
図11】本発明の抱き枕カバーの上からの斜視図である。
図12】抱き枕カバーの下からの斜視図である。
図13】抱き枕カバーの断面図である。
図14】本発明の掛布団の上からの斜視図である。
図15】掛布団の下からの斜視図である。
図16】掛布団の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
本発明の寝袋1を、図1~8を用いて以下に詳細に説明する。まず初めに、図1~4に記載されている第1の実施形態の寝袋1について説明する。本発明の第1の実施形態の寝袋1は、図1に示すように封筒型の寝袋であり、ユーザの体を収容する内部空間4が形成された寝袋本体10を有する。前記寝袋本体10は、矩形の上掛け部2、及び、矩形の敷部3から構成され、前記敷部3と前記上掛け部2との間に内部空間4が形成されており、前記上掛け部2に、外部の空気を前記寝袋本体10の内部空間4に分散して送風する空気送風手段21が設けられている。
【0057】
前記上掛け部2と前記敷部3とは3辺で互いに結合され、結合されていない1辺の部分が、前記内部空間4にユーザが体を入れるための開口として形成され、前記空気送風手段21によって前記内部空間内4に送風された空気は、前記開口を通して外部に排出される。ユーザは前記開口から体を前記寝袋1の内部空間4内に入れ、前記開口から顔を出した状態で前記寝袋1を使用する。
【0058】
前記空気送風手段21は、外部の空気を前記内部空間4に送風するための送風装置、前記送風装置が取り付けられる開口部20、前記送風装置によって前記開口部20から送風された空気の通路であるエアパイプ23、及び、前記上掛け部2の裏側に形成され、前記エアパイプ23に送風された空気を前記内部空間4に排出するための複数の排出口を含む。
【0059】
前記上掛け部2は表地26及び裏地27からなり、図1に示すように2つの前記開口部20が前記表地26に設けられており、前記裏地27には、図2に示すように排出口として複数のスリット24が設けられている。そして、図2,3に示すように、前記上掛け部2の表地26と裏地27との間に、仕切り22を設けて、4つのエアパイプ23が形成されている。
【0060】
前記空気送風手段21は、3個の前記仕切り22によって形成された4個のエアパイプ23を有しており、4個のエアパイプ23は足元側で1つの空間へと接続されており、足元側の空間の位置に前記開口部20が形成されている。これにより、前記開口部20から前記空気送風手段21内に送風された空気は、4個の前記エアパイプ23に分割され、さらに、各エアパイプ23に位置する複数の前記スリット24を通して、前記寝袋1の内部空間4内に空気は分散して送風される。
【0061】
前記エアパイプ23を形成する方法として、前記仕切り22の代わりに、前記空気送風手段21に複数の縫い目を設けて、部分的に前記表地26と前記裏地27とを結合することも可能である。このような方法については、本発明の掛布団で説明する。寝袋1は、前記スリット24、前記縫い目等を設けることにより、前記開口部20から前記エアパイプ23内に空気が送風された時、前記エアパイプ23が膨張するのを抑えることができ、その結果、前記スリット24から前記内部空間4に送風される空気の圧力を一定に保つことができる。
【0062】
図2に示すように、前記スリット24は、前記エアパイプ23の延伸方向に対して斜めに形成される。図2には、前記上掛け部2の中心線に対して、約45°で、左右対称となるように前記スリット24は配置されている。前記スリット24の傾斜角度、傾斜の向きについては特に限定するものではなく、隣接するエアパイプ23に位置する前記スリット24の傾斜方向が互い違いになるように形成してもよい。前記スリット24からの送風が体に近い方がより高い涼感が得られるが、前記スリット24の数を増やすと、1つのスリット24から送風される空気の量が少なくなることから、室温や好みに合わせて適宜変更することができる。
【0063】
本実施形態では、図1~4に示すように、2個の開口部20、4個のエアパイプ23、22個のスリット24を設けているが、これらの数は特に限定するものではなく、適宜変更可能であり、形状についても限定するものではない。排出口としては、スリット24以外に、単なる開口や、前記裏地27にメッシュを用いることも可能である。
【0064】
前記上掛け部2の表地26及び裏地27、及び、前記敷部3は、レインコートなどで使用される撥水性を有する生地で形成することが好ましいが、表面にコーティングを施す、また、前記敷部3にクッションを内蔵させる等、様々な形態を用いることが可能である。
【0065】
前記上掛け部2の表地26に設けた開口部20は、ファン5を取り付ける、又は、温風送風機のダクトの先端を接続して、前記開口部20を通じて前記エアパイプ23内へと空気を送風するための開口である。前記開口部20にリング状のアタッチメントを取り付けて、前記ファン5を着脱可能に取り付ける、さらに、前記ダクトの先端を取り付けることができる構造とする、あるいは、予め、前記ファン5を固定しておく等の方法を用いることができる。
【0066】
前記ファン5は、作業着等に使用されるファンを利用することができる。前記ファン5はバッテリー30により駆動させているが、家庭用電源での利用も可能である。バッテリー30を用いる場合は、図1に示すように、前記上掛け部2に、前記バッテリー30を収容するためのポケット状のバッテリー収容部25を設けることもできる。前記バッテリー収容部25を設ける場合、前記バッテリー収容部25内に、前記ファン5と電気的に接続するためのコネクタを設けることも可能であり、前記バッテリー30によって、前記ファン5が駆動される。
【0067】
前記バッテリー30を用いる場合、前記バッテリー収容部25を設けないで、前記ファン5と直接、配線などを用いて電気的に接続することも可能である。また、前記バッテリー30は専用のバッテリーを用意する、USB接続できるモバイルバッテリーを利用する、乾電池を利用するなど様々な形態が可能である。そして、家庭用電源に接続できるように、コンセントなどを設けることも可能である。
【0068】
図1に示すように、前記寝袋1の開口には、前記開口の大きさを調整する調整手段が設けられており、前記調整手段は、前記敷部3及び前記上掛け部2の上縁に設けられたループ部7及び前記ループ部7に通されている紐8から構成されており、前記紐8を利用して前記寝袋1の開口の大きさを、調整することができる。例えば、前記開口からユーザが顔を出した状態で、前記紐8で前記寝袋1の開口を絞ると、ユーザの首と前記開口との隙間が狭くなり、前記内部空間4の気圧が前記スリット24から送風される空気によって上昇し、狭くなった前記開口と首との隙間を通して外部に空気が放出されることにより、ユーザは、露出している顔、頭、首元でも涼感を得ることができるようになる。
【0069】
図1に示すように、前記敷部3と前記上掛け部2とのそれぞれの一方の接続部分に、上端から連続して繋ぎ合わせるファスナー9を備える。図1及び図4に示すように、前記ファスナー9を開閉することにより、前記寝袋1の空間に送風された空気を、外部に放出する際にさらに調節することができるようになる。
【0070】
本発明の寝袋1における空気の流れについて、図面を用いて説明する。図1に示すように、前記開口部20に送風装置としてファン5を設けた場合、前記ファン5を回転させると、前記ファン5は前記開口部20を通じて空気を外部から前記エアパイプ23内へと送風する。送風された空気は4つのエアパイプ23に分散されて、前記エアパイプ23内を前記寝袋1の足元側から開口側へと流れていき、前記エアパイプ23は送風された空気によって膨らんだ状態となる。
【0071】
前記エアパイプ23内を流れる空気は各前記エアパイプ23に位置する複数のスリット24を通過して、図4に示すように、前記寝袋1の内部空間4内へと排出される。この時、複数のスリット24によって空気が分散された状態で前記内部空間4内へと送風されることから、前記内部空間4内にあるユーザの全身に空気が当たることになり、ユーザは良好な涼感を得ることができる。
【0072】
前記寝袋1の内部空間4内に送風された空気は、前記寝袋1の開口を通して外部へと放出される。この時、前記開口の大きさを調整する調整手段によって、前記開口を絞ると、ユーザの首と前記開口との隙間が狭くなり、前記開口と首との隙間を通って空気が放出されることにより、ユーザは、顔、頭、首元でも涼感を得ることができるようになる。前記ファン5の代わりに温風送風機のダクトを前記開口部20に接続し、前記開口部20から温風を送風すると、同じ空気の流れを通して、ユーザは暖かさを感じることが可能となる。
【0073】
本発明の第1の実施形態の寝袋1は、ユーザが寝袋1の内部空間4内に体を入れてファン5を駆動させると、全身に空気を効果的に送風することができるので、暑さ及び寒さに対して、低コストで対応することができ、また、バッテリーを使用することで様々な場所で利用することができるという優れた効果を奏する。また、前記寝袋1はコンパクトに収容することができるので、手軽にどこでも持ち運ぶことができる。
【0074】
前記空気送風手段21の構造については、第2、第3の実施形態で説明するように、他の構造も可能であり、第1の実施形態に、第2、第3の実施形態に記載の空気送風手段の構造を用いることも可能である。また、第1の実施形態に記載の空気送風手段21の構造を第2、第3の実施形態に適用することも可能である。
【0075】
次に、第2の実施形態の寝袋1’について、図5~7を用いて説明する。図5に示すように、本発明の第2の実施形態の寝袋1’はマミー型の寝袋であり、ユーザの体を収容する内部空間4’が形成された寝袋本体10’、及び、前記寝袋本体10’の上方側に前記ユーザの頭部分を収容する寝袋頭部11を有する。前記寝袋本体10’において使用時にユーザに上から掛かる上掛け部2’は、外部の空気を前記寝袋本体10’の内部空間4’に分散して送風する空気送風手段21’が設けられている。
【0076】
図5に示すように、前記寝袋頭部11の上面にはユーザの顔を露出することができる開口12が設けられており、前記寝袋本体10’には、前記開口12の下端部から足元方向に延伸し、前記寝袋本体10’を開閉するファスナー13が設けられており、前記ファスナー13を開くと前記寝袋本体10’の内部空間4’内にユーザが入ることができ、その後、前記ファスナー13を閉じて前記開口12からユーザが顔を出すと、前記寝袋1’の使用状態となる。
【0077】
前記空気送風手段21’は、外部の空気を前記内部空間4’に送風するための送風装置、前記送風装置が取り付けられる開口部20’、前記送風装置によって前記開口部20’から送風された空気の通路であるエアパイプ23’、及び、前記上掛け部2’に形成され、前記エアパイプ23’に送風された空気を前記内部空間4’に排出するための複数の排出口を含む。
【0078】
前記上掛け部2’の表面には、図5,6に示すように、エアパイプ用の生地によって4つの凸状のエアパイプ23’が平行に形成され、4つの前記エアパイプ23’は足元側で互いに接続されており、4つの前記エアパイプ23’が互いに接続されている部分の生地に2つの前記開口部20’が設けられている。図7に示すように、前記上掛け部2’において前記エアパイプ23’が設けられている部分に、前記排出口として複数の孔29が設けられている。エアパイプ用の生地によって複数の前記エアパイプ23’を形成する際に、それぞれのエアパイプ23’を独立して形成する、又は、1つのエアパイプ用の生地を基に仕切りなどによって複数のエアパイプ23’に分割するなど様々な構造が可能である。
【0079】
前記上掛け部2’、及び、前記エアパイプ用の生地は、レインコートなどで使用される撥水性を有する生地で形成することが好ましいが、表面にコーティングを施す等、様々な形態及び材質を用いることが可能である。
【0080】
前記空気送風手段21’に設けた開口部20’は、空気送風装置を取り付けて前記エアパイプ23’内へと空気を送風するための開口であり、本実施形態では前記開口部20’にリング状のアタッチメントを取り付けて空気送風装置としてファン5’を着脱可能に取り付けているが、その他に温風送風機のダクトを前記開口部20’に接続することも可能である。前記ファン5’は、作業着等に使用されるファンを利用することができ、バッテリー(図示せず)により駆動させているが、家庭用電源での利用も可能である。
【0081】
第2の実施形態の寝袋1’における空気の流れについて、図面を用いて説明する。図5,6に示すように、前記開口部20’にファン5’を設けた場合、前記ファン5’を回転させると、前記ファン5’は前記開口部20’を通じて空気を外部から4つの前記エアパイプ23’へと分散して送風され、前記エアパイプ23’内を前記寝袋1’の足元側から頭側へと流れていき、前記エアパイプ23’は送風された空気によって膨らんだ状態となる。
【0082】
図6に示すように、前記エアパイプ23’内を流れる空気は各前記エアパイプ23’に位置する複数の孔29を通して、前記寝袋1’の内部空間4’内へと送風される。この時、複数の孔29によって空気が分散された状態で前記内部空間4’内へと送風されることから、前記内部空間4’内にあるユーザの全身に空気が当たることになり、ユーザは良好な涼感を得ることができる。
【0083】
前記寝袋1’の内部空間4’内に送風された空気は、前記寝袋1’の開口12を通して外部へと放出される。この時、ユーザの顔の付近を空気が通過することからユーザは体だけでなく顔にも涼感を得ることができる。前記ファン5’の代わりに温風送風機のダクトを前記開口部20’に接続し、前記開口部20’から温風を送風すると、同じ空気の流れを通して、ユーザは暖かさを感じることが可能となる。
【0084】
本実施形態の寝袋1’はマミー型の寝袋であり、ユーザは寝袋1’内において、顔を含めた全身に空気を効果的に送風することができるので、暑さ及び寒さに対して、低コストで対応することができ、バッテリーを使用することで様々な場所で利用することができるという優れた効果を奏する。また、前記寝袋1’はコンパクトに収容することができるので、手軽にどこでも持ち運ぶことができる。
【0085】
本実施形態の寝袋1’では、空気送風手段21’として、前記上掛け部2’の表面に別部材を用いて形成する構造を用いて説明したが、前記空気送風手段21’の構造については、第1の実施形態の構造、また、第3の実施形態で説明する他の構造も可能であり、第1、第3の実施形態に、本実施形態の空気送風手段21’の構造を用いることも可能である。
【0086】
また、本実施形態の寝袋1’については、エアパイプ23’の個数、孔29の個数、配置などについては適宜変更可能であり、また、排出口として、孔29以外に、第1の実施形態のスリット24又は他の構造も可能であり、様々な変更が可能である。
【0087】
次に、第3の実施形態の寝袋1’’について、図8~10を用いて説明する。図8に示すように、本発明の第3の実施形態の棺桶型の寝袋1’’は棺桶型の寝袋であり、ユーザの体を収容する内部空間4’’が形成された寝袋本体10’’、及び、前記寝袋本体10’’の上方側に前記ユーザの頭部分を収容する寝袋頭部11’からなり、前記寝袋本体10’’及び寝袋頭部11’は1つの直方体の形状で形成されている。前記寝袋本体10’’において使用時にユーザに上から掛かり、直方体の上面である上掛け部2’’には、外部の空気を前記寝袋本体10’’の内部空間4’’に分散して送風する空気送風手段21’’が設けられている。
【0088】
図8に示すように、前記寝袋頭部11’の上面にはユーザの顔を露出することができる開口12’が設けられており、前記寝袋本体10’’には、前記開口12’の下端部から足元方向に延伸し、前記寝袋本体10’’を開閉するファスナー13’が設けられており、前記ファスナー13’を開くと前記寝袋本体10’’の内部空間4’’内にユーザが入ることができ、その後、前記ファスナー13’を閉じて前記開口12’からユーザが顔を出すと、前記寝袋1’’の使用状態となる。
【0089】
前記空気送風手段21’’は、外部の空気を前記内部空間4’’に送風するための送風装置、前記上掛け部2’’に形成され、前記送風装置が取り付けられる開口部20’’、前記送風装置によって前記開口部20’’から送風された空気の通路であるエアパイプ23’’、及び、前記エアパイプ23’’に送風された空気を前記内部空間4’’に排出するための複数の排出口を含む。
【0090】
前記上掛け部2’’の裏面には、図10に示すように、エアパイプ用の生地によって4つの凸状のエアパイプ23’’が平行に形成され、4つの前記エアパイプ23’’は足元側で互いに接続されており、図10に示すように、この部分のエアパイプ用の生地はさらに寝袋本体10’’の側面へと伸びている。前記上掛け部2’’、及び、前記エアパイプ用の生地は、レインコートなどで使用される撥水性を有する生地で形成することが好ましいが、表面にコーティングを施す等、様々な形態及び材質を用いることが可能である。
【0091】
そして、4つの前記エアパイプ23’’が接続されている部分に位置する前記上掛け部2’’の箇所に2つの前記開口部20’’が設けられ、さらに、エアパイプ用の生地が延伸している寝袋本体10’’の側面にも2つの前記開口部20’’が設けられている。図10に示すように、前記エアパイプ用の生地には前記排出口として複数のスリット24’が設けられている。エアパイプ用の生地によって複数の前記エアパイプ23’’を形成する際に、それぞれのエアパイプ23’’を独立して形成する、又は、1つのエアパイプ用の生地を仕切りなどによって複数のエアパイプ23’’に分割するなど様々な構造が可能である。前記開口部20’’に位置については、寝袋本体10’’の側面だけでなく、足元側の面に設けることも可能であり、個数についても特に限定するものではない。
【0092】
4つの前記開口部20’’は、空気送風装置を取り付けて前記エアパイプ23’’内へと空気を送風するための開口であり、本実施形態では前記開口部20’’にリング状のアタッチメントを取り付けて空気送風装置としてファン5’’を着脱可能に取り付けているが、その他に温風送風機のダクトを前記開口部20’’に接続することも可能である。前記ファン5’’は、作業着等に使用されるファンを利用することができ、バッテリー(図示せず)により駆動させているが、家庭用電源での利用も可能である。
【0093】
第3の実施形態の寝袋1’’における空気の流れについて、図面を用いて説明する。図8~10に示すように、前記開口部20’’にファン5’’を設けた場合、4つの前記ファン5’’を回転させると、前記ファン5’’は前記開口部20’’を通じて空気を外部から4つの前記エアパイプ23’’へと分散して送風され、前記エアパイプ23’’内を前記寝袋1’’の足元側から頭側へと流れていき、前記エアパイプ23’’は送風された空気によって膨らんだ状態となる。
【0094】
図9に示すように、前記エアパイプ23’’内を流れる空気は各前記エアパイプ23’’に位置する複数のスリット24’を通して、前記寝袋1’’の内部空間4’’内へと送風される。この時、複数のスリット24’によって空気が分散された状態で前記内部空間4’’内へと送風されることから、前記内部空間4’’内にあるユーザの顔を含めた全身に空気が当たることになり、ユーザは良好な涼感を得ることができる。
【0095】
前記寝袋1’’の内部空間4’’内に送風された空気は、前記寝袋1’’の開口12’を通して外部へと放出される。この時、ユーザの顔の付近を空気が通過することからユーザは体だけでなく顔にも涼感を得ることができる。前記ファン5’’の代わりに温風送風機のダクトを前記開口部20’’に接続し、前記開口部20’’から温風を送風すると、同じ空気の流れを通して、ユーザは暖かさを感じることが可能となる。
【0096】
本実施形態の寝袋1’’は棺桶型の寝袋であり、寝袋1’’の内部空間4’’においてユーザの体の回りには他の形態の寝袋に比べて余裕があり、その部分を空気が通過して外部へと排出されることで、ユーザは寝袋1’’が体に密着することなく涼感を得ることができる。そして、本実施形態の寝袋1’’は、顔を含めた全身に空気を効果的に送風することができるので、暑さ及び寒さに対して、低コストで対応することができ、バッテリーを使用することで様々な場所で利用することができるという優れた効果を奏する。また、前記寝袋1’’はコンパクトに収容することができるので、手軽にどこでも持ち運ぶことができる。
【0097】
本実施形態の寝袋1’’では、空気送風手段21’’として、前記上掛け部2’’の裏面に別部材を用いて形成する構造を用いて説明したが、前記空気送風手段21’’の構造については、第1、第2の実施形態の構造も可能であり、第1、第2の実施形態に、本実施形態の空気送風手段21’’の構造を用いることも可能である。
【0098】
また、本実施形態の寝袋1’’については、エアパイプ23’’の個数、スリット24’の個数、配置などについては適宜変更可能であり、また、排出口として、スリット24’以外に、第2の実施形態の孔29又は他の構造も可能であり、様々な変更が可能である。
【0099】
次に、本発明の抱き枕カバー101について、図11~13を用いて説明する。本発明の抱き枕カバー101は、図11,12に示すように、表地102及び裏地103からなり、内部空間に抱き枕110が収容される。前記抱き枕カバー101には、図11に示すように、前記表地102から外部の空気を内部空間に送風し、そして、前記裏地103からユーザに空気を分散して送風するための空気送風手段121が設けられている。前記空気送風手段221は、前記表地102に形成された開口部120、前記表地102と前記裏地103との間に形成されたエアパイプ123、及び、前記裏地103に形成された複数の排出口であるスリット124を有しており、さらに、前記抱き枕110を収容する空間を備えている。図13の断面図に示すように、前記抱き枕カバー101の内部空間において、前記抱き枕110を収容した残りの空間が、前記エアパイプ123となり、前記エアパイプ123の位置に複数の前記スリット124が設けられている。
【0100】
前記抱き枕カバー101は、内部空間を前記抱き枕110を収容する空間と前記エアパイプ123とに分離するための仕切りを設けることも可能であり、これにより、前記抱き枕110を収容する空間を完全に分離させて、前記エアパイプ123内の空気を効率よくユーザに送風させることも可能である。また、前記抱き枕カバー101の内部空間で前記抱き枕110が動かないように固定する手段を設けることも可能である。
【0101】
図11に示すように、前記開口部120は、前記抱き枕カバー101の前記表地102の下方に2個設けられている。前記開口部120は、ファン105を取り付ける、又は、温風送風機のダクトの先端を接続して、前記開口部120を通じて前記空気送風手段121内へと空気を送風するための開口である。前記開口部120にリング状のアタッチメントを取り付けて、前記ファン105を着脱可能に取り付ける、さらに、前記ダクトの先端を取り付けることができる構造とする、あるいは、予め、前記ファン105を固定しておく等の方法を用いることができる。前記開口部120の数については特に限定するものではなく、前記抱き枕カバー101の大きさなどに応じて変更することができる。
【0102】
図12に示すように、排出口である前記スリット124は、前記エアパイプ123の延伸方向に対して斜めに形成されている。図12には、前記エアパイプ123の延伸方向に対して約45°で傾斜するように前記スリット124が形成されている。前記スリット124の傾斜角度、傾斜の向きについては特に限定するものではない。前記スリット124からの送風が体に近い方がより高い涼感が得られるが、前記スリット124の数を増やすと、1つのスリット124から送風される空気の量が少なくなることから、室温や好みに合わせて適宜変更することができる。排出口の形態については、スリット124に限定するものではなく、孔、メッシュなども可能であり、これらを組み合わせることも可能である。
【0103】
前記ファン105は、作業着等に使用されるファンを利用することができる。前記ファン105はバッテリー130により駆動させているが、家庭用電源での利用も可能である。バッテリー130を用いる場合は、図11に示すように、前記表地102に、前記バッテリー130を収容するためのポケット状のバッテリー収容部125を設けることもできる。前記バッテリー収容部125を設ける場合、前記バッテリー収容部125内に、前記ファン105と電気的に接続するためのコネクタを設けることも可能であり、前記バッテリー130によって、前記ファン105が駆動される。
【0104】
前記バッテリー130を用いる場合、前記バッテリー収容部125を設けないで、前記ファン105と直接、配線などを用いて電気的に接続することも可能である。また、前記バッテリー130は専用のバッテリーを用意する、USB接続できるモバイルバッテリーを利用する、乾電池を利用するなど様々な形態が可能である。そして、家庭用電源に接続できるように、コンセントなどを設けることも可能であるが、ユーザの動きに合わせて抱き枕110が動くことを考慮すると、バッテリーなどで駆動させることが好ましい。
【0105】
前記抱き枕カバー101は、内部空間に抱き枕110を出し入れするための開口を備えており、図11,12に示すように、前記開口にファスナー109を設けることで、前記開口を開閉可能としている。これにより、抱き枕110を交換することが可能となり、1つの抱き枕カバー101を様々な抱き枕110に使用することができるようになる。
【0106】
本発明の抱き枕カバー101における空気の流れについて、図面を用いて説明する。図11に示すように、前記開口部120にファン105を設けた場合、前記ファン105を回転させると、前記ファン105は前記開口部120を通じて外部から前記エアパイプ123内へと空気を送風し、気圧により前記エアパイプ123が膨らむ。前記エアパイプ123内に送風された空気は、図13に示すように、前記エアパイプ123を流れて、複数のスリット124を通過して、外部へと放出される。この時、複数のスリット124によって空気が分散された状態で外部へと放出されることから、前記抱き枕カバー101を使用しているユーザに対して、分散された空気が当たることになり、ユーザは良好な涼感を得ることができる。
【0107】
前記抱き枕カバー101の形状は、図11,12に示すような矩形の平面形状に限定するものではなく、抱き枕110の形状に合わせて、様々な形状とすることができる。また、前記スリット124についても、図11,12に示すような1列での配置ではなく、複数の列で配置することも可能である。また、寝袋1のように、複数のエアパイプを設けることも可能であり、本発明の抱き枕カバー101は、抱き枕に合わせて様々な形態に変更することができる。
【0108】
前記開口部120に、ファン105の代わりに、布団乾燥機等の温風送風機のダクトを接続する構造とすることも可能であり、これにより、前記エアパイプ123内に温風を送り込むことにより、前記スリット124から暖かい空気を放出させることもできる。
【0109】
次に、本発明の掛布団201について、図14~16を用いて説明する。図14,15に示すように、本発明の掛布団201は、掛布団本体210に、空気を前記掛布団本体210の裏側から分散してユーザに送風する空気送風手段221が設けられている。前記空気送風手段221は、図14,15に示すように、空気を送風するための送風装置、前記掛布団本体210の表側に形成され、前記送風装置が取り付けられる開口部220、前記送風装置によって前記開口部220から送風された空気の通路であるエアパイプ223、及び、前記掛布団本体210の裏側に形成され、前記エアパイプ223に送風された空気をユーザに送風するための複数の排出口を含む。
【0110】
前記掛布団本体210は、図16に示すように、表地206及び裏地207からなり、前記エアパイプ223は、前記表地206と前記裏地207との間に形成され、2つの前記開口部220が前記表地206に設けられ、前記排出口は前記裏地207に複数のスリット224として形成されている。前記エアパイプ223は、図15に示すように、前記表地206と前記裏地207とを結合させる複数の縫い目228によって4列形成されているが、複数の縫い目228は直線状に形成されているのではなく、点付けの状態で形成されていることから、前記エアパイプ223として複数の湾曲した凸部が形成されており、隣接するエアパイプ223は完全に分離されているのではなく、空気が連通される状態となっているが、前記縫い目228を設けることにより、前記掛布団本体210が空気によって大きく膨張するのが防止されている。そして、前記開口部220が形成されている部分は前記縫い目228を設けないで外部からの空気が送風される1つの空間として形成されている。前記縫い目228の代わりに、寝袋で説明した仕切りを設けることも可能である。
【0111】
図15に示すように、前記スリット224は、前記エアパイプ223の湾曲した凸部に選択して形成されており、各エアパイプ223に位置する複数の前記スリット224を通して、前記エアパイプ223内の空気は外部に分散して送風され、ユーザに空気を送風することができる。
【0112】
図15に示すように、前記スリット224は、前記エアパイプ223の延伸方向に対して斜めに形成され、前記掛布団本体210の中心線に対して、約45°で、左右対称となるように前記スリット224は配置されている。前記スリット224の傾斜角度、傾斜の向きについては特に限定するものではなく、隣接するエアパイプ223に位置する前記スリット224の傾斜方向が互い違いになるように形成してもよい。前記スリット224からの送風が体に近い方がより高い涼感が得られるが、前記スリット224の数を増やすと、1つのスリット224から送風される空気の量が少なくなることから、室温や好みに合わせて適宜変更することができる。排出口としては前記スリット224以外に、孔を設ける、前記裏地207に全体に部分的にメッシュを用いること等、様々な構造が可能である。
【0113】
前記表地206及び前記裏地207の材質については、掛布団201をテントなどで使用することを想定した場合、寝袋と同様に、レインコートなどで使用される撥水性を有する生地で形成することが好ましいが、表面にコーティングを施す等、様々な形態及び材質を用いることが可能である。また、掛布団201を家で使用することを想定した場合、撥水性などが無くてもエアパイプ223内の空気が漏れない材質であればよく、様々な材質を用いることが可能である。
【0114】
本発明の掛布団201は、図14,15に示すように、2個の開口部220、4個のエアパイプ223、18個のスリット224を設けているが、これらの数は特に限定するものではなく、適宜変更可能であり、形状及び配置についても限定するものではない。排出口としては前記スリット224以外に、孔を設ける、前記裏地207に全体に部分的にメッシュを用いること等、様々な構造が可能である。
【0115】
前記表地206に設けた開口部220には、空気送風装置としてファン205を取り付ける、又は、温風送風機のダクトの先端を接続して、前記開口部220を通じて前記エアパイプ223内へと空気を送風する。前記開口部220にリング状のアタッチメントを取り付けて、前記ファン205を着脱可能に取り付ける、さらに、前記ダクトの先端を取り付けることができる構造とする、あるいは、予め、前記ファン205を固定しておく等の方法を用いることができる。
【0116】
前記ファン205は、作業着等に使用されるファンを利用することができる。前記ファン205はバッテリー(図示せず)により駆動させているが、家庭用電源での利用も可能である。バッテリー用いる場合は、前記掛布団本体210に、前記バッテリーを収容するためのポケット状のバッテリー収容部(図示せず)を設けることもできる。前記バッテリー収容部を設ける場合、前記バッテリー収容部内に、前記ファン205と電気的に接続するためのコネクタを設けることも可能であり、前記バッテリーによって、前記ファン205が駆動される。
【0117】
前記バッテリーを用いる場合、前記バッテリー収容部を設けないで、前記ファン205と直接、配線などを用いて電気的に接続することも可能である。また、前記バッテリーは専用のバッテリーを用意する、USB接続できるモバイルバッテリーを利用する、乾電池を利用するなど様々な形態が可能である。そして、前記掛布団201を家で使用することを想定した場合、家庭用電源に接続できるように、コンセントなどを設けることも可能である。
【0118】
本発明の掛布団201における空気の流れについて、図面を用いて説明する。図14に示すように、前記開口部220にファン205を設けた場合、前記ファン205を回転させると、前記ファン205は前記開口部220を通じて空気を外部から前記エアパイプ223内へと送風する。前記エアパイプ223内に送風された空気は、4つのエアパイプ223に分散され、前記エアパイプ223内を前記掛布団本体210の足元側から頭側へと流れていき、前記エアパイプ223は送風された空気によって膨らんだ状態となる。
【0119】
図16に示すように、前記エアパイプ223内を流れる空気は各前記エアパイプ223に位置する複数のスリット224を通過して、外部へと放出される。この時、複数のスリット224によって空気が分散された状態で外部へと放出されることから、前記掛布団201を使用しているユーザに対して、分散された空気が当たることになり、ユーザは良好な涼感を得ることができる。
【0120】
前記開口部220に、ファン205の代わりに、布団乾燥機等の温風送風機のダクトを接続する構造とすることも可能であり、これにより、前記エアパイプ223内に温風を送り込むことにより、前記スリット224から暖かい空気を放出させることもできる。
【0121】
本発明の掛布団201の空気送風手段221の構造については限定するものではなく、第2の実施形態の寝袋1’及び第3の実施形態の寝袋1’’の空気送風手段の構造を用いることもできる。また、空気送風手段221以外の構造についても適宜変更可能である。
【0122】
本発明の掛布団201は、空気送風手段221を有することにより、掛布団201を使用した状態でユーザの全身に空気を送風することができるので、空気送風装置を選択することにより、ユーザに夏は涼感を、冬には温感を与えることができ、快適な睡眠を提供することができる。
【符号の説明】
【0123】
1,1’,1’’ 寝袋
2,2’,2’’ 上掛け部
20,20’,20’’ 開口部
21,21’,21’’ 空気送風手段
22,22’’ 仕切り
23,23’,23’’ エアパイプ
24,24’ スリット
25 バッテリー収容部
26 表地
27 裏地
29 孔
3 敷部
4,4’,4’’ 内部空間
5,5’,5’’ ファン
7 ループ部
8 紐
9,9’ ファスナー
10,10’,10’’ 寝袋本体
11,11’ 寝袋頭部
12,12’ 開口
13,13’ ファスナー
30 バッテリー
101 抱き枕カバー
102 表地
103 裏地
105 ファン
109 ファスナー
110 抱き枕
120 開口部
121 空気送風手段
123 エアパイプ
124 スリット
125 バッテリー収容部
130 バッテリー
201 掛布団
205 ファン
206 表地
207 裏地
210 掛布団本体
220 開口部
221 空気送風手段
223 エアパイプ
224 スリット
228 縫い目
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16