(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022013529
(43)【公開日】2022-01-18
(54)【発明の名称】パッチユニットを人体にフィットさせる調整機構付きの衣服構造体
(51)【国際特許分類】
A61N 1/36 20060101AFI20220111BHJP
A41D 13/005 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
A61N1/36
A41D13/005 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020136739
(22)【出願日】2020-08-13
(31)【優先権主張番号】202010631822.5
(32)【優先日】2020-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520276844
【氏名又は名称】ホー,ホイ ミン マイケル
【氏名又は名称原語表記】Ho,Hoi Ming Michael
【住所又は居所原語表記】H2,The Terrace at The Bloomsway,28 Tsing Ying Road,Tuen Mun,NT.,Hong Kong
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ホー,ホイ ミン マイケル
【テーマコード(参考)】
3B011
4C053
【Fターム(参考)】
3B011AA01
3B011AB09
3B011AC01
4C053JJ15
4C053JJ24
4C053JJ33
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電気治療また温熱療法を行う衣服構造体を提供する。
【解決手段】本発明に係るパッチユニット2,3を人体にフィットさせる調整機構付きの衣服構造体は、衣服本体1、少なくとも1つの調整バンド4,5及び少なくとも1つのパッチユニット2,3を含み、なかでも、前記調整バンド4,5の一方端が前記衣服本体1に連接され、前記調整バンド4,5の他方端が前記衣服本体1の外面に固定される。調整バンド4,5が締め付けられる時、前記衣服本体1の内面は人肌に引き寄せされることになる。なお、パッチユニット2,3が前記衣服本体1の内面に配置されるため、前記衣服本体1の動きに追従して人の肌に当着するようになる。そのように、使用者が衣服本体1を着用する際には、調整バンド4,5を引っ張って固定すると、パッチユニット2,3を人体の皮膚表面に簡単かつ迅速に当着することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッチユニットを人体にフィットさせる調整機構付きの衣服構造体であって、
着脱可能に人体の一部をカバーする衣服本体と、
一方端が前記衣服本体に連接され、他方端に衣服本体の外面に固定するための固定部が配置され、引っ張られた際に、前記衣服本体の内面を人の皮膚表面に対して移動させる、少なくとも1つの調整バンドと、
前記衣服本体の内面に配置され、電極パッチ、発熱パッチまたは少なくとも1つの加熱ユニットを有する電熱パッチから選ばれる少なくとも一種である、パッチユニットと、
を含み、
前記調整バンドが締め付けられた時に、前記パッチユニットは前記衣服本体の動きに追従して、人体の皮膚表面に当着される、ことを特徴とする、衣服構造体。
【請求項2】
前記衣服構造体は、前記電極パッチまたは前記電熱パッチの導電層により前記電極パッチまたは前記電熱パッチが当着した部分の筋肉に刺激を与えて電気治療を行うか、あるいは前記発熱パッチまたは前記少なくとも1つの加熱ユニットで生成した熱を前記発熱パッチまたは前記少なくとも1つの加熱ユニットが当着した部分に伝えて温熱治療を行う、請求項1に記載の衣服構造体。
【請求項3】
前記衣服本体は、人の肩部から腰部にかけて少なくとも一部分を覆っている、請求項1に記載の衣服構造体。
【請求項4】
前記衣服構造体は、複数の前記調整バンド及び複数の前記パッチユニットを含み、複数の前記調整バンドは、前記衣服本体を人の腰部または/及び肩部に向かって移動させるために用いられ、それにより、複数の前記パッチユニットは前記衣服本体の動きに追従し、人の腰部または/及び肩部の一部分に当着するようになる、請求項3に記載の衣服構造体。
【請求項5】
前記固定部がマジックテープ(登録商標)である、請求項4に記載の衣服構造体。
【請求項6】
前記パッチユニットは少なくとも1つの加熱ユニットを有する電熱パッチであり、前記加熱ユニットは、前記電熱パッチの導電層と一体として組み合わせられ、前記加熱ユニットは、前記導電層と前記衣服本体の内面の間に位置する、請求項1に記載の衣服構造体。
【請求項7】
前記加熱ユニットは2つの不織布層と1つの発熱層とを含み、前記発熱層は前記2つの不織布層の間に配置され、前記導電層は一方の前記不識布層の外面に位置し、他方の前記不識布層の外面が対応的に衣服本体の内面に固定される、請求項6に記載の衣服構造体。
【請求項8】
前記パッチユニットは発熱パッチであり、2つの不識布層及び1つの発熱層を含み、前記発熱層が2つの前記不織布層の間に配置され、一方の前記不織布層の外面が対応的に前記衣服本体の内面に固定される、請求項1に記載の衣服構造体。
【請求項9】
前記発熱層は、金属製、グラフェン製、または、カーボンファイバー製である、請求項8に記載の衣服構造体。
【請求項10】
前記発熱層は、カーボンファイバー製である、請求項9に記載の衣服構造体。
【請求項11】
前記衣服構造体は制御装置をさらに含み、前記制御装置は、電流を前記電極パッチまたは前記電熱パッチの導電層に送電するために用いられ、それにより前記パッチユニットが筋肉を刺激するための電流を出力し得て、あるいは、前記制御装置が電流を前記発熱パッチまたは前記電熱パッチの前記加熱ユニットに送電するために用いられ、それにより、前記発熱パッチまたは前記電熱パッチの前記加熱ユニットが発熱する、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の衣服構造体。
【請求項12】
前記衣服構造体はさらに、
前記制御装置を脱着可能に前記衣服本体におけるリリース/ロック部材に固定するための位置決め部と、
前記衣服本体に固定され、前記パッチユニットと前記制御装置に電気的に接続されることにより、制御装置からの電流を受ける、少なくとも1つの金属留め具と、
を含む、請求項11に記載の衣服構造体。
【請求項13】
前記制御装置は、
複数の制御信号を送信する、制御ユニットと、
前記制御信号を受信するために前記制御ユニットと電気的に接続し、前記制御信号に基づいて、所定の波形を有する電流パルス信号を形成して、前記電流パルス信号を前記パッチユニットに送信するパルス出力回路と、
前記制御ユニット及び前記パルス出力回路と電気的に接続し、前記制御装置の運転に必要な電力を送電する直流電源ユニットと、
を含む、請求項12に記載の衣服構造体。
【請求項14】
前記パッチユニットが電極パッチまたは電熱パッチであり、かつ、前記パッチユニットは、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンスルホン酸塩)または導電性繊維を含有する、請求項1に記載の衣服構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣服構造体に係り、特に衣服本体に調整バンド及びパッチユニットが設けられ、前記調整バンドを調整することによって、パッチユニットを体にピッタリと当着させることで、電気治療また温熱治療を行う衣服構造体を提供する。
【背景技術】
【0002】
仕事や運動、ストレス、加齢などの要因により、筋肉が硬くなったり、痛みが出たりすることがある。成人では、腰や首、肩などの痛みの部位が多くなっており、ほとんどの成人は上記のような痛みを経験し、時間の経過とともに、かつては軽度の筋肉痛だったものが慢性化する可能性が高くなっている。肉体労働、運動、電子機器の使いすぎ、長時間の運転、誤った睡眠姿勢、長時間の悪い座り姿勢などによる筋肉のこわばりや痛みなどの原因とされている。このため、目覚めるときに、腰痛、首の痛み、肩こりなどを経験した人は少なくない。さらに、その筋肉のコリや痛みは、一日中仕事をしていると増える傾向にもあり、仕事から帰ってきた人が痛みを増して夜の睡眠の質に影響を与え、長い目で見れば継続的に痛みが増すという悪循環に陥ってしまう。さらに悪いことに、ほとんどの人は日常的な臨床治療のために時間やお金を費やしていないことが多く、軽度の痛みが再発し、重度の慢性疼痛になりやすくなっている。また、スポーツ選手、サラリーマン、重労働の肉体労働者、運転手、学生、サービス業の人、又は歩行の多い人の多くは、ほぼ日常的に腰痛、首の痛み、および/または肩こりに直面している。なお、ストレスや怪我に由来する痛みがある患者さんにとって、日常生活やその他の活動は、より多くのストレスや怪我をして体に負担がかかってしまう。前述の患者さんは、定期的に治療を受けて凝り固まった筋肉をほぐし、局所の循環を良くして日常的な痛みの緩和を図ることで、痛みを悪化させる悪循環を止め、慢性的な痛みの発症を防ぐことが理想的である。しかし、前述の治療法は、職場、家庭、外出先でも使用できるように、自己管理が容易で、いつでも利用でき、かつ携帯が容易で、患者の日常生活に効果的かつ容易に取り入れることができるものでなければならない。
【0003】
一般人は、手頃な価格で購入して入手しやすいため、痛みに苦しむときには、痛み止めパッチや消炎鎮痛クリームなどの薬を選ぶことが多い。また、痛みを和らげるためにマッサージを利用する人もいる。しかし、前述のような方法ではまだまだ欠点がある。例えば、市販されている痛み止めパッチには、数多くの種類があり、抗炎症・鎮痛効果を得るために、 非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を添加することがある。若痛み止めのパッチを長時間貼っていると、患部が水濡れでアレルギーを起こしやすくなり、赤みや腫れ、かゆみなどの症状が出てくる。また、NSAIDパッチを長期間使用することで、肝臓や腎臓にダメージを与える副作用がある可能性がある。
【0004】
さらに、消炎鎮痛軟膏に含まれる成分は、肝臓や腎臓に悪影響を及ぼす可能性がある。さらに、これらの軟膏は、通常、痛みのある部分を同時にマッサージすることによって適用されるが、自分の手で、あるいは補助器具(例えば、マッサージローラー、スティック、椅子など)を用いても、痛みのある部分を正確にマッサージして和らげることは困難であることが多く、マッサージ店で専門的なサービスを依頼すると、余分な時間と費用がかかってしまう。また、特定の病気(例えば、変性性関節炎、腱鞘炎、および筋肉と筋膜性疼痛症候群)は、痛みを緩和するパッチ、消炎および/または鎮痛軟膏、またはマッサージのみで治すことはできず、これらの場合では、人々は一般的に物理療法の援助を求める。
【0005】
一般的に理学療法士は、まず患者さんの症状を把握した上で、装置療法、フリーハンド療法、運動療法などの介入を行っている。装置療法では、電気治療には、痛みの緩和、筋力増強、筋萎縮の遅延・予防、筋痙攣の緩和、皮膚・血行の改善などの特徴があることから、身体の痛みの症状を治療・緩和する手段として、電気治療を受け入れる人が増えている。現在、電気治療の方法としては、1000Hz以下(一般に0~100Hz)の周波数の低周波を用いて電気刺激を行う低周波電気刺激(経皮的電気神経刺激ともいう)、中間周波干渉波等の多くの方法があるが、これらの電気刺激の中では、特に、1000Hz以下(一般に0~100Hz)の周波数の低周波を用いて電気刺激を行う方法が一般的である。実用上は、電気治療器で発生させた電気的神経刺激パルス(electrical nerve stimulation pulses)を人の皮膚に貼り付けた電極パッドを介して神経を刺激し、鎮痛効果を得ることができる。
【0006】
また、中間周波干渉波とは、1000~100万Hzの間の中間周数の波である。しかし、10,000Hzを超えると発熱するため、臨床用の中周波干渉波は、一般的に1,000Hz~10,000Hzの範囲である。実用的には、中間周波干渉波には、周波数差が0~100Hz、例えば2,100Hzと2,000Hzの2組の電極パッドが一般的に採用されている。このような中周波干渉波は、皮膚を貫通し、皮膚の深部組織に電流干渉が発生して0~100Hzの低周波を発生させる。したがって、前述した電気治療法により、適切な電流を利用して筋肉を刺激することで治療目的を達成することができる。
【0007】
従来の電気治療器は、サイズが大きく、固定された場所に設置する必要があるため、利便性の面で問題がある。これらの不便さに対抗するために、いくつかのメーカーは、携帯用または家庭用の電気治療器(例えば、低周波治療器)を開発してきた。このような電気治療器は、サイズが小さく、患者が電極パッドを適切な位置に密着させ、医師や治療者の指示に従って患者自身が装置を操作することで、便利に鎮痛効果を得ることができるようになっている。しかし、実際には、患者が肩甲部、背中下部、腰部の皮膚表面に正確にしっかりと電極パッチを当てたい場合には、患者自身の背中の位置が見えなかったり、腕を身体の後ろ側に大きく曲げることができなかったりするため、親族や友人の手を借りずに、前記の位置(例えば、肩甲部、背中下部、腰部)に電極パッチを当てることが困難な場合が多い。また、電極パッドが人肌に十分に密着していない状態では、電極パッドの導通が悪くなり、患者にヒリヒリ感を与えてしまうことがある。そのため、患者が頻繁にまたは過度に体を動かしている状態では、電極の表面と患者の皮膚が状況に密着しない、あるいは電極から外れてしまうことが非常に起こりやすい。このように、電気治療は、痛みを軽減して治療効果を得る代わりに、使用者にヒリヒリ感を感じさせ、治療効果さえも失ってしまう。また、治療中に患者が活動している場合には、電極シートが脱落する可能性が高く、その主な理由は、電極シートが現在の位置で安定した状態を維持するための固定化手段や機構がないためである。電極が頻繁に脱落すると、電気治療は失敗し、患者さんの期待を裏切ることになってしまう。
【0008】
もう一つの一般的な治療法は、通常、痛みを伴う部分に加熱パッドを置くことを含む加熱療法である。加熱パッドからの熱を身体に移すためには、使用者が手動で身体に対して加熱パッドを当着させるか、ストラップや重い物を使用して身体に対して加熱パッドを当着させなければならない。それによって、痛みを伴う部分が熱を受け、その結果、血管が弛緩し、筋肉の弛緩と痛みの緩和がもたらされる。また、治療過程では、使用者は座るか、または横たわる必要があり、体の動きが大きすぎてはならない、そうでなければ、加熱パッドが体に付着しなければ、加熱パッドが体から落ちやすい、それは体に不十分な熱伝達を引き起こし、こうして温熱治療の有効性を失うことになる。つまり、温熱治療の効果を確実に発揮させ、熱を十分に体に伝えるためには、加熱パッドを身体に密着させておく必要がある。加熱パッドの発熱は、パッドが緩む場合では、体にプラスになることはほとんどない。これは、体温の大幅な上昇による体の組織や血管が弛緩してリラックスできなくなっているためである。
【0009】
以上のことから、本出願人は、電極パッド、加熱パッド、発熱体を備える電極を背中や腰の位置に装着した場合、使用者が自らで装着動作を完了できないことが多く、その結果、前記電気治療器や温熱治療器や製品が使用者の痛みの問題を和らげたり、治療したりする効果を発揮できないことを見出した。したがって、より使い勝手の良い電気治療および/または温熱治療製品を提供するために、前述の問題を効果的に解決する方法は、本明細書で議論される重要なトピックの1つである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
既存の電気治療および/または温熱治療の製品および方法の使用には、まだ改良の余地があるという事実に鑑み、本発明者は、長年の実務経験の設計の専門家としての経験と、長年の厳しい研究と実験を経て、継続的な研究と改良の精神をもって、本発明の1つであり、即ち、パッチユニットを人体にフィットさせる調整機構付きの衣服構造体を完成させるのである。本発明により、調整機構で、使い勝手の良くパッチユニットを体にフィットさせることによって、電気治療または温熱治療を行うことができる衣服構造体を提供し得、それにより、より良い使用者体験を提供し、既存の技術的な課題に効果的に対処し得る。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の技術的課題を解決するために、本発明が採用する技術的手段の1つとしては、パッチユニットを人体にフィットさせる調整機構付きの衣服構造体を提供することである。前記衣服構造体は、衣服本体、少なくとも1つの調整バンド、及び少なくとも1つのパッチユニットを含む。なかでも、前記衣服本体は、着脱可能に体の一部を被覆するために用いられる。前記調整バンドの一方端は、前記衣服本体に連接し、他方端には、衣服本体の外側に固定するための固定部が設けられる。前記調整バンドは、引っ張られた時、前記衣服本体の内側面が人体の皮膚表面に向かって引き動かされるように構成される。前記パッチユニットは前記衣服本体の内側に配置される。前記パッチユニットとしては、電極パッチ、発熱パッチ、または少なくとも1つの加熱ユニットを有する電熱パッチ等が挙げられる。なかでも、前記調整バンドが引っ張られた時、前記パッチユニットは、前記衣服本体における引き動かされた部分に連れて、人体の皮膚表面に近づいていく。
【発明の効果】
【0012】
それにより、使用者による自力で簡単に各位置にあるパッチユニットを調整するというニーズを満足させることができ、さらに、前記パッチユニットをそれぞれに皮膚表面に密着させることにより、使用者は、より便利に電気治療及び/または温熱治療を受けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係る衣服構造体の裏面を示す模式図である。
【
図2】本発明に係る衣服構造体の正面を示す模式図である。
【
図3A】本発明に係る電極パッチの実施形態を示す模式図である。
【
図3B】本発明に係る発熱パッチの実施形態を示す模式図である。
【
図3C】本発明に係る電熱パッチの実施形態を示す模式図である。
【
図4A】本発明に係る第1の調整バンドが第1のパッチユニットの配置範囲に位置される状況を示す模式図である。
【
図4B】本発明に係る第1の調整バンドが第1のパッチユニットの配置範囲に近接する状況を示す模式図である。
【
図5】本発明に係る第1の調整バンドが引っ張られた状態においての作用力を示す模式図である。
【
図6】本発明に係る制御装置のハードウェアを示すブロック図である。
【
図7】本発明に係る第1の実施形態の制御装置がリリース/ロック部材により、位置決め部に固定される状況を示す模式図である。
【
図8】本発明に係る第1の実施形態の制御装置と位置決め部を示す分解模式図である。
【
図9】本発明に係る第1の実施形態の制御装置、リリース/ロック部材及び位置決め部の詳細を示す模式図である。
【
図10】本発明に係る第1の実施形態の制御装置、リリース/ロック部材及び位置決め部の詳細を示す模式図である。
【
図11】本発明に係る第2の実施形態の制御装置が位置決め部に固定された状況を示す模式図である。
【
図12】本発明に係る第2の実施形態の制御装置と位置決め部を示す分解模式図である。
【
図13】本発明に係る第2の実施形態の制御装置と位置決め部を示す分解模式図である。
【
図14】本発明に係る第3の実施形態の制御装置が位置決め部に固定された状況を示す模式図である。
【
図15】本発明に係る第3の実施形態の制御装置と位置決め部を示す分解模式図である。
【
図16】発明に係る第3の実施形態の制御装置と位置決め部の詳細を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
下記より、具体的な実施形態で本発明が開示する「パッチユニットを人体にフィットさせる調整機構付きの衣服構造体」に係る実施形態を説明する。当業者は本明細書の公開内容により本発明のメリット及び効果を理解し得る。本発明は他の異なる実施形態により実行又は応用できる。本明細書における各細節も様々な観点又は応用に基づいて、本発明の精神逸脱しない限りに、均等の変形と変更を行うことができる。また、本発明の図面は簡単で模式的に説明するためのものであり、実際的な寸法を示すものではない。以下の実施形態において、さらに本発明に係る技術事項を説明するが、公開された内容は本発明を限定するものではない。
【0015】
「第1の」、「第2の」、「第3の」などの用語は、本明細書では様々な要素または信号を記述するために使用されるが、これらの要素または信号はこれらの用語に制限されるものではないことを理解されたい。これらの用語は、主に、ある要素を別の要素または別の信号と区別するために使用される。さらに、本明細書で使用される「または」という用語は、関連する列挙された項目のいずれか1つまたは複数の組み合わせを含み得る。
【0016】
使用者により便利な電気治療及び温熱治療に係る製品を提供するために、本出願人は、使用者が着ると、便利に電気治療及び/または温熱治療を行うことができるパッチユニット(電極パッチ及び/または発熱パッチ)が衣服(例えば、上着、パンツ等)に附かれた発明を提供する。しかし、出願人は、人の体型の違いによって、一部の使用者には、その衣服を着た後に、パッチユニットがピッタリ皮膚表面に密着できないという問題があり、それで、電流または熱量による筋肉に対する刺激が弱くされ、治療効果も失うことに気づいたのであった。パッチユニットで電気治療を行う例であれば、パッチユニットが皮膚表面に密着されない場合には、電極の導電が不良で使用者にヒリヒリ感を感じさせてしまう場合がある。パッチユニットで温熱治療を行う例であれば、パッチユニットが皮膚表面に密着されない場合には、使用者に伝えた熱量が不足で、治療効果が失う結果になってしまう場合がある。そのため、出願人は、前記状況について、本発明、即ち、調整機構パッチユニットを皮膚表面にフィットさせる調整機構付きの衣服構造体Gをデザインした。前記調整機構は、少なくとも1つのパッチユニットを人体にピッタリと当着させて、それにより、使用者が自らで簡単に各位置にあるパッチユニットを調整し得て、さらに前記パッチユニットをそれぞれに使用者に皮膚表面に安定的に密着させることができる。それにより、前記衣服構造体Gにより、便利に温熱治療及び/または電気治療を行って、局部的な血液循環を改善し得て、筋肉をほぐし、日常生活での痛みを和らげることができる、特に、本発明の衣服構造体Gによれば、使用者は、安静時、仕事中、または運動中に、便利で自力で温熱治療および/または電気治療を行うことができる。
【0017】
図1を参照されたい。本発明に係る1つの実施形態において、前記衣服構造体Gは、衣服本体1、複数の第1のパッチユニット2、複数の第2のパッチユニット3、複数本の第1の調整バンド4及び複数本の第2の調整バンド5を含む。なお、本発明に係る別の実施形態において、実際のニーズに応じて、1つのパッチユニット及び1つの調整バンドのみで配置されてもよい。それについての調整手段の詳細は後述で説明する。
図1において、衣服本体1では上着で、人の肩部から腰部にわたってカバーするものが例示されたが、本発明はこの例に制限されない。衣服本体1としては、例えば、シャツ、ゴルフシャツ、ベスト、Tシャツ、その他スタイル等、いずれかのサイズまたは形で表現できる。また、衣服本体1を製作する材料としては、綿、ポリエステル、プラスチック、合成皮革などが挙げられる。なかでも、前記衣服本体1はタイツでなくても良いため、伸縮性の高い素材や圧縮性のある素材を使用していなくても良い。前記衣服本体1が体にピッタリとフィットするか、ゆるくフィットするかにかかわらず、後述した調整機構により、衣服本体1の所定領域を人体に向かって強く押し付けることができる。即ち、前記衣服本体1は、人が着ることが可能で、少なくとも人体の局部を被覆できるものであれば良いのである。前記実施形態において、前記衣服構造体Gは、衣服本体1に固定される少なくとも1つの第1の/第2のパッチユニット2、3を備え、かつ、前記第1の/第2のパッチユニット2、3は、制御装置6に電気的に接続し得る。それにより、前記第1の/第2のパッチユニット2、3は、熱量または電流を痛みなしで人体の皮膚表面に直接に伝えることができる。前記第1の/第2のパッチユニット2、3は、人体の皮膚表面にしっかり密着されると共に、所定の位置に保持されるため、治療が行われる間に、使用者が全身運動を行っても、前記第1の/第2のパッチユニット2、3には緩みや脱落が発生しない。そのため、使用者が仕事をしているか、休んでいるか、運動をしているか、その他の活動をしているかにかかわらず、前記第1の/第2のパッチユニット2、3による電気治療及び/または温熱治療の効果を得ることができる。さらに、前記第1の/第2のパッチユニット2、3の配置位置は、実際のニーズに応じて調整し得て、
図1に示した配置位置に制限されない。前記実施形態において、前記第1の/第2のパッチユニット2、3はそれぞれ、前記衣服本体1の背部の下部と肩部の左右両側に位置される。かつ、前記衣服本体1における前記第1の/第2の調整バンド4、5は、直接に電気治療及び/また温熱治療を行うために、前記第1の/第2のパッチユニット2、3を使用者の皮膚表面に当着させるためのものである。
【0018】
図1ないし
図3Cを参照されたい。前記第1の/第2のパッチユニット2、3としては、電極パッチ2A、発熱パッチ2B、または電熱パッチ2Cが挙げられる。本発明における特定の実施形態において、前記第1の/第2のパッチユニット2、3は、電極パッチ2Aである。電極パッチ2Aは少なくとも、導電層23、フィルム層24及び接続層25で構成される。なかでも、前記導電層23としては、導電性繊維、導電性フィルム、導電性布、アルミ箔、またはそれらの混合物、或いはその他の導電性材料で作られるものである。前記導電層23の一方側に前記フィルム層24(例えば、導電性ゲル)が配置され、前記導電層23の他方側に前記接続層25が配置される。
図3Aに示すように、第1の導電線22は、前記導電層23に電気的に接続される。かつ、前記第1の導電線22を金属シート221によって前記導電層23から延出した領域に固定してから、さらに絶縁バンド222で前記金属シート221と第1の導電線22とを固定した後、前記接続層25(例えば、粘着剤)は前記衣服本体1の内側に固定される。それにより、前記電極パッチ2Aを使用する場合、前記フィルム層24を人体の皮膚表面に当着させることにより、電気治療の効果を果たせる。なお、前記電極パッチ2Aの構造は前記構造に制限されない。本発明における別の実施形態において、前記フィルム層24を省略して、前記導電層23を直接に皮膚に接触させることができる。或いは、前記接続層25を生地(不織布、綿など)にしてもよい。接続層25を導電片(例えば、アルミ箔)と接続して、さらに衣服本体1に結合することが好ましい。
【0019】
再び
図1、
図2及び
図3を参照されたい。本発明に係る特定の実施形態において、前記第1の/第2のパッチユニット2、3が発熱パッチ2Bである場合、それが少なくとも2つの隔離層26(例えば、不織布(Non-wover fabric)及び発熱層27で構成される。なかでも、前記発熱層27は、金属材(例えば、鉄-クロム-アルミニウム合金線、ニッケル-クロム合金線)グラフェンや炭素繊維などの電気的に加熱できる素材で作られ、電流を流すと発熱する。また、前記発熱層27が前記2つの隔離層26の間に位置し、一方側の隔離層26(例えば、
図3Bの下方にある隔離層26)の外面が対応的に衣服本体1の内側表面に固定し得る。少なくとも1つの第1の導電線22が前記発熱層27に電気的に接続されることにより、前記発熱層27が熱量を生成し得ると共に、その熱が隔離層26を介して外部へ発散する。それにより、前記発熱パッチ2Bを使用しようとするとき、他方側の隔離層26(例えば、
図3Bの上方にある隔離層26)を皮膚表面に当着させれば、温熱治療を行うことができる。それで、発熱パッチ2Bが生成した熱で血管を弛緩させることで局所の血行を促進し、新陳代謝のスピードを上げることで、炎症性物質(inflammatory substances)を体外に出すのを加速させ、筋肉組織の自己再生を改善できる。また、温罨法(温熱治療)では、筋肉の痙攣を抑えるために体の軟部組織の弾力性を高めるため、体にかかる痛みを軽減させる効果もある。それにより、心をリラックスさせる効果も得られる。なお、本発明に係る別の実施形態において、隔離層26を省略して、発熱層27を直接に皮膚に接触させることもできる。
【0020】
また、電気治療と温熱治療を共に行うことでさらに優れた治療効果が得られるため、再び
図1~
図3を参照するように、本発明に係る特定の実施形態において、前記第1の/第2のパッチユニット2、3は、電熱パッチ2Cである場合、少なくとも1つの加熱ユニット28が導電層23と衣服本体1の内側表面との間に配置される。前記加熱ユニット28は、第1の導電線(
図3Cでは示されていない)に電気的に接続することにより、制御装置6から受電できると共に、さらにその電気を熱に転換させる。また、前記導電層23は、前記第1の導電線以外の別の第1の導電線で前記制御装置6に電気的に接続してもよい。それにより、使用者がそのニーズに応じて、電気治療または温熱治療を選べることができるほか、電気治療及び温熱治療を同時に行うこともできる。
【0021】
再び
図3Cを参照されたい。前記電熱パッチ2Cは、前記導電層23、2つの隔離層26(例えば、不織布、Non-wover fabric)、及び発熱層27を含む。なかでも、前記発熱層27は、前記2つの隔離層26の間に配置され、かつ、前記発熱層27と前記2つの隔離層26が共に前記加熱ユニット28として形成される。また、一方の隔離層26(例えば、
図3Cの上の方にある隔離層26)の外面に前記導電層23が配置され、他方の隔離層26(例えば、
図6の下の方にある隔離層26)の外面が対応的に衣服本体1の内側へ表面に固定される。別の実施形態において、前記導電層23における前記隔離層26の背を向ける面において、フィルム層24が配置される。また、少なくとも1つの第1の導電線22(
図3Cでは図示しない)がそれぞれ前記導電層23及び前記発熱層27に電気的に接続される。それにより、使用者が前記電熱パッチ2Cを皮膚に当着することにより、発熱層27が生成した熱で、使用者が電気治療を行うと同時に、温熱治療を行うことができる。
【0022】
再び
図1及び
図2を参照されたい。前記第1の調整バンド4は伸縮性のあるバンドである。なお、調整バックル、フック、スナップ、またはボタン等が備えられたものといった、自身の長さをある程度で調整できるものであれば、本発明では、第1の調整バンド4として取り扱われる。前記実施形態において、人の腰部に対応する位置に、前記第1の調整バンド4の一方端が前記衣服本体1の裏面外側に、連接(例えば、縫い付けられる)される。第1の調整バンド4の他方端に第1の固定部41(例えば、マジックテープ(登録商標)、ボタンなど)が配置される。前記第1の調整バンド4の他方端が引っ張られて衣服本体1の正面まで延伸された後、前記第1の固定部41が前記衣服本体1の外面に固定されることができる。例えば、前記第1の固定部41がマジックテープである場合、前記衣服本体1の外面に位置決め部材を配置することにより、前記マジックテープは前記位置決め部材に固定されることができる。また、前記衣服本体1そのものの外面の材料をマジックテープと互いに固定し得るものにしてもよい。
【0023】
さらに、
図1及び
図2を参照されたい。前記実施形態において、前記第1のパッチユニット2は、前記衣服本体1の内側に人の腰部の位置に対応するように配置される。また、
図33A及び
図33Cを参照されたい。前記第1のパッチユニット2を電極パッチ2Aまたは電熱パッチ2Cとしたとき、それにポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリスチレンスルホン酸塩(poly(3,4-ethylenedioxythiophene)polystyrene sulfonate,略称:PEDOT:PSS)を含有する材料、例えば、プラスチックフィルムは、PEDOT:PSSの層がコーティングされたもの、あるいは、導電性繊維(例えば、導電性を有する金属織物)を導電層23として、その導電性を高めることができる。また、前記第1の調整バンド4の一端が前記第1のパッチユニット2と対応するように構成される。ここで、前記第1の調整バンド4と第1のパッチユニット2とが対応することは、
図4Aに示すように第1の調整バンド4の一端が前記第1のパッチユニット2の配置範囲に配置されるか、または
図4Bのように前記第1の調整バンド4の一端が前記第1のパッチユニット2の配置範囲に近接するように配置される状況を含む、ということを理解されたい。実際の使用上、第1の調整バンド4の一端が第1のパッチユニット2の中央領域に位置することが好ましい。また、前記第1の調整バンド4の幅が、第1のパッチユニット2の幅と相当することが好ましい。
【0024】
上記を踏まえ、使用者は、前記衣服本体1の着用後、前記第1の調整バンド4の他方端を握って引っ張る。この時、
図1、
図2、
図5に示すように、前記第1の調整バンド4の一方端は外力A1を受け、同時に、前記外力A1は水平方向の力A2と垂直方向の力A3を形成し、前記垂直方向の力A3は人体Hの方向へ作用する。そのため、本発明の特定の実施形態において、前記第1の調整バンド4が使用者によって後ろから前方に引っ張られている状況の下では、同期的に衣服本体1が人の腰の方向に移動し、前記衣服本体1の内側面を人の腰部の皮膚表面に当着させることができる。この時、前記第1のパッチユニット2は前記衣服本体1の内側面に連れて、人の腰部の皮膚表面にしっかり密着するようになる。
【0025】
図1及び
図2を参照されたい。前記実施形態において、前記第2のパッチユニット3は同じように前記衣服本体1の内側に配置され、かつ、人の肩部に対応する位置に位置する。前記第2の調整バンド5の一方端が第2のパッチユニット3と対応するように前記衣服本体1の背面外側に連接され、前記第2の調整バンド5の他方端に第2の固定部51が配置される。上述したように、前記第2の調整バンド5の他方端が衣服本体1の正面まで引っ張られて、前記衣服本体1の外面に固定された後、前記第2の調整バンド5の一方端にも人体への垂直方向の力が生成したことにより、同期的に前記衣服本体1を人の肩部へ移動させる。さらに、前記第2のパッチユニット3を、衣服本体1の内側とともに、人の肩部にしっかり密着させる。そのように、本発明の衣服構造体Gによって、使用者が一人で、かつ、前記各パッチユニット2、3が背部側に位置する場合であっても、前記調整バンド4、5を引っ張るだけで、容易かつ迅速的に各前記パッチユニット2、3を背部の皮膚表面にしっかり密着させることができる。それにより、電気治療及び/または温熱治療の効果に悪い影響を及ぼすことから避けることができる。それで、使用者の肢体動作に制限はない。前記衣服構造体Gによって、使用者は、仕事中、旅行中、運動中、または睡眠中に、筋肉をリラックスさせ、局所循環を改善し、痛みを軽減することができる。また、使用者が電気治療及び/または温熱治療をやめたい場合でも、前記調整バンド4、5を緩めれば、簡単で迅速的に前記衣服構造体Gを緩い状態に戻せることができ、また、前記衣服構造体Gは普通の衣服と類似するものになされたため、使用上の快適性を高めることができる。
【0026】
また、電気治療及び/または温熱治療に必要な電流大きさ、周波数及び維持時間を調整するために、前記衣服構造体Gは制御装置6をさらに含む。
図6を参照されたい。前記制御装置6は少なくとも直流電源ユニット7(例えば、乾電池)、制御ユニット8及びパルス出力回路9を含む。なかでも、前記直流電源ユニット7、前記制御ユニット8、及び前記パルス出力回路9は電気的に接続される、それにより前記制御装置6の運転に必要な電力を提供する。前記制御ユニット8は、複数の制御信号を前記パルス出力回路9に送信することにより、前記パルス出力回路9は前記制御信号に基づいて、所定の波形の電流パルス信号を出力する。また、
図1及び
図2に示すように、前記制御装置6は第1の導電線22を介して前記第1のパッチユニット2に電気的に接続し、第2の導電線32を介して前記第2のパッチユニット3に電気的に接続することにより、前記電流パルス信号を前記パッチユニット2、3に送信する。それで、第1のパッチユニット2が第2のパッチユニット3は筋肉を刺激するための電流を出力する。
【0027】
さらに、前記制御装置6としては、経皮的電気神経刺激装置(TENS)、電気的筋肉刺激装置(EMS)、または他に電気治療及び/または温熱治療に適用されている携帯装置が挙げられる。かつ、前記携帯電気治療及び/または温熱治療の装置では携帯電池ユニットが備えており、運転に必要な電源を供給する。前記制御装置6は、位置決め部Hによって前記衣服本体1に位置決められる。前記位置決め部Hは、リリース/ロック部材Lを有し、前記リリース/ロック部材Lによって、前記制御装置6を前記位置決め部Hに固定するか、または前記制御装置6を前記位置決め部Hから解除、即ち、制御装置6を前記位置決め部Hから取り外すことができる。前記制御装置6は取り外し可能に前記衣服本体1に固定される。それにより、前記衣服本体1を洗濯しようとする場合、前記位置決め部Hから前記制御装置6を取り外して、洗濯による故障の発生から避けることができる。
図1ないし
図15を参照されたい。制御装置6は、リリース/ロック部材Lによって前記位置決め部Hに固定される。一部の実施形態において、前記リリース/ロック部材Lは、ロックバックル付きハーネス(harness)であってもよい。また、前記位置決め部Hが導電部を備えなくてもよい。それにより、制御装置6及び/またはそれに取り込まれた携帯電池ユニットが生成した電気を電極パッチ2A、発熱パッチ2Bまたは電熱パッチ2Cに伝送することにより、前記電極パッチ2A、発熱パッチ2Bまたは電熱パッチ2Cで、電気治療及び/または温熱治療を提供することができる。
【0028】
位置決め部Hの各実施形態について説明する。
図7ないし
図10を参照されたい。第1の実施形態において、位置決め部Hは、基板H11、位置決め本体H12、内板H13、複数の導電部H14及び複数の導電線接続部H15を含む。なかでも、前記基板H11の裏部にマジックテープが配置されることにより、基板H11を前記衣服本体1に貼り付けることができる。前記位置決め本体H12は弾性材で作られており、前記位置決め本体H12の裏部が前記基板H11に固定され、前記位置決め本体H12の前部に収容溝H120が設けられ、前記内板H13が前記収容溝H120の底部に配置される。なお、前記収容溝H120の内径は前記制御装置6の外形よりも僅かに小さく構成される。例えば、収容溝H120の内径は前記制御装置6の外径よりも0.1%ないし5%小さく形成される。かつ、前記収容溝H120の内周壁に前記リリース/ロック部材Lが形成され、前記制御装置6が前記収容溝H120に収容された後、前記収容溝H120の周壁(リリース/ロック部材L)が自らの弾性力で僅かに拡張し、前記制御装置6の外周部を強く嵌め込まれることにより、前記制御装置6が位置決め本体H12に位置決められる。また、前記制御装置6を取り外そうとする場合、外す場合の力が前記収容溝H120の周壁(リリース/ロック部材L)が前記制御装置6にかけた力(即ち、摩擦力または挟持力)よりも大きいと、前記制御装置6は前記リリース/ロック部材Lから脱離するようになる。
【0029】
さらに、
図7ないし
図10を参照されたい。前記導電部H14は前記収容溝H120内に延在し、前記内板H13、前記収容溝H120の底部、及び前記基板H11まで順次通過することができる。それらの導電線接続部H15は、前記位置決め本体H12と前記基板H11との間に位置すると共に、それぞれが対応的に導電部H14に接続する。各前記導電線接続部H15は外部の導電線と電気的に接続し得る。また、前記制御装置6の裏部に複数の送電部61が配置される。前記制御装置6が前記収容溝H120に収容された後、前記送電部61は対応的に各前記導電部H14と電気的に接続することにより、制御装置6が出力する電流(電流パルス信号)が送電部61、導電部H14を順次通過して導電線接続部H15まで伝送されることができる。なお、本発明の別の実施形態において、前記導電部H14と導電線接続部H15とは、導電線接続部H15を省略して、1つの組合体に整合されてもよい。それにより、前記導電部H14は外部の導電線と電気的に接続し得る。
【0030】
前記リリース/ロック部材Lに係る態様のほか、
図11乃至
図13に示すように、第2の実施形態において、位置決め部Hは、基板H21、位置決め本体H22及び複数の導電部H24を含む。なかでも、前記H21と位置決め本体H22は1つの組立体に組み合わせることができる。それらの導電部H24は前記位置決め本体H22に固定される。また、前記位置決め本体H22の前部に少なくとも1つの凸レールH211が配置され、前記凸レールH211は前記第2の実施形態におけるリリース/ロック部材Lとして使われる。前記制御装置6の裏部に少なくとも1つのくぼみ62が配置され、かつ各前記くぼみ62の開口部の直径は、各前記凸レールH211の外径よりも小さく形成される。例えば、前記凸レールH211の幅よりも0.1%乃至5%小さくてもよい。前記制御装置6が前記位置決め部Hに組み合わせる時、前記凸レールH211が対応的にくぼみ62に嵌め込まれて、同時に前記制御装置6の裏部における送電部61が対応的に導電部H24に接続される。なお、前記制御装置6を取り外そうとする場合、取り外す力をくぼみ62と凸レールH211との互いの作用力(即ち、摩擦力または挟持力)よりも大きくすると、前記制御装置6は位置決め部Hから脱離するようになる。
【0031】
図14乃至
図16を参照されたい。第3の実施形態において、位置決め部Hは、基板H31、位置決め本体H32及び複数の導電部H34を含む。なかでも、各前記基板H31の前部が前記位置決め本体H32の裏部に当着し、各前記基板H31の裏部が連接板H30(例えば、マジックテープ)に連接される。前記位置決め本体H32、基板H31及び連接板H30は、複数の留め具H36により1つの組立体に組み合わせることができる。前記位置決め本体H32の前部に収容溝H320が配置される。前記制御装置6が前記収容溝H320に収容され、前記収容溝H320の内周壁に前記リリース/ロック部材Lが形成される。前記基板H31における前記位置決め本体H32により遮蔽されない箇所において、一方の固定部品H37(例えば、ボタン)がさらに配置される。前記固定部品H37は、衣服本体1における対応的な他方の固定部品と互いに係合されることにより、前記位置決め部Hがより安定的に前記衣服本体1に位置決められる。
【0032】
上記のように、前記制御装置6が前記位置決め部Hに固定されるため、使用者は、制御装置6が脱落することなく、自由に移動したり、歩行したりすることができるようになる。何といっても、リリース/ロック部材Lは、使用者の作業中や動作中に関わらず、制御装置6を衣服本体1に確実に保持し、制御装置6が衣服本体1から脱落することを防止するのに十分なものである。
【0033】
また、衣服本体1を洗濯する必要がある場合には、衣服構造体Gを洗濯する前にリリース/ロック部材Lを解除して、制御装置6を位置決め部材Hから外すことができる。それにより、制御装置6内の部品が水によって故障することを防止することができる。さらに、リリース/ロック部材Lは、衣類本体1に直接セットすることができ(すなわち、固定部材Hを設けずに間接的に衣類本体1に配置されることができる)、電極パッチ2A、加熱パッチ2B、または電熱パッチ2Cと電気的に接続され、電極パッチ2A、加熱パッチ2B、または電熱パッチ2Cに電流を伝達することができるようになる。
【0034】
さらに、
図1及び
図2を参照されたい。前記実施形態において、第1の金属留め具21は、前記第1のパッチユニット2に電気的に接続され、かつ、前記第1の導電線22(前述した外部導電線に相当する)の一方端が第1の金属留め具21に例えば、巻き取り、引っ掛け、溶接などで固定される一方、前記第1の導電線22の他方端が前記導電線接続部H15(または導電部H14、H24、H34)に電気的に接続される。それにより、前記制御装置6からの電流(電流パルス信号)を第1のパッチユニット2に伝送する。同じように、第2の金属留め具31Mが前記第2のパッチユニット3に電気的に接続され、それにより、前記第2の導電線32の一方端が第2の金属留め具31に固定され、前記第2の導電線32の他方端が前記導電線接続部H15(または導電部H14、H24、H34)に電気的に接続される。それで、前記制御装置6からの電流(電流パルス信号)を伝送する。前記実施形態において、前記制御装置6は小型に設計されることができる。それで衣服本体1内のいずれかの位置に配置される。また、制御装置6を衣服本体1に外付けしたり、他の物体(例えばベルト)に外付けしたり等、使用者が持ち歩けるようにしてもよい。例えば、衣服本体1に複数のメスボタン(female button)(上述した他方の固定部品に相当する)が配置され、かつ、制御装置6または位置決め部Hに複数のオスボタン(male button)(上述した一方の固定部品H37に相当する)が配置されてもよい。そのように、前記制御装置6は、オスボタン、メスボタンで衣服本体1に固定されることができる。また、衣服構造体Gは、大型の電気治療器と組み合わせて使用することができ、すなわち、使用者は衣服本体1を装着するだけで、第1及び第2のパッチユニット2,3を制御装置6に電気的に接続して、制御装置6からの電流(電流パルス信号)を受けることができるようになっている。
【0035】
以上に開示される内容は本発明の好ましい実施可能な実施形態に過ぎず、これにより本発明の特許請求の範囲を制限するものではないので、本発明の明細書及び添付図面の内容に基づき為された等価の技術変形は、全て本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0036】
1…衣服本体
2…第1のパッチユニット
2A…電極パッチ
2B…発熱パッチ
2C…電熱パッチ
3…第2のパッチユニット
4…第1の調整バンド
5…第2の調整バンド
6…制御装置
7…直流電源ユニット
8…制御ユニット
9…パルス出力回路
21…第1の金属留め具
22…第1の導電線
221…金属シート
222…絶縁バンド
23…導電層
24…フィルム層
25…接続層
26…隔離層
27…発熱層
28…加熱ユニット
31…第2の金属留め具
32…第2の導電線
41…第1の固定部
51…第2の固定部
61…送電部
62…くぼみ
A1…外力
A2…水平方向の力
A3…垂直方向の力
H…人体
H11、H21、H31…基板
H12、H22、H32…位置決め本体
H13…内板
H14、H24、H34…導電部
H15…導電線接続部
H211…凸レール
H30…連接板
H36…留め具
H37…固定部品
H120、H320…収容溝
L…リリース/ロック部材
G…衣服構造体