(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022135321
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】触媒加熱システム
(51)【国際特許分類】
F01N 3/20 20060101AFI20220908BHJP
F01N 3/24 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
F01N3/20 K ZAB
F01N3/24 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021035058
(22)【出願日】2021-03-05
(71)【出願人】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100124084
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 久人
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】藤野 竜介
【テーマコード(参考)】
3G091
【Fターム(参考)】
3G091AA02
3G091AB03
3G091BA02
3G091CA03
3G091EA00
3G091EA14
3G091EA18
3G091EA30
(57)【要約】
【課題】排気ガスを浄化する触媒が適切に昇温されないことを抑制する。
【解決手段】触媒加熱システムSは、車両の格納部10に輪留め9が格納されているか、格納部10から輪留め9が取り出されたかを検出するプッシュスイッチ8と、車両の排気ガスを浄化する触媒4を、触媒4が活性化する温度まで加熱するヒータ5と、輪留め9が格納部10から取り出されたことをプッシュスイッチ8が検出してから、輪留め9が格納部10に格納されたことをプッシュスイッチ8が検出したら、ヒータ5を作動させる加熱制御部122と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の格納部に輪留めが格納されているか、前記格納部から前記輪留めが取り出されたかを検出するセンサと、
前記車両の排気ガスを浄化する触媒を、前記触媒が活性化する温度まで加熱するヒータと、
前記輪留めが前記格納部から取り出されたことを前記センサが検出してから、前記輪留めが前記格納部に格納されたことを前記センサが検出したら、前記ヒータを作動させる加熱制御部と、
を有する触媒加熱システム。
【請求項2】
前記触媒の温度を取得する温度取得部をさらに備え、
前記加熱制御部は、前記輪留めが前記格納部に格納されたことを前記センサが検出した際に前記温度取得部が取得した前記触媒の温度が、前記触媒が活性化する温度よりも低い所定値未満であるという条件を満たしている場合に、前記ヒータを作動させる、
請求項1に記載の触媒加熱システム。
【請求項3】
前記輪留めが前記格納部から取り出されたことを前記センサが検出した取出時点から前記輪留めが前記格納部に格納されたことを前記センサが検出した格納時点までの前記輪留めが使用された使用時間を特定する使用時間特定部をさらに備え、
前記加熱制御部は、前記使用時間特定部が特定した前記使用時間が所定時間以上であるという条件を満たしている場合に、前記ヒータを作動させる、
請求項1に記載の触媒加熱システム。
【請求項4】
前記車両の周辺温度を取得する温度取得部と、
前記温度取得部が取得した前記周辺温度が高いほど前記所定時間を長く設定する所定時間設定部と、をさらに備える、
請求項3に記載の触媒加熱システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気ガスを浄化する触媒を加熱する触媒加熱システムに関する。
【背景技術】
【0002】
排気ガスに含まれる有害成分を低減させるために、排気ガス浄化用の触媒が排気管に設けている。触媒は活性化する温度まで加熱しないと働かないので、特許文献1には、車両のドアが開いたタイミングで触媒の加熱を開始する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ドアが開いてからエンジンが始動されるまでの時間が短い時間であるため、触媒の温度を触媒が活性化する温度まで十分に昇温させることができなかった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、排気ガスを浄化する触媒が適切に昇温されないことを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様においては、車両の格納部に輪留めが格納されているか、前記格納部から前記輪留めが取り出されたかを検出するセンサと、前記車両の排気ガスを浄化する触媒を、前記触媒が活性化する温度まで加熱するヒータと、前記輪留めが前記格納部から取り出されたことを前記センサが検出してから、前記輪留めが前記格納部に格納されたことを前記センサが検出したら、前記ヒータを作動させる加熱制御部と、を有する触媒加熱システムを提供する。
【0007】
前記触媒加熱システムは、前記触媒の温度を取得する温度取得部をさらに備え、前記加熱制御部は、前記輪留めが前記格納部に格納されたことを前記センサが検出した際に前記温度取得部が取得した前記触媒の温度が、前記触媒が活性化する温度よりも低い所定値未満であるという条件を満たしている場合に、前記ヒータを作動させてもよい。
【0008】
前記触媒加熱システムは、前記輪留めが前記格納部から取り出されたことを前記センサが検出した取出時点から前記輪留めが前記格納部に格納されたことを前記センサが検出した格納時点までの前記輪留めが使用された使用時間を特定する使用時間特定部をさらに備え、前記加熱制御部は、前記使用時間特定部が特定した前記使用時間が所定時間以上であるという条件を満たしている場合に、前記ヒータを作動させてもよい。
【0009】
前記触媒加熱システムは、前記車両の周辺温度を取得する温度取得部と、前記温度取得部が取得した前記周辺温度が高いほど前記所定時間を長く設定する所定時間設定部と、をさらに備えてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、排気ガスを浄化する触媒が適切に昇温されないことを抑制できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】輪留めが格納部に格納されている状態を示す模式図である。
【
図3】輪留めが格納部から取り出されている状態を示す模式図である。
【
図4】プッシュスイッチの動作シーケンス図である。
【
図5】ヒータ制御装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[触媒加熱システムSの構成]
図1は、触媒加熱システムSの構成を示す図である。触媒加熱システムSは、トラック等の車両のエンジンの排気ガスを浄化する触媒4を加熱するシステムである。触媒加熱システムSは、ヒータ制御装置1と、エンジン2と、排気通路3と、触媒4と、ヒータ5と、触媒温度センサ6と、周辺温度センサ7と、プッシュスイッチ8とを備える。
【0013】
エンジン2は、燃料と吸気(空気)との混合気を燃焼、膨張させて、動力を発生させる内燃機関である。本実施の形態に係るエンジン2は、4気筒のディーゼルエンジンである。エンジン2は、4気筒以外エンジンであってもよい。
【0014】
排気通路3は、エンジン2と接続された排気管である。排気通路3は、エンジン2の排気ガスを車両の外部へ排出させる。排気ガスが流れる排気通路3には、触媒4が設けられている。
【0015】
触媒4は、車両の排気ガスを浄化する触媒である。触媒4は、例えば三元触媒である。触媒4は、活性化温度(例えば200℃)になると活性化して排気ガスを浄化する。具体的には、触媒4は、炭化水素を水と二酸化炭素に酸化し、一酸化炭素を二酸化炭素に酸化する。また、触媒4は、窒素酸化物を窒素に還元する。なお、触媒4は、三元触媒に限らず、排気ガスを浄化できるものであればよい。
【0016】
ヒータ5は、触媒4の表面に接触して配置されている。ヒータ5は、通電されることにより発熱して、触媒4を加熱する。ヒータ5は、エンジン2の始動前に、触媒4が活性化する活性化温度まで触媒4を加熱する。活性化温度は例えば200℃である。ヒータ5は、例えばPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータであるが、これに限定するものではない。
【0017】
触媒温度センサ6は、触媒4の上流側に配置されている。触媒温度センサ6は、触媒4の温度である触媒温度を順次検出する。触媒温度センサ6は、例えば熱電対又はサーミスタである。触媒温度センサ6が触媒温度を検出する間隔は適宜設定すればよい。触媒温度センサ6が触媒温度を検出する間隔の具体的な値は例えば100ミリ秒である。
【0018】
周辺温度センサ7は、車両の周辺温度(外気温)を検出する。周辺温度センサ7は、例えばエンジンの吸気口に設けられている吸気温度センサである。吸気温度センサは、例えば熱電対又はサーミスタである。周辺温度センサ7は、これに限らず車両の周辺温度を検出できるものであればよい。
【0019】
プッシュスイッチ8は、プッシュスイッチ8のスイッチが押されていないときに信号を出力し、スイッチが押されているときに信号を出力しなくなるセンサである。プッシュスイッチ8は、車両の輪留めを格納する格納部に設置されている。プッシュスイッチ8は、車両の格納部に輪留めが格納されているか、格納部から輪留めが取り出されたかを検出する。
【0020】
図2は、輪留め9が格納部10に格納されている状態を示す模式図である。
図2に示すように輪留め9が車両Vの格納部10に格納されている場合、プッシュスイッチ8は、スイッチが押された状態になる。プッシュスイッチ8は、スイッチが押された状態になると、輪留め9が格納部10に格納されていることを検出する。そして、プッシュスイッチ8は、輪留め9が格納部10に格納されていることを検出した場合、信号を出力しない。
【0021】
図3は、輪留め9が格納部10から取り出されている状態を示す模式図である。
図3に示す輪留め9は、格納部10から取り出されて、車両Vの左前車輪に対して使用されている。
図3に示すように輪留め9が格納部10から取り出された場合、プッシュスイッチ8は、スイッチが押されていない状態になる。プッシュスイッチ8は、スイッチが押されていない状態になると、輪留め9が格納部10から取り出されたことを検出する。そして、プッシュスイッチ8は、輪留め9が格納部10から取り出されたことを検出すると、信号を出力する。
【0022】
ヒータ制御装置1は、触媒4を加熱するヒータ5を制御する。ヒータ制御装置1は、記憶部11と、制御部12とを備える。記憶部11は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等を含む記憶媒体である。記憶部11は、制御部12が実行するプログラムを記憶する。
【0023】
制御部12は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含む計算リソースである。制御部12は、記憶部11に記憶されたプログラムを実行することにより、温度取得部121、加熱制御部122、使用時間特定部123及び所定時間設定部124としての機能を実現する。
【0024】
温度取得部121は、触媒4の温度である触媒温度を取得する。温度取得部121は、触媒温度センサ6が触媒温度を検出する毎に、触媒温度センサ6から触媒温度を取得する。また、温度取得部121は、周辺温度を取得する。具体的には、温度取得部121は、周辺温度センサ7が周辺温度を検出する毎に、周辺温度センサ7から周辺温度を取得する。
【0025】
加熱制御部122は、輪留め9が格納部10から取り出された後、輪留め9が格納部10に格納されたら、ヒータ5を作動させる。以下、加熱制御部122がヒータ5を作動させる処理を具体的に説明する。
【0026】
加熱制御部122は、エンジン2が停止したら、輪留め9が格納部10から取り出されたか否かを判定する。より具体的には、加熱制御部122は、輪留め9が格納部10から取り出されたことをプッシュスイッチ8が検出したか否かを判定する。
【0027】
加熱制御部122は、輪留め9が格納部10から取り出されたと判定したら、輪留め9が格納部10に格納されたか否かを判定する。具体的には、加熱制御部122は、輪留め9が格納部10に格納されたことをプッシュスイッチ8が検出したか否かを判定する。そして、加熱制御部122は、輪留め9が格納部10に格納されたと判定したら、ヒータ5を作動させる。
【0028】
車両Vを運転するドライバは、輪留め9を格納部10に格納してから車両Vのドアを開けて車両Vに乗り込むまでに、車両Vの点検を行う。そのため、輪留め9が格納部10に格納されてから車両Vのドアが開くまでには、運転者が車両Vを点検するための時間がかかる。したがって、加熱制御部122は、輪留め9が格納部10に格納されたタイミングでヒータ5を作動させることにより、ドアが開いたタイミングでヒータ5を作動させる場合よりも長い時間、触媒4を加熱し続けることができる。その結果、エンジン2が始動される前に長い時間加熱されることにより触媒4が十分に昇温するから、加熱制御部122は、排気ガスを浄化する触媒4が適切に昇温されないことを抑制できる。
【0029】
加熱制御部122は、取り出された輪留め9が格納部10に格納された際に、触媒温度が所定値未満であるという条件を満たしている場合にヒータ5を作動させてもよい。この場合、加熱制御部122は、輪留め9が格納部10に格納されたことをプッシュスイッチ8が検出した際に取得された触媒温度が触媒温度よりも低い所定値未満か否かを判定する。所定値は、例えば触媒4が浄化性能の8割以上の性能を発揮できる温度である。所定値の具体的な値は、活性化温度が200℃である場合、150℃である。加熱制御部122は、触媒温度が所定値未満であると判定した場合、ヒータ5を作動させる。加熱制御部122は、触媒温度が所定値以上であると判定した場合、ヒータ5を作動させない。
【0030】
このようにすることで、加熱制御部122は、触媒温度が高い場合にはヒータ5を作動させず、触媒温度が低い場合にのみヒータ5を作動させられる。そのため、加熱制御部122は、触媒温度が高い場合にヒータ5を作動させることを抑制できるから、不必要な電力消費を抑制できる。
【0031】
輪留め9の使用時間が長ければ、触媒温度が低下していると考えられる。そこで、加熱制御部122は、取り出された輪留め9が格納部10に格納された際に、輪留め9の使用時間が判定時間以上であるという条件を満たしている場合に、ヒータ5を作動させる。この場合、使用時間特定部123は、輪留め9が使用された使用時間を特定する。
図4は、プッシュスイッチ8の動作シーケンス図である。
図4の横軸は時刻tを示す。
【0032】
使用時間特定部123は、輪留め9が格納部10から取り出された取出時点を特定する。具体的には、使用時間特定部123は、輪留め9が格納部10から取り出されたことをプッシュスイッチ8が検出した時点t0を取出時点として特定する。続いて、使用時間特定部123は、輪留め9が格納部10に格納された格納時点を特定する。具体的には、使用時間特定部123は、輪留め9が格納部10に格納されたことをプッシュスイッチ8が検出した時点t1を格納時点として特定する。そして、使用時間特定部123は、取出時点から格納時点までの使用時間Dを特定する。
【0033】
所定時間設定部124は、使用時間の長さに基づいて触媒温度が低下したか否かを判定するための判定時間を設定する。例えば、触媒温度は周辺温度が高いほど低下しないから、所定時間設定部124は、周辺温度が高いほど所定時間を長く設定する。所定時間の具体的な値は、例えば5分である。
【0034】
加熱制御部122は、使用時間特定部123が使用時間Dを特定した後、使用時間Dが所定時間以上か否かを判定する。加熱制御部122は、特定された使用時間Dが所定時間以上であると判定した場合に、ヒータ5を作動させる。加熱制御部122は、使用時間Dが所定時間未満であると判定した場合には、ヒータ5を作動させない。このようにすることで、加熱制御部122は、輪留め9の使用時間Dが長く、触媒温度が低下した場合に、ヒータ5を作動させられる。また、加熱制御部122は、輪留め9の使用時間Dが短く触媒温度が高い場合にはヒータ5を作動させないから、不必要な電力消費を抑制できる。
【0035】
[ヒータ制御装置1が実行する処理の流れ]
図5は、ヒータ制御装置1が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5のフローチャートは、エンジン2が停止したら実行される。
【0036】
まず、加熱制御部122は、輪留め9が格納部10から取り出されたか否かを判定する(ステップS1)。具体的には、加熱制御部122は、輪留め9が格納部10から取り出されたことをプッシュスイッチ8が検出したか否かを判定する。
【0037】
加熱制御部122は、輪留め9が格納部10から取り出されていない場合(ステップS1でNo)、エンジン2が始動したか否かを判定する(ステップS2)。加熱制御部122は、エンジン2が始動していない場合(ステップS2でNo)、ステップS1に戻る。加熱制御部122は、エンジン2が始動した場合(ステップS2でYes)、処理を終了する。このように、加熱制御部122は、エンジン2が停止しても輪留め9が格納部10から取り出されなければ処理を終了する。そのため、加熱制御部122は、アイドリングストップなどでエンジン2が停止した際にヒータ5を作動させてしまうことを抑制できる。
【0038】
加熱制御部122は、輪留め9が格納部10から取り出された場合(ステップS1でYes)、輪留め9が格納部10に格納されたか否かを判定する(ステップS3)。具体的には、加熱制御部122は、輪留め9が格納部10に格納されたことをプッシュスイッチ8が検出したか否かを判定する。加熱制御部122は、輪留め9が格納部10に格納されていない場合(ステップS3でNo)、輪留め9が格納部10に格納されるまで待機する。
【0039】
温度取得部121は、輪留め9が格納部10に格納された場合(ステップS3でYes)、触媒温度を取得する(ステップS4)。具体的には、温度取得部121は、輪留め9が格納部10に格納されたことをプッシュスイッチ8が検出したときの触媒温度を取得する。
【0040】
加熱制御部122は、触媒温度が所定値未満か否かを判定する(ステップS5)。加熱制御部122は、触媒温度が所定値以上である場合(ステップS5でNo)、ヒータ5を作動させずに処理を終了する。加熱制御部122は、触媒温度が所定値未満である場合(ステップS5でYes)、ヒータ5を作動させる(ステップS6)。
【0041】
(変形例)
上記の実施の形態では、ヒータ5は触媒4を直接加熱した。これに限らず、触媒加熱システムSは、ヒータで加熱した空気(熱風)を、電動スーパーチャージャーを用いて排気通路3に流入させることにより、触媒4を加熱してもよい。
【0042】
[ヒータ制御装置1の効果]
以上説明したとおり、ヒータ制御装置1は、輪留め9が格納部10から取り出された後、輪留め9が格納部10に格納されたら、ヒータ5を作動させる。輪留め9が格納部10に格納されてから車両Vのドアが開くまでには運転者が車両Vを点検するための時間がかかる。そのため、ヒータ制御装置1は、輪留め9が格納部10に格納されたタイミングでヒータ5を作動させることにより、車両Vのドアが開いたタイミングでヒータ5を作動させる場合よりも長い時間、触媒4を加熱し続けることができる。その結果、触媒4が長い時間加熱されることにより活性化温度まで昇温するから、ヒータ制御装置1は、排気ガスを浄化する触媒4が適切に昇温されないことを抑制できる。
【0043】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0044】
S 触媒加熱システム
1 ヒータ制御装置
11 記憶部
12 制御部
121 温度取得部
122 加熱制御部
123 使用時間特定部
124 所定時間設定部
2 エンジン
3 排気通路
4 触媒
5 ヒータ
6 触媒温度センサ
7 周辺温度センサ
8 プッシュスイッチ
9 輪留め
10 格納部
V 車両