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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022135331
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】手乾燥装置
(51)【国際特許分類】
   A47K 10/48 20060101AFI20220908BHJP
   A47K 1/00 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
A47K10/48 A
A47K1/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021035072
(22)【出願日】2021-03-05
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100157901
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(74)【代理人】
【識別番号】100197538
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 功
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】古澤 雄大
(72)【発明者】
【氏名】大田 浩平
(57)【要約】
【課題】コンパクトで見栄えがよく、使い勝手のよい手乾燥装置を提供する。
【解決手段】ボウル部に向けて幅広形状の風を吹き出す吐風口を有する乾燥スパウトと、前記乾燥スパウトに向けて風を供給する送風機を有する乾燥機能部と、前記乾燥機能部と前記乾燥スパウトとを接続する送風管路と、を備え、前記乾燥スパウトは、前記ボウル部の上方に位置する壁部に取り付けられ、前記乾燥スパウトの前端は、前記ボウル部の前後方向における中央よりも後方に位置することを特徴とする手乾燥装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボウル部に向けて幅広形状の風を吹き出す吐風口を有する乾燥スパウトと、
前記乾燥スパウトに向けて風を供給する送風機を有する乾燥機能部と、
前記乾燥機能部と前記乾燥スパウトとを接続する送風管路と、
を備え、
前記乾燥スパウトは、前記ボウル部の上方に位置する壁部に取り付けられ、
前記乾燥スパウトの前端は、前記ボウル部の前後方向における中央よりも後方に位置することを特徴とする手乾燥装置。
【請求項2】
前記乾燥スパウトは、
前後方向に延び前記送風管路が接続される接続部と、
前記接続部と前記吐風口との間に設けられ、前記接続部から供給された風を拡散させる拡散室と、
を有し、
前記拡散室は、前記接続部よりも左右方向の寸法が大きく形成され、前記接続部の前方に障壁部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の手乾燥装置。
【請求項3】
前記拡散室は、前記障壁部の左側に設けられ前記吐風口に連通する第1送風通路と、前記障壁部の右側に設けられ前記吐風口に連通する第2送風通路と、を有することを特徴とする請求項2に記載の手乾燥装置。
【請求項4】
前記拡散室は、前記障壁部の上下方向の一方側に前記吐風口に連通する第3送風通路を有することを特徴とする請求項3に記載の手乾燥装置。
【請求項5】
前記障壁部の位置における前記第1送風通路と前記第2送風通路との合計断面積は、前記障壁部の位置における前記第3送風通路の合計断面積よりも大きくなっていることを特徴とする請求項4に記載の手乾燥装置。
【請求項6】
人体を検知する人体検知センサをさらに備え、
前記拡散室の底板は、前記拡散室の内部に向けて上方に窪む凹部を有し、
前記障壁部は、前記凹部の後面部となっており、
前記人体検知センサは、前記凹部に収納されていることを特徴とする請求項2~5のいずれか1項に記載の手乾燥装置。
【請求項7】
前記障壁部は、前記拡散室の前後方向の中央よりも後方に位置することを特徴とする請求項2~6のいずれか1項に記載の手乾燥装置。
【請求項8】
前記乾燥機能部は、前記乾燥スパウトに向けて供給する風の温度を上げるヒータを有することを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の手乾燥装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に手乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
風を吹き出すことで、濡れた手を乾燥させる手乾燥装置が知られている。例えば、ボウル部に向けて水を吐出する水吐出口、石鹸を吐出する石鹸吐出口に加えて、ボウル部に向けて風を吹き出す風吹出口が洗面器に設けられた洗面一体型手乾燥装置がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-304926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された洗面一体型手乾燥装置は、手洗いスペースの奥上部に機能部ユニットが設けられている。風吹出口は、機能部ユニットの前面に設けられているので、機能部ユニットの前面をボウル部に向けて傾斜させなければならず、洗面器を使用する使用者に圧迫感を与えてしまうおそれがある。また、特許文献1に記載された洗面一体型手乾燥装置は、風吹出口が、水吐出口や石鹸吐出口の設けられた機能部ユニットと同じ機能部ユニットに設けられている。そのため、このようなユニットを洗面器に設けた場合には、吐風口と機能部ユニットとが1つのユニットとなっているので大きく、手洗いスペース上での存在感が大きくなり、使用者に圧迫感を与えてしまうおそれがある。また、風吹出口に手を近づけると、手洗いスペースの後面に手が触れてしまい使用者に不快感を与えるおそれがある。
【0005】
本発明の態様は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、コンパクトで見栄えがよく、使い勝手のよい手乾燥装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、ボウル部に向けて幅広形状の風を吹き出す吐風口を有する乾燥スパウトと、前記乾燥スパウトに向けて風を供給する送風機を有する乾燥機能部と、前記乾燥機能部と前記乾燥スパウトとを接続する送風管路と、を備え、前記乾燥スパウトは、前記ボウル部の上方に位置する壁部に取り付けられ、前記乾燥スパウトの前端は、前記ボウル部の前後方向における中央よりも後方に位置することを特徴とする手乾燥装置である。
【0007】
この手乾燥装置によれば、壁部からの突出寸法を抑えたコンパクトな乾燥スパウトとすることができる。その結果、使用者にすっきりとした印象を与えることができ、見栄えのよい手乾燥装置とすることができる。また、乾燥スパウトは、幅広形状の風を吹き出すことにより、手を効率よく乾燥させることができる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記乾燥スパウトは、前後方向に延び前記送風管路が接続される接続部と、前記接続部と前記吐風口との間に設けられ、前記接続部から供給された風を拡散させる拡散室と、を有し、前記拡散室は、前記接続部よりも左右方向の寸法が大きく形成され、前記接続部の前方に障壁部が設けられていることを特徴とする手乾燥装置である。
【0009】
この手乾燥装置によれば、送風管路から拡散室に供給される風(空気)を障壁部に衝突させて、拡散室内に風を効果的に拡散させることができる。その結果、乾燥スパウトは、吐風口から幅広形状の風を吹き出す際に、幅広形状の風量が幅方向(左右方向)の中央側と側方側とでばらつくことを抑制することができる。従って、障壁部がない場合と比して、幅広形状の風の幅方向における風量を均一に近づけることができる。
【0010】
第3の発明は、第2の発明において、前記拡散室は、前記障壁部の左側に設けられ前記吐風口に連通する第1送風通路と、前記障壁部の右側に設けられ前記吐風口に連通する第2送風通路と、を有することを特徴とする手乾燥装置である。
【0011】
この手乾燥装置によれば、送風管路から拡散室に供給される風は、障壁部に衝突して拡散した後、障壁部の左右側に位置する第1送風通路および第2送風通路から吐風口に向かう。従って、より効果的に吐風口から吹き出す幅広形状の風を均一な風量に近づけることができる。
【0012】
第4の発明は、第3の発明において、前記拡散室は、前記障壁部の上下方向の一方側に前記吐風口に連通する第3送風通路を有することを特徴とする手乾燥装置である。
【0013】
この手乾燥装置によれば、障壁部の左右方向から吐風口に向けて風を流通させる第1送風通路と第2送風通路とに加えて、第3送風通路により、障壁部の上方から吐風口に向けて風を流通させることができる。従って、より効果的に吐風口から吹き出す幅広形状の風を均一な風量に近づけることができる。
【0014】
第5の発明は、第4の発明において、前記障壁部の位置における前記第1送風通路と前記第2送風通路との合計断面積は、前記障壁部の位置における前記第3送風通路の合計断面積よりも大きくなっていることを特徴とする手乾燥装置である。
【0015】
この手乾燥装置によれば、拡散室の左右両側にも効率よく風を行き渡らせることができるので、より効果的に吐風口から吹き出す幅広形状の風を均一な風量に近づけることができる。
【0016】
第6の発明は、第2~第5のいずれか1つの発明において、人体を検知する人体検知センサをさらに備え、前記拡散室の底板は、前記拡散室の内部に向けて上方に窪む凹部を有し、前記障壁部は、前記凹部の後面部となっており、前記人体検知センサは、前記凹部に収納されていることを特徴とする手乾燥装置である。
【0017】
この手乾燥装置によれば、乾燥スパウト内のスペースを有効に活用することができるとともに、乾燥スパウトをコンパクトにすることができる。
【0018】
第7の発明は、第2~第6のいずれか1つの発明において、前記障壁部は、前記拡散室の前後方向の中央よりも後方に位置することを特徴とする手乾燥装置である。
【0019】
この手乾燥装置によれば、接続部から供給された風は、障壁部に早期に衝突することにより拡散室内に拡散される。その結果、拡散室に風(気体)を満遍なく充満させることができるので、吐風口から吹き出される風を均一な風量に近づけることができる。
【0020】
第8の発明は、第1~第7のいずれか1つの発明において、前記乾燥機能部は、前記乾燥スパウトに向けて供給する風の温度を上げるヒータを有することを特徴とする手乾燥装置である。
【0021】
この手乾燥装置によれば、乾燥スパウトの吐風口から吹き出す風の温度を上げることができるので、手を効率よく乾燥させることができる。また、乾燥スパウトにヒータを設ける必要がないので、乾燥スパウトをコンパクトにすることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の態様によれば、コンパクトで見栄えがよく、使い勝手のよい手乾燥装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態に係る手乾燥装置を備えた洗面ユニットを示す斜視図である。
図2】洗面台の前扉を開放させて洗面ユニットを正面からみた正面図である。
図3】手乾燥装置の電気系と風の流路系とを示すブロック図である。
図4図1中のボウル部、吐水スパウト、水石鹸スパウト、乾燥スパウトを上方からみた平面図である。
図5】乾燥スパウトを斜め下方からみた斜視図である。
図6】乾燥スパウトを上方からみた平面図である。
図7】乾燥スパウトを正面からみた正面図である。
図8】乾燥スパウトを下方からみた底面図である。
図9図4中の乾燥スパウトを矢示A-A方向からみた断面図である。
図10】乾燥スパウトを図9中の矢示B-B方向からみた断面図である。
図11】乾燥スパウトのノズルからカバー、シール部材、ノズルカバーを取り外した状態を示す分解斜視図である。
図12】乾燥スパウトのノズルからカバーとスペーサとを取り外した状態を示す分解斜視図である。
図13】乾燥スパウトを組み付けた状態を示す斜視図である。
図14図14(a)は、本発明の第1変形例に係る乾燥スパウトのノズルに設けられた障壁部を示す図9と同様の断面図である。図14(b)は、ノズルに設けられた障壁部を示す斜視図である。
図15図15(a)は、本発明の第2変形例に係る乾燥スパウトのノズルに設けられた障壁部を示す図9と同様の断面図である。図15(b)は、ノズルに設けられた障壁部を示す斜視図である。
図16】本発明の第3変形例に係る乾燥スパウトの障壁部を示す図9と同様の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0025】
図1は、本発明の実施形態に係る手乾燥装置を備えた洗面ユニットを示す斜視図である。
図2は、洗面台の前扉を開放させて洗面ユニットを正面からみた正面図である。
図1に示すように、洗面ユニット200は、手乾燥装置100と、吐水装置130と、水石鹸吐出装置150と、を有する。手乾燥装置100、吐水装置130、および水石鹸吐出装置150は、例えば洗面台160に設置されている。
【0026】
手乾燥装置100は、乾燥機能部10と、送風管路20と、乾燥スパウト30と、を有する。吐水装置130は、吐水スパウト132と、水機能部134と、を有する。水石鹸吐出装置150は、水石鹸スパウト152と、水石鹸機能部154と、を有する。
【0027】
乾燥スパウト30、吐水スパウト132、水石鹸スパウト152は、取付構造体90に取り付けられている。この例では、取付構造体90は、洗面器165である。洗面器165は、例えば陶器製の壁掛け式であり、壁W1に取り付けられている。あるいは、洗面器165は、洗面台160のカウンタ162上に設けられたものでもよい。
【0028】
洗面器165は、ボウル部166(洗面ボウル)と、壁部168と、を有する。ボウル部166は、前端166aと後端166bとの間で、下方に湾曲した凹状のボウル面166cを有する。ボウル面166cは、吐水スパウト132から吐出される水を受ける。ボウル面166cの底部には、排水孔166dが設けられており、ボウル面166c上に吐出された水は、排水孔166dを通って排水される。
【0029】
本実施形態では、壁部168は、ボウル部166の後端166bから上方に延びている。壁部168は、ボウル部166の方向に面した壁面168a(表面)を有する。なお、壁部168とボウル部166の後端166bとの間にカウンタ162の一部が設けられていてもよい。
【0030】
乾燥スパウト30、吐水スパウト132、および水石鹸スパウト152は、それぞれボウル部166の上方に位置する壁部168に取り付けられている。乾燥スパウト30、吐水スパウト132、および水石鹸スパウト152は、ボウル面166cの上方に位置して、左右方向において互いに離れて並んでいる。
【0031】
各スパウト(乾燥スパウト30、吐水スパウト132、水石鹸スパウト152)は、筒状体または箱状体の外観を呈し、液体または気体を吐出する吐出口と、供給された液体または気体を吐出口へ導く内部流路と、が設けられたものである。各スパウト30、132、152は、壁面168aから前方に向けて延びている。
【0032】
なお、本実施形態の説明においては、壁部168に取り付けられた乾燥スパウト30が壁面168aから突出する方向を「前方」とする。言い換えれば、「前方」は、乾燥スパウト30が取り付けられる壁面が向く方向である。「後方」、「左側方」、および「右側方」は、「前方」を向いた使用者から見た方向である。また、「上方」「下方」は、乾燥スパウト30の前に立った使用者から見た方向である。
【0033】
なお、本実施形態に係る手乾燥装置100の乾燥スパウト30が取り付けられる取付構造体90は、必ずしも洗面器165でなくてもよい。取付構造体90は、例えば適宜設けられたパネルやキャビネットでもよい。すなわち、乾燥スパウト30が取り付けられる部分は、ボウル部166の上方に位置するパネルやキャビネットの壁部でもよい。なお、本実施形態では、洗面ユニット200において、壁W1の前方側、かつ、カウンタ162の上方側のスペースが、手洗いスペースである。
【0034】
また、乾燥スパウト30が取り付けられる壁部は、例えば壁面が鉛直方向に延びる。ただし、この壁面は、鉛直方向に延びる面に限らず、傾斜していてもよい。例えば、壁面の延びる方向と、鉛直方向と、の間のなす角は、±50°以下である。換言すると、壁面は、鉛直方向に対して±50°の範囲で傾いていてもよい。
【0035】
乾燥機能部10、水機能部134、および水石鹸機能部154は、それぞれ洗面器165のボウル部166よりも下方に配置されている。すなわち、乾燥機能部10、水機能部134、および水石鹸機能部154は、洗面台160の内部に収納されている。乾燥機能部10、水機能部134、および水石鹸機能部154は、洗面台160の前扉164を開けてメンテナンスなどを行うことができる。なお、乾燥機能部10、水機能部134、および水石鹸機能部154は、例えば壁W1の裏側に配置されていてもよい。
【0036】
水機能部134は、例えば電気温水器であり、給水管路136により吐水スパウト132に接続されている。水石鹸機能部154は、例えば石鹸水タンクやポンプを有し、エア供給管路156および水石鹸供給管路158により水石鹸スパウト152に接続されている。
【0037】
図3は、手乾燥装置の電気系と風の流路系とを示すブロック図である。
図3に示すように、手乾燥装置100は、乾燥機能部10と、送風管路20と、乾燥スパウト30と、を有する。
【0038】
乾燥機能部10は、送風管路20を介して乾燥スパウト30に接続されている。乾燥機能部10は、送風機12、ヒータ14、および制御部16を有している。送風機12は、乾燥スパウト30に設けられた人体検知センサ60の検知により作動する。送風機12は、例えばファンモータを有しており、ファンモータの作動により外部から空気を取り込んで、送風管路20に風を供給する。送風機12は、制御部16に接続されており、制御部16により作動が制御されている。
【0039】
ヒータ14は、乾燥スパウト30に向けて供給する風(気体)の温度を上げる。すなわち、ヒータ14は、送風機12から供給された風(気体)を昇温させる。ヒータ14は、乾燥スパウト30に設けられた人体検知センサ60の検知により作動する。ヒータ14は、必要に応じて設けられ、省略可能である。手乾燥装置100は、送風機12から供給される非加熱の風を乾燥スパウト30から吹き出してもよい。ヒータ14には、例えばフィンヒータが用いられる。ヒータ14は、送風機12から乾燥スパウト30に向かう気体を加熱可能な任意のヒータなどでよい。ヒータ14は、制御部16に接続され、制御部16により作動が制御される。
【0040】
制御部16は、手乾燥装置100の作動を制御する。制御部16は、信号線18により、乾燥スパウト30に設けられた人体検知センサ60に接続され、人体検知センサ60からの検知信号を受信している。制御部16は、人体検知センサ60の検知に基づき、送風機12およびヒータ14を作動させる。
【0041】
送風管路20は、乾燥機能部10と、乾燥スパウト30とを接続する。送風管路20は、例えば樹脂製の可撓性管路となっている。図1図2に示すように、送風管路20は、ボウル部166の下方で上下方向に延びている。換言すると、送風管路20は、洗面台160の内部で上下方向に延びている。送風管路20は、下端側が乾燥機能部10に接続され、上端側が壁W1と壁部168との間を挿通して乾燥スパウト30に接続されている(図9参照)。
【0042】
図4は、図1中のボウル部、吐水スパウト、水石鹸スパウト、乾燥スパウトを上方からみた平面図である。
図5は、乾燥スパウトを斜め下方からみた斜視図である。
図6は、乾燥スパウトを上方からみた平面図である。
図7は、乾燥スパウトを正面からみた正面図である。
図8は、乾燥スパウトを下方からみた底面図である。
図9は、図4中の乾燥スパウトを矢示A-A方向からみた断面図である。
図10は、乾燥スパウトを図9中の矢示B-B方向からみた断面図である。
図11は、乾燥スパウトのノズルからカバー、シール部材、ノズルカバーを取り外した状態を示す分解斜視図である。
図12は、乾燥スパウトのノズルからカバーとスペーサとを取り外した状態を示す分解斜視図である。
図13は、乾燥スパウトを組み付けた状態を示す斜視図である。
図5図8図11では、壁部168を省略して表している。
【0043】
乾燥スパウト30は、ボウル部166に向けて左右方向に幅広形状の風を吹き出す吐風口52を有している。幅広形状の風は、乾燥スパウト30の下方に挿入された手を乾燥させるものに対応するものである。幅広形状の風を吹き出す吐風口52については、後で説明する。
【0044】
乾燥スパウト30は、ボウル部166の上方に位置する壁部168に取り付けられている。具体的には、乾燥スパウト30は、壁部168に挿通された台座70および台座70に取り付けられたナット72を介して壁部168に取り付けられている。
【0045】
乾燥スパウト30は、外郭を形成するカバー32を有している。カバー32は、ボウル部166の壁部168から前方に向けて突出している。すなわち、カバー32は、前後方向の長さが寸法L1となっている。図4に示すように、乾燥スパウト30は、カバー32の前端32aがボウル部166の前後方向における中央よりも後方に位置している。すなわち、ボウル部166の後端166bからカバー32の前端32aまでの寸法L1は、ボウル部166の後端166bから前端166aまでの寸法L2の半分よりも短くなっている(L1<L2/2)。これにより、乾燥スパウト30が壁部168から突出していても、使用者に圧迫感を与えるのを低減できる。
【0046】
また、本実施形態では、乾燥スパウト30の前端32aは、吐水スパウト132の前端および水石鹸スパウト152の前端と同じ位置となっている。これにより、洗面ユニット200は、乾燥スパウト30、吐水スパウト132、および水石鹸スパウト152が左右方向で一直線に並ぶので、見栄えを向上できる。
【0047】
また、乾燥スパウト30の前端32a、吐水スパウト132の前端、および水石鹸スパウト152の前端は、ボウル部166の前後方向の中央よりも後方(壁部168側)に位置している。これにより、例えば手を振り払って水をボウル部166に落とすときに、乾燥スパウト30、吐水スパウト132、および水石鹸スパウト152に手が接触してしまうのを抑制できる。従って、コンパクトですっきりとした印象を使用者に与えることができるとともに、使い勝手のよい手乾燥装置100とすることができる。
【0048】
カバー32は、上面部33と、上面部33の前端から下方に向けて延びる前面部34と、上面部33の左端から下方に向けて延びる左側面部35と、上面部33の右端から下方に向けて延びる右側面部36と、前面部34の下端から後方に向けて延びる下面部37と、前面部34と前後方向で対向する後方に設けられた開口部38と、を有する箱体となっている。
【0049】
図2に示すように、カバー32は、上面部33の高さが吐水スパウト132と水石鹸スパウト152との高さとほぼ同じ位置となっている。これにより、洗面ユニット200は、すっきりとした印象を与えることができるので、見栄えを向上できる。
【0050】
左側面部35および右側面部36は、凸状に湾曲した湾曲面となっている。下面部37は、第1延出部37a、第1傾斜部37b、第2延出部37c、第2傾斜部37d、および第3傾斜部37eを有している。
【0051】
第1延出部37aは、前面部34の下端から後方に向けて延びている。第1傾斜部37bは、第1延出部37aの後端から下斜め後方に向けて傾斜している。第2延出部37cは、第1傾斜部37bの後端から後方に向けて延びている。
【0052】
第2傾斜部37dは、第1傾斜部37bの後方に位置して左側面部35の下端から第2延出部37cに向けて傾斜している。第2傾斜部37dは、左側面部35の下端から下斜め右方に向けて傾斜している。第3傾斜部37eは、第1傾斜部37bの後方に位置して右側面部36の下端から第2延出部37cに向けて傾斜している。第3傾斜部37eは、右側面部36の下端から下斜め左方に向けて傾斜している。すなわち、第2傾斜部37dと第3傾斜部37eとは、上端から下端に向けて左右方向で互いに近づくように傾斜している。貫通孔37fは、第1延出部37aと第1傾斜部37bとにわたって形成されている。貫通孔37fは、カバー32の内部と外部とを貫通している。
【0053】
図7に示すように、カバー32は、上面部33から第2延出部37cまでの上下方向の寸法L3よりも、左側面部35から右側面部36までの左右方向の寸法L4の方が長い(L3<L4)箱型扁平形状となっている。これにより、乾燥スパウト30は、厚み(上下方向の寸法)が薄くコンパクトな印象を与えることができるので、見栄えを向上できる。
【0054】
図8図9図12に示すように、第2延出部37cには、上下方向に貫通するめねじ部37c1が形成されている。このめねじ部37c1には、乾燥スパウト30をナット72および台座70に固定するための止めねじ74が螺合する。
【0055】
図12に示すように、第2傾斜部37dは、内面側に前後方向に延びるめねじ部37d1が設けられている。一方、第3傾斜部37eは、内面側に前後方向に延びるめねじ部37e1が設けられている。めねじ部37d1とめねじ部37e1とは、左右方向で対称位置に設けられている。めねじ部37d1とめねじ部37e1には、後述のスペーサ66を固定するためのねじ68がそれぞれ螺合する。
【0056】
乾燥スパウト30は、カバー32と、カバー32の内部に設けられるノズル40と、乾燥スパウト30の下方に挿入された手を検知する人体検知センサ60と、カバー32の開口部38を閉塞するスペーサ66と、を有している。
【0057】
ノズル40は、カバー32の内部に収納される。ノズル40は、接続部42と、本体部44と、を有している。接続部42は、ノズル40の後方側で左右方向の中央に位置している。換言すると、接続部42は、ノズル40のうち、ノズル40を流れる風の上流側に設けられている。
【0058】
接続部42は、前後方向に延びる円筒状に形成されている。接続部42は、外径が送風管路20の内径に対応している。接続部42は、カバー32の内部で送風管路20に接続される。図9図11に示すように、送風管路20は、接続部42に嵌め込まれて、クランプ43により固定される。接続部42の内部は、送風管路20から供給された風を拡散室45に向けて流通させる。
【0059】
本体部44は、接続部42の前方に位置している。本体部44は、上方が開口したボックス状に形成されている。そして、本体部44は、拡散室45と、障壁部47と、吐風口52と、溝部55と、を有している。
【0060】
拡散室45は、接続部42に連通している。拡散室45は、左右方向の寸法が接続部42の内径よりも大きくなっている。これにより、接続部42から拡散室45に供給された風は、拡散室45で拡散される。すなわち、拡散室45は、接続部42と吐風口52との間に設けられ、接続部42から供給された風を拡散させる。
【0061】
本体部44の底板44aは、カバー32の第1傾斜部37bに対応して、接続部42から斜め上方に向けて延びている。すなわち、底板44aは、拡散室45の底板となっている。底板44aには、拡散室45の内部に向けて上方に窪む凹部46が形成されている。
【0062】
図9図11に示すように、凹部46は、拡散室45の前後方向および左右方向の中央部に形成されている。換言すると、拡散室45は、底板44aの前後方向および左右方向の中央部が上方に向けて突出している。凹部46には、後述の人体検知センサ60が収納されている。
【0063】
凹部46は、前面部46a、後面部(障壁部47)、左側面部46b、右側面部46c、および上面部46dを有している。前面部46aは、後述の吐風口52よりも後方に位置している。左側面部46bは、拡散室45の左壁部45aと対面している。右側面部46cは、拡散室45の右壁部45bと対面している。上面部46dは、ノズルカバー58と対面している。
【0064】
拡散室45は、接続部42の前方に障壁部47が設けられている。この障壁部47は、凹部46の後面部となっている。障壁部47は、凹部46のうち接続部42と前後方向で対面する面部となっている。障壁部47は、接続部42から拡散室45へ供給された風が衝突する位置に設けられている。
【0065】
図10図11に示すように、障壁部47は、後方に向けて突出する突出部47aを右端側に有している。すなわち、障壁部47は、左右方向で段付き状に形成されている。突出部47aは、凹部46に収納された人体検知センサ60から延びる信号線18を通すために形成されたものである。障壁部47は、突出部47aを有していなくてもよい。すなわち、障壁部47は、平坦面となっていてもよい。
【0066】
障壁部47は、拡散室45の前後方向の中央よりも後方(接続部42側)に位置している。すなわち、図9に示すように、接続部42から障壁部47までの前後方向の寸法L5は、接続部42から拡散室45の前端までの寸法L6の半分よりも短くなっている(L5<L6/2)。
【0067】
このように、障壁部47は、拡散室45内を流れる風の方向の上流側に設けられている。これにより、接続部42から供給された風は、障壁部47に早期に衝突することにより拡散室45内に効率よく拡散される。その結果、拡散室45に風(気体)を満遍なく充満させることができるので、吐風口52から吹き出される風を均一な風量に近づけることができる。
【0068】
また、図10に示すように、障壁部47は、左右方向の寸法L7が接続部42の内径L8よりも大きくなっている(L7>L8)。また、障壁部47の上端は、接続部42の内径の上端よりも上方に位置している。これにより、接続部42から拡散室45に供給された風の全てを障壁部47に衝突させることができる。その結果、拡散室45に風(気体)を効率よく充満させることができる。
【0069】
拡散室45は、障壁部47の左側に設けられ吐風口52に連通する第1送風通路48と、障壁部47の右側に設けられ吐風口52に連通する第2送風通路49と、を有している。第1送風通路48は、凹部46左側面部46bと拡散室45の左壁部45aとの間に位置して前後方向に延びている。一方、第2送風通路49は、凹部46右側面部46cと拡散室45の右壁部45bとの間に位置して前後方向に延びている。
【0070】
また、拡散室45は、障壁部47の上下方向の一方側に吐風口52に連通する第3送風通路50を有している。本実施形態では、第3送風通路50は、障壁部47の上方に設けられている。第3送風通路50は、凹部46の上面部46dとノズルカバー58との間に位置して前後方向に延びている。
【0071】
接続部42から拡散室45に供給された風は、障壁部47に衝突した後に、第1送風通路48、第2送風通路49、および第3送風通路50に流れる。すなわち、接続部42から拡散室45に供給された風は、左右両側および中央上側の3方向から前方(吐風口52)に向けて流れる。これにより、吐風口52から吹き出される風を均一な風量に近づけることができる。
【0072】
図10に示すように、障壁部47の位置における第1送風通路48と第2送風通路49との合計断面積(二点鎖線で囲んだ領域S1、S2の合計)は、障壁部47の位置における第3送風通路50の合計断面積(一点鎖線で囲んだ領域S3)よりも大きくなっている。これにより、接続部42から離れた位置にある左右の第1送風通路48と第2送風通路49とにも風を効率よく流すことができるので、吐風口52から吹き出される風をより均一な風量に近づけることができる。
【0073】
吐風口52は、本体部44の前端側に位置して、カバー32の第1延出部37aに対応する位置に設けられている。吐風口52は、拡散室45に連通している。図9に示すように、吐風口52は、拡散室45から下斜め前方に向けて傾斜している。これにより、図3図9に示すように、吐風口52は、下斜め前方に向けて風Fを吹き出させる。これにより、使用者は、手を奥側(壁部168側)まで挿入させることなく、ボウル部166の前後方向の中央位置で手を乾燥させることができる。
【0074】
図8図11に示すように、吐風口52は、左右方向に延びる横長形状となっている。吐風口52の左右方向の長さ寸法L9は、接続部42の内径L8よりも大きくなっている(L9>L8)。ここで、仮に拡散室45に障壁部47がなければ、接続部42から拡散室45に供給された風は、前方に向けて直進する風の風量が多くなるので、吐風口52の中央部から吹き出す風が左右両側よりも強くなってしまうおそれがある。
【0075】
このような場合に、拡散室45の前後方向の長さを大きくすることにより、吐風口52から吹き出す風を均一にさせることが考えられる。しかし、このような場合には、吐風口52から吹き出される風の勢いが弱くなってしまうおそれがある。また、乾燥スパウト30を壁部168(取付構造体90)から前方に向けて大きく突出させなければならないので、見栄えが悪くなるおそれがある。
【0076】
そこで、拡散室45には、障壁部47を設けている。これにより、拡散室45の前後方向の長さを小さくしても、障壁部47に風を接触させて拡散室45に風を効果的に拡散させることができる。その結果、吐風口52は、ボウル部166に向けて均一な風量に近い幅広形状の風を吹き出す。乾燥スパウト30は、幅広形状の風を吹き出すことで、例えば両手を効率よく乾燥させることができる。
【0077】
吐風口52は、複数枚の仕切板53により区画されている。これら仕切板53は、吐風口52を流れる風を整流させる。例えば、仕切板53が設けられていなければ、吐風口52の周囲で発生する乱流により、異音が発生するおそれがある。一方、仕切板53を多くすると、吐風口52から吹き出す風の勢いや風量が弱くなってしまうおそれがある。仕切板53の枚数は、異音の発生および風の勢いや風量などを考慮して、実験、シミュレーションにより設定されている。
【0078】
本体部44の上端には、拡散室45の周囲を囲むように溝部55が形成されている。この溝部55には、シール部材57が嵌め込まれる。シール部材57は、拡散室45から風(気体)が外部に流出するのを抑制する。そして、本体部44は、ノズルカバー58がねじ止めされることで上方が閉塞されている。
【0079】
人体検知センサ60は、乾燥スパウト30の下方に挿入された人体(手)を検知する。この人体検知センサ60は、ノズル40の凹部46に収納されている。人体検知センサ60には、例えば反射型の光センサが用いられる。人体検知センサ60は、これに限ることなく、使用者の手を検知可能な任意のセンサでよい。人体検知センサ60は、例えば測距センサ、焦電センサ、静電容量センサ、超音波センサ、およびマイクロ波センサなどでもよい。
【0080】
図3に示すように、人体検知センサ60の検知範囲Dは、例えば下斜め前方に向いている。人体検知センサ60は、検知範囲Dに人体(手)が挿入されたときに、その検知信号を制御部16に送信する。
【0081】
第1センサカバー62は、人体検知センサ60の下方に位置して、凹部46に係合している。第1センサカバー62は、例えば人体検知センサ60の電波を透過可能な材料により形成され、凹部46の下方を閉塞している。
【0082】
第2センサカバー64は、第1センサカバー62の下方に位置して、ノズル40にねじ止めされている。第2センサカバー64は、第1センサカバー62の下面を外部に露出させた状態で、第1傾斜部37bの貫通孔37fを閉塞している。第2センサカバー64の前方には、吐風口52が設けられている。なお、第1センサカバー62と第2センサカバー64とは、一体に設けられていてもよい。
【0083】
スペーサ66は、カバー32の開口部38を閉塞している。図12に示すように、スペーサ66は、外形がカバー32の開口部38に対応する形状となっており、中央部に送風管路20が挿通する挿通孔66aが形成されている。
【0084】
スペーサ66は、ねじ68をめねじ部37d1とめねじ部37e1とにそれぞれ螺合させることにより、カバー32に取り付けられている。これにより、スペーサ66は、ノズル40が開口部38から抜け落ちるのを抑制している。また、スペーサ66は、例えばカバー32に外力が加えられたときに、カバー32に接触することでカバー32の変形を抑制している。
【0085】
かくして、本実施形態による手乾燥装置100は、ボウル部166に向けて幅広形状の風を吹き出す吐風口52を有する乾燥スパウト30と、乾燥スパウト30に向けて風を供給する送風機12を有する乾燥機能部10と、乾燥機能部10と乾燥スパウト30とを接続する送風管路20と、を備え、乾燥スパウト30は、ボウル部166の上方に位置する壁部168(取付構造体90)に取り付けられ、乾燥スパウト30の前端32aは、ボウル部166の前後方向における中央よりも後方に位置する。
【0086】
これにより、壁部168からの突出寸法を抑えたコンパクトな乾燥スパウト30とすることができる。その結果、使用者にすっきりとした印象を与えることができ、見栄えのよい手乾燥装置100とすることができる。また、乾燥スパウト30は、幅広形状の風を吹き出すことにより、手を効率よく乾燥させることができる。
【0087】
また、乾燥スパウト30は、前後方向に延び送風管路20が接続される接続部42と、接続部42と吐風口52との間に設けられ、接続部42から供給された風を拡散させる拡散室45と、を有し、拡散室45は、接続部42よりも左右方向の寸法が大きく形成され、接続部42の前方に障壁部47が設けられている。
【0088】
ここで、仮に拡散室に障壁部を設けていない場合には、乾燥スパウトの壁部からの突出寸法が小さいと、送風管路から供給された風が吐風口まで直進することになる。そうすると、吐風口が左右方向に長い幅広形状となっていても、吐風口から吹き出される風の風量が左右方向でばらつくおそれがある。
【0089】
しかし、本実施形態による手乾燥装置100によれば、送風管路20から拡散室45に供給される風(空気)を障壁部47に衝突させて、拡散室45内に風を効果的に拡散させることができる。その結果、乾燥スパウト30は、吐風口52から幅広形状に吹き出させる風を均一な風量に近づかせることができる。
【0090】
また、拡散室45は、障壁部47の左側に設けられ吐風口52に連通する第1送風通路48と、障壁部47の右側に設けられ吐風口52に連通する第2送風通路49と、を有する。
【0091】
これにより、送風管路20から拡散室45に供給される風は、障壁部47に衝突して拡散した後、障壁部47の左右側に位置する第1送風通路48および第2送風通路49から吐風口に向かう。従って、より効果的に吐風口52から幅広形状に吹き出させる風を均一な風量に近づかせることができる。
【0092】
また、拡散室45は、障壁部47の上下方向の一方側に吐風口52に連通する第3送風通路50を有する。本実施形態では、拡散室45は、障壁部47の上方に第3送風通路50を有している。
【0093】
これにより、障壁部47の左右方向から吐風口52に向けて風を流通させる第1送風通路48と第2送風通路49とに加えて、第3送風通路50により、障壁部47の上方から吐風口52に向けて風を流通させることができる。従って、より効果的に吐風口52から幅広形状に吹き出させる風を均一な風量に近づかせることができる。
【0094】
また、障壁部47の位置における第1送風通路48と第2送風通路49との合計断面積(S1+S2)は、障壁部47の位置における第3送風通路50の合計断面積S3よりも大きくなっている。
【0095】
これにより、拡散室45の左右両側にも効率よく風を行き渡らせることができるので、より効果的に吐風口52から吹き出させる風を均一な風量に近づかせることができる。
【0096】
また、人体を検知する人体検知センサ60をさらに備え、拡散室45の底板44aは、拡散室45の内部に向けて上方に窪む凹部46を有し、障壁部47は、凹部46の後面部となっており、人体検知センサ60は、凹部46に収納されている。
【0097】
これにより、乾燥スパウト30内のスペースを有効に活用することができるとともに、乾燥スパウト30をコンパクトにすることができる。
【0098】
また、障壁部47は、拡散室45の前後方向の中央よりも後方に位置する。これにより、接続部42から供給された風は、障壁部47に早期に衝突することにより拡散室45内に拡散される。その結果、拡散室45に風(気体)を満遍なく充満させることができるので、吐風口52から吹き出される風を均一な風量に近づかせることができる。
【0099】
また、乾燥機能部10は、乾燥スパウト30に向けて供給する風の温度を上げるヒータ14を有する。これにより、乾燥スパウト30の吐風口52から吹き出す風の温度を上げることができるので、手を効率よく乾燥させることができる。また、乾燥スパウト30にヒータを設ける必要がないので、乾燥スパウト30をコンパクトにすることができる。
【0100】
図14(a)は、本発明の第1変形例に係る乾燥スパウトのノズルに設けられた障壁部を示す図9と同様の断面図である。図14(b)は、ノズルに設けられた障壁部を示す斜視図である。
上述した実施形態では、凹部46の後面部を障壁部47とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明の態様はこれに限らず、例えば図14に示す第1変形例のように、接続部42の前方で吐風口52の上方に障壁部80を設けていてもよい。接続部42から拡散室45に供給された風は、底板44aに沿って前方に向けて流れて障壁部80に衝突することで拡散される。これにより、吐風口52から吹き出される風を均一な風量に近づかせることができる。
【0101】
図15(a)は、本発明の第2変形例に係る乾燥スパウトのノズルに設けられた障壁部を示す図9と同様の断面図である。図15(b)は、ノズルに設けられた障壁部を示す斜視図である。
上述した実施形態では、凹部46の後面部を障壁部47とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明の態様はこれに限らず、例えば図15に示す第2変形例のように、拡散室45内に風を流通可能な多孔質材料82を設けてもよい。この場合、多孔質材料82の後面部が障壁部82aとなる。接続部42から拡散室45に供給された風は、多孔質材料82の後面部(障壁部82a)に衝突することで拡散され、多孔質材料82の内部を流通して吐風口52に向けて流れる。これにより、吐風口52から吹き出される風を均一な風量に近づかせることができる。
【0102】
図16は、本発明の第3変形例に係る乾燥スパウトの障壁部を示す図9と同様の断面図である。
上述した実施形態では、障壁部47の上方に吐風口52に連通する第3送風通路50を設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明の態様はこれに限らず、例えば図16に示す第3変形例のように、障壁部84の下方に第3送風通路86が設けられていてもよい。この場合、障壁部84は、ノズルカバー58から拡散室45の内部に向けて突出している。
【0103】
また、上述した実施形態では、凹部46に人体検知センサ60を収納した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明の態様はこれに限らず、例えば人体検知センサ60は、例えば吐風口52の前方や壁部168に設けられていてもよい。すなわち、人体検知センサは、乾燥スパウト30の下方に挿入された手を検知できれば任意の位置に設けることができる。
【0104】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、手乾燥装置などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0105】
10 乾燥機能部
12 送風機
14 ヒータ
16 制御部
18 信号線
20 送風管路
30 乾燥スパウト
32 カバー
32a 前端
33 上面部
34 前面部
35 左側面部
36 右側面部
37 下面部
37a 第1延出部
37b 第1傾斜部
37c 第2延出部
37c1 めねじ部
37d 第2傾斜部
37d1 めねじ部
37e 第3傾斜部
37e1 めねじ部
37f 貫通孔
38 開口部
40 ノズル
42 接続部
43 クランプ
44 本体部
44a 底板
45 拡散室
45a 左壁部
45b 右壁部
46 凹部
46a 前面部
46b 左側面部
46c 右側面部
46d 上面部
47 障壁部
47a 突出部
48 第1送風通路
49 第2送風通路
50 第3送風通路
52 吐風口
53 仕切板
55 溝部
57 シール部材
58 ノズルカバー
60 人体検知センサ
62 第1センサカバー
64 第2センサカバー
66 スペーサ
66a 挿通孔
68 ねじ
70 台座
72 ナット
74 止めねじ
80 障壁部
82 多孔質材料
82a 障壁部
84 障壁部
86 第3送風通路
90 取付構造体
100 手乾燥装置
130 吐水装置
132 吐水スパウト
134 水機能部
136 給水管路
150 水石鹸吐出装置
152 水石鹸スパウト
154 水石鹸機能部
156 エア供給管路
158 水石鹸供給管路
160 洗面台
162 カウンタ
164 前扉
165 洗面器
166 ボウル部
166a 前端
166b 後端
166c ボウル面
166d 排水孔
168 壁部
168a 壁面
200 洗面ユニット
W1 壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16