IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ TOTO株式会社の特許一覧

特開2022-135334洗面ユニット及び洗面ユニットの取付方法
<>
  • 特開-洗面ユニット及び洗面ユニットの取付方法 図1
  • 特開-洗面ユニット及び洗面ユニットの取付方法 図2
  • 特開-洗面ユニット及び洗面ユニットの取付方法 図3
  • 特開-洗面ユニット及び洗面ユニットの取付方法 図4
  • 特開-洗面ユニット及び洗面ユニットの取付方法 図5
  • 特開-洗面ユニット及び洗面ユニットの取付方法 図6
  • 特開-洗面ユニット及び洗面ユニットの取付方法 図7
  • 特開-洗面ユニット及び洗面ユニットの取付方法 図8
  • 特開-洗面ユニット及び洗面ユニットの取付方法 図9
  • 特開-洗面ユニット及び洗面ユニットの取付方法 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022135334
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】洗面ユニット及び洗面ユニットの取付方法
(51)【国際特許分類】
   A47K 1/00 20060101AFI20220908BHJP
【FI】
A47K1/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021035075
(22)【出願日】2021-03-05
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100157901
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(74)【代理人】
【識別番号】100197538
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 功
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】古澤 雄大
(72)【発明者】
【氏名】大田 浩平
(57)【要約】
【課題】使用者に圧迫感を与えることを抑制できる洗面ユニット及び洗面ユニットの取付方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
吐水スパウトと、水石鹸を吐出する水石鹸スパウトと、幅広形状の風を吐出する乾燥スパウトと、を備え、乾燥スパウトの左右幅は、吐水スパウト及び水石鹸スパウトの左右幅よりも広く、吐水スパウト、水石鹸スパウト及び乾燥スパウトは、左右方向に並び、吐水スパウト及び水石鹸スパウトの一方は、吐水スパウト及び水石鹸スパウトの他方と、乾燥スパウトと、の間に位置し、吐水スパウト及び水石鹸スパウトの一方の左右方向の中心位置と、乾燥スパウトの左右方向の中心位置との間の第1距離は、吐水スパウトの左右方向の中心位置と水石鹸スパウトの左右方向の中心位置との間の第2距離よりも長いことを特徴とする洗面ユニットが提供される。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を吐出する吐水スパウトと、
水石鹸を吐出する水石鹸スパウトと、
幅広形状の風を吐出する吐風口を有し、箱形扁平形状の乾燥スパウトと、
を備え、
前記乾燥スパウトの左右の幅は、前記吐水スパウトの左右の幅及び前記水石鹸スパウトの左右の幅のそれぞれよりも広く、
前記吐水スパウト、前記水石鹸スパウト及び前記乾燥スパウトは、左右方向に並び、
前記吐水スパウト及び前記水石鹸スパウトの一方は、前記吐水スパウト及び前記水石鹸スパウトの他方と、前記乾燥スパウトと、の間に位置し、
前記吐水スパウト及び前記水石鹸スパウトの前記一方の左右方向の中心位置と、前記乾燥スパウトの左右方向の中心位置との間の第1距離は、前記吐水スパウトの左右方向の中心位置と前記水石鹸スパウトの左右方向の中心位置との間の第2距離よりも長いことを特徴とする洗面ユニット。
【請求項2】
前記吐水スパウトが取り付けられる第1取付部と、前記水石鹸スパウトが取り付けられる第2取付部と、前記乾燥スパウトが取り付けられる第3取付部と、を有する取付構造体をさらに備え、
前記吐水スパウトが前記第1取付部に取り付けられた状態において、前記吐水スパウトの左右方向の中心位置は、前記第1取付部の左右方向の中心位置と一致し、
前記水石鹸スパウトが前記第2取付部に取り付けられた状態において、前記水石鹸スパウトの左右方向の中心位置は、前記第2取付部の左右方向の中心位置と一致し、
前記乾燥スパウトが前記第3取付部に取り付けられた状態において、前記乾燥スパウトの左右方向の中心位置は、前記第3取付部の左右方向の中心位置と一致し、
前記第1取付部、前記第2取付部及び前記第3取付部は左右方向に並び、
前記第1取付部及び前記第2取付部の一方は、前記第1取付部及び前記第2取付部の他方と、前記第3取付部と、の間に位置し、
前記一方の左右方向の中心位置と前記第3取付部の左右方向の前記中心位置との間の第3距離は、前記第1取付部の左右方向の前記中心位置と前記第2取付部の左右方向の中心位置との間の第4距離よりも長いことを特徴とする請求項1記載の洗面ユニット。
【請求項3】
前記取付構造体は、洗面器の一部であり、
前記乾燥スパウトは、前記吐水スパウト側の一端と、前記一端とは反対側の他端と、を有し、
前記他端は、上下方向において前記洗面器のボウル面と重なることを特徴とする請求項2記載の洗面ユニット。
【請求項4】
前記乾燥スパウトの幅は、50ミリメートル以上100ミリメートル以下であり、
前記吐水スパウトの幅及び前記水石鹸スパウトの幅は、50ミリメートル以下であり、
前記第1距離は、前記第2距離の1.0倍より大きく1.2倍より小さいことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の洗面ユニット。
【請求項5】
前記乾燥スパウトの上端の上下方向における位置は、前記吐水スパウトの上端の上下方向における位置及び前記水石鹸スパウトの上端の上下方向における位置のそれぞれと略同じであり、
前記乾燥スパウトの前端の前後方向における位置は、前記吐水スパウトの前端の前後方向における位置及び前記水石鹸スパウトの前端の前後方向における位置のそれぞれと略同じであることを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の洗面ユニット。
【請求項6】
水を吐出する吐水スパウトと、水石鹸を吐出する水石鹸スパウトと、幅広形状の風を吐出する吐風口を有し、箱形扁平形状の乾燥スパウトと、を取付構造体に取り付ける洗面ユニットの取付方法であって、
前記乾燥スパウトの左右の幅は、前記吐水スパウトの左右の幅及び前記水石鹸スパウトの左右の幅のそれぞれよりも広く、
前記吐水スパウト及び前記水石鹸スパウトの一方が、前記吐水スパウト及び前記水石鹸スパウトの他方と、前記乾燥スパウトと、の間に位置し、前記吐水スパウト及び前記水石鹸スパウトの前記一方の左右方向の中心位置と、前記乾燥スパウトの左右方向の中心位置との間の第1距離が、前記吐水スパウトの左右方向の中心位置と前記水石鹸スパウトの左右方向の中心位置との間の第2距離よりも長くなるように、前記吐水スパウト、前記水石鹸スパウト及び前記乾燥スパウトを左右方向に並べて配置することを特徴とする洗面ユニットの取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、洗面ユニット及び洗面ユニットの取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
風を吹き出すことで、濡れた手を乾燥させる手乾燥装置を有する洗面ユニットが知られている。例えば、特許文献1には、洗浄水を吐出する水吐出口と、洗浄した手の湿りを温風乾燥する風吹出しノズルと、石鹸液を吐出する石鹸液吐出口と、が洗面器の上部に設けられた洗面一体型手乾燥装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-304926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
洗面ユニットは、例えば、水を吐出する吐水スパウトと、水石鹸(石鹸液)を吐出する水石鹸スパウトと、風を吐出して濡れた手を乾燥させる乾燥スパウトと、を有する。吐水スパウト、水石鹸スパウト及び乾燥スパウトを左右に並べることで、使い勝手やデザイン性を向上することができる。
乾燥スパウトは、例えば、左右に幅広い外観形状を有し、左右方向に幅広い風を吐出する。これにより、濡れた手の広い範囲に風を吐出することができ、使い勝手を向上できる。しかし、このような洗面ユニットにおいては、乾燥スパウトと吐水スパウトまたは水石鹸スパウトとの間の距離が極端に短くなると、使用者に圧迫感を与えてしまう恐れがある。
【0005】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、使用者に圧迫感を与えることを抑制できる洗面ユニット及び洗面ユニットの取付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、水を吐出する吐水スパウトと、水石鹸を吐出する水石鹸スパウトと、幅広形状の風を吐出する吐風口を有し、箱形扁平形状の乾燥スパウトと、を備え、前記乾燥スパウトの左右の幅は、前記吐水スパウトの左右の幅及び前記水石鹸スパウトの左右の幅のそれぞれよりも広く、前記吐水スパウト、前記水石鹸スパウト及び前記乾燥スパウトは、左右方向に並び、前記吐水スパウト及び前記水石鹸スパウトの一方は、前記吐水スパウト及び前記水石鹸スパウトの他方と、前記乾燥スパウトと、の間に位置し、前記吐水スパウト及び前記水石鹸スパウトの前記一方の左右方向の中心位置と、前記乾燥スパウトの左右方向の中心位置との間の第1距離は、前記吐水スパウトの左右方向の中心位置と前記水石鹸スパウトの左右方向の中心位置との間の第2距離よりも長いことを特徴とする洗面ユニットである。
【0007】
この洗面ユニットによれば、乾燥スパウトと吐水スパウト(または水石鹸スパウト)との間の距離が、吐水スパウトと水石鹸スパウトとの間の距離に対して極端に短くなることが抑制される。これにより、乾燥スパウトの左右の幅が広い場合でも、使用者に圧迫感を与えることが抑制され、すっきりした印象を与えることができる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記吐水スパウトが取り付けられる第1取付部と、前記水石鹸スパウトが取り付けられる第2取付部と、前記乾燥スパウトが取り付けられる第3取付部と、を有する取付構造体をさらに備え、前記吐水スパウトが前記第1取付部に取り付けられた状態において、前記吐水スパウトの左右方向の中心位置は、前記第1取付部の左右方向の中心位置と一致し、前記水石鹸スパウトが前記第2取付部に取り付けられた状態において、前記水石鹸スパウトの左右方向の中心位置は、前記第2取付部の左右方向の中心位置と一致し、前記乾燥スパウトが前記第3取付部に取り付けられた状態において、前記乾燥スパウトの左右方向の中心位置は、前記第3取付部の左右方向の中心位置と一致し、前記第1取付部、前記第2取付部及び前記第3取付部は左右方向に並び、前記第1取付部及び前記第2取付部の一方は、前記第1取付部及び前記第2取付部の他方と、前記第3取付部と、の間に位置し、前記一方の左右方向の中心位置と前記第3取付部の左右方向の前記中心位置との間の第3距離は、前記第1取付部の左右方向の前記中心位置と前記第2取付部の左右方向の中心位置との間の第4距離よりも長いことを特徴とする洗面ユニットである。
【0009】
この洗面ユニットによれば、第1取付部、第2取付部及び第3取付部が左右方向において等間隔に並べられている場合に比べて、乾燥スパウトと吐水スパウト(または水石鹸スパウト)との間の距離が、吐水スパウトと水石鹸スパウトとの間の距離に対して極端に短くなることが抑制される。これにより、乾燥スパウトの左右の幅が広い場合でも、使用者に圧迫感を与えることが抑制され、すっきりした印象を与えることができる。
【0010】
第3の発明は、第2の発明において、前記取付構造体は、洗面器の一部であり、前記乾燥スパウトは、前記吐水スパウト側の一端と、前記一端とは反対側の他端と、を有し、前記他端は、上下方向において前記洗面器のボウル面と重なることを特徴とする洗面ユニットである。
【0011】
この洗面ユニットによれば、第1距離を長くしても、乾燥スパウトからの風がボウル面内に向かって吹き出されるようにしやすいため、水がボウル面外に飛散することを抑制しやすい。したがって、圧迫感を抑制しつつ、水の飛散抑制を実現できる。
【0012】
第4の発明は、第1~第3のいずれか1つの発明において、前記乾燥スパウトの幅は、50ミリメートル以上100ミリメートル以下であり、前記吐水スパウトの幅及び前記水石鹸スパウトの幅は、50ミリメートル以下であり、前記第1距離は、前記第2距離の1.0倍より大きく1.2倍より小さいことを特徴とする洗面ユニットである。
【0013】
この洗面ユニットによれば、乾燥スパウトの幅が50ミリメートル以上100ミリメートル以下であることにより、使用者の手の広い範囲に風を吹き出しやすく、より使い勝手を向上できる。このような乾燥スパウトを用いた場合でも、第1距離が第2距離の1.0倍より大きく1.2倍より小さいことにより、圧迫感と水飛散とをより抑制しやすい。
【0014】
第5の発明は、第1~第4のいずれか1つの発明において、前記乾燥スパウトの上端の上下方向における位置は、前記吐水スパウトの上端の上下方向における位置及び前記水石鹸スパウトの上端の上下方向における位置のそれぞれと略同じであり、前記乾燥スパウトの前端の前後方向における位置は、前記吐水スパウトの前端の前後方向における位置及び前記水石鹸スパウトの前端の前後方向における位置のそれぞれと略同じであることを特徴とする洗面ユニットである。
【0015】
この洗面ユニットによれば、意匠性を向上させることができる。
【0016】
第6の発明は、水を吐出する吐水スパウトと、水石鹸を吐出する水石鹸スパウトと、幅広形状の風を吐出する吐風口を有し、箱形扁平形状の乾燥スパウトと、を取付構造体に取り付ける洗面ユニットの取付方法であって、前記乾燥スパウトの左右の幅は、前記吐水スパウトの左右の幅及び前記水石鹸スパウトの左右の幅のそれぞれよりも広く、前記吐水スパウト及び前記水石鹸スパウトの一方が、前記吐水スパウト及び前記水石鹸スパウトの他方と、前記乾燥スパウトと、の間に位置し、前記吐水スパウト及び前記水石鹸スパウトの前記一方の左右方向の中心位置と、前記乾燥スパウトの左右方向の中心位置との間の第1距離が、前記吐水スパウトの左右方向の中心位置と前記水石鹸スパウトの左右方向の中心位置との間の第2距離よりも長くなるように、前記吐水スパウト、前記水石鹸スパウト及び前記乾燥スパウトを左右方向に並べて配置することを特徴とする洗面ユニットの取付方法である。
【0017】
この洗面ユニットの取付方法によれば、乾燥スパウトと吐水スパウト(または水石鹸スパウト)との間の距離が、吐水スパウトと水石鹸スパウトとの間の距離に対して極端に短くなることが抑制される。これにより、乾燥スパウトの左右の幅が広い場合でも、使用者に圧迫感を与えることが抑制され、すっきりした印象を与えることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の態様によれば、使用者に圧迫感を与えることを抑制できる洗面ユニット及び洗面ユニットの取付方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態に係る手乾燥装置を備えた洗面ユニットを例示する斜視図である。
図2】実施形態に係る手乾燥装置を例示するブロック図である。
図3】実施形態に係る洗面ユニットを例示する正面図である。
図4】実施形態に係る洗面ユニットを例示する平面図である。
図5】実施形態に係る手乾燥装置の乾燥スパウトを例示する斜視図である。
図6図6(a)~図6(c)は、実施形態に係る手乾燥装置の乾燥スパウトを例示する平面図である。
図7】実施形態に係る洗面ユニットの一部を例示する斜視図である。
図8】実施形態に係る手乾燥装置の乾燥スパウトを例示する断面図である。
図9】実施形態に係る手乾燥装置の乾燥スパウトを例示する分解図である。
図10図10(a)及び図10(b)は、実施形態に係る洗面ユニットの一部を例示する正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係る手乾燥装置を備えた洗面ユニットを例示する斜視図である。 図1に表したように、実施形態に係る洗面ユニット200(手乾燥システム)は、手乾燥装置100と、吐水装置130と、水石鹸吐出装置150と、を有する。
【0021】
手乾燥装置100は、乾燥スパウト10と、乾燥機能部20と、送風管路30と、を有する。吐水装置130は、吐水スパウト40と、水機能部45と、を有する。水石鹸吐出装置150は、水石鹸スパウト50と、水石鹸機能部55と、を有する。
【0022】
乾燥スパウト10、吐水スパウト40、水石鹸スパウト50は、取付構造体80に取り付けられている。この例では、取付構造体80は、洗面器81の一部である。洗面器81は、例えば陶器製の壁掛け式であり、室内の壁W1に取り付けられている。洗面器81は、例えば壁W1に接している。あるいは、洗面器81は、カウンタC1に設けられたものでもよい。
【0023】
洗面器81は、ボウル部82(洗面ボウル)と、壁部83と、を有する。ボウル部82は、下方に湾曲した凹状のボウル面82fを有する。ボウル面82fは、吐水スパウト40から吐出される水を受ける。ボウル面82fの底には、排水孔82pが設けられており、ボウル面82f上に吐出された水は、排水孔82pを通って排出される。壁部83は、ボウル面82fの後端から上方に延びる。壁部83は、前方を向く壁面83fを有する。
【0024】
乾燥スパウト10、吐水スパウト40及び水石鹸スパウト50は、それぞれ、洗面ボウル上方の壁部83に取り付けられている。乾燥スパウト10、吐水スパウト40及び水石鹸スパウト50は、ボウル面82fの上方に位置し、左右方向において互いに離れて並んでいる。
【0025】
各スパウト(乾燥スパウト10、吐水スパウト40、水石鹸スパウト50)は、筒状体または箱状体の外観を呈し、液体または気体を吐出する吐出口と、供給された液体または気体を吐出口へ導く内部流路と、が設けられたものである。各スパウトは、壁面83fから前方に延びている。
【0026】
なお、実施形態の説明においては、壁部に取り付けられた乾燥スパウト10が当該壁部から延びる方向を「前方」とする。言い換えれば、「前方」は、乾燥スパウト10が設けられた壁面が向く方向である。「後方」、「左側方」及び「右側方」は、「前方」を向いた使用者から見た方向である。また、「上方」「下方」は、乾燥スパウト10の前に立った使用者から見た方向である。
【0027】
実施形態に係る手乾燥装置100の乾燥スパウト10が取り付けられる取付構造体は、必ずしも洗面器でなくてもよい。取付構造体80は、例えば、適宜設けられたパネルやキャビネットでもよい。すなわち、乾燥スパウト10が取り付けられる壁部は、パネルの壁部やキャビネットの壁部でもよい。この例では、乾燥スパウト10が取り付けられる壁部の壁面は、鉛直方向に延びている。ただし、乾燥スパウト10が取り付けられる壁部の壁面は、鉛直方向に延びる面に限らない。例えば、乾燥スパウト10が取り付けられる壁部の壁面と、鉛直方向と、のなす角は、±50°以下である。
【0028】
乾燥機能部20、水機能部45、及び水石鹸機能部55は、それぞれ、洗面器81よりも下方側において、壁W1に取り付けられている。この例では洗面器81の下方の空間において、乾燥機能部20が右側下部に配置され、水石鹸機能部55が右側上部に配置され、水機能部45が左側に配置されている。ただし、乾燥機能部20、水機能部45及び水石鹸機能部55の配置は、これに限らない。例えば、乾燥機能部20、水機能部45及び水石鹸機能部55を床の上に置いてもよい。
【0029】
図2は、実施形態に係る手乾燥装置を例示するブロック図である。
乾燥スパウト10は、吐風口10aと、センサ10sと、を有する。吐風口10aは、幅広形状の風Fを、下斜め前方へ向けて吐出する。なお、幅広形状の風を吐出することは、後述するように、吐風口10aの左右方向の長さが、吐風口10aの前後方向の長さよりも長いことに対応する。
【0030】
センサ10sは、使用者の手を検知する。センサ10s(及び後述するセンサ40s、50s)には、例えば、マイクロ波センサ、赤外線投受光式の測距センサ、焦電センサなどを用いることができる。センサ10sは、例えば乾燥スパウト10から風が吐出される範囲において、使用者の手を検知できるように配置されている。センサ10sの検知範囲Dは、例えば下斜め前方に向いている。
【0031】
乾燥機能部20は、ヒータ21と、送風機22(電動送風機)と、制御部23(乾燥制御部)と、を有する。制御部23は、センサ10s、ヒータ21及び送風機22と電気的に接続されており、センサ10s、ヒータ21及び送風機22の動作を制御する。制御部23には、例えばマイコンなどを含む電気回路が用いられる。
【0032】
送風機22は、例えば電動ファンなどを有し、送風管路30を介して乾燥スパウト10に風を送る。ヒータ21は、送風機22と送風管路30との間の風路に設けられており、送風機22から送風管路30へ送られる空気を適宜暖める。送風管路30は、乾燥機能部20と乾燥スパウト10とを接続し、送風機22から送られる空気を乾燥スパウト10に供給する。
【0033】
例えば、使用者が乾燥スパウト10の下方に手をかざすと、センサ10sが使用者の手を検知した検知状態となる。すると、制御部23は、センサ10sの検知結果(検知状態を示す出力信号)に基づいて、送風機22及びヒータ21を動作させる。これにより、送風機22から、送風管路30に風(温風)が供給される。送風管路30は、供給された風を乾燥スパウト10へ導く。乾燥スパウト10に供給された風は、乾燥スパウト10内の風路を通過して、吐風口10aから吐出される。使用者は、風を手に当てることで、濡れた手を乾燥させることができる。例えば、センサ10sが使用者の手の存在を検知している間、吐風が継続される。使用者が乾燥スパウト10の下方からセンサ10sの検知範囲外へ手を動かすと、センサ10sは使用者の手を検知しなくなり、非検知状態となる。すると、制御部23は、センサ10sの検知結果(非検知状態を示す出力信号)に基づいて、送風機22及びヒータ21の動作を停止させる。これにより、乾燥スパウト10への風の供給が停止し、吐風口10aからの風の吐出が停止する。
【0034】
図3は、実施形態に係る洗面ユニットを例示する正面図である。
図3に表したように、水機能部45は、給水管46によって吐水スパウト40と接続されている。吐水スパウト40には、下方に水を吐出する吐水口40aと、使用者の手を検知するセンサ40sと、が設けられている。水機能部45は、制御回路、温水ヒータ及び電磁弁などを有する。使用者がセンサ40sの下方に手をかざすと、センサ40sは使用者の手を検知した検知状態となる。すると、水機能部45において、制御回路は、センサ40sの出力結果(検知状態を示す出力信号)に基づいて電磁弁や温水ヒータなどを制御する。これにより、水機能部45から給水管46を介して、吐水スパウト40に水(温水)が供給される。吐水スパウト40に供給された水は、吐水口40aから吐出される。例えば、センサ40sが使用者の手の存在を検知している間、水の吐出が継続される。使用者が吐水スパウト40の下方からセンサ40sの検知範囲外へ手を動かすと、センサ40sは使用者の手を検知しなくなり、非検知状態となる。すると、水機能部45において、制御回路は、センサ40sの検知結果(非検知状態を示す出力信号)に基づいて、電磁弁や温水ヒータなどを制御する。これにより、吐水口40aからの水の吐出が停止する。
【0035】
水石鹸機能部55は、水石鹸供給管56とエア供給管57とによって水石鹸スパウト50と接続されている。水石鹸スパウト50には、下方に水石鹸を吐出する吐出口50aと、使用者の手を検知するセンサ50sと、が設けられている。水石鹸機能部55は、制御回路、水石鹸タンク及びポンプなどを有する。使用者がセンサ50sの下方に手をかざすと、センサ50sは使用者の手を検知した検知状態となる。すると、水石鹸機能部55において、制御回路は、センサ50sの出力結果(検知状態を示す出力信号)に基づいてポンプなどを制御する。これにより、水石鹸タンク内から水石鹸供給管56を介して、水石鹸スパウト50に水石鹸が供給される。水石鹸スパウト50に供給された水石鹸は、吐出口50aから吐出される。例えば、センサ50sが使用者の手を検知するごとに、水石鹸が吐出される。
【0036】
乾燥スパウト10の上端の高さ(上下方向における位置)、吐水スパウト40の上端の高さ、水石鹸スパウト50の上端の高さは、例えば互いに同じである。上端の高さを揃えることで、意匠性を向上させることができる。
【0037】
図4は、実施形態に係る洗面ユニットを例示する平面図である。
図4に表したように、乾燥スパウト10の前端10fは、乾燥スパウト10が壁部83の壁面83f側に取り付けられた状態で、ボウル面82fの前後方向における中央82Cよりも後方に位置する。言い換えれば、乾燥スパウト10の前後方向の長さL10は、ボウル面82fの前後方向の半分の長さL82Cよりも短い。
【0038】
同様に、図4において、吐水スパウト40の前端40f及び水石鹸スパウト50の前端50fは、中央82Cよりも後方に位置する。例えば、前端10f、前端40f及び前端50fの前後方向の位置は同じてある。このように、実施形態における各スパウトは、ボウル部82上にコンパクトに設けられている。スパウトが壁面83fから前方に延び、かつ、ボウル部82上において左右に並ぶことで、使い勝手を向上させつつ、スパウトがコンパクトであることにより、意匠性を向上させることができる。
【0039】
この例では、乾燥スパウト10は、水石鹸スパウト50及び吐水スパウト40よりも左側に配置されている。また、吐水スパウト40が、乾燥スパウト10と水石鹸スパウト50との間に配置されている。ただし、スパウトの並び順はこれに限らない。例えば、乾燥スパウト10は、水石鹸スパウト50及び吐水スパウト40よりも右側に配置されてもよい。また、水石鹸スパウト50が、乾燥スパウト10と吐水スパウト40との間に配置されてもよい。
【0040】
図5は、実施形態に係る手乾燥装置の乾燥スパウトを例示する斜視図である。
図6(a)~図6(c)は、実施形態に係る手乾燥装置の乾燥スパウトを例示する平面図である。
図6(a)は上面図であり、図6(b)は正面図であり、図6(c)は底面図である。
【0041】
乾燥スパウト10は、保持部材61(取付部材60)によって洗面器81の壁部83に取り付けられる。なお、図5では、洗面器81を省略している。
【0042】
乾燥スパウト10は、箱形扁平形状である。すなわち、乾燥スパウト10は、箱形扁平形状のカバー11(外郭部材)を有する。言い換えれば、例えば図6(b)に表したように乾燥スパウト10を前方から見たときに、カバー11の左右方向の長さL1は、カバー11の左右方向に垂直な方向(例えば上下方向)の長さL2よりも長い。
【0043】
カバー11は、前面11f、上面11t、下面11b、右側面11m及び左側面11hを有する。
上面11tは、前後方向及び左右方向に延び、上方を向く略矩形の面である。
前面11fは、上面11tの前端から下方に向かって延び、前方を向く面である。
右側面11mは、上面11tの右端から下方に向かって延び、右側方を向く面である。 左側面11hは、上面11tの左端から下方に向かって延び、左側方を向く面である。 この例では、右側面11mは、右に凸の曲面であり、左側面11hは、左に凸の曲面である。
【0044】
下面11bは、前方領域11pと、左側領域11qと、右側領域11rと、を有する。 前方領域11pは、前面11fの下端から後方に向かって延び、下方を向く。前方領域11pは、前方から後方に向かって下方に傾斜する傾斜面を有する。
左側領域11qは、左側面11hの下端から右側方に向かって延び、下方を向く。左側領域11qは、左側方から右側方に向かって下方に傾斜している。
右側領域11rは、右側面11mの下端から左側方に向かって延び、下方を向く。右側領域11rは、右側方から左側方に向かって下方に傾斜している。
左側領域11qと右側領域11rとは、カバー11の左右方向における中央で交わっている。
【0045】
吐風口10aは、下面11bの前方部に位置する。例えば図6(c)に表したように、吐風口10aの左右方向の長さL3は、吐風口10aの前後方向の長さL4よりも長い。この例では、吐風口10aは、左右方向において5つの吐出口10bに分割されている。ただし、吐出口10bの数は5に限らず任意である。また、吐風口10aは、複数に分割されていなくてもよい。
【0046】
送風管路30の一端30a(図6(a)参照)は、前方に延びた状態で、乾燥スパウト10の後側に接続されている。言い換えれば、送風管路30の一端30aの開口は、前方を向いて乾燥スパウト10と接続されている。送風管路30の一端30aの内径L5は、吐風口10aの左右方向の長さL3よりも短い。送風管路30一端30aから乾燥スパウト10に供給された風は、乾燥スパウト10内の風路において左右方向に広がり、左右に長い吐風口10aから吐出される。このようにして、吐風口10aは、幅広形状の風を吐出する。
【0047】
図7は、実施形態に係る洗面ユニットの一部を例示する斜視図である。
図7は、洗面器81の後方から洗面ユニットの一部を見た状態を示す。すなわち、図7は、洗面器81の裏側を表している。なお、図7においては、吐水スパウト40、水石鹸スパウト50、給水管46、水石鹸供給管56などの一部の要素の図示を省略している。
【0048】
図8は、実施形態に係る手乾燥装置の乾燥スパウトを例示する断面図である。
図8は、図3に示したA1-A1線断面を示す。
図9は、実施形態に係る手乾燥装置の乾燥スパウトを例示する分解図である。
図7に表したように、洗面器81の壁部83の後側には、前方に向かって凹んだ凹部83cが設けられている。これにより、壁面83fの裏側には、室内の壁W1(図1参照)と洗面器81との間の空間SP1(凹部83c内の空間)が形成されている。
【0049】
洗面器81の下部には、下方を向いた開口83dが設けられている。空間SP1は、開口83dを介して、洗面器81の下側の空間に連通している。
【0050】
壁部83(壁面83f)には、スパウトが取り付けられる第1~第3取付部71~73が設けられている。この例では、第1~第3取付部71~73のそれぞれは、壁部83を貫通する孔である。第1~第3取付部71~73は、左右方向に延びる直線上に並んでいる。第1取付部71には、吐水スパウト40が取り付けられ、第2取付部72には、水石鹸スパウト50が取り付けられ、第3取付部73には、乾燥スパウト10が取り付けられる。
【0051】
図8に表したように、手乾燥装置100は、乾燥スパウト10を壁部83に取り付ける取付部材60を有する。取付部材60は、保持部材61と止めねじ64(抜止部材)とスペーサ65(スペーサ部材)とを有する。第3取付部73に保持部材61が取り付けられ、その保持部材61に乾燥スパウト10が保持(支持)される。保持部材61は、筒状の金具である台座62と、その金具を固定するためのナット63と、で構成される。台座62は、筒状部62aと、筒状部62aの後端に設けられたフランジ部62bと、を有する。ナット63は筒状部62aと螺合する。第3取付部73である貫通孔の内径は、筒状部62aの外径よりも大きく、フランジ部62bの外径よりも小さい。壁部83の後方から、筒状部62aを第3取付部73に差し込むと、後端側のフランジ部62bが壁部83の後面に、Oリング61rを介して当接する。このように壁部83の後方から筒状部62aが第3取付部73(壁面83fの孔)に挿入された状態で、壁部83は、壁部83の後側のフランジ部62bと、壁部83の前側のナット63と、によって挟まれる。これにより、保持部材61は、壁部83に取り付けられる。乾燥スパウト10は、その保持部材61に止めねじなど取り付けられる。
【0052】
保持部材61は、第3取付部73に取り付けられた状態において壁部83から突出する突出部61p(図8参照)を有する。この例では、突出部61pは、筒状部62aの先端部及びナット63である。例えば、カバー11の後端には開口が設けられており、カバー11の後端が突出部61pを覆っている。言い換えれば、突出部61pは、カバー11の後端の開口に差し込まれた状態である。この状態において、保持部材61は、カバー11を保持している。カバー11の後端は、例えば壁面83fに接している。
【0053】
カバー11には、カバー11の周方向から止めねじ64(図8参照)が挿入されている。なお、カバー11の周方向とは、前後方向に対して垂直な方向であり、この例において下方である。止めねじ64の先端は、ナット63に当接している。例えば、止めねじ64は、カバー11と保持部材61とを抜け止めする抜止部材(いもねじ)である。止めねじ64によって、カバー11の保持部材61に対する位置が規定され、カバー11は保持部材61に固定されている。
【0054】
図7に表したように、乾燥スパウト10の後側に接続された送風管路30は、第3取付部73(及び保持部材61)の内側を通り、空間SP1において第3取付部73から下方及び右側方に湾曲している。送風管路30は、空間SP1内でさらに下方に湾曲し、開口83dを通って乾燥機能部20へ延びている。このように、送風管路30は、壁面83fの裏の空間SP1において上下方向及び左右方向に湾曲し、空間SP1を通過した状態で乾燥スパウト10と乾燥機能部20とを接続する。
【0055】
同様にして、吐水スパウト40、水石鹸スパウト50、給水管46及び水石鹸供給管56なども取り付けられる。すなわち、吐水スパウト40は、保持部材61w(例えば筒状の金具とナット)を用いて第1取付部71に取り付けられる。吐水スパウト40の外郭部材の後端は、例えば壁面83fに接している。給水管46は、吐水スパウト40の後側から、第1取付部71(及び第1取付部71に挿入された保持部材61w)の内側、空間SP1、開口83dを通過して、水機能部45に接続される。
水石鹸スパウト50は、保持部材61s(例えば筒状の金具とナット)等を用いて第2取付部72に取り付けられる。水石鹸スパウト50の外郭部材の後端は、例えば壁面83fに接している。水石鹸供給管56は、水石鹸スパウト50の後側から、第2取付部72(及び第2取付部72に挿入された保持部材61s)の内側、空間SP1、開口83dを通過して、水石鹸機能部55に接続される。
【0056】
なお、各スパウトの少なくとも一部は、壁部83に直接的に取り付けられても、間接的に取り付けられてもよい。上記の例では、各スパウトは、保持部材を介して間接的に壁部83に取り付けられている。言い換えれば、各スパウトは、保持部材を介して間接的に壁部83に保持(支持)されている。ただし、各スパウトを壁部83に取り付ける方法は、上記に限らない。各スパウトは、壁部83に直接保持(支持)されてもよい。
【0057】
また、各保持部材は、各スパウトのカバーを直接的に保持してもよいし、間接的に保持してもよい。すなわち、例えば、保持部材は、スパウトのカバーと接することで、スパウトのカバーを直接保持してもよい。または、例えば、カバーと保持部材との間にスペーサ部材が設けられ、保持部材は、そのスペーサ部材を介して間接的にスパウトのカバーを保持してもよい。例えば、図8では、カバー11の内周とナット63との間にスペーサ65が配置されている。スペーサ65は、ねじ66a、66b(図9参照)でカバー11に取り付けられている。保持部材61は、スペーサ65に接触してスペーサ65を保持している。カバー11の少なくとも一部は、スペーサ65を介して保持部材61に保持されている。
【0058】
また、第1~第3取付部71~73は、各スパウトが取り付けられる任意の構成でよい。例えば、第1~第3取付部71~73は、円形の貫通孔に限らない。スパウトが取り付けられる取付部とは、上述のように保持部材などを介してスパウトが間接的に取り付けられるものでもよいし、スパウトが直接的に取り付けられるものでもよい。取付部はスパウトと接することで、スパウトを直接保持してもよく、例えば、スパウトの一部が、取付部である貫通孔に挿入される構成であってもよい。
【0059】
図7に表したように、送風管路30は、第1管路31と、第2管路32と、を有する。送風管路30は、さらに、接続部材33(接続管路)と、筒状の接続部材34(エルボ管路)(図3参照)と、を有していてもよい。
【0060】
第2管路32は、送風機22から乾燥スパウト10に送られる空気の風路において、第1管路31の下流側に接続されている。第2管路32の少なくとも一部は、空間SP1に配置されている。第2管路32の一端は、乾燥スパウト10に接続され、第2管路32の他端は、接続部材33を介して、第1管路31の一端と接続されている。第1管路31の他端は、接続部材34を介して乾燥機能部20と接続されている。接続には、ホースクランプなどの部材が適宜用いられている。
【0061】
第1管路31、第2管路32、及び接続部材33、34には、例えばゴムまたは樹脂などの材料を用いることができる。例えば、第1管路31に蛇腹ホースを用い、第2管路32にゴムホースを用いてもよい。
【0062】
図8に表したように、乾燥スパウト10は、カバー11と、カバー11の内部に設けられた風路部材12とを有する。風路部材12の上部は、シール部材17を介してノズルカバー18(蓋)が設けられ、気密になっている。風路部材12は、送風管路30から供給された空気を吐風口10aへ導く風路となる。
【0063】
風路部材12は、接続部13と、吐風口10aと、空気拡散室15と、を有する。接続部13は、風路部材12の後端に設けられており、送風管路30が接続される部分である。送風管路30の一端30aは、前方に延びた状態で、接続部13に接続されている。接続部13は、例えば円筒状であり、接続部13の外径は、送風管路30の一端30aの内径よりも小さい。接続部13は、送風管路30の開口に挿入されている。この状態で接続部13は、クランプ13pで止められている。
【0064】
吐風口10aは、風路部材12の先端に設けられており、送風管路30から風路部材12に供給された空気を吹き出す。空気拡散室15は、吐風口10aから吹き出される空気の風路上において、接続部13と吐風口10aとの間に設けられている。空気拡散室15は、接続部13から供給された空気を吐風口10aへ導く。
【0065】
空気拡散室15の左右方向の幅、及び、吐風口10aの左右方向の幅は、それぞれ、送風管路30の一端30aの内径よりも大きい。送風管路30から接続部13介して空気拡散室15に供給された空気は、空気拡散室15内において上下方向及び左右方向に広がり、吐風口10aから吹き出される。
【0066】
例えば、空気拡散室15内には、障壁部47が設けられる。この例では、障壁部47は、風路部材12の底面の一部が上方に向けて隆起した部分である。障壁部47は、送風管路30の一端30aの開口の前方に位置する。このため、送風管路30から空気拡散室15内に流れ込んだ空気の少なくとも一部は、障壁部47にぶつかり、上下方向及び左右方向に広がる。このように障壁部47を設けることで、空気拡散室15内において空気を効率的に広げることができる。これにより、吐風口10aから、左右方向において均一な幅広形状の風を吐出しやすい。
【0067】
センサ10sは、カバー11内において、障壁部47の下方に配置されている。センサ10sは、下方から第1センサカバー19aに覆われている。さらに第1センサカバー19aの周囲に第2センサカバー19bが取り付けられている。第1センサカバー19a及び第2センサカバー19bの下面は、カバー11の下面11bの一部となる。
【0068】
上述したように、この例では、カバー11と別体の風路部材12に、吐風口11aと接続部13と空気拡散室15とが設けられている。ただし、上記に限らず、乾燥スパウト10の各部は、適宜一体に成形されたものでもよい。乾燥スパウト10は、複数の部材に適宜分割され、組み立てられたものでもよい。
【0069】
図10(a)及び図10(b)は、実施形態に係る洗面ユニットの一部を例示する正面図である。
図10(a)及び図10(b)は、実施形態に係る洗面ユニットの取付方法を説明する図である。図10(a)は、各スパウトが取り付けられる前の洗面器81を示す。図10(b)は、各スパウトが取り付けられた洗面器81を示す。
【0070】
図10(a)に表したように、第1取付部71、第2取付部72、及び第3取付部73は、円形である。第3取付部73の径は、第1取付部71及び第2取付部72のそれぞれの径よりも大きい。第1取付部71の径と第2取付部72の径とは、互いに同じでもよい。
【0071】
第3取付部73の中心P73は、第1取付部71の中心P71、及び第2取付部72の中心P72のそれぞれよりも低い。第1取付部71の中心P71の高さと、と第2取付部72の中心P72の高さとは、互いに同じでもよい。
【0072】
図10(b)に表したように、乾燥スパウト10の左右の幅(左右方向に沿った長さ)W10は、吐水スパウト40の左右の幅W40及び水石鹸スパウト50の左右の幅W50のそれぞれよりも広い。幅W40と幅W50とは、互いに同じでもよい。
【0073】
吐水スパウト40が第1取付部71に取り付けられた状態において、吐水スパウト40の左右方向の中心位置C40は、取付部71の左右方向の中心位置C71と一致する。
水石鹸スパウト50が第2取付部72に取り付けられた状態において、水石鹸スパウト50の左右方向の中心位置C50は、第2取付部72の左右方向の中心位置C72と一致する。
乾燥スパウト10が第3取付部73に取り付けられた状態において、乾燥スパウト10の左右方向の中心位置C10は、第3取付部73の左右方向の中心位置と一致する。
なお、「左右方向の中心位置」とは、右端と左端との中点の、左右方向における位置である。また、各スパウトにおいて、スパウトの左右方向の中心位置と、取付部の左右方向の中心位置とは、製造ばらつきや、組立のための遊びなどに起因して、僅かにずれていてもよい。すなわち、「一致する」とは、2つの要素が完全に一致する場合のみならず、2つの要素の間の距離が僅か(例えば0mm以上2.0mm以下)である場合を含んでもよい。
【0074】
実施形態においては、吐水スパウト40及び水石鹸スパウト50の一方は、吐水スパウト40及び水石鹸スパウト50の他方と、乾燥スパウト10と、の間に配置される。そして、当該一方の左右方向の中心位置と乾燥スパウト10の左右方向の中心位置との間の第1距離は、吐水スパウト40の左右方向の中心位置と水石鹸スパウト50の左右方向の中心位置との間の第2距離よりも長い。
【0075】
例えば、図10(b)の例では、吐水スパウト40は、水石鹸スパウト50と乾燥スパウト10との間である。そして、中心位置C40と中心位置C10との間の距離La(第1距離)は、中心位置C40と中心位置C50との間の距離Lb(第2距離)よりも長い。これにより、乾燥スパウト10と吐水スパウト40との間の距離Lcが、吐水スパウト40と水石鹸スパウト50との間の距離Ldに比べて極端に短くなることが抑制される。
【0076】
実施形態においては、第1取付部71及び第2取付部72の一方は、第1取付部71及び第2取付部72の他方と、第3取付部73と、の間に配置される。そして、当該一方の左右方向の中心位置と第3取付部73の左右方向の中心位置C73との間の第3距離は、第1取付部71の左右方向の中心位置と第2取付部72の左右方向の中心位置との間の第4距離よりも長い。
【0077】
すなわち、図10(a)の例では、第1取付部71は、第2取付部72と第3取付部73との間である。そして、中心位置C71と中心位置C73との間の距離Le(第3距離)は、中心位置C71と中心位置C72との間の距離Lf(第4距離)よりも長い。これにより、乾燥スパウト10と吐水スパウト40との間の距離Lcが、吐水スパウト40と水石鹸スパウト50との間の距離Ldに比べて極端に短くなることが抑制される。なお、この例において、第3距離は第1距離と同じであり、第4距離は第2距離と同じである。
【0078】
なお、実施形態においては、第1取付部71の位置と第2取付部72の位置とを入れ替えて、吐水スパウト40の位置と水石鹸スパウト50の位置とを入れ替えもよい。この場合には、第2取付部72は、第1取付部71と第3取付部73との間である。水石鹸スパウト50は、吐水スパウト40と乾燥スパウト10との間である。そして、水石鹸スパウト50の左右方向の中心位置と乾燥スパウト10の左右方向の中心位置との間の距離(第1距離)は、吐水スパウト40の左右方向の中心位置と水石鹸スパウト50の左右方向の中心位置との間の距離(第2距離)よりも長い。第2取付部72の左右方向の中心位置と第3取付部73の左右方向の中心位置と、の間の距離(第3距離)は、第1取付部の左右方向の中心位置と第2取付部の左右方向の中心位置との間の距離(第4距離)よりも長い。これにより、乾燥スパウト10と水石鹸スパウト50との間の距離が、吐水スパウト40と水石鹸スパウト50との間の距離に比べて極端に短くなることが抑制される。
【0079】
例えば、第1取付部71、第2取付部72及び第3取付部73を、左右方向において等間隔に並べる構成も考えられる。ただし、この場合には、乾燥スパウト10が吐水スパウト40及び水石鹸スパウト50よりも幅広であるため、乾燥スパウト10と吐水スパウト40(または水石鹸スパウト)との間の距離が、吐水スパウト40と水石鹸スパウト50との間の距離に対して極端に短くなる恐れがある。これにより、使用者に圧迫感を与えてしまう恐れがある。これに対して、実施形態によれば、上述の第1距離が第2距離よりも長く、第3距離が第4距離よりも長い。これにより、第1取付部71、第2取付部72及び第3取付部73が左右方向において等間隔に並べられている場合に比べて、乾燥スパウト10と吐水スパウト40または水石鹸スパウト50との間の距離が、吐水スパウト40と水石鹸スパウト50との間の距離に対して極端に短くなることが抑制される。これにより、乾燥スパウトの左右の幅が広い場合でも、使用者に圧迫感を与えることが抑制され、すっきりした印象を与えることができる。
【0080】
図10(b)に表したように、乾燥スパウト10は、左右方向における一端10pと他端10qとを有する。一端10pは、吐水スパウト40側の端部である。他端10qは、10pとは反対側の端部である。すなわち、左右方向において、一端10pは、他端10qと吐水スパウト40との間に位置する。他端10qは、上下方向において、洗面器81のボウル面82f(図1又は図4を参照)と重なっている。
【0081】
例えば、第1距離(第3距離)が長すぎる場合、乾燥スパウト10の他端10qの位置は、ボウル面82fと重ならない位置となることがある。つまり、第3取付部73が第1取付部71から左右方向において離れすぎると、乾燥スパウト10の一部がボウル面82fよりも外側となることがある。このような場合、乾燥スパウト10からの風がボウル面82f外に向かって吹き出され、使用者の手等に付着した水が風によってボウル面82f外に飛散する恐れがある。
【0082】
これに対して、実施形態においては、他端10qは、上下方向において洗面器81のボウル面82fと重なっている。これにより、第1距離(第3距離)を比較的長くしても、乾燥スパウト10からの風がボウル面82f内に向かって吹き出されるようにしやすいため、水がボウル面82f外に飛散することを抑制しやすい。したがって、圧迫感を抑制しつつ、水の飛散抑制を実現できる。
【0083】
この例では、乾燥スパウト10、吐水スパウト40及び水石鹸スパウト50のそれぞれの略全体が、上下方向においてボウル面82fと重なっている。
【0084】
幅W10は、例えば、50mm(ミリメートル)以上100mm以下である。幅W40及び幅W50は、それぞれ、25mm以上50mm以下である。例えば、幅W10は、幅W40または幅W50の3倍以上5倍以下である。上述の第1距離(例えば距離La)は、第2距離(例えば距離Lb)の1.0倍より大きく1.2倍より小さいことが好ましい。
幅W10が50mm以上100mm以下であることにより、使用者の手の広い範囲に風を吹き出しやすく、より使い勝手を向上できる。このような乾燥スパウト10を用いた場合でも、第1距離が第2距離の1.0倍より大きく1.2倍より小さいことであることにより、圧迫感と水の飛散とをより抑制しやすい。
【0085】
例えば、図10(b)に表したように、乾燥スパウト10の上端10tの上下方向における位置は、吐水スパウト40の上端40tの上下方向における位置と略同じであり、水石鹸スパウト50の上端50tの上下方向における位置と略同じである。ここで、上下方向における位置について「略同じ」とは、間隔が0mm以上3mm以下であることをいう。また、図4に関して説明したように、乾燥スパウト10の前端10fの前後方向における位置は、吐水スパウト40の前端40fの前後方向における位置と略同じであり、水石鹸スパウト50の前端50fの前後方向における位置と略同じである。ここで、前後方向における位置について「略同じ」とは、間隔が0mm以上2mm以下であることをいう。
【0086】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、洗面ユニットが備える各要素の形状、寸法、材質、配置、設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0087】
10 吐水スパウト、 10a 吐風口、 10b 吐出口、 10f 前端、 10p 一端、 10q 他端、 10s センサ、 10t 上端、 11 カバー、 11a 吐風口、 11b 下面、 11f 前面、 11h 左側面、 11m 右側面、 11p 前方領域、 11q 左側領域、 11r 右側領域、 11t 上面、 12 風路部材、 13 接続部、 13p クランプ、 15 空気拡散室、 17 シール部材、 18 ノズルカバー、 19a 第1センサカバー、 19b 第2センサカバー、 20 乾燥機能部、 21 ヒータ、 22 送風機、 23 制御部、 30 送風管路、 30a 一端、 31 第1管路、 32 第2管路、 33、34 接続部材、 40 吐水スパウト、 40a 吐水口、 40f 前端、 40s センサ、 40t 上端、 45 水機能部、 46 給水管、 47 障壁部、 50 水石鹸スパウト、 50a 吐出口、 50f 前端、 50s センサ、 50t 上端、 55 水石鹸機能部、 56 水石鹸供給管、 57 エア供給管、 60 取付部材、 61、61s、61w 保持部材、 61p 突出部、 61r リング、 62 台座、 62a 筒状部、 62b フランジ部、 63 ナット、 65 スペーサ、 71~73 第1~第3取付部、 80 取付構造体、 81 洗面器、 82 ボウル部、 82C 中央、 82f ボウル面、 82p 排水孔、 83 壁部、 83c 凹部、 83d 開口、 83f 壁面、 100 手乾燥装置、 130 吐水装置、 150 水石鹸吐出装置、 200 洗面ユニット、 C1 カウンタ、 C10、C40、C50、C71、C72、C73 中心位置、 L1~L4、L10、L82C 長さ、 L5 内径、 La、Lb、Lc、Ld、Le、Lf 距離、 P71~P73 中心、 SP1 空間、 W1 壁、 W10、W40、W50 幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10