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  • 特開-充電量調整装置および車両 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022135394
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】充電量調整装置および車両
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/02 20160101AFI20220908BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20220908BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20220908BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20220908BHJP
   H01M 10/48 20060101ALN20220908BHJP
【FI】
H02J7/02 H
H02J7/00 P
H01M10/44 P
B60L58/12
H01M10/48 P
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021035174
(22)【出願日】2021-03-05
(71)【出願人】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾▲崎▼ 将
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA07
5G503BA03
5G503BB02
5G503CA11
5G503EA05
5G503FA06
5G503GD02
5G503HA01
5H030AA09
5H030AS06
5H030AS08
5H030BB21
5H030FF42
5H030FF43
5H030FF44
5H125AA01
5H125AC12
5H125BC16
5H125EE27
(57)【要約】
【課題】コストアップを招くことなく、組電池の状態に応じた容量調整を行うことが可能な充電量調整装置および車両を提供する。
【解決手段】充電量調整装置は、組電池を構成する第1および第2電池セル間の容量調整を行う。充電量調整装置は、第1電池セルに第1放電抵抗を並列に接続して第1電池セルを放電させる第1放電部と、第2電池セルに第2放電抵抗を並列に接続して第2電池セルを放電させる第2放電部と、第1電池セルに第1および第2放電抵抗を直列に接続して第1電池セルを放電させる第3放電部とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組電池を構成する第1および第2電池セル間における充電量の調整を行う充電量調整装置であって、
前記第1電池セルに第1放電抵抗を並列に接続して前記第1電池セルを放電させる第1放電部と、
前記第2電池セルに第2放電抵抗を並列に接続して前記第2電池セルを放電させる第2放電部と、
前記第1電池セルに前記第1および第2放電抵抗を直列に接続して前記第1電池セルを放電させる第3放電部と、
を備える充電量調整装置。
【請求項2】
前記第1および第2電池セル間の充電容量差が所定値以上である場合、前記第1放電部は、前記第1電池セルに前記第1放電抵抗を並列に接続する一方、前記第3放電部は、前記第1電池セルに前記第1および第2放電抵抗を直列に接続しない、
請求項1に記載の充電量調整装置。
【請求項3】
前記第1および第2電池セル間の充電容量差が前記所定値未満である場合、前記第1放電部は、前記第1電池セルに前記第1放電抵抗を並列に接続しない一方、前記第3放電部は、前記第1電池セルに前記第1および第2放電抵抗を直列に接続する、
請求項2に記載の充電量調整装置。
【請求項4】
請求項1~3の何れか1項に記載の充電量調整装置を備える車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、充電量調整装置および車両に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、電気自動車、ハイブリッド自動車等の車両に搭載されているモータ用の電源として、直列に接続されている複数の電池パックを含む電池パックユニットが製品化されている。各電池パック(組電池)は、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等の充電可能な二次電池(電池セル)が直列に接続された構造を有する。
【0003】
ところで、電池パックでは、個々の電池セルの容量やリークなどの特性の個体差(ばらつき)により、各電池セル間で電池セル電圧(充電量)のアンバランスが生じる。
【0004】
このようなアンバランスのある複数の電池セルが接続された電池パックの充電では、充電量の高い電池セルが先に過充電になり、充電量が満充電(充電終止電圧)に到達していない電池があるにもかかわらす充電が停止してしまう。
【0005】
一方、放電時には、充電量の低い電池セルは先に過放電になり、他の電池セルがまだ使用可能な状態であっても電池パックとしては再充電しないと使えない状態になってしまう。
【0006】
このように充電量にアンバランスがあると、有効な電池電圧使用範囲が狭まり、電池の実効容量が減少するだけでなく、過充電や過放電という異常状態が頻発してしまう。さらに言えば、電池パック全体の性能が低下し、当該電池パックの劣化の進行も早まってしまう。
【0007】
そこで、電池セル間における充電量のアンバランスを解消して電池パックの実効的な電池容量の減少を防ぐため、セルバランス調整技術(充電量調整技術)が実用化されている。セルバランス調整技術では、充電時に、充電量の低い電池セルを基準に充電量の高い電池セルを放電させることで、電池パック内の充電量を均一化(調整)する。
【0008】
セルバランス調整技術に関連して、特許文献1には、容量調整時間(電池セルの放電時間)の短縮化を図るため、組電池の状態(例えば、組電池のセル電圧分布状況)に応じて、所定容量調整電流値での容量調整に対する調整能力向上度を設定し、調整能力向上度に基づいて変更された容量調整電流値で容量調整を行う技術が記載されている。ここで、容量調整(充電量調整)を行う方法としては例えば、各電池セルに抵抗値が可変な抵抗回路を並列接続する方法が記載されている。抵抗回路としては、複数の容量調整抵抗を設けて、スイッチによりそれらの内の少なくとも1つを選択して電池セルに並列接続させる構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008-21589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、各電池セルに並列接続される抵抗回路において複数の容量調整抵抗を設ける必要があるため、抵抗回路のコストアップを招いてしまうという問題があった。
【0011】
本開示の目的は、コストアップを招くことなく、組電池の状態に応じた充電量調整を行うことが可能な充電量調整装置および車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示の一態様に係る充電量調整装置は、
組電池を構成する第1および第2電池セル間における充電量の調整を行う充電量調整装置であって、
前記第1電池セルに第1放電抵抗を並列に接続して前記第1電池セルを放電させる第1放電部と、
前記第2電池セルに第2放電抵抗を並列に接続して前記第2電池セルを放電させる第2放電部と、
前記第1電池セルに前記第1および第2放電抵抗を直列に接続して前記第1電池セルを放電させる第3放電部と、
を備える。
【0013】
本開示の一態様に係る車両は、上記充電量調整装置を備える。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、コストアップを招くことなく、組電池の状態に応じた充電量調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施の形態における充電量調整装置を備える電池パックの構成例を示す図である。
図2】第1電池セルに第1放電抵抗を並列に接続して第1電池セルを放電させる例を示す図である。
図3】第1電池セルに第1,第2および第3放電抵抗を直列に接続して第1電池セルを放電させる例を示す図である。
図4】第2電池セルに第2放電抵抗を並列に接続して第2電池セルを放電させる例を示す図である。
図5】第2電池セルに第1,第2および第3放電抵抗を直列に接続して第2電池セルを放電させる例を示す図である。
図6】第3電池セルに第3放電抵抗を並列に接続して第3電池セルを放電させる例を示す図である。
図7】第3電池セルに第1,第2および第3放電抵抗を直列に接続して第3電池セルを放電させる例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本開示の一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。まず、本開示の一実施の形態における充電量調整装置の構成について説明する。
【0017】
図1は、本実施の形態における充電量調整装置を備える電池パックの構成の一例を示すブロック図である。
【0018】
図1に示す充電量調整装置100は、例えばセルコントローラであり、電池パックユニットに含まれる電池パック(組電池)を構成する第1、第2および第3電池セル12,14,16間の充電量調整を行う。第1、第2および第3電池セル12,14,16は、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等の充電可能な二次電池であり、直列に接続されている。電池パックユニットは、電気自動車、ハイブリッド自動車等に搭載されているモータ用の電源として使用される。充電量調整装置100は、電池パックを構成する第1、第2および第3電池セル12,14,16と共に、電池パックユニットに含まれる。本実施の形態では、充電量調整装置100は、電気自動車、ハイブリッド自動車等(以下、車両と言う)に搭載されるものとして説明する。
【0019】
第1、第2および第3電池セル12,14,16は、第1、第2および第3電池セル12,14,16に保持された電圧を放電して充電量を低下させるための抵抗回路10(放電回路)に接続されている。抵抗回路10には、スイッチ30,32,34,36,38,40,42,44と、第1,第2および第3放電抵抗20,22,24とが設けられている。本実施の形態では、第1,第2および第3放電抵抗20,22,24の抵抗値は、第1、第2および第3電池セル12,14,16に並列に接続された場合における放電時間を短縮するため、低めの値に設定されている。
【0020】
スイッチ30,32,34,36,38,40,42,44は、例えばコンタクタ(電磁接触器)や電磁リレー等であって、充電量調整装置100からの駆動信号によりオン(閉)/オフ(開)する。充電量調整装置100の起動時、スイッチ30,32,34,36,38,40,42,44は、全てオフとなっている。
【0021】
図1に示すように、充電量調整装置100は、充電量検出部110および放電制御部120を備える。なお、放電制御部120は、本開示の「第1放電部」、「第2放電部」および「第3放電部」として機能する。
【0022】
充電量検出部110は、第1、第2および第3電池セル12,14,16の充電量(充電状態:SOC)を検出し、検出した充電量を放電制御部120に出力する。第1、第2および第3電池セル12,14,16の充電量は、例えば、第1、第2および第3電池セル12,14,16に設けられた電圧センサおよび電流センサの検出値を取得し、これらの検出値から算出することができる。なお、充電量の検出方法は、電圧センサおよび電流センサの検出値から算出する方法に限定されるものではない。
【0023】
放電制御部120は、充電量検出部110から出力された第1、第2および第3電池セル12,14,16の充電量に基づいて、スイッチ30,32,34,36,38,40,42,44の動作を制御することによって、第1、第2および第3電池セル12,14,16の放電を制御する。具体的には、放電制御部120は、第1、第2および第3電池セル12,14,16間で充電量のアンバランス(不均衡)が生じている場合、当該アンバランスを解消して電池パックの実効的な電池容量の減少を防ぐため、充電量の低い電池セルを基準に充電量の高い電池セルを放電させることにより電池パック内の充電量を均一化する。
【0024】
例えば、放電制御部120は、充電量の低い第2および第3電池セル14,16を基準に充電量の高い第1電池セル12を放電させる際、第1電池セル12と第2および第3電池セル14,16との間の充電容量差が所定値以上である場合(例えば、長期間、車両が放置され、充電量調整装置100に電源が入らず充電量調整が行われなかった場合)、第1電池セル12に第1放電抵抗20を並列に接続する。具体的には、図2に示すように、放電制御部120は、スイッチ30,32,34,36をオンにし、スイッチ38,40,42,44をオフにすることによって、第1電池セル12に第1放電抵抗20を並列に接続する(太線を繋いで形成される閉回路を参照)。これにより、第1放電抵抗20に大きな放電電流が流れて第1電池セル12が放電される。その結果、第1、第2および第3電池セル12,14,16間で充電量のアンバランスが大きく生じている場合でも、充電量の高い第1電池セル12を大きい放電量で放電させることにより電池パック内の充電量を短時間で均一化することができる。
【0025】
一方、放電制御部120は、第1電池セル12と第2および第3電池セル14,16との間の充電容量差が所定値未満である場合、第1電池セル12に第1,第2および第3放電抵抗20,22,24を直列に接続する。具体的には、図3に示すように、放電制御部120は、スイッチ30,32,34,44をオンにし、スイッチ36,40,42,44をオフにすることによって、第1電池セル12に第1,第2および第3放電抵抗20,22,24を直列に接続する(太線を繋いで形成される閉回路を参照)。これにより、第1,第2および第3放電抵抗20,22,24の合成抵抗に小さな放電電流が流れて第1電池セル12が放電される。その結果、第1、第2および第3電池セル12,14,16間で充電量のアンバランスが大きく生じていない場合、充電量の高い第1電池セル12を小さい放電量で放電させることにより電池パック内の充電量を均一化することができる。本実施の形態では、第1,第2および第3放電抵抗20,22,24の合成抵抗値は、第1,第2または第3放電抵抗20,22,24の抵抗値より小さい。
【0026】
また、小さな放電電流を流しながら第1電池セル12を放電させることができるため、第1電池セル12の充電量を第2および第3電池セル14,16の充電量に合わせる際に第1電池セル12の過放電を防止することができる。この観点から、第1電池セル12と第2および第3電池セル14,16との間の充電容量差が所定値以上である場合、まずは第1電池セル12に第1放電抵抗20を並列に接続して大きい放電量で放電させ、その後、第1電池セル12に第1,第2および第3放電抵抗20,22,24を直列に接続して小さい放電量で放電させても良い。
【0027】
また、放電制御部120は、充電量の低い第1および第3電池セル12,16を基準に充電量の高い第2電池セル14を放電させる際、第2電池セル14と第1および第3電池セル12,16との間の充電容量差が所定値以上である場合(例えば、長期間、車両が放置され、充電量調整装置100に電源が入らず充電量調整が行われなかった場合)、第2電池セル14に第2放電抵抗22を並列に接続する(太線を繋いで形成される閉回路を参照)。具体的には、図4に示すように、放電制御部120は、スイッチ34,36,38,40をオンにし、スイッチ30,32,42,44をオフにすることによって、第2電池セル14に第2放電抵抗22を並列に接続する。これにより、第2放電抵抗22に大きな放電電流が流れて第2電池セル14が放電される。その結果、第1、第2および第3電池セル12,14,16間で充電量のアンバランスが大きく生じている場合でも、充電量の高い第2電池セル14を大きい放電量で放電させることにより電池パック内の充電量を短時間で均一化することができる。
【0028】
一方、放電制御部120は、第2電池セル14と第1および第3電池セル12,16との間の充電容量差が所定値未満である場合、第2電池セル14に第1,第2および第3放電抵抗20,22,24を直列に接続する。具体的には、図5に示すように、放電制御部120は、スイッチ32,34,38,44をオンにし、スイッチ30,36,40,42をオフにすることによって、第2電池セル14に第1,第2および第3放電抵抗20,22,24を直列に接続する(太線を繋いで形成される閉回路を参照)。これにより、第1,第2および第3放電抵抗20,22,24の合成抵抗に小さな放電電流が流れて第2電池セル14が放電される。その結果、第1、第2および第3電池セル12,14,16間で充電量のアンバランスが大きく生じていない場合、充電量の高い第2電池セル14を小さい放電量で放電させることにより電池パック内の充電量を均一化することができる。
【0029】
以上のように、小さな放電電流を流しながら第2電池セル14を放電させることができるため、第2電池セル14の充電量を第1および第3電池セル12,16の充電量に合わせる際に第2電池セル14の過放電を防止することができる。この観点から、第2電池セル14と第1および第3電池セル12,16との間の充電容量差が所定値以上である場合、まずは第2電池セル14に第2放電抵抗22を並列に接続して大きい放電量で放電させ、その後、第2電池セル14に第1,第2および第3放電抵抗20,22,24を直列に接続して小さい放電量で放電させても良い。
【0030】
また、放電制御部120は、充電量の低い第1および第2電池セル12,14を基準に充電量の高い第3電池セル16を放電させる際、第3電池セル16と第1および第2電池セル12,14との間の充電容量差が所定値以上である場合(例えば、長期間、車両が放置され、充電量調整装置100に電源が入らず充電量調整が行われなかった場合)、第3電池セル16に第3放電抵抗24を並列に接続する(太線を繋いで形成される閉回路を参照)。具体的には、図6に示すように、放電制御部120は、スイッチ38,40,42,44をオンにし、スイッチ30,32,34,36をオフにすることによって、第3電池セル16に第3放電抵抗24を並列に接続する。これにより、第3放電抵抗24に大きな放電電流が流れて第3電池セル16が放電される。その結果、第1、第2および第3電池セル12,14,16間で充電量のアンバランスが大きく生じている場合でも、充電量の高い第3電池セル16を大きい放電量で放電させることにより電池パック内の充電量を短時間で均一化することができる。
【0031】
一方、放電制御部120は、第3電池セル16と第1および第2電池セル12,14との間の充電容量差が所定値未満である場合、第3電池セル16に第1,第2および第3放電抵抗20,22,24を直列に接続する。具体的には、図7に示すように、放電制御部120は、スイッチ32,38,42,44をオンにし、スイッチ30,34,36,40をオフにすることによって、第3電池セル16に第1,第2および第3放電抵抗20,22,24を直列に接続する(太線を繋いで形成される閉回路を参照)。これにより、第1,第2および第3放電抵抗20,22,24の合成抵抗に小さな放電電流が流れて第3電池セル16が放電される。その結果、第1、第2および第3電池セル12,14,16間で充電量のアンバランスが大きく生じていない場合、充電量の高い第3電池セル16を小さい放電量で放電させることにより電池パック内の充電量を均一化することができる。
【0032】
また、小さな放電電流を流しながら第3電池セル16を放電させることができるため、第3電池セル16の充電量を第1および第2電池セル12,14の充電量に合わせる際に第3電池セル16の過放電を防止することができる。この観点から、第3電池セル16と第1および第2電池セル12,14との間の充電容量差が所定値以上である場合、まずは第3電池セル16に第3放電抵抗24を並列に接続して大きい放電量で放電させ、その後、第3電池セル16に第1,第2および第3放電抵抗20,22,24を直列に接続して小さい放電量で放電させても良い。
【0033】
以上詳しく説明したように、本実施の形態では、充電量調整装置100は、組電池を構成する第1および第2電池セル12,14間における充電量の調整を行う充電量調整装置であって、第1電池セル12に第1放電抵抗20を並列に接続して第1電池セル12を放電させる第1放電部(放電制御部120)と、第2電池セル14に第2放電抵抗22を並列に接続して第2電池セル14を放電させる第2放電部(放電制御部120)と、第1電池セル12に第1および第2放電抵抗20,22を直列に接続して第1電池セル12を放電させる第3放電部(放電制御部120)と、を備える。
【0034】
このように構成した本実施の形態によれば、第1および第2電池セル12,14に並列接続される抵抗回路10において複数の容量調整抵抗を設けることなく、例えば第1電池セル12と第2電池セル14との間の充電容量差に応じて、第1電池セル12に第1放電抵抗20を並列に接続して第1電池セル12を放電させたり、第1電池セル12に第1および第2放電抵抗20,22を直列に接続して第1電池セル12を放電させたりすることができる。そのため、各電池セルに並列接続される抵抗回路において複数の容量調整抵抗を設ける必要がある特許文献1に記載の技術と比べて、コストアップを招くことなく、組電池(電池パック)の状態に応じた充電量調整を行うことができる。
【0035】
なお、上記実施の形態では、電池パックは、3つの第1、第2および第3電池セル12,14,16によって構成される例について説明したが、本開示はこれに限らない。例えば、電池パックは、2つの電池セル、または、4つ以上の電池セルによって構成されても良い。
【0036】
また、上記実施の形態では、放電制御部120は、第1電池セル12と第2および第3電池セル14,16との間の充電容量差が所定値未満である場合、第1電池セル12に第1,第2および第3放電抵抗20,22,24を直列に接続する例について説明したが、本開示はこれに限らない。例えば、放電制御部120は、第1電池セル12と第2および第3電池セル14,16との間の充電容量差が所定値未満である場合、第1電池セル12に第1,第2および第3放電抵抗20,22,24の中の2つ(任意)を直列に接続しても良い。要するに、第1電池セル12に直列に接続する合成抵抗ひいては第1電池セル12からの放電電流値の選択肢を複数設けておき、第1電池セル12と第2および第3電池セル14,16との間の充電容量差に応じて当該放電電流値を細かく調整可能にしても良い。
【0037】
また、上記実施の形態では、放電制御部120は、第2電池セル14と第1および第3電池セル12,16との間の充電容量差が所定値未満である場合、第2電池セル14に第1,第2および第3放電抵抗20,22,24を直列に接続する例について説明したが、本開示はこれに限らない。例えば、放電制御部120は、第2電池セル14と第1および第3電池セル12,16との間の充電容量差が所定値未満である場合、第2電池セル14に第1,第2および第3放電抵抗20,22,24の中の2つ(任意)を直列に接続しても良い。要するに、第2電池セル14に直列に接続する合成抵抗ひいては第2電池セル14からの放電電流値の選択肢を複数設けておき、第2電池セル14と第1および第3電池セル12,16との間の充電容量差に応じて当該放電電流値を細かく調整可能にしても良い。
【0038】
また、上記実施の形態では、放電制御部120は、第3電池セル16と第1および第2電池セル12,14との間の充電容量差が所定値未満である場合、第3電池セル16に第1,第2および第3放電抵抗20,22,24を直列に接続する例について説明したが、本開示はこれに限らない。例えば、放電制御部120は、第3電池セル16と第1および第2電池セル12,14との間の充電容量差が所定値未満である場合、第3電池セル16に第1,第2および第3放電抵抗20,22,24の中の2つ(任意)を直列に接続しても良い。要するに、第3電池セル16に直列に接続する合成抵抗ひいては第3電池セル16からの放電電流値の選択肢を複数設けておき、第3電池セル16と第1および第2電池セル12,14との間の充電容量差に応じて当該放電電流値を細かく調整可能にしても良い。
【0039】
また、上記実施の形態は、何れも本開示を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本開示の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本開示はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本開示は、コストアップを招くことなく、組電池の状態に応じた容量調整を行うことが可能な充電量調整装置および車両として有用である。
【符号の説明】
【0041】
10 抵抗回路
12 第1電池セル
14 第2電池セル
16 第3電池セル
20 第1放電抵抗
22 第2放電抵抗
24 第3放電抵抗
30,32,34,35,36,38,40,42,44 スイッチ
100 充電量調整装置
110 充電量検出部
120 放電制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7