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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022135420
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】操作装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20220908BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
B60R16/02 630P
B60R16/02 630L
G06F3/01 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021035210
(22)【出願日】2021-03-05
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】特許業務法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 尚文
(72)【発明者】
【氏名】小杉 正則
(72)【発明者】
【氏名】村木 均至
(72)【発明者】
【氏名】江川 哲也
(72)【発明者】
【氏名】長尾 貴史
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA12
5E555AA41
5E555BA23
5E555BA24
5E555BB23
5E555BB24
5E555BC01
5E555CA08
5E555CA17
5E555CB14
5E555CB20
5E555CB33
5E555CC01
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】操作対象の形状や配置の自由度が高い操作装置を提供する。
【解決手段】操作装置1は、取付対象に格納されて全ての操作を受け付けない、又は予め定められた操作のみ受け付ける格納状態100、及び取付対象から展開されて全ての操作を受け付ける展開状態101を有する操作部2と、操作部2を駆動して格納状態100及び展開状態101とする駆動部4と、予め定められた格納条件が成立している場合、操作部2を格納状態100とし、格納条件が成立していない場合、操作部2を展開状態101とするように駆動部4を制御する制御部5と、を備えて概略構成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付対象に格納されて全ての操作を受け付けない、又は予め定められた操作のみ受け付ける格納状態、及び前記取付対象から展開されて全ての操作を受け付ける展開状態を有する操作部と、
前記操作部を駆動して前記格納状態及び前記展開状態とする駆動部と、
予め定められた格納条件が成立している場合、前記操作部を前記格納状態とし、前記格納条件が成立していない場合、前記操作部を前記展開状態とするように前記駆動部を制御する制御部と、
を備えた操作装置。
【請求項2】
前記取付対象は、車両のドアのドアトリムであり、
前記操作部は、前記車両の全てのドアのロック機能及びアンロック機能が割り当てられたロック操作部、前記車両のウインドウごとの開閉機能が割り当てられたウインドウ操作部、前記車両の外部ミラーの調整機能が割り当てられたミラー操作部、及び前記車両のシートの姿勢の調整機能が割り当てられたシート操作部の少なくとも1つを有する、
請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記取付対象は、車両のシートであり、
前記操作部は、前記シートの姿勢の調整機能が割り当てられた複数の操作ボタンを有し、
前記操作ボタンは、前記格納状態では前記シート内に格納されて操作不可となり、前記展開状態では前記シートから突出して操作可能となる、
請求項1に記載の操作装置。
【請求項4】
前記操作部が配置された底部、及び前記底部から立ち上がる壁部を有する格納体を備え、
前記格納体は、前記格納状態において前記壁部が前記ドアトリムの表面より突出し、
前記予め定められた操作は、前記壁部の上面、及び前記底部側の内面と前記上面とに交差してユーザ側となる前側面の少なくとも一方に配置された操作を受け付ける操作受付部に対する操作である、
請求項2に記載の操作装置。
【請求項5】
前記操作部は、タッチパッド及び前記操作受付部を有し、
前記タッチパッドは、前記底部に配置され、
前記操作受付部は、前記上面及び前記前側面の少なくとも一方に配置された、
請求項4に記載の操作装置。
【請求項6】
前記制御部は、車両の走行開始を前記格納条件とする、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、複数の窓開閉スイッチを1つのケースに収容したパワーウインドウスイッチが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このパワーウインドウスイッチは、自動車の運転手が各席の窓を開閉操作するために、運転席の近傍のアームレストに設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-53153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年の車両は、法規の一つである車室内突起物規制(内突規制)によって車室内装飾品の突起量などが規定されているので、操作性を向上させるようなスイッチなどの操作対象の形状や配置に対する自由度が小さい。
【0006】
従って本発明の目的は、操作対象の形状や配置の自由度が高い操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、取付対象に格納されて全ての操作を受け付けない、又は予め定められた操作のみ受け付ける格納状態、及び取付対象から展開されて全ての操作を受け付ける展開状態を有する操作部と、操作部を駆動して格納状態及び展開状態とする駆動部と、予め定められた格納条件が成立している場合、操作部を格納状態とし、格納条件が成立していない場合、操作部を展開状態とするように駆動部を制御する制御部と、を備えた操作装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、操作対象の形状や配置の自由度を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1(a)は、第1の実施の形態に係る操作装置が配置された車室側のドアの一例を示す図であり、図1(b)は、操作装置のブロック図の一例である。
図2図2(a)は、第1の実施の形態に係る車両制御システムのブロック図の一例であり、図2(b)は、車載装置とその車載装置の操作部の一例を示す図である。
図3図3(a)は、第1の実施の形態に係る操作装置の格納状態の一例を示す図であり、図3(b)は、操作装置の展開状態の一例を示す図である。
図4図4は、第1の実施の形態に係る操作装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図5図5(a)は、第2の実施の形態に係る操作部の格納状態の一例であり、図5(b)は、操作部の展開状態の一例である。
図6図6(a)は、第3の実施の形態に係る操作装置が配置されたシートの一例を示す図であり、図6(b)は、格納状態の一例を示す図であり、図6(c)は、展開状態の一例を示す図である。
図7図7(a)は、第4の実施の形態に係る操作装置の格納状態の一例を示す図であり、図7(b)は、操作装置の展開状態の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施の形態の要約)
実施の形態に係る操作装置は、取付対象に格納されて全ての操作を受け付けない、又は予め定められた操作のみ受け付ける格納状態、及び取付対象から展開されて全ての操作を受け付ける展開状態を有する操作部と、操作部を駆動して格納状態及び展開状態とする駆動部と、予め定められた格納条件が成立している場合、操作部を格納状態とし、格納条件が成立していない場合、操作部を展開状態とするように駆動部を制御する制御部と、を備えて概略構成されている。
【0011】
この操作装置は、格納状態では操作部を格納するので、操作部が格納されない場合と比べて、操作対象の形状や配置の自由度が高い。
【0012】
[第1の実施の形態]
(操作装置1の概要)
図1(a)は、操作装置が配置された車室側のドアの一例を示す図であり、図1(b)は、操作装置のブロック図の一例である。図2(a)は、車両制御システムのブロック図の一例であり、図2(b)は、車載装置とその車載装置の操作部の一例を示す図である。図3(a)は、操作装置の格納状態の一例を示す図であり、図3(b)は、操作装置の展開状態の一例を示す図である。
【0013】
なお以下に記載する実施の形態に係る各図において、図形間の比率は、実際の比率とは異なる場合がある。また図1(b)及び図2(a)では、主な信号や情報の流れを矢印で示している。
【0014】
車両9は、一例として、前席側の2枚のスイングドア、後席側の2枚のスイングドアを有する。図1(a)に示すドア90、ドアトリム91及びウインドウ94は、前席及び後席のそれぞれのドア、ドアトリム及びウインドウを示す場合、前席及び後席のドア90、ドアトリム91及びウインドウ94などと記載する。また図1(a)に示すドアミラー93は、前席の左右のドアミラーを示す場合、左右のドアミラー93などと記載する。なお車両9は、前席のみドア90がある所謂2ドアの車両であっても良いし、一部のドア90がスライドドアなどであっても良い。またドアミラー93は、ミラーを用いた物理ミラーでも良いし、カメラを用いたデジタルアウターミラーであっても良い。
【0015】
操作装置1は、図1(a)及び図1(b)に示すように、取付対象に格納されて全ての操作を受け付けない、又は予め定められた操作のみ受け付ける格納状態100、及び取付対象から展開されて全ての操作を受け付ける展開状態101を有する操作部2と、操作部2を駆動して格納状態100及び展開状態101とする駆動部4と、予め定められた格納条件が成立している場合、操作部2を格納状態100とし、格納条件が成立していない場合、操作部2を展開状態101とするように駆動部4を制御する制御部5と、を備えて概略構成されている。
【0016】
取付対象は、図1(a)に示すように、車両9のドア90のドアトリム91である。本実施の形態の操作装置1は、少なくとも運転席側のドア90のドアトリム91に配置される。操作装置1は、運転席側のドアトリム91以外のドアトリムにも配置される場合、後述するミラー操作部28が配置されず、また後述するウインドウ操作部27においては配置されているドア90のウインドウ94を開閉するスイッチのみが配置される。
【0017】
また本実施の形態の操作装置1は、ドアトリム91に格納された格納状態100では、全ての操作を受け付けないように構成されている。
【0018】
操作部2は、図2(a)及び図2(b)に示すように、一例として、車両9の全てのドアのロック機能及びアンロック機能が割り当てられたロック操作部26、車両9のウインドウごとの開閉機能が割り当てられたウインドウ操作部27、車両9の外部ミラーの調整機能が割り当てられたミラー操作部28、及び車両9のシートの姿勢の調整機能が割り当てられたシート操作部29の少なくとも1つを有している。なお操作部2は、これらの操作部に限定されず、他の操作部を有しても良い。
【0019】
ロック操作部26は、図2(b)に示すように、前席及び後席のドア90、及びトランクリッドのロック、アンロックを行うロック装置96の操作部として機能する。ウインドウ操作部27は、前席及び後席のウインドウ94を駆動するウインドウ駆動装置97の操作部として機能する。ミラー操作部28は、左右のドアミラー93の格納と展開、及びミラーの角度を調整するミラー駆動装置98の操作部として機能する。シート操作部29は、前席のシート92の姿勢を調整するシート駆動装置99の操作部として機能する。
【0020】
本実施の形態の操作部2は、上述の複数の操作部のうち、一例として、図1(b)に示すように、ウインドウ操作部27及びミラー操作部28を有している。
【0021】
操作装置1は、図3(a)及び図3(b)に示すように、操作部2が配置された底部30、及び底部30から立ち上がる壁部31を有する格納体3を備えている。本実施の形態の格納体3は、格納状態100において壁部31の表面310がドアトリム91の表面910と面一となっている。
【0022】
操作装置1は、図2(a)に示すように、車両制御システム9aを構成している。具体的には、車両制御システム9aは、一例として、操作装置1と、車両制御装置95と、ロック装置96と、ウインドウ駆動装置97と、ミラー駆動装置98と、シート駆動装置99と、が車両LAN(=Local Area Network)9bを介して接続されている。
【0023】
車両LAN9bは、例えば、有線や無線によって相互に信号や情報などの交換を可能とするCAN(=Controller Area Network)やLIN(=Local Interconnect Network)などの車両用ネットワークである。車両制御装置95は、車両9を総合的に制御する。また車両制御装置95は、自動運転機能を有している。
【0024】
(操作部2の構成)
操作部2は、図3(a)及び図3(b)に示すように、展開状態101においてウインドウ操作部27及びミラー操作部28が操作可能となっている。操作部2は、ウインドウ操作部27及びミラー操作部28になされた操作に応じて操作信号Sを制御部5に出力する。
【0025】
ウインドウ操作部27は、前席の左右のウインドウの開閉を行う2つのスイッチ27aが前方に、後席の左右のウインドウの開閉を行う2つのスイッチ27bが後方に配置されている。またウインドウ操作部27は、スイッチ27aの操作時に指が挿入される挿入孔27cをスイッチ27aの前方に有し、スイッチ27bの操作時に指が挿入される挿入孔27dをスイッチ27bの前方に有している。
【0026】
ミラー操作部28は、円形状を有する十字キー28aと、十字キー28aの周囲に設けられたスイッチ28b~スイッチ28eと、を備えている。十字キー28aは、ドアミラー93の角度を調整するためのものである。スイッチ28bは、ドアミラー93を格納したり、展開したりするためのものである。スイッチ28cは、右側のドアミラー93の角度の調整を可能とするものである。スイッチ28dは、左側のドアミラー93の角度の調整を可能とするものである。スイッチ28eは、ドア90のロック、アンロックに応じてドアミラー93の格納、展開を自動で行うためのものである。
【0027】
(格納体3の構成)
格納体3は、壁部31の表面310が矩形状を有している。格納体3が駆動部4によって駆動されると、図3(b)に示すように、ドアトリム91の表面910から壁部31の内面311までの距離Lは、ユーザの手が挿入可能な距離となっている。この距離Lは、一例として、およそ10cm程度であるがこれに限定されず、壁部31を低くして操作に支障がない場合、底部30に配置された操作部に応じた距離とされても良い。なお格納体3の底部30は、水平であるがユーザ側に傾いていても良い。
【0028】
格納体3は、図3(a)及び図3(b)に示すように、ドアトリム91に設けられた凹部912に格納される。
【0029】
(駆動部4の構成)
駆動部4は、例えば、モータと、複数のギアと、を備えて概略構成されている。駆動部4は、制御部5から出力される駆動信号Sに基づいて格納体3を格納及び展開する。
【0030】
(制御部5の構成)
制御部5は、例えば、記憶されたプログラムに従って、取得したデータに演算、加工などを行うCPU(=Central Processing Unit)、半導体メモリであるRAM(=Random Access Memory)及びROM(=Read Only Memory)などから構成されるマイクロコンピュータである。このROMには、例えば、制御部5が動作するためのプログラムが格納されている。RAMは、例えば、一時的に演算結果などを格納する記憶領域として用いられる。
【0031】
制御部5は、操作部2から出力される操作信号Sに基づいて操作がなされた操作部と操作対象との情報を含む操作情報Sを生成して出力する。
【0032】
・格納条件について
制御部5は、車両9の走行開始を格納条件とする。制御部5は、車両LAN9bを介して車両制御装置95から取得した車両情報Sに基づいて格納条件を判定する。制御部5は、例えば、車両9の速度が予め定められた速度以上となった場合、車両9が走行可能な状態にある場合に走行開始と判定する。なお制御部5は、さらに車両9が自動運転で走行する場合を格納条件に追加しても良い。
【0033】
車両情報Sは、例えば、車速に関する情報、シフト装置のポジションの情報などを含んでいる。車速に関する情報とは、車両9の速度を示す情報である。シフト装置のポジションの情報とは、車両9が走行可能状態となるドライブポジションにされている情報である。なお車両情報Sは、車両9の自動運転による走行を格納条件とする場合、自動運転が開始される情報を含む。
【0034】
制御部5は、上述の格納条件が成立していない場合、操作部2を展開する。なお操作装置1は、ユーザによって格納状態100及び展開状態101を選択できるように構成されても良い。具体的には操作装置1は、一例として、格納体3の表面310にスイッチを設け、ユーザの操作によって格納状態100から展開状態101、展開状態101から格納状態100に格納体3を駆動するように構成されても良いし、他の場所に当該スイッチを設けても良い。
【0035】
以下に、本実施の形態の操作装置1の動作の一例について図4のフローチャートに従って説明する。
【0036】
(動作)
操作装置1の制御部5は、車両LAN9bを介して車両情報Sを取得すると、格納条件が成立しているか否かを判定する。制御部5は、格納条件が成立していないと判定すると(Step1:No)、操作部2を展開状態101とする(Step2)。制御部5は、ステップ2において、操作部2が展開状態101であれば、展開状態101を保持し、格納状態100であれば、操作部2を展開する駆動信号Sを生成して駆動部4に出力し、操作部2を展開する。
【0037】
ステップ1において制御部5は、格納条件が成立すると(Step1:Yes)、操作部2を格納状態100とする(Step3)。制御部5は、ステップ3において操作部2を格納する駆動信号Sを生成して駆動部4に出力し、操作部2を格納状態100とする。
【0038】
制御部5は、ステップ2又はステップ3が終了すると、ステップ1に処理を進める。なお制御部5は、一例として、ユーザが電子キーを持って車両9から離れると、又はユーザが物理キーを用いて全てのドアをロックすると、操作部2を展開状態101として処理を終了する。
【0039】
(第1の実施の形態の効果)
本実施の形態に係る操作装置1は、操作対象の形状や配置の自由度を高くすることができる。車両9は、内突規制により、ドアトリム91からの突出量が規制されている。操作装置1は、操作部2がドアトリム91内に格納され、操作する際に展開されて操作可能となるので、操作対象の形状や配置の自由度を高くすることができる。この操作対象とは、スイッチ27a、スイッチ27b、十字キー28a、スイッチ28b~スイッチ28eである。操作装置1は、このスイッチ27a、スイッチ27b、十字キー28a及びスイッチ28b~スイッチ28eを格納体3の底部30に配置可能な範囲で形状や配置を自由に変えることができる。
【0040】
操作装置1は、操作部2が格納されるので、格納されない場合と比べて、内突規制を満たしつつ操作部2の占有面積を大きくすることができ、ユーザの操作性が向上する。
【0041】
操作装置1は、車両9の状態に応じて格納状態100及び展開状態101を切り替えることができるので、ユーザが操作部2を格納状態100及び展開状態101にするために操作しなくても良く、快適に操作することができる。
【0042】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態は、格納状態100において予め定められた操作のみ受け付ける点で第1の実施の形態と異なっている。
【0043】
図5(a)は、操作部の格納状態の一例であり、図5(b)は、操作部の展開状態の一例である。なお以下に記載する実施の形態において、第1の実施の形態と同じ機能及び構成を有する部分は、第1の実施の形態と同じ符号を付し、その説明は省略するものとする。
【0044】
本実施の形態の操作装置1は、図5(a)及び図5(b)に示すように、ドアトリム91に格納されて予め定められた操作のみ受け付ける格納状態100、及びドアトリム91から展開されて全ての操作を受け付ける展開状態101を有する操作部2と、操作部2を駆動して格納状態100及び展開状態101とする駆動部4と、予め定められた格納条件が成立している場合、操作部2を格納状態100とし、格納条件が成立していない場合、操作部2を展開状態101とするように駆動部4を制御する制御部5と、を備えて概略構成されている。
【0045】
この格納体3は、図5(a)及び図5(b)に示すように、格納状態100において壁部31がドアトリム91の表面910より突出している。予め定められた操作は、壁部31の上面312、及び底部30側の内面311と上面312とに交差してユーザ側となる前側面313の少なくとも一方に配置された操作を受け付ける操作受付部に対する操作である。
【0046】
本実施の形態の壁部31は、一例として、操作を受け付ける操作受付部としてスイッチ25が上面312に配置されている。なお操作受付部は、スイッチに限定されず、十字キーやダイヤルなどであっても良い。
【0047】
このスイッチ25は、制御部5と接続されている。スイッチ25は、例えば、前方側のタッチと後方側のタッチを検出可能なタッチスイッチであるがこれに限定されず、なぞり操作を検出するスイッチ、スライドスイッチ、プッシュスイッチであっても良い。なお前方側とは、図5(a)の紙面の上側、つまり車両9の前方側である。後方側とは、図5(b)の紙面の下側、つまり車両9の後方側である。
【0048】
なおスイッチ25は、複数でも良く、表面310、内面311、上面312、前側面313及び後側面314の少なくとも1つの面に配置される。壁部31の内面311に配置される場合は、格納状態100において操作可能となるように表面910よりさらに突出する。なお前側面313は、図5(a)の紙面において壁部31の下側の壁部31、つまり壁部31のユーザ側(車両9の後方側)の側面である。後側面314は、図5(a)の紙面において壁部31の上側の壁部31、つまり壁部31のユーザ側とは反対(車両9の前方)の側面である。
【0049】
このスイッチ25は、例えば、前方側にタッチを行うと運転席側のウインドウ94を開けることが可能となり、後方側にタッチを行うと当該ウインドウ94を閉めることができる。なおスイッチ25は、操作がなされることで、操作部2を格納状態100から展開状態101、展開状態101から格納状態100とするスイッチであっても良く、また全てのドア90をロック、アンロックするスイッチなどであっても良い。
【0050】
(第2の実施の形態の効果)
本実施の形態の操作装置1は、格納状態100であっても予め定められた操作を行うことができるので、格納状態100で受け付ける操作がない場合と比べて、操作性が良い。
【0051】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態は、取付対象がシートである点で他の実施の形態と異なっている。
【0052】
図6(a)は、シートの一例を示す図であり、図6(b)は、格納状態の一例を示す図であり、図6(c)は、展開状態の一例を示す図である。
【0053】
取付対象は、図6(a)に示すように、車両9のシート92である。操作部2は、シート92の姿勢の調整機能が割り当てられた複数の操作ボタンを有するシート操作部29を備えている。この操作ボタンは、図6(b)及び図6(c)に示すように、格納状態100ではシート92内に格納されて操作不可となり、展開状態101ではシート92から突出して操作可能となる。
【0054】
操作部2は、図6(a)に示すように、複数の操作ボタンとして第1の操作ボタン240、第2の操作ボタン241、第3の操作ボタン242、及び第4の操作ボタン243を有している。第1の操作ボタン240~第4の操作ボタン243は、図6(a)に示すように、シート92の台座920に配置されている。第1の操作ボタン240~第4の操作ボタン243は、図6(c)に示すように、展開状態101において台座920の表面920aより突出する。
【0055】
第1の操作ボタン240は、台座920を模した形状を有し、図5(a)の紙面の左側又は右側にスライド操作されると、シート92を後方又は前方に移動させる。
【0056】
第2の操作ボタン241は、シートクッション921を模した形状を有し、左側又は右側にスライド操作されると、シートクッション921の後方側を高く、又は前方側を高くする。
【0057】
第3の操作ボタン242は、シートバック922を模した形状を有し、左側又は右側にスライド操作されると、シートバック922を後方に倒す、又は前方に倒す。
【0058】
第4の操作ボタン243は、ヘッドレスト923を模した形状を有し、左側又は右側にスライド操作されると、ヘッドレスト923を後方に倒す、又は前方に倒す。
【0059】
制御部5は、格納条件が成立した場合、図6(b)に示すように、第1の操作ボタン240~第4の操作ボタン243が台座920に格納される。また制御部5は、格納条件が成立しない場合、図6(c)に示すように、第1の操作ボタン240~第4の操作ボタン243を台座920の表面920aより突出させて操作可能とする。
【0060】
なお第1の操作ボタン240~第4の操作ボタン243は、シート92に配置されたがこれに限定されず、ドアトリム91に配置されても良い。また操作部2は、シート92の姿勢を記憶するメモリボタンを備えても良く、このメモリボタンが第1の操作ボタン240~第4の操作ボタン243と同様に格納状態100及び展開状態101を有しても良い。
【0061】
(第3の実施の形態の効果)
本実施の形態の操作装置1は、車両9が走行を開始すると、第1の操作ボタン240~第4の操作ボタン243が格納されるので、この構成を採用しない場合と比べて、走行中の誤操作を抑制することができる。操作装置1は、誤操作を抑制するので、ユーザが適切なドライビングポジションを保持して運転することができる。
【0062】
操作装置1は、走行中には第1の操作ボタン240~第4の操作ボタン243が格納状態100となるので、内突規制を満たしつつ操作性を向上させることができる。
【0063】
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態は、操作部がタッチパッドを備えている点で他の実施の形態と異なっている。
【0064】
図7(a)は、操作装置の格納状態の一例を示す図であり、図7(b)は、操作装置の展開状態の一例を示す図である。
【0065】
本実施の形態の操作部2は、図7(a)及び図7(b)に示すように、タッチパッド210及び操作を受け付ける操作受付部を有している。タッチパッド210は、底部30に配置されている。操作受付部は、上面312及び前側面313の少なくとも一方に配置されている。本実施の形態の操作部2は、操作受付部としてスイッチ22a~スイッチ22eを有している。このスイッチ22a~スイッチ22eは、格納体3の上面312に配置されている。
【0066】
タッチパッド210は、一例として、静電容量式のセンサであり、操作指を検出した座標の情報を含む操作信号Sを制御部5に出力する。この座標とは、操作面210aに設定された座標系における座標である。なおタッチパッド210は、格納体3の底部30に対する角度を変更可能である。
【0067】
スイッチ22a~スイッチ22eは、タッチ操作を検出するタッチスイッチであるがこれに限定されず、プッシュスイッチ、スライドスイッチ、なぞり操作を検出するスイッチであっても良い。また操作受付部は、上面312及び前側面313の少なくとも一方に配置されるスイッチに限定されず、十字キーやダイヤルなどを用いたものであっても良い。スイッチ22a~スイッチ22eは、なされた操作に基づいて操作信号Sを制御部5に出力する。
【0068】
操作装置1は、図7(b)に示すように、展開状態101において操作部2とドアトリム91との間にユーザの手が挿入されて操作部2を操作可能とするための隙間102を有している。具体的には、隙間102は、図3(b)に示すように、ドアトリム91の表面910とタッチパッド210までの距離が手の挿入を可能とする距離Lとされている。この距離Lは、一例として、およそ5cm程度であるがこれに限定されず、指が挿入可能な距離であれば良い。
【0069】
ここで変形例として、タッチパッド210は、表示部が重ねられたタッチパネルとして構成されても良い。この表示部には、タッチパッド210に割り当てられた機能を示す画像が表示される。ユーザは、この画像に対してタッチ操作やなぞり操作を行うことにより、画像に割り当てられた機能を実行させることができる。
【0070】
(第4の実施の形態の効果)
本実施の形態の操作装置1は、タッチパッド210が格納されるので、格納されない場合と比べて、内突規制を満たしつつ占有面積がスイッチなどよりも大きいタッチパッド210を使用することができ、ユーザの操作性が向上する。
【0071】
以上述べた少なくとも1つの実施の形態の操作装置1によれば、操作対象の形状や配置の自由度を高くすることが可能となる。
【0072】
以上、本発明のいくつかの実施の形態及び変形例を説明したが、これらの実施の形態及び変形例は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。これら新規な実施の形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。また、これら実施の形態及び変形例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、これら実施の形態及び変形例は、発明の範囲及び要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0073】
1…操作装置、2…操作部、3…格納体、4…駆動部、5…制御部、9…車両、26…ロック操作部、27…ウインドウ操作部、28…ミラー操作部、29…シート操作部、30…底部、31…壁部、90…ドア、91…ドアトリム、92…シート、93…ドアミラー、94…ウインドウ、100…格納状態、101…展開状態、102…隙間、210…タッチパッド、210a…操作面、310…表面、311…内面、312…上面、313…前側面、314…後側面
図1
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図6
図7