(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022013558
(43)【公開日】2022-01-18
(54)【発明の名称】黒菊芋、黒菊芋エキス、黒菊芋ゼリー、黒菊芋酵母ゼリー及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 19/10 20160101AFI20220111BHJP
A23L 11/50 20210101ALI20220111BHJP
A23L 2/38 20210101ALI20220111BHJP
A23L 29/244 20160101ALI20220111BHJP
C12G 3/02 20190101ALI20220111BHJP
C12J 1/04 20060101ALI20220111BHJP
A23L 27/50 20160101ALI20220111BHJP
【FI】
A23L19/10
A23L11/20 103
A23L2/38 C
A23L29/244
C12G3/02
C12J1/04 101A
A23L27/50
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020173679
(22)【出願日】2020-10-15
(31)【優先権主張番号】10-2020-0082363
(32)【優先日】2020-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】720008793
【氏名又は名称】金 富姫
(72)【発明者】
【氏名】金富姫
【テーマコード(参考)】
4B016
4B039
4B041
4B115
4B117
4B128
【Fターム(参考)】
4B016LC06
4B016LG06
4B016LP08
4B016LP13
4B039LG11
4B041LD01
4B041LK28
4B041LP07
4B041LP15
4B115AG09
4B117LG07
4B117LP03
4B117LP05
4B128BL09
4B128BL18
4B128BP11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】菊芋を使った長期間保存可能な菊芋食品及びその製造方法の提供。
【解決手段】純粋な菊芋を原料とし、洗ったのち、14日から20日間熟成(温度60℃から70℃)させて黒菊芋エキスを作る第1段階と、同時に熟成された菊芋が黒菊芋を完成させる第2段階と、黒菊芋を10日から20日間乾かして黒菊芋ゼリーを作る第3段階と、乾燥させた黒菊芋ゼリーを3日から4日間天然発酵熟成(温度30℃)させ、さらに4日から7日間乾燥させて黒菊芋天然酵母ゼリーを製造する第4段階とから成る菊芋製品及びその製造方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
純粋な菊芋を原料としてまずは洗い、菊芋(温度60℃から70℃)を14日から20日間熟成させて黒菊芋エキスを作る第1段階と、同時に熟成された菊芋が黒菊芋を完成させる第2段階と、黒菊芋を10日から20日間乾かして黒菊芋ゼリーが作る第3段階と、乾燥させた黒菊芋ゼリーを(温度30℃)3日から4日間天然発酵熟成させ、さらに4日から7日間乾燥させて黒菊芋天然酵母ゼリーを製造する第4段階と、を有することを特徴とする菊芋製品の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載された製造方法により製造された黒菊芋ゼリー、 黒菊芋、 黒菊芋エキス、 黒菊芋天然酵母ゼリーであることを特徴とする菊芋として製造食品。
【請求項3】
請求項1に記載された製造方法により製造された黒菊芋酵母茶、黒菊芋天然酵母醤油、黒菊芋味噌、黒菊芋コチュジャン、黒菊芋酢、黒菊芋酵母酒であることを特徴とする菊芋食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、純粋な菊芋を利用して天然自然食品と菊芋天然発酵(Fermentation)食品及びの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来は主に菊芋と砂糖を混合したり糖発酵したり、他の酵母を入れてアルコールを発酵させたり、酒を作ったり、また種酢(vinegar starter)を入れて酢酸発酵させて天然酢を作ったりしていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
自然の菊芋を食品に長期間保存して食べるのが難しかったし、菊芋を利用した発酵食品酒は長期間は発酵しなければならなかった。
【0004】
近来の菊芋を使った食品は菊芋の商品として食べることが出来る保存期間が短く、かつ、微生物の活動が抑制されために天然発酵食品の製造が難しかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような目的を達成するため、純粋な菊芋の原料を14から20日間熟成(60℃または70℃)し、再び熟成された菊芋を7から10日間乾燥させ、黒菊芋エキス、黒菊芋ゼリーが完成段階、すなわち第1、2、3段階で黒菊芋、黒菊芋エキス、黒菊芋ゼリー、黒菊芋茶を製造する。上記の段階で黒菊芋を3日から4日間発酵(30℃)させる段階、つまり第4段階では黒菊芋酵母ゼリーを製造する。この製造工程を利用することにより黒菊芋酵母茶、黒菊芋天然発酵醤油、黒菊芋天然発酵味噌、黒菊芋天然発酵コチュジャン、黒菊芋天然発酵酢、黒菊芋天然発酵酒、黒菊芋酵母飲料水など、多種多様な発酵製品が製造段階が可能で、昔の自然発酵食品製造方式と味をさらに良くするための様々な麦、もち米、水飴、塩、豆、味噌玉麹などと一緒に作る製造段階も可能である。
【発明の効果】
【0006】
本発明による製造方法で製造された天然黒菊芋、黒菊芋エキス、黒菊芋ゼリー、黒菊芋酵母ゼリー、などを通して様々な生活食品が開発され、薬ではなく自然食品を通じて一般人の健康維持と現代人の様々な病気の発生を抑制できる。なお菊芋は虫と病虫害が少ない植物なので、農薬成分がなく、無農薬で栽培が可能である。 有機栽培のものでも十分な価値があり、すべてが自然の豊かな恵みで作ることができる特殊な植物であり、この食物を応用した食品は、現代人には必要な成人病予防できる天然食品で、豊かな栄養分と多様な食品を摂取できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】黒菊芋、黒菊芋エキス、黒菊芋ゼリー、黒菊芋天然酵母ゼリーの製造方法を示す。
【
図2】黒菊芋天然酵母ゼリーを使用し、黒菊芋天然発酵醤油、味噌、コチュジャン、酒、酢、茶の製造方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は添付図面を参照し、詳細に説明する前に菊芋の成分について説明する。 菊芋(Helianthus tuberosus)は1年生植物で、キク科に属し、ひまわり状の花が咲き、根はイヌリン(inulin)が多く、食物繊維として作用して腸の健康によく、便秘にも効果があり、体脂肪を分解して、体内の中性脂肪の濃度を減らしてくれる(表1)(書籍名:菊芋とは何か。 著者:高橋玄朴。 出版社:鷹書房弓プレス)
【0009】
【0010】
また、血糖値を下げるヘモグロビン濃度を下げる例を表2に示す。
【0011】
【0012】
次に、早稲田大学生理薬理学研究室平成31年3月には、「朝の菊芋は一日血糖値上昇を抑制する」とのタイトルで、一日(朝食、昼食、夕食)後の血糖値の変化が示されており、この結果を表3に示す。
【0013】
【0014】
【0015】
またミネラル成分、天然インスリン成分が多く糖尿病に血糖調節に効果的で、ヘモグロビン濃度が下がる例を、(書籍名:菊芋の驚くべき効能。 著者:高橋玄朴 出版社:いしずえ)を参考にして、これを表4示す。
【0016】
【0017】
また、骨密度を高め、ビタミンKが作られる、世界各国で菊芋の効能を研究している。 多くの効能が証明されている」と記している。
本発明は
図1のように菊芋を洗う → 菊芋熟成(14日から20日間) (60℃または70℃) →黒菊芋エキス 第1段階 → 黒菊芋干す(2日から4日間) → 黒菊芋 第2段階→ 黒菊芋干す(7日から10日間) → 黒菊芋ゼリー 第3段階→ 黒菊芋(3日から4日間)天然発酵熟成→ 黒菊芋天然発酵完成された物を干す(4日から7日間)→ 黒菊芋天然酵母ゼリー 第4段階として製造した。
【0018】
上記の第1段階の黒菊芋エキスでは、純粋な菊芋を原料に固体の菊芋をエキスとして開発し、より栄養価が高い液体の黒菊芋を利用して様々な発酵食品を開発でき、微生物の活動がより活発させ早く熟成することができる。
第2段階の黒菊芋は純粋な菊芋を原料とし、高い栄養価を含めることができる。
第3段階の黒菊芋ゼリーは、純粋な菊芋を原料にして栄養価を高め、保存しやすく、
防腐剤は必要なく、とてもおいしい天然ゼリーを商品価値として高く評価される。
第4段階の黒菊芋天然酵母ゼリーは、第3段階で開発した黒菊芋ゼリーを特別に熟成天然発酵させ、酵母が入っている黒菊芋天然酵母ゼリーを製造し、新しい発酵食品として既存の納豆、乳酸菌が入っているヨーグルト、醤油、味噌、コチュジャン、酢、酒など様々な製品を作ることができる。
【0019】
また、黒菊芋天然酵母ゼリーをそのまま食べることもでき、お湯を入れて茶として飲めるし、沸騰して麦茶のように飲める。生きている有益菌を摂取できる良い食品として、黒菊芋酵母茶として新たに脚光を浴びることができる。
【0020】
上記開発した黒菊芋酵母ゼリーを使用し、正統方式の味噌玉麹のような効果があり、醤油と味噌の開発が可能である。 その製造方法は次の通りである。
【0021】
天然発酵黒菊芋酵母ゼリーと塩水(塩15%)と干し唐辛子と干しナツメと黒菊芋エキスなどを混ぜて熟成させ、醤油、味噌、コチュジャンの開発が可能である。
【0022】
既存の菊芋、味噌の開発は自然菊芋を使って開発された。しかし、上記の開発は黒菊芋を使用し、天然酵母ゼリーを使用して開発されるため、より早く熟成発酵させることができる。また、黒菊芋天然酵母ゼリーを使用し、天然黒菊芋酒と天然黒菊芋酢の開発も可能である。従来の菊芋の酢には、他の植物と混合し発酵させて作った酢がある。
【0023】
しかしこの開発発明は特別に黒菊芋酵母ゼリー20%から25%と自然菊芋75%から80%を入れて混合し熟成させる。味のためにリンゴやレモンなど様々な果物を追加する事も可能である。
【0024】
しかし、砂糖や糖蜜を入れなくて、黒菊芋酵母ゼリーを使用する。これまでは砂糖や糖蜜を入れるが、これを入れるとphが強酸性3.5以下に落ちる。菊芋を使えばph6.5程度に安定する。つまり黒菊芋酵母ゼリーと菊芋を熟成させ、天然発酵菊芋酢と酒の発酵製造が可能である。
【0025】
また、様々な果物と一緒に天然発酵酢や酒の製造も可能である。従来の菊芋を使用した酒と酢は自然の菊芋のみを使用していたが、上記発明は黒菊芋天然酵母ゼリーを使用し、天然酢と酒の製造が可能で、より早い時期に製造発明が可能である。
【0026】
第1項にある黒菊芋、黒菊芋ゼリー、黒菊芋エキスは、菊芋の成分分析表1.ドイツ・ベルリン工科大学分析表参照(表5)。2.日本食品標準成分表を参照
【0027】
【0028】
菊芋はインスリン約60.0%、ブドウ糖0.5%、脂肪1.8%、果糖2.7%、たんぱく質5.9%、子糖8.0%のインスリン、糖分、ミネラル、各種ビタミン類が豊富に含まれており、現代人を脅かす糖尿病の血糖数値を抑制する効果がすでに世界的に証明されており、がん患者にもがん数値を下げる効果など多様な発表が出ている。
【0029】
高濃度の栄養分を季節に関係なく食べられる方法を工夫して、新しいゼリー式で保存する製造方法である。 純粋な菊芋を熟成させ、乾燥させることで黒菊芋、黒菊芋ゼリーが作られ、ゼリー成分が続き保たれる。黒菊芋ゼリーだけでも約2年間防腐剤が必要なく保管でき、保管し続けてもカビが生えず腐敗しない。黒菊芋エキスは多様な飲料水と茶、また発酵食品を製造するのに糖分が豊かで砂糖と糖蜜などを必要とせず、純粋な菊芋だけでも多様な健康食品および薬成分製造が可能な方法である。
【手続補正書】
【提出日】2021-09-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然の菊芋を原料としてまずは洗い、該菊芋(温度60℃~70℃)を14日~20日間熟成させて黒菊芋エキスを作る第1段階と、
該第1段階と同時に熟成された菊芋を黒菊芋とする第2段階と、
該黒菊芋を10日~20日間乾燥させて黒菊芋ゼリーを作る第3段階と、
該第3段階を経て乾燥させた黒菊芋ゼリーを、温度30℃で3日~4日間天然発酵熟成させた後、さらに4日~7日間乾燥させて黒菊芋天然酵母ゼリーを製造する第4段階と、
を有することを特徴とする菊芋製品の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載された製造方法により製造された黒菊芋ゼリー、黒菊芋、黒菊芋エキス、黒菊芋天然酵母ゼリーであることを特徴とする菊芋製造食品。
【請求項3】
請求項1に記載された製造方法を利用して製造された黒菊芋酵母茶、黒菊芋天然酵母醤油、黒菊芋味噌、黒菊芋コチュジャン、黒菊芋酢、黒菊芋酵母酒であることを特徴とする菊芋製造食品。