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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022135589
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】ウエアラブルデバイス
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20220908BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20220908BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20220908BHJP
   G16Y 10/25 20200101ALI20220908BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20220908BHJP
   G16Y 20/40 20200101ALI20220908BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20220908BHJP
   G16Y 40/30 20200101ALI20220908BHJP
【FI】
G06Q50/08
G09G5/00 550C
G09G5/00 510A
G09G5/00 555D
G06F3/01 510
G16Y10/25
G16Y20/20
G16Y20/40
G16Y40/20
G16Y40/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021035509
(22)【出願日】2021-03-05
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 宜子
【テーマコード(参考)】
5C182
5E555
5L049
【Fターム(参考)】
5C182AA04
5C182AB02
5C182AB35
5C182AB37
5C182AC02
5C182AC03
5C182AC43
5C182BA01
5C182BA03
5C182BA04
5C182BA14
5C182BA35
5C182BA68
5C182BC22
5C182BC25
5E555AA64
5E555BA38
5E555BB38
5E555BC04
5E555BE17
5E555CA42
5E555CB45
5E555CB47
5E555CC11
5E555DA09
5E555DB53
5E555DB57
5E555DC13
5E555DD06
5E555DD07
5E555DD08
5E555EA11
5E555EA22
5E555FA00
5L049CC04
(57)【要約】
【課題】作業者の負担を増やすことなく、所望の作業のログを残すことができるウエアラブルデバイスを提供する。
【解決手段】ウエアラブルデバイスは、作業内容を指示する指示情報を工程別に表示する表示部13と、作業者の作業の様子を撮像する撮像部14と、撮像対象の工程を特定可能な工程情報を受け付ける受付部とを備える。撮像部14は、表示部13に表示されている指示情報に対応する工程が受付部で受け付けた工程情報によって特定される撮像対象の工程である場合に作業者の作業の様子を撮像する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業内容を指示する指示情報を工程別に表示する表示部と、
作業者の作業の様子を撮像する撮像部と、
撮像対象の工程を特定可能な工程情報を受け付ける受付部とを備え、
前記撮像部は、前記表示部に表示されている前記指示情報に対応する工程が前記受付部で受け付けた前記工程情報によって特定される撮像対象の工程である場合に前記作業者の作業の様子を撮像する、ウエアラブルデバイス。
【請求項2】
前記ウエアラブルデバイスと接続される情報処理装置と通信する通信部をさらに備え、
前記受付部は、前記工程情報を前記通信部を介して前記情報処理装置から受信する、請求項1に記載のウエアラブルデバイス。
【請求項3】
前記受付部は、工程別の前記指示情報を前記通信部を介して前記情報処理装置から受信する、請求項2に記載のウエアラブルデバイス。
【請求項4】
前記通信部は、前記撮像部によって撮像された画像のデータを前記情報処理装置へ送信する、請求項2または請求項3に記載のウエアラブルデバイス。
【請求項5】
前記工程情報は、前記撮像部による撮像が開始される工程を特定可能な第1情報と、前記撮像部による撮像が終了する工程を特定可能な第2情報とを含み、
前記撮像部は、
前記第1情報によって特定される工程が開始された場合に撮像を開始し、
前記第2情報によって特定される工程が終了した場合に撮像を終了する、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のウエアラブルデバイス。
【請求項6】
作業の開始および作業の終了が工程別に入力される入力部をさらに備え、
前記撮像部は、
前記入力部に前記第1情報によって特定される工程の作業の開始が入力された場合に撮像を開始し、
前記入力部に前記第2情報によって特定される工程の作業の終了が入力された場合に撮像を終了する、請求項5に記載のウエアラブルデバイス。
【請求項7】
前記入力部は、前記撮像部に対する撮像の開始指示と前記撮像部に対する撮像の終了指示とが入力され、
前記撮像部は、
前記入力部に撮像の開始指示が入力された場合に撮像を開始し、
前記入力部に撮像の終了指示が入力された場合に撮像を終了する、請求項6に記載のウエアラブルデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ウエアラブルデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ウエアラブルデバイスは、作業者が作業内容を確認するためのツールとして様々な作業現場で使用されている。
【0003】
特開2020-47298号公報(特許文献1)は、ウエアラブル端末のスクリーンに作業チェックリストを表示する技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-47298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特開2020-47298号公報に開示の技術によれば、作業者はウエアラブル端末のスクリーンに表示される作業チェックリストを見ながら作業をすることができるので、作業ミスが低減される。しかしながら、作業現場には作業ミスの低減だけでなく、所望の作業のログを残したいといった要望もある。
【0006】
本開示は、係る実情に鑑みてなされたものであり、作業者の負担を増やすことなく、所望の作業のログを残すことができるウエアラブルデバイスを提供することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のウエアラブルデバイスは、作業内容を指示する指示情報を工程別に表示する表示部と、作業者の作業の様子を撮像する撮像部と、撮像対象の工程を特定可能な工程情報を受け付ける受付部とを備える。撮像部は、表示部に表示されている指示情報に対応する工程が受付部で受け付けた工程情報によって特定される撮像対象の工程である場合に作業者の作業の様子を撮像する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、受付部で受け付けた工程情報によって特定される工程について作業者の作業の様子が撮像される。したがって、工程情報としてログを残したい工程を特定可能な情報を登録しておくことで、作業者の負担を増やすことなく、所望の作業のログを残すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態における録画システムの概要を説明するための図である。
図2】実施の形態における録画システムの制御的な構成の一例を示す図である。
図3】実施の形態における工程別の指示情報と工程情報との一例を示す図である。
図4】実施の形態におけるスマートグラスの表示処理の一例を示すフローチャートである。
図5】実施の形態におけるスマートグラスの録画処理の一例を示すフローチャートである。
図6】実施の形態における録画システムによる録画の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰り返さない。以下で説明される実施の形態および変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
【0011】
(録画システムの概要)
図1を参照して、録画システムの概要を説明する。図1は、実施の形態における録画システム500の概要を説明するための図である。録画システム500は、作業者が予め定められた手順に従って作業を行うような場面で作業者の作業の様子を録画するために使用される。
【0012】
録画システム500は、スマートグラス100と、PC(Personal Computer)200とを備える。スマートグラス100は、「ウエアラブルデバイス」の一例である。PC200は、「情報処理装置」の一例である。スマートグラス100およびPC200は有線通信または無線通信で相互に通信することができる。
【0013】
スマートグラス100は、本体10と、コントローラ20と、入力装置30とを備える。本体10には、目を保護するための透明な防護グラス11が嵌め込まれており、作業者は本体10を装着した状態で前方を視認することができる。
【0014】
また、本体10には、投影部12と表示部13とが設けられている。表示部13は、取付部15を介して防護グラス11に取り付けられている。表示部13はガラスの板であり、投影部12によって投影される映像(たとえば、PC200で生成された作業内容を指示する指示情報等)を表示する。表示部13は、右眼側のディスプレイ13aと、左眼側のディスプレイ13bとを含む。右眼側のディスプレイ13aは、右眼側の取付部15aを介して防護グラス11に取り付けられており、左眼側のディスプレイ13bは、左眼側の取付部15bを介して防護グラス11に取り付けられている。
【0015】
また、本体10には、本体10を装着して作業をしている作業者の作業の様子を撮像できるように撮像部14が設けられている。
【0016】
なお、図1に示す例では、表示部13は両眼ディスプレイであるが、片眼ディスプレイであってもよい。表示部13が両眼ディスプレイである場合には、高解像度の画像を見る場合であっても、ユーザの目の疲れを低減することができる。一方、表示部13が片眼ディスプレイである場合には、本体10を軽量化することができる。また、表示部13は、防護グラス11に対して着脱可能であってもよいし、防護グラス11から取り外すことができないようなものでもよい。
【0017】
録画システム500では、スマートグラス100はPC200から登録された工程情報によって特定される工程を撮像するように構成されている。したがって、管理者が工程情報としてログを残したい工程を特定可能な情報を登録しておけば、必要なシーンの撮り逃しを防止できるので、作業者の負担を増やすことなく、所望の作業のログを残すことが可能となる。また、管理者が工程情報を登録しておけば、作業者が作業中に録画対象の工程か否かを判断して録画のための操作(撮像部14に撮像を指示する操作)をする必要も無いので、作業者は作業に専念することができる。
【0018】
(録画システムの詳細構成)
図1および図2を参照して、録画システムの制御的な構成を説明する。図2は、実施の形態における録画システム500の制御的な構成の一例を示す図である。
【0019】
録画システム500は、スマートグラス100と、PC200とを備える。
【0020】
スマートグラス100は、本体10と、コントローラ20と、入力装置30とを備える。本体10は、投影部12と、表示部13と、撮像部14とを備える。
【0021】
投影部12は、制御部21の指示に従って、表示部13に作業内容を指示する指示情報を工程別に投影する。これにより、表示部13に指示情報が工程別に表示される。表示部13に表示される指示情報は、静止画でもよいし、動画でもよい。指示情報はPC200で工程別に生成される。制御部21は工程別の指示情報を通信部22を介してPC200から受信し、受信した工程別の指示情報を記憶部23に記憶させる。制御部21は、入力装置30からの信号に基づいて、記憶部23に記憶されている指示情報の中から作業工程に対応する指示情報を特定し、特定した指示情報を投影部12に投影させる。
【0022】
表示部13は、投影部12によって投影される工程別の指示情報をユーザが視認できるようにするスクリーン(ディスプレイ)である。表示部13は、防護グラス11の少なくとも一部に設けられる。表示部13は、投影部12が指示情報を投影していない場合には透明であり、作業者は表示部13を介して前方を視認することができる。
【0023】
なお、表示部13は、投影部12が指示情報を投影している場合にも、作業者が表示部13を介して前方を視認することができるように構成してもよい。
【0024】
撮像部14は、制御部21の指示に従って、作業者の視線の先の風景を撮像する。これにより、本体10を装着して作業をしている作業者の作業の様子を撮像することが可能となる。撮像部14によって撮像される画像は、静止画でもよいし、動画でもよい。「受付部」としての制御部21は撮像部14による撮像の対象となる工程(以下、「撮像対象の工程」とも称す)を特定可能な工程情報を通信部22を介してPC200から受け付け、表示部13に表示されている指示情報に対応する工程が工程情報によって特定される撮像対象の工程である場合に作業者の作業の様子を撮像部14に撮像させる。制御部21は、撮像部14によって撮像された画像のデータを通信部22を介してPC200へ送信する。
【0025】
コントローラ20は、制御部21と、通信部22と、記憶部23とを備える。制御部21は、スマートグラス100の動作を制御する。制御部21は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサと、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)のようなメモリとを備える。プロセッサは、ROMに記憶されている制御プログラムをRAMに展開して実行する。ROMには、スマートグラス100の処理手順が記された制御プログラムが記憶される。RAMは、プロセッサが制御プログラムを実行する際の作業領域となるものであり、制御プログラムや制御プログラムを実行する際のデータ等を一時的に記憶する。プロセッサは、制御プログラムを実行することによって、スマートグラス100の動作を制御する。
【0026】
通信部22は、有線通信または無線通信でPC200と通信することができる。通信部22は、工程別の指示情報と、撮像対象の工程を特定可能な工程情報とをPC200から受信し、撮像部14によって撮像された画像のデータをPC200へ送信する。通信部22によって受信された、工程別の指示情報、および、撮像対象の工程を特定可能な工程情報は、「受付部」としての制御部21によって受け付けられる。
【0027】
記憶部23は、各種情報を記憶するための不揮発性記憶装置であり、たとえばSSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disk Drive)等である。記憶部23には、PC200から受信した工程別の指示情報、PC200から受信した撮像対象の工程を特定可能な工程情報、および撮像部14によって撮像された画像のデータ等各種情報が記憶される。
【0028】
入力装置30は、制御部21に対する指示や作業の進捗が入力される装置であり、「入力部」に相当する。入力装置30は、本体10を装着している作業者によって操作される。入力装置30には、たとえばスイッチ(押しボタン式スイッチ、回転式スイッチ等)、タッチパッド、および/またはマイク等を採用することができる。入力装置30には、スイッチ、タッチパッド、およびマイクのうち少なくとも1つ以上が搭載されていればよい。入力装置30がスイッチまたはタッチパッドである場合には、制御部21に対する指示や作業の進捗は作業者による押す、回転させる、タッチする等の操作によって入力される。入力装置30がマイクである場合には、制御部21に対する指示や作業の進捗は音声で入力される。
【0029】
制御部21に対する指示として、たとえば表示部13への指示情報の表示開始指示が作業者によって入力装置30に入力される。作業の進捗として、たとえば各工程の作業の開始と作業の終了とが作業者によって入力装置30に入力される。入力装置30に入力された制御部21に対する指示や作業の進捗は、「受付部」としての制御部21によって受け付けられる。
【0030】
本体10およびコントローラ20は、有線通信または無線通信で相互に通信することができる。また、入力装置30およびコントローラ20は、有線通信または無線通信で相互に通信することができる。一例として、本体10とコントローラ20とは有線通信で通信し、入力装置30とコントローラ20とは無線通信で通信してもよい。
【0031】
PC200は、制御部201と、記憶部202と、入力装置203と、出力装置204と、通信部205とを含む。制御部201、記憶部202、入力装置203、出力装置204、および通信部205は、バスを介して接続されている。
【0032】
制御部201は、PC200の動作を制御する。制御部201は、CPUのようなプロセッサと、ROMおよびRAMのようなメモリとを備える。プロセッサは、ROMに記憶されている制御プログラムをRAMに展開して実行する。ROMには、PC200の処理手順が記された制御プログラムが記憶される。RAMは、プロセッサが制御プログラムを実行する際の作業領域となるものであり、制御プログラムや制御プログラムを実行する際のデータ等を一時的に記憶する。プロセッサは、制御プログラムを実行することによって、PC200の動作を制御する。
【0033】
記憶部202は、各種情報を記憶するための不揮発性記憶装置であり、たとえばSSDやHDD等である。記憶部202には、入力装置203に入力された工程別の指示情報、入力装置203に入力された撮像対象の工程を特定可能な工程情報、および、スマートグラス100から受信した撮像部14によって撮像された画像のデータ等各種情報が記憶される。
【0034】
入力装置203は、工程別の指示情報と、撮像対象の工程を特定可能な工程情報とが入力される装置である。入力装置203には、キーボードやマウス等を採用することができる。
【0035】
出力装置204は、入力装置203に入力された工程別の指示情報、入力装置203に入力された撮像対象の工程を特定可能な工程情報、およびスマートグラス100から受信した撮像部14によって撮像された画像のデータ等各種情報を出力するための装置である。出力装置204には、ディスプレイを採用することができる。
【0036】
通信部205は、有線通信または無線通信でスマートグラス100と通信することができる。通信部205は、入力装置203に入力された工程別の指示情報と、入力装置203に入力された撮像対象の工程を特定可能な工程情報とをスマートグラス100へ送信し、撮像部14によって撮像された画像のデータをスマートグラス100から受信する。
【0037】
(指示情報と工程情報)
図1図2、および図3を参照して、表示部13に表示される工程別の指示情報と、撮像対象の工程を特定可能な工程情報とについて説明する。図3は、実施の形態における工程別の指示情報と工程情報との一例を示す図である。
【0038】
図3のA欄には、ある分析作業の工程別の指示情報が示されている。工程別の指示情報とは、各工程において作業者が行うべき作業内容を指示する情報であり、スマートグラス100の表示部13に表示される。指示情報は、管理者がPC200を用いて作成する。
【0039】
図3に示す例では、工程別の指示情報は文字情報のみであるが、図が含まれていてもよい。表示部13には、管理者によって作成された指示情報が第1工程から順に作業者の作業工程と同期を取りながら表示される。一例として、作業者の作業工程が第1工程である場合には、「ロット番号AA123を保管庫から取り出し常温に戻してください。」というメッセージが表示部13に表示される。
【0040】
図3のB欄には、各工程が録画対象の工程であるか否かを示す情報が示されている。詳細には、一連の作業工程のうち、録画対象の工程には「○」が付され、録画対象外の工程には「×」が付されている。録画対象の工程は撮像部14によって撮像が行われる工程であり、録画対象外の工程は撮像部14によって撮像が行われない工程である。
【0041】
図3のB欄に示される情報は、撮像対象の工程を特定可能な「工程情報」の一例である。図3のB欄に示される情報のうち、一連の作業工程の中で最初の録画対象の工程(図3に示す例では、第1工程)を示す情報、および、1つ前の工程が録画対象外の工程である録画対象の工程(図3に示す例では、第12工程、第24工程)を示す情報は、撮像部14による撮像が開始される工程を特定可能な「第1情報」の一例である。また、図3のB欄に示される情報のうち、次の工程が録画対象外の工程である録画対象の工程(図3に示す例では、第9工程、第13工程)を示す情報、および、一連の作業工程の中で最後の録画対象の工程(図3に示す例では、第25工程)を示す情報は、撮像部14による撮像が終了する工程を特定可能な「第2情報」の一例である。以下では、撮像が開始される工程を「撮像開始工程」とも称し、撮像が終了する工程を「撮像終了工程」とも称す。
【0042】
管理者は一連の作業工程(図3に示す例では、第1工程~第26工程)のうち、作業者の作業の様子を録画する工程とそうではない工程とを選別し、録画対象、すなわち、撮像対象の工程を特定可能な工程情報を作成する。スマートグラス100では、表示部13に表示されている指示情報に対応する工程が工程情報によって特定される撮像対象の工程である場合に撮像部14によって撮像が行われ、作業者の作業の様子が撮像される。
【0043】
なお、工程情報は、一連の作業工程のうち録画開始工程と録画終了工程とを示す情報でもよい。録画開始工程は撮像部14による撮像が開始される工程であり、録画終了工程は撮像部14による撮像が終了する工程である。したがって、一連の作業工程のうち録画開始工程を示す情報は「第1情報」に相当し、一連の作業工程のうち録画終了工程を示す情報は「第2情報」に相当する。図3に示す例でいうと、録画開始工程として第1工程、第12工程、および第24工程が対応付けられた情報と、録画終了工程として第9工程、第13工程、および第25工程が対応付けられた情報とが工程情報となる。
【0044】
管理者は録画対象の工程を任意に選定することができるが、作業ログの観点からすると、作業ログが自動的に記録されない工程が録画対象の工程に選定されることが好ましい。作業ログが自動的に記録されない工程とは、たとえば検体を準備する、検体を希釈する、サンプルをバイヤル瓶に分注する等、作業時に使用する装置(たとえば分析装置、遠心機、PC等)に記録が残らない作業等である。一方、作業ログが自動的に記録される工程とは、たとえばPCでメソッドファイルを作成する、使用する装置を準備する、使用する装置からサンプルを取り出す等、作業時に使用する装置に記録が残る作業等である。
【0045】
作業ログが自動的に記録されない工程が録画対象の工程に選定されることにより、作業ログが自動的に記録されない工程について作業者の手を煩わせることなく、作業のログを残すことが可能となる。
【0046】
また、管理者によって選定された録画対象の工程のみが録画されることにより、一連の作業工程が全て録画される場合と比べて、撮像部14によって撮像された画像のデータ量を抑えることができるので、PC200への画像データの送信時間が短縮されるとともに、記憶部23,202の負荷が軽減される。
【0047】
また、管理者によって選定された録画対象の工程のみが録画されることにより、一連の作業工程が全て録画される場合と比べて、撮像部14によって撮像された画像を見直す際の管理者および作業者の負担が軽減される。
【0048】
なお、図3に示す例では、一連の作業工程は26個の工程で構成されていたが、一連の作業工程は1つ以上の工程で構成されていればよく、複数の工程で構成されていることがより好ましい。
【0049】
また、録画対象の工程は一連の作業工程の中から管理者が任意に選定することができ、図3に示す工程に限られない。管理者は、録画対象の工程として一連の作業工程の中から1つ以上の工程を選定することができる。
【0050】
(スマートグラス100の表示処理)
図1図2、および図4を参照して、スマートグラス100の表示処理について説明する。図4は、実施の形態におけるスマートグラス100の表示処理の一例を示すフローチャートである。図4に示す処理は、制御部21によって実行される。
【0051】
ステップS405において、制御部21は、N(Nは1以上の整数)個の工程から成る作業について工程別の指示情報をPC200から受信する。ステップS405により、管理者がPC200を用いて作成した工程別の指示情報がスマートグラス100に登録される。
【0052】
ステップS410において、制御部21は、指示情報の表示開始の入力を受け付けたか否かを判定する。制御部21は、指示情報の表示開始指示が入力装置30に入力された場合に指示情報の表示開始の入力を受け付けたと判定する。指示情報の表示開始の入力を受け付けた場合には(ステップS410においてYES)、制御部21は処理をステップS415に進める。
【0053】
ステップS415において、制御部21は、変数nの値を1に設定する。
【0054】
ステップS420において、制御部21は、投影部12に第n工程の指示情報を表示部13に投影させる。これにより、表示部13に第n工程の指示情報が表示される。
【0055】
ステップS425において、制御部21は、第n工程終了の入力を受け付けたか否かを判定する。制御部21は、第n工程の作業の終了が入力装置30に入力された場合に第n工程終了の入力を受け付けたと判定する。第n工程終了の入力を受け付けた場合には(ステップS425においてYES)、制御部21は処理をステップS430に進める。
【0056】
ステップS430において、制御部21は、変数nの値がN以上であるか否かを判定する。
【0057】
変数nの値がN未満である場合には(ステップS430においてNO)、制御部21は、変数nを1だけインクリメント(変数nの値に1を加算)する(ステップS435)。その後、制御部21は、処理をステップS420に戻す。
【0058】
一方、変数nの値がN以上である場合には(ステップS430においてYES)、制御部21は投影部12に指示情報の投影を終了させる(ステップS440)。これにより、表示部13に表示されていた指示情報の表示が終了する。
【0059】
ステップS440の後、制御部21は、図4に示す一連の処理を終了する。
【0060】
図4に示す一連の処理により、表示部13には、管理者によって作成された指示情報が第1工程から順に作業者の作業工程と同期を取りながら表示される。
【0061】
(スマートグラス100の録画処理)
図1図2、および図5を参照して、スマートグラス100の録画処理について説明する。図5は、実施の形態におけるスマートグラス100の録画処理の一例を示すフローチャートである。図5に示す処理は、制御部21によって実行される。
【0062】
ステップS505において、制御部21は、N(Nは1以上の整数)個の工程から成る作業について工程情報をPC200から受信する。ステップS505により、管理者がPC200を用いて作成した工程情報がスマートグラス100に登録される。
【0063】
ステップS510において、制御部21は、変数nの値を1に設定する。
【0064】
ステップS515において、制御部21は、第n工程開始の入力を受け付けたか否かを判定する。制御部21は、第n工程の作業の開始が入力装置30に入力された場合に第n工程開始の入力を受け付けたと判定する。第n工程開始の入力を受け付けた場合には(ステップS515においてYES)、制御部21は処理をステップS520に進める。
【0065】
ステップS520において、制御部21は、ステップS505により登録された工程情報を基に第n工程が撮像開始工程であるか否かを判定する。
【0066】
第n工程が撮像開始工程である場合には(ステップS520においてYES)、制御部21は撮像部14に撮像を開始させる(ステップS525)。これにより、本体10を装着して作業をしている作業者の視線の先の風景が撮像されることになるので、作業者の作業の様子が撮像されることになる。その後、制御部21は処理をステップS530に進める。
【0067】
一方、第n工程が撮像開始工程ではない場合には(ステップS520においてNO)、制御部21は処理をステップS530に進める。
【0068】
ステップS530において、制御部21は、第n工程終了の入力を受け付けたか否かを判定する。制御部21は、第n工程の作業の終了が入力装置30に入力された場合に第n工程終了の入力を受け付けたと判定する。第n工程終了の入力を受け付けた場合には(ステップS530においてYES)、制御部21は処理をステップS535に進める。
【0069】
ステップS535において、制御部21は、ステップS505により登録された工程情報を基に第n工程が撮像終了工程であるか否かを判定する。
【0070】
第n工程が撮像終了工程である場合には(ステップS535においてYES)、制御部21は撮像部14に撮像を終了させる(ステップS540)。その後、制御部21は処理をステップS545に進める。
【0071】
一方、第n工程が撮像終了工程ではない場合には(ステップS535においてNO)、制御部21は処理をステップS545に進める。
【0072】
ステップS545において、制御部21は、変数nの値がN以上であるか否かを判定する。
【0073】
変数nの値がN未満である場合には(ステップS545においてNO)、制御部21は、変数nを1だけインクリメント(変数nの値に1を加算)する(ステップS550)。その後、制御部21は、処理をステップS515に戻す。
【0074】
一方、変数nの値がN以上である場合には(ステップS545においてYES)、制御部21は撮像部14によって撮像された画像のデータをPC200へ送信する(ステップS555)。これにより、作業者の作業の様子が含まれる画像データがPC200へ送信される。
【0075】
ステップS555の後、制御部21は、図5に示す一連の処理を終了する。
【0076】
図5に示す一連の処理により、一連の作業工程のうち管理者が指定した工程のみが撮像され、撮像された画像のデータがPC200へ送信される。
【0077】
(録画システム500による録画の流れ)
図1図2図3、および図6を参照して、録画システム500による録画の流れについて説明する。図6は、実施の形態における録画システム500による録画の流れの一例を示すシーケンス図である。図6には、作業者が図3に示す一連の作業を実施する場合の録画システム500による録画の流れが示されている。
【0078】
ステップS605において、管理者は工程別の指示情報と、撮像対象の工程を特定可能な工程情報とをPC200に入力する。
【0079】
ステップS610において、PC200は、入力された情報をスマートグラス100に登録可能なデータ(登録用データ)に変換する。登録用データは、たとえばcsv(Comma-Separated Values)ファイル等である。
【0080】
ステップS615において、PC200は、登録用データをスマートグラス100に送信する。
【0081】
ステップS620において、スマートグラス100は、登録用データを受け付け、登録用データに含まれる工程別の指示情報と工程情報とを登録する。これにより、工程別の指示情報と工程情報とが記憶部23に記憶される。
【0082】
ステップS625において、作業者は、指示情報の表示開始指示を入力する。
【0083】
指示情報の表示開始指示が入力されると、ステップS630において、スマートグラス100は、表示部13に第1工程の指示情報を表示する。
【0084】
ステップS635において、作業者は、第1工程の作業を開始する際に、第1工程の作業の開始を入力する。この例において、撮像対象の工程は第1工程~第9工程、第12工程~第13工程、および第24工程~第25工程であり、第1工程は1つ目の撮像開始工程である。
【0085】
第1工程の作業の開始が入力されると、ステップS640において、スマートグラス100は撮像を開始し、1つ目の撮像終了工程(この例においては、第9工程)の作業の終了が入力される(ステップS670)まで撮像を継続する。これにより、第1工程~第9工程における作業者の作業の様子が撮像されることになる。
【0086】
第1工程の作業が終了すると、ステップS645において、作業者は、第1工程の作業の終了を入力する。
【0087】
第1工程の作業の終了が入力されると、ステップS650において、スマートグラス100は、表示部13に第2工程の指示情報を表示する。
【0088】
ステップS655において、作業者は第2工程の作業を開始する際に、第2工程の作業の開始を入力する。
【0089】
第2工程の作業が終了すると、ステップS660において、作業者は、第2工程の作業の終了を入力する。
【0090】
第2工程の作業の終了が入力されると、ステップS665において、スマートグラス100は、表示部13に第3の工程の指示情報を表示する。スマートグラス100は、最後の工程(この例においては、第26工程)の作業の終了が入力される(ステップS680)まで、第n工程(nは1以上の整数)の作業の終了の入力を契機に表示部13に第n+1工程の指示情報を表示する。
【0091】
第9工程の作業が終了すると、ステップS670において、作業者は、第9工程の作業の終了を入力する。この例において、第9工程は1つ目の撮像終了工程である。
【0092】
第9工程の作業の終了が入力されると、ステップS675において、スマートグラス100は、撮像を終了する。スマートグラス100は、2つ目の撮像開始工程(この例においては、第12工程)の作業の開始が入力されると、再び撮像を開始する。その後、スマートグラス100は、2つ目の撮像終了工程(この例においては、第13工程)の作業の終了が入力されるまで撮像を継続し、2つ目の撮像終了工程の作業の終了が入力されると、撮像を終了する。
【0093】
スマートグラス100は、最後の撮像終了工程(この例においては、第25工程)の作業の終了が入力されるまで、m個目(mは1以上の整数)の撮像開始工程の作業の開始の入力を契機に撮像を開始し、m個目の撮像終了工程の作業の終了の入力を契機に撮像を終了するという動作を繰り返す。
【0094】
第26工程の作業が終了すると、ステップS680において、作業者は、第26工程の作業の終了を入力する。この例において、第26工程は一連の作業工程の最後の工程である。
【0095】
最後の工程の作業の終了が入力されると、ステップS685において、スマートグラス100は、撮像部14によって撮像された画像のデータをPC200へ送信する。これにより、作業者の作業の様子が含まれる画像データがPC200へ送信される。
【0096】
ステップS690において、PC200は、スマートグラス100から受信した画像データを記憶部202に記憶する。
【0097】
ステップS695において、PC200は、スマートグラス100から受信した画像データを管理者の指示に従って出力装置204に出力する。これにより、管理者または作業者は、撮像部14によって撮像された画像を閲覧することができる。
【0098】
なお、PC200は、スマートグラス100から受信した画像データをPC200と接続可能な記録媒体(たとえば、DVD(Digital Versatile Disc)などの光学記録媒体、USB(Universal Serial Bus)メモリ)に書き出してもよい。また、PC200は、スマートグラス100から受信した画像データをPC200と接続されるプリンターから出力してもよい。
【0099】
このように、スマートグラス100は、工程情報によって特定される撮像(録画)対象の工程を撮像するように構成されている。したがって、管理者が工程情報としてログを残したい工程を特定可能な情報を登録しておけば、必要なシーンの撮り逃しを防止できるので、作業者の負担を増やすことなく、所望の作業のログを残すことが可能となる。また、管理者が工程情報を登録しておけば、作業者が作業中に録画対象の工程か否かを判断して録画のための操作(撮像部14に撮像を指示する操作)をする必要も無いので、作業者は作業に専念することができる。
【0100】
また、録画対象の工程は管理者が任意に選定することができるが、作業ログが自動的に記録されない工程が録画対象の工程に選定されることにより、作業ログが自動的に記録されない工程について作業者の手を煩わせることなく、作業のログを残すことが可能となる。
【0101】
また、管理者によって選定された録画対象の工程のみが録画されるので、一連の作業工程が全て録画される場合と比べて、撮像部14によって撮像された画像のデータ量を抑えることができるので、PC200への画像データの送信時間が短縮されるとともに、記憶部23,202の負荷が軽減される。
【0102】
また、管理者によって選定された録画対象の工程のみが録画されるので、一連の作業工程が全て録画される場合と比べて、撮像部14によって撮像された画像を見直す際の管理者および作業者の負担が軽減される。
【0103】
また、PC200は、汎用のPCであればよい。したがって、スマートグラス100を購入したユーザが自身が所有するPCにスマートグラス100を接続することで録画システム500を簡単に構築することができる。
【0104】
また、スマートグラス100は、管理者によって作成された指示情報を第1工程から順に作業者の作業工程と同期を取りながら表示部13に表示するように構成されている。したがって、作業者に対して有意義な情報を提供することができる。
【0105】
[変形例]
本発明は、上記実施の形態に限られず、さらに種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な変形例について説明する。
【0106】
(変形例1)
上記実施の形態では、管理者によって選定された録画対象の工程のみが録画されたが、作業者が作業の途中で任意に作業の様子を録画できるようにしてもよい。
【0107】
一例として、スマートグラス100は、作業者によって入力装置30が操作されることにより、撮像部14に撮像の開始と撮像の終了とを指示することができるように構成されていてもよい。詳細には、入力装置30に撮像部14に対する撮像の開始指示が入力された場合には、制御部21は撮像部14に撮像を開始させ、入力装置30に撮像部14に対する撮像の終了指示が入力された場合には、制御部21は撮像部14に撮像を終了させる。
【0108】
これにより、本体10を装着して作業をしている作業者が任意で作業の様子を録画するこが可能となる。撮像部14によって撮像された画像のデータは、管理者によって選定された録画対象の工程の画像のデータとともに、一連の作業工程が終了した後、PC200へ送信される。
【0109】
(変形例2)
上記実施の形態では、工程情報は一連の作業が開始される前にスマートグラス100に登録され、一連の作業の途中で変更されることはなかったが、一連の作業の途中で変更できるようにしてもよい。
【0110】
一例として、一連の作業が開始されてから一連の作業が終了するまでの間に、スマートグラス100に登録されている工程情報が書き換えることができるように構成されていてもよい。詳細には、管理者はPC200を用いて登録用データ(図6参照)を編集し、PC200は編集後の登録用データをスマートグラス100に送信する。スマートグラス100(制御部21)は編集後の登録用データを受信すると、受信した登録用データに含まれる工程情報に基づいて撮像部14を制御する。
【0111】
これにより、一連の作業の途中で録画対象の工程を変更することが可能となる。
【0112】
(変形例3)
上記実施の形態では、一連の作業工程の中で録画対象の工程が連続している場合には、連続した録画対象の工程が開始されてから終了するまでの間、撮像部14による撮像は継続されたが、連続した録画対象の工程が工程別に撮像されるようにしてもよい。一例として、連続した録画対象の工程の間は、制御部21は、入力装置30に各工程に対する作業の開始が入力されたことを契機に撮像部14に撮像を開始させ、入力装置30に各工程に対する作業の終了が入力されたことを契機に撮像部14に撮像を終了させる。
【0113】
これにより、連続した録画対象の工程を工程別に録画することが可能となる。
【0114】
(変形例4)
上記実施の形態では、ユーザによる各工程の作業開始の入力を契機に、当該工程が撮像開始工程であるか否かが判定され、当該工程が撮像開始工程である場合には、撮像部14による撮像が開始された。また、ユーザによる各工程の作業終了の入力を契機に、当該工程が撮像終了工程であるか否かが判定され、当該工程が撮像終了工程である場合には、撮像部14による撮像が終了された。これに替えて、各工程で使用する手順書等に付されているコードを撮像部14が読み取ったことを契機に、当該コードに対応付けられている工程が撮像開始工程であるか否かが判定され、当該工程が撮像開始工程である場合には、撮像部14による撮像が開始されるようにしてもよい。また、各工程で使用する手順書等に付されているコードを撮像部14が読み取ったことを契機に、当該コードに対応付けられている工程が撮像終了工程であるか否かが判定され、当該工程が撮像終了工程である場合には、撮像部14による撮像が終了されるようにしてもよい。
【0115】
すなわち、各工程で使用する手順書等にあらかじめコードを付しておき、そのコードを撮像部14が撮像する(読み取る)ことが「入力」であってもよい。たとえば、紙の手順書にコードが印刷されており、ユーザが手順書を見ると撮像部14によってコードが読み込まれ、当該コードに対応付けられている工程が撮像開始工程であれば、撮像部14による撮像が開始される。また、ユーザが手順書を見ると撮像部14によってコードが読み込まれ、当該コードに対応付けられている工程が撮像終了工程であれば、撮像部14による撮像が終了される。このような場合には、撮像部14が入力装置30になり得る。コードは、たとえば、バーコード、QRコード(登録商標)、またはDataMatrix(登録商標)等である。
【0116】
これにより、作業開始時と作業終了時とにおける作業者による入力作業が不要となることから、作業者の負担が軽減されるとともに、作業者は作業に専念することができる。
【0117】
(変形例5)
上記実施の形態では、ウエアラブルデバイスはメガネ型(ゴーグル型を含む)のウエアラブルデバイス(スマートグラス)であったが、ヘルメット型のウエアラブルデバイスでもよい。また、ウエアラブルデバイスは、メガネ型またはヘルメット型のような頭部装着型に限られず、リストバンド型またはペンダント型のウエアラブルデバイスでもよい。
【0118】
(変形例6)
上記実施の形態では、情報処理装置はデスクトップ型であったが、ノート型でもよい。また、情報処理装置はタブレット端末やモバイル端末でもよい。
【0119】
(変形例7)
上記実施の形態では、工程別の指示情報および工程情報はPC200からスマートグラス100に登録されたが、記憶部23に予め記憶されていてもよい。また、コントローラ20が外部ドライブを備えている場合には、工程別の指示情報および工程情報は記録媒体(たとえば、DVDなどの光学記録媒体、USBメモリ)からスマートグラス100に登録されてもよい。また、管理者または作業者が、入力装置30を操作することにより、記憶部23に指示情報が記憶されている工程の中から撮像対象の工程を指定できるようにしてもよい。
【0120】
(変形例8)
上記実施の形態では、コントローラ20は本体10とは別の筐体に設けられていたが、本体10と同じ筐体に設けられてもよい。また、上記実施の形態では、入力装置30は本体10とは別の筐体に設けられていたが、本体10と同じ筐体に設けられてもよい。
【0121】
[態様]
上述した例示的な実施の形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0122】
(第1項)一態様に係るウエアラブルデバイスは、作業内容を指示する指示情報を工程別に表示する表示部と、作業者の作業の様子を撮像する撮像部と、撮像対象の工程を特定可能な工程情報を受け付ける受付部とを備える。撮像部は、表示部に表示されている指示情報に対応する工程が受付部で受け付けた工程情報によって特定される撮像対象の工程である場合に作業者の作業の様子を撮像する。
【0123】
第1項に記載のウエアラブルデバイスによれば、管理者が工程情報としてログを残したい工程を特定可能な情報を登録しておけば、必要なシーンの撮り逃しを防止できるので、作業者の負担を増やすことなく、所望の作業のログを残すことが可能となる。また、管理者が工程情報を登録しておけば、作業者が作業中に録画対象の工程か否かを判断して録画のための操作(撮像部に撮像を指示する操作)をする必要も無いので、作業者は作業に専念することができる。また、全ての工程を録画するのではなく必要な工程のみを録画するため、録画データが膨大な量になることを防ぐことができる。また、ログを確認する際に、膨大な量の録画データの中から必要なシーンを抽出する煩雑な作業を行う必要がない。
【0124】
(第2項)第1項に記載のウエアラブルデバイスは、ウエアラブルデバイスと接続される情報処理装置と通信する通信部をさらに備える。受付部は、工程情報を通信部を介して情報処理装置から受信する。
【0125】
第2項に記載のウエアラブルデバイスによれば、工程情報を他の機器から取得することができる。
【0126】
(第3項)第2項に記載のウエアラブルデバイスでは、受付部は、工程別の指示情報を通信部を介して情報処理装置から受信する。
【0127】
第3項に記載のウエアラブルデバイスによれば、工程別の指示情報を他の機器から取得することができる。
【0128】
(第4項)第2項または第3項に記載のウエアラブルデバイスは、通信部は、撮像部によって撮像された画像のデータを情報処理装置へ送信する。
【0129】
第4項に記載のウエアラブルデバイスによれば、撮像部によって撮像された作業者の作業の様子を閲覧することができる。
【0130】
(第5項)第1項~第4項のいずれか1項に記載のウエアラブルデバイスでは、工程情報は、撮像部による撮像が開始される工程を特定可能な第1情報と、撮像部による撮像が終了する工程を特定可能な第2情報とを含む。撮像部は、第1情報によって特定される工程が開始された場合に撮像を開始し、第2情報によって特定される工程が終了した場合に撮像を終了する。
【0131】
第5項に記載のウエアラブルデバイスによれば、工程情報に基づいて撮像が行われるので、必要なシーンの撮り逃しを防止できる。また、作業者が作業に専念することができる。
【0132】
(第6項)第5項に記載のウエアラブルデバイスは、作業の開始および作業の終了が工程別に入力される入力部をさらに備える。撮像部は、入力部に第1情報によって特定される工程の作業の開始が入力された場合に撮像を開始し、入力部に第2情報によって特定される工程の作業の終了が入力された場合に撮像を終了する。
【0133】
第6項に記載のウエアラブルデバイスによれば、工程情報と各工程の作業の開始時に作業者によって行われる入力操作とに基づいて撮像が開始され、工程情報と各工程の作業の終了時に作業者によって行われる入力操作とに基づいて撮像が終了するので、必要なシーンの撮り逃しを防止できる。また、作業者が作業に専念することができる。
【0134】
(第7項)第6項に記載のウエアラブルデバイスでは、入力部は、撮像部に対する撮像の開始指示と撮像部に対する撮像の終了指示とが入力される。撮像部は、入力部に撮像の開始指示が入力された場合に撮像を開始し、入力部に撮像の終了指示が入力された場合に撮像を終了する。
【0135】
第7項に記載のウエアラブルデバイスによれば、作業者が作業中に作業の様子を任意で録画することができる。
【0136】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0137】
10 本体、11 防護グラス、12 投影部、13 表示部、13a 右眼側のディスプレイ、13b 左眼側のディスプレイ、14 撮像部、15 取付部、15a 右眼側の取付部、15b 左眼側の取付部、20 コントローラ、21,201 制御部、22,205 通信部、23,202 記憶部、30,203 入力装置、100 スマートグラス、200 PC、204 出力装置、500 録画システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6