(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022135617
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】シールボックス
(51)【国際特許分類】
F22B 37/36 20060101AFI20220908BHJP
【FI】
F22B37/36 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021035547
(22)【出願日】2021-03-05
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 昌光
(72)【発明者】
【氏名】小新田 明憲
(72)【発明者】
【氏名】白石 正人
(72)【発明者】
【氏名】竹内 直樹
(72)【発明者】
【氏名】野ヶ峯 翔
(57)【要約】
【課題】より大きな熱応力を吸収できるシールボックスを提供する。
【解決手段】ボイラ天井壁(6)の上方の空間であるペントハウス(13)内に設けられ、ボイラ天井壁を貫通する伝熱管群(15)を囲うシールボックス(20)であって、シールボックスは、前壁(21)、後壁(22)、左側壁(23)、および右側壁(24)から成る周壁(25)と、周壁を上方から覆う天井壁(26)とを有して箱状に形成され、天井壁は、伝熱管群が接続されたヘッダ(16)と溶接により固定され、周壁の下端は、ボイラ天井壁に溶接により固定され、周壁には、前壁と天井壁と後壁とに亘って連続する縦スリット(28)が設けられる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボイラ天井壁の上方の空間であるペントハウス内に設けられ、前記ボイラ天井壁を貫通する伝熱管群を囲うシールボックスであって、
前記シールボックスは、前壁、後壁、左側壁、および右側壁から成る周壁と、前記周壁を上方から覆う天井壁とを有して箱状に形成され、
前記天井壁は、前記伝熱管群が接続されたヘッダと溶接により固定され、
前記周壁の下端は、前記ボイラ天井壁に溶接により固定され、
前記周壁には、前記前壁と前記天井壁と前記後壁とに亘って連続する縦スリットが設けられることを特徴とするシールボックス。
【請求項2】
請求項1に記載のシールボックスにおいて、
前記縦スリットは、前記シールボックスの長手方向に互いに間隔を空けて複数設けられることを特徴とするシールボックス。
【請求項3】
請求項1または2に記載のシールボックスにおいて、
前記縦スリットは、耐熱性を有する第1のシート部材により覆われていることを特徴とするシールボックス。
【請求項4】
請求項3に記載のシールボックスにおいて、
前記第1のシート部材は、押えプレートを介してボルトにより前記周壁に固定されることを特徴とするシールボックス。
【請求項5】
請求項4に記載のシールボックスにおいて、
前記第1のシート部材の下端は前記周壁の下端より高い位置に固定されることを特徴とするシールボックス。
【請求項6】
請求項1~5の何れか1項に記載のシールボックスにおいて、
前記周壁のうち少なくとも前記前壁と前記後壁とには、熱応力を吸収するためのエキスパンションが前記シールボックスの長手方向の全体に亘って設けられていることを特徴とするシールボックス。
【請求項7】
請求項6に記載のシールボックスにおいて、
前記エキスパンションは、断面がコ字状に形成されると共に、前記周壁から外方に突出していることを特徴とするシールボックス。
【請求項8】
請求項1~7の何れか1項に記載のシールボックスにおいて、
前記周壁には、前記前壁と前記左側壁と前記後壁とに亘って連続する第1の横スリットおよび前記前壁と前記右側壁と前記後壁とに亘って連続する第2の横スリットが設けられることを特徴とするシールボックス。
【請求項9】
請求項8に記載のシールボックスにおいて、
前記第1の横スリットおよび前記第2の横スリットは、それぞれ上下方向に互いに間隔を空けて複数設けられることを特徴とするシールボックス。
【請求項10】
請求項8または9に記載のシールボックスにおいて、
前記第1の横スリットおよび前記第2の横スリットは、耐熱性を有する第2のシート部材により覆われていることを特徴とするシールボックス。
【請求項11】
ボイラ天井壁の上方の空間であるペントハウス内に設けられ、前記ボイラ天井壁を貫通する伝熱管群を囲うシールボックスであって、
前記シールボックスは、前壁、後壁、左側壁、および右側壁から成る周壁と、前記周壁を上方から覆う天井壁とを有して箱状に形成され、
前記天井壁は、前記伝熱管群が接続されたヘッダと溶接により固定され、
前記周壁の下端は、前記ボイラ天井壁に溶接により固定され、
前記周壁のうち少なくとも前記前壁と前記後壁とには、熱応力を吸収するためのエキスパンションが前記シールボックスの長手方向の全体に亘って設けられ、
前記エキスパンションは、断面がコ字状に形成されると共に、前記周壁から外方に突出していることを特徴とするシールボックス。
【請求項12】
請求項11に記載のシールボックスにおいて、
前記エキスパンションは、前記周壁の上下方向に互いに間隔を空けて複数設けられることを特徴とするシールボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボイラ天井壁とボイラ天井壁を貫通する伝熱管群との間の隙間を覆って、ペントハウス内に燃焼灰等が侵入するのを防止するためのシールボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
ボイラの火炉内には過熱器などの熱交換器を構成する伝熱管群が多数吊り下げられており、これら伝熱管群は、水壁管であるボイラ天井壁を貫通して各ヘッダ(管寄せとも言う)に接続されている。各ヘッダはボイラ建屋のペントハウス内に設置されたマニホールドに接続されており、伝熱管群を流れる流体はヘッダを介してマニホールドに集められる。
【0003】
火炉で生成された燃焼灰はボイラ天井壁とボイラ天井壁を貫通する伝熱管群との間の隙間からペントハウス内に侵入するため、これを防止するためにペントハウス内にはシールボックスが設けられている。
【0004】
この種のシールボックスは、多数の伝熱管群を覆う箱状に形成されており、シールボックスの周壁の下端がボイラ天井壁に溶接により固定され、シールボックスの天井壁がヘッダに溶接により固定されている。ボイラ天井壁とマニホールドとではかなりの温度差があるため、両者の熱伸びの差によって、シールボックスには上下方向に熱応力が作用する。この熱応力を吸収するために、シールボックスには、例えば、W型のエキスパンションが設けられている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、火炉内の燃焼ガス温度の高温化が進んでおり、ヘッダやマニホールドを流れる流体(蒸気)の温度も高温化されている。そのため、上記した熱伸びの差も大きくなり、シールボックスの上下方向に作用する熱応力も大きくなる。シールボックスが熱応力を吸収できずに亀裂が入ると、燃焼灰がその亀裂を介してペントハウス内に侵入してしまうため、シールボックスにはこれまで以上に熱応力を吸収できる構造が求められる。
【0007】
本発明は、上記した実状に鑑みてなされたもので、その目的は、より大きな熱応力を吸収できるシールボックスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一態様は、ボイラ天井壁の上方の空間であるペントハウス内に設けられ、前記ボイラ天井壁を貫通する伝熱管群を囲うシールボックスであって、前記シールボックスは、前壁、後壁、左側壁、および右側壁から成る周壁と、前記周壁を上方から覆う天井壁とを有して箱状に形成され、前記天井壁は、前記伝熱管群が接続されたヘッダと溶接により固定され、前記周壁の下端は、前記ボイラ天井壁に溶接により固定され、前記周壁には、前記前壁と前記天井壁と前記後壁とに亘って連続する縦スリットが設けられることを特徴とする。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本発明の別の態様は、ボイラ天井壁の上方の空間であるペントハウス内に設けられ、前記ボイラ天井壁を貫通する伝熱管群を囲うシールボックスであって、前記シールボックスは、前壁、後壁、左側壁、および右側壁から成る周壁と、前記周壁を上方から覆う天井壁とを有して箱状に形成され、前記天井壁は、前記伝熱管群が接続されたヘッダと溶接により固定され、前記周壁の下端は、前記ボイラ天井壁に溶接により固定され、前記周壁のうち少なくとも前記前壁と前記後壁とには、熱応力を吸収するためのエキスパンションが前記シールボックスの長手方向の全体に亘って設けられ、前記エキスパンションは、断面がコ字状に形成されると共に、前記周壁から外方に突出していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、より大きな熱応力を吸収できる。なお、上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明が適用されるボイラの全体構造を示す側面図である。
【
図2】第1実施形態に係るシールボックスの外観斜視図である。
【
図3】シールボックスのスリットを耐熱クロスで覆った状態の外観斜視図である。
【
図4】
図3に示すシールボックスを仮想平面Pで切断してA方向から見た縦断面図である。
【
図5】耐熱クロスを天井壁に取り付けた状態を示す断面図であって、
図3のB-B方向矢視断面図である。
【
図6】耐熱クロスを前壁に取り付けた状態を示す断面図であって、
図3のC-C方向矢視断面図である。
【
図7】第2実施形態に係るシールボックスの外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0013】
<第1実施形態>
図1はボイラの全体構造を示す側面図である。本発明に係るシールボックスは、例えば
図1に示すボイラ1に適用される。なお、本明細書において、前後、上下、および左右の方向は、各図に示す通り定義する。
【0014】
図1に示すボイラ1は、例えば発電用設備に設置される。ボイラ1は、微粉炭などの燃料を燃焼するための火炉2と、ケージ部3と、火炉2とケージ部3とを繋ぐ副側壁4と、を備える。火炉2で発生した燃焼ガスは、燃焼ガスの流路である副側壁4およびケージ部3を流れた後、図示しないガス処理装置を経て大気へと排出される。
【0015】
火炉2は、火炉側壁5と火炉天井壁(ボイラ天井壁)6とを備え、鉄骨10から吊りボルト11で吊り下げられている。火炉側壁5および火炉天井壁6は、図示しない伝熱管とフィンバーとを交互に溶接することによって壁状に製作され、各伝熱管の内部に水が流れるよう構成されている。
【0016】
火炉2、副側壁4、およびケージ部3の内部には、多数の伝熱管(伝熱管群)15からなる熱交換器が複数設置されている。なお、これら熱交換器は、例えば、過熱器、再熱器、節炭器などを含む。高温の燃焼ガスは、火炉2、副側壁4、およびケージ部3を流れる過程で伝熱管群15内の流体と熱交換する。これにより、高温の過熱蒸気が生成される。
【0017】
火炉天井壁6の上方(火炉天井壁6と鉄骨10との間の空間)にはペントハウス(天井室)13が設けられている。ペントハウス13にはヘッダ(管寄せ)16およびマニホールド17が吊りボルト12で吊り下げられている。伝熱管群15は、ヘッダ16と接続されており、火炉天井壁6に開口された伝熱管貫通部7(
図4参照)を貫通して火炉2内に吊り下げられる。
【0018】
ここで、伝熱管貫通部7と伝熱管群15との間の隙間からペントハウス13内に燃焼灰が侵入するのを防止するために、ペントハウス13内には、伝熱管群15を囲うようにシールボックス20が設けられている。以下、本発明の第1実施形態に係るシールボックス20の構造について説明する。
【0019】
(シールボックスの構造)
図2は第1実施形態に係るシールボックス20の外観斜視図、
図3はシールボックス20のスリットを耐熱クロスで覆った状態の外観斜視図、
図4は
図3に示すシールボックスを仮想平面Pで切断してA方向から見た縦断面図である。
【0020】
これらの図に示すように、シールボックス20は、前壁21、後壁22、左側壁23、および右側壁24から成る周壁25と、この周壁25を上方から覆う天井壁26とを有して箱状に形成されている。天井壁26はヘッダ16と溶接により固定され、周壁25の下端部は火炉天井壁6と溶接により固定される。これにより、火炉天井壁6とヘッダ16との間の空間R(
図4参照)がシールボックス20により密閉される。
【0021】
さらに、シールボックス20には、縦スリット28および複数の横スリット29(29a,29b)が設けられている。具体的には、縦スリット28は、前壁21と天井壁26と後壁22とに亘って、所定の幅で連続して設けられる。そして、縦スリット28は、その両端部が前壁21および後壁22の下端から若干高い位置まで延在している(
図6参照)。なお、
図2において、縦スリット28は、長手方向(
図2の左右方向)の略中央に1つ設けられているが、その数は1つに限定されない。即ち、複数の縦スリット28が長手方向に間隔を空けて設けられていても良い。
【0022】
また、左側の横スリット(第1の横スリット)29aは、シールボックス20の左側に上下に間隔を空けて2つ設けられる。各横スリット29aは、前壁21と左側壁23と後壁22とに亘って、所定の幅で連続して設けられる。同様に、右側の横スリット(第2の横スリット)29bは、シールボックス20の右側に上下に間隔を空けて2つ設けられる。各横スリット29bは、前壁21と右側壁24と後壁22とに亘って、所定の幅で連続して設けられる。なお、
図2において、横スリット29aと横スリット29bとは同じ高さ位置に設けられているが、異なる高さ位置に設けられていても良い。また、横スリット29の数が2つに限定されない。横スリット29の数は1つでも良いし、3つ以上であっても良い。
【0023】
さらに、シールボックス20の周壁25のうち前壁21と後壁22とには、熱応力を吸収するためのエキスパンション27が長手方向の概ね全体に亘って、かつ、上下方向に間隔を空けて2つ設けられている。このエキスパンション27は、
図4に示すように、断面がコ字状に形成されると共に、周壁25(前壁21、後壁22)から外方に突出している。そして、エキスパンション27は、横スリット29と同じ高さ位置にて、横スリット29と連続するように設けられている。なお、エキスパンション27の形状は、シールボックス20の上下方向に作用する熱応力を吸収できれば、断面がコ字形のもの以外であっても良い。
【0024】
そして、
図3に示すように、シールボックス20には、縦スリット28を全体的に覆うように耐熱クロス(第1のシート部材)35が設けられており、各横スリット29を全体的に覆うように複数の耐熱クロス(第2のシート部材)36が設けられている。これら耐熱クロス35,36は、例えば500℃まで使用可能な耐熱繊維素材(ガラス繊維など)を編んで布状に形成されており、厚さが例えば30mm程度であるが、使用環境下に適したものであれば、素材や厚さ等は適宜選択できる。なお、
図3において、左側の横スリット29aを覆う耐熱クロス36についての図示は省略している。
【0025】
次に、耐熱クロス35,36の取付構造について説明する。なお、耐熱クロス35と耐熱クロス36の取付構造は同じであるため、耐熱クロス35の取付構造を例に挙げて説明する。
図5は耐熱クロス35を天井壁26に取り付けた状態を示す断面図であって、
図3のB-B方向矢視断面図である。また、
図6は耐熱クロス35を前壁21に取り付けた状態を示す断面図であって、
図3のC-C方向矢視断面図である。
【0026】
図5に示すように、耐熱クロス35は、縦スリット28を覆うように天井壁26の上面に配置されており、耐熱クロス35の両縁部は、押えプレート40を介してボルト41およびナット42により天井壁26に固定されている。これにより、シールボックス20内の密閉性は確保されている。即ち、耐熱クロス35は、天井壁26との間に隙間が生じないように、天井壁26に密着するように取り付けられている。なお、押えプレート40は、例えば金属製の板材から成るが、耐熱性を有していれば材質は問わない。
【0027】
また、
図6に示すように、耐熱クロス35は、縦スリット28を覆うようにして前壁21の前面に配置されており、耐熱クロス35の両縁部は、押えプレート40を介してボルト41およびナット42により前壁21に固定されている。そして、
図6に示す通り、耐熱クロス35の下端は、縦スリット28を完全に覆いつつ、前壁21のうち火炉天井壁6より若干高い位置に固定されている。別言すると、耐熱クロス35は火炉天井壁6には固定されていない。これは、火炉天井壁6は伝熱管とフィンバーで構成されているため、耐熱クロス35の取り付けが困難だからである。なお、図示は省略しているが、耐熱クロス35と後壁22との固定も
図6と同様に行われている。
【0028】
このように構成された第1実施形態に係るシールボックス20によれば、次のような作用効果を奏することができる。
【0029】
シールボックス20にはエキスパンション27が設けられているため、シールボックス20の上下方向に作用する熱応力を吸収できる。しかも、シールボックス20には縦スリット28および横スリット29が設けられているため、マニホールド17と火炉天井壁6との熱伸びの差によるシールボックス20の変形を縦スリット28および横スリット29により吸収できる。その結果、シールボックス20(特に溶接部)に亀裂が入るのを防止でき、その亀裂からペントハウス13内に燃焼灰が侵入するのを防止できる。そして、ペントハウス13内に配置された配管類の点検も容易に行うことができる。このように、本実施形態は、縦スリット28および横スリット29を備えているため、エキスパンション27だけではシールボックス20に作用する熱応力を吸収できないような過酷な使用環境において、より一層効果を発揮する。
【0030】
また、縦スリット28および横スリット29は耐熱クロス35,36により完全に覆われているため、シールボックス20の密閉性は確保されている。また、シールボックス20が熱により変形したとしても、その変形に応じて耐熱クロス35,36が撓むことで、縦スリット28および横スリット29は常に耐熱クロス35,36によって覆われた状態に保たれる。よって、ペントハウス13内に燃焼灰が入り込むことはない。
【0031】
<第2実施形態>
図7は第2実施形態に係るシールボックス120の外観斜視図である。第2実施形態に係るシールボックス120は、第1実施形態に係るシールボックス20と比べて、縦スリット28および横スリット29が設けられていない点で相違する。そのため、第2実施形態では、耐熱クロス35,36も設けられていない。
【0032】
第2実施形態では、コ字状断面のエキスパンション27が上下方向に2つ設けられているから、シールボックス120の上下方向に作用する熱応力は十分に吸収できる。しかも、スリットがないため、構造が簡単であることに加えて、耐熱クロスも設けなくて済むためコスト削減も見込める。なお、第2実施形態に係るシールボックス120は、第1実施形態に比べて温度差が比較的小さい使用環境下で用いられるのが効果的である。
【0033】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【0034】
例えば、シールボックス20に作用する熱応力が比較的小さい場合には、横スリット29a,29bを設けなくても良い。即ち、シールボックス20は、縦スリット38とエキスパンション27を備えたボックス形状としても良い。
【0035】
また、使用環境の条件次第では、シールボックス20に縦スリット28および横スリット29のうち少なくとも一方を設け、エキスパンション27を省略しても良い。即ち、
図3に示すシールボックス20からエキスパンション27を取り除き、縦スリット28および横スリット29を任意に設けたシールボックスをペントハウス13内に設置しても良い。
【符号の説明】
【0036】
1 ボイラ
2 火炉
3 ケージ部
4 副側壁
5 火炉側壁
6 火炉天井壁(ボイラ天井壁)
7 伝熱管貫通部
10 鉄骨
11,12 吊りボルト
13 ペントハウス
15 伝熱管群
16 ヘッダ
17 マニホールド
20 シールボックス
21 前壁
22 後壁
23 左側壁
24 右側壁
25 周壁
26 天井壁
27 エキスパンション
28 縦スリット
29(29a,29b) 横スリット(第1の横スリット、第2の横スリット)
35 耐熱クロス(第1のシート部材)
36 耐熱クロス(第2のシート部材)
40 押えプレート
41 ボルト
42 ナット