(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022135635
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】雨よけ装置
(51)【国際特許分類】
E04G 21/28 20060101AFI20220908BHJP
【FI】
E04G21/28 B
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021035576
(22)【出願日】2021-03-05
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】521095880
【氏名又は名称】片山鐵工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100194467
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 健文
(72)【発明者】
【氏名】片山 友裕
(57)【要約】
【課題】柱の周りだけでなく、その他の箇所に対しても設置できる上に、防水シートを収納した際のスペースを削減できると共に防水シートを広げる際にも容易に広げることができる雨よけ装置を提供する。
【解決手段】雨よけ装置1は、構造物6の要防水部Y1に使用される雨よけ装置1である。雨よけ装置1は、設置面X1に対して着脱可能に取り付けられるベース部21と、ベース部21に支持され、要防水部Y1を覆って雨水を遮るシート部3と、を備える。シート部3は、ベース部21に対して回転可能に支持されたシャフト31と、シャフト31に対し、長手方向の一端が固定されかつ巻き回し可能な防水シート32と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物の要防水部に使用される雨よけ装置であって、
設置面に対して着脱可能に取り付けられるベース部と、
前記ベース部に支持され、前記要防水部を覆って雨水を遮るシート部と、
を備え、
前記シート部は、
前記ベース部に対して回転可能に支持されたシャフトと、
前記シャフトに対し、長手方向の一端が固定されかつ巻き回し可能な防水シートと、
を有する、
雨よけ装置。
【請求項2】
前記ベース部に対し、複数の前記シート部が取り付けられている、
請求項1記載の雨よけ装置。
【請求項3】
前記複数のシート部の各々のシャフトは、互いに平行でかつ前記シャフトの長手方向に直交する方向に並ぶように配置されている、
請求項2記載の雨よけ装置。
【請求項4】
前記複数のシャフトを互いに反対方向に回転するように連動させる連動機構を更に備える、
請求項3記載の雨よけ装置。
【請求項5】
前記シャフトを回転軸を中心に回転させる操作ハンドルを更に備える、
請求項1~4のいずれか一項に記載の雨よけ装置。
【請求項6】
前記防水シートは長手方向の先端部に形成された磁着部を有する、
請求項1~5のいずれか一項に記載の雨よけ装置。
【請求項7】
前記ベース部に取り付けられ、前記シャフトに巻き回された状態の前記防水シートを覆う天板部を更に備える、
請求項1~6のいずれか一項に記載の雨よけ装置。
【請求項8】
前記天板部は、
前記磁着部が磁着可能な金属板からなる天板本体と、
前記天板本体の上面に取り付けられ、前記磁着部が滑るのを妨げる滑り止め体と、
を有する、
請求項6を引用する請求項7に記載の雨よけ装置。
【請求項9】
前記天板部は取付け穴を有し、
前記雨よけ装置は、前記取付け穴に取り付けられ、前記要防水部を覆った状態の前記防水シートの上から前記要防水部に対して巻き付け可能な長尺体を更に備える、
請求項7又は請求項8に記載の雨よけ装置。
【請求項10】
前記ベース部は、前記設置面に対して磁着可能なマグネット部を有する、
請求項1~9のいずれか一項に記載の雨よけ装置。
【請求項11】
前記ベース部における前記防水シートが引き出される側の端よりも突出し、前記防水シートから加わる力によって前記ベース部が前記設置面から外れるのを妨げる回転規制体を更に備える、
請求項1~10のいずれか一項に記載の雨よけ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雨よけ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従来の雨よけ装置が記載されている。特許文献1記載の雨よけ装置は、柱と柱との接合部、又は柱と梁との接合部に用いられている高力ボルトに対して、雨水が掛かるのを防ぐ装置である。
【0003】
雨よけ装置は、柱に巻き付けられる帯部と、帯部から四角錐状に広がる笠部と、を備える。雨よけ装置が柱と柱との接合部に用いられる場合、帯部を柱に巻きつけ、笠部を吊り下げて、当該接合部を覆う。
【0004】
雨よけ装置が柱と梁との接合部に用いられる場合、笠部を、柱と梁とを斜めに掛け渡す面取り面と、面取り面の間を覆う覆い面と、で構成する。帯部を柱に巻きつけ、柱と梁との間に、面取り面を取り付け、覆い面を設置することで、当該接合部を覆うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記特許文献1記載の雨よけ装置は、柱に対して帯部を巻き付けて、上端を支えているため、笠部を柱の周りにしか配置することができない。このため、特許文献1記載の雨よけ装置では、笠部によって覆うことができる範囲が、柱の周りに限定されるという問題がある。
【0007】
また、上記雨よけ装置は、使用しないときには、笠部を折り畳んでおくが、折り畳んだ状態でも比較的大きい上に、使用時に折り畳んだ状態から広げるのに、比較的手間が掛かるという問題もある。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされ、柱の周りだけでなく、その他の箇所に対しても設置できる上に、防水シートを収納した際のスペースを削減できると共に防水シートを広げる際にも容易に広げることができる雨よけ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る一態様の雨よけ装置は、構造物の要防水部に使用される雨よけ装置であって、設置面に対して着脱可能に取り付けられるベース部と、前記ベース部に支持され、前記要防水部を覆って雨水を遮るシート部と、を備える。前記シート部は、前記ベース部に対して回転可能に支持されたシャフトと、前記シャフトに対し、長手方向の一端が固定されかつ巻き回し可能な防水シートと、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る上記態様の雨よけ装置は、柱の周りだけでなく、その他の箇所に対しても設置できる上に、防水シートを収納した際のスペースを削減できると共に防水シートを広げる際にも容易に広げることができる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る雨よけ装置を用いて、要防水部を防水シートで覆った状態の斜視図である。
【
図2】
図2は、同上の雨よけ装置を設置面に取り付けた状態の斜視図である。
【
図3】
図3は、同上の雨よけ装置の分解斜視図である。
【
図5】
図5は、同上の雨よけ装置を用いて要防水部を防水シートで覆い、雨よけ装置を長尺体で設置面に保持させた状態の斜視図である。
【
図6】
図6は、同上の雨よけ装置の連動機構を説明する断面図であり、防水シートを巻き上げた状態を示している。
【
図7】
図7は、同上の雨よけ装置の連動機構を説明する断面図であり、防水シートを繰り出した状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施形態>
【0013】
本実施形態に係る雨よけ装置1は、
図1に示すように、構造物6の雨よけが必要な部分(これを「要防水部Y1」という)に使用し、要防水部Y1を雨水から保護する装置である。雨よけ装置1は、防水シート32を有しており、構造物6の要防水部Y1を防水シート32で覆うことで、要防水部Y1に雨水が掛かるのを防ぐことができる。
【0014】
本発明にいう「構造物6」としては、例えば、建築物、橋梁、タワー等が挙げられる。建築物としては、住宅建築物、非住宅建築物又は複合建築物のいずれであってもよい。住宅建築物としては、例えば、戸建て住宅、共同住宅、長屋住宅等が挙げられる。共同住宅としては、例えば、アパート、低層マンション、高層マンション、タワーマンション等が挙げられ、長屋住宅としては、例えば、テラスハウス、タウンハウス等が挙げられる。非住宅建築物としては、例えば、倉庫、工場、店舗、体育館、病院、テナントビル等が挙げられる。建築物は、木造、鉄骨造(軽量鉄骨造、及び重量鉄骨造も含む)、RC(Reinforced Concrete)造、SRC(Steel Reinforced Concrete)造等のいずれであってもよい。本実施形態に係る構造物6として、重量鉄骨造の建築物を例示して説明する。
【0015】
本明細書でいう「要防水部Y1」は、上述したように、構造物6における雨よけが必要な部分を意味する。要防水部Y1は、例えば、ボルト624(例えば、高力ボルト)により組み立てられた部材同士の接合部62、濡れると強度が低下する部分、浸水すると凍結により破損が生じやすい部分等が挙げられる。本実施形態に係る要防水部Y1は、部材同士が複数の高力ボルトを用いて固定された接合部62である。
【0016】
接合部62としては、例えば、柱と横架材61との接合部62、横架材61と横架材61との接合部、柱と柱との接合部等が挙げられる。ここでいう「横架材61」は、略水平に延びる材である。横架材61としては、例えば、梁、桁、母屋、胴差、軒桁等が挙げられる。梁には、例えば、大梁、小梁、つなぎ梁等が含まれる。接合部62としては、ブラケット工法及びノンブラケット工法のいずれの接合部62であってもよいが、本実施形態では、ブラケット工法における接合部62を一例として説明する。
(1)接合部
【0017】
接合部62は、
図2に示すように、ブラケット621の端部と、当該端部に隣接する梁本体622の端部と、これら端部を連結する複数の連結板623と、複数のボルト624と、を備える。本実施形態に係る横架材61は、一対のフランジ611と、一対のフランジ611をつなぐウェブ612と、で構成されている。なお、本明細書でいう「ボルト」は、ボルト及びナットを意味する。
【0018】
ブラケット621は、横架材61の一部をなす。ブラケット621は、柱の側面から水平面に沿って突出しており、柱に対して固定されている。梁本体622は、横架材61の主体を構成する。梁本体622は、一直線に沿って形成されている。梁本体622の長手方向の両端部の各々は、ブラケット621の端部に接合される。ブラケット621の端部及び梁本体622の端部には、ボルト624を通すための複数の貫通穴が形成されている。
【0019】
連結板623は、ブラケット621の端部と梁本体622の端部に跨るようにして取り付けられる。連結板623は、長手方向の中央から一方の端部側の領域にブラケット621の端部が固定され、他方の端部側の領域に梁本体622の端部が固定される。連結板623には複数の貫通穴が形成されている。ブラケット621の端部と連結板623の一端部、及び梁本体622の端部と連結板623の他端部は、ボルト624によって固定されている。連結板623は、横架材61のフランジ611と、ウェブ612との少なくとも一方(ここでは、両方)に沿って配置されている。
【0020】
ボルト624は、複数の部材の重なり合う部分を締結し、これにより両部材を固定する。本実施形態に係るボルト624は、高力ボルトであるが、本発明では、他の鋼材によって形成されたボルトであってもよい。高力ボルトとしては、例えば、トルシア形高力ボルト(高力TCボルト、SHTB)、高力六角ボルト、耐候性高力ボルト等が挙げられる。トルシア形高力ボルトは、ピンテールを有しており、所定の締め付けトルクが作用した際に、ピンテールが破断され締め付けが終了するボルトである。
【0021】
本実施形態では、接合部62が「要防水部Y1」である。高力ボルトは、水濡れした状態で締結されると、適切な締結力が得られない。このため、高力ボルトの締結前(2次締め前)に降雨する際には、雨水を遮り、接合部62を防水する必要がある。
(2)雨よけ装置
【0022】
雨よけ装置1は、要防水部Y1を覆って、雨水を遮る装置である。雨よけ装置1は、
図2に示すように、筐体2と、防水シート32を有するシート部3と、連動機構4(
図6)と、長尺体5(
図5)と、を備える。
(2.1)筐体
【0023】
筐体2は、防水シート32を納める箱状の部材である。筐体2内には防水シート32の長手方向の一端部が取り付けられており、
図2に示すように、当該防水シート32が収納されると共に、収納された状態の防水シート32を、
図1に示すように、筐体2内から引き出すことができる。筐体2の材質としては、特に制限はないが、例えば、金属、合成樹脂、FRP(Fiberglass Reinforced Plastics)、カーボン、木材等が挙げられる。筐体2は、
図3に示すように、ベース部21と、天板部26と、一対の回転規制体27と、を備える。
【0024】
ベース部21は、雨よけ装置1の土台となる部分であり、設置面X1に対して着脱可能に取り付けられる。ベース部21は、少なくとも、設置面X1に対向する面を有している。ベース部21は、底板22と、シート部3を支持する一対の側壁板23と、一対の補強板24と、を備える。
【0025】
ここで「設置面X1」とは、雨よけ装置1が設置される面を意味する。本実施形態に係る設置面X1は、
図2に示すように、接合部62の上面(横架材61のフランジ611の上面に載った連結板623の上面)である。本実施形態に係る設置面X1は、複数のボルト624の先端部の列同士の間の平面部分で構成されている。設置面X1は、平面であることが好ましいが、ベース部21が設置できれば、例えば、凹凸面、曲面、段差面等であってもよい。
【0026】
底板22は、設置面X1に対向する板である。底板22は、
図3に示すように、平板であり、上方から見て(以下、平面視)略矩形状に形成されている。より詳しくは、底板22は、長細形状に形成されており、底板22の長手方向は、横架材61の長手方向に略並行となるように設置される。ここでいう「細長形状」は、平面視において長さ寸法が、幅寸法に対して2倍以上であることを意味するが、より好ましくは5倍以上、更に好ましくは9倍以上である。ただし、本発明では、底板22は細長形状でなくてもよく、例えば、正方形であってもよいし、楕円形であってもよいし、円形状であってもよい。
【0027】
側壁板23は、底板22から立ち上げられて、シート部3のシャフト31を支持する。側壁板23は、底板22の長手方向の両端から上方向に突出しており、一対の側壁板23同士は互いに対向する。各側壁板23には、一対の貫通穴231が形成されている。対向する貫通穴231にはシャフト31が回転可能に架け渡される。シャフト31の回転軸は、底板22の長手方向に略平行である。また、隣り合うシャフト31の回転軸同士は、略平行で、かつ底板22の下面と略平行な仮想平面上に位置している。
【0028】
補強板24は、一対の側壁板23を連結し、これによって側壁板23を補強する板である。補強板24は、底板22の幅方向の両端縁に沿うように配置され、底板22の当該端縁から立ち上がっている。補強板24の各々には、回転規制体27が取り付けられている。回転規制体27については、後に詳述する。
【0029】
ベース部21は、設置面X1に対して磁着可能な複数のマグネット部25を有する。マグネット部25は、ベース部21を設置面X1に磁着することで、ベース部21を設置面X1に対して取外し可能に取り付けることができる。複数のマグネット部25は、
図4に示すように、ベース部21の長手方向に一定のピッチで配置され、かつ幅方向の中央に一つと、幅方向の両端部に二つとが、ベース部21の長手方向に交互に配置されている。各マグネット部25は、永久磁石であり、例えばネオジム磁石であるが、これに限らず、電磁石であってもよい。
【0030】
天板部26は、筐体2内に収納された防水シート32を覆う。天板部26は、ベース部21に取り付けられており、より詳しくは、一対の側壁板23の上端に対し、ねじ止めにより取り付けられている。天板部26は、
図3に示すように、底板22に略平行な天板本体261と、天板本体261の幅方向の端部に設けられた一対の庇262と、複数の滑り止め体264と、を備える。各庇262は、幅方向において先端にいくほど下方向にいくように、天板本体261に対して傾斜している。本実施形態では、天板本体261と一対の庇262とは、金属板で構成されており、プレス加工によって一体に形成されている。
【0031】
庇262には、長尺体5を取り付けるための取付け穴263が形成されている。取付け穴263は、天板部26の長手方向に平行に延びた長穴状に形成されており、庇262を貫通している。雨よけ装置1は、設置面X1に対して、磁着によってベース部21が保持されており、一定の力で保持されているが、一定以上の力が加わると設置面X1から外れる可能性がある。このため、長尺体5を用いて、雨よけ装置1が落下しないように設置面X1上に保持される。
【0032】
例えば、
図5に示すように、横架材61の設置面X1上に雨よけ装置1を載せ、要防水部Y1を防水シート32で覆った状態で、長尺体5の長手方向の一端を一方の取付け穴263に接続し、長尺体5の他端を、横架材61の下方を通し、他方の取付け穴263に接続する。これによって、雨よけ装置1を設置面X1上に保持させ、設置面X1から脱落するのを妨げることができる。
【0033】
また、
図3に示すように、庇262には、万が一、ベース部21が設置面X1から外れても、雨よけ装置1が落下するのを防ぐ脱落防止ワイヤ265が連結されている。脱落防止ワイヤ265は、長手方向の両端が輪状に形成されており、一端が庇262に接続され、他端が横架材61の任意の位置に接続される。これにより、雨よけ装置1が設置面X1から外れても、雨よけ装置1が落下するのを防ぐことができる。
【0034】
滑り止め体264は、天板本体261の上面に貼り付けられている。滑り止め体264は、天板部26の長手方向に延びた帯状に形成されている。滑り止め体264の表面は、天板本体261の上面よりも静止摩擦係数が大きくなっている。ここで、後述の「(2.2)シート部」で詳細に説明するが、防水シート32には、先端部に磁着部33が形成されている。このため、
図2に示すように、防水シート32の磁着部33を天板本体261に磁着させた際、滑り止め体264は、磁着部33が天板本体261の上面に沿って滑るのを妨げる。
【0035】
回転規制体27は、設置面X1上に取り付けられた筐体2が傾くことで、ベース部21が設置面X1から外れるのを妨げる部材である。回転規制体27は、
図3に示すように、ベース部21の補強板24に取り付けられており、ベース部21における防水シート32が引き出される側の端(すなわち、ベース部21の幅方向の端)から突出している。回転規制体27がベース部21に設けられることで、設置面X1に対してベース部21が傾こうとしても、回転規制体27が設置面X1に当たり、ベース部21が設置面X1から外れるのを防ぐことができる。したがって、例えば、防水シート32を筐体2から引き出す際、防水シート32から筐体2に対して加わる力によって、筐体2が倒れるのを防ぐことができる。
【0036】
回転規制体27は、本実施形態では、略L字状に形成されている。ただし、本発明では、回転規制体27は、ベース部21の幅方向の端から突き出ていればよく、L字状のほか、例えば、T字状、V字状、Y字状等に形成されてもよい。
(2.2)シート部
【0037】
シート部3は、要防水部Y1を覆って雨水を遮る。シート部3は、一対の側壁板23によって支持される。シート部3は、
図3に示すように、複数(ここでは二つ)のシャフト31と、複数(ここでは二つ)の防水シート32と、各防水シート32に取り付けられた複数の磁着部33と、を備える。
【0038】
シャフト31は、ベース部21の一対の側壁板23に対して回転可能に支持される。シャフト31の回転軸は、ベース部21の長手方向に略平行であり、対向する貫通穴231の一対の中心を通る。シャフト31は、貫通穴231に直接的に支持されているが、例えば、ベアリングを介して支持されてもよい。
【0039】
シャフト31には一対の鍔部311が固定されている。鍔部311は、シャフト31の回転軸方向において、防水シート32の両側に配置されている。鍔部311によれば、防水シート32が巻き回される際に、防水シート32がシャフト31の回転軸方向にずれるのを防ぐことができる。
【0040】
また、シャフト31には、シャフト31を、回転軸を中心に回転させる操作ハンドル34が設けられる。本実施形態に係る一対のシャフト31は、後述の連動機構4によって、一方のシャフト31と他方のシャフト31とが連動する。このため、操作ハンドル34は、一対のシャフト31のうちの一方のシャフト31にのみ設けられている。連動機構4を有さない場合には、一対のシャフト31の各々に操作ハンドル34が設けられてもよい。
【0041】
操作ハンドル34は、シャフト31の回転軸に直交する方向に延びた棒状に形成されている。操作ハンドル34は、長手方向の一端が扁平に潰されて抜け止め加工されている。ただし、操作ハンドル34としては、棒状に形成されてなくてもよく、例えば、シャフト31の端部に取り付けられたゴム等からなるグリップ、シャフト31の端部をローレット加工等の凹凸加工がされた滑り止め部、又はクランクハンドル等で構成されてもよい。
【0042】
防水シート32は、要防水部Y1を覆うシート材である。防水シート32は、長手方向の一端がシャフト31に固定されている。したがって、シャフト31が一方向に回転すると、防水シート32はシャフト31によって巻き上げられる。また、シャフト31が他方向に回転すると、防水シート32は、シャフト31から繰り出される。
【0043】
防水シート32は、防水性及び柔軟性を有している。防水シート32としては、特に制限はないが、例えば、加硫ゴム系シート、非加硫ゴム系シート、塩化ビニル樹脂系シート、エチレン酢酸ビニル樹脂系シート、熱可塑性エラストマ系シート、ポリエチレン樹脂系シート、防水紙等が挙げられる。また、防水シート32は、布又は織物に対し、塩化ビニル樹脂系シートを積層したターポリン等の複合シートであってもよい。
【0044】
防水シート32は、シャフト31に巻き回された状態で、筐体2に収納される。防水シート32の先端部は、筐体2のスリット状の開口から引き出されている。筐体2のスリット状の開口は、補強板24の上端と天板部26の庇262の先端との間で形成されている。
【0045】
磁着部33は、磁性体によって構成されている。磁着部33は、防水シート32の長手方向において、シャフト31に固定された側の端部とは反対側の端部(つまり先端部)に設けられる。本実施形態に係る磁着部33は、磁気を帯びており、磁力によって、横架材61に対して保持させることができるし、また、例えば横架材61の下方で、磁着部33同士を保持させることができる。
【0046】
磁着部33は、防水シート32の長手方向に直交する方向(幅方向)の全長にわたって形成されている。これによって、
図1に示すように、磁着部33を横架材61に磁着させることで、風等によって防水シート32が捲れ上がることを抑制することができ、適切に雨水を遮ることができる。また、防水シート32を筐体2から引き出す際、磁着部33を掴んで防水シート32を引き出しても、防水シート32の幅方向に均等な力で引き出すことができる。ただし、磁着部33は、防水シート32の幅方向の全長にわたって連続している必要はなく、断続的に設けられてもよいし、幅方向の中央と両端とに部分的に設けられてもよい。
【0047】
二つの防水シート32は、筐体2に対し、筐体2の幅方向の互いに反対方向に沿って引き出される。このため、
図1に示すように、横架材61の長手方向に対し、筐体2の長手方向を沿わせるようにしてベース部21を設置すると、二つの防水シート32によって、横架材61の幅方向の両側にある要防水部Y1を覆うことができる。この二つの防水シート32は独立して引き出し可能であってもよいが、本実施形態では、一方の防水シート32を引き出すと、これに連動して、他方の防水シート32も引き出されるような連動機構4を有している。
(2.3)連動機構
【0048】
本実施形態に係る雨よけ装置1は、複数のシャフト31に対して、一対一で、防水シート32が取り付けられている。連動機構4は、シャフト31の長手方向に直交する方向に並ぶ複数のシャフト31が、互いに反対方向に回転するように連動させる。連動機構4は、
図3に示すように、シャフト31に固定された一対の歯車41で構成されている。
【0049】
一対の歯車41は、
図6に示すように、直接的に噛み合っている。したがって、操作ハンドル34が取り付けられたシャフト31が第一方向R1に回転すると、
図7に示すように、当該シャフト31に取り付けられている防水シート32が繰り出される。このとき、当該シャフト31の歯車41に噛み合う歯車41が回転し、隣接するシャフト31(操作ハンドル34を有さないシャフト31)が第二方向R2に回転する。すると、他方のシャフト31に取り付けられている防水シート32が繰り出される。ここでいう「第一方向R1」と「第二方向R2」は、シャフト31の回転軸を中心とした回転方向において互いに反対方向を向く。
【0050】
また、防水シート32が繰り出された状態で、操作ハンドル34を操作して、操作ハンドル34が取り付けられたシャフト31が第二方向R2に回転すると、当該シャフト31に取り付けられている防水シート32が巻き上げられる。このとき、当該シャフト31に連動して隣接するシャフト31が第一方向R1に回転し、防水シート32が巻き上げられる。
(2.4)長尺体
【0051】
長尺体5は、
図5に示すように、筐体2に形成された取付け穴263に対し、取外し可能に取り付けられて、雨よけ装置1が設置面X1から脱落しないように保持させることができる。長尺体5は、横架材61の周囲を回すことができるような長尺状に形成されている。長尺体5としては、例えば、ゴム、ワイヤ、チェーン、紐、帯等が挙げられる。本実施形態に係る長尺体5は、長尺状でかつ弾性的に変形可能なゴムバンドで構成されている。
【0052】
取付け穴263が天板部26に形成されているため、要防水部Y1を防水シート32で覆った状態で、長尺体5の長手方向の一端を一方の取付け穴263に取り付け、長尺体5の他端を、横架材61の下方を通し、他方の取付け穴263に取り付けることができる。したがって、要防水部Y1を防水シート32で覆ったままで、雨よけ装置1が設置面X1から脱落するのを防ぐことができる。また、防水シート32を収納した状態の雨よけ装置1を、設置面X1に設置した状態で、保持させることもできる。
<変形例>
【0053】
上記実施形態は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0054】
上記実施形態に係る設置面X1は、構造物6上の水平面であったが、例えば、鉛直面であってもよい。また、設置面X1は、構造物6上になくてもよく、構造物6に隣接する部材にある面を設置面X1としてもよい。
【0055】
上記実施形態に係る横架材61は、H形鋼であるが、例えば、I形鋼、T形鋼、山形鋼、溝形鋼、角形鋼等の形鋼であってもよいし、テクノストラクチャー(登録商標)等の複合材であってもよい。また、木材からなる構造材であってもよい。
【0056】
上記実施形態に係るベース部21は、マグネット部25によって、設置面X1に対して取外し可能に取り付けられたが、本発明ではこれに制限されず、例えば、万力、押しボルト等の挟持具、ねじ止め、ワイヤーによる巻き付け、回転レバー等を用いて構造物6に引っ掛けて取り付けられてもよい。
【0057】
上記実施形態に係る長尺体5および落下防止ワイヤは、庇262に接続されたが、庇262でなくてもよく、例えば、ベース部21に接続されてもよいし、側壁板23に接続されてもよい。
【0058】
上記実施形態に係る磁着部33は、両方が磁性を帯びていたが、例えば、二つのうちの一方が磁気を有し、他方が磁性体によって構成されてもよい。これにより、横架材61の下方で、磁着部33同士を接続してもよい。
【0059】
上記実施形態に係るシート部3は、一対のシャフト31が、シャフト31の回転軸に直交する方向に並ぶように配置されたが、本発明では、複数のシャフト31が一直線上に並ぶように配置されてもよい。
【0060】
本明細書にて、「略平行」、又は「略直交」のように「略」を伴った表現が、用いられる場合がある。例えば、「略平行」とは、実質的に「平行」であることを意味し、厳密に「平行」な状態だけでなく、数度程度の誤差を含む意味である。他の「略」を伴った表現についても同様である。
【0061】
また、本明細書において「前端部」及び「前端」などのように、「…部」の有無で区別した表現が用いられている。例えば、「前端部」とは、「前端」を含む一定の範囲を持つ部分を意味する。他の「…部」を伴った表現についても同様である。
<まとめ>
【0062】
以上説明したように、第1の態様に係る雨よけ装置1は、構造物6の要防水部Y1に使用される雨よけ装置1である。雨よけ装置1は、設置面X1に対して着脱可能に取り付けられるベース部21と、ベース部21に支持され、要防水部Y1を覆って雨水を遮るシート部3と、を備える。シート部3は、ベース部21に対して回転可能に支持されたシャフト31と、シャフト31に対し、長手方向の一端が固定されかつ巻き回し可能な防水シート32と、を有する。
【0063】
この態様によれば、シャフト31に巻き回された防水シート32を引き出して、防水シート32で要防水部Y1を覆うことができるため、簡単な作業で、要防水部Y1に雨水が掛かるのを防ぐことができる。また、この態様における雨よけ装置1は、柱の周りだけでなく、構造物6の任意の位置に設置することができる。さらに、未使用時には、防水シート32をシャフト31に巻き回して収納することができるため、収納した際のスペースを小さくできる。この結果、本実施形態に係る雨よけ装置1は、柱の周りだけでなく、その他の箇所に対しても設置できる上に、防水シート32を収納した際のスペースを削減できると共に防水シート32を広げる際にも容易に広げることができる。
【0064】
第2の態様に係る雨よけ装置1では、第1の態様において、ベース部21に対し、複数のシート部3が取り付けられている。
【0065】
この態様によれば、例えば、複数の要防水部Y1に対し、一つの雨よけ装置1で対応することができる。
【0066】
第3の態様に係る雨よけ装置1では、第2の態様において、複数のシート部3の各々のシャフト31は、互いに平行でかつシャフト31の長手方向に直交する方向に並ぶように配置されている。
【0067】
この態様によれば、横架材61の幅方向の両側に対し、別々の防水シート32で覆うことができ、作業性が向上する。
【0068】
第4の態様に係る雨よけ装置1では、第3の態様において、複数のシャフト31を互いに反対方向に回転するように連動させる連動機構4を更に備える。
【0069】
この態様によれば、一方のシャフト31を回転することで、他方のシャフト31も回転させることができるため、防水シート32の繰り出しと巻き上げとを容易に行うことができる。
【0070】
第5の態様に係る雨よけ装置1では、第1~4のいずれか1つの態様において、シャフト31を、回転軸を中心に回転させる操作ハンドル34を更に備える。
【0071】
この態様によれば、作業者はシャフト31の回転を行いやすく、防水シート32の繰り出しと巻き上げとを容易に行うことができる。
【0072】
第6の態様に係る雨よけ装置1では、第1~5のいずれか1つの態様において、防水シート32は長手方向の先端部に形成された磁着部33を有する。
【0073】
この態様によれば、防水シート32の先端部を他の部分に保持させることができる。これにより、防水シート32で要防水部Y1を覆った状態で保持したり、防水シート32を収納した状態で先端部を筐体2の一部に保持したりすることができる。
【0074】
第7の態様に係る雨よけ装置1では、第1~6のいずれか1つの態様において、ベース部21に取り付けられ、シャフト31に巻き回された状態の防水シート32を覆う天板部26を更に備える。
【0075】
この態様によれば、防水シート32を使用しないときに、防水シート32を保護することができる。
【0076】
第8の態様に係る雨よけ装置1では、第6の態様において、天板部26は、磁着部33が磁着可能な金属板からなる天板本体261と、天板本体261の上面に取り付けられ、磁着部33が滑るのを妨げる滑り止め体264と、を有する。
【0077】
この態様によれば、防水シート32の磁着部33を天板部26に磁着させた際に、天板部26の上面を滑って外れるのを防ぐことができる。
【0078】
第9の態様に係る雨よけ装置1では、第7又は第8の態様において、天板部26は取付け穴263を有する。雨よけ装置1は、取付け穴263に取り付けられ、要防水部Y1を覆った状態の防水シート32の上から要防水部Y1に対して巻き付け可能な長尺体5を更に備える。
【0079】
この態様によれば、防水シート32で要防水部Y1を覆った状態で、雨よけ装置1が設置面X1から外れるのを防ぐことができる。
【0080】
第10の態様に係る雨よけ装置1では、第1~9のいずれか1つの態様において、ベース部21は、設置面X1に対して磁着可能なマグネット部25を有する。
【0081】
この態様によれば、設置面X1に対するベース部21の取外し及び取付けを容易に行うことができる。
【0082】
第11の態様に係る雨よけ装置1では、第1~10のいずれか1つの態様において、ベース部21における防水シート32が引き出される側の端よりも突出し、防水シート32から加わる力によってベース部21が設置面X1から外れるのを妨げる回転規制体27を更に備える。
【0083】
この態様によれば、防水シート32を引き出した際、ベース部21が設置面X1から外れるのを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0084】
1 雨よけ装置
21 ベース部
25 マグネット部
26 天板部
263 取付け穴
264 滑り止め体
27 回転規制体
3 シート部
31 シャフト
32 防水シート
33 磁着部
34 操作ハンドル
4 連動機構
5 長尺体
6 構造物
Y1 要防水部
X1 設置面
【手続補正書】
【提出日】2022-05-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物における部材同士が複数の高力ボルトを用いて固定された接合部に使用される雨よけ装置であって、
設置面に対して着脱可能に取り付けられるベース部と、
前記ベース部に支持され、前記接合部を覆って雨水を遮るシート部と、
を備え、
前記シート部は、
前記ベース部に対して回転可能に支持されたシャフトと、
前記シャフトに対し、長手方向の一端が固定されかつ巻き回し可能な防水シートと、
を有する、
雨よけ装置。
【請求項2】
構造物の要防水部に使用される雨よけ装置であって、
設置面に対して着脱可能に取り付けられるベース部と、
前記ベース部に支持され、前記要防水部を覆って雨水を遮るシート部と、を備え、
前記シート部は、
前記ベース部に対して回転可能に支持されたシャフトと、
前記シャフトに対し、長手方向の一端が固定されかつ巻き回し可能な防水シートと、を有し、
前記ベース部に対し、複数の前記シート部が取り付けられ、
前記複数のシート部の各々のシャフトは、互いに平行でかつ前記シャフトの長手方向に直交する方向に並ぶように配置されており、
前記雨よけ装置は、前記複数のシャフトを互いに反対方向に回転するように連動させる連動機構を更に備える、
雨よけ装置。
【請求項3】
構造物の要防水部に使用される雨よけ装置であって、
設置面に対して着脱可能に取り付けられるベース部と、
前記ベース部に支持され、前記要防水部を覆って雨水を遮るシート部と、を備え、
前記シート部は、
前記ベース部に対して回転可能に支持されたシャフトと、
前記シャフトに対し、長手方向の一端が固定されかつ巻き回し可能な防水シートと、を有し、
前記雨よけ装置は、前記シャフトを回転軸を中心に回転させる操作ハンドルを更に備える、
雨よけ装置。
【請求項4】
前記防水シートは長手方向の先端部に形成された磁着部を有する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の雨よけ装置。
【請求項5】
前記ベース部に取り付けられ、前記シャフトに巻き回された状態の前記防水シートを覆う天板部を更に備える、
請求項1~4のいずれか一項に記載の雨よけ装置。
【請求項6】
構造物の要防水部に使用される雨よけ装置であって、
設置面に対して着脱可能に取り付けられるベース部と、
前記ベース部に支持され、前記要防水部を覆って雨水を遮るシート部と、を備え、
前記シート部は、
前記ベース部に対して回転可能に支持されたシャフトと、
前記シャフトに対し、長手方向の一端が固定されかつ巻き回し可能な防水シートと、を有し、
前記防水シートは長手方向の先端部に形成された磁着部を有し、
前記雨よけ装置は、前記ベース部に取り付けられ、前記シャフトに巻き回された状態の前記防水シートを覆う天板部を更に備え、
前記天板部は、
前記磁着部が磁着可能な金属板からなる天板本体と、
前記天板本体の上面に取り付けられ、前記磁着部が滑るのを妨げる滑り止め体と、
を有する、
雨よけ装置。
【請求項7】
前記天板部は取付け穴を有し、
前記雨よけ装置は、前記取付け穴に取り付けられ、前記要防水部を覆った状態の前記防水シートの上から前記要防水部に対して巻き付け可能な長尺体を更に備える、
請求項5又は請求項6に記載の雨よけ装置。
【請求項8】
前記ベース部は、前記設置面に対して磁着可能なマグネット部を有する、
請求項1~7のいずれか一項に記載の雨よけ装置。
【請求項9】
構造物の要防水部に使用される雨よけ装置であって、
設置面に対して着脱可能に取り付けられるベース部と、
前記ベース部に支持され、前記要防水部を覆って雨水を遮るシート部と、を備え、
前記シート部は、
前記ベース部に対して回転可能に支持されたシャフトと、
前記シャフトに対し、長手方向の一端が固定されかつ巻き回し可能な防水シートと、を有し、
前記雨よけ装置は、前記ベース部における前記防水シートが引き出される側の端よりも突出し、前記防水シートから加わる力によって前記ベース部が前記設置面から外れるのを妨げる回転規制体を更に備える、
雨よけ装置。
【手続補正書】
【提出日】2022-07-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物の要防水部に使用される雨よけ装置であって、
設置面に対して着脱可能に取り付けられるベース部と、
前記ベース部に支持され、前記要防水部を覆って雨水を遮るシート部と、を備え、
前記シート部は、
前記ベース部に対して回転可能に支持されたシャフトと、
前記シャフトに対し、長手方向の一端が固定されかつ巻き回し可能な防水シートと、を有し、
前記ベース部に対し、複数の前記シート部が取り付けられ、
前記複数のシート部の各々のシャフトは、互いに平行でかつ前記シャフトの長手方向に直交する方向に並ぶように配置されており、
前記雨よけ装置は、前記複数のシャフトを互いに反対方向に回転するように連動させる連動機構を更に備える、
雨よけ装置。
【請求項2】
構造物の要防水部に使用される雨よけ装置であって、
設置面に対して着脱可能に取り付けられるベース部と、
前記ベース部に支持され、前記要防水部を覆って雨水を遮るシート部と、を備え、
前記シート部は、
前記ベース部に対して回転可能に支持されたシャフトと、
前記シャフトに対し、長手方向の一端が固定されかつ巻き回し可能な防水シートと、を有し、
前記雨よけ装置は、前記シャフトを回転軸を中心に回転させる操作ハンドルを更に備える、
雨よけ装置。
【請求項3】
前記防水シートは長手方向の先端部に形成された磁着部を有する、
請求項1又は2に記載の雨よけ装置。
【請求項4】
前記ベース部に取り付けられ、前記シャフトに巻き回された状態の前記防水シートを覆う天板部を更に備える、
請求項1~3のいずれか一項に記載の雨よけ装置。
【請求項5】
構造物の要防水部に使用される雨よけ装置であって、
設置面に対して着脱可能に取り付けられるベース部と、
前記ベース部に支持され、前記要防水部を覆って雨水を遮るシート部と、を備え、
前記シート部は、
前記ベース部に対して回転可能に支持されたシャフトと、
前記シャフトに対し、長手方向の一端が固定されかつ巻き回し可能な防水シートと、を有し、
前記防水シートは長手方向の先端部に形成された磁着部を有し、
前記雨よけ装置は、前記ベース部に取り付けられ、前記シャフトに巻き回された状態の前記防水シートを覆う天板部を更に備え、
前記天板部は、
前記磁着部が磁着可能な金属板からなる天板本体と、
前記天板本体の上面に取り付けられ、前記磁着部が滑るのを妨げる滑り止め体と、
を有する、
雨よけ装置。
【請求項6】
前記天板部は取付け穴を有し、
前記雨よけ装置は、前記取付け穴に取り付けられ、前記要防水部を覆った状態の前記防水シートの上から前記要防水部に対して巻き付け可能な長尺体を更に備える、
請求項4又は請求項5に記載の雨よけ装置。
【請求項7】
前記ベース部は、前記設置面に対して磁着可能なマグネット部を有する、
請求項1~6のいずれか一項に記載の雨よけ装置。
【請求項8】
構造物の要防水部に使用される雨よけ装置であって、
設置面に対して着脱可能に取り付けられるベース部と、
前記ベース部に支持され、前記要防水部を覆って雨水を遮るシート部と、を備え、
前記シート部は、
前記ベース部に対して回転可能に支持されたシャフトと、
前記シャフトに対し、長手方向の一端が固定されかつ巻き回し可能な防水シートと、を有し、
前記雨よけ装置は、前記ベース部における前記防水シートが引き出される側の端よりも突出し、前記防水シートから加わる力によって前記ベース部が前記設置面から外れるのを妨げる回転規制体を更に備える、
雨よけ装置。