(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022135657
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】乗り物用シート
(51)【国際特許分類】
A47C 7/38 20060101AFI20220908BHJP
B60N 2/853 20180101ALI20220908BHJP
B60N 2/856 20180101ALI20220908BHJP
【FI】
A47C7/38
B60N2/853
B60N2/856
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021035602
(22)【出願日】2021-03-05
(71)【出願人】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100195453
【弁理士】
【氏名又は名称】福士 智恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100205501
【弁理士】
【氏名又は名称】角渕 由英
(72)【発明者】
【氏名】平尾 勇弥
【テーマコード(参考)】
3B084
3B087
【Fターム(参考)】
3B084DB09
3B084DB11
3B084DB13
3B087DC08
3B087DC09
(57)【要約】
【課題】シートバックに対しヘッドレストを好適に組み付け可能な乗り物用シートを提供する。
【解決手段】乗り物用シートSは、シートバックと、シートバックの上部に取り付けられるヘッドレストとを備えている。ヘッドレストは、ヘッドレストの本体を支持するピラー31を有し、シートバックは、骨格となるバックフレーム20と、バックフレーム20の上部に設けられ、バックフレーム20に対しピラー31を取り付けるためのピラー取付部材40とを有している。ピラー取付部材40は、バックフレーム20の上部に取り付けられる第1部材41と、バックフレーム20とは当接しない位置において第1部材41に取り付けられ、第1部材41とともにピラー31を挟持する第2部材42と、を有している。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートバックと、前記シートバックの上部に取り付けられるヘッドレストと、を備えた乗り物用シートであって、
前記ヘッドレストは、前記ヘッドレストの本体を支持するピラーを有し、
前記シートバックは、骨格となるバックフレームと、前記バックフレームの上部に設けられ、前記バックフレームに対し前記ピラーを取り付けるためのピラー取付部材と、を有し、
前記ピラー取付部材は、
前記バックフレームの上部に取り付けられる第1部材と、
前記バックフレームとは当接しない位置において前記第1部材に取り付けられ、前記第1部材とともに前記ピラーを挟持する第2部材と、を有していることを特徴とする乗り物用シート。
【請求項2】
前記バックフレームは、シート幅方向の左右側方に配置されるサイドフレームと、左右の前記サイドフレームの上方部分を連結する上部フレームと、を有し、
前記ピラー取付部材は、前記上部フレームよりもシート後方位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の乗り物用シート。
【請求項3】
前記バックフレームは、前記上部フレームに取り付けられ、前記上部フレームからシート後方へ突出し、シート幅方向に長尺に延びているフレーム補強部材を有し、
前記ピラー取付部材は、前記フレーム補強部材よりもシート前方位置に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の乗り物用シート。
【請求項4】
前記ヘッドレストは、前記シートバックに対してシート前後方向に回動可能となるように取り付けられ、
前記ピラー取付部材は、前記第1部材及び前記第2部材の間に形成され、前記ピラーを挿通させるためのピラー挿通穴を有し、
前記ピラーは、前記ヘッドレストの回動動作に伴って前記ピラー挿通穴を通過しながら回動し、
前記ピラーのうち、前記ピラー挿通穴を通過する部分と、前記ピラー挿通穴とが、略同じ曲率で湾曲するように形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の乗り物用シート。
【請求項5】
前記ピラー取付部材は、前記第1部材及び前記第2部材よりも高い柔軟性を有し、前記ピラーに当接するピラー当接部材を有し、
前記ピラー当接部材は、前記ピラー挿通穴の内部において前記ピラーの外面に当接するように設けられていることを特徴とする請求項4に記載の乗り物用シート。
【請求項6】
前記ピラー当接部材は、前記ピラーを挿通可能な筒形状からなり、
前記ピラー当接部材は、その内面において異なる位置に形成され、その内面から前記ピラーに向かって突出している複数の隆起部を有していることを特徴とする請求項5に記載の乗り物用シート。
【請求項7】
前記隆起部は、前記ピラー当接部材において一方の開口端部又は開口端部周辺に形成された第1隆起部と、他方の開口端部又は開口端部周辺に形成された第2隆起部と、を有していることを特徴とする請求項6に記載の乗り物用シート。
【請求項8】
前記ピラー当接部材は、その外面に形成され、前記第1部材の内面に設けられた被位置決め部に組み付け可能な位置決め部を有していることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項に記載の乗り物用シート。
【請求項9】
前記ピラー当接部材は、前記第1部材に組み付けられる第1当接部材と、前記第2部材に組み付けられ、前記第1当接部材とで筒形状を形成する第2当接部材と、を有していることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載の乗り物用シート。
【請求項10】
前記シートバックに対して前記ヘッドレストを回動可能に取り付けるとともに、前記ヘッドレストの回動動作をロックするヘッドレスト回動装置を備え、
前記ピラーのうち、前記ピラー挿通穴を通過する部分と、前記ピラー挿通穴と、前記ピラー当接部材とが、前記ヘッドレストの回動軸を中心とする略同じ曲率半径で湾曲していることを特徴とする請求項5乃至9のいずれか1項に記載の乗り物用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗り物用シートに係り、特に、シートバックと、シートバックの上部に取り付けられるヘッドレストとを備えた乗り物用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シートバックの上部にヘッドレストを取り付けるために、シートバックの上部に設けられたピラー取付部材に対して、ヘッドレストの本体を支持するピラー(ヘッドレストピラー)を取り付ける構成とした乗り物用シートが知られている。
また、ピラー取付部材にピラーを好適に取り付けるべく、ピラー取付部材が第1部材と第2部材に分割されているものが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4-14113号公報
【特許文献2】特開2019-73095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ピラー取付部材が分割されている場合のピラー取付部材の組み付け手順としては、まず、バックフレームの上部に対し第1部材を組み付ける。そして、当該第1部材に対しピラーを組み付けた後に、第1部材に対し当該ピラーを挟持するように第2部材を組み付けることになる。
このとき、特許文献1、2のような乗り物用シートでは、第1部材及び第2部材が両方ともバックフレームに取り付けられる構成となっており、第1部材に対して第2部材を組み付けるときに、第2部材とバックフレームの位置合わせも考慮する必要があった。そのため、第1部材に対し第2部材を好適に組み付け難くなる虞があった。
そこで、分割されたピラー取付部材を好適に組み付けることが可能な技術が求められていた。
【0005】
また、特許文献2のように、シートバックに対してヘッドレストを回動可能に取り付けるヘッドレスト回動装置を備えた乗り物用シートの場合には、ヘッドレストの回動動作の際にピラーのガタツキを好適に抑制することが求められていた。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、シートバックに対しヘッドレストを好適に組み付けることが可能な乗り物用シートを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、シートバックの上部に対し、分割されたピラー取付部材を好適に組み付けることが可能な乗り物用シートを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、ヘッドレスト回動装置を備えた乗り物用シートにおいて、ヘッドレストの回動動作の際にピラーのガタツキを好適に抑制することが可能な乗り物用シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題は、本発明の乗り物用シートによれば、シートバックと、前記シートバックの上部に取り付けられるヘッドレストと、を備えた乗り物用シートであって、前記ヘッドレストは、前記ヘッドレストの本体を支持するピラーを有し、前記シートバックは、骨格となるバックフレームと、前記バックフレームの上部に設けられ、前記バックフレームに対し前記ピラーを取り付けるためのピラー取付部材と、を有し、前記ピラー取付部材は、前記バックフレームの上部に取り付けられる第1部材と、前記バックフレームとは当接しない位置において前記第1部材に取り付けられ、前記第1部材とともに前記ピラーを挟持する第2部材と、を有していること、により解決される。
上記構成により、シートバックに対しヘッドレストを好適に組み付け可能な乗り物用シートを実現することができる。また、シートバックの上部に対し、分割されたピラー取付部材を好適に組み付けることができる。
詳しく述べると、ピラー取付部材は、バックフレームの上部に取り付けられる第1部材と、バックフレームとは当接しない位置において第1部材に取り付けられ、第1部材とともにピラーを挟持する第2部材とを有している。そのため、第1部材に対して第2部材を組み付けるときに、従来のように第2部材とバックフレームの位置合わせを考慮する必要がなくなる。その結果、第1部材に対する第2部材の組み付け作業の自由度が高くなる。
【0008】
このとき、前記バックフレームは、シート幅方向の左右側方に配置されるサイドフレームと、左右の前記サイドフレームの上方部分を連結する上部フレームと、を有し、前記ピラー取付部材は、前記上部フレームよりもシート後方位置に配置されていると良い。
上記構成により、シートバック(バックフレーム)の前方位置をコンパクト化することができる。すなわち、着座者側の位置にスペースを確保することができる。
【0009】
このとき、前記バックフレームは、前記上部フレームに取り付けられ、前記上部フレームからシート後方へ突出し、シート幅方向に長尺に延びているフレーム補強部材を有し、前記ピラー取付部材は、前記フレーム補強部材よりもシート前方位置に配置されていると良い。
上記構成により、シート前後方向において既存の構成部品の間にピラー取付部材を配置することができる。そのため、乗り物用シートの大型化を抑えることができる。
【0010】
このとき、前記ヘッドレストは、前記シートバックに対してシート前後方向に回動可能となるように取り付けられ、前記ピラー取付部材は、前記第1部材及び前記第2部材の間に形成され、前記ピラーを挿通させるためのピラー挿通穴を有し、前記ピラーは、前記ヘッドレストの回動動作に伴って前記ピラー挿通穴を通過しながら回動し、前記ピラーのうち、前記ピラー挿通穴を通過する部分と、前記ピラー挿通穴とが、略同じ曲率で湾曲するように形成されていると良い。
上記のように、ピラーのうち、ピラー挿通穴を通過する部分と、ピラー挿通穴とが、略同じ曲率で湾曲するように形成されているため、ヘッドレストを好適に回動させることができる。また、ピラー及びピラー取付部材の大型化を抑制し、コンパクトに配置することができる。
【0011】
このとき、前記ピラー取付部材は、前記第1部材及び前記第2部材よりも高い柔軟性を有し、前記ピラーに当接するピラー当接部材を有し、前記ピラー当接部材は、前記ピラー挿通穴の内部において前記ピラーの外面に当接するように設けられていると良い。
上記構成により、ピラー取付部材にピラーを組み付けたときに、ピラーのガタツキを好適に抑制することができる。
また上記のように、柔軟性を有するピラー当接部材が、ピラー挿通穴の内部においてピラーの外面に当接するように設けられている。すなわち、第1部材及びピラーの間にピラー当接部材が介在することになる。そのため、第1部材に対してピラーを好適に組み付けることができる。
【0012】
このとき、前記ピラー当接部材は、前記ピラーを挿通可能な筒形状からなり、前記ピラー当接部材は、その内面において異なる位置に形成され、その内面から前記ピラーに向かって突出している複数の隆起部を有していると良い。
また、前記隆起部は、前記ピラー当接部材において一方の開口端部又は開口端部周辺に形成された第1隆起部と、他方の開口端部又は開口端部周辺に形成された第2隆起部と、を有していると良い。
上記構成により、ピラー当接部材の内部にピラーを摺動可能に組み付けたときに、ピラーのガタツキを一層抑制することができる。
【0013】
このとき、前記ピラー当接部材は、その外面に形成され、前記第1部材の内面に設けられた被位置決め部に組み付け可能な位置決め部を有していると良い。
上記構成により、第1部材とピラー当接部材の位置ズレを抑制することができる。
【0014】
このとき、前記ピラー当接部材は、前記第1部材に組み付けられる第1当接部材と、前記第2部材に組み付けられ、前記第1当接部材とで筒形状を形成する第2当接部材と、を有していると良い。
上記構成により、第1部材及び第2部材の両方にピラー当接部材を効率良く組み付けることができる。
【0015】
このとき、前記シートバックに対して前記ヘッドレストを回動可能に取り付けるとともに、前記ヘッドレストの回動動作をロックするヘッドレスト回動装置を備え、前記ピラーのうち、前記ピラー挿通穴を通過する部分と、前記ピラー挿通穴と、前記ピラー当接部材とが、前記ヘッドレストの回動軸を中心とする略同じ曲率半径で湾曲していると良い。
上記構成により、ヘッドレストの回動動作の際にピラーのガタツキを好適に抑制することができる。
また上記構成により、ヘッドレストを好適に回動させることができる。また、ピラー及びピラー取付部材をコンパクトに配置することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、シートバックに対しヘッドレストを好適に組み付け可能な乗り物用シートを実現することができる。また、シートバックの上部に対し、分割されたピラー取付部材を好適に組み付けることができる。具体的には、第1部材に対する第2部材の組み付け作業の自由度が高くなる。
また本発明によれば、シートバック(バックフレーム)の前方位置をコンパクト化することができる。すなわち、着座者側の位置にスペースを確保することができる。
また本発明によれば、シート前後方向において既存の構成部品の間にピラー取付部材をコンパクトに配置することができる。
また本発明によれば、ヘッドレストを好適に回動させることができる。また、ピラー及びピラー取付部材の大型化を抑制し、コンパクトに配置できる。
また本発明によれば、ピラー取付部材にピラーを組み付けたときに、ピラーのガタツキを好適に抑制できる。また、第1部材に対しピラーを好適に組み付けることができる。
また本発明によれば、ピラー当接部材によってピラーのガタツキを一層抑制することができる。
また本発明によれば、第1部材とピラー当接部材の位置ズレを抑制できる。
また本発明によれば、第1部材及び第2部材の両方にピラー当接部材を効率良く組み付けることができる。
また本発明によれば、ヘッドレストの回動動作の際にピラーのガタツキを好適に抑制することができる。また、ピラー及びピラー取付部材をコンパクトに配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本実施形態の乗り物用シートを示す斜視図である。
【
図2】乗り物用シートの骨格となるシートフレーム(バックフレーム)を示す斜視図である。
【
図3】ピラー、ピラー取付部材、及びヘッドレスト回動装置を示す斜視図である。
【
図7A】バックフレームに第1部材及びピラーを組み付けた状態を示す斜視図である。
【
図7B】第1部材に第2部材を組み付けた状態を示す斜視図である。
【
図9A】ヘッドレスト回動装置を示す側面図であって、ヘッドレストが通常位置にいる状態を説明する図である。
【
図9B】ヘッドレスト回動装置を示す側面図であって、ヘッドレストが移動位置にいる状態を説明する図である。
【
図10】第2実施形態のピラー取付部材を示す斜視図である。
【
図11】第3実施形態のピラー取付部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係る乗り物用シートについて、
図1-
図11を参照しながら説明する。
本実施形態は、シートバック及びヘッドレストを備えた乗り物用シートであって、ヘッドレストは、ヘッドレストの本体を支持するピラーを有し、シートバックは、骨格となるバックフレームと、バックフレームに対しピラーを取り付けるためのピラー取付部材とを有しており、ピラー取付部材が、バックフレームの上部に取り付けられる第1部材と、バックフレームとは当接しない位置において第1部材に取り付けられ、第1部材とともにピラーを挟持する第2部材とを有していることを主な特徴とする乗り物用シートの発明に関するものである。
なお、乗り物用シートのシートバックに対して着座者が着座する側がシート前方側となる。
【0019】
本実施形態の乗り物用シートSは、
図1に示すように、車両用シートであって、シートクッション1と、シートバック2と、ヘッドレスト3とを有するシート本体と、
図2に示すように、シートバック2に対してヘッドレスト3を回動可能に取り付けるとともに、ヘッドレスト3の回動動作をロックするヘッドレスト回動装置60と、から主に構成されている。
なお、乗り物用シートSは、車体フロアに対してシート本体を前後移動可能に支持するレール装置と、車体フロアに対してシート本体を昇降可能に連結するハイトリンク装置と、シートクッション1に対してシートバック2を回動可能に連結するリクライニング装置と、をさらに備えていても良い。
【0020】
乗り物用シートSは、ヘッドレスト回動装置60を利用して、ヘッドレストを
図9Aに示す「通常位置」と
図9Bに示す「移動位置」との間で切り替えることが可能なシートである。
具体的には、乗り物用シートSでは、
図9Aの「通常位置」から、ヘッドレスト回動装置60を動作させることでヘッドレスト3がシート前方側に回動する。具体的には、駆動シャフト62aを上方に駆動させて回動リンク61を回動させることで、回動リンク61とともにヘッドレスト3(ピラー31)が回動する。その結果、乗り物用シートSが
図9Bの「移動位置」に移動する。
このとき、回動リンク61と駆動シャフト62aの間に介在する第2回動リンク63及び第3回動リンク64が相対的に位置変化することで(回動することで)、ヘッドレスト3(ピラー31)を円滑に回動させることができる。
【0021】
シートクッション1は、
図1に示すように、着座者を下方から支持する着座部であって、骨格となるクッションフレーム10にクッション材1aを載置して表皮材1bで被覆されて構成されている。
シートバック2は、着座者を後方から支持する背もたれ部であって、骨格となる
図2に示すバックフレーム20にクッション材2aを載置して表皮材2bで被覆されて構成されている。
ヘッドレスト3は、乗員の頭を後方から支持する頭部であって、骨格となる
図2に示すヘッドレストフレーム30(ピラー31)にクッション材3aを載置して表皮材3bで被覆されて構成されている。
なお、
図2、
図3に示すように、バックフレーム20の上部には、ヘッドレスト3の芯材となるピラー31を取り付けるためのピラー取付部材40が組み付けられている。
【0022】
クッションフレーム10は、図示を省略しているところ、略矩形状の枠状体からなり、左右側方に配置され、シート前後方向に延びているクッションサイドフレームと、各クッションサイドフレームの前方部分に架設されるパンフレームと、各クッションサイドフレームの後方部分を連結する連結フレームと、パンフレーム及び連結フレームに掛け止めされ、シート前後方向に蛇状に延びている複数の弾性バネと、から主に構成されている。
【0023】
バックフレーム20は、
図2に示すように、略矩形状の枠状体からなり、左右側方に配置され、上下方向に延びているサイドフレーム21と、各サイドフレーム21の上端部分を連結する逆U字形状の上部フレーム22と、各サイドフレーム21の下端部分を連結するプレート形状の下部フレームと、各サイドフレーム21にそれぞれ掛け止めされ、シート幅方向に蛇状に延びている複数の連結ワイヤ23と、複数の連結ワイヤ23によって保持され、着座者を後方から支持する略矩形状の支持プレート24と、から主に構成されている。
【0024】
バックフレーム20は、上部フレーム22の左右のフレーム延出部22bを連結する板状の連結プレート25をさらに有している。
連結プレート25のシート幅方向の中央部分の後面には、取付ブラケット26、ホルダー27を介して駆動ユニット62が取り付けられている。
詳しく述べると、連結プレート25の後面には、U字形状の取付ブラケット26がシート後方に突出するように取り付けられている。そして、取付ブラケット26には、ホルダー27が上方に突出するように取り付けられている。そして、駆動ユニット62がホルダー27によって保持されている。
【0025】
バックフレーム20は、上部フレーム22においてシート幅方向に長尺なフレーム本体部22aに所定の間隔を空けて取り付けられる左右の取付ブラケット28をさらに有している。
左右の取付ブラケット28には、それぞれ左右の回動軸66を介して左右の回動リンク61が取り付けられている。
左右の回動リンク61には、それぞれ左右のピラー31が取り付けられており、また左右の回動リンク61の間には、第2回動リンク63及び第3回動リンク64が取り付けられている。
【0026】
ヘッドレストフレーム30は、
図2に示すように、ヘッドレスト3の芯材となる逆U字形状のピラー31と、ピラー31に組み付けられ、ピラー31をシート前後方向から挟むように構成される前方プレート32及び後方プレート33と、から主に構成されている。
【0027】
ピラー31は、シート幅方向に延びているピラー本体部31aと、ピラー本体部31aの左右両端部から連続して下方に延びている左右のピラー延出部31bと、を有している。
ピラー延出部31bは、シート後方に湾曲しながら下方に延びている。
詳しく述べると、ピラー延出部31bは、上部フレーム22に設けられたピラー取付部材40によって保持されながら、ピラー取付部材40よりもさらに下方に延びている。そして、ピラー延出部31bの延出端部が、回動リンク61に接続されている。
【0028】
前方プレート32及び後方プレート33は、ピラー31を間に挟むようにして組み付けられており、互いに組み付けられた後は、一体的な面状プレート体として構成されている。
ヘッドレスト3は、上記面状プレート体にクッション材3aを載置して表皮材3bで被覆されて構成されている。そして、左右のピラー延出部31bの一部が、ヘッドレスト3の本体から下方に突出するように延びている。
【0029】
ピラー取付部材40は、
図3-
図6A、Bに示すように、バックフレーム20にピラー31を取り付けるための筒形状の金属部材であって、上部フレーム22の上端部に組み付けられている。
ピラー取付部材40は、上部フレーム22に所定の間隔を空けて左右に配置されており、また上部フレーム22よりもシート後方位置に配置されている。
【0030】
具体的には、ピラー取付部材40は、上部フレーム22の上端部に取り付けられる第1部材41と、上部フレーム22とは当接しない位置において第1部材41に取り付けられ、第1部材41とともにピラーを挟持する第2部材42とを有している。
言い換えれば、ピラー取付部材40は、第1部材41と第2部材42に分割可能であって、第1部材41及び第2部材42を組み合わせた状態でボルト43(組み付け部材)をシート後方から4カ所組み付けることで一体的な構成となる。
なお、ピラー取付部材40を分割可能な構成とすることで、ピラー31が湾曲して形成されている場合であっても、ピラー取付部材40にピラー31を好適に組み付けることができる。
【0031】
なお、第1部材41の前面には、上部フレーム22に取り付けるための取り付け凹部41a(取り付け部)がシート幅方向に沿って形成されている。
第2部材42の後面には、ボルト43を組み付けるための組み付け穴42aが複数形成されている。また、第1部材41の後面のうち、各組み付け穴42aに対応する位置には、ボルト43を組み付けるための組み付け凹部41bが形成されている。すなわち、組み付け穴42aと組み付け凹部41bとが連通している。
【0032】
ピラー取付部材40は、第1部材41及び第2部材42の間に形成され、ピラー31を挿通させるためのピラー挿通穴44を有している。言い換えれば、第1部材41、第2部材42それぞれに第1分割穴44a、第2分割穴44bが形成されている。
上記構成において、ピラー31は、ヘッドレスト3の回動動作に伴ってピラー挿通穴44を通過しながら回動する。
図9A、Bを見ると、ピラー31のうち、ピラー挿通穴44を通過する部分と、ピラー挿通穴44とが、略同じ曲率で湾曲するように形成されていることが分かる。
【0033】
ピラー取付部材40は、第1部材41及び前記第2部材42よりも高い柔軟性を有し、ピラー31に当接するピラー当接部材50をさらに有している。
ピラー当接部材50は、樹脂部材からなり、ピラー挿通穴44の内部においてピラー31の外面に当接するように設けられている。
【0034】
ピラー当接部材50は、
図4-
図6A、Bに示すように、ピラー31を挿通可能な筒形状からなり、具体的には、第1部材41に組み付けられる第1当接部材51と、第2部材42に組み付けられ、第1当接部材51とで筒形状を形成する第2当接部材52と、を有している。
詳しく述べると、第1当接部材51は、第1部材41の後面に形成された第1分割穴44aに組み付けられている。また、第2当接部材52は、第2部材42の前面に形成された第2分割穴44bに組み付けられている。
【0035】
ピラー当接部材50は、その内面において異なる位置に形成され、その内面から前記ピラー31に向かって突出している複数の隆起部53を有している。
すなわち、第1当接部材51の後面と、第2当接部材52の前面とに、それぞれ隆起部53が複数形成されている。
【0036】
隆起部53は、ピラー当接部材50において一方の開口端部50a周辺に形成された第1隆起部53aと、他方の開口端部50b周辺に形成された第2隆起部53bと、を有している。
第1隆起部53a、第2隆起部53bは、それぞれピラー当接部材50の円周方向において異なる位置に複数形成されている。例えば、所定の間隔を空けて合わせて3つ形成されている。
上記構成により、ピラー当接部材50の内部にピラー31を摺動可能に組み付けたときに、ピラー31のガタツキを抑制することができる。ピラー31を必要以上に摺動させないように調整することもできる。
なお、隆起部53は、ピラー当接部材50の開口端部50aに形成されていても良い。
【0037】
上記構成において、
図5、
図6Aに示すように、ピラー当接部材50は、その外面に形成され、ピラー取付部材40の内面に設けられた位置決め凹部45に組み付け可能な位置決め凸部54を有している。
すなわち、第1当接部材51の外面(前面)には、第1部材41に形成された位置決め凹部45に組み付け可能な位置決め凸部54が2つ形成されている。
第2当接部材52の外面(後面)にも、第2部材42に形成された位置決め凹部45に組み付け可能な位置決め凸部54が2つ形成されている。
上記構成により、ピラー取付部材40及びピラー当接部材50の位置ズレを抑制することができる。
【0038】
また上記構成において、
図9A、Bに示すように、ピラー31のうち、ピラー挿通穴44を通過する部分と、ピラー挿通穴44と、ピラー当接部材50とが、ヘッドレスト3の回動軸(回動軸66)を中心とする略同じ曲率半径で湾曲している。
そのため、ヘッドレスト3の回動動作の際にピラー31のガタツキを抑制することができる。また、ピラー31及びピラー取付部材40をコンパクトに配置することができる。
【0039】
また上記構成において、
図2、
図3に示すように、バックフレーム20は、上部フレーム22に取り付けられ、上部フレーム22からシート後方へ突出し、シート幅方向に長尺に延びているフレーム補強部材29(例えば、補強ワイヤ)を有している。そして、ピラー取付部材40は、フレーム補強部材29よりもシート前方位置に配置されている。
そのため、シート前後方向において既存の構成部品の間にピラー取付部材40をコンパクトに配置することができる。そして、乗り物用シートSの大型化を抑えることができる。
【0040】
ヘッドレスト回動装置60は、
図2、
図3、
図8に示すように、ヘッドレスト3を「通常位置」と、「通常位置」よりもシート前方側に移動させた「移動位置」との間で切り替え可能な装置である。
具体的には、ヘッドレスト回動装置60は、バックフレーム20及びピラー31を連結し、バックフレーム20に対してピラー31とともに回動可能となるように取り付けられる回動リンク61と、バックフレーム20(連結プレート25)に取り付けられ、回動リンク61を回動させるために昇降動作する駆動ユニット62(駆動シャフト62a)と、回動リンク61及び駆動シャフト62aの間に介在し、駆動シャフト62aの昇降動作を回動リンク61の回動動作に変換するために回動する第2回動リンク63及び第3回動リンク64と、から主に構成されている。
第2回動リンク63及び第3回動リンク64は、シート幅方向に長尺なリンク接続部材65によって接続されている。
【0041】
回動リンク61は、シート幅方向に屈曲した屈曲形状を有し、シート前後方向に延びているリンク部材であって、上部フレーム22の内部において左右対称となるように配置されている。
回動リンク61の前端部が、上部フレーム22(取付ブラケット28)に対して回動軸66を介して回動可能に取り付けられている。
また、回動リンク61の後端部が、第3回動リンクに対して第3回動軸68を介して回動可能に取り付けられている。
また、回動リンク61の後端部には、ピラー31が組み付けられている。
【0042】
具体的には、回動リンク61は、回動軸66に取り付けられる第1壁部61aと、第1壁部61aの後端部から屈曲し、シート幅方向の内側に延びている第2壁部61bと、第2壁部61bの延出端部から屈曲し、シート後方に延びている第3壁部61cと、第3壁部61cの延出端部から屈曲し、シート幅方向の外側に延びている第4壁部61dと、を有している、
第3壁部61cには第3回動軸68が取り付けられている。また、第4壁部61dには、組み付けブラケット61eを介してピラー31が組み付けられている。
【0043】
駆動ユニット62は、駆動シャフト62aを昇降可能なモータ式のユニットであって、上部フレーム22の内部に設けられ、シート幅方向において左右のピラー延出部31bの間に配置されている。
詳しく述べると、駆動ユニット62は、上部フレーム22(連結プレート25)に対してホルダー27を介して保持されている。
【0044】
駆動ユニット62は、昇降可能な駆動シャフト62aと、駆動シャフト62aを駆動する駆動モータ62bと、をユニット本体の内部に備えており、不図示の車体電源と接続されている。
詳しく述べると、駆動モータ62bの駆動軸先端には、駆動モータ62bの駆動動作に対応して左右方向に沿った軸回りに回転するホイールギア62cと、ホイールギア62cに噛み合わされ、ホイールギア62cの回転動作に対応して前後方向に沿った軸回りに回転するウォームギア62dとが、それぞれ取り付けられている。
そして、駆動シャフト62aは、その外表面のスクリューギア部がウォームギア62dに噛み合わされることで、ウォームギア62dの回転動作に対応して上下方向に沿った軸回りに回転しながら昇降動作するものとなっている。
【0045】
駆動シャフト62aの上方部分には、駆動シャフト62aの動作範囲を規定するためのリング形状のストッパ62eが取り付けられている。
また、駆動シャフト62aの上端部には、第2回動軸67を介して第2回動リンク63が回動可能となるように取り付けられている。
【0046】
第2回動リンク63は、
図8に示すように、シート前後方向に延びているリンク部材であって、左右の回動リンク61の間に配置されており、駆動ユニット62の真上位置に配置されている。
第2回動リンク63の前端部が、駆動シャフト62aに対して第2回動軸67を介して回動可能に取り付けられている。
また、第2回動リンク63の後端部が、第3回動リンク64に対してリンク接続部材65を介して回動可能に取り付けられている。
【0047】
第3回動リンク64は、
図8、
図9Aに示すように、シート前後方向に延びているリンク部材であって、シート幅方向において回動リンク61と第2回動リンク63の間に配置されており、左右対称となるように配置されている。
なお、第3回動リンク64は、その前端部から後端部に向かって上方傾斜しながら延びている。一方で、第2回動リンク63は、その前端部から後端部に向かって下方傾斜しながら延びている。
【0048】
第3回動リンク64の前端部が、回動リンク61に対して第3回動軸68を介して回動可能に取り付けられている。
また、第3回動リンク64の後端部が、第2回動リンク63に対してリンク接続部材65を介して回動可能に取り付けられている。
【0049】
リンク接続部材65は、シート幅方向に沿って長尺に延びているパイプ状の部材であって、第2回動リンク63及び第3回動リンク64の回動軸となる部材である。
図8、
図9Aを見ると、左右の第2回動リンク63においてリンク接続部材に接続された部分と、前記第3回動リンクにおいて前記リンク接続部材に接続された部分とが、シート側面視において重なって配置されていることが分かる。
【0050】
上記構成において、
図8に示すように、回動リンク61においてピラー31が連結されている部分と、第2回動リンク63と、第3回動リンク64とが、シート幅方向において左右のピラー延出部31bの間に配置されている。
そのため、シート幅方向において回動リンク61、第2回動リンク63及び第3回動リンク64をコンパクトに配置することができる。
【0051】
また上記構成において、
図9Aに示すように、回動リンク61は、上部フレーム22に対して取付ブラケット28を介して回動可能に取り付けられ、シート側面視において上部フレーム22を跨るように延びている。
また、回動リンク61は、シート側面視において駆動シャフト62aを跨るように延びている。
そのため、シート側面視において回動リンク61を長尺に延ばすことができる。その結果、回動リンク61の回動動作に伴ってヘッドレスト3(ピラー31)を前後方向に効率良く回動させることができる。
【0052】
また上記構成において、
図9Aに示すように、回動リンク61の前端部は、上部フレーム22よりもシート前方位置に配置され、かつ、回動リンク61の後端部よりも上方位置に配置されている。そして、回動リンク61の後端部は、上部フレーム22よりもシート後方位置に配置されている。
そのため、回動リンク61をコンパクトに配置しながら、シート側面視において回動リンク61を長尺に延ばすことができる。その結果、回動リンク61によってヘッドレスト3を効率良く回動させることができる。
【0053】
また上記構成において、
図9Aに示すように、第2回動リンク63は、上部フレーム22よりもシート後方位置に配置されている。
そのため、シートバック2(バックフレーム20)の前方位置をコンパクト化することができる。すなわち、着座者側の位置にスペースを確保することができる。
【0054】
<ヘッドレスト回動動作>
次に、
図9A、Bに基づいて、ヘッドレスト3を「通常位置」から「移動位置」へ回動させる動作を説明する。
乗り物用シートSが
図9Aに示す「通常位置」にあるとき、ヘッドレスト3(ピラー31)は、バックフレーム20に設けられたピラー取付部材40によって支持されている。また、ヘッドレスト3は、ヘッドレスト回動装置60によって起立姿勢にロックされている(保持されている)。
このとき、回動リンク61において第2回動リンク63が接続された部分(後端部)と、第2回動リンク63において駆動シャフト62aが接続された部分(前端部)とが、シート前後方向において重なる位置に配置されている。言い換えれば、回動リンク61の後端部が、第2回動リンク63の真下に配置されている。
【0055】
乗り物用シートSを「通常位置」から「移動位置」へ移動させるときには、例えば、乗り物用シートSに設けられた不図示の操作スイッチを着座者が操作する。
着座者が操作スイッチを操作することで、駆動ユニット62が駆動開始する。具体的には、駆動シャフト62aを上方に駆動させて回動リンク61を回動させることで、回動リンク61とともにヘッドレスト3(ピラー31)が回動する。その結果、乗り物用シートSが
図9Bに示す「移動位置」へ移動する。
このとき、第2回動リンク63及び第3回動リンク64が相対的に位置変化することで(回動することで)、ヘッドレスト3(ピラー31)を円滑に回動させることができる。
なお、ヘッドレスト3が「移動位置」にいるとき、駆動シャフト62aが最も上方位置まで駆動した状態となる。すなわち、駆動シャフト62aの下端部が駆動ユニット62の本体に当接することで移動規制されている。
また、ヘッドレスト3が「移動位置」にいるとき、回動リンク61の後端部が、第2回動リンク63の前端部よりもシート後方位置に配置されている。
【0056】
上記一連の動作によって、乗り物用シートS(ヘッドレスト3)が「通常位置」から「移動位置」へ切り替わる。
上記構成により、シート前後方向においてヘッドレスト回動装置60をコンパクトに配置しながら、駆動シャフト62aの昇降動作を回動リンク61の回動動作に円滑に変換することができる。
また、ヘッドレスト3の回動動作の際に、ピラー31のガタツキを抑制することもできる。
【0057】
<その他の実施形態>
上記実施形態では、
図2に示すように、乗り物用シートSが、ピラー取付部材40と、ヘッドレスト回動装置60とを備えているが、特に限定されることなく変更可能である。
例えば、乗り物用シートSが、ピラー取付部材40を備え、ヘッドレスト回動装置60を備えていないシートであっても良い。
また例えば、乗り物用シートSが、ヘッドレスト回動装置60を備え、ピラー取付部材40を備えていないシートであっても良い。
【0058】
上記実施形態では、
図7A、Bに示すように、ピラー取付部材40が、シート前後方向において第1部材41と、第2部材42とに分割可能な構成となっているが、特に限定されることなく変更可能である。
例えば、
図10、
図11に示すように、ピラー取付部材140が、第1部材141と、第2部材142と、第3部材143とに分割可能な構成となっていても良い。
その場合には、第1部材141がバックフレーム120の上部に取り付けられており、第2部材142及び第3部材143がシート幅方向に並ぶようにして第1部材141に取り付けられていると良い。すなわち、左側のピラー131が、第1部材141及び第2部材142によって挟持され、右側のピラー131が、第1部材141及び第3部材143によって挟持されていると良い。
なお、第2部材142と第3部材143は当接して配置されても良いし(
図10参照)、所定の間隔を空けて離れて配置されていても良い(
図11参照)。
【0059】
また例えば、ピラー取付部材が、シート幅方向又はシート上下方向において第1部材と、第2部材とに分割可能な構成となっていても良い。
あるいは、ピラー取付部材が、N個(Nは4以上の自然数)に分割可能な構成となっていても良い。
【0060】
上記実施形態では、ピラー取付部材40が金属材料、ピラー当接部材50が樹脂材料から形成されているが、特に限定されることなく、種々の材料を採用しても良い。
好ましくは、ピラー当接部材50が、ピラー取付部材40よりも高い柔軟性を有する材料であると良い。
【0061】
上記実施形態では、
図8に示すように、ヘッドレスト回動装置60は、回動リンク61と、モータ式の駆動ユニット62と、第2回動リンク63及び第3回動リンク64と、から主に構成されているが、回動リンク機構及び昇降ユニットの組み合わせに限定されることなく変更可能である。
例えば、ヘッドレスト回動装置60は、回動リンク機構の代わりに公知な回動部材を用いてヘッドレスト3を回動させることとしても良い。
また例えば、ヘッドレスト回動装置60は、駆動ユニット62の代わりに公知な駆動手段(例えば油圧式等、モータ式以外の駆動ユニット)を備えていても良い。あるいは、駆動ユニット62の代わりに付勢バネ等の付勢手段を備えていても良い。
【0062】
上記実施形態では、
図8に示すように、ヘッドレスト回動装置60は、駆動ユニット62の昇降動作を回動リンク61の回動動作に変換する第2回動リンク63、第3回動リンク64を備えているが、必ずしも複数の回動リンク63、64を備えていなくても良い。
例えば、ヘッドレスト回動装置60は、1つの第2回動リンク63によってヘッドレスト3を円滑に回動させる構成としても良い。
【0063】
上記実施形態では、乗り物用シートの発明として説明しているが、乗り物用シートの製造方法の発明としても良い。
例えば、シートバックと、シートバックの上部に取り付けられるヘッドレストとを備えた乗り物用シートの製造方法であって、シートバックの骨格となるバックフレームの上部に対して、ピラー取付部材の第1部材を取り付けるステップと、第1部材に対して、ヘッドレストの芯材となるピラーを取り付けるステップと、第1部材に対してピラーを挟持するように第2部材を組み付けるステップと、を含む乗り物用シートの製造方法の発明としても良い。
このとき、第2部材が、バックフレームとは当接しない位置において第1部材に取り付けられていると良い。
上記方法であれば、シートバックの上部に対し、分割されたピラー取付部材を好適に組み付けることが可能な乗り物用シートを製造することができる。
【0064】
上記実施形態では、具体例として自動車に用いられる乗り物用シートについて説明したが、特に限定されることなく、電車、バス等の乗り物用シートのほか、飛行機、船等の乗り物用シートとしても利用することができる。
【0065】
本実施形態では、主として本発明に係る乗り物用シートに関して説明した。
ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0066】
S 乗り物用シート
Sa シートフレーム
1 シートクッション
1a、2a、3a クッション材
1b、2b、3b 表皮材
2 シートバック
3 ヘッドレスト
10 クッションフレーム
20、120 バックフレーム
21 サイドフレーム
122 上部フレーム
22a フレーム本体部
22b フレーム延出部
23 連結ワイヤ
24 支持プレート
25 連結プレート
26 取付ブラケット
27 ホルダー
28 取付ブラケット
29 フレーム補強部材
30、130 ヘッドレストフレーム
31、131 ピラー(ヘッドレストピラー)
31a ピラー本体部
31b ピラー延出部
32 前方プレート
33 後方プレート
40、140 ピラー取付部材
41、141 第1部材
41a 取り付け凹部(取り付け部)
41b 組み付け凹部(組み付け部)
42、142 第2部材
42a 組み付け穴(組み付け部)
43 ボルト(組み付け部材)
44 ピラー挿通穴
44a 第1分割穴
44b 第2分割穴
45 位置決め凹部(被位置決め部)
50 ピラー当接部材
50a 第1分割穴
50b 第2分割穴
51 第1当接部材
52 第2当接部材
53 隆起部
53a 第1隆起部
53b 第2隆起部
54 位置決め凸部(位置決め部)
60 ヘッドレスト回動装置
61 回動リンク(第1回動リンク、回動部材)
61a 第1壁部
61b 第2壁部
61c 第3壁部
61d 第4壁部
61e 組み付けブラケット
62 駆動ユニット
62a 駆動シャフト(駆動部材)
62b 駆動モータ
62c ホイールギア
62d ウォームギア
62e ストッパ
63 第2回動リンク(第2回動部材)
64 第3回動リンク(第2回動部材)
65 リンク接続部材
66 回動軸(第1回動軸)
67 第2回動軸
68 第3回動軸
143 第3部材