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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022013568
(43)【公開日】2022-01-18
(54)【発明の名称】スライドレール組立体
(51)【国際特許分類】
   A47B 88/483 20170101AFI20220111BHJP
   A47B 88/49 20170101ALI20220111BHJP
【FI】
A47B88/483
A47B88/49
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020188555
(22)【出願日】2020-11-12
(31)【優先権主張番号】109122322
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(31)【優先権主張番号】109125369
(32)【優先日】2020-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】楊 順和
(72)【発明者】
【氏名】翁 子承
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【テーマコード(参考)】
3B160
【Fターム(参考)】
3B160AA12
3B160AB32
3B160AB33
3B160AB44
3B160AB45
3B160EA03
3B160EA13
3B160EA14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】スライドレール組立体を提供する。
【解決手段】スライドレール組立体100は、第1レール102,第2レール104及び第3レール106及び位置限定部材108を備えている。第3レールは、第1レールと第2レールとの間に可動に取り付けられている。第2レール及び第3レールは、第1方向に所定位置から第1レールに対して変位されることができる。第2レールと第3レールとが第1レールに対して所定位置にあるときに、位置限定部材の第1部分130は、三つのレールの端部に隣接し、位置限定部材の第2部分132は、第1方向に実質的に垂直な第2方向に、三つのレールが相互に離れることを防止する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1壁と、第2壁と、第1レールの前記第1壁及び前記第2壁の間に接続されている長手方向壁とを含む第1レールと、
第1壁と、第2壁と、第2レールの前記第1壁及び前記第2壁の間に接続されている長手方向壁とを含み、第1方向に退避位置から前記第1レールに対して変位可能である第2レールと、
第1部分と第2部分とを含む位置限定部材とを備え、
前記第2レールが前記第1レールに対して前記退避位置にあるときに、前記位置限定部材の前記第1部分は前記第1レールの前端部と前記第2レールの前端部とに隣接し、前記位置限定部材の前記第2部分は、前記第1レール及び前記第2レールが第2方向に互いに離れることを防止し、前記第1方向と前記第2方向とは互いに実質的に垂直である、スライドレール組立体。
【請求項2】
前記第1レールは支持フレームを備え、前記支持フレームは前記第1レールに固着して接続され、前記支持フレームは位置限定機能部を含み、前記位置限定機能部は上部と、下部と、中間部とを含み、前記上部と、前記下部と、前記中間部とは、共働して位置限定スペースを画定し、
前記位置限定部材の前記第2部分は、前記位置限定スペースの中へ伸び、前記位置限定機能部の前記上部、前記下部及び前記中間部に対して位置限定の関係になるように構成されている、請求項1記載のスライドレール組立体。
【請求項3】
前記支持フレームは、上支持部と、下支持部と、前記上支持部及び前記下支持部の間に接続された中間支持部とを含み、前記上支持部は、前記第1レールの前記第1壁に隣接し、前記下支持部は、前記第1レールの前記第2壁に隣接し、前記中間支持部は、前記第1レールの前記長手方向壁に隣接する、請求項2記載のスライドレール組立体。
【請求項4】
前記位置限定機能部は切り欠きとして形成される、請求項3記載のスライドレール組立体。
【請求項5】
前記位置限定機能部の前記中間部は、前記第1レールの前記前端部に隣接し、前記位置限定機能部の前記上部と前記下部とは、前記第1レールの前記前端部を越えて伸びている、請求項2記載のスライドレール組立体。
【請求項6】
前記位置限定部材は前記第2レールに固着して設けられ、前記位置限定部材の前記第2部分は、前記第1部分から実質的に垂直に伸び、前記第2レールが前記第1レールに対して前記退避位置にあるときに、前記位置限定部材は前記第1レールに締結される、請求項1記載のスライドレール組立体。
【請求項7】
前記位置限定部材と前記第2レールとは一体であり、前記位置限定部材の前記第2部分は前記第1部分から実質的に垂直に伸び、前記第2レールが前記第1レールに対して前記退避位置にあるときに、前記位置限定部材は前記第1レールに締結される、請求項1記載のスライドレール組立体。
【請求項8】
さらに、前記第1レールと前記第2レールとの間に可動に取り付けられた第3レールを備え、前記第2レール及び前記第3レールは、前記第1レールに対して前記第1方向に前記退避位置から変位可能であり、
前記第2レール及び前記第3レールが前記第1レールに対して前記退避位置にあるときに、前記位置限定部材の前記第1部分は前記第3レールの前端部に隣接し、前記位置限定部材の前記第2部分は、前記第3レールが前記第2方向に分離することを防止する、請求項1記載のスライドレール組立体。
【請求項9】
前記第2レール及び前記第3レールは、前記第1レールに対して前記退避位置から変位した後に、伸長位置に到達し、前記位置限定部材は、前記第1レールの前記前端部及び前記第3レールの前記前端部から離れて位置する、請求項8記載のスライドレール組立体。
【請求項10】
前記第3レールは、第1壁と、第2壁と、前記第3レールの前記第1壁及び前記第2壁の間に接続された長手方向壁とを含み、スライドレール組立体はさらに、前記第3レールの前記第1壁に隣接して配置された第1支持ベースと、前記第3レールの前記第2壁に隣接して配置された第2支持ベースとを含み、前記第1支持ベースは第1溝を含み、前記第2支持ベースは第2溝を含み、
前記第2レールの前記第1壁は、前記第1溝の中へ伸びる第1支持脚を含み、前記第2レールの前記第2壁は、前記第2溝の中へ伸びる第2支持脚を含み、これにより、前記第2レール及び前記第3レールは、前記第2方向に互いに離れることが防がれる、請求項8記載のスライドレール組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライドレールに関し、さらに詳しくは、信頼性のあるスライドレール組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来のスライドレール組立体10を示す。スライドレール組立体10は、複数のスライドレールを備え、そのうち第1レール12のチャンネル16に、第2レール14が可動に取り付けられている。スライド促進デバイス18は複数の転動ボールを備え、第1レール12に対して第2レール14が長手方向に変位することを助ける。スライドレール組立体10は、基本的な商品流通での要請に合わせるように、ある安全性の規制を満たし、品質管理チェックに合格しなければならない。例えば、スライドレール組立体10のスライドレールに耐久性があり、特定の重量の物品(例えばサーバー、引き出しなど)を載せることができるかどうかを知るために、スライドレール組立体10を振動試験で試験することが一般に必要である。スライドレール組立体10が振動試験を受けている間に(例えば、スライドレール組立体10に図1の力Fが加えられたときに)、スライドレールが互いに分離するか、又は曲がった場合に、スライドレール組立体10の安全性と品質とに大きな懸念を引き起こす。図1は、スライドレール組立体10に力Fが加えられたときに、第2レール14の一部が第1レール12に対して横断方向(又は横方向)に分離されるか、又は曲げられている状態を示す。従って、第2レール14は第1レール12のチャンネル16に、もはや正しく取り付けられない。第1レール12に対して変位されてしまうという問題が生じうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許9861197号明細書
【特許文献2】米国特許9155386号明細書
【特許文献3】米国特許6820954号明細書
【特許文献4】米国特許5472272号明細書
【発明の概要】
【0004】
上述したことにより、信頼性のあるスライドレール組立体を開発することは価値のある課題である。
【0005】
本発明は、信頼性のあるスライドレール組立体に関する。
【0006】
本発明の一つの態様によれば、スライドレール組立体は、第1レール,第2レール,第3レール及び位置限定部材を備えている。第1レールは、第1壁と、第2壁と、第1レールの第1壁及び第2壁の間に接続されている長手方向壁とを含む。第2レールは、第1壁と、第2壁と、第2レールの第1壁及び第2壁の間に接続されている長手方向壁とを含む。第3レールは、第1レールと第2レールとの間に可動に取り付けられ、第2レール及び第3レールは、第1方向に退避位置から第1レールに対して変位されることができる。位置限定部材は、第1部分と第2部分とを含む。第2及び第3レールが第1レールに対して退避位置にあるときに、位置限定部材の第1部分は第1、第2及び第3レールの前端部に隣接し、位置限定部材の第2部分は、第1、第2及び第3レールが第2方向に互いに離れることを防止し、第2方向は、第1方向と実質的に垂直である。
【0007】
好ましくは、第1レールは支持フレームを備え、支持フレームは第1レールに固着して接続され、支持フレームは位置限定機能部を含み、位置限定機能部は上部と、下部と、中間部とを含み、上部と、下部と、中間部とは、共働して位置限定スペースを画定する。位置限定部材の第2部分は、位置限定スペースの中へ伸び、位置限定機能部の上部、下部及び中間部に対して位置限定の関係になるように構成されている。
【0008】
好ましくは、支持フレームは、上支持部と、下支持部と、上支持部及び下支持部の間に接続された中間支持部とを含み、上支持部は、第1レールの第1壁に隣接し、下支持部は、第1レールの第2壁に隣接し、中間支持部は、第1レールの長手方向壁に隣接する。
【0009】
好ましくは、位置限定機能部は切り欠きとして形成される。
【0010】
好ましくは、位置限定機能部の中間部は、第1レールの前端部に隣接し、位置限定機能部の上部と下部とは、第1レールの前端部を越えて伸びている。
【0011】
好ましくは、位置限定部材は第2レールに固着して設けられている。
【0012】
好ましくは、位置限定部材と第2レールとは一体である。
【0013】
好ましくは、位置限定部材の第2部分は第1部分から実質的に垂直に伸びる。
【0014】
好ましくは、第2レール及び第3レールは、第1レールに対して退避位置から変位した後に、伸長位置に到達し、位置限定部材は、第1レールの前端部及び第3レールの前端部から離れて位置する。
【0015】
好ましくは、スライドレール組立体はさらに、少なくとも一つのスライド促進デバイスを含み、第1レール,第2レール及び第3レールは少なくとも一つのスライド促進デバイスを介して互いに支持しあう。
【0016】
本発明の別の態様によれば、スライドレール組立体は、第1レール,第2レール,第3レール及び位置限定部材を備えている。第3レールは、第1レールと第2レールとの間に可動に取り付けられている。第1レール,第2レール及び第3レールは、長手方向に互いに変位されることができる。位置限定部材は第2レールに配置されている。第2レール及び第3レールは、第1方向に所定位置から第1レールに対して変位されることができる。位置限定部材は、第1部分と第2部分とを含む。第2及び第3レールが第1レールに対して所定位置にあるときに、位置限定部材は第1レールに締結され、第1、第2及び第3レールが横断方向に互いに離れることを防止する。
【0017】
好ましくは、第1レールは、第1壁と、第2壁と、第1レールの第1壁及び第2壁の間に接続された長手方向壁とを含む。第1レールの第1壁と、第2壁と、長手方向壁とは、共働してチャンネルを画定する。第3レールは、第1レールのチャンネルに可動に取り付けられている。第3レールは、第1壁と、第2壁と、第3レールの第1壁及び第2壁の間に接続された長手方向壁とを含む。第3レールの第1壁と、第2壁と、長手方向壁とは、共働してチャンネルを画定する。第2レールは、第3レールのチャンネルに可動に取り付けられている。
【0018】
好ましくは、所定位置は退避位置である。
【0019】
好ましくは、第2レールは、第1端部と、第1端部から離れて位置する第2端部とを含み、位置限定部材は第2レールの第1端部に隣接する。
【0020】
好ましくは、位置限定部材は、第1部分と、第1部分から実質的に垂直に伸びる第2部分とを含んでいる。第1レールは、支持フレームを備えている。位置限定部材は上部と、下部と、中間部とを含む。上部と、下部と、中間部とは、共働して位置限定スペースを画定する。第2レールと第3レールとが第1レールに対して所定位置にあるときに、位置限定部材の第2部分は位置限定スペースの中へ伸びている。これにより、位置限定の関係が、位置限定部材の第2部分と、位置限定部材の上部,下部及び中間部との間に確立される。
【0021】
好ましくは、支持フレームは、上支持部と、下支持部と、上支持部及び下支持部の間に接続された中間支持部とを含む。上支持部は、第1レールの第1壁に隣接し、下支持部は、第1レールの第2壁に隣接し、中間支持部は、第1レールの長手方向壁に隣接する。
【0022】
好ましくは、スライドレール組立体はさらに、第3レールの第1壁に隣接して配置された第1支持ベースと、第3レールの第2壁に隣接して配置された第2支持ベースとを含み、第1支持ベースは第1溝を含み、第2支持ベースは第2溝を含み、第2レールは、第1壁と、第2壁と、第2レールの第1壁及び第2壁の間に接続されている長手方向壁とを含み、第2レールの第1壁は、第1溝の中へ伸びる第1支持脚を含み、第2レールの第2壁は、第2溝の中へ伸びる第2支持脚を含み、これにより、第2レールは、離れるように移動することが防がれる。
【0023】
好ましくは、スライドレール組立体はさらに、少なくとも一つのスライド促進デバイスを含み、第1レール,第2レール及び第3レールは少なくとも一つのスライド促進デバイスを介して互いに支持しあう。好ましくは、第1レールは、第1端部と、第1レールの第1端部から離れて位置する第2端部とを含み、さらにスライドレール組立体は、第1レールの第1壁及び第2壁にそれぞれ隣接して配置された二つのブロック部を含み、二つのブロック部は第1レールの第1端部に近接する。好ましくは、第3レールは、第1端部と、第3レールの第1端部から離れて位置する第2端部とを含み、第1支持ベース及び第2支持ベースは第3レールの第1端部に近接する。第2レール及び第3レールが、第1レールに対して変位されている間に、第3レールと第1レールとの間の少なくとも一つのスライド促進デバイスは、第1レールの第1端部に変位されたときにブロック部によってブロックされ、第2レールと第3レールとの間の少なくとも一つのスライド促進デバイスは、第3レールの第1端部に変位されたときに第1支持ベース及び第2支持ベースにブロックされる。
【0024】
本発明のさらに他の態様によれば、スライドレール組立体は、第1レール,第2レール,第3レール及び位置限定部材を備えている。第1レールは、第1壁と、第2壁と、第1レールの第1壁及び第2壁の間に接続されている長手方向壁とを含む。第2レールは、第1壁と、第2壁と、第2レールの第1壁及び第2壁の間に接続されている長手方向壁とを含む。第3レールは、第1レールと第2レールとの間に可動に取り付けられ、第1壁と、第2壁と、第3レールの第1壁及び第2壁の間に接続されている長手方向壁とを含む。位置限定部材は第2レールに配置されている。第1レール,第2レール及び第3レールのうち二つは少なくとも一つのスライド促進デバイスを介して互いに支持しあう。第2及び第3レールが第1レールに対して所定位置にあるときに、少なくとも一つのスライド促進デバイスの端部と第1レールの第1端部との間に、所定距離が存在する。位置限定部材の一部が、第1レールの長手方向壁の横辺と隣接する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】従来のスライドレール組立体の斜視図である。
図2】スライドレール組立体が第1レール、第2レール及び第3レールを含むことを示す、本発明の第1実施形態に係るスライドレール組立体の組み付けられた状態の斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態に係るスライドレール組立体の分解斜視図である。
図4】本発明の第1実施形態に係るスライドレール組立体の第2レールの部分斜視図である。
図5】本発明の第1実施形態に係るスライドレール組立体の第2レールの断面図である。
図6】本発明の第1実施形態に係る退避状態のスライドレール組立体を示す。
図7】本発明の第1実施形態に係る伸長状態のスライドレール組立体を示す。
図8】本発明の第1実施形態に係る退避状態のスライドレール組立体の部分斜視図である。
図9】本発明の第1実施形態に係る退避状態のスライドレール組立体の他の部分斜視図である。
図10】スライドレール組立体が第1レール、第2レール及び第3レールを含むことを示す、本発明の第2実施形態に係るスライドレール組立体の組み付けられた状態の斜視図である。
図11】本発明の第2実施形態に係るスライドレール組立体の分解斜視図である。
図12】本発明の第2実施形態に係るスライドレール組立体の第2レールの部分斜視図である。
図13】本発明の第2実施形態に係るスライドレール組立体の第2レールの断面図である。
図14】本発明の第2実施形態に係る退避状態のスライドレール組立体を示す。
図15】第2レールが第3レールに対して所定位置にある、本発明の第2実施形態に係るスライドレール組立体の部分斜視図である。
図16】第2レールが第3レールに対して所定位置にある、本発明の第2実施形態に係るスライドレール組立体の断面図である。
図17】本発明の第3実施形態に係るスライドレール組立体の第2レールの部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図2及び3を参照すると、本発明の第1実施形態に係るスライドレール組立体100は、第1レール102と、第2レール104と、第3レール106と、位置限定部材108とを含む。第3レール106は、第1レール102と第2レール104との間に可動に取り付けられている。第1レール102,第2レール104及び第3レール106は、長手方向に互いに変位されることができる。第1レール102,第3レール106,第2レール104は、例としてはそれぞれ外レール、中間レール及び内レールであるが、実際にはそれに限定されない。本実施形態では、X軸方向が長手方向(又はスライドレールの長手方向又は変位方向)として、Y軸方向が横断方向(又はスライドレールの横方向)として、Z軸方向が縦方向(又はスライドレールの高さ方向)として定義されることは言及に値することである。
【0027】
第1レール102は、第1壁110aと、第2壁110bと、第1レール102の第1壁110a及び第2壁110bの間に接続された長手方向壁112とを含む。第1レール102の第1壁110aと、第2壁110bと、長手方向壁112とは、共働してチャンネルを画定する。第1レール102は、支持フレーム114を備えている。支持フレーム114は第1レール102に接続されて(例えば固着して接続されて)いるので、第1レール102の一部として見られる。言い換えれば、支持フレーム114と第1レール102とは、単一のユニットとみなされてよい。第1レール102は、第1端部102aと、第1端部102aから離れて位置する第2端部102bとを含む。第1端部102a及び第2端部102bは、例としてそれぞれ前端部と後端部であるが、実際はそれに限定されない。支持フレーム114は、上支持部116aと、下支持部116bと、上支持部116a及び下支持部116bの間に接続された中間支持部118とを含む。上支持部116aは、第1レール102の第1壁110aに隣接し、下支持部116bは、第1レール102の第2壁110bに隣接し、中間支持部118は、第1レール102の長手方向壁112に隣接する。
【0028】
好ましくは、支持フレーム114は位置限定機能部120を含む。位置限定機能部120は上部120aと、下部120bと、中間部120cとを含む。上部120aと、下部120bと、中間部120cとは、共働して位置限定スペースSを画定する。
【0029】
好ましくは、位置限定機能部120は切り欠き(notch)の形状で形成されている。
【0030】
好ましくは、位置限定機能部120の中間部120cは、第1レール102の第1端部102a(例えば前端部)に隣接し、位置限定機能部120の上部120aと下部120bとは、第1レール102の第1端部102a(例えば前端部)を越えて伸びている。
【0031】
第3レール106は、第1レール102のチャンネルに可動に取り付けられている。第3レール106は、第1壁122aと、第2壁122bと、第3レール106の第1壁122a及び第2壁122bの間に接続された長手方向壁124とを含む。第3レール106の第1壁122aと、第2壁122bと、長手方向壁124とは、共働してチャンネルを画定する。第3レール106は、第1端部106aと、第1端部106aから離れて位置する第2端部106bとを含む。第1端部106a及び第2端部106bは、例としてそれぞれ前端部及び後端部であるが、実際にはそれに限定されない。
【0032】
第2レール104は、第3レール106のチャンネルに可動に取り付けられている。第2レール104は、第1壁126aと、第2壁126bと、第2レール104の第1壁126a及び第2壁126bの間に接続された長手方向壁128とを含む。第2レール104は、第1端部104aと、第1端部104aから離れて位置する第2端部104bとを含む。第1端部104a及び第2端部104bは、例としてそれぞれ前端部及び後端部であるが、実際にはそれに限定されない。
【0033】
好ましくは、スライドレール組立体100はさらに、少なくとも一つのスライド促進デバイスを含み、第1レール102,第2レール104及び第3レール106は少なくとも一つのスライド促進デバイスを介して互いに支持しあう。例えばスライドレール組立体100は、第1レール102,第3レール106が互いに円滑に変位することを助ける、少なくとも一つのスライド促進デバイスを含む。ここで例としては、少なくとも一つのスライド促進デバイスは、第1レール102のチャンネルに位置する第1ボールベアリングストリップ(直線動のためのボール受け部)134aと、第2ボールベアリングストリップ134bとを含み、これらは、第3レール106の第1壁122a又は第2壁122bを支持する転動部材136をそれぞれ有する。さらにスライドレール組立体100は、第2レール104及び第3レール106が互いに円滑に変位することを助ける、別の少なくとも一つのスライド促進デバイスを含む。ここで例としては、別の少なくとも一つのスライド促進デバイスは、第3レール106のチャンネルにそれぞれ可動に設けられた第1スライド促進デバイス138と、第2スライド促進デバイス140とを含んでいる。第1スライド促進デバイス138及び第2スライド促進デバイス140は、第2レール104のそれぞれ異なるレール区間を支持するように構成され、それぞれ、複数の第1転動ボール142aと複数の第2転動ボール142bとを含む(図6参照)。第1スライド促進デバイス138と第2スライド促進デバイス140との第1転動ボール142aは、第3レール106の第1壁122aと第2レール104の第1壁126aとの間に支持され、第1スライド促進デバイス138と第2スライド促進デバイス140との第2転動ボール142bは、第3レール106の第2壁122bと第2レール104の第2壁126bとの間に支持されている。
【0034】
図3,4,5を参照すると、位置限定部材108が第2レール104に配置され、第1部分130と第2部分132を含んでいる。好ましくは、位置限定部材108は第2レール104に固着して設けられ、位置限定部材108の第2部分132は第1部分130から実質的に垂直に伸びる。好ましくは、位置限定部材108は第2レール104の第1端部104aに隣接するが、実際にはそれに限定されない。
【0035】
図6,7を参照すると、第2レール104及び第3レール106は第1レール102に対して所定位置P(例えば図6に示す退避位置)に変位されることができる。これにより、第1レール102と第3レール106とが、少なくとも一つのスライド促進デバイス(例えば第1ボールベアリングストリップ134a及び第2ボールベアリングストリップ134b)を介して、互いに支持するのみならず、第3レール106と第2レール104とが、別の少なくとも一つのスライド促進デバイス(例えば第1スライド促進デバイス138及び第2スライド促進デバイス140)を介して、互いに支持する。第2レール104及び第3レール106は第1レール102に対して所定位置Pにあるときに、別の少なくとも一つのスライド促進デバイス(例えば第1スライド促進デバイス138)の第1端部(例えば前端部)と第3レール106の第1端部106aとの間に、第1所定距離K1が存在する。また、少なくとも一つのスライド促進デバイス(例えば第1ボールベアリングストリップ134a、第2ボールベアリングストリップ134b)の第1端部(例えば前端部)と第1レール102の第1端部102aとの間に、第2所定距離K2が存在する。
【0036】
第2レール104及び第3レール106が、図7に示すように、所定位置Pから第1方向D1(例えば長手方向)に第1レール102に対して変位された後に、それぞれ第1伸長位置E1と第2伸長位置E2とに到達したときに、位置限定部材108は第1レール102の第1端部102a及び第3レール106の第1端部106aから離れ、別の少なくとも一つのスライド促進デバイス(例えば第1スライド促進デバイス138)及び少なくとも一つのスライド促進デバイス(例えば第1ボールベアリングストリップ134a及び第2ボールベアリングストリップ134b)もまた、第1方向D1に変位され、それぞれ第3レール106の第1端部106a及び第1レール102の第1端部102aに近接するようになる。
【0037】
好ましくは、スライドレール組立体100はさらに、少なくとも一つの支持ベース、即ち、第3レール106の第1壁122aに隣接して配置された第1支持ベース144aと、第3レール106の第2壁122bに隣接して配置された第2支持ベース144bとを含む。ここで例として、第1支持ベース144a及び第2支持ベース144bは第3レール106の第1端部106aに近接し、第3レール106のチャンネルの端開口に位置する。さらにスライドレール組立体は、第1レール102の第1壁110a及び第2壁110bにそれぞれ隣接して配置された二つのブロック部145(例えば二つの前ブロック部)を含む。ここで例として、二つのブロック部145は第1レール102の第1端部102aに近接し、第1レール102のチャンネルの端開口に位置する。第2レール104及び第3レール106が、第1方向D1(図7参照)に第1レール102に対して変位された後に、それぞれ第1伸長位置E1と第2伸長位置E2とに到達したときに、別の少なくとも一つのスライド促進デバイス(例えば第1スライド促進デバイス138)は、第3レール106の第1支持ベース144a及び第2支持ベース144bにブロックされる。また、少なくとも一つのスライド促進デバイス(例えば第1ボールベアリングストリップ134aと第2ボールベアリングストリップ134b)は、第1レール102のブロック部145にブロックされる。
【0038】
図6,8,9を参照すると、第2レール104及び第3レール106が第1レール102に対して所定位置Pにあるときに、位置限定部材108の第1部分130は、第1レール102,第2レール104及び第3レール106の第1端部(例えば前端部)102a,104a,106aと隣接する。位置限定部材108の第2部分132は、第1レール102,第2レール104及び第3レール106が第2方向D2(例えば横断方向又は横方向)に互いに離れることを防止する。ここで第2方向は第1方向D1と実質的に垂直である。
【0039】
第2レール104と第3レール106とが第1レール102に対して所定位置Pにあるときに、好ましくは、位置限定部材108の第2部分132は支持フレーム114の位置限定機能部120の位置限定スペースSの中へ伸びている。これにより、位置限定の関係が、位置限定部材108の第2部分132と、位置限定機能部120の上部120a,下部120b及び中間部120cとの間に確立される(図8,9参照)。
【0040】
第2レール104と第3レール106とが第1レール102に対して所定位置Pにあるときに、別の少なくとも一つのスライド促進デバイス(例えば第1スライド促進デバイス138)の第1端部(例えば前端部)と第3レール106の第1端部106aとの間に、第1所定距離K1だけあることが好ましく(図6参照)、少なくとも一つのスライド促進デバイス(例えば第1ボールベアリングストリップ134a及び第2ボールベアリングストリップ134b)の第1端部(例えば前端部)と第1レール102の第1端部102aとの間に、第2所定距離K2だけあることが好ましい(図6参照)。言い換えれば、所定距離K1の範囲に位置する第2レール104のレール区間は、別の少なくとも一つのスライド促進デバイス(例えば第1スライド促進デバイス138及び第2スライド促進デバイス140)によって不支持の状態のままにされ、所定距離K2の範囲に位置する第3レール106のレール区間は、少なくとも一つのスライド促進デバイス(例えば第1ボールベアリングストリップ134a及び第2ボールベアリングストリップ134b)によって不支持の状態のままにされる。もし力(例えば外力)がこの状態でスライドレール組立体100に加わったら、所定距離K1,K2の範囲に位置する第1レール102,第2レール104及び第3レール106のレール区間は、このレール区間が効果的に支持されていないことに起因して、この力(例えば外力)の作用の下で互いに離れてしまうことがある。
【0041】
従って本実施形態では、位置限定部材108の一部(例えば第2部分132)が、例えば、図8,9に示すように第1レール102の長手方向壁112の横辺L(又は第1レール102の支持フレーム114の中間支持部118の横辺L)に締結される(fastened)ように、第1レール102の長手方向壁112の横辺L(又は第1レール102の支持フレーム114の中間支持部118の横辺L)と隣接する構成である。これにより、第1レール102,第2レール104及び第3レール106が第2方向D2(例えば横断方向又は横方向)に互いに移動すること、また互いに離れることを防止する。言い換えれば、第2レール104及び第3レール106が第1レール102に対して所定位置Pにあるときに、位置限定部材108の上述の部分(例えば第2部分132)は、第1レール102の長手方向壁112の横辺L(又は第1レール102の支持フレーム114の中間支持部118の横辺L)に隣接するようになる。位置限定部材108の上述の部分(例えば第2部分132)と第1レール102の長手方向壁112の横辺L(又は第1レール102の支持フレーム114の中間支持部118の横辺L)とは、互いに接触できるようになり、これにより、力が第2方向D2にスライドレール組立体100に加えられたときにブロックする効果を与える(図8,9参照)。それによって、第1レール102,第2レール104及び第3レール106が、第2方向D2(例えば横断方向又は横方向)に互いに移動しないように、また互いに離れないようにする。位置限定部材108の第1部分130及び第2部分132は共働して、第1レール102の第1端部102a(又は支持フレーム114の中間部120c)の少なくとも一部と、第3レール106の第1端部106aの少なくとも一部とを受ける空間を画定する(図8,9参照)。
【0042】
好ましくは、第1支持ベース144aは第1溝146を有し、第2支持ベース144bは第2溝148を有する(図8参照)。なお好ましくは、第2レール104の第1壁126aは、第1溝146の中へ伸びる第1支持脚150を含み、第2レール104の第2壁126bは、第2溝148の中へ伸びる第2支持脚152を含む。第1溝146の中へ伸びる第2レール104の第1支持脚150と、第2溝148の中へ伸びる第2レール104の第2支持脚152とによって、第2レール104及び第3レール106は、第1レール102に対して所定位置Pにあるときに、第2方向D2に互いに移動すること、また互いに離れることが防がれる(図8参照)。
【0043】
上述したように、力が第2方向D2にスライドレール組立体100に加えられたときに、第1所定距離K1の範囲に位置する第2レール104の第1壁126a及び第2壁126bの各部は、それぞれ第1支持ベース144a及び第2支持ベース144bに支持されることができる(図8,9参照)。しかし、第2レール104の第1壁126aの第1支持脚150及び第2レール104の第2壁126bの第2支持脚152を、第1支持ベース144aの第1溝146及び第2支持ベース144bの第2溝148から、それぞれ第2方向D2に分離するのに、力が十分に大きいならば、第1所定距離K1の範囲に位置する第2レール104の第1壁126a及び第2壁126bの各部は、第3レール106のチャンネルに不適切に位置してしまうことがある。従って本実施形態では、位置限定部材108の上述の部分(例えば第2部分132)は、第1レール102の長手方向壁112の横辺L(又は第1レール102の支持フレーム114の中間支持部118の横辺L)に隣接するように構成され、第2レール104及び第3レール106が第2方向D2に互いに移動することを防止する(図8参照)。即ち、第2レール104の第1壁126aの第1支持脚150及び第2レール104の第2壁126bの第2支持脚152が、第1支持ベース144aの第1溝146及び第2支持ベース144bの第2溝148からそれぞれ分離しないことを、位置限定部材108は確実にする。従って、第3レール106のチャンネルに取り付けられたときに、第2レール104は、力(例えば外力)に影響されずに第3レール106のチャンネルにしっかり取り付けられ続けることが確実となる。これによりスライドレール組立体100は、使用に関して信頼性が高く、安全である。
【0044】
図10,11を参照すると、本発明の第2実施形態に係るスライドレール組立体200は、第1レール202と、第2レール204と、第3レール206と、位置限定部材208とを備えている。第3レール206は、第1レール202と第2レール204との間に可動に取り付けられている。
【0045】
図11,12,13を参照すると、位置限定部材208は、第2レール204に配置され、第1部分230と第2部分232とを有する。好ましくは、位置限定部材208は第2レール204に固着して設けられ、位置限定部材208の第2部分232は、第1部分230から実質的に垂直に伸びている。好ましくは、位置限定部材208は第2レール204の第1端部204aと隣接しているが、実際にはそれに限定されない。
【0046】
図14を参照すると、第2レール204及び第3レール206は第1レール202に対して所定位置P(例えば退避位置)に変位されることができる。これにより、第1レール202と第3レール206とが、少なくとも一つのスライド促進デバイス(例えば第1ボールベアリングストリップ234a及び第2ボールベアリングストリップ234b)を介して、互いに支持するのみならず、第3レール206と第2レール204とが、別の少なくとも一つのスライド促進デバイス(例えば第1スライド促進デバイス238、第2スライド促進デバイス240)を介して、互いに支持する。第2レール204及び第3レール206は第1レール202に対して所定位置Pにあるときに、別の少なくとも一つのスライド促進デバイス(例えば第1スライド促進デバイス238)の第1端部(例えば前端部)と第3レール206の第1端部206aとの間に、第1所定距離K1が存在する。
【0047】
図14,15,16を参照すると、第2レール204が第3レール206に対して所定位置Pにあるときに、位置限定部材208の第1部分230が、第2レール204の第1端部(例えば前端部)204a及び第3レール206の第1端部(例えば前端部)206aに隣接する。位置限定部材208の第2部分232は、第2レール204及び第3レール206が第2方向D2に互いに分離することを防止する。ここで第2方向D2は、第1方向D1と実質的に垂直である。
【0048】
第2レール204が第3レール206に対して所定位置Pにあるときに、別の少なくとも一つのスライド促進デバイス(例えば第1スライド促進デバイス238)の第1端部(例えば前端部)と第3レール206の第1端部206aとの間に、第1所定距離K1だけあることが好ましい(図14参照)。言い換えれば、所定距離K1の範囲に位置する第2レール204のレール区間は、別の少なくとも一つのスライド促進デバイス(例えば第1スライド促進デバイス238及び第2スライド促進デバイス240)によって不支持の状態のままにされる。もし力(例えば外力)がこの状態でスライドレール組立体200に加わったら、所定距離K1の範囲に位置する第2レール204及び第3レール206のレール区間は、このレール区間が効果的に支持されていないことに起因して、この力(例えば外力)の作用の下で互いに離れてしまうことがある。従って本実施形態では、位置限定部材208の一部(例えば第2部分232)が、例えば、第3レール206の長手方向壁224の横辺L’に締結されるように、第3レール206の長手方向壁224の横辺L’と隣接する構成である。これにより、第2レール204及び第3レール206が第2方向D2(例えば横断方向又は横方向)に互いに移動すること、また互いに離れることを防止する。言い換えれば、第2レール204が第3レール206に対して所定位置Pにあるときに、位置限定部材208の上述の部分(例えば第2部分232)は、第3レール206の長手方向壁224の横辺L’に隣接するようになる。位置限定部材208の上述の部分(例えば第2部分232)と第3レール206の長手方向壁224の横辺L’とは、互いに接触できるようになり、これにより、力が第2方向D2にスライドレール組立体200に加えられたときにブロックする効果を与える(図15,16参照)。それによって、第2レール204及び第3レール206が、第2方向D2(例えば横断方向又は横方向)に互いに移動しないように、また互いに離れないようにする。位置限定部材208の第1部分230及び第2部分232は共働して、第3レール206の第1端部206aの少なくとも一部を受ける空間を画定する。
【0049】
好ましくは、スライドレール組立体200はさらに、少なくとも一つの支持ベース、即ち、第3レール206にそれぞれ配置された第1支持ベース244aと第2支持ベース244bとを含む。ここで例として、第1支持ベース244a及び第2支持ベース244bは第3レール206の第1端部206aに近接する。好ましくは、第1支持ベース244aは第1溝246を有し、第2支持ベース244bは第2溝248を有する。第2レール204の第1壁226aは、第1溝246の中へ伸びる第1支持脚250を含み、第2レール204の第2壁226bは、第2溝248の中へ伸びる第2支持脚252を含む。第1溝246の中へ伸びる第2レール204の第1支持脚250と、第2溝248の中へ伸びる第2レール204の第2支持脚252とによって、第2レール204が第3レール206に対して所定位置Pにあるときに、第2レール204及び第3レール206は第2方向D2に互いに移動すること、また互いに離れることが防がれる(図15,16参照)。
【0050】
上述したように、力が第2方向D2にスライドレール組立体200に加えられたときに、第1所定距離K1の範囲に位置する第2レール204の第1壁226a及び第2壁226bの各部は、それぞれ第1支持ベース244a及び第2支持ベース244bに支持されることができる(図14,15,16参照)。しかし、第2レール204の第1壁226aの第1支持脚250及び第2レール204の第2壁226bの第2支持脚252を、第1支持ベース244aの第1溝246及び第2支持ベース244bの第2溝248から、それぞれ第2方向D2に分離するのに、力が十分に大きいならば、第1所定距離K1の範囲に位置する第2レール204の第1壁226a及び第2壁226bの各部は、第3レール206のチャンネルに不適切に位置してしまうことがある。従って本実施形態では、位置限定部材208の上述の部分(例えば第2部分232)は、第3レール206の長手方向壁224の横辺L’に隣接するように構成され、第2レール204及び第3レール206が第2方向D2に互いに移動することを防止する(図15,16参照)。即ち、第2レール204の第1壁226aの第1支持脚250及び第2レール204の第2壁226bの第2支持脚252が、第1支持ベース244aの第1溝246及び第2支持ベース244bの第2溝248からそれぞれ分離しないことを、位置限定部材208は確実にする。従って、第3レール206のチャンネルに取り付けられたときに、第2レール204は、力(例えば外力)に影響されずに第3レール206のチャンネルに確実に取り付けられ続け、これによりスライドレール組立体200は、使用に関して信頼性が高く、安全である。
【0051】
図17に、本発明の第3実施形態の第2レール300を示す。位置限定部材108が第2レール104に取り付けられた付加的な要素である第1実施形態と異なり、第3実施形態は、位置限定部材302が第2レール300に直接的に一体に設けられる、即ち、第2レール300が位置限定部材302に直接形成されるように、構成されている。
【0052】
本発明が上述の好ましい実施形態を通して明らかにされる一方、実施形態は、発明の範囲に関して限定的であることを意図していないことが理解されるものとする。出願人が求める特許保護の範囲は、添付の請求項で定義される。
図1
図2
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図10
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