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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022135766
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】方法、コンピュータ、及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220908BHJP
【FI】
G06Q30/02 470
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021035783
(22)【出願日】2021-03-05
(71)【出願人】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【弁理士】
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】橋本 翔一
(72)【発明者】
【氏名】雀部 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】菊森 智実
(72)【発明者】
【氏名】笠井 鷹介
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】顧客に自動車用のタイヤ製品を推奨する技術を改善する。
【解決手段】コンピュータが実行する方法であって、ユーザに対する質問情報を出力し、質問情報に対するユーザの回答情報を取得する第1処理を複数回実行すること、第1処理が複数回実行される間に第2処理を少なくとも1回実行すること、第1処理を複数回実行して取得された少なくとも2つの回答情報に基づいて、ユーザにとっての自動車の用途及び顧客価値を推定するとともにユーザに推奨する少なくとも1つのタイヤ製品を特定する第3処理を実行すること、及び推定された用途及び顧客価値を示す情報と、特定された少なくとも1つのタイヤ製品に関する情報と、を出力することを含む。第2処理は、既に取得された少なくとも1つの回答情報に基づいてタイヤ製品に対するユーザの理解度を判定し、判定された理解度に応じて次回以降に出力する質問情報を決定する処理を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが実行する方法であって、
ユーザに対する質問情報を出力し、前記質問情報に対する前記ユーザの回答情報を取得する第1処理を複数回実行すること、
前記第1処理が複数回実行される間に第2処理を少なくとも1回実行すること、
前記第1処理を複数回実行して取得された少なくとも2つの回答情報に基づいて、前記ユーザにとっての自動車の用途及び顧客価値を推定するとともに前記ユーザに推奨する少なくとも1つのタイヤ製品を特定する第3処理を実行すること、及び
推定された前記用途及び前記顧客価値を示す情報と、特定された前記少なくとも1つのタイヤ製品に関する情報と、を出力すること
を含み、
前記第2処理は、既に取得された少なくとも1つの回答情報に基づいてタイヤ製品に対する前記ユーザの理解度を判定し、判定された前記理解度に応じて次回以降に出力する質問情報を決定する処理を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記ユーザの識別情報と、特定された前記少なくとも1つのタイヤ製品の識別情報と、を外部装置へ送信することを更に含む、方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法であって、
前記第3処理は、入力情報が入力されると出力情報を出力する学習モデルを用いて実行され、
前記入力情報は、前記第1処理を複数回実行して得られる少なくとも2つの回答情報を含み、
前記出力情報は、ユーザにとっての自動車の用途及び顧客価値を示す情報と、前記ユーザに推奨する少なくとも1つのタイヤ製品の識別情報と、を含む、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、
前記ユーザに推奨する少なくとも1つのタイヤ製品に、前記ユーザによって購入されたタイヤ製品が含まれない場合、前記ユーザによって購入されたタイヤ製品の識別情報を教師データとして用いて前記学習モデルを訓練することを更に含む、方法。
【請求項5】
請求項1から4の何れか一項に記載の方法であって、
前記第3処理は、前記第1処理を複数回実行して取得された前記少なくとも2つの回答情報と、回答情報とは異なる他の情報と、に基づいて実行される、方法。
【請求項6】
制御部を備えるコンピュータであって、
前記制御部は、
ユーザに対する質問情報を出力し、前記質問情報に対する前記ユーザの回答情報を取得する第1処理を複数回実行し、
前記第1処理が複数回実行される間に第2処理を少なくとも1回実行し、
前記第1処理を複数回実行して取得された少なくとも2つの回答情報に基づいて、前記ユーザにとっての自動車の用途及び顧客価値を推定するとともに前記ユーザに推奨する少なくとも1つのタイヤ製品を特定する第3処理を実行し、
推定された前記用途及び前記顧客価値を示す情報と、特定された前記少なくとも1つのタイヤ製品に関する情報と、を出力し、
前記第2処理は、既に取得された少なくとも1つの回答情報に基づいてタイヤ製品に対する前記ユーザの理解度を判定し、判定された前記理解度に応じて次回以降に出力する質問情報を決定する処理を含む、コンピュータ。
【請求項7】
端末装置及び情報処理装置を備えるシステムであって、
前記端末装置又は前記情報処理装置が、
ユーザに対する質問情報を出力し、前記質問情報に対する前記ユーザの回答情報を取得する第1処理を複数回実行し、
前記第1処理が複数回実行される間に第2処理を少なくとも1回実行し、
前記第1処理を複数回実行して取得された少なくとも2つの回答情報に基づいて、前記ユーザにとっての自動車の用途及び顧客価値を推定するとともに前記ユーザに推奨する少なくとも1つのタイヤ製品を特定する第3処理を実行し、
推定された前記用途及び前記顧客価値を示す情報と、特定された前記少なくとも1つのタイヤ製品に関する情報と、を出力し、
前記第2処理は、既に取得された少なくとも1つの回答情報に基づいてタイヤ製品に対する前記ユーザの理解度を判定し、判定された前記理解度に応じて次回以降に出力する質問情報を決定する処理を含む、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、方法、コンピュータ、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、顧客に自動車用のタイヤ製品を推奨する技術が知られている。例えば特許文献1には、選択された評価項目に対応する評価点をタイヤ毎に積算してタイヤ毎の合計点を求め、合計点の高さの順位に基づいて、推奨する1以上のタイヤを決定することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-51311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
顧客に自動車用のタイヤ製品を推奨する技術には改善の余地があった。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、顧客に自動車用のタイヤ製品を推奨する技術を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る方法は、
コンピュータが実行する方法であって、ユーザに対する質問情報を出力し、前記質問情報に対する前記ユーザの回答情報を取得する第1処理を複数回実行すること、前記第1処理が複数回実行される間に第2処理を少なくとも1回実行すること、前記第1処理を複数回実行して取得された少なくとも2つの回答情報に基づいて、前記ユーザにとっての自動車の用途及び顧客価値を推定するとともに前記ユーザに推奨する少なくとも1つのタイヤ製品を特定する第3処理を実行すること、及び推定された前記用途及び前記顧客価値を示す情報と、特定された前記少なくとも1つのタイヤ製品に関する情報と、を出力することを含み、前記第2処理は、既に取得された少なくとも1つの回答情報に基づいてタイヤ製品に対する前記ユーザの理解度を判定し、判定された前記理解度に応じて次回以降に出力する質問情報を決定する処理を含む。
かかる構成によれば、ユーザの理解度に応じた質問が行われ、質問に対する回答からユーザにとっての自動車の用途及び顧客価値が推定されるとともに、ユーザに推奨するタイヤ製品が特定される。例えば、理解度が比較的低いユーザに対してはタイヤ製品に関する知識が無くても回答できる質問を行ったり、理解度が比較的高いユーザに対しては回答するためにタイヤ製品に関する一定程度の知識が必要となる質問を行ったりすることができる。このため、ユーザにとっての自動車の用途及び顧客価値をユーザの回答から推定する精度が向上し、より適切なタイヤ製品が推奨され得る点で、顧客に自動車用のタイヤ製品を推奨する技術が改善される。
【0007】
本開示の一実施形態に係る方法は、前記ユーザの識別情報と、特定された前記少なくとも1つのタイヤ製品の識別情報と、を外部装置へ送信することを更に含んでもよい。かかる構成によれば、外部装置が例えばタイヤ製品の販売店で使用されるコンピュータである場合、販売店の従業員は、端末装置から受信した情報を参照することによって、ユーザが来店した際の対応を円滑に行うことができる。また、外部装置が例えばタイヤ製品を販売するインターネットショップの事業者によって使用されるコンピュータである場合、ユーザはweb経由の手続きでタイヤ製品を購入可能である。
【0008】
本開示の一実施形態に係る方法において、前記第3処理は、入力情報が入力されると出力情報を出力する学習モデルを用いて実行され、前記入力情報は、前記第1処理を複数回実行して得られる少なくとも2つの回答情報を含み、前記出力情報は、ユーザにとっての自動車の用途及び顧客価値を示す情報と、前記ユーザに推奨する少なくとも1つのタイヤ製品の識別情報と、を含んでもよい。かかる構成によれば、適切に訓練された学習モデルを用いることにより、例えばルールベースに基づく手法と比較して第3処理における推定精度が向上し得る。
【0009】
本開示の一実施形態に係る方法は、前記ユーザに推奨する少なくとも1つのタイヤ製品に、前記ユーザによって購入されたタイヤ製品が含まれない場合、前記ユーザによって購入されたタイヤ製品の識別情報を教師データとして用いて前記学習モデルを訓練することを更に含んでもよい。かかる構成によれば、例えばユーザ個人の嗜好等の特性を学習モデルに学習させることができ、出力情報の精度が向上し得る。
【0010】
本開示の一実施形態に係る方法において、前記第3処理は、前記第1処理を複数回実行して取得された前記少なくとも2つの回答情報と、回答情報とは異なる他の情報と、に基づいて実行されてもよい。かかる構成によれば、例えば他の情報が、タイヤ製品の販売店における在庫情報、又は販売店が優先的に販売したいと考えるタイヤ製品の識別情報等である場合、ユーザに推奨するタイヤ製品を特定するに際して、販売店の事情を反映可能となる。
【0011】
本開示の一実施形態に係るコンピュータは、
制御部を備えるコンピュータであって、前記制御部は、ユーザに対する質問情報を出力し、前記質問情報に対する前記ユーザの回答情報を取得する第1処理を複数回実行し、前記第1処理が複数回実行される間に第2処理を少なくとも1回実行し、前記第1処理を複数回実行して取得された少なくとも2つの回答情報に基づいて、前記ユーザにとっての自動車の用途及び顧客価値を推定するとともに前記ユーザに推奨する少なくとも1つのタイヤ製品を特定する第3処理を実行し、推定された前記用途及び前記顧客価値を示す情報と、特定された前記少なくとも1つのタイヤ製品に関する情報と、を出力し、前記第2処理は、既に取得された少なくとも1つの回答情報に基づいてタイヤ製品に対する前記ユーザの理解度を判定し、判定された前記理解度に応じて次回以降に出力する質問情報を決定する処理を含む。
かかる構成によれば、ユーザの理解度に応じた質問が行われ、質問に対する回答からユーザにとっての自動車の用途及び顧客価値が推定されるとともに、ユーザに推奨するタイヤ製品が特定される。例えば、理解度が比較的低いユーザに対してはタイヤ製品に関する知識が無くても回答できる質問を行ったり、理解度が比較的高いユーザに対しては回答するためにタイヤ製品に関する一定程度の知識が必要となる質問を行ったりすることができる。このため、ユーザにとっての自動車の用途及び顧客価値をユーザの回答から推定する精度が向上し、より適切なタイヤ製品が推奨され得る点で、顧客に自動車用のタイヤ製品を推奨する技術が改善される。
【0012】
本開示の一実施形態に係るシステムは、
端末装置及び情報処理装置を備えるシステムであって、前記端末装置又は前記情報処理装置が、ユーザに対する質問情報を出力し、前記質問情報に対する前記ユーザの回答情報を取得する第1処理を複数回実行し、前記第1処理が複数回実行される間に第2処理を少なくとも1回実行し、前記第1処理を複数回実行して取得された少なくとも2つの回答情報に基づいて、前記ユーザにとっての自動車の用途及び顧客価値を推定するとともに前記ユーザに推奨する少なくとも1つのタイヤ製品を特定する第3処理を実行し、推定された前記用途及び前記顧客価値を示す情報と、特定された前記少なくとも1つのタイヤ製品に関する情報と、を出力し、前記第2処理は、既に取得された少なくとも1つの回答情報に基づいてタイヤ製品に対する前記ユーザの理解度を判定し、判定された前記理解度に応じて次回以降に出力する質問情報を決定する処理を含む。
かかる構成によれば、ユーザの理解度に応じた質問が行われ、質問に対する回答からユーザにとっての自動車の用途及び顧客価値が推定されるとともに、ユーザに推奨するタイヤ製品が特定される。例えば、理解度が比較的低いユーザに対してはタイヤ製品に関する知識が無くても回答できる質問を行ったり、理解度が比較的高いユーザに対しては回答するためにタイヤ製品に関する一定程度の知識が必要となる質問を行ったりすることができる。このため、ユーザにとっての自動車の用途及び顧客価値をユーザの回答から推定する精度が向上し、より適切なタイヤ製品が推奨され得る点で、顧客に自動車用のタイヤ製品を推奨する技術が改善される。
【発明の効果】
【0013】
本開示の一実施形態によれば、顧客に自動車用のタイヤ製品を推奨する技術が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示の一実施形態に係るシステムの概略構成を示すブロック図である。
図2】ユーザに提示される質問のフローの例を示す図である。
図3】端末装置に表示される画面の例を示す図である。
図4】端末装置の概略構成を示すブロック図である。
図5】情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
図6】端末装置の動作を示すフローチャートである。
図7】実施形態の変形例に係る学習モデルの入出力を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施形態について説明する。
【0016】
(実施形態の概要)
図1を参照して、本開示の実施形態に係るシステム1の概要について説明する。システム1は、端末装置10と、情報処理装置20と、を備える。端末装置10及び情報処理装置20は、例えばインターネット等を含むネットワーク30と通信可能に接続される。
【0017】
端末装置10は、ユーザによって使用される任意の装置である。例えばスマートフォン若しくはタブレット端末等の汎用のコンピュータ、又は専用のコンピュータが、端末装置10として採用可能である。
【0018】
情報処理装置20は、例えばサーバ装置であるが、これに限られず任意のコンピュータであってもよい。情報処理装置20は、ネットワーク30を介して端末装置10と通信可能である。
【0019】
本実施形態では概略として、ユーザに対して端末装置10から複数の質問が順次提示される。ユーザは、端末装置10を用いて質問に順次回答する。ユーザによる回答に基づいて、ユーザにとっての自動車の用途及び顧客価値が推定されるとともに、推奨されるタイヤ製品が特定される。ユーザは、推定された用途、顧客価値、及び推奨されるタイヤ製品の情報を知ることができる。
【0020】
図2は、ユーザに提示される質問のフローの例を示す。本例では、まず「質問1」及び「質問2」がユーザに順次提示される。続いて、例えば「質問1」及び「質問2」の少なくとも一方に対する回答に基づいてタイヤ製品に対するユーザの理解度が判定され、理解度に応じてその後の質問の内容及び数が変化する。本例では、理解度が閾値以上である場合(換言すると、タイヤ製品に対するユーザの理解度が比較的高い場合)、「質問3A」、「質問4」、及び「質問5」がユーザに順次提示される。一方、理解度が閾値未満である場合(換言すると、タイヤ製品に対するユーザの理解度が比較的低い場合)、「質問3B」及び「質問4」がユーザに順次提示される。理解度が閾値以上である場合にのみ提示される「質問3A」及び「質問5」は、例えば回答するためにタイヤ製品に関する一定程度の知識(例えば、タイヤ製品の仕様に関する知識)が必要となる質問であり得る。例えば、ユーザが購入を希望するタイヤ製品のサイズ、材質、種類、若しくはトレッドパターンの類型等の仕様を問う質問等が、「質問3A」及び「質問5」として採用されてもよい。一方、理解度が閾値未満である場合にのみ提示される「質問3B」は、例えばタイヤ製品に関する知識が無くても回答可能な質問であり得る。例えば、自動車の運転において大切にしていることは何かを問う質問等が、「質問3B」として採用されてもよい。
【0021】
図3は、端末装置10に表示される画面40の例を示す図である。画面40には、推定された用途を示す情報41と、推定された顧客価値を示す情報42と、特定された少なくとも1つのタイヤ製品に関する情報43と、が出力されている。図3に示す例では、推定された用途は「通勤・通学や買い物など日々の運転」である。推定された顧客価値は「安全で上質なカーライフ」である。特定されたタイヤ製品は「タイヤ製品α」である。
【0022】
まず、本実施形態の概要について説明し、詳細については後述する。端末装置10は、第1処理を複数回実行する。第1処理は、ユーザに対する質問情報を出力し、質問情報に対するユーザの回答情報を取得する処理を含む。端末装置10は、第1処理が複数回実行される間に第2処理を少なくとも1回実行する。第2処理は、既に取得された少なくとも1つの回答情報に基づいてタイヤ製品に対するユーザの理解度を判定し、判定された理解度に応じて次回以降に出力する質問情報を決定する処理を含む。端末装置10は、第1処理を複数回実行して取得された少なくとも2つの回答情報に基づいて第3処理を実行する。第3処理は、ユーザにとっての自動車の用途及び顧客価値を推定するとともにユーザに推奨する少なくとも1つのタイヤ製品を特定する処理を含む。そして端末装置10は、推定された用途及び顧客価値を示す情報と、特定された少なくとも1つのタイヤ製品に関する情報と、を出力する。
【0023】
このように本実施形態によれば、ユーザの理解度に応じた質問が行われ、質問に対する回答からユーザにとっての自動車の用途及び顧客価値が推定されるとともに、ユーザに推奨するタイヤ製品が特定される。例えば、理解度が比較的低いユーザに対してはタイヤ製品に関する知識が無くても回答できる質問(例えば、図2の「質問3B」)を行ったり、理解度が比較的高いユーザに対しては回答するためにタイヤ製品に関する一定程度の知識が必要となる質問(例えば、図2の「質問3A」及び「質問5」)を行ったりすることができる。このため、ユーザにとっての自動車の用途及び顧客価値をユーザの回答から推定する精度が向上し、より適切なタイヤ製品が推奨され得る点で、顧客に自動車用のタイヤ製品を推奨する技術が改善される。
【0024】
次に、システム1の各構成について詳細に説明する。
【0025】
(端末装置の構成)
図4に示すように、端末装置10は、通信部11と、出力部12と、入力部13と、記憶部14と、制御部15と、を備える。
【0026】
通信部11は、ネットワーク30に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば4G(4th Generation)若しくは5G(5th Generation)等の移動体通信規格、有線LAN(Local Area Network)規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず任意の通信規格に対応してもよい。本実施形態において、端末装置10は、通信部11及びネットワーク30を介して情報処理装置20と通信する。また通信部11は、例えばGPS等の衛星測位システムに対応する受信機を含んでもよい。かかる場合、端末装置10は、当該受信機を介して受信する情報に基づいて自装置の位置情報を取得可能である。
【0027】
出力部12は、情報を出力してユーザに通知する1つ以上の出力装置を含んでもよい。当該出力装置は、例えば情報を映像で出力するディスプレイ、又は情報を音声で出力するスピーカ等であるが、これらに限られない。出力部12は、外部の出力装置を接続するためのインタフェースを含んでもよい。
【0028】
入力部13は、ユーザ入力を検出する1つ以上の入力装置を含んでもよい。当該入力装置は、例えば物理キー、静電容量キー、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、音声入力を受け付けるマイクロフォン、又はカメラ等であるが、これらに限られない。入力部13は、外部の入力装置を接続するためのインタフェースを含んでもよい。
【0029】
記憶部14は、1つ以上のメモリを含む。メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部14に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部14は、端末装置10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部14は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び組み込みソフトウェア等を記憶してもよい。
【0030】
制御部15は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサであるがこれらに限られない。プログラマブル回路は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)であるがこれに限られない。専用回路は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)であるがこれに限られない。制御部15は、端末装置10全体の動作を制御する。
【0031】
(情報処理装置の構成)
図5に示すように、情報処理装置20は、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、を備える。
【0032】
通信部21は、ネットワーク30に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば移動体通信規格、有線LAN規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。本実施形態において、情報処理装置20は、通信部21及びネットワーク30を介して端末装置10と通信する。
【0033】
記憶部22は、1つ以上のメモリを含む。記憶部22に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部22は、情報処理装置20の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部22は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及びデータベース等を記憶してもよい。
【0034】
制御部23は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。制御部23は、情報処理装置20全体の動作を制御する。
【0035】
(端末装置の動作フロー)
図6を参照して、本実施形態に係る端末装置10の動作について説明する。本動作は、例えば端末装置10に記憶された専用アプリケーションプログラム、又は汎用のwebブラウザアプリケーションを介して実行され得る。各ステップで用いられる情報は、例えばネットワーク30を介して情報処理装置20から適宜取得されてもよく、或いは端末装置10の記憶部14に予め記憶されてもよい。
【0036】
ステップS100:端末装置10の制御部15は、第1処理を実行する。第1処理は、ユーザに対する質問情報を出力し、質問情報に対する前記ユーザの回答情報を取得する処理を含む。
【0037】
具体的には、制御部15は、質問情報を出力部12へ出力する。出力部12は、質問情報を映像又は音声で出力する。質問情報は、例えばユーザの性別、年齢若しくは年代、同居家族、利用している自動車のメーカー、車種(区分及び名称)、所定期間あたりの走行距離、又はタイヤ製品選びにおいて希望するタイヤ性能が明確であるか否か等をユーザに質問する情報であるが、これらに限られない。なお、後述するようにステップS100は複数回繰り返し実行されるが、少なくとも1回目のステップS100で出力される質問情報は、タイヤ製品に関する知識が無くても回答可能な質問を示す情報である。
【0038】
そして制御部15は、ユーザによって入力された回答情報を入力部13から取得する。回答情報は、例えば予め用意された複数の選択肢の中からユーザによって選択された1つ以上の選択肢を示す情報であってもよく、自然言語によるテキスト情報であってもよく、当該テキスト情報を自然言語処理によって認識した結果を示す情報であってもよい。
【0039】
ステップS101:制御部15は、処理のループを終了するか否かを決定する。ループを終了すると決定した場合(ステップS101-Yes)、プロセスはステップS102に進む。一方、ループを終了しないと判定した場合(ステップS101-No)、プロセスはステップS105に進む。
【0040】
具体的には、制御部15は、所定の終了条件が満たされるか否かを判定し、当該終了条件が満たされると判定した場合、ループを終了すると決定する。終了条件は、例えばユーザに提示される全ての質問情報に対する回答情報の取得が完了したという条件であるが、これに限られない。本実施形態では、タイヤ製品に対するユーザの理解度が閾値以上であるか否かに応じて、ユーザに提示される質問情報が異なる。例えば図2に示す例では、ユーザの理解度が閾値以上である場合、ユーザに提示されるものとして定められた質問情報は「質問1」、「質問2」、「質問3A」、「質問4」、及び「質問5」の5つである。制御部15は、これら5つの質問情報に対する回答情報の取得が完了した場合、ループを終了すると決定し、回答情報の取得が完了していない場合、ループを終了しないと決定する。一方、ユーザの理解度が閾値未満である場合、ユーザに提示されるものとして定められた質問情報は「質問1」、「質問2」、「質問3A」、及び「質問4」の4つである。制御部15は、これら4つの質問情報に対する回答情報の取得が完了した場合、ループを終了すると決定し、回答情報の取得が完了していない場合、ループを終了しないと決定する。しかしながら本実施形態では、図2に示す例に限られず、ステップS100が複数回実行されればよい。
【0041】
ステップS102:ステップS101でループを終了すると決定した場合(ステップS101-Yes)、制御部15は、第1処理を複数回実行して取得された少なくとも2つの回答情報に基づいて第3処理を実行する。第3処理は、ユーザにとっての自動車の用途及び顧客価値を推定するとともにユーザに推奨する少なくとも1つのタイヤ製品を特定する処理を含む。
【0042】
第3処理の実行には、任意の手法が採用可能である。例えば本実施形態では、ルールベースに基づく手法が採用される。具体的には、制御部15は、少なくとも2つの回答情報が示し得る回答内容の組合せ毎に、自動車の用途、顧客価値、及び推奨するタイヤ製品を示す情報を予め記憶部14に記憶してもよい。具体的には、例えば2つの回答情報のそれぞれが示し得る回答内容が「1」、「2」、又は「3」である場合、当該2つの回答情報が示し得る回答内容の組合せは3×3=9通りのパターンが存在する。かかる場合、記憶部14には、9通りのパターンのそれぞれに対応付けて、自動車の用途、顧客価値、及び推奨するタイヤ製品を示す情報が記憶される。そして制御部15は、取得された少なくとも2つの回答情報が示す回答内容の組合せに対応する、自動車の用途、顧客価値、及び推奨するタイヤ製品を示す情報を、記憶部14から取得してもよい。
【0043】
ここで制御部15は、第1処理を複数回実行して取得された少なくとも2つの回答情報と、回答情報とは異なる他の情報と、の両方に基づいて、第3処理を実行してもよい。他の情報は、例えばタイヤ製品の販売店における在庫情報、又は販売店が優先的に販売したいと考えるタイヤ製品の識別情報等であるが、これらに限られない。当該他の情報は、例えばタイヤ製品の販売店で使用されるコンピュータからネットワーク30を介して取得されてもよい。例えば、制御部15は、取得された少なくとも2つの回答情報が示す回答内容の組合せに対応するタイヤ製品と、在庫情報に基づいて例えば在庫の多い又は少ないタイヤ製品又は販売店が優先的に販売したいと考えるタイヤ製品と、を含む複数のタイヤ製品を、ユーザに推奨するタイヤ製品として特定してもよい。かかる構成によれば、ユーザに推奨するタイヤ製品を特定するに際して、販売店の事情を反映可能となる。
【0044】
なお、第3処理に用いられる回答情報は、2つ以上であれば、複数の質問情報にそれぞれ対応する複数の回答情報(すなわち、第1処理が複数回実行された結果取得された全ての回答情報)の全部であってもよく一部であってもよい。
【0045】
ステップS103:制御部15は、ステップS102で推定された用途及び顧客価値を示す情報と、特定された少なくとも1つのタイヤ製品に関する情報と、を出力する。
【0046】
具体的には、制御部15は、各情報を出力部12へ出力する。出力部12は、各情報を映像又は音声で出力する。例えば図3に示す例では、出力部12のディスプレイに表示される画面40上に、用途を示す情報41と、顧客価値を示す情報42と、タイヤ製品に関する情報43と、が出力される。タイヤ製品に関する情報43は、例えばタイヤ製品の名称を示す情報を含むがこれに限られず、タイヤ製品の性能及び推奨する理由等を示す情報、タイヤ製品を購入可能な販売店又はインターネットショップの情報(例えば、URL等)等を更に含んでもよい。タイヤ製品を購入可能な複数の販売店が存在する場合、当該複数の販売店のなかから選択される一部の販売店(例えば、端末装置10の位置情報又はユーザによって指定された位置情報に示される位置からの距離が閾値未満である1つ以上の販売店)の情報が、タイヤ製品に関する情報43に含まれてもよい。ここで、タイヤ製品に対するユーザの理解度が閾値未満であるか否かに応じて、出力される各情報の表現態様が異なってもよい。典型的には、ユーザの理解度が閾値未満である場合には、理解度が閾値以上である場合と比較して、タイヤ製品の仕様を示す表現が少なくなる。
【0047】
ステップS104:制御部15は、ユーザの識別情報(例えば、ユーザの氏名又は会員番号等)と、ステップS102で特定された少なくとも1つのタイヤ製品の識別情報と、を外部装置へ送信する。
【0048】
外部装置は、例えばタイヤ製品の販売店で使用されるコンピュータであってもよい。制御部15は、例えばステップS103で出力された情報43に示される販売店のコンピュータに対してユーザの識別情報及びタイヤ製品の識別情報を送信するとともに、当該販売店への来店予約の手続きを行ってもよい。来店予約の手続きは、例えば端末装置10と販売店のコンピュータとの間で、予約可能な時間帯を示す情報及びユーザが希望する来店予定時刻を示す情報が送受信されることにより実行され得る。かかる場合、販売店の従業員は、端末装置10から受信した情報を参照することによって、ユーザが来店した際の対応を円滑に行うことができる。或いは、外部装置は、インターネットショップの事業者によって使用されるコンピュータであってもよい。制御部15は、例えばステップS103で出力された情報43に示されるインターネットショップの事業者によって使用されるコンピュータに対してユーザの識別情報及びタイヤ製品の識別情報を送信するとともに、当該タイヤ製品の購入手続きを行ってもよい。購入手続きは、例えば端末装置10、当該事業者のコンピュータ、及び所定の電子決済サーバとの間で、例えばクレジットカード、電子マネー、又は暗号資産を用いる電子決済手続きに必要な情報が送受信されることにより実行され得る。かかる場合、ユーザはweb経由の手続きでタイヤ製品を購入可能である。しかしながら外部装置は、当該例に限られず任意に定められてもよい。また外部装置への情報の送信は、例えば通信部11及びネットワーク30を介して行われるが、これに限られず任意の手法で実施されてもよい。例えば、制御部15は、出力部12のディスプレイ上に二次元コードを表示し、当該二次元コードを外部装置のコードスキャナに読み込ませることによって情報を送信してもよい。なお、例えば端末装置10自体が販売店で使用されるコンピュータである場合、ステップS104は省略されてもよい。
【0049】
ステップS105:ステップS101でループを終了しないと判定した場合(ステップS101-No)、制御部15は、第2処理を実行するか否かを決定する。第2処理は、既に取得された少なくとも1つの回答情報に基づいてタイヤ製品に対するユーザの理解度を判定し、判定された理解度に応じて次回以降に出力する質問情報を決定する処理を含む。第2処理を実行すると決定された場合(ステップS105-Yes)、プロセスはステップS106に進む。一方、第2処理を実行しないと決定された場合(ステップS105-No)、プロセスはステップS100に戻る。
【0050】
具体的には、制御部15は、所定の条件が満たされるか否かを判定し、当該条件が満たされると判定した場合、第2処理を実行すると決定する。当該条件は、例えばタイヤ製品に対するユーザの理解度の判定に要する全ての質問情報に対する回答情報の取得が完了したとの条件であるが、これに限られない。例えば図2に示す例では、「質問1」及び「質問2」に対する回答情報の取得が完了したときに、第2処理が実行されている。
【0051】
ステップS106:ステップS105で第2処理を実行すると決定された場合(ステップS105-Yes)、制御部15は第2処理を実行する。その後、プロセスはステップS100に戻る。
【0052】
具体的には、制御部15は、既に取得された少なくとも1つの回答情報に基づいてタイヤ製品に対するユーザの理解度を判定し、判定された理解度に応じて次回以降に出力する質問情報を決定する。理解度の判定には、任意の手法が採用可能である。例えば制御部15は、取得された各回答情報の内容に対して所定のアルゴリズムに基づき点数を付与し、合計点数をユーザの理解度として取得する。ここでは、合計点数が高いほど、タイヤ製品に対するユーザの理解度が高いことを示すものとする。制御部15は、理解度が所定の閾値以上である場合、タイヤ製品に対するユーザの理解度が高いと判定し、理解度が当該閾値未満である場合、タイヤ製品に対するユーザの理解度が低いと判定する。なお、値の異なる複数の閾値を用いて、ユーザの理解度の多寡が判定されてもよい。
【0053】
そして制御部15は、次回以降に出力する質問情報を、ユーザの理解度に応じて決定する。例えば図2に示す例では、制御部15は、理解度が閾値以上であると判定した場合、「質問3A」、「質問4」、及び「質問5」を次回以降に出力する質問情報として決定する。一方、制御部15は、理解度が閾値未満であると判定した場合、「質問3B」及び「質問4」を次回以降に出力する質問情報として決定する。
【0054】
以上述べたように、本実施形態に係る端末装置10は、第1処理を複数回実行する。第1処理は、ユーザに対する質問情報を出力し、質問情報に対するユーザの回答情報を取得する処理を含む。端末装置10は、第1処理が複数回実行される間に第2処理を少なくとも1回実行する。第2処理は、既に取得された少なくとも1つの回答情報に基づいてタイヤ製品に対するユーザの理解度を判定し、判定された理解度に応じて次回以降に出力する質問情報を決定する処理を含む。端末装置10は、第1処理を複数回実行して取得された少なくとも2つの回答情報に基づいて第3処理を実行する。第3処理は、ユーザにとっての自動車の用途及び顧客価値を推定するとともにユーザに推奨する少なくとも1つのタイヤ製品を特定する処理を含む。そして端末装置10は、推定された用途及び顧客価値を示す情報と、特定された少なくとも1つのタイヤ製品に関する情報と、を出力する。
【0055】
かかる構成によれば、ユーザの理解度に応じた質問が行われ、質問に対する回答からユーザにとっての自動車の用途及び顧客価値が推定されるとともに、ユーザに推奨するタイヤ製品が特定される。例えば、理解度が比較的低いユーザに対してはタイヤ製品に関する知識が無くても回答できる質問(例えば、図2の「質問3B」)を行ったり、理解度が比較的高いユーザに対しては回答するためにタイヤ製品に関する一定程度の知識が必要となる質問(例えば、図2の「質問3A」及び「質問5」)を行ったりすることができる。このため、ユーザにとっての自動車の用途及び顧客価値をユーザの回答から推定する精度が向上し、より適切なタイヤ製品が推奨され得る点で、顧客に自動車用のタイヤ製品を推奨する技術が改善される。
【0056】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0057】
例えば、上述した実施形態において、端末装置10の構成及び動作を、互いに通信可能な複数のコンピュータに分散させる変形例も実施可能である。また例えば、端末装置10の一部又は全部の動作を情報処理装置20が実行する変形例も実施可能である。
【0058】
また上述した実施形態において、第3処理は、入力情報が入力されると出力情報を出力する学習モデルを用いて実行されてもよい。具体的には、端末装置10の記憶部14(又は情報処理装置20の記憶部22)は、例えば図7に示す学習モデルを記憶する。当該学習モデルの入力情報は、第1処理を複数回実行して得られる少なくとも2つの回答情報を含む。かかる構成によれば、適切に訓練された学習モデルを用いることにより、上述した実施形態のようにルールベースに基づく手法と比較して第3処理における推定精度が向上し得る。入力情報は、回答情報とは異なる他の情報(例えば、タイヤ製品の販売店における在庫情報、又は販売店が優先的に販売したいと考えるタイヤ製品の識別情報等)を更に含んでもよい。出力情報は、ユーザにとっての自動車の用途及び顧客価値を示す情報と、ユーザに推奨する少なくとも1つのタイヤ製品の識別情報と、を含む。
【0059】
第3処理が学習モデルを用いて実行される上記の変形例において、端末装置10の制御部15は、ユーザによって実際に購入されたタイヤ製品の識別情報を取得してもよい。当該識別情報は、例えばネットワーク30を介して販売店のコンピュータから取得されてもよく、或いは入力部13を介してユーザ又は販売店の従業員によって入力されてもよい。そして制御部15は、第3処理によって特定された少なくとも1つのタイヤ製品(すなわち、ユーザに推奨する少なくとも1つのタイヤ製品)に、ユーザによって実際に購入されたタイヤ製品が含まれない場合、ユーザによって実際に購入されたタイヤ製品の識別情報を教師データとして用いて学習モデルを訓練してもよい。かかる構成によれば、例えばユーザ個人の嗜好等の特性を学習モデルに学習させることができ、出力情報の精度が向上し得る。
【0060】
第3処理が学習モデルを用いて実行される上記の変形例において、学習モデルの出力情報は、例えば推奨されるタイヤ製品に対するユーザの満足度を示す情報を更に含んでもよい。かかる場合において、端末装置10の制御部15は、例えばタイヤ製品の購入後にユーザに対して実施したアンケートの結果から、当該タイヤ製品に対するユーザの満足度を示す情報を取得してもよい。そして制御部15は、学習モデルの出力情報に示される満足度と、アンケート結果から取得された満足度との間に所定の閾値以上の差がある場合、アンケート結果から取得された満足度を示す情報を教師データとして用いて学習モデルを訓練してもよい。かかる構成によれば、推奨するタイヤ製品に対するユーザの満足度の推定精度が向上し得る。
【0061】
また、例えば汎用のコンピュータを、上述した実施形態に係る端末装置10として機能させる実施形態も可能である。具体的には、上述した実施形態に係る端末装置10の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、汎用のコンピュータのメモリに格納し、プロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本実施形態に係る発明は、プロセッサが実行可能なプログラム、又は当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体としても実現可能である。
【符号の説明】
【0062】
1 システム
10 端末装置
11 通信部
12 出力部
13 入力部
14 記憶部
15 制御部
20 情報処理装置
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
30 ネットワーク
40 画面
41 用途を示す情報
42 顧客価値を示す情報
43 タイヤ製品に関する情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7