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特開2022-13577室内空気浄化構造、空気浄化装置、及び、室内空気浄化方法
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  • 特開-室内空気浄化構造、空気浄化装置、及び、室内空気浄化方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022013577
(43)【公開日】2022-01-18
(54)【発明の名称】室内空気浄化構造、空気浄化装置、及び、室内空気浄化方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 9/00 20060101AFI20220111BHJP
   A61L 9/00 20060101ALI20220111BHJP
   A61L 9/18 20060101ALI20220111BHJP
   F24F 7/003 20210101ALI20220111BHJP
【FI】
F24F9/00 A
A61L9/00 C
A61L9/18
F24F7/00 A
F24F9/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020198961
(22)【出願日】2020-11-30
(31)【優先権主張番号】P 2020113155
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】304025563
【氏名又は名称】株式会社西田技巧
(74)【代理人】
【識別番号】100140671
【弁理士】
【氏名又は名称】大矢 正代
(72)【発明者】
【氏名】西田 裕幸
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA02
4C180AA07
4C180AA17
4C180CC03
4C180CC16
4C180DD03
4C180DD04
4C180EA33X
4C180EA34X
4C180HH05
4C180HH15
4C180HH17
4C180HH19
4C180MM06
(57)【要約】
【課題】室内の空気を浄化しつつ飛沫による汚染や感染を防ぐことが可能な室内空気浄化構造、空気浄化装置、及び、室内空気浄化方法を提供する。
【解決手段】室内空気浄化構造は、吸気口11から吸い込んだ空気を浄化させて放気口12から放出させる空気浄化装置1と、空気浄化装置1が設けられているテーブル51とを具備し、吸気口11又は放気口12は、テーブル51の上面付近において上方へ向けて設けられている。空気浄化装置1は、ケーシング10と、ケーシング10において開口している吸気口11及び吸気口11よりも小さく開口している放気口12と、吸気口11と放気口12との間に設けられている通気性を有するフィルタ20と、フィルタ20に担持されている光触媒と、光触媒に光を照射するLED30と、ケーシング10内の空気を放気口12から放出させるためのファン40と、を具備している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気口から吸い込んだ空気を浄化させて放気口から放出させる空気浄化装置と、
該空気浄化装置が設けられている平板状のテーブルと
を具備している室内空気浄化構造であって、
前記吸気口又は前記放気口は、
前記テーブルの上面付近において上方へ向けて設けられている
ことを特徴とする室内空気浄化構造。
【請求項2】
前記空気浄化装置は、
前記吸気口が前記テーブルよりも下方で開口していると共に、前記放気口が前記テーブルの辺縁に沿って細長く開口しており、前記放気口から空気を噴出させることで形成されるエアカーテンによって前記テーブルより上方で空間を区画する
ことを特徴とする請求項1に記載の室内空気浄化構造。
【請求項3】
前記空気浄化装置は、
前記吸気口が前記テーブルの上面と平行な方向へ向けて開口していると共に、前記放気口が前記テーブルの上面に沿った方向へ細長く開口しており、前記放気口から上方へ空気を噴出させることで形成されるエアカーテンによって前記テーブルより上方で空間を区画する
ことを特徴とする請求項1に記載の室内空気浄化構造。
【請求項4】
前記空気浄化装置は、
前記吸気口が前記テーブルの上方に向けて開口し、上方から空気を吸い込んでいると共に、
前記放気口が前記テーブルの上面と平行な方向へ向けて開口している
ことを特徴とする請求項1に記載の室内空気浄化構造。
【請求項5】
中空容器状のケーシングと、
該ケーシングにおいて開口している吸気口と、
前記ケーシングにおいて前記吸気口とは異なる方向へ向けて開口している放気口と、
前記ケーシング内の前記吸気口と前記放気口との間に設けられている通気性を有するフィルタと、
該フィルタに担持されている光触媒と、
該光触媒に光を照射する発光手段と、
前記ケーシング内の空気を前記放気口から放出させるためのファンと
を具備していることを特徴とする空気浄化装置。
【請求項6】
吸気口から吸い込んだ空気を浄化させて放気口から放出させる空気浄化装置と、該空気浄化装置が設けられている平板状のテーブルと、を使用した室内空気浄化方法であり、
前記テーブルの上面付近において、浄化させた空気を前記放気口から上方へ噴出させることで形成されるエアカーテンによって前記テーブルより上方で空間を区画することを特徴とする室内空気浄化方法。
【請求項7】
吸気口から吸い込んだ空気を浄化させて放気口から放出させる空気浄化装置と、該空気浄化装置が設けられている平板状のテーブルと、を使用した室内空気浄化方法であり、
前記テーブルの上面付近において、前記吸気口により上方の空気を吸引させることにより、前記テーブルの上方の空気を浄化することを特徴とする室内空気浄化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内空気浄化構造、空気浄化装置、及び、室内空気浄化方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ウイルスや細菌など病原体を含んでいる飛沫による感染拡大が懸念される時期には、人に会う際に常時マスクを着用することも推奨されている。
【0003】
しかしながら、マスクをしたままでは、顔の表情が分からない、飲食ができない、等の問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、室内の空気を浄化しつつ飛沫による汚染や感染を防ぐことが可能な室内空気浄化構造、空気浄化装置、及び、室内空気浄化方法の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明にかかる室内空気浄化構造は、
「吸気口から吸い込んだ空気を浄化させて放気口から放出させる空気浄化装置と、
該空気浄化装置が設けられている平板状のテーブルと
を具備している室内空気浄化構造であって、
前記吸気口又は前記放気口は、
前記テーブルの上面付近において上方へ向けて設けられている」ことを特徴とする。
【0006】
本構成の室内空気浄化構造は、空気浄化装置の放気口がテーブルの上面付近において上方へ向けて設けられている場合、空気浄化装置により吸気口から吸い込んで浄化させた室内の空気を、テーブルの上面付近から上方へ放出させることができるため、まず初めに室内におけるテーブル付近の空間の空気を浄化させることができる。更に、放気口から上方へ放出させた気流により室内の空気を循環させて、室内全体の空気も浄化させることができる。詳述すると、テーブルから上方へ放出した空気の流れは、天井付近で天井に沿って広がるように流れた後に、下方へ流れるように向きを変え、更に床付近で床に沿ってテーブルの方へ流れるように向きを変えて、空気浄化装置の吸気口に吸い込まれることとなる。このようにして室内の空気が循環させられて空気浄化装置を通ることにより、室内の空気が浄化される。
【0007】
そして、例えば、テーブルの一方の外側からテーブル上へ飛沫が飛ぶと、放気口から上方へ放出された気流に乗って天井へ向かって上方へ流れた後に、天井付近で天井に沿ってテーブルの一方の外側へ向かって流れることとなるため、室内においてテーブルを間にして反対側へ飛沫が飛ぶことはなく、飛沫を介してウイルスや細菌など病原体に感染することを防ぐことが可能となる。従って、放気口から上方へ放出された気流により飛沫を遮ることができるため、マスクを外すことが可能となり、マスクを外すことで顔の表情が分かるようにしたり、飲食したり、することが可能となる。
【0008】
また、本構成の室内空気浄化構造は、空気浄化装置の吸気口がテーブルの上面付近において上方へ向けて設けられている場合、空気浄化装置によりテーブルの上方の空気を吸気口から吸い込んで浄化させた後に放気口から放出させることができるため、まず初めに室内におけるテーブル付近の空間の空気を浄化させることができる。更に、テーブルの上方の空気が吸気口に吸い込まれることにより、空気の流れが発生し、その流れにより室内の空気が循環して室内全体の空気も浄化させることができる。そして、この場合、テーブルの一方の外側からテーブル上へ飛沫が飛ぶと、吸気口へ吸い込まれる空気の流れにより、吸気口に吸い込まれたり飛距離が抑制されたりすることとなるため、テーブルを間にして反対側へ飛沫が飛ぶことを低減させることができ、飛沫を介してウイルスや細菌など病原体に感染することを防ぐことが可能となる。従って、吸気口へ吸い込まれる気流により飛沫を飛び難くすることができるため、マスクを外すことが可能となり、マスクを外すことで顔の表情が分かるようにしたり、飲食したり、することが可能となる。
【0009】
本発明にかかる室内空気浄化構造は、上記の構成に加えて、
「前記空気浄化装置は、
前記吸気口が前記テーブルよりも下方で開口していると共に、前記放気口が前記テーブルの辺縁に沿って細長く開口しており、前記放気口から空気を噴出させることで形成されるエアカーテンによって前記テーブルより上方で空間を区画する」
ことを特徴としても良い。
【0010】
本構成によれば、テーブルよりも下方において吸気口から吸い込んだ室内の空気を浄化させてテーブルの辺縁において細長く開口させた放気口から噴出させる、つまり、勢いよく放出させることでエアカーテンを形成してテーブルより上方で空間を区画するようにしている。従来、ウイルスや細菌など病原体に飛沫を介して感染することを防ぐために、ビニールカーテンやアクリル板によるパーテションが使用されている。しかしながら、ビニールカーテンやアクリル板のパーテションなど物理的な区画は、隔離されている印象や疎外感が強い。これに対して、エアカーテンは見えないため、ビニールカーテンやアクリル板のパーテションなどの物理的な区画と比較して、隔離されている印象や疎外感を低減させることができる。
【0011】
また、空気浄化装置の吸気口をテーブルよりも下方に設けていると共に、放気口をテーブルの辺縁に設けているため、空気浄化装置における多くの構成をテーブルよりも下方に設けることが可能となる。このようなことから、テーブルの辺縁に沿ってエアカーテンを形成していると共に、テーブルの上面を広く使用することが可能となるため、エアカーテンにより飛沫を遮ることができ、受付カウンター、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどのレジ(精算所)、などにおいて、上記と同様の作用効果をより発揮させ易くることができる。
【0012】
本発明にかかる室内空気浄化構造は、上記の構成に加えて、
「前記空気浄化装置は、
前記吸気口が前記テーブルの上面と平行な方向へ向けて開口していると共に、前記放気口が前記テーブルの上面に沿った方向へ細長く開口しており、前記放気口から上方へ空気を噴出させることで形成されるエアカーテンによって前記テーブルより上方で空間を区画する」
ことを特徴としても良い。
【0013】
本構成によれば、テーブルの上面に沿って細長く開口している放気口から噴出する空気によりエアカーテンを形成してテーブルより上方で空間を区画しているため、エアカーテンを境にして双方からの飛沫を遮ることができる。そして、エアカーテンは見えないため、ビニールカーテンやアクリル板のパーテションなどの物理的な区画と比較して、隔離されている印象や疎外感を低減させることができる。また、吸気口をテーブルの上面と平行な方向へ向けて開口させているため、テーブル上へ落下する飛沫を空気と共に素早く吸い込んで浄化させることができる。従って、例えば、会議や面談、会食、などのように人が対面するテーブルでは、対面する中間に放気口を設けて見えないエアカーテンにより仕切ることで、隔離されている印象や疎外感を低減させることができると共に、互いの飛沫を遮ることができる。或いは、飲食店のカウンター、オフィスのデスク、などのように人が同じ方向を向いて隣接するテーブルでは、隣接する中間に放気口を設けて見えないエアカーテンにより仕切ることで、互いの飛沫を遮ることができる。
【0014】
ここで、細長く開口する放気口が延びる方向としては、テーブルが四角い場合は長辺又は短辺に沿った方向、テーブルが丸い場合は中心を通る直線が延びる方向、とすることが望ましい。
【0015】
本発明にかかる室内空気浄化構造は、上記の構成に加えて、
「前記空気浄化装置は、
前記吸気口が前記テーブルの上方に向けて開口し、上方から空気を吸い込んでいると共に、
前記放気口が前記テーブルの上面と平行な方向へ向けて開口している」
ことを特徴としても良い。
【0016】
本構成によれば、吸気口をテーブルの上方へ向けて開口させているため、上方を飛んでいる飛沫を吸い込んで浄化させたり飛沫の飛距離を抑制させたりすることが可能となる。また、放気口をテーブルの上面と平行な方向へ向けて開口させているため、テーブルの上面を浄化された空気で覆うことができ、テーブル上へ落下する飛沫を浄化された空気により薄めることができる。従って、例えば、会議や面談、会食、などのように人が対面するテーブルでは、対面する中間に吸気口を設けることで、互いの飛沫を途中の吸気口に吸い込ませて浄化させたり相手側まで飛ぶことを低減させたりすることが可能となる。或いは、飲食店のカウンター、オフィスのデスク、などのように人が同じ方向を向いて隣接するテーブルでは、隣接する中間に吸気口を設けることで、互いの飛沫を相手側へ飛び難いものとすることができる。
【0017】
本発明にかかる空気浄化装置は、
「中空容器状のケーシングと、
該ケーシングにおいて開口している吸気口と、
前記ケーシングにおいて前記吸気口とは異なる方向へ向けて開口している放気口と、
前記ケーシング内の前記吸気口と前記放気口との間に設けられている通気性を有するフィルタと、
該フィルタに担持されている光触媒と、
該光触媒に光を照射する発光手段と、
前記ケーシング内の空気を前記放気口から放出させるためのファンと
を具備している」ことを特徴とする。
【0018】
本構成の空気浄化装置では、ファンによりケーシング内の空気を放気口から放出させると、ケーシング内が負圧になるため、外部の空気が吸気口からケーシング内へ吸い込まれる。吸い込まれた空気は、フィルタを通って放気口から放出される。この際に、フィルタには光触媒が担持されていると共に、光触媒には発光手段から光が照射されているため、光触媒の光応答性により酸化還元反応などの化学反応が促進され、常温であってもフィルタを通る空気中のウイルスや細菌などの病原体の他、異臭の原因となる化学物質や有機物、花粉、などを効果的に殺菌したり分解したりすることができ、浄化させた清浄な空気を放気口から放出させることができる。また、吸気口と放気口とを互いに異なる方向へ向けて開口させているため、放気口から放出された清浄な空気が直ぐに吸気口へ吸い込まれてしまうことを回避させることができ、より広い範囲の空気を浄化させることが可能となる。
【0019】
従って、本構成の空気浄化装置を室内に設置することで、室内の空気を浄化することができる。本構成の空気浄化装置は、上記の室内空気浄化構造に好適である。
【0020】
本発明にかかる室内空気浄化方法は、
「吸気口から吸い込んだ空気を浄化させて放気口から放出させる空気浄化装置と、該空気浄化装置が設けられている平板状のテーブルと、を使用した室内空気浄化方法であって、
前記テーブルの上面付近において、前記放気口から浄化させた空気を上方へ噴出させることで形成されるエアカーテンによって前記テーブルより上方で空間を区画する」ことを特徴とする。
【0021】
本構成によれば、吸気口から吸い込んだ室内の空気を浄化してテーブルの上面付近から上方へ噴出させることで見えないエアカーテンによりテーブルより上方の空間を仕切るようにしているため、飛沫を遮ることができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
【0022】
本発明にかかる室内空気浄化方法は、
「吸気口から吸い込んだ空気を浄化させて放気口から放出させる空気浄化装置と、該空気浄化装置が設けられている平板状のテーブルと、を使用した室内空気浄化方法であって、
前記テーブルの上面付近において、前記吸気口により上方の空気を吸引させることにより、前記テーブルの上方の空気を浄化する」ことを特徴とする。
【0023】
本構成によれば、テーブルの上方の空気を吸気口から吸い込んで浄化させた後に放気口から放出させることができるため、吸気口へ吸い込まれる空気の流れにより、テーブル上へ飛んだ飛沫を吸い込ませて浄化させたり飛沫の飛距離を抑制させたりすることが可能となり、上記と同様の作用効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明の効果として、室内の空気を浄化しつつ飛沫による汚染や感染を防ぐことが可能な室内空気浄化構造、空気浄化装置、及び、室内空気浄化方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】(a)は本発明の第一施形態である室内空気浄化構造における空気浄化装置の内部構造を模式的に示す説明図であり、(b)は(a)の空気浄化装置を使用した室内空気浄化構造を示す斜視図である。
図2】(a)は第二実施形態の室内空気浄化構造における空気浄化装置の内部構造を模式的に示す説明図であり、(b)は(a)の空気浄化装置を使用して人が対面する場合の室内空気浄化構造を示す斜視図であり、(c)は(a)の空気浄化装置を使用して人が同じ方向を向いて隣接する場合の室内空気浄化構造を示す斜視図である。
図3】(a)は第三実施形態の室内空気浄化構造における空気浄化装置を示す斜視図であり、(b)は(a)の空気浄化装置を使用した室内空気浄化構造を示す斜視図である。
図4】(a)は第四実施形態の室内空気浄化構造における空気浄化装置の内部構造を模式的に示す説明図であり、(b)は(a)の空気浄化装置を使用して人が対面する場合の室内空気浄化構造を示す斜視図であり、(b)は(a)の空気浄化装置を使用して人が同じ方向を向いて隣接する場合の室内空気浄化構造を示す斜視図である。
図5】(a)は第五実施形態の室内空気浄化構造における空気浄化装置を示す斜視図であり、(b)は(a)の空気浄化装置を使用した室内空気浄化構造を示す斜視図である。
図6】(a)は第二実施形態の空気浄化装置と第四実施形態の空気浄化装置とを併用した室内空気浄化構造を示す斜視図であり、(b)は(a)とは異なる室内空気浄化構造を示す斜視図であり、(c)は(a)とは更に異なる室内空気浄化構造を示す斜視図であり、(d)は第三実施形態の空気浄化装置と第五実施形態の空気浄化装置とを併用した室内空気浄化構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の第一施形態の室内空気浄化構造について、図1を参照して詳細に説明する。吸い込んだ室内の空気を浄化させて噴出させる空気浄化装置1と、空気浄化装置1が設けられている平板状のテーブル51と、を具備している。
【0027】
空気浄化装置1は、空気が流通可能な中空容器状のケーシング10と、ケーシング10内に設けられており光触媒が担持されている通気性を有するフィルタ20と、フィルタ20に光を照射する発光手段としての複数のLED30と、LED30をケーシング10内に支持している格子状の支持部材31と、ケーシング10内の空気を噴出させるためのファン40と、を備えている。
【0028】
ケーシング10は、外形が水平方向へ長い直方体状に形成されており、下面において広く開口している吸気口11と、上面において上方へ突出するように開口している放気口12と、を有している。放気口12は、上面において長辺の一つに沿って上方へ突出していると共に、当該長辺に沿って細長く開口している。放気口12の開口面積は、吸気口11の開口面積よりも狭く形成されている。これにより、放気口12から放出される空気を勢いよく噴出させることができる。
【0029】
フィルタ20は、吸気口11と放気口12との間を仕切るように設けられている。フィルタ20は、多層(例えば、2層~6層)構造とされており、夫々の層では、不織布や紙等の多孔質基材に、光触媒を担持させたものである。フィルタ20は、ケーシング10に対して着脱可能に設けられており、定期的な交換が可能とされている。本実施形態のフィルタ20は、光触媒として三酸化タングステンを使用している。
【0030】
LED30は、フィルタ20の下方に複数設けられている。本実施形態のLED30は、可視光を照射する超高輝度LEDである。複数のLED30により、55000lux~60000luxの明るさでフィルタ20に光を照射するようにしている。支持部材31は、複数のLED30を下方から支持するようにケーシング10内に取付けられている。支持部材31は、複数の貫通口31aを有しており、空気を通過させることができる。なお、支持部材31は、LED30を実装している基板としても良い。
【0031】
ファン40は、フィルタ20の上方に設けられている。本実施形態のファン40は、1分間に0.1m~1.2mの空気を送風可能な出力を有するものである。
【0032】
テーブル51は、図示するように、受付カウンター、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどのレジ(精算所)のテーブル、などに使用されているカウンターテーブルである。
【0033】
本実施形態の室内空気浄化構造は、放気口12がテーブル51の辺縁に沿って開口するように空気浄化装置1がテーブル51に取付けられている。具体的には、空気浄化装置1におけるケーシング10の上面において、上方へ突出している放気口12を除いた部位がテーブル51の下面に接するように取付けられている。これにより、空気浄化装置1の吸気口11は、テーブル51よりも下方で開口している。
【0034】
本実施形態の室内空気浄化構造によれば、ファン40によりケーシング10内の空気を放気口12から放出させると、ケーシング10内が負圧になるため、外部(室内)の空気が吸気口11からケーシング10内へ吸い込まれることとなり、吸い込まれた空気がフィルタ20を通って放気口12から放出される。この際に、フィルタ20には光触媒が担持されていると共にLED30からの光が照射されているため、光触媒の光応答性により酸化還元反応などの化学反応が促進され、常温であってもフィルタ20を通る空気中のウイルスや細菌などの病原体の他、異臭の原因となる化学物質や有機物、花粉、などを効果的に殺菌したり分解したりすることができ、浄化させた清浄な空気を放気口12から放出させることができる。従って、室内におけるテーブル51付近の空間の空気を浄化させることができる。
【0035】
そして、この室内空気浄化構造では、放気口12をテーブル51の辺縁に沿って細長く開口させているため、放気口12から放出される空気が勢いよく噴出されることとなり、その噴出される空気により、テーブル51の辺縁において上方へ噴出するエアカーテンを形成してテーブル51より上方の空間を区画することができる。このエアカーテンによりテーブル51を間にして対面している人からの夫々の飛沫を遮ることができ、飛沫を介してウイルスや細菌など病原体に感染することを防ぐことが可能となる。
【0036】
なお、テーブル51の一方の外側からテーブル51上へ飛沫が飛んだ場合、放気口12から上方へ噴出するエアカーテンにより天井へ向かって上方へ流れた後に、天井付近で天井に沿ってテーブル51の一方の外側の方へ向かって流れることとなるため、室内においてテーブル51を間にして反対側へ飛沫が飛ぶことはない。
【0037】
このように、放気口12から上方へ噴出するエアカーテンは見えないため、ビニールカーテンやアクリル板のパーテションなどの物理的な区画と比較して、隔離されている印象や疎外感を低減させることができる。また、エアカーテンにより飛沫を遮ることができるため、マスクを外すことが可能となり、顔の表情が分かるようにしたり、飲食したり、することが可能となる。
【0038】
また、本実施形態では、光触媒を可視光応答性のものとしていると共に、LED30から可視光を光触媒へ照射させるようにしているため、紫外線とは異なりケーシング10からの光の漏れを気にしなくても良く、ケーシング10から光が漏れても人体に影響を与えることはない。なお、ケーシング10からLED30の光が積極的に漏れるようにしても良く、漏れた光が見えることにより空気を浄化していることが外部から判ると共に、間接照明に使用することもできる。
【0039】
更に、本実施形態では、テーブル51の付近に空気浄化装置1を設けていることから、テーブル51の近くの空間の空気を浄化させることができると共に、テーブル51を間にしてエアカーテンより上方の空間を区画することができるため、テーブル51を利用している人の近くの空気を浄化させることができ、ソーシャルディスタンスの距離を短くすることが可能である。
【0040】
ところで、テーブル51の辺縁の放気口12から上方へ噴出した空気の流れは、天井付近で天井に沿って広がるように流れた後に、下方へ流れるように向きを変え、更に床付近で床に沿ってテーブル51の方へ流れるように向きを変えて、テーブル51の下方で吸気口11に吸い込まれることとなる。これにより、室内の空気が循環すると共に、循環の過程で空気浄化装置1のフィルタ20を通ることにより浄化されるため、室内の空気を浄化することができる。このようなことから、本実施形態の室内空気浄化構造は、換気を十分に行うことが難しい室内でも十分な作用効果を発揮することができる。また、本実施形態の室内空気浄化構造を室内に多数設置すれば、広い室内空間の空気を浄化させることができる。
【0041】
本実施形態では、1分間に約1mの空気を光触媒が担持されているフィルタ20に通して浄化させることができ、ウイルスや細菌などの病原体による感染の確率を低減させることができると共に、清浄で安全な室内空間を提供することができる。
【0042】
また、本実施形態の室内空気浄化構造によれば、空気浄化装置1における多くの構成をテーブル51よりも下方に設けているため、テーブル51の上面を広く使用することができ、受付カウンターやレジのテーブルなどにおいて好適である。
【0043】
続いて、第二実施形態の室内空気浄化構造について、図2を参照して説明する。第二実施形態の室内空気浄化構造は、吸気口11から吸い込んだ空気を浄化させて放気口12から放出させる空気浄化装置2と、空気浄化装置2が載置される平板状のテーブル52と、を備えている。なお、図2(b)では、四角いテーブルを示しているが、丸いテーブルでも良い。
【0044】
この空気浄化装置2は、ケーシング10が細長く延出している。ケーシング10は、長手方向の両側面の下部に吸気口11が開口していると共に、上面における短辺方向の中央に上方へ突出して放気口12が開口している(図2(a)を参照)。吸気口11及び放気口12は、ケーシング10の長手方向の略全長に亘って細長く開口している。空気浄化装置2のその他の構成については、空気浄化装置1と同じであり、説明は省略する。
【0045】
図2に示す室内空気浄化構造は、例えば、図2(b)に示すように、会議や面談、会食、受付カウンター、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどのレジ(精算所)のテーブル、などのように人が対面するテーブル52では、空気浄化装置2の長手方向を対面方向と直交するように向けて、テーブル52の上面における対面する中間に空気浄化装置2を載置する。或いは、図2(c)に示すように、飲食店のカウンター、オフィスのデスク、などのように人が同じ方向を向いて隣接するテーブル52では、空気浄化装置2の長手方向を人が向く方向と同じ方向へ向けて、テーブル52の上面における隣接する中間に空気浄化装置2を載置する。
【0046】
図2に示す実施形態の室内空気浄化構造によっても、細長く開口している放気口12から上方へ噴出するエアカーテンを形成してテーブル52より上方の空間を区画することができ、上記の室内空気浄化構造と同様の作用効果を奏することができる。また、図2の室内空気浄化構造では、吸気口11をテーブル51の上面と平行な方向へ向けて開口させているため、テーブル52上へ落下する飛沫を空気と共に素早く吸い込んで浄化させることができる。
【0047】
なお、図2の室内空気浄化構造において、空気浄化装置2をテーブル52の上面から上方へある程度(例えば、10cm~30cm)離隔させて設けるようにしても良い。この場合、吸気口11をケーシング10の下面に設けても良い。これにより、放気口12から噴出されるエアカーテンを横切ることなく、テーブル52と空気浄化装置2との間の隙間を通して物品(例えば、商品、お金、バーコードリーダ、など)を受け渡すことが可能となり、受付カウンター、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどのレジ(精算所)、などにおいて上述した作用効果をより発揮させることができる。
【0048】
上記の実施形態では、室内空気化構造の空気浄化装置1及び空気浄化装置2として、放気口12が細長く開口しているものを示したが、これに限定するものではなく、図3に示すような空気浄化装置3を備えた室内空気浄化構造としても良い。図3に示す第三実施形態の室内空気浄化構造は、吸気口11から吸い込んだ空気を浄化させて放気口12から放出させる空気浄化装置3と、空気浄化装置3が中央に載置され3人以上が中央へ向かって着席又は立食するような平板状のテーブル53と、を備えている。
【0049】
この空気浄化装置3は、図3(a)に示すように、ケーシング10が直方体状に形成されており、四つの側面の夫々の下部付近に吸気口11が開口していると共に、上面中央に円筒状に突出して放気口12が開口している。そして、放気口12の開口面積は、吸気口11の開口面積よりも狭く形成されており、放気口12から放出される空気を勢いよく噴出させることができる。空気浄化装置3のその他の構成については、空気浄化装置1と同じであり、説明は省略する。
【0050】
図3の室内空気浄化構造によれば、空気浄化装置3により吸気口11から吸い込んで浄化させた室内の空気を、テーブル53の上面中央において円筒状の放気口12から上方へ噴水のように噴出させることができるため、その噴出させた気流により室内の空気を循環させることができ、室内の空気を浄化させることができる。そして、テーブル53上へ飛んだ飛沫を、放気口12から上方へ噴出する気流により上方へ流してテーブル53の反対側へ飛ぶことを阻止することができる。また、テーブル53上へ落下する飛沫を空気と共に素早く吸気口11から吸い込んで浄化させることができる。
【0051】
また、上記の実施形態では、空気浄化装置2及び空気浄化装置3として、放気口12の開口面積を吸気口11の開口面積よりも狭く形成したものを示したが、これに限定するものではなく、図4及び図5に示すような、吸気口11の開口面積を放気口12の開口面積よりも狭くした空気浄化装置4及び空気浄化装置5を備えている室内空気浄化構造としても良い。まず、図4に示す第四実施形態の室内空気浄化構造は、吸気口11から吸い込んだ空気を浄化させて放気口12から放出させる空気浄化装置4と、空気浄化装置4が載置される平板状のテーブル52と、を備えている。
【0052】
空気浄化装置4は、細長く延出しているケーシング10における長手方向の両側面の下部に放気口12が開口していると共に、上面における短辺方向の中央に上方へ突出して吸気口11が開口している(図4(a)を参照)。空気浄化装置4では、放気口12がテーブル52の上面と平行な方向へ向けて開口していると共に、吸気口11がテーブル52の上面に沿った方向へ細長く開口している。この空気浄化装置4の構造は、空気浄化装置2の構造においてファン40を逆回転させるものに相当し、吸気と放気に使用する開口の用途を逆にしたものである。その他の構成については、空気浄化装置2と同じであり、説明は省略する。
【0053】
第四実施形態の室内空気浄化構造は、上記の第二実施形態と同様に、人が対面するテーブル52では、空気浄化装置4の長手方向を対面方向と直交するように向けて、テーブル52の上面における対面する中間に空気浄化装置4を載置する(図4(b)を参照)。或いは、飲食店のカウンター、オフィスのデスク、などのように人が同じ方向を向いて隣接するテーブル52では、空気浄化装置4の長手方向を人が向く方向と同じ方向へ向けて、テーブル52の上面における隣接する中間に空気浄化装置4を載置する(図4(c)を参照)。
【0054】
第四実施形態の室内空気浄化構造によれば、空気浄化装置4によりテーブル52の上方の空気を吸気口11から吸い込んで浄化させた後に放気口12から放出させることができるため、まず初めに室内におけるテーブル52付近の空間の空気を浄化させることができる。更に、テーブル52の上方の空気が吸気口11に吸い込まれることにより、空気の流れが発生し、その流れにより室内の空気が循環することとなるため、上記の実施形態と同様に室内全体の空気も浄化させることができる。
【0055】
この第四実施形態の室内空気浄化構造では、吸気口11の開口面積を放気口12の開口面積よりも狭くしているため、吸気口11における空気の吸い込み力を高めることができる。そして、吸気口11をテーブル52の上面に沿って細長く上方へ向けて開口させているため、吸い込み力が高められている吸気口11の長さの範囲において、上方を飛んでいる飛沫を吸い込んで浄化させたり飛沫の飛距離を抑制させたりすることが可能となる。これにより、人が対面するテーブル52では、対面する中間に設けられている空気浄化装置4により、互いの飛沫を途中の吸気口11に吸い込ませて浄化させたり相手側まで飛ぶことを低減させたりすることが可能となる。或いは、人が同じ方向を向いて隣接するテーブル52では、隣接する中間に設けられている空気浄化装置4により、互いの飛沫を相手側へ飛び難いものとすることができる。このように、吸気口11へ吸い込まれる気流により飛沫を飛び難くすることができるため、上記の実施形態と同様に、マスクを外すことが可能となり、マスクを外すことで顔の表情が分かるようにしたり、飲食したり、することが可能となる。
【0056】
また、第四実施形態の室内空気浄化構造では、吸気口11の開口面積を放気口12の開口面積よりも狭くしている、すなわち、放気口12の開口面積を吸気口11の開口面積よりも広くしているため、吸気口11に吸い込まれる空気の流速に対して、放気口12から放出される空気の流速が遅くなる。従って、テーブル52の上面と平行な方向へ向けて開口している放気口12から放出された空気の流れによって、テーブル52に載置されているものが飛ばされてしまうことはない。また、放気口12から放出される浄化された空気でテーブルの上面を覆うことができると共に、浄化された空気でテーブル52上へ落下する飛沫を薄めることができる。
【0057】
続いて、図5に示す第五実施形態の室内空気浄化構造は、吸気口11から吸い込んだ空気を浄化させて放気口12から放出させる空気浄化装置5と、空気浄化装置5が中央に載置される平板状のテーブル53と、を備えている。空気浄化装置5は、図5(a)に示すように、直方体状のケーシング10における四つの側面の夫々の下部付近に放気口12が開口していると共に、上面中央に円筒状に突出して吸気口11が開口している。この空気浄化装置5の構造は、図3に示す空気浄化装置3の構造において、ファン40を逆回転させるようにしたものに相当し、吸気と放気(放出)に使用する開口の用途を逆にしたものである。その他の構成については、空気浄化装置3と同じであり、説明は省略する。
【0058】
第五実施形態の室内空気浄化構造によれば、テーブル53の上面中央において円筒状の吸気口11から上方の空気を吸い込んで浄化させた後に、放気口12からテーブル53の上面と平行な方向へ放出させることができるため、その空気の流れにより室内の空気を循環させることができ、室内の空気を浄化させることができる。そして、吸気口11の開口面積を放気口12の開口面積よりも狭くしていることから、吸気口11によりテーブル53の中央上方の空気を勢いよく吸い込むことができるため、テーブル53の上方へ飛んだ飛沫を吸い込んで浄化させたり飛沫の飛距離を抑制させたりすることが可能となり、テーブル53を間にして反対側へ飛沫が飛ぶことを低減させることができる。また、放気口12をテーブル53の上面と平行な方向へ向けて開口させているため、浄化された空気でテーブルの上面を覆うことができると共に、テーブル53上へ落下する飛沫を浄化された空気により薄めることができる。
【0059】
なお、上記の実施形態では、ケーシング10の内部において、下から上へ、支持部材31、LED30、フィルタ20、及びファン40の順に設けたものを示したが、これに限定するものではなく、上から下へ、逆の順に設けても良い。
【0060】
また、上記の実施形態では、一種類の空気浄化装置を使用して構築した室内空気浄化構造を示したが、これに限定するものではなく、種類の異なる空気浄化装置を適宜に併用して室内空気浄化構造を構築しても良い。具体的には、例えば、図6(a)に示すように、三人が同じ方向を向いて隣接するテーブル52の場合、テーブル52の上面における隣接する中間の一つに空気浄化装置2を載置すると共に、残りの中間に空気浄化装置4を載置するようにしても良い。この場合、空気浄化装置2及び空気浄化装置4は、その長手方向を人が向く方向と同じ方向へ向ける。なお、四人以上が同じ方向を向いて使用するテーブル52の場合は、空気浄化装置2と空気浄化装置4とを交互に載置することが望ましい。この室内空気浄化構造によっても上記と同様の作用効果を奏することができる他に、テーブル52の近くの空間の空気を速やかに浄化させることができる。
【0061】
また、図6(b)及び(c)に示すように、空気浄化装置2と空気浄化装置4とを上下に離隔させると共に、互いの吸気口11と放気口12とが対面するように上側の空気浄化装置を上下反転させて室内空気浄化構造を構築するようにしても良い。上側の空気浄化装置は、スタンドにより所定高さに支持させるようにしても良いし、天井に取付けるようにしても良い。この室内空気浄化構造によっても上記と同様の作用効果を奏することができる上に、空気浄化装置2により形成されたエアカーテンへ向かって飛んだ飛沫を、速やかに反対側の空気浄化装置4により吸い込んで浄化させることができる。
【0062】
なお、図6(b)及び(c)では、空気浄化装置2又は空気浄化装置4を上下反転させて上側の空気浄化装置に使用したものを示したが、これに限定するものではなく、上側の空気浄化装置を上記の空気浄化装置とは異なる構成のものとしても良い。
【0063】
或いは、図6(d)に示すように、3人以上が中央へ向かって着席又は立食するようなテーブル53が複数設けられている場合は、或るテーブル53の中央には空気浄化装置3を載置し、別のテーブル53の中央には空気浄化装置5を載置するようにしても良い。この空気浄化構造によっても上記と同様の作用効果を奏することができる。また、浄化された空気が放出される方向が異なるテーブル53を、ある程度の距離だけ離して設置することにより、室内空間において浄化された空気を循環させることができる。
【0064】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0065】
例えば、上記の実施形態では、フィルタ20に担持させた光触媒として、三酸化タングステンを示したが、これに限定するものではなく、酸化タングステン、酸化チタン、二酸化チタン、などの光触媒としても良い。
【0066】
更に、上記の実施形態では、フィルタ20(光触媒)に光を照射する発光手段として可視光を照射するLED30を示したが、これに限定するものではなく、紫外線LED、蛍光灯、水銀灯、などとしても良い。
【符号の説明】
【0067】
1 空気浄化装置
2 空気浄化装置
3 空気浄化装置
4 空気浄化装置
5 空気浄化装置
10 ケーシング
11 吸気口
12 放気口
20 フィルタ
30 LED(発光手段)
31 支持部材
31a 貫通口
40 ファン
51 テーブル
52 テーブル
53 テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6