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  • 特開-眼瞼用血流チェッカー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022135824
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】眼瞼用血流チェッカー
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/01 20060101AFI20220908BHJP
   A61B 5/026 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
A61B5/01 100
A61B5/026 140
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021071431
(22)【出願日】2021-03-05
(71)【出願人】
【識別番号】592155061
【氏名又は名称】株式会社セプト
(71)【出願人】
【識別番号】518355571
【氏名又は名称】広沢 章右
(72)【発明者】
【氏名】広沢 章右
【テーマコード(参考)】
4C017
4C117
【Fターム(参考)】
4C017AA11
4C017AA16
4C017AB07
4C017AC11
4C117XB01
4C117XD06
4C117XE03
4C117XE23
(57)【要約】
【課題】 眼の血流状態を眼瞼の眼瞼皮膚温の変化で捉えるため、レーザー血流計などによる検査などの前に、その場で眼瞼皮膚温を簡便に測ることができる、眼瞼用血流チェッカーを提供する。
【解決手段】 血流量が増加すると皮膚温が上昇するため、眼瞼皮膚温の変化を素早く測定できる温度センサーとして、34℃のデジタルサーモテープを眼瞼皮膚に面接触させることで、約1分で測定が可能になる。デジタルサーモテープの測定精度は±0.5℃であるが、電源は不要であり、血流状態の変化をその場で手軽に知る有効な手段となる。用途展開としては、眼科医院での使用のほか、手軽な眼瞼用血流計として家庭や職場での眼の健康管理のツールとしての用途が考えられる。また、スマホやPCに組み込んで使用することも可能になる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼瞼の皮膚温を測ることで眼の血流状態を知るために、反応速度が速く電源を必要としない34℃のデジタルサーモテープのみを温度センサーとして使用し、眼瞼皮膚に面接触させたことを特徴とする、眼瞼皮膚温から約1分で血流状態を把握出来る眼瞼用血流チェッカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼瞼の皮膚温の変化から血流量の変化を把握する、眼瞼用血流チェッカーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
血流量が増加すると皮膚温が上昇する関係については、サーモグラフィーと同じで、皮膚温の変化から血流量の増減を知ることができるとされている(非特許文献1)。この関係により、眼瞼皮膚温の変化から眼瞼血流量の変化を把握することが可能になる。
【0003】
一方、体内の血流を測る方法は、光量変動、光のドップラ効果、超音波のドップラ効果、電磁誘導、などがある。この中で、皮膚表面の血流を測るレーザドップラ血流計、さらに、OCTによる皮膚表面に近い毛細血管の画像化が可能となっている(非特許文献2)。
【0004】
また、皮膚温度を測る体温計としては、電子体温計や赤外線による非接触型体温計が使用されているが、電子体温計はわきに挟むタイプであり、赤外線による非接触型体温計では額に照射するタイプになる。現時点で、眼瞼用の温度計は商品化されていない。
【0005】
同じく34℃のデジタルサーモテープのみを使用した血流チェッカーを、眼のあんぽう器に組み込んだ利点として、デジタルサーモテープの反応速度が約1秒と速いことであり、約1分で眼瞼の平均温度付近に到達することが可能とされている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【0006】
【特許文献1】特願2019-40001
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「抹消皮膚循環の計測とバイオフィードバック」バイオフィードバック研究 1997年・24巻 P28-35
【非特許文献2】「体内の血流を測るさまざまな方法」生物工学 第96巻 第6号 2018年 P347
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
眼瞼の血流状態を眼瞼皮膚温の変化で捉えるため、血液検査などの前に、眼瞼皮膚温を簡便に測る方法を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
電源が不要で、眼瞼に接触する34℃のデジタルサーモテープを温度センサーとしてメガネに装着することで、約1分で眼瞼の血流状態を把握できることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
温度センサーをメガネタイプに装着することにより、眼瞼への接触面が安定し、眼瞼皮膚温を測れることで、眼瞼の血流状態の変化と傾向をその場で知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】 眼瞼用血流チェッカーの実施方法を示した説明図である。(実施例1)
図2】 眼瞼用血流チェッカーの実施方法を示した説明図である。(実施例2)
図3】 眼瞼用血流チェッカーの実施方法を示した説明図である。(実施例3)
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、眼瞼用血流チェッカーをメガネに装着した実施例で、34℃のデジタルサーモテープ3を取り付けたプローブ2をメガネ4に装着し、眼瞼に面接触させて眼瞼皮膚温を測定する。実施例では、温度センサーとしての34℃のデジタルサーモテープ3は、20×10mmにカットして接触片6に取り付けたものを使用。
【0013】
図2は、図1のプローブ2を拡大したもので、(A)は拡大したプローブ2の斜視図であり、(B)は拡大したプローブ2の断面図である。プローブ2はプローブホルダー5と34℃のデジタルサーモテープ3と接触片6で構成される。接触片6の実施例では透明のPETアングルをカットして使用し、プローブホルダー6との固定は面ファスナー7を使用することで、接触片6が眼瞼皮膚面の角度変化にも柔軟に対応できるようしている。
【0014】
図3は、使用者が装着した状態を示したもので、接触片6に取り付けた34℃のデジタルサーモテープ3が、目を閉じた眼瞼に面接触することを示している。
【0015】
図1の実施例では、右眼で測定することを前提に、右眼にブローブ2の接触片6に34℃のデジタルサーモテープ3を取り付けているが、左眼には取り付けられていない。ただ、プローブ2は左右共通であるので、左眼で測定する場合は、プローブ2の34℃のデジタルサーモテープ3を取り付けた接触片6を面ファスナー7から外し、左右入れ替えて測定することができる。
【0016】
以下、使用手順について説明する。図1の眼瞼用血流チェッカー1を図3に示したようにメガネ4を掛け、眼瞼にプローブ2の接触片6が面接触したことを確認する。約1分間経過した時点で、34℃のデジタルサーモテープ3の色の変化を確認する。
【0017】
34℃のデジタルサーモテープ3の色の変化は眼瞼皮膚温の変化を表し、皮膚温と血流量の関係については、[非特許文献1]の中から[0018]の[表1]に示されている。
【0018】
【表1】
【0019】
34℃のデジタルサーモテープ3の色の変化は、メガネ4の装着者を観察する眼科医などが外側から観察できるようになっている。このため、約1分の間の色の変化も確認することができる。また、個人が家庭で使用する場合には、34℃のデジタルサーモテープ3を接触片6への取り付けを外側から内側にすることで、約1分後の色の変化を自身で確認することが可能になる。また、眼瞼用血流チェッカー1を皮膚に当てる場合、安全および衛生面から透明な食品用ラップフィルムを使用して、眼瞼用血流チェッカー1が直接皮膚に接触しないようにする。
【0020】
34℃のデジタルサーモテープ3の色の変化は、茶色は33℃、緑色は34℃、青色は35℃を目安にし、色の変化を記録するために[0020]の[表2]のノブをスライドできる「スライドカード」を使用することができる。
【0021】
【表2】
【0022】
眼瞼用血流チェッカー1の応用分野は、まず、眼科での血流状態を手軽に知ることができる。次に、時間経過による皮膚温の変化から血流状態の変化を知ることができる。以前の結果と比較する場合には、室温を同じにすることで血流状態の変化を知ることが可能になる。また、血流促進治療による効果を眼瞼用血流チェッカー1で確認することができる。
【0023】
次に、眼瞼用血流チェッカー1の応用分野として、家庭での眼の健康管理への応用として、疲れ目の状態を知る眼瞼用血流チェッカーとしての用途が考えられる。また、疲れ目は現代社会の宿命とも言われており、今後は眼の血流状態を測る体温計のような用途展開も考えられる。
【0024】
さらに、眼瞼用血流チェッカー1は家庭や職場での健康管理のツールとして、スマホやPCなどに接続又は組み込んで使用することもできる。
【符号の説明】
【0025】
1 眼瞼用血流チェッカー
2 プローブ
3 34℃のデジタルサーモテープ
4 メガネ
5 プローブホルダー
6 接触片
7 面ファスナー
図1
図2
図3