(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022135858
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】薄型化封止接着構造
(51)【国際特許分類】
H01L 23/427 20060101AFI20220908BHJP
H01L 23/29 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
H01L23/46 B
H01L23/30 R
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021090807
(22)【出願日】2021-05-31
(31)【優先権主張番号】110107799
(32)【優先日】2021-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】517259450
【氏名又は名称】宸寰科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】呂 杰▲キ▼
【テーマコード(参考)】
4M109
5F136
【Fターム(参考)】
4M109AA01
4M109EA02
4M109EA10
5F136CC14
5F136FA01
5F136FA02
5F136FA03
5F136FA06
5F136FA12
5F136FA23
5F136FA52
5F136FA53
(57)【要約】
【課題】電子機器のより小さい限られた空間内における放熱が可能な、薄型化封止接着構造を提供すること。
【解決手段】薄型化封止接着構造であって、第1薄片部101、第2薄片部301、接着部201を含み、厚みが200マイクロメートル以下であり、接着部201が第1薄片部101と第2薄片部301の間に配置され、第1薄片部101の一面の一部または全部が接着部201に相隣して接合され、第2薄片部301の一面の一部または全部が接着部201に相隣して接合され、接着部201がエポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ナノシリコン、ナノチタンの少なくとも1つの接着剤であり、その厚み範囲が0.5~100マイクロメートルである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄型化封止接着構造であって、第1薄片部と、第2薄片部と、接着部と、を含み、
前記第1薄片部が両面を備え、
前記第2薄片部が両面を備え、
前記接着部が前記第1薄片部と前記第2薄片部の間に配置され、かつ前記第1薄片部の一面の一部または全部が前記接着部に相隣して接合され、前記第2薄片部の一面の一部または全部が前記接着部に相隣して接合され、前記接着部がエポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ナノシリコン、ナノチタンの少なくとも1つの接着剤であり、かつその厚み範囲が0.5~100マイクロメートルであり、
前記第1薄片部、前記接着部、前記第2薄片部を組み合わせて前記薄型化封止接着構造とし、前記薄型化封止接着構造の厚みが200マイクロメートル以下である、ことを特徴とする、薄型化封止接着構造。
【請求項2】
前記第1薄片部が、アルミニウム、銅、ニッケル、金、銀、シリコン、セラミック、エポキシ樹脂、ポリイミドまたはプラスチックである、ことを特徴とする、請求項1に記載の薄型化封止接着構造。
【請求項3】
前記接着部が、シリコン、チタン、エポキシ樹脂、シリコンゲル材料の少なくとも1つであり、前記接着部と第1薄片部及び第2薄片部の接合の90度剥離強度が4N/cm以上である、ことを特徴とする、請求項1に記載の薄型化封止接着構造。
【請求項4】
前記接着部が、シリコン、チタン、エポキシ樹脂、シリコンゲル材料の少なくとも1つであり、前記接着部と第1薄片部及び第2薄片部の接合の180度剥離強度が2N/cm以上である、ことを特徴とする、請求項1に記載の薄型化封止接着構造。
【請求項5】
前記第2薄片部がアルミニウム、銅、ニッケル、金、銀、シリコン、セラミック、エポキシ樹脂、ポリイミドまたはプラスチックである、ことを特徴とする、請求項1に記載の薄型化封止接着構造。
【請求項6】
前記第1薄片部と前記第2薄片部の少なくとも1つに収容空間が設けられた、ことを特徴とする、請求項1に記載の薄型化封止接着構造。
【請求項7】
前記収容空間に、ゲル、ロウ、熱溶融材料、熱伝導材料の少なくとも1つがいっぱいに充填され、前記熱伝導材料が酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、カーボンブラック粉体、グラファイト粉体、グラフェン粉、カーボンナノチューブ、ナノダイヤモンド粉体、セラミック粉体の少なくとも1つを含む、ことを特徴とする、請求項6に記載の薄型化封止接着構造。
【請求項8】
前記収容空間に電子チップ部材が収容されて前記電子チップ部材を被覆する、ことを特徴とする、請求項6に記載の薄型化封止接着構造。
【請求項9】
第1薄片部及び第2薄片部の少なくとも1つにおいて、前記接着部と逆側の外側面を覆う少なくとも1つの第1機能層と、少なくとも1つの第2機能層が設けられ、前記第1機能層の厚みが200マイクロメートル未満であり、かつ相隣する第1機能層の下表面が前記第1薄片部及び/又は第2薄片部の上表面に貼合され、前記第1機能層が、セラミック材料、グラフェン材料または接着剤であり、前記接着剤が、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ナノシリコン、ナノチタンの接着剤の少なくとも1つであり、前記第2機能層の厚みが200マイクロメートル未満であり、かつ相隣するその第2機能層の下表面が前記第1機能層の上表面に貼合され、前記第2機能層が、セラミック材料、グラフェン材料、接着剤、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリウレタン、銅、アルミニウム、接着剤または金属導電材料であり、前記接着剤が、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ナノシリコン、ナノチタンの接着剤の少なくとも1つである、ことを特徴とする、請求項1に記載の薄型化封止接着構造。
【請求項10】
前記第1薄片部及び第2薄片部の少なくとも1つにおいて、前記接着部と逆側の外側面を覆って放熱コーティング層が設けられ、前記放熱コーティング層がグラフェン、グラファイトシート、セラミックの少なくとも1つである、ことを特徴とする、請求項1に記載の薄型化封止接着構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部材の均熱及び放熱に用いる薄型化封止接着構造に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、薄型ベイパーチャンバーは5G高速伝送チップの最適な放熱策と見なされている。
従来の薄型ベイパーチャンバーは、内部の蒸発及び凝縮の二相の現象を利用して、チップの熱をベイパーチャンバー全体の平面上に受動的に伝達させる。また、従来の薄型ベイパーチャンバーは5G電子機器上に広く使用できるようにするために、製造コストと量産の問題を解決する必要がある。
現在、薄型ベイパーチャンバーの接合技術には、拡散接合、レーザー溶接、共晶接合が含まれるが、これらの接合技術は超薄型ベイパーチャンバーにとって製造工程の複雑化、低い生産効率、高い製造コストといった制限を生じている。
【0003】
すでに、注入管のない携帯電子機器用の薄膜蒸気チャンバ及びその製造方法に関する研究があり、特許文献1には、所定間隔に離隔された複数の第1突起が一側の上側面に形成され、外側枠の内側上方に枠状に沿って突出する第1接合体が所定間隔ごとに形成される下部プレートと、前記下部プレートに対応する形状であって、下部プレートの上側に接合される第2接合体が前記第1突起に対応するように突出して形成され、内部に作動流体が注入される注入口が第2突起の内側に形成され、前記注入口に下部プレートが折曲される際に接触されて注入口を閉鎖するように、下側方向に段差が突出されて形成される上部プレートと、を含み、上部プレートと下部プレートとの間に形成され、前記注入口に密着結合して接合された状態の内部空間を、真空注入体を介して真空状態とさせて内部空間に作動流体を注入することが開示されている。
【0004】
また、スマートフォン一体型蒸気チャンバに関する研究があり、特許文献2には、スマートフォンフレームに蒸気チャンバがフレームの厚さの変化なしに一体型に装着され、スマートフォンフレームに装着部が形成され、蒸気チャンバを前記装着部に対応装着し、相互間の容易な締結のために装着部と蒸気チャンバの枠に段部を形成し、段部に溝と突起をさらに形成して締結力を増大させ、蒸気チャンバがスマートフォンフレームに一体型に装着されるか、またはスマートフォンフレーム自体に蒸気チャンバが形成された場合にも適用可能であることが開示されている。
【0005】
ヒートシンクに関する研究もあり、特許文献3には、狭小化された空間に搭載された高発熱量の発熱体に対しても優れた冷却特性を発揮できるヒートシンクが開示されている。 このヒートシンクは、発熱体と熱的に接続される複数のヒートパイプと、複数のヒートパイプと熱的に接続された放熱部と、を備えたヒートシンクであって、複数の前記ヒートパイプのうち、少なくとも前記発熱体と熱的に接続される蒸発部が、複数の前記ヒートパイプの熱輸送方向に対して直交方向の断面形状が扁平である扁平部を有し、該扁平部のうち、厚さ方向の面が前記発熱体と対向配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】台湾特許第TW108140361号明細書
【特許文献2】台湾特許第TW108140413号明細書
【特許文献3】台湾特許公告第TW108147553号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、電子機器のより小さい限られた空間内における放熱が可能な、薄型化封止接着構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の薄型化封止接着構造は、第1薄片部と、第2薄片部と、接着部とを含み、前記第1薄片部が両面を備え、前記第2薄片部が両面を備え、前記接着部が前記第1薄片部と前記第2薄片部の間に配置され、かつ前記第1薄片部の一面の一部または全部が前記接着部に相隣して接合され、前記第2薄片部の一面の一部または全部が前記接着部に相隣して接合され、前記接着部がエポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ナノシリコン、ナノチタンの少なくとも1つの接着剤であり、かつその厚み範囲が0.5~100マイクロメートルであり、前記第1薄片部、前記接着部、前記第2薄片部を組み合わせて前記薄型化封止接着構造とし、前記薄型化封止接着構造の厚みが200マイクロメートル以下である。
【0009】
好ましい実施例として、以下のようなものがある。
前記第1薄片部がアルミニウム、銅、ニッケル、金、銀、シリコン、セラミック、エポキシ樹脂、ポリイミドまたはプラスチックである。
前記接着部と前記第1薄片部及び前記第2薄片部の接合の90度剥離強度が4N/cm以上である。
前記接着部と前記第1薄片部及び前記第2薄片部の接合の180度剥離強度が2N/cm以上である。
前記第2薄片部が、アルミニウム、銅、ニッケル、金、銀、シリコン、セラミック、エポキシ樹脂、ポリイミドまたはプラスチックである。
【0010】
前記第1薄片部と前記第2薄片部の少なくとも1つに収容空間が設けられる。前記収容空間にゲル、ロウ、熱溶融材料、熱伝導材料の少なくとも1つがいっぱいに充填され、前記熱伝導材料が酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、カーボンブラック粉、グラファイト粉、グラフェン粉、カーボンナノチューブ、ナノダイヤモンド粉、セラミック粉の少なくとも1つを含む。
前記収容空間に電子チップ部材を収容して前記電子チップ部材を被覆する。
【0011】
第1薄片部及び第2薄片部の少なくとも1つにおいて、前記接着部と逆側の外側面を覆う少なくとも1つの第1機能層と、少なくとも1つの第2機能層が設けられ、前記第1機能層の厚みが200マイクロメートル未満であり、かつ相隣するその第1機能層の下表面が前記第1薄片部及び/又は第2薄片部の上表面に貼合される。
前記第1機能層が、セラミック材料、グラフェン材料または接着剤であり、前記接着剤が、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ナノシリコン、ナノチタンの接着剤の少なくとも1つである。
前記第2機能層の厚みが200マイクロメートル未満であり、かつ相隣するその第2機能層の下表面が前記第1機能層の上表面に貼合され、前記第2機能層が、セラミック材料、グラフェン材料、接着剤、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリウレタン、銅、アルミニウム、接着材料または金属導電材料である。
前記接着剤が、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ナノシリコン、ナノチタンの接着剤の少なくとも1つである。
【0012】
第1薄片部及び第2薄片部の少なくとも1つにおいて、前記接着部と逆側の外側面を覆って放熱コーティング層が設けられ、前記放熱コーティング層がグラフェン、グラファイトシート、セラミックの少なくとも1つである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の薄型化封止接着構造は、厚みを200マイクロメートル以下のように非常に薄くすることができ、電子機器のより小さい限られた空間内における放熱を可能とし、新規性、進歩性、及び実用的効果を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1実施例を示す薄型化封止接着構造の断面図である。
【
図2】本発明の第2実施例を示す薄型化封止接着構造の断面図である。
【
図3】本発明の第3実施例を示す薄型化封止接着構造の断面図である。
【
図4】本発明の第4実施例を示す薄型化封止接着構造の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、実施例に限定されないことはいうまでもない。
【0016】
[第1実施例]
本発明の第1実施例を
図1と共に説明する。
図1は、第1実施例を示す薄型化封止接着構造の断面図である。
【0017】
本実施例の薄型化封止接着構造は、第1薄片部101と、接着部201と、第2薄片部301を含む。
第1薄片部101の一面の一部または全部が接着部201に相隣して接合され、接着部201が第1薄片部101と第2薄片部301の間に配置される。
第2薄片部301の一面の一部または全部が接着部201に相隣して接合される。
【0018】
接着部201は、エポキシ樹脂(epoxy resin)、シリコン樹脂(silicone resin)、ポリエステル(polyester)、ポリウレタン(polyurethane)、ナノシリコン(nano silicate)、ナノチタン(nano titanium)の少なくとも1つの接着剤であり、かつ接着部201の厚みが0.5~100マイクロメートルである。
【0019】
エポキシ樹脂は、エポキシ基を有する樹脂であり、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂は最もよく使用されるエポキシ樹脂であるが、硬化反応を通じて、エポキシ樹脂は三次元架橋高分子網目構造を形成することができる。
シリコン樹脂は高度架橋構造を備えた熱硬化性ポリシロキサン高分子を有し、前記ポリシロキサン高分子はオルガノクロロシランの加水分解縮合と転位を経て、室温下で安定した活性シロキサンプレポリマーとし、さらに加熱して縮合架橋させてより硬い、または弾性がより小さい固体シリコン樹脂とすることができる。このシリコン樹脂は優れた電気絶縁性、温度耐性、防水効果を有する。
ポリエステルは、例えばポリエチレンテレフタラートなど、主鎖上にエステル基(COO)官能基を含有する高分子である。
ポリウレタンは、主鎖中にウレタン官能基を含有する高分子を指す。
ナノシリコン及びナノチタンは、上述の高分子との混合物であり、接着強度を高めることができる。
【0020】
第1薄片部101、接着部201、第2薄片部301を組み合わせて薄型化封止接着構造とし、薄型化封止接着構造の厚みは200マイクロメートル以下であることを特徴とする。
薄型化ベイパーチャンバー(Vapor Chamber,VC)への応用としては、第1薄片部101と第2薄片部301の少なくとも1つに収容空間401があり、収容空間401にゲル(gel)、ロウ(wax)、熱溶融材料(hot-melt material)、熱伝導材料の少なくとも1つをいっぱいに充填する。
本実施例では、第2薄片部301は、中央部が第1薄片部101から離間するように溝形に屈曲され、この第1薄片部101から離間した部分に収容空間401が形成される。また、第2薄片部301の第1薄片部101側の一面は、収容空間401の両側において、接着部201に相隣して接合される。
第1薄片部101は、平板状であり、第2薄片部301側の一面の全部が接着部201に相隣して接合される。
【0021】
前記熱伝導材料は、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、カーボンブラック粉、グラファイト粉、グラフェン粉、カーボンナノチューブ、ナノダイヤモンド粉、セラミック粉の少なくとも1つを含み、前記材料をいっぱいに充填することで均熱と放熱の機能を提供することができ、従来のいっぱいまで充填されていない放熱液体を導入している薄型化ベイパーチャンバーと異なり、液体の注入がなく、従来の薄型化ベイパーチャンバーにおける液体の散逸という欠点を解決することができる。
ゲルは、固体の、ゼリー状材料であって、充分に希釈した架橋システムであり、安定状態下で流動性がない。重量で計算するとゲルの主要成分は液体であるが、液体中の三次元架橋網目構造により、ゲルは多くの側面で固体に近い特性を備えている。
ロウは、長アルキル鎖を有する有機化合物であり、ロウは脂肪酸と長鎖のアルコールで形成されたエステル類、または長鎖炭化水素化合物である。
熱溶融材料相変化材料(PCM,Phase Change Material)は、温度変化に伴い形態を変化させ、かつ潜熱を提供できる物質であり、この材料が固体から液体に、または液体から固体に変化する過程を相変化プロセスという。
【0022】
また、電子部材パッケージへの応用において、収容空間401には電子チップ部材を収容し、前記電子チップ部材を被覆することもできる。
【0023】
第1薄片部101はアルミニウム、銅、ニッケル、金、銀、シリコン、セラミック、エポキシ樹脂、ポリイミド(polyimide)またはプラスチックである。
接着部201と第1薄片部101及び第2薄片部301の接合の90度剥離強度は4N/cm以上である。接着部201と第1薄片部101及び第2薄片部301の接合の180度剥離強度は2N/cm以上である。
第2薄片部301は、アルミニウム、銅、ニッケル、金、銀、シリコン、セラミック、エポキシ樹脂、ポリイミドまたはプラスチックである。
ポリイミドは、官能基に基づいて脂肪族、半芳香族、芳香族のポリイミドに分けることができ、また熱特性に基づき、熱可塑性と熱硬化性のポリイミドに分けることができる。 ポリイミドはイミド基を含有する有機高分子材料であり、その製造方法は主にジアミン類と二無水物類を反応させ、重合してポリアミド酸高分子とした後、高温イミド化(Imidization)を経てポリイミド高分子が形成される。
【0024】
[第2実施例]
図2は、第2実施例を示す薄型化封止接着構造の断面図である。
第2実施例の薄型化封止接着構造は、第1薄片部101と、接着部201と、第2薄片部301を含む。
第1薄片部101の一面の一部または全部が接着部201に相隣して接合され、接着部201が第1薄片部101と第2薄片部301の間に配置される。
接着部201が、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ナノシリコン、ナノチタンの少なくとも1つの接着剤であり、かつ前記接着部201の厚み範囲が0.5~100マイクロメートルである。
第2薄片部301の一面の一部または全部が接着部201に相隣して接合される。
本実施例では、第1薄片部101及び第2薄片部301は、平板状であり、一面の全部が接着部201に相隣して接合される。
第1薄片部101、接着部201、第2薄片部301を組み合わせて薄型化封止接着構造とし、前記薄型化封止接着構造の厚みは200マイクロメートル以下であることを特徴とする。
【0025】
第1薄片部101は、アルミニウム、銅、ニッケル、金、銀、シリコン、セラミック、エポキシ樹脂、ポリイミドまたはプラスチックである。
接着部201と第1薄片部101及び第2薄片部301の接合の90度剥離強度は4N/cm以上である。接着部201と第1薄片部101及び第2薄片部301の接合の180度剥離強度は2N/cm以上である。
第2薄片部301は、アルミニウム、銅、ニッケル、金、銀、シリコン、セラミック、エポキシ樹脂、ポリイミドまたはプラスチックである。
【0026】
[第3実施例]
以下、放熱導電性フレキシブル基板への応用である第3実施例を説明する。
図3は、第1機能層501と第2機能層502を貼合わせた薄型化封止接着構造の断面図である。
図1に示す第1実施例の薄型化封止接着構造における第1薄片部101及び第2薄片部301の少なくとも一つにおいて、接着部201と逆側の外側面を覆う少なくとも1つの第1機能層501と、少なくとも1つの第2機能層502を備える。
【0027】
第1機能層501の厚みが200マイクロメートル未満であり、かつ相隣するその第1機能層501の下表面が第1薄片部101及び/又は第2薄片部301の上表面に貼合される。
第1機能層501が、セラミック材料、グラフェン材料または接着剤であり、この接着剤がエポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ナノシリコン、ナノチタンの少なくとも1つの接着剤である。
【0028】
第2機能層502の厚みが200マイクロメートル未満であり、かつ相隣するその第2機能層502の下表面が第1機能層501の上表面に貼合される。
第2機能層502が、セラミック材料、グラフェン材料、接着剤、ポリイミド、ポリアミド(polyamide)、ポリエステル、ポリプロピレン(polypropylene)、ポリウレタン、銅、アルミニウム、接着材料または金属導電材料であり、この接着剤がエポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ナノシリコン、ナノチタンの少なくとも1つの接着剤である。
【0029】
図3に示す例では、第1薄片部101の外側面を覆って1層の第1機能層501が設けられ、さらに順に3層の第2機能層502が重ね合わされ、片面の熱伝導作用の効果が達成される。
ポリアミドはカルボキシル基とアミノ基を含有するモノマーが、アミド結合を介して重合することで形成される高分子である。
ポリプロピレンは繰り返し単位が3個の炭素原子で構成され、そのうち2個の炭素原子が主鎖上にあり、1個の炭素原子が側鎖の形式で存在する高分子材料である。
【0030】
[第4実施例]
図4は、外層に放熱コーティング層を設置した第4実施例の薄型化封止接着構造の断面図である。
第4実施例では、
図1に示す第1実施例の薄型化封止接着構造における第1薄片部101及び第2薄片部301の内の少なくとも1つにおいて、接着部201と逆側の外側面を覆う放熱コーティング層601を備える。
【0031】
放熱コーティング層601はグラフェン、グラファイトシート、セラミックの少なくとも1つである。薄型化封止接着構造の表面に溶射、含浸または塗布の方式により、グラフェン、グラファイトシート、セラミックの少なくとも1つを設置し、放射放熱と均熱の機能を提供し、熱源散逸作用をより高めることができる。
図4に示すように、第2薄片部301の外側面を覆って放熱コーティング層601を設けることで、放熱コーティング層601の使用量を節約し、片面放熱作用の効果を達成するとともに、第2薄片部301の放熱面積と放射放熱特性を高めることができる。
【0032】
以上をまとめると、本発明の薄型化封止接着構造は、第1薄片部101と、接着部201と、第2薄片部301を含み、第1薄片部101が両面を備え、そのうち一面の一部または全部が接着部201に相隣して接合され、接着部201が第1薄片部101と第2薄片部301の間に配置され、接着部201がエポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ナノシリコン、ナノチタンの少なくとも1つの接着剤であり、かつ接着部201の厚み範囲が0.5~100マイクロメートルであり、第2薄片部301が両面を備え、そのうち一面の一部または全部が接着部201に相隣して接合され、そのうち、第1薄片部101、接着部201、第2薄片部301を組み合わせて薄型化封止接着構造とし、薄型化封止接着構造の厚みが200マイクロメートル以下である。
【0033】
第1薄片部101は、アルミニウム、銅、ニッケル、金、銀、シリコン、セラミック、エポキシ樹脂、ポリイミドまたはプラスチックである。
接着部201と第1薄片部101及び第2薄片部301の接合の90度剥離強度は4N/cm以上である。接着部201と第1薄片部101及び第2薄片部301の接合の180度剥離強度は2N/cm以上である。
第2薄片部301は、アルミニウム、銅、ニッケル、金、銀、シリコン、セラミック、エポキシ樹脂、ポリイミドまたはプラスチックである。
【0034】
第1薄片部101と第2薄片部301の少なくとも1つに収容空間401が設けられる。収容空間401にゲル、ロウ、熱溶融材料、熱伝導材料の少なくとも1つがいっぱいに充填される。
熱伝導材料が酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、カーボンブラック粉、グラファイト粉、グラフェン粉、カーボンナノチューブ、ナノダイヤモンド粉、セラミック粉の少なくとも1つを含む。
収容空間401に電子チップ部材を収容して電子チップ部材を被覆する。前記電子チップ部材が接着部201に接合され、かつ前記接着部201が第1薄片部101と第2薄片部301の少なくとも1つに接合される。
【0035】
さらに、前記薄型化封止接着構造の第1薄片部101及び第2薄片部301の内、少なくとも1つの外側面を覆う少なくとも1つの第1機能層501と、少なくとも1つの第2機能層502を備える。
第1機能層501の厚みが200マイクロメートル未満であり、かつ相隣する第1機能層501の下表面が第1薄片部101及び/又は第2薄片部301の上表面に貼合され、第1機能層501が、セラミック材料、グラフェン材料または接着剤であり、この接着剤がエポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ナノシリコン、ナノチタンの少なくとも1つの接着剤である。
第2機能層502の厚みが200マイクロメートル未満であり、かつ相隣するその第2機能層502の下表面が第1機能層501の上表面に貼合される。
第2機能層502が、セラミック材料、グラフェン材料、接着剤、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリウレタン、銅、アルミニウム、接着材料または金属導電材料の少なくとも1つである。
接着剤がエポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ナノシリコン、ナノチタンの少なくとも1つの接着剤である。
【0036】
薄型化封止接着構造において、第1薄片部101及び第2薄片部301の少なくとも1つの外側面を覆って放熱コーティング層601が設けられ、放熱コーティング層601がグラフェン、グラファイトシート、セラミックの少なくとも1つである。
本発明の薄型化封止接着構造の厚みは200マイクロメートル以下であり、この薄型化構造は過去の従来技術とは異なり、電子機器のより小さい限られた空間内における放熱の解決策を提供できる。
本発明の薄型化封止接着構造は、電子部材の封止、薄型化放熱片及び放熱導電性フレキシブル基板の分野に応用することができる。
【0037】
以上の説明は、本発明の実施例の説明にすぎず、これを以って本発明の権利範囲を限定することはできず、特許請求の範囲を逸脱しない変化や修飾はすべて本発明の権利範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0038】
101 第1薄片部
201 接着部
301 第2薄片部
401 収容空間
501 第1機能層
502 第2機能層
601 放熱コーティング層