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特開2022-135886データ処理装置、データ処理方法及びプログラム
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  • 特開-データ処理装置、データ処理方法及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022135886
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】データ処理装置、データ処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/08 20120101AFI20220908BHJP
【FI】
G06Q20/08 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021150559
(22)【出願日】2021-09-15
(62)【分割の表示】P 2021512828の分割
【原出願日】2021-03-05
(71)【出願人】
【識別番号】516380407
【氏名又は名称】ファーストアカウンティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】葛 鴻鵬
(72)【発明者】
【氏名】松田 顕
(72)【発明者】
【氏名】小俣 智
(72)【発明者】
【氏名】森 啓太郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 貴亮
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA24
(57)【要約】
【課題】複数の種類それぞれの納付書の支払を自動的に行う。
【解決手段】データ処理装置1は、納付書を示す納付書データを取得するデータ取得部151と、データ取得部151が取得した納付書データに基づいて、納付書に対応する納付金額の支払手段を特定する特定部153と、特定部153が特定した支払手段により納付金額の支払処理を行う支払処理部154と、を有する。データ処理装置1は、納付書データから、テキスト情報を抽出する抽出部152をさらに有し、特定部153は、抽出部152が抽出したテキスト情報に基づいて支払手段を特定する。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
納付書を示す納付書データを取得するデータ取得部と、
前記納付書データに基づいて、前記納付書に対応する納付金額の支払手段を特定する特定部と、
前記特定部が特定した前記支払手段により前記納付金額の支払処理を行う支払処理部と、
を有するデータ処理装置。
【請求項2】
前記納付書データから、テキスト情報を抽出する抽出部をさらに有し、
前記特定部は、前記抽出部が抽出した前記テキスト情報に基づいて前記支払手段を特定する、
請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記納付書データから、前記納付書が所定の支払手段による支払に対応していることを示す画像を抽出する抽出部をさらに有し、
前記特定部は、前記抽出部が前記画像を抽出すると、前記所定の支払手段を前記支払手段として特定する、
請求項1又は2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記特定部は、前記支払手段を複数特定し、
前記支払処理部は、前記特定部が特定した複数の支払手段を示す情報を出力し、当該複数の支払手段のうち、いずれかの支払手段の選択を受け付け、受け付けた前記支払手段により前記納付金額の支払処理を行う、
請求項1から3のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
複数の前記支払手段のそれぞれの優先順位を記憶する記憶部をさらに有し、
前記特定部は、前記支払手段を複数特定し、
前記支払処理部は、前記特定部が特定した複数の支払手段のうち、前記優先順位が最も高い支払手段により前記納付金額の支払処理を行う、
請求項1から3のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
前記記憶部は、複数の納付書それぞれに対応する納付先ごとに、複数の前記支払手段のそれぞれの優先順位を記憶し、
前記特定部は、前記支払手段を複数特定するとともに、前記納付書データに基づいて前記納付金額の納付先を特定し、
前記支払処理部は、前記特定部が特定した複数の支払手段のうち、前記特定部が特定した前記納付先に対して前記優先順位が最も高い支払手段により前記納付金額の支払処理を行う、
請求項5に記載のデータ処理装置。
【請求項7】
前記記憶部は、納付書の受領者ごとに、複数の前記支払手段のそれぞれの優先順位を記憶し、
前記特定部は、前記支払手段を複数特定するとともに、前記納付書データに基づいて前記納付書の受領者を特定し、
前記支払処理部は、前記特定部が特定した複数の支払手段のうち、前記特定部が特定した前記受領者に対して前記優先順位が最も高い支払手段により前記納付金額の支払処理を行う、
請求項5に記載のデータ処理装置。
【請求項8】
前記特定部は、前記支払手段の特定に係る信頼度を算出し、
前記支払処理部は、前記特定部が算出した前記信頼度が所定の閾値未満である場合、特定した前記支払手段により前記納付金額の支払処理を行うことの承認を受け付けることにより当該支払処理を行い、前記信頼度が所定の閾値以上である場合、前記承認を受け付けることなく前記支払処理を行う、
請求項1から7のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項9】
前記支払処理部は、前記納付書の納付先が所定の納付先である場合には、前記特定部が算出した前記信頼度に関わらず、特定した前記支払手段を示す情報を出力し、特定した前記支払手段により前記納付金額の支払処理を行うことの承認を受け付けることにより当該支払処理を行う、
請求項8に記載のデータ処理装置。
【請求項10】
前記納付書データから、納付に係るテキスト情報を抽出する抽出部をさらに有し、
前記支払処理部は、前記特定部が特定した前記支払手段による支払を受け付ける外部装置にアクセスし、前記外部装置から前記納付書に対応する納付に係る情報を取得し、前記抽出部が抽出した前記納付に係るテキスト情報と、前記外部装置から前記納付に係る情報とに基づいて、前記納付書に対応する納付が行われるか否かを判定し、前記納付書に対応する納付が行われると判定すると前記納付金額の支払を行い、前記納付書に対応する納付が行われないと判定すると表示部に前記納付書に対応する納付が行われないことを示す情報を表示させる、
請求項1から9のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項11】
コンピュータが実行する、
納付書を示す納付書データを取得するステップと、
前記納付書データに基づいて、前記納付書に対応する納付金額の支払手段を特定するステップと、
特定された前記支払手段により前記納付金額の支払処理を行うステップと、
を有するデータ処理方法。
【請求項12】
コンピュータを、
納付書を示す納付書データを取得するデータ取得部、
前記納付書データに基づいて、前記納付書に対応する納付金額の支払手段を特定する特定部、及び、
前記特定部が特定した前記支払手段により前記納付金額の支払処理を行う支払処理部、
として機能させるプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、納付書データを処理するデータ処理装置、データ処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータを利用して公共料金や税金等の支払を行うことが知られている。例えば、特許文献1には、店舗に設置されている装置が、顧客が持参した納付書に記載されているバーコードを光学的に読み取ることにより納付金額を特定し、特定された納付金額を顧客が装置に投入することにより支払を行えるようにする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-203388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の装置では、顧客が現金を装置に投入して支払を行う必要があり、支払の自動化が求められている。しかしながら、納付書には複数の種類があり、それぞれ支払手段が異なっている。このため、複数の種類それぞれの納付書に適した支払手段で自動的に支払処理を行うことが困難であった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、複数の種類それぞれの納付書の支払を自動的に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係るデータ処理装置は、納付書を示す納付書データを取得するデータ取得部と、前記納付書データに基づいて、前記納付書に対応する納付金額の支払手段を特定する特定部と、前記特定部が特定した前記支払手段により前記納付金額の支払処理を行う支払処理部と、を有する。
【0007】
前記データ処理装置は、前記納付書データから、テキスト情報を抽出する抽出部をさらに有し、前記特定部は、前記抽出部が抽出した前記テキスト情報に基づいて前記支払手段を特定してもよい。
【0008】
前記データ処理装置は、前記納付書データから、前記納付書が所定の支払手段による支払に対応していることを示す画像を抽出する抽出部をさらに有し、前記特定部は、前記抽出部が前記画像を抽出すると、前記所定の支払手段を前記支払手段として特定してもよい。
【0009】
前記特定部は、前記支払手段を複数特定し、前記支払処理部は、前記特定部が特定した複数の支払手段を示す情報を出力し、当該複数の支払手段のうち、いずれかの支払手段の選択を受け付け、受け付けた前記支払手段により前記納付金額の支払処理を行ってもよい。
【0010】
前記データ処理装置は、複数の前記支払手段のそれぞれの優先順位を記憶する記憶部をさらに有し、前記特定部は、前記支払手段を複数特定し、前記支払処理部は、前記特定部が特定した複数の支払手段のうち、前記優先順位が最も高い支払手段により前記納付金額の支払処理を行ってもよい。
【0011】
前記記憶部は、複数の納付書それぞれに対応する納付先ごとに、複数の前記支払手段のそれぞれの優先順位を記憶し、前記特定部は、前記支払手段を複数特定するとともに、前記納付書データに基づいて前記納付金額の納付先を特定し、前記支払処理部は、前記特定部が特定した複数の支払手段のうち、前記特定部が特定した前記納付先に対して前記優先順位が最も高い支払手段により前記納付金額の支払処理を行ってもよい。
【0012】
前記記憶部は、納付書の受領者ごとに、複数の前記支払手段のそれぞれの優先順位を記憶し、前記特定部は、前記支払手段を複数特定するとともに、前記納付書データに基づいて前記納付書の受領者を特定し、前記支払処理部は、前記特定部が特定した複数の支払手段のうち、前記特定部が特定した前記受領者に対して前記優先順位が最も高い支払手段により前記納付金額の支払処理を行ってもよい。
【0013】
前記特定部は、前記支払手段の特定に係る信頼度を算出し、前記支払処理部は、前記特定部が算出した前記信頼度が所定の閾値未満である場合、特定した前記支払手段により前記納付金額の支払処理を行うことの承認を受け付けることにより当該支払処理を行い、前記信頼度が所定の閾値以上である場合、前記承認を受け付けることなく前記支払処理を行ってもよい。
【0014】
前記支払処理部は、前記納付書の納付先が所定の納付先である場合には、前記特定部が算出した前記信頼度に関わらず、特定した前記支払手段を示す情報を出力し、特定した前記支払手段により前記納付金額の支払処理を行うことの承認を受け付けることにより当該支払処理を行ってもよい。
【0015】
前記データ処理装置は、前記納付書データから、納付に係るテキスト情報を抽出する抽出部をさらに有し、前記支払処理部は、前記特定部が特定した前記支払手段による支払を受け付ける外部装置にアクセスし、前記外部装置から前記納付書に対応する納付に係る情報を取得し、前記抽出部が抽出した前記納付に係るテキスト情報と、前記外部装置から前記納付に係る情報とに基づいて、前記納付書に対応する納付が行われるか否かを判定し、前記納付書に対応する納付が行われると判定すると前記納付金額の支払を行い、前記納付書に対応する納付が行われないと判定すると表示部に前記納付書に対応する納付が行われないことを示す情報を表示させてもよい。
【0016】
本発明の第2の態様に係るデータ処理方法は、コンピュータが実行する、納付書を示す納付書データを取得するステップと、前記納付書データに基づいて、前記納付書に対応する納付金額の支払手段を特定するステップと、特定された前記支払手段により前記納付金額の支払処理を行うステップと、を有する。
【0017】
本発明の第3の態様に係るプログラムは、コンピュータを、納付書を示す納付書データを取得するデータ取得部、前記納付書データに基づいて、前記納付書に対応する納付金額の支払手段を特定する特定部、及び、前記特定部が特定した前記支払手段により前記納付金額の支払処理を行う支払処理部、として機能させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、複数の種類それぞれの納付書の支払を自動的に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】データ処理装置の概要を説明するための図である。
図2】納付書の一例を示す図である。
図3】データ処理装置の機能構成を示す図である。
図4】データ処理装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[データ処理装置1の概要]
図1は、データ処理装置1の概要を説明するための図である。データ処理装置1は、スキャナ又はデジタルカメラ等の読取装置2が納付書を読み取ることによって生成された納付書データを管理するための装置であり、例えばコンピュータである。データ処理装置1は、1台のコンピュータにより構成されていてもよく、複数のコンピュータにより構成されていてもよい。
【0021】
図2は、納付書の一例を示す図である。納付書は、例えば国や地方公共団体等の自治体が発行する書類であり、納税に必要な情報が記載された書類である。図2に示すように、納付書には、例えば、自治体の名称を示す加入者名、自治体の口座番号、納付金額を示す合計額、納付期限、課税年度、税目が示されている。また、納付書には、自治体に代わって納付金額の収納を代行する収納機関を識別するための収納機関番号、収納機関を介して納付を行うために必要な振替番号、確認番号、納付区分が示されている。また、図2に示す納付書は、コンビニエンスストアを介した納付が可能であり、コンビニエンスストアを介して納付金額を納付する際に使用されるバーコードとしてコンビニ決済用バーコードが示されている。なお、納付書は、自治体が発行したものとしたが、これに限らず、一般企業が発行した払込票も含まれるものとする。
【0022】
また、インターネットバンキングを利用した支払を行うことが可能な納付書には、そのことを示すマークが示される。図2に示す例では、納付書の右上部分に、インターネットバンキングを利用した支払を行うことが可能であることを示すPay-easy(登録商標)マークが示されている。
【0023】
データ処理装置1は、納付書を示す納付書データを取得し、取得した納付書データに基づいて、納付書に対応する納付金額の支払手段を特定する。データ処理装置1は、特定した支払手段により納付金額の支払処理を行う。このようにすることで、データ処理装置1は、複数の種類それぞれの納付書に適した支払手段で自動的に支払処理を行うことができる。
【0024】
[データ処理装置1の機能構成及び動作]
図3は、データ処理装置1の機能構成を示す図である。データ処理装置1は、通信部11と、操作部12と、表示部13と、記憶部14と、制御部15とを有する。制御部15は、データ取得部151と、抽出部152と、特定部153と、支払処理部154とを有する。
【0025】
通信部11は、ネットワーク(例えばイントラネット又はインターネット)に接続するための通信インターフェースであり、読取装置2から読取データを受信したり、他のコンピュータとの間でデータを送受信したりするための通信コントローラを有する。
【0026】
操作部12は、ユーザからの操作を受け付けるキーボード、マウス及びディスプレイ等のデバイスを有する。
表示部13は、情報を表示するディスプレイである。表示部13は、制御部15の指示に基づいて情報を表示する。
【0027】
記憶部14は、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等の記憶媒体を有する。記憶部14は、制御部15が実行するプログラムを記憶する。また、記憶部14は、制御部15が生成した納付書データを記憶する。
【0028】
また、記憶部14は、インターネットバンキングを利用した納付金額の支払を可能とするために、ユーザが納付金額の支払に利用する金融機関を識別する金融機関識別情報と、当該金融機関においてインターネットバンキングを利用するためのアカウント情報とを関連付けて記憶する。アカウント情報には、例えば銀行の口座番号、金融機関がユーザに対して発行したユーザID、当該ユーザIDに対応するパスワードが含まれているものとする。金融機関識別情報及びアカウント情報は、データ処理装置1のユーザにより予め登録されているものとする。
【0029】
また、記憶部14は、クレジットカードによる納付金額の支払を可能とするために、クレジットカードによる支払に関するサービスを提供する事業者が発行した、当該サービスに係るアカウント情報と、ユーザのクレジットカードの番号とを関連付けて記憶する。また、記憶部14は、eLTAX(登録商標)による納付金額の支払を可能とするために、eLTAXに関するサービスを提供する事業者が発行したアカウント情報を記憶する。これらのサービスのアカウント情報やクレジットカードの番号は、データ処理装置1のユーザにより予め登録されているものとする。
【0030】
また、記憶部14には、コンビニ決済用バーコードを用いて納付金額の納付を行うことができるアプリケーションプログラムが記憶されている。このアプリケーションプログラムをバーコード決済アプリケーションという。バーコード決済アプリケーションを実行することにより、データ処理装置1は、コンビニ決済用バーコードが示すコードに基づいて、ユーザがコンビニエンスストアに行くことなく納付金額の支払を行うことができる。
【0031】
制御部15は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部15は、記憶部14に記憶されたプログラムを実行することにより、データ取得部151、抽出部152、特定部153、及び支払処理部154として機能する。
【0032】
データ取得部151は、納付書を示す納付書データを取得する。例えば、データ取得部151は、読取装置2が複数の納付書を読み取ることにより生成される納付書データを取得する。データ取得部151は、読取装置2から納付書データを直接取得してもよいし、データ処理装置1と通信可能に接続されている端末から納付書データを取得してもよい。なお、データ取得部151は、読取装置2が読み取ることにより生成される納付書データを取得することとしたがこれに限らず、自治体等が作成した電子データとしての納付書データを取得してもよい。
【0033】
抽出部152は、データ取得部151が取得した納付書データからテキスト情報を抽出する。抽出部152は、例えばOCR処理を実行することにより、納付書データが示す納付書に含まれている文字列を抽出する。抽出部152は、納付書データが示す納付書に含まれているテキスト情報として、例えば、「収納機関番号」、「振替番号」、「コンビニ収納用」といった項目名、当該項目名に対応する内容を示す項目情報を少なくとも抽出する。抽出する項目には、収納機関番号、振替番号、確認番号、納付金額、納付先、税目、受領者(納税者)が含まれる。また、抽出部152は、テキスト情報を抽出する際に、抽出したテキスト情報の信頼度を出力してもよい。
【0034】
また、抽出部152は、納付書データから、納付書が所定の支払手段としてのインターネットバンキングを利用した支払、コンビニエンスストアを利用した支払に対応していることを示す画像を抽出する。例えば、抽出部152は、納付書にペイジーマークやコンビニ決済用バーコードが含まれている場合、これらのぺイジーマーク、コンビニ決済用バーコードを示す画像を抽出する。抽出部152は、コンビニ決済用バーコードを示す画像を抽出することとしたが、これに限らず、コンビニ決済用バーコードから文字列情報を抽出するようにしてもよい。
【0035】
特定部153は、納付書データに基づいて納付金額の納付先、及び納付書の受領者を特定する。例えば、特定部153は、抽出部152が納付書データから抽出したテキスト情報に基づいて納付先及び受領者を特定する。また、特定部153は、抽出部152が納付書データから抽出したテキスト情報に基づいて、収納機関番号、振替番号、確認番号、納付金額、税目、納付期限等を特定する。
【0036】
特定部153は、データ取得部151が取得した納付書データに基づいて、納付書に対応する納付金額の支払手段を一以上特定する。特定部153は、抽出部152が抽出したテキスト情報に基づいて、納付書に対応する納付金額の支払手段を一以上特定する。例えば、特定部153は、抽出部152が抽出したテキスト情報から収納機関番号、振替番号、及び確認番号を特定した場合、納付金額の支払手段としてインターネットバンキングを用いた支払を特定する。また、特定部153は、抽出部152が項目名として「コンビニ収納用」や「CVS」等のコンビニエンスストアにおいて納付金額の支払いが可能であることを示すテキスト情報を抽出すると、納付金額の支払手段としてコンビニエンスストアを利用した支払を特定する。
【0037】
なお、納付書の納付先及び税目によってはクレジットカード及びeLTAXによる納付金額の支払に対応している場合がある。これに対し、記憶部14は、納付先と、税目と、クレジットカードの支払の可否を示す情報と、eLTAXによる支払の可否を示す情報とを関連付けた支払対応情報を記憶する。そして、特定部153は、記憶部14に記憶されている支払対応情報を参照し、抽出部152が抽出したテキスト情報から特定した納付先及び税目に関連付けられているクレジットカードの支払の可否を示す情報及びeLTAXによる支払の可否を示す情報に基づいて、クレジットカードによる支払及びeLTAXによる支払の少なくともいずれかを支払手段として特定してもよい。
【0038】
また、特定部153は、納付書がインターネットバンキングを利用した支払、コンビニエンスストアを利用した支払に対応していることを示す画像を抽出部152が抽出すると、これらの支払手段を、納付書が対応している支払手段として特定する。例えば、特定部153は、ペイジーマークを示す画像を抽出部152が抽出すると、納付金額の支払手段としてインターネットバンキングを用いた支払を特定する。また、特定部153は、抽出部152が、項目名として「コンビニ収納用」や「CVS」を抽出するとともに、コンビニ決済用バーコードを示す画像を抽出した場合、納付金額の支払手段としてコンビニエンスストアを利用した支払を特定する。
【0039】
支払処理部154は、特定部153が特定した支払手段により納付金額の支払処理を行う。支払処理部154は、例えば、支払手段に対応する外部装置に支払処理を要求するデータ及び納付金額を示すデータを送信することにより支払処理を行う。
【0040】
支払処理部154は、納付金額の支払手段を複数特定した場合、複数の支払手段を示す情報を表示部13に出力し、当該複数の支払手段のうち、いずれかの支払手段の選択を受け付ける。例えば、支払処理部154は、特定した複数の支払手段を示す情報である、複数の支払手段の名称を含み、特定した複数の支払手段のいずれかを選択するための選択画面を表示部13に表示させ、ユーザからいずれかの支払手段の選択を受け付ける。支払処理部154は、支払手段として、インターネットバンキングを用いた支払、クレジットカードを用いた支払、eLTAXを用いた支払、コンビニエンスストアを利用した支払のいずれかの選択を受け付けた場合、受け付けた支払手段により納付金額の支払処理を自動的に行う。
【0041】
例えば、支払処理部154は、インターネットバンキングを利用した支払の選択を受け付けた場合、記憶部14に記憶されている、金融機関識別情報及び、ユーザのアカウント情報に基づいて、金融機関のサーバにアクセスし、特定した収納機関番号、振替番号、確認番号に基づいて納付金額の納付を行う。
【0042】
また、支払処理部154は、クレジットカードを用いた支払の選択を受け付けた場合、記憶部14に記憶されているクレジットカードを用いた支払に関するサービスのアカウント情報に基づいて、当該サービスを提供するサーバにアクセスし、特定した収納機関番号、振替番号、確認番号に基づいて納付金額の納付を行う。
【0043】
また、支払処理部154は、eLTAXを用いた支払の選択を受け付けた場合、記憶部14に記憶されている、eLTAXによる支払に関するサービスのアカウント情報に基づいて、当該サービスを提供するサーバにアクセスし、特定した収納機関番号、振替番号、確認番号に基づいて納付金額の納付を自動的に行う。
【0044】
また、支払処理部154は、コンビニエンスストアを利用した支払の選択を受け付けた場合、記憶部14に記憶されているバーコード決済アプリケーションを実行し、コンビニ決済用バーコードをバーコード決済アプリケーションに読み込ませて納付金額の納付を行う。
【0045】
なお、支払処理部154は、ユーザから選択を受け付けた支払手段により納付金額の支払処理を行ったが、これに限らない。例えば、複数の支払手段のそれぞれの優先順位を記憶部14に記憶させておき、支払処理部154が、特定部153が特定した複数の支払手段のうち、優先順位が最も高い支払手段により納付金額の支払処理を行うようにしてもよい。このようにすることで、ユーザが支払手段を選択することなく、自動的に納付金額の支払を行うことができる。
【0046】
また、記憶部14に、予めユーザの操作に基づいて、複数の納付書それぞれに対応する納付先ごとに、複数の支払い手段の優先順位を記憶させておいてもよい。そして、支払処理部154は、特定部153が特定した複数の支払手段のうち、特定した納付先に対して優先順位が最も高い支払手段により納付金額の支払処理を行うようにしてもよい。このようにすることで、納付先ごとにユーザが希望した支払手段により納付金額の支払を行うことができる。
【0047】
また、データ処理装置1が、複数の支店等の納付書に基づく納付金額の支払を行う場合、複数の納付書それぞれの受領者が異なる場合がある。これに対し、記憶部14に、予めユーザの操作に基づいて、複数の納付書それぞれに対応する受領者ごとに、複数の支払い手段の優先順位を記憶させておいてもよい。そして、支払処理部154は、特定部153が特定した複数の支払手段のうち、特定した受領者に対して優先順位が最も高い支払手段により納付金額の支払処理を行うようにしてもよい。このようにすることで、納付書の受領者ごとにユーザが希望した支払手段により納付金額の支払を行うことができる。
【0048】
また、抽出部152が抽出するテキスト情報には読取誤りが含まれている場合がある。これに対し、特定部153は、支払手段を特定する場合に、支払手段の特定に係る信頼度を算出してもよい。例えば、特定部153は、抽出部152がテキスト情報を抽出する際にテキスト情報とともに出力したテキスト情報の信頼度に基づいて、支払手段の特定に係る信頼度を算出してもよい。この場合、支払処理部154は、特定部153が算出した信頼度が所定の閾値未満である場合、納付書データを示し、特定した支払手段により納付金額の支払処理を行うことの承認を受け付ける受付画面を表示部13に表示させ、当該承認を受け付けることにより当該支払処理を行うようにしてもよい。また、支払処理部154は、信頼度が所定の閾値以上である場合、承認を受け付けることなく支払処理を行うようにしてもよい。
【0049】
また、支払処理部154は、納付書の納付先が所定の納付先である場合には、特定部153が算出した信頼度に関わらず、特定した支払手段を示す情報を出力し、特定した支払手段により納付金額の支払処理を行うことの承認を受け付けることにより当該支払処理を行うようにしてもよい。この場合、支払処理部154は、特定した支払手段を示す名称を含み、特定した支払手段により納付金額の支払処理を行うことの承認を受け付ける受付画面を表示部13に表示させ、当該承認を受け付けることにより当該支払処理を行う。
【0050】
また、記憶部14に、納付書に対応する納付先への支払履歴を記憶させておいてもよい。そして、支払処理部154は、納付書の納付先が支払履歴に含まれておらず、新規の納付先である場合、特定部153が算出した信頼度に関わらず、特定した支払手段により納付金額の支払処理を行うことの承認を受け付けることにより当該支払処理を行うようにしてもよい。このようにすることで、データ処理装置1は、納付先が特定の納付先や新規の納付先である場合、ユーザに必ず確認させることにより誤納付を抑制することができる。
【0051】
また、支払処理部154は、特定した支払手段による支払を受け付けるサーバにアクセスし、当該サーバから、抽出部152が抽出したテキスト情報としての収納機関番号、振替番号及び確認番号、又はコンビニ決済用バーコードが示す情報に基づく、納付書に対応する納付に係る情報を取得してもよい。そして、支払処理部154は、サーバから取得した納付書に対応する納付に係る情報と、抽出部152が抽出した納付に係るテキスト情報とに基づいて、納付書に対応する納付が行われるか否かを判定してもよい。ここで、納付に係る情報は、例えば、納付金額、納付先、税目、課税年度、受領者である。
【0052】
支払処理部154は、納付書に対応する納付が行われると判定すると納付金額の支払を行い、納付書に対応する納付が行われないと判定すると、表示部13に納付書に対応する納付が行われないことを示す情報と、納付データとを表示させてもよい。この場合において、支払処理部154は、特定部153が特定した収納機関番号、振替番号及び確認番号の訂正をユーザから受け付け、訂正後の収納機関番号、振替番号及び確認番号に基づいて、支払処理を再実行するようにしてもよい。このようにすることで、データ処理装置1は、抽出部152によるテキスト情報の抽出誤りによる誤納付を抑制することができる。
【0053】
[データ処理装置1における処理の流れ]
図4は、データ処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
まず、データ取得部151は、読取装置2が納付書を読み取ることによって生成した納付書データを取得する(S1)。
【0054】
続いて、抽出部152は、S1において取得した納付書データからテキスト情報及び所定の支払手段に対応する画像を抽出する(S2)。
続いて、特定部153は、S2において抽出されたテキスト情報に基づいて、納付書に含まれる各種項目に対応する情報を特定する(S3)。
【0055】
続いて、特定部153は、S3において特定した各種項目に対応する情報に基づいて、納付書に対応する納付金額の支払手段を特定する(S4)。
続いて、支払処理部154は、特定した支払手段により納付金額の支払処理を実行する(S5)。
【0056】
[データ処理装置1による効果]
以上説明したように、データ処理装置1は、納付書を示す納付書データに基づいて納付書に対応する納付金額の支払手段を特定し、特定した支払手段により納付金額の支払処理を行う。このようにすることで、データ処理装置1は、複数種類の納付書のそれぞれに対応して、納付金額の支払を自動的に行うことができる。
【0057】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0058】
1 データ処理装置
2 読取装置
11 通信部
12 操作部
13 表示部
14 記憶部
15 制御部
151 データ取得部
152 抽出部
153 特定部
154 支払処理部

図1
図2
図3
図4