(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022135887
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】プラズマ発生装置および基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H05H 1/24 20060101AFI20220908BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
H05H1/24
H01L21/304 643A
H01L21/304 645C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021151064
(22)【出願日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】P 2021033213
(32)【優先日】2021-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】上野 美佳
(72)【発明者】
【氏名】堀越 章
(72)【発明者】
【氏名】竹市 弥生
(72)【発明者】
【氏名】柳田 隆明
(72)【発明者】
【氏名】中西 健二
【テーマコード(参考)】
2G084
5F157
【Fターム(参考)】
2G084AA03
2G084BB05
2G084BB07
2G084BB28
2G084BB36
2G084BB37
2G084DD12
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2G084DD67
5F157AA64
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5F157DB02
5F157DB14
5F157DC31
5F157DC51
5F157DC90
(57)【要約】
【課題】プラズマ発生領域を広げることができるプラズマ発生装置を提供する。
【解決手段】プラズマ発生装置1は第1電極部2と第2電極部3と誘電部40とを備える。第1電極部2は、長手方向D1に沿って延在する棒状形状を有し、かつ、長手方向D1に直交する配列方向D2において並ぶ複数の第1線状電極21を含む。第2電極部2は、長手方向D1に沿って延在する棒状形状を有し、かつ、平面視において、複数の第1線状電極21の相互間にそれぞれ設けられる複数の第2線状電極31を含む。誘電部40は、複数の第1線状電極21の各々の第1側面21aを覆いつつ、複数の第1線状電極21の各々の第1先端面21bよりも長手方向D1に沿って先端側に延在する第1内周面4aを有している。第1内周面4aのうち第1先端面21bよりも先端側の部分は、ガスを含む第1先端空間41を形成する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ発生装置であって、
長手方向に沿って延在する棒状形状を有し、かつ、前記長手方向に直交する配列方向において並ぶ複数の第1線状電極を含む第1電極部と、
前記長手方向に沿って延在する棒状形状を有し、かつ、平面視において、前記複数の第1線状電極の相互間にそれぞれ設けられる複数の第2線状電極を含む第2電極部と、
前記複数の第1線状電極の各々の第1側面を覆いつつ、前記複数の第1線状電極の各々の第1先端面よりも前記長手方向に沿って先端側に延在する第1内周面を有し、前記第1内周面のうち前記第1先端面よりも先端側の部分が、ガスを含む第1先端空間を形成する誘電部と
を備える、プラズマ発生装置。
【請求項2】
請求項1に記載のプラズマ発生装置であって、
前記誘電部は、誘電体を含み、
前記誘電体は、
前記第1内周面と、
前記複数の第2線状電極の各々の第2側面を覆いつつ、前記複数の第2線状電極の各々の第2先端面よりも前記長手方向に沿って先端側に延在する第2内周面と
を有し、
前記第2内周面のうち前記第2先端面よりも先端側の部分が、ガスを含む第2先端空間を形成する、プラズマ発生装置。
【請求項3】
請求項1に記載のプラズマ発生装置であって、
前記誘電部は、
各々が、前記第1内周面を有する複数の第1誘電体と、
各々が、前記複数の第2線状電極の各々の第2側面を覆いつつ、前記複数の第2線状電極の各々の第2先端面よりも前記長手方向に沿って先端側に延在する第2内周面を有し、前記第2内周面のうち前記第2先端面よりも先端側の部分が、ガスを含む第2先端空間を形成する複数の第2誘電体と
を含む、プラズマ発生装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一つに記載のプラズマ発生装置であって、
前記第1先端空間内のガスがプラズマ化した状態において前記第1電極部と前記第2電極部との間でアーク放電が生じない距離で、前記第1電極部と前記第2電極部とが互いに離れている、プラズマ発生装置。
【請求項5】
請求項4に記載のプラズマ発生装置であって、
前記第1電極部は、前記複数の第1線状電極の基端どうしを連結する第1集合電極を含み、
前記第2電極部は、前記複数の第2線状電極の基端どうしを連結する第2集合電極を含み、
前記複数の第1線状電極の各々の前記第1先端面は、前記第2集合電極と、前記第2集合電極の内側面から所定距離だけ離れた仮想線との間の配置禁止領域よりも、前記第1集合電極側に位置している、プラズマ発生装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一つに記載のプラズマ発生装置であって、
前記誘電部は、
前記複数の第1線状電極の各々の前記第1先端面と前記第1先端空間を隔てて対向し、かつ、前記第1内周面に連結された第1底面を有し、
前記第1底面と前記第2電極部との間の距離は、前記第1先端面が前記第1底面に当接したと仮定した仮定構造において前記第1先端面と前記第2電極部との間でアーク放電が生じない距離に設定されている、プラズマ発生装置。
【請求項7】
基板を保持する基板保持部と、
前記基板保持部によって保持された前記基板の主面に向かってプラズマを発生させる、請求項1から請求項3のいずれか一つに記載のプラズマ発生装置と
を備え、
前記第1電極部は、前記複数の第1線状電極の基端どうしを連結する第1集合電極を含み、
前記第2電極部は、前記複数の第2線状電極の基端どうしを連結する第2集合電極を含み、
前記複数の第1線状電極の前記第1先端面および前記複数の第2線状電極の第2先端面は、平面視において、前記基板保持部によって保持された前記基板の周縁よりも内側に位置しており、
前記第1集合電極および前記第2集合電極は、平面視において、前記基板保持部によって保持された前記基板の周縁よりも外側に位置している、基板処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の基板処理装置であって、
前記基板保持部によって保持された前記基板の主面に向かって処理液を吐出するノズルをさらに備え、
前記複数の第1線状電極のうち互いに隣り合う少なくともいずれか2つの間には、前記複数の第2線状電極が設けられていない、基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、プラズマ発生装置および基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、基板の表面をプラズマ処理するプラズマ処理装置が提案されている(特許文献1)。特許文献1のプラズマ処理装置では、一対の櫛形電極が設けられており、各櫛歯電極の歯形状の電極が同一平面内に所定の間隔で交互に並ぶように配置される。この一対の櫛形電極に交流電力が供給されることによって、歯形状の電極の周辺にプラズマが生成される。プラズマ処理装置では、一対の櫛形電極に対向するように基板が保持され、基板の表面に対してプラズマ処理が行われる。
【0003】
また、特許文献1では、櫛形電極の歯形状の電極は誘電部材によって覆われる。これにより、プラズマが電極に作用することを防止することができ、電極からの不純物の発生を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
櫛形電極において、歯形状の電極を長くすることにより、平面視におけるプラズマの発生領域を広げることができる。しかしながら、歯形状の電極を長くすると、材料費の増加および装置構成のサイズ増加を招くという問題がある。
【0006】
そこで、本願は、プラズマ発生領域を広げることができるプラズマ発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
プラズマ発生装置の第1の態様は、プラズマ発生装置であって、長手方向に沿って延在する棒状形状を有し、かつ、前記長手方向に直交する配列方向において並ぶ複数の第1線状電極を含む第1電極部と、前記長手方向に沿って延在する棒状形状を有し、かつ、平面視において、前記複数の第1線状電極の相互間にそれぞれ設けられる複数の第2線状電極を含む第2電極部と、前記複数の第1線状電極の各々の第1側面を覆いつつ、前記複数の第1線状電極の各々の第1先端面よりも前記長手方向に沿って先端側に延在する第1内周面を有し、前記第1内周面のうち前記第1先端面よりも先端側の部分が、ガスを含む第1先端空間を形成する誘電部とを備える。
【0008】
プラズマ発生装置の第2の態様は、第1の態様にかかるプラズマ発生装置であって、前記誘電部は、誘電体を含み、前記誘電体は、前記第1内周面と、前記複数の第2線状電極の各々の第2側面を覆いつつ、前記複数の第2線状電極の各々の第2先端面よりも前記長手方向に沿って先端側に延在する第2内周面とを有し、前記第2内周面のうち前記第2先端面よりも先端側の部分が、ガスを含む第2先端空間を形成する。
【0009】
プラズマ発生装置の第3の態様は、第1の態様にかかるプラズマ発生装置であって、前記誘電部は、各々が、前記第1内周面を有する複数の第1誘電体と、各々が、前記複数の第2線状電極の各々の第2側面を覆いつつ、前記複数の第2線状電極の各々の第2先端面よりも前記長手方向に沿って先端側に延在する第2内周面を有し、前記第2内周面のうち前記第2先端面よりも先端側の部分が、ガスを含む第2先端空間を形成する複数の第2誘電体とを含む。
【0010】
プラズマ発生装置の第4の態様は、第1から第3のいずれか一つの態様にかかるプラズマ発生装置であって、前記第1先端空間内のガスがプラズマ化した状態において前記第1電極部と前記第2電極部との間でアーク放電が生じない距離で、前記第1電極部と前記第2電極部とが互いに離れている。
【0011】
プラズマ発生装置の第5の態様は、第4の態様にかかるプラズマ発生装置であって、前記第1電極部は、前記複数の第1線状電極の基端どうしを連結する第1集合電極を含み、前記第2電極部は、前記複数の第2線状電極の基端どうしを連結する第2集合電極を含み、前記複数の第1線状電極の各々の前記第1先端面は、前記第2集合電極と、前記第2集合電極の内側面から所定距離だけ離れた仮想線との間の配置禁止領域よりも、前記第1集合電極側に位置している。
【0012】
プラズマ発生装置の第6の態様は、第1から第5のいずれか一つの態様にかかるプラズマ発生装置であって、前記誘電部は、前記複数の第1線状電極の各々の前記第1先端面と前記第1先端空間を隔てて対向し、かつ、前記第1内周面に連結された第1底面を有し、前記第1底面と前記第2電極部との間の距離は、前記第1先端面が前記第1底面に当接したと仮定した仮定構造において前記第1先端面と前記第2電極部との間でアーク放電が生じない距離に設定されている。
【0013】
基板処理装置の第1の態様は、基板を保持する基板保持部と、前記基板保持部によって保持された前記基板の主面に向かってプラズマを発生させる、第1から第3のいずれか一つの態様にかかるプラズマ発生装置とを備え、前記第1電極部は、前記複数の第1線状電極の基端どうしを連結する第1集合電極を含み、前記第2電極部は、前記複数の第2線状電極の基端どうしを連結する第2集合電極を含み、前記複数の第1線状電極の前記第1先端面および前記複数の第2線状電極の第2先端面は、平面視において、前記基板保持部によって保持された前記基板の周縁よりも内側に位置しており、前記第1集合電極および前記第2集合電極は、平面視において、前記基板保持部によって保持された前記基板の周縁よりも外側に位置している。
【0014】
基板処理装置の第2の態様は、第1の態様にかかる基板処理装置であって、前記基板保持部によって保持された前記基板の主面に向かって処理液を吐出するノズルをさらに備え、前記複数の第1線状電極のうち互いに隣り合う少なくともいずれか2つの間には、前記複数の第2線状電極が設けられていない。
【発明の効果】
【0015】
プラズマ発生装置の第1の態様によれば、第1先端空間内のガスがプラズマ化されることにより、平面視において、プラズマ発生領域を広げることができる。
【0016】
プラズマ発生装置の第2および第3の態様によれば、第2先端空間内のガスがプラズマ化されることにより、プラズマ発生領域をさらに広げることができる。
【0017】
プラズマ発生装置の第4から第6の態様によれば、第1先端空間内のガスがプラズマ化しても、第1電極部と第2電極部との間でアーク放電が生じない。
【0018】
基板処理装置の第1の態様によれば、より小さいサイズのプラズマ発生装置によって、基板に対してより広い範囲でプラズマを発生させることができる。
【0019】
基板処理装置の第2の態様によれば、2つの第1線状電極の間ではガスがプラズマ化しないので、消費電力を低減させることができる。一方、プラズマ発生装置によって生じた活性種が処理液に作用すると、活性種は処理液中を拡散するので、当該2つの第1線状電極の間に対応する領域にも活性種を供給することができる。つまり、より小さい消費電力で、処理液に対してより広い範囲で活性種を作用させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】基板処理システムの構成の一例を概略的に示す平面図である。
【
図2】制御部の内部構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。
【
図3】処理ユニット(基板処理装置)の構成の一例を概略的に示す図である。
【
図4】プラズマ発生装置の構成の一例を概略的に示す平面図である。
【
図5】プラズマ発生装置の構成の一例を概略的に示す側断面図である。
【
図6】プラズマ発生装置がプラズマを発生させている様子の一例を概略的に示す断面図である。
【
図7】比較例にかかるプラズマ発生装置の一例を概略的に示す断面図である。
【
図8】第1配置禁止領域および第2配置禁止領域の一例を示す図である。
【
図9】プラズマ発生装置および基板の一例を概略的に示す平面図である。
【
図10】プラズマ発生装置および基板の一例を概略的に示す側断面図である。
【
図11】プラズマ発生装置の構成の他の一例を概略的に示す平面図である。
【
図12】プラズマ発生装置の構成の他の一例を概略的に示す側断面図である。
【
図13】プラズマ発生装置の構成の他の一例を概略的に示す平面図である。
【
図14】プラズマ発生装置の構成の他の一例を概略的に示す側断面図である。
【
図15】プラズマ発生装置の構成の他の一例を概略的に示す側断面図である。
【
図16】第1配置禁止領域および第2配置禁止領域の他の一例を示す図である。
【
図17】第3配置禁止領域および第4配置禁止領域の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付の図面を参照しながら、実施の形態について説明する。なお、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本開示の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法または数が誇張または簡略化して図示されている場合がある。
【0022】
相対的または絶対的な位置関係を示す表現(例えば「一方向に」「一方向に沿って」「平行」「直交」「中心」「同心」「同軸」など)は、特に断らない限り、その位置関係を厳密に表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる範囲で相対的に角度または距離に関して変位された状態も表すものとする。等しい状態であることを示す表現(例えば「同一」「等しい」「均質」など)は、特に断らない限り、定量的に厳密に等しい状態を表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる差が存在する状態も表すものとする。形状を示す表現(例えば、「四角形状」または「円筒形状」など)は、特に断らない限り、幾何学的に厳密にその形状を表すのみならず、同程度の効果が得られる範囲で、例えば凹凸または面取りなどを有する形状も表すものとする。一の構成要素を「備える」「具える」「具備する」「含む」または「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的表現ではない。「A,BおよびCの少なくともいずれか一つ」という表現は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A,BおよびCのうち任意の2つ、ならびに、A,BおよびCの全てを含む。
【0023】
<基板処理システムの全体構成>
図1は、プラズマ発生装置が適用される基板処理システム100の構成の一例を概略的に示す平面図である。基板処理システム100は、処理対象である基板Wを1枚ずつ処理する枚葉式の処理装置である。
【0024】
基板Wは例えば半導体基板であり、円板形状を有する。なお、基板Wには、半導体基板の他、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板および光磁気ディスク用基板などの各種基板を適用可能である。また基板の形状も円板形状に限らず、例えば矩形の板状形状など種々の形状を採用できる。
【0025】
基板処理システム100はロードポート101とインデクサロボット110と主搬送ロボット120と複数の処理ユニット130と制御部90とを含む。
【0026】
複数のロードポート101は水平な一方向に沿って並んで配置される。各ロードポート101は、基板Wを基板処理システム100に搬出入するためのインターフェース部である。各ロードポート101には、基板Wを収容するキャリアCが外部から搬入される。各ロードポート101は、搬入されたキャリアCを保持する。キャリアCとしては、基板Wを密閉空間に収納するFOUP(Front Opening Unified Pod)、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッド、または、基板Wを外気にさらすOC(Open Cassette)が採用されてもよい。
【0027】
インデクサロボット110は、各ロードポート101に保持されたキャリアCと、主搬送ロボット120との間で基板Wを搬送する搬送ロボットである。インデクサロボット110はロードポート101が並ぶ方向に沿って移動可能であり、各キャリアCと対面する位置で停止可能である。インデクサロボット110は、各キャリアCから基板Wを取り出す動作と、各キャリアCに基板Wを受け渡す動作とを行うことができる。
【0028】
主搬送ロボット120は、インデクサロボット110と各処理ユニット130との間で基板Wを搬送する搬送ロボットである。主搬送ロボット120はインデクサロボット110から基板Wを受け取る動作と、インデクサロボット110に基板Wを受け渡す動作とを行うことができる。また、主搬送ロボット120は各処理ユニット130に基板Wを搬入する動作と、各処理ユニット130から基板Wを搬出する動作とを行うことができる。
【0029】
基板処理システム100には、例えば12個の処理ユニット130が配置される。具体的には、鉛直方向に積層された3個の処理ユニット130を含むタワーの4つが、主搬送ロボット120の周囲を取り囲むようにして設けられる。
図1では、3段に重ねられた処理ユニット130の1つが概略的に示されている。なお、基板処理システム100における処理ユニット130の数は、12個に限定されるものではなく、適宜変更されてもよい。
【0030】
主搬送ロボット120は、4つのタワーによって囲まれるように設けられている。主搬送ロボット120は、インデクサロボット110から受け取る未処理の基板Wを各処理ユニット130内に搬入する。各処理ユニット130は基板Wを処理する。また、主搬送ロボット120は、各処理ユニット130から処理済みの基板Wを搬出してインデクサロボット110に渡す。
【0031】
制御部90は、基板処理システム100の各構成要素の動作を制御する。
図2は、制御部90の内部構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。制御部90は電子回路であって、例えばデータ処理部91および記憶部92を有している。
図2の具体例では、データ処理部91と記憶部92とはバス93を介して相互に接続されている。データ処理部91は例えばCPU(Central Processor Unit)などの演算処理装置であってもよい。記憶部92は非一時的な記憶部(例えばROM(Read Only Memory)またはハードディスク)921および一時的な記憶部(例えばRAM(Random Access Memory))922を有していてもよい。非一時的な記憶部921には、例えば制御部90が実行する処理を規定するプログラムが記憶されていてもよい。データ処理部91がこのプログラムを実行することにより、制御部90が、プログラムに規定された処理を実行することができる。もちろん、制御部90が実行する処理の一部または全部がハードウェアによって実行されてもよい。
図2の具体例では、インデクサロボット110、主搬送ロボット120および処理ユニット130がバス93に接続された態様が一例として概略的に示されている。
【0032】
<基板処理装置>
図3は、処理ユニット(基板処理装置に相当)130の構成の一例を概略的に示す図である。なお、基板処理システム100に属する処理ユニット130の全てが
図3に示された構成を有している必要はなく、少なくとも一つの処理ユニット130が当該構成を有していればよい。
【0033】
図3に例示される処理ユニット130は、プラズマを用いた処理を基板Wに対して行う装置である。プラズマを用いた処理は特に制限される必要がないものの、具体的な一例として、例えばレジスト除去処理を含む。レジスト除去処理とは、基板Wの主面に形成されたレジストを除去する処理である。基板Wは、例えば、半導体基板であり、円板形状を有する。基板Wのサイズは特に制限されないものの、その直径は例えば約300mmである。
【0034】
図3の例では、処理ユニット130はプラズマ発生装置1と基板保持部11とノズル12とガード13とを含んでいる。
【0035】
基板保持部11は基板Wを水平姿勢で保持する。ここでいう水平姿勢とは、基板Wの厚み方向が鉛直方向に沿う姿勢である。
図3の例では、基板保持部11はステージ111と複数のチャックピン112とを含んでいる。ステージ111は円板形状を有し、基板Wよりも鉛直下方に設けられている。ステージ111は、その厚み方向が鉛直方向に沿う姿勢で設けられる。複数のチャックピン112はステージ111の上面に立設されており、基板Wの周縁を把持する。なお、基板保持部11は必ずしもチャックピン112を有する必要はない。例えば、基板保持部11は基板Wの下面を吸引して基板Wを吸着してもよく、あるいは、静電方式により基板Wの下面を吸着してもよい。
【0036】
図3の例では、基板保持部11は回転機構113をさらに含んでおり、回転軸線Q1のまわりで基板Wを回転させる。回転軸線Q1は基板Wの中心部を通り、かつ、鉛直方向に沿う軸である。回転機構113は例えばシャフト114およびモータ115を含む。シャフト114の上端はステージ111の下面に連結され、ステージ111の下面から回転軸線Q1に沿って延在する。モータ115はシャフト114を回転軸線Q1のまわりで回転させて、ステージ111を回転させる。これにより、複数のチャックピン112によって保持された基板Wが回転軸線Q1のまわりで回転する。このような基板保持部11はスピンチャックとも呼ばれ得る。
【0037】
ノズル12は、基板Wへの処理液の供給に用いられる。ノズル12は供給管121を介して処理液供給源124に接続される。つまり、供給管121の下流端がノズル12に接続され、供給管121の上流端が処理液供給源124に接続される。処理液供給源124は、例えば、処理液を貯留するタンク(不図示)を含み、供給管121に処理液を供給する。処理液は例えば、塩酸、フッ酸、リン酸、硝酸、硫酸、硫酸塩、ペルオキソ硫酸、ペルオキソ硫酸塩、過酸化水素、水酸化テトラメチルアンモニウム、アンモニアと過酸化水素水との混合液(SC1)、塩酸と過酸化水素水との混合液(SC2)または脱イオン水(DIW)などを含む液を用いることができる。本実施の形態においては、処理液として硫酸を用いる処理が説明される。
【0038】
図3の例では、供給管121には、バルブ122および流量調整部123が介装されている。バルブ122が開くことにより、処理液供給源124からの処理液が供給管121を通じてノズル12に供給され、ノズル12の吐出口12aから吐出される。流量調整部123は、供給管121を流れる処理液の流量を調整する。流量調整部123は例えばマスフローコントローラである。
【0039】
図3の例では、ノズル12はノズル移動機構15によって移動可能に設けられる。ノズル移動機構15は、ノズル12を第1処理位置と第1待機位置との間で移動させる。第1処理位置とは、ノズル12が基板Wの主面(例えば上面)に向けて処理液を吐出する位置である。第1処理位置は、例えば、基板Wよりも鉛直上方であって、基板Wの中心部と鉛直方向において対向する位置である。第1待機位置とは、ノズル12が基板Wの主面に向けて処理液を吐出しない位置であり、第1処理位置よりも基板Wから離れた位置である。第1待機位置は、ノズル12が主搬送ロボット120による基板Wの搬送経路と干渉しない位置でもある。具体的な一例として、第1待機位置は、基板Wの周縁よりも径方向外側の位置である。
図3では、第1待機位置で停止するノズル12が示されている。
【0040】
ノズル移動機構15は、例えば、ボールねじ機構またはアーム旋回機構を有する。アーム旋回機構は、いずれも不図示のアームと支持柱とモータとを含む。アームは水平に延在する棒状形状を有し、アームの先端にはノズル12が連結され、アームの基端が支持柱に連結される。支持柱は鉛直方向に沿って延びており、その中心軸のまわりで回転可能に設けられる。モータが支持柱を回転させることにより、アームが旋回し、ノズル12が中心軸のまわりで周方向に沿って移動する。支持柱は、ノズル12の移動経路上に第1処理位置と第1待機位置とが位置するように設けられる。
【0041】
ノズル12が第1処理位置に位置する状態で、基板保持部11が基板Wを回転させながら、バルブ122が開くと、ノズル12から回転中の基板Wの上面に向かって処理液が吐出される。処理液は基板Wの上面に着液し、基板Wの回転に伴って基板Wの上面を広がって、基板Wの周縁から外側に飛散する。これにより、基板Wの上面には処理液の液膜が形成される。
【0042】
ガード13は、基板保持部11によって保持された基板Wを取り囲む筒状の形状を有している。基板Wの周縁から飛散した処理液はガード13の内周面にあたり、内周面に沿って鉛直下方に流れる。処理液は、例えば、不図示の回収配管を流れて処理液供給源124のタンクに回収される。これによれば、処理液を再利用することができる。
【0043】
プラズマ発生装置1はプラズマを発生させる装置であり、基板保持部11によって保持された基板Wの主面(例えば上面)と鉛直方向において対向する位置に設けられる。
図3の例では、プラズマ発生装置1は基板Wの上面よりも鉛直上方に設けられる。プラズマ発生装置1は電源8に接続されており、電源8からの電力を受けて周囲のガスをプラズマ化させる。なおここでは一例として、プラズマ発生装置1は大気圧下でプラズマを発生させる。ここでいう大気圧とは、例えば、標準気圧の80%以上、かつ、標準気圧の120%以下である。プラズマ発生装置1の具体的な構成の一例は後に詳述する。
【0044】
図3に例示するように、プラズマ発生装置1はプラズマ移動機構14によって移動可能に設けられてもよい。プラズマ移動機構14は、プラズマ発生装置1を第2処理位置と第2待機位置との間で往復移動させる。第2処理位置とは、プラズマ発生装置1によるプラズマを用いて基板Wを処理するときの位置である。第2処理位置において、プラズマ発生装置1と基板Wの上面との間の距離は例えば数mm程度である。第2待機位置とは、プラズマを用いた処理を基板Wに対して行わないときの位置であり、第2処理位置よりも基板Wから離れた位置である。第2待機位置は、プラズマ発生装置1が主搬送ロボット120による基板Wの搬送経路と干渉しない位置でもある。
【0045】
具体的な一例として、第2待機位置は第2処理位置よりも鉛直上方の位置であり、プラズマ移動機構14はプラズマ発生装置1を鉛直方向に沿って昇降させる。
図3では、第2待機位置で停止するプラズマ発生装置1が示されている。プラズマ移動機構14は、例えば、ボールねじ機構またはエアシリンダなどの移動機構を有する。
【0046】
プラズマ発生装置1は、例えば、ノズル12が第1待機位置に退避した状態で、第2待機位置から第2処理位置へと移動することができる。例えば、第1処理位置でのノズル12からの処理液の吐出によって基板Wの上面に処理液の液膜が形成されると、バルブ122が閉じたうえで、ノズル移動機構15がノズル12を第1処理位置から第1待機位置に移動させる。その後、プラズマ移動機構14がプラズマ発生装置1を第2待機位置から第2処理位置へと移動させる。これによれば、基板Wの直上にはノズル12が存在しないので、プラズマ発生装置1を基板Wの上面により近づけることができる。言い換えれば、第2処理位置をより基板Wの近くに設定することができる。
【0047】
そして、プラズマ発生装置1が第2処理位置に位置する状態で、電源8がプラズマ発生装置1に電圧を出力する。これにより、基板Wの上面の近傍でプラズマ発生装置1がプラズマを発生させる。つまり、プラズマ発生装置1は基板Wの上面に向かってプラズマを発生させる。このプラズマの発生に伴って種々の活性種が生じる。例えば、空気がプラズマ化することにより、酸素ラジカル、ヒドロキシルラジカルおよびオゾンガス等の種々の活性種が生じ得る。これらの活性種は基板Wの上面に作用する。具体的な一例として、活性種は基板Wの上面の処理液(ここでは硫酸)の液膜に作用する。これにより、処理液の処理性能が高まる。具体的には、活性種と硫酸との反応により、処理性能(ここでは酸化力)の高いカロ酸が生成される。カロ酸はペルオキソ一硫酸とも呼ばれる。当該カロ酸が基板Wのレジストに作用することで、レジストを酸化除去することができる。
【0048】
以上のように、活性種が基板Wの主面上の処理液に作用することにより、処理液の処理性能を向上させることができる。よって、基板Wに対する処理を速やかに行うことができる。
【0049】
<プラズマ発生装置>
次に、プラズマ発生装置1の具体的な構成の一例について述べる。
図4は、プラズマ発生装置1の構成の一例を概略的に示す平面図であり、
図5は、プラズマ発生装置1の構成の一例を概略的に示す側断面図である。
図5は、
図4のA-A断面を示している。プラズマ発生装置1は、プラズマを発生させる装置であり、プラズマ源またはプラズマリアクタとも呼ばれ得る。
【0050】
プラズマ発生装置1は第1電極部2と第2電極部3と誘電部40を含んでいる。誘電部40は第1誘電体4と第2誘電体5とを含む。
【0051】
図4に例示するように、第1電極部2は複数の第1線状電極21と第1集合電極22とを含み、第2電極部3は複数の第2線状電極31と第2集合電極32とを含む。
【0052】
第1線状電極21は金属材料等の導電性材料によって形成され、長手方向D1に沿って延在する棒状形状(例えば円柱形状)を有する。複数の第1線状電極21は、長手方向D1に直交する配列方向D2において並んで設けられており、理想的には互いに平行に設けられる。第1線状電極21の直径は例えば数mm程度(具体的には1mm程度)である。
【0053】
第1集合電極22は金属材料等の導電性材料によって形成され、複数の第1線状電極21の長手方向D1の一方側の端部(基端)どうしを連結する。
図4の例では、第1集合電極22は、長手方向D1の一方側に膨らむ円弧状の平板形状を有している。複数の第1線状電極21は第1集合電極22から長手方向D1の他方側に向かって延在する。
【0054】
第2線状電極31は金属材料等の導電性材料によって形成され、長手方向D1に沿って延在する棒状形状(例えば円柱形状)を有する。複数の第2線状電極31は配列方向D2において並んで設けられており、理想的には互いに平行に設けられる。第2線状電極31の各々は、平面視において(つまり、長手方向D1および配列方向D2に直交する方向D3に沿って見て)、複数の第1線状電極21のうち互いに隣り合う二者の間に設けられている。
図4の例では、平面視において、第1線状電極21および第2線状電極31は配列方向D2において交互に配列される。第2線状電極31の直径は例えば数mm程度(具体的には1mm程度)である。
【0055】
第2集合電極32は金属材料等の導電性材料によって形成され、複数の第2線状電極31の長手方向D1の他方側の端部(基端)どうしを連結する。
図4の例では、第2集合電極32は、第1集合電極22とは反対側に膨らみ、かつ、第1集合電極22と略同径の円弧状の平板形状を有している。複数の第2線状電極31は第2集合電極32から長手方向D1の一方側に向かって延在する。
【0056】
各第1線状電極21は第1誘電体4によって覆われる。複数の第1誘電体4は石英およびセラミックス等の誘電体材料によって形成される。例えば、各第1誘電体4は長手方向D1に沿って延在する筒状形状を有しており、第1線状電極21が長手方向D1に沿って第1誘電体4に挿入される。つまり、第1誘電体4は、第1線状電極21の第1側面21aを覆う第1内周面4aを有している(
図5も参照)。第1誘電体4の第1内周面4aは第1線状電極21の第1側面21aの全周を囲む。また、第1内周面4aは第1線状電極21の第1先端面21bよりも先端側(ここでは長手方向D1の他方側)にも延在する。よって、第1内周面4aのうち第1先端面21bよりも先端側の部分は、第1先端空間41を形成する。第1先端空間41は、第1線状電極21の第1先端面21bと長手方向D1において隣接する空間である。この第1先端空間41にはガスが含まれている。当該ガスは例えば空気である。
【0057】
図5に例示されるように、第1誘電体4は有底の筒状形状を有してもよい。つまり、第1誘電体4は、その内部空間において第1底面4bを有してもよい。第1底面4bは第1内周面4aの長手方向D1の他方側の周縁端部に繋がっている。この場合、第1先端空間41は、第1誘電体4の第1底面4bと第1線状電極21の第1先端面21bとの間の空間に相当する。
【0058】
第1誘電体4の第1内周面4aは第1線状電極21の第1側面21aから部分的または全体的に離れてもよい。例えば第1誘電体4の内径は第1線状電極21の直径よりも若干大きく、具体的には1.1mm程度である。これにより、第1線状電極21の直径が熱膨張により大きくなった場合でも、第1誘電体4の破損を抑制することができる。なお、第1誘電体4の外径は例えば1.6mm程度である。また、第1線状電極21の基端部211近傍において、第1誘電体4と第1線状電極21との間を封止する誘電性の封止部材(不図示)が設けられてもよい。当該封止部材は例えばシリコーン樹脂によって形成され得る。
【0059】
各第2線状電極31は第2誘電体5によって覆われる。複数の第2誘電体5は石英またはセラミックス等の誘電体材料によって形成される。例えば、各第2誘電体5は長手方向D1に沿って延在する筒状形状を有しており、第2線状電極31が長手方向D1に沿って第2誘電体5に挿入される。つまり、第2誘電体5は、第2線状電極31の第2側面31aを覆う第2内周面5aを有している。第2誘電体5の第2内周面5aは第2線状電極31の第2側面31aの全周を囲む。また、第2内周面5aは第2線状電極31の第2先端面31bよりも先端側(ここでは長手方向D1の一方側)にも延在する。よって、第2内周面5aのうち第2先端面31bよりも先端側の部分は、第2先端空間51を形成する。第2先端空間51は、第2線状電極31の第2先端面31bと長手方向D1において隣接する空間である。この第2先端空間51にもガスが含まれている。当該ガスは例えば空気である。
【0060】
図5に例示されるように、第2誘電体5は有底の筒状形状を有してもよい。つまり、第2誘電体5は、その内部空間において第2底面5bを有してもよい。第2底面5bは第2内周面5aの長手方向D1の一方側の周縁端部に繋がっている。この場合、第2先端空間51は、第2誘電体5の第2底面5bと第2線状電極31の第2先端面31bとの間の空間に相当する。
【0061】
第2誘電体5の第2内周面5aは第2線状電極31の第2側面31aから部分的または全体的に離れていてもよい。例えば第2誘電体5の内径は第2線状電極31の直径よりも若干大きく、具体的には1.1mm程度である。これにより、第2線状電極31の直径が熱膨張により大きくなった場合でも、第2誘電体5の破損を抑制することができる。なお、第2誘電体5の外径は例えば1.6mm程度である。第2線状電極31の基端部311近傍において、第2誘電体5と第2線状電極31との間を封止する誘電性の封止部材(不図示)が設けられてもよい。当該封止部材は例えばシリコーン樹脂によって形成され得る。
【0062】
図4および
図5の例では、プラズマ発生装置1には仕切部材6が設けられている。仕切部材6は石英またはセラミックス等の誘電体材料によって形成される。図の例では、仕切部材6は板状形状を有している。以下では、仕切部材6の一方側の主面を主面6aと呼び、他方側の主面を主面6bと呼ぶ。主面6aおよび主面6bは仕切部材6の厚み方向において互いに対向する面である。仕切部材6はその厚み方向が方向D3に沿う姿勢で設けられる。
図4の例では、仕切部材6の主面6aおよび主面6bは平面視において円形状を有している。仕切部材6の厚み(主面6a,6bの間の距離)は例えば数百μm(例えば300μm)程度に設定される。
【0063】
第1電極部2および第1誘電体4は仕切部材6の主面6a側に設けられており、第2電極部3および第2誘電体5は仕切部材6の主面6b側に設けられている。具体的には、第1誘電体4は仕切部材6の主面6a下に設けられており、第2誘電体5は仕切部材6の主面6b上に設けられている。
【0064】
図5に例示されるように、プラズマ発生装置1には保持部材7が設けられてもよい。なお
図4では、図面の煩雑を避けるために、保持部材7を省略している。保持部材7はフッ素系樹脂等の絶縁材料によって形成され、第1電極部2、第2電極部3、第1誘電体4、第2誘電体5および仕切部材6を一体に保持する。例えば、保持部材7は平面視において第1集合電極22および第2集合電極32と略同径のリング形状を有しており、第1集合電極22および第2集合電極32を方向D3で挟持する。
【0065】
図5の例では、第1誘電体4の先端部が保持部材7によって保持される。具体的には、第1誘電体4の先端部が保持部材7に埋設される。よって、第1線状電極21および第1誘電体4からなる部分の両端が保持部材7によって保持される。これにより、当該部分を両端保持することができる。
図5の例では、第2誘電体5の先端部も保持部材7によって保持される。よって、保持部材7は第2線状電極31および第2誘電体5からなる部分も両端保持することができる。
【0066】
このようなプラズマ発生装置1は、処理ユニット130内において、例えば、長手方向D1および配列方向D2が水平方向に沿い、かつ、第1電極部2が基板Wを向く姿勢で設けられる。
【0067】
第1電極部2および第2電極部3はプラズマ用の電源8に電気的に接続される。より具体的には、第1電極部2の第1集合電極22が配線81を介して電源8の第1出力端8aに電気的に接続され、第2電極部3の第2集合電極32が配線82を介して電源8の第2出力端8bに電気的に接続される。電源8は例えば不図示のスイッチング電源回路を有しており、第1電極部2と第2電極部3との間にプラズマ用の電圧を出力する。より具体的な一例として、電源8はパルス電源であって、プラズマ用の電圧として高周波電圧を第1出力端8aおよび第2出力端8bに出力する。
【0068】
電源8が第1電極部2と第2電極部3との間に電圧を出力することにより、第1線状電極21と第2線状電極31との間にプラズマ用の電界が生じる。当該電界に応じて、第1線状電極21および第2線状電極31の周囲のガスがプラズマ化する。具体的には、第1誘電体4の外周面と第2誘電体5の外周面との間のガスがプラズマ化するとともに、第1誘電体4の内部空間のガスおよび第2誘電体5の内部空間のガスもプラズマ化する。よって、第1先端空間41内のガスおよび第2先端空間51内のガスもプラズマ化する。逆に言えば、これらの空間のガスがプラズマ化する程度の電圧が電源8によって第1電極部2と第2電極部3との間に印加される。当該電圧は、例えば、数十kVかつ数十kHz程度の高周波電圧である。
【0069】
図6は、プラズマ発生装置1がプラズマを発生させている様子の一例を概略的に示す断面図である。このプラズマ発生装置1によれば、仕切部材6の主面6a側および主面6b側において、それぞれプラズマP1およびプラズマP2が発生するとともに、第1先端空間41内においてプラズマP3が発生する。なお、
図6では示されていないものの、第2先端空間51内においてもプラズマP3と同様にプラズマが生じる。
図6の例では、プラズマP1~P3の発生領域の輪郭がそれぞれ二点鎖線で模式的に示されている。なお、プラズマの発生領域は、プラズマが発光する発光領域であるともいえる。
【0070】
プラズマP3は、第1先端空間41のうち、第1線状電極21の第1先端面21bから長手方向D1に沿って延在する空間内で生じる。このプラズマP3の発生領域の長さ(長手方向D1に沿う長さ)は電源8の出力電圧の大きさおよび周波数に依存する。
図6の例では、プラズマP3は第1先端空間41の全体ではなく一部で発生している。言い換えれば、プラズマP3の発生領域の先端位置は、第1線状電極21の第1先端面21bと第1誘電体4の第1底面4bとの間である。もちろん、第1先端空間41内の全てでプラズマP3が生じてもよい。
【0071】
このプラズマP3では電子が移動しやすく、電子的には、プラズマP3は実質的に導体(線状電極)としてふるまうことができる。つまり、電子の移動しやすさという点では、プラズマP3を第1線状電極21の一部とみなすことができる。よって、
図6に例示するように、プラズマP3の直下および直上の領域でもプラズマP1およびプラズマP2がそれぞれ生じる。言い換えれば、第1先端空間41内のガスをプラズマ化させることにより、プラズマP1およびプラズマP2の発生領域を長手方向D1において広げることができる。
【0072】
また、第1先端空間41内のプラズマP3によって熱が生じる。当該熱は周囲に広がるので、プラズマP3の直下および直上の領域の温度が上昇し、当該領域のガスがプラズマ化しやすくなる。よって、当該各領域のガスをより速やかにプラズマ化させることもできる。つまり、当該各領域において、より速やかにプラズマP1およびプラズマP2を発生させることができる。したがって、電源8が電圧を出力してからプラズマP1およびプラズマP2が発生するまでの期間を短縮することができる。
【0073】
上述の例では、第2先端空間51内のガスも第1先端空間41と同様にプラズマ化するので、長手方向D1においてプラズマP1およびプラズマP2の発生領域をさらに広げることができる。しかも、第2先端空間51内のガスのプラズマ化に伴って生じる熱によって、第2先端空間51の周囲の領域の温度が上昇する。よって、第2先端空間51の直下および直上の領域において、より速やかにプラズマP1およびプラズマP2を発生させることができる。
【0074】
<アーク放電>
その一方で、第1先端空間41内のガスがプラズマ化することにより、第1先端空間41を介して第1線状電極21の第1先端面21bと第2電極部3との間でアーク放電が生じやすくなる。なぜなら、第1先端空間41内の電子が移動しやすくなるからである。より具体的な一例として、
図6では、第2線状電極31の基端部311(長手方向D1の他方側の端部)は第2誘電体5および保持部材7によって覆われておらずに露出している。そして、プラズマP3は第1線状電極21の第1先端面21bよりも基端部311に近い位置で発生するので、プラズマP3により、第1線状電極21の第1先端面21bと第2線状電極31の基端部311との間でアーク放電が生じやすくなる。また、プラズマP3は第1線状電極21の第1先端面21bよりも第2集合電極32に近い位置で発生するので、第1先端面21bと第2集合電極32との間でもアーク放電が生じやすくなる。
【0075】
図7は、比較例にかかるプラズマ発生装置1000の構成の一部の一例を概略的に示す図である。このプラズマ発生装置1000では、第1先端空間41内のプラズマを考慮せずに、第1線状電極21の第1先端面21bの位置が設定されている。この場合、第1先端面21bは長手方向D1において第2集合電極32により近い位置に設けられる。これにより、プラズマP1およびプラズマP2の発生領域を広げることができる。しかしながら、第1先端空間41内のガスがプラズマ化することにより、第1先端空間41内の電子が移動しやすくなり、例えば、第1線状電極21の第1先端面21bと第2線状電極31の基端部311との間でアーク放電が生じ得る。
図7の例では、アーク放電の経路を両端矢印付きの太線で模式的に示している。なお、第1線状電極21の第1先端面21bと第2集合電極32との間でも、アーク放電が生じ得る。
【0076】
同様に、第2先端空間51内のガスがプラズマ化することにより、第2線状電極31の第2先端面31bと第1電極部2との間でアーク放電が生じやすくなる。例えば、第2線状電極31の第2先端面31bと第1線状電極21の基端部211との間、および、第2線状電極31の第2先端面31bと第1集合電極22との間でアーク放電が生じやすい。
【0077】
そこで、第1先端空間41内のガスおよび第2先端空間51内のガスがプラズマ化した状態であっても第1電極部2と第2電極部3との間でアーク放電が生じない距離で、第1電極部2および第2電極部3が互いに離れるように、第1電極部2および第2電極部3の形状および位置関係が設定されるとよい。
【0078】
より具体的な一例として、第1線状電極21の第1先端面21bの位置について、第1配置禁止領域R1が設定され、第2線状電極31の第2先端面31bの位置について、第2配置禁止領域R2が設定される。
図8は、第1配置禁止領域R1および第2配置禁止領域R2の一例を示す図である。
図8の例では、第1配置禁止領域R1および第2配置禁止領域R2を模式的に斜線のハッチングで示している。
【0079】
第1配置禁止領域R1は、第2集合電極32の内側面32aによって規定される。内側面32aとは、第2集合電極32の第1集合電極22側の円弧面である。第1配置禁止領域R1は、第2集合電極32の内側面32aと、内側面32aから第1所定距離だけ離れた仮想線L1とで挟まれる領域である。
【0080】
第1所定距離は、第1先端空間41内のガスがプラズマ化した状態で第1線状電極21の第1先端面21bと第2電極部3との間でアーク放電が生じない程度の値に予め設定される。具体的には、第1所定距離は、電源8の最大出力時(または定格出力時)においてアーク放電が生じない程度の値に設定される。より具体的な一例として、電源8の出力電圧が15kVであり、電源8の出力周波数が12kHz以上かつ30kHz以下である場合、第1所定距離は例えば20mm程度に設定され得る。
【0081】
平面視において各第1線状電極21の第1先端面21bが第1配置禁止領域R1よりも第1集合電極22側に位置するように、各第1線状電極21の長さが設定される。これにより、第1先端空間41内のガスがプラズマ化しても、各第1線状電極21の第1先端面21bと第2電極部3との間でアーク放電が生じない。
【0082】
なお、プラズマP1およびプラズマP2の発生領域を広げるという観点からは、各第1線状電極21の第1先端面21bは第1配置禁止領域R1の近くに位置することが望ましい。
図8の例では、各第1線状電極21の第1先端面21bは第1配置禁止領域R1からほぼ同距離だけ離れた位置に設定されている。
【0083】
第2配置禁止領域R2は、第1集合電極22の内側面22aによって規定される。内側面22aとは、第1集合電極22の第2集合電極32側の円弧面である。第2配置禁止領域R2は、第1集合電極22の内側面22aと、内側面22aから第2所定距離だけ離れた仮想線L2とで挟まれる領域である。
【0084】
第2所定距離は、第2先端空間51内のガスがプラズマ化した状態で第2線状電極31の第2先端面31bと第1電極部2との間でアーク放電が生じない程度の値に予め設定される。具体的には、第2所定距離は、電源8の最大出力時(または定格出力時)においてアーク放電が生じない程度の値に設定される。第2所定距離は第1所定距離と同じであってもよい。
【0085】
平面視において各第2線状電極31の第2先端面31bが第2配置禁止領域R2よりも第2集合電極32側に位置するように、各第2線状電極31の長さが設定される。これにより、第2先端空間51内のガスがプラズマ化しても、各第2線状電極31の第2先端面31bと第1電極部2との間でアーク放電が生じない。
【0086】
なお、プラズマP1およびプラズマP2の発生領域を広げるという観点からは、第2線状電極31の第2先端面31bは第2配置禁止領域R2の近くに位置することが望ましい。
図8の例では、各第2線状電極31の第2先端面31bは第2配置禁止領域R2からほぼ同距離だけ離れた位置に設定されている。
【0087】
<電極材料>
第1線状電極21は第1集合電極22よりも融点が高い導電性材料によって形成されるとよい。なぜなら、第1線状電極21の周囲ではプラズマが生じるので、第1線状電極21が高温となるからである。第1線状電極21の周囲の温度は例えば数百度(例えば200℃)程度に達する。これに対して、第1集合電極22の周囲ではほとんどプラズマが生じないので、温度は比較的に低い。また、第1線状電極21は第1集合電極22よりもスパッタされにくい導電性材料によって形成されるとよい。なぜなら、第1誘電体4の内部空間(例えば第1先端空間41)内のガスがプラズマ化すると、第1線状電極21がスパッタされ得るからである。より具体的な一例として、第1線状電極21の材料としてタングステンを採用し、第1集合電極22の材料としてアルミニウムを採用するとよい。タングステンの融点は3000℃程度であり、プラズマによる高温にも耐えることができ、また、タングステンはスパッタされにくい。一方で、第1集合電極22としては、安価で加工性の高いアルミニウムを採用することにより、プラズマ発生装置1を低コストで作製することができる。
【0088】
第2線状電極31および第2集合電極32の材料も第1線状電極21および第1集合電極22の材料とそれぞれ同様である。
【0089】
<プラズマ発生装置のサイズ>
次に、基板Wに対するプラズマ発生装置1のサイズの一例について説明する。
図9および
図10は、プラズマ発生装置1および基板Wの一例を概略的に示す図である。
図9および
図10では、基板Wが基板保持部11によって保持された状態での、基板Wとプラズマ発生装置1との位置関係が示されている。
図9では、基板Wが二点鎖線で示されている。
図10では、基板Wの上面の処理液(例えば硫酸)の液膜Fも示されている。
【0090】
プラズマ発生装置1では、既述のように、第1先端空間41および第2先端空間51内のガスをプラズマ化させることにより、プラズマP1およびプラズマP2の発生領域を広げることができる。よって、
図9に例示するように、平面視において、全ての第1線状電極21の第1先端面21bは、基板保持部11によって保持された基板Wの周縁よりも径方向内側に位置し、全ての第2線状電極31の第2先端面31bは、基板保持部11によって保持された基板Wの周縁よりも径方向内側に位置してもよい。ここでいう径方向とは、基板Wについての径方向であり、言い換えれば、回転軸線Q1についての径方向である。
【0091】
比較例として、第1先端面21bが基板Wの周縁よりも径方向外側に位置し、第2先端面31bが基板Wの周縁よりも径方向外側に位置する構造を考慮する。この場合、基板Wの上面の全面に、プラズマP1による活性種を作用させることが可能である。つまり、基板Wの上面の液膜Fに対して全面的に活性種を作用させることができる。しかしながら、プラズマP1のうち基板Wよりも径方向外側のプラズマは基板Wの処理に利用されず、無駄となる。
【0092】
これに対して、
図9の例では、全ての第1先端面21bおよび全ての第2先端面31bが基板Wの周縁よりも径方向内側に位置するので、プラズマP1が基板Wよりも径方向外側に広がることを抑制することができ、無駄なプラズマの発生を抑制することができる。よって、プラズマ発生装置1の消費電力を低減させることができる。また、プラズマ発生装置1の長手方向D1のサイズを小さくすることもできる。
【0093】
また、
図9に例示するように、第1集合電極22の内側面22aは、基板保持部11によって保持された基板Wの周縁よりも径方向外側に位置し、第2集合電極32の内側面32aは、基板保持部11によって保持された基板Wの周縁よりも径方向外側に位置するとよい。これによれば、第1線状電極21および第2線状電極31を比較的に長く設定することができるので、基板Wの上面に対してより広い範囲でプラズマP1を発生させることができ、プラズマP1による活性種をより広い範囲で基板Wの上面に作用させることができる。
【0094】
図10の例では、長手方向D1におけるプラズマP1の発生領域(発光領域)の周縁は基板Wの周縁よりも径方向内側に位置している。言い換えれば、プラズマP1の発生領域の周縁が基板Wの周縁よりも径方向内側に位置するように、第1線状電極21の第1先端面21bおよび第2線状電極31の第2先端面31bの位置が設定される。
【0095】
プラズマP1により生成された各種の活性種は基板Wの上面の液膜Fに供給される。この活性種は処理液と反応しながら液膜F中を流れて拡散することができるので、活性種の一部は液膜F中を基板Wの周縁部側にも広がる。
図10では、活性種が移動する様子を模式的に直線矢印で示している。このように活性種が液膜F中を移動することにより、基板Wの周縁部上においても活性種が処理液に作用することができる。
【0096】
したがって、プラズマP1の発生領域の周縁が基板Wの周縁よりも径方向内側に位置していても、基板Wの上面の全面で処理液の処理性能を向上させることができる。具体的には、酸化力の高いカロ酸を基板Wの全面で生成することができ、基板Wの全面でレジストを適切に除去することができる。そして、プラズマP1の発生領域の周縁が基板Wの周縁よりも径方向内側に位置する場合には、プラズマ発生装置1の長手方向D1のサイズをさらに小さくすることができる。
【0097】
<プラズマ発生装置1A>
図11は、プラズマ発生装置1Aの構成の一例を概略的に示す平面図であり、
図12は、プラズマ発生装置1Aの構成の一例を概略的に示す側断面図である。
図12は、
図11のB-B断面を示している。プラズマ発生装置1Aの構成はプラズマ発生装置1と同様であるものの、第1電極部2および第2電極部3の具体的な構成が相違している。
図11および
図12の例では、複数の第1線状電極21として4つの第1線状電極21A~21Dが設けられ、複数の第2線状電極31として7つの第2線状電極31A~31Gが設けられている。第1線状電極21A~21Dは配列方向D2の一方側からこの順で配列されており、第2線状電極31A~31Gは配列方向D2の一方側からこの順で配列されている。
【0098】
図11の例では、第1線状電極21Aは第2線状電極31A,31Bの間に設けられており、第1線状電極21Bは第2線状電極31C,31Dの間に設けられており、第1線状電極21Cは第2線状電極31D,31Eの間に設けられており、第1線状電極21Dは第2線状電極31F,31Gの間に設けられている。言い換えれば、第2線状電極31B,31Cの間には第1線状電極21が設けられておらず、第2線状電極31E,31Fの間にも第1線状電極21が設けられていない。つまり、プラズマ発生装置1Aには、第1線状電極21を挟まずに直接に対向する少なくとも一対の第2線状電極31が存在する。
【0099】
このプラズマ発生装置1Aに対して電源8が電圧を出力すると、異極性の第1線状電極21と第2線状電極31との間でプラズマ用の電界が印加される。逆に言えば、同極性の第2線状電極31B,31Cの間ではプラズマ用の電界がほとんど印加されず、同極性の第2線状電極31E,31Fの間でも当該電界がほとんど印加されない。よって、これらの間では、ほとんどプラズマが発生しない。したがって、プラズマ発生装置1Aの消費電力をプラズマ発生装置1に比して低減させることができる。
【0100】
このプラズマ発生装置1Aを処理ユニット130に適用した場合について考慮する。この場合、第2線状電極31B,31Cの間および第2線状電極31E,31Fの間では、プラズマがほとんど生じないので、これらの領域では、基板W上の処理液の液膜Fには直接には活性種があまり供給されない(
図12の領域Fa,Fb参照)。しかるに、平面視において、第2線状電極31A,31Bの間の領域、第2線状電極31C,31Eの間の領域および第2線状電極31F,31Gの間の領域では、プラズマが発生するので、これらの領域では処理液の液膜Fに対して直接に活性種が供給される。これらの活性種は液膜F中を広がって流れるので、活性種は液膜F中において、第2線状電極31B,31Cの間の領域と対向する領域Faおよび第2線状電極31E,31Fの間の領域と対向する領域Fbにも拡散する。したがって、これらの領域Fa,Fbでも処理液の処理性能を向上させることができる。
図12の例では、活性種の移動を模式的に直線矢印で示している。
【0101】
以上のように、プラズマ発生装置1Aによれば、基板Wの処理液に対して広い範囲で活性種を作用させつつも、消費電力を低減させることができる。
【0102】
なお、上述の例では、第2線状電極31B,31Cの間、および、第2線状電極31E,31Fの間に、第1線状電極21が設けられていない。しかしながら、必ずしもこれに限らない。要するに、平面視において、隣り合う少なくともいずれか2つの第2線状電極31の間に、第1線状電極21が設けられていなければよい。あるいは、平面視において、隣り合う少なくともいずれか2つの第1線状電極21の間に、第2線状電極31が設けられていなくてもよい。これによっても、基板Wの処理液に対して広い範囲で活性種を作用させつつも、消費電力を低減させることができる。
【0103】
<プラズマ発生装置1B>
図13は、プラズマ発生装置1Bの構成の一例を概略的に示す平面図であり、
図14および
図15は、プラズマ発生装置1Bの構成の一例を概略的に示す側断面図である。
図14は、
図13のC-C断面を示し、
図15は、
図13のD-D断面を示す。
【0104】
プラズマ発生装置1Bは、第1電極部2および第2電極部3の位置関係、ならびに、誘電部40の具体的な構成という点で、プラズマ発生装置1と相違している。図に例示されたプラズマ発生装置1Bにおいては、第1電極部2および第2電極部3は同一平面上に配置され、また、誘電部40は第1誘電体4および第2誘電体5の替わりに、単一の誘電体60を含んでいる。
【0105】
誘電体60は例えば石英およびセラミックス等の誘電体材料によって形成され、第1線状電極21および第2線状電極31の両方を覆う。図示の例では、誘電体60は板状形状を有しており、その厚み方向が方向D3に沿う姿勢で配置される。誘電体60は第1主面60a、第2主面60bおよび側面60cを有する。第1主面60aおよび第2主面60bは方向D3において互いに向かい合う面であり、例えば、方向D3に直交する平坦面である。側面60cは第1主面60aの周縁および第2主面60bの周縁を繋ぐ面である。
図13の例では、誘電体60は円板形状を有しているので、第1主面60aおよび第2主面60bは円状の平面であり、側面60cは円筒面である。誘電体60の厚みは例えば5mm程度である。
【0106】
誘電体60には、各第1線状電極21が挿入される第1穴62と、各第2線状電極31が挿入される第2穴64が形成されている。
【0107】
各第1穴62は長手方向D1に沿って延在しており、その一方側の端が誘電体60の側面60cにおいて開口する。第1線状電極21は、その第1先端面21bから第1穴62に挿入される。第1線状電極21の第1側面21aは、誘電体60において第1穴62を形成する第1内周面62aによって覆われている。つまり、各第1穴62の第1内周面62aは第1線状電極21の第1側面21aの全周を囲む。また、第1内周面62aは第1線状電極21の第1先端面21bよりも先端側(ここでは長手方向D1の他方側)にも延在する。よって、第1内周面62aのうち第1先端面21bよりも先端側の部分は、第1先端空間61を形成する。第1先端空間61は、第1線状電極21の第1先端面21bと長手方向D1において隣接する空間である。この第1先端空間61にもガスが含まれている。当該ガスは例えば空気である。
【0108】
図13に例示されるように、各第1穴62は有底の穴であってもよい。つまり、誘電体60は、各第1穴62の長手方向D1の他方側の端部を塞ぐ第1底面62bを有していてもよい。第1底面62bは第1内周面62aの長手方向D1の他方側の周縁端部に繋がっており、第1先端空間61を隔てて第1先端面21bと対向する。逆に言えば、第1先端空間61は、誘電体60の第1底面62bと第1線状電極21の第1先端面21bとの間の空間に相当する。
【0109】
各第1穴62の第1内周面62aは第1線状電極21の第1側面21aから部分的または全体的に離れている。これにより、第1線状電極21の直径が熱膨張により大きくなった場合でも、誘電体60の破損を抑制することができる。
【0110】
第1線状電極21の基端部211近傍において、誘電体60と第1線状電極21との間を封止する誘電性の封止部材(不図示)が設けられてもよい。当該封止部材は例えばシリコーン樹脂によって形成され得る。
【0111】
各第2穴64は長手方向D1に沿って延在しており、その他方側の端が誘電体60の側面60cにおいて開口する。各第2線状電極31は、その第2先端面31bから第2穴64に挿入される。第2線状電極31の第2側面31aは、誘電体60において第2穴64を形成する第2内周面64aによって覆われている。つまり、各第2穴64の第2内周面64aは第2線状電極31の第2側面31aの全周を囲む。また、第2内周面64aは第2線状電極31の第2先端面31bよりも先端側(ここでは長手方向D1の一方側)にも延在する。よって、第2内周面64aのうち第2先端面31bよりも先端側の部分は、第2先端空間63を形成する。第2先端空間63は、第2線状電極31の第2先端面31bと長手方向D1において隣接する空間である。この第2先端空間63にもガスが含まれている。当該ガスは例えば空気である。
【0112】
図13に例示されるように、各第2穴64は有底の穴であってもよい。つまり、誘電体60は、第2穴64の長手方向D1の一方側の端部を塞ぐ第2底面64bを有していてもよい。第2底面64bは第2内周面64aの長手方向D1の一方側の周縁端部に繋がっており、第2先端空間63を隔てて第2先端面31bと対向する。逆に言えば、第2先端空間63は、誘電体60の第2底面64bと第2線状電極31の第2先端面31bとの間の空間に相当する。
【0113】
各第2穴64の第2内周面64aは第2線状電極31の第2側面31aから部分的または全体的に離れている。これにより、第2線状電極31の直径が熱膨張により大きくなった場合でも、誘電体60の破損を抑制することができる。
【0114】
第2線状電極31の基端部311近傍において、誘電体60と第2線状電極31との間を封止する誘電性の封止部材(不図示)が設けられてもよい。当該封止部材は例えばシリコーン樹脂によって形成され得る。
【0115】
図15の例では、複数の第1線状電極21および複数の第2線状電極31は同一平面上に設けられている。よって、複数の第1穴62および複数の第2穴64も同一平面上に形成されている。
【0116】
図15の例では、第1線状電極21と誘電体60の第2主面60bとの間隔は、第1線状電極21と誘電体60の第1主面60aとの間隔よりも狭い。同様に、第2線状電極31と誘電体60の第2主面60bとの間隔は、第2線状電極31と誘電体60の第1主面60aとの間隔よりも狭い。つまり、第1線状電極21および第2線状電極31は第1主面60aよりも第2主面60bに近い位置に設けられている。よって、第1穴62および第2穴64も第1主面60aより第2主面60bに近い位置に形成される。
【0117】
プラズマ発生装置1Bは、第2主面60bが処理対象(ここでは基板W)を向く姿勢で配置される。第2主面60b近傍のガスは後述のようにプラズマ発生装置1Bによってプラズマ化し、該プラズマによる活性種が処理対象に作用する。
【0118】
図13の例では、第1集合電極22および第2集合電極32は誘電体60よりも外側に設けられている。よって、第1線状電極21の基端部211は誘電体60の側面60cから外側に突出して第1集合電極22に接続され、第2線状電極31の基端部311は誘電体60の側面60cから外側に突出して第2集合電極32に接続される。第1集合電極22および第2集合電極32はプラズマ用の電源8に接続されており(
図13を参照)、この電源8の電圧出力により、第1線状電極21と第2線状電極31との間にプラズマ用の電界が生じる。上述の例では、第1線状電極21と第2主面60bとの間隔および第2線状電極31と第2主面60bとの間隔は狭いので、電界が誘電体60の第2主面60b近傍のガスに作用しやすく、該ガスを容易にプラズマ化させることができる。
【0119】
一方で、上述の例では、第1線状電極21と第1主面60aとの間隔および第2線状電極31と第1主面60aとの間隔は広いので、電界は第1主面60a近傍のガスには作用しにくい。よって、基板Wの処理に寄与しない不要なプラズマの発生も抑制することができる。しかも、誘電体60の第1主面60aと第2主面60bとの間の厚みを大きくすることもできるので、誘電体60の強度および剛性を向上させることができる。
【0120】
ところで、プラズマ発生装置1Bにおける誘電体60は第1線状電極21および第2線状電極31の両方を覆う板状形状を有しているので、誘電体60の体積は、プラズマ発生装置1,1Aの第1誘電体4、第2誘電体5および仕切部材6の総体積よりも大きい。よって、プラズマ発生装置1Bにおいてプラズマを発生させるためには、電源8はより大きな電力を第1電極部2と第2電極部3との間に供給する必要がある。より具体的な一例として、電源8の出力電圧は15kV程度に設定され、電源8の出力周波数は60kHz程度以下に設定される。
【0121】
これに伴って、誘電体60の内部の第1先端空間61および第2先端空間63のガスは、よりプラズマ化しやすくなる。したがって、プラズマ発生装置1Bによれば、誘電体60の第2主面60bに沿って形成されるプラズマの発生領域がさらに広がり得る。
【0122】
しかも、単一の誘電体60が第1線状電極21および第2線状電極31を覆うので、プラズマ発生装置1Bの形状は、プラズマ発生装置1,1Aに比べて簡易である。特に上述の例では、誘電体60の第2主面60bは平坦であるので、第1誘電体4と仕切部材6とで段差形状を形成するプラズマ発生装置1,1Aに比して、その形状がより簡易である。よって、処理対象である基板W上の処理液が揮発してプラズマ発生装置1B(例えば第2主面60b)に付着しても、プラズマ発生装置1Bを洗浄して該処理液を除去することが容易である。
【0123】
<アーク放電>
第1先端空間61内のガスがプラズマ化すると、プラズマ発生装置1Bにおいても、第1先端空間61を介して第1線状電極21の第1先端面21bと第2電極部3との間でアーク放電が生じやすくなる。なぜなら、第1先端空間61内の電子が移動しやすくなるからである。より具体的な一例として、第1先端空間61内でプラズマが発生することにより、第1線状電極21の第1先端面21bと第2線状電極31の基端部311との間でアーク放電が生じやすくなる(
図13の二点鎖線の両端矢印を参照)。また、第1先端空間61内のプラズマは、第1線状電極21の第1先端面21bよりも第2集合電極32に近い位置で発生するので、第1先端面21bと第2集合電極32との間でもアーク放電が生じやすくなる。
【0124】
第2先端空間63内のガスがプラズマ化すると、同様に、第2線状電極31の第2先端面31bと第1電極部2との間でアーク放電が生じやすくなる。
【0125】
そこで、プラズマ発生装置1Bにおいても、第1先端空間61内のガスおよび第2先端空間63内のガスがプラズマ化した状態でも、第1電極部2と第2電極部3との間でアーク放電が生じない距離で、第1電極部2および第2電極部3が互いに離れるように、第1電極部2および第2電極部3の形状および位置関係が設定されるとよい。
【0126】
より具体的な一例として、第1線状電極21の第1先端面21bの位置について、第1配置禁止領域R1が設定され、第2線状電極31の第2先端面31bの位置について、第2配置禁止領域R2が設定される。
図16は、プラズマ発生装置1Bにおける第1配置禁止領域R1および第2配置禁止領域R2の一例を示す図である。
図16の例では、第1配置禁止領域R1および第2配置禁止領域R2を模式的に斜線のハッチングで示している。
【0127】
プラズマ発生装置1,1Aと同様に、第1配置禁止領域R1は、第2集合電極32の内側面32aと仮想線L1とで挟まれる領域であり、第2配置禁止領域R2は、第1集合電極22の内側面22aと仮想線L2とで挟まれる領域である。内側面32aと仮想線L1との間の第1所定距離、および、内側面22aと仮想線L2との間の第2所定距離は、電源8の最大出力時(または定格出力時)においてアーク放電が生じない程度の値に設定される。より具体的な一例として、電源8の出力電圧が15kVであり、電源8の出力周波数が60kHz程度である場合、第1所定距離および第2所定距離は例えば20mm程度に設定され得る。
【0128】
<第1底面および第2底面の位置>
上述の例では、プラズマ発生装置1Bの誘電体60に形成された第1穴62は第1底面62bを有する(
図13参照)。よって、第1先端空間61内のプラズマの先端の位置は第1底面62bによって規制される。つまり、第1先端空間61内で最も広くプラズマが発生しても、該プラズマの先端は第1底面62bよりも第2電極部3には近づけない。つまり、該プラズマの先端が最も第2電極部3に近づいた状態で、該プラズマの先端位置は第1底面62bの位置に一致する。したがって、第1底面62bが第2電極部3よりも十分に離れていれば、アーク放電を抑制できると考えることもできる。
【0129】
そこで、第1穴62の第1底面62bと第2電極部3との間の距離を次のように設定してもよい。ここで、第1線状電極21を長手方向D1に沿って仮想的に伸ばして、第1線状電極21の第1先端面21bが第1底面62bと当接した仮定構造を想定する。該仮定構造において、第1線状電極21の第1先端面21bと第2電極部3との間でアーク放電が生じないように、第1底面62bと第2電極部3との間の距離を設定する。そして、その設定値をプラズマ発生装置1Bにおける第1底面62bと第2電極部3との間の距離に採用する。当該距離は、電源8の出力電圧が15kVであり、電源8の出力周波数が60kHzである場合、例えば、数mm程度(具体的には5mm程度)以上に設定され得る。これによれば、プラズマ発生装置1Bにおいて、たとえ第1先端空間61内の全範囲でプラズマが生じても、第1線状電極21の第1先端面21bと第2電極部3との間でアーク放電が生じない。
【0130】
また、上述の例では、誘電体60に形成された第2穴64は第2底面64bを有している(
図13参照)。この第2底面64bの位置についても同様である。すなわち、第2底面64bと第1電極部2との間の距離を次のように設定してもよい。すなわち、第2線状電極31の第2先端面31bが第2底面64bと当接すると仮定した仮定構造において、第2線状電極31の第2先端面31bと第1電極部2との間でアーク放電が生じないように、該距離を設定する。そして、その設定値をプラズマ発生装置1Bにおける第2底面64bと第1電極部2との間の距離に採用する。当該距離は、電源8の出力電圧が15kVであり、電源8の出力周波数が60kHzである場合、例えば、数mm程度(具体的には5mm程度)以上に設定され得る。
【0131】
より具体的な一例として、第1穴62の第1底面62bの位置について、第3配置禁止領域R3が設定され、第2穴64の第2底面64bの位置について、第4配置禁止領域R4が設定され得る。
図17は、プラズマ発生装置1Bにおける第3配置禁止領域R3および第4配置禁止領域R4の一例を示す図である。
図17の例では、第3配置禁止領域R3および第4配置禁止領域R4を模式的に斜線のハッチングで示している。
【0132】
第3配置禁止領域R3は、第1配置禁止領域R1と同様に、第2集合電極32の内側面32aによって規定される。第3配置禁止領域R3は、第2集合電極32の内側面32aと、内側面32aから第3所定距離だけ離れた仮想線L3とで挟まれる領域である。第3所定距離は、仮定構造において第1線状電極21の第1先端面21bと第2電極部3との間でアーク放電が生じない程度の値に予め設定される。具体的には、第3所定距離は、電源8の最大出力時(または定格出力時)においてアーク放電が生じない程度の値(例えば5mm程度以上)に設定される。
【0133】
平面視において各第1穴62の第1底面62bは第3配置禁止領域R3よりも第1集合電極22側に位置するように、各第1穴62の長さが設定される。これにより、第1先端空間61内のガスがプラズマ化しても、各第1線状電極21の第1先端面21bと第2電極部3との間でアーク放電が生じない。
【0134】
第4配置禁止領域R4は、第2配置禁止領域R2と同様に、第1集合電極22の内側面22aによって規定される。第4配置禁止領域R4は、第1集合電極22の内側面22aと、内側面22aから第4所定距離だけ離れた仮想線L4とで挟まれる領域である。第4所定距離は、仮定構造において第2線状電極31の第2先端面31bと第1電極部2との間でアーク放電が生じない程度の値に予め設定される。具体的には、第4所定距離は、電源8の最大出力時(または定格出力時)においてアーク放電が生じない程度の値(例えば5mm)に設定される。
【0135】
平面視において各第2穴64の第2底面64bは第4配置禁止領域R4よりも第2集合電極32側に位置するように、各第2穴64の長さが設定される。これにより、第2先端空間63内のガスがプラズマ化しても、各第2線状電極31の第2先端面31bと第1電極部2との間でアーク放電が生じない。
【0136】
以上のように、プラズマ発生装置1Bによれば、アーク放電をより適切に抑制することができる。なお、上述の例では、プラズマ発生装置1Bの第1底面62bおよび第2底面64bについて説明したが、プラズマ発生装置1,1Aの第1誘電体4の第1底面4bの位置および第2誘電体5の第2底面5bの位置についても同様である。
【0137】
以上のように、プラズマ発生装置1,1A,1Bおよび処理ユニット(基板処理装置)130は詳細に説明されたが、上記の説明は、すべての局面において、例示であって、このプラズマ発生装置1,1A,1Bおよび処理ユニット130がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
【0138】
例えば、プラズマ発生装置1,1Aにおいて、仕切部材6は設けられていなくてもよく、また第1電極部2および第2電極部3は同一平面に設けられてもよい。
【0139】
また、例えば、プラズマ発生装置1Bにおいて、第1電極部2および第2電極部3は方向D3において互いに異なる位置に設けられてもよい。具体的には、第1線状電極21および第2線状電極31は方向D3において互いに異なる位置に設けられてもよい。
【0140】
また、基板Wに対する処理は必ずしもレジスト除去処理に限らない。例えば、金属膜の除去の他、活性種により処理液の処理能力を向上させることができる全ての処理に適用可能である。
【0141】
また、必ずしも基板Wに処理液を供給する必要もない。例えば、プラズマを用いた処理として、基板Wの上面に対して直接にプラズマもしくは活性種を作用させてもよい。このような処理の一例として、基板Wの表面改質処理を挙げることができる。
【0142】
また、プラズマ発生装置1,1A,1Bは必ずしも基板Wの処理に用いられる必要はなく、他の処理対象に用いられてもよい。
【符号の説明】
【0143】
1 プラズマ発生装置
11 基板保持部
12 ノズル
130 基板処理装置(処理ユニット)
2 第1電極部
21 第1線状電極
21a 第1側面
21b 第1先端面
22 第1集合電極
22a 内側面
3 第2電極部
31 第2線状電極
31a 第2側面
31b 第2先端面
32 第2集合電極
32a 内側面
4 第1誘電体
40 誘電部
41,61 第1先端空間
4a,62a 第1内周面
4b,62b 第1底面
5 第2誘電体
51,63 第2先端空間
5a,64a 第2内周面
5b,64b 第2底面
60 誘電体
D1 長手方向
D2 配列方向
L1 仮想線(第1仮想線)
R1 配置禁止領域(第1配置禁止領域)
W 基板