(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022135898
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/338 20060101AFI20220908BHJP
H01L 21/28 20060101ALI20220908BHJP
H01L 29/423 20060101ALI20220908BHJP
H01L 29/417 20060101ALI20220908BHJP
H01L 29/41 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
H01L29/80 L
H01L29/80 H
H01L21/28 301B
H01L29/58 Z
H01L29/50 J
H01L29/44 P
H01L29/80 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021172416
(22)【出願日】2021-10-21
(31)【優先権主張番号】P 2021034898
(32)【優先日】2021-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000154325
【氏名又は名称】住友電工デバイス・イノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】松本 拓也
【テーマコード(参考)】
4M104
5F102
【Fターム(参考)】
4M104AA04
4M104AA05
4M104AA07
4M104BB02
4M104BB05
4M104BB09
4M104BB14
4M104BB18
4M104CC01
4M104CC03
4M104EE06
4M104EE17
4M104FF02
4M104FF11
4M104GG11
4M104GG12
5F102GB02
5F102GC01
5F102GD01
5F102GD04
5F102GJ02
5F102GJ03
5F102GJ04
5F102GJ05
5F102GJ10
5F102GL04
5F102GL05
5F102GM04
5F102GM06
5F102GQ01
5F102GR09
5F102GV08
5F102HC10
5F102HC11
5F102HC19
(57)【要約】 (修正有)
【課題】小型化可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置は、基板と、第1ソースフィンガ12aと、第1ゲートフィンガ14aと、第1ドレインフィンガ16a1と、第2ゲートフィンガ14bと、第2ソースフィンガ12bと、第2ドレインフィンガ16a2と、基板上に設けられ、第1ゲートフィンガの第1端と接続し、第2ゲートフィンガとは接続されず、幅方向に延伸する第1ゲート配線18b1と、を備える。第1ゲートフィンガが第1ゲート配線に接続する第1箇所における延伸方向の第1ゲート配線の幅は、第1ソースフィンガと第2ソースフィンガとの間に位置する第2箇所における延伸方向の第1ゲート配線の幅より小さく、延伸方向における第1箇所の第2ゲートフィンガ側端は、延伸方向における第2箇所の第2ゲートフィンガ側端より、第1ゲートフィンガ側に位置する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に設けられた第1ソースフィンガと、
前記第1ソースフィンガの幅方向に隣接して前記基板上に設けられ、前記第1ソースフィンガの延伸方向に延伸する第1ゲートフィンガと、
前記基板上に設けられ、前記第1ソースフィンガとで、前記第1ゲートフィンガを挟む第1ドレインフィンガと、
前記第1ソースフィンガの前記延伸方向における前記基板上に設けられ、前記延伸方向に延伸する第2ソースフィンガと、
前記第2ソースフィンガの前記幅方向に隣接して前記第1ゲートフィンガの前記延伸方向における前記基板上に設けられ、前記延伸方向に延伸する第2ゲートフィンガと、
前記基板上に設けられ、前記第2ソースフィンガとで、前記第2ゲートフィンガを挟む第2ドレインフィンガと、
前記基板上に設けられ、前記第1ゲートフィンガの第1端と接続し、前記第2ゲートフィンガとは接続されず、前記幅方向に延伸する第1ゲート配線と、
を備え、
前記第1ゲートフィンガが前記第1ゲート配線に接続する第1箇所における前記延伸方向の前記第1ゲート配線の幅は、前記第1ソースフィンガと前記第2ソースフィンガとの間に位置する第2箇所における前記延伸方向の前記第1ゲート配線の幅より小さく、
前記延伸方向における前記第1箇所の前記第2ゲートフィンガ側端は、前記延伸方向における前記第2箇所の前記第2ゲートフィンガ側端より、前記第1ゲートフィンガ側に位置する半導体装置。
【請求項2】
前記幅方向からみて、前記第2ゲートフィンガの一部と前記第1ゲート配線の一部とは重なる請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1ゲート配線は、前記第1箇所から前記第2箇所に向かうにしたがい前記延伸方向の幅が徐々に大きくなる請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記基板上に設けられ、前記第2ゲートフィンガが接続されるゲートバスバーと、
前記第1ゲート配線と前記ゲートバスバーとを接続し、前記延伸方向に延伸する第2ゲート配線と、
を備える請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第2ゲート配線と前記第2ゲートフィンガとは前記第2ソースフィンガを挟む請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第2ソースフィンガの幅は前記第1ソースフィンガの幅より小さく、
前記第2ゲート配線の前記幅方向の幅は前記第1ソースフィンガの幅内に収まる請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記基板を貫通し、前記第1ソースフィンガと前記基板下に設けられた金属層とを接続するビアを備える請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1ソースフィンガと前記第2ソースフィンガとを接続し、前記第1ゲート配線と非接触に交差するソース配線を備える請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記基板は、前記基板内の半導体層が活性化され互に分離された第1活性領域および第2活性領域と、前記第1活性領域と前記第2活性領域との間に設けられ前記半導体層が不活性化された不活性領域と、を備え、
前記第1ソースフィンガ、前記第1ゲートフィンガおよび前記第1ドレインフィンガは前記第1活性領域上に設けられ、
前記第2ソースフィンガ、前記第2ゲートフィンガおよび第2ドレインフィンガは前記第2活性領域上に設けられ、
前記第1ゲート配線は前記不活性領域上に設けられている請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記基板上に設けられ、前記第1ゲートフィンガとで前記第1ソースフィンガを挟む第3ゲートフィンガと、
前記基板上に設けられ、前記第1ソースフィンガとで、前記第3ゲートフィンガを挟む第3ドレインフィンガと、
前記基板上に設けられ、前記第1ソースフィンガの幅より小さい幅を有し、前記幅方向の幅が前記第1ソースフィンガの幅内に収まり、前記第1ソースフィンガに対し前記第2ソースフィンガと同じ側に設けられ、前記延伸方向に延伸する第3ソースフィンガと、
前記第3ソースフィンガの前記幅方向に隣接して前記第3ゲートフィンガの前記延伸方向における前記基板上に設けられ、前記延伸方向に延伸する第4ゲートフィンガと、
前記基板上に設けられ、前記第3ソースフィンガとで、前記第4ゲートフィンガを挟む第4ドレインフィンガと、
前記基板上に設けられ、前記第3ゲートフィンガの第1端と接続し、前記第4ゲートフィンガとは接続されず、前記幅方向に延伸する第3ゲート配線と、
を備え、
前記第3ゲートフィンガが前記第3ゲート配線に接続する第3箇所における前記延伸方向の前記第3ゲート配線の幅は、前記第1ソースフィンガと前記第3ソースフィンガとの間に位置する第4箇所における前記延伸方向の前記第3ゲート配線の幅より小さく、
前記延伸方向における前記第3箇所の前記第4ゲートフィンガ側端は、前記延伸方向における前記第4箇所の前記第4ゲートフィンガ側端より、前記第3ゲートフィンガ側に位置する請求項8または請求項9に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関し、例えば電界効果トランジスタを有する半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ソース、ゲートおよびドレインを有する電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)において、ソースフィンガ、ゲートフィンガおよびドレインフィンガを有する単位FETをフィンガの延伸方向に複数配置することが知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、単位FETをフィンガの延伸方向に複数配置することにより、単位FETにおけるゲートフィンガを短くできる。しかし、延伸方向に隣接する単位FETのゲートフィンガを同じゲート配線に接続すると高周波特性が劣化することがある。隣接する単位FETの一方のゲートフィンガをゲート配線に接続し、他方のゲートフィンガをゲート配線に接続しない場合、隣接する単位FETの間隔を小さくできない。このため、半導体装置が大型化してしまう。
【0005】
本開示は、上記課題に鑑みなされたものであり、小型化可能な半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態は、基板と、前記基板上に設けられた第1ソースフィンガと、前記第1ソースフィンガの幅方向に隣接して前記基板上に設けられ、前記第1ソースフィンガの延伸方向に延伸する第1ゲートフィンガと、前記基板上に設けられ、前記第1ソースフィンガとで、前記第1ゲートフィンガを挟む第1ドレインフィンガと、前記第1ソースフィンガの前記延伸方向における前記基板上に設けられ、前記延伸方向に延伸する第2ソースフィンガと、前記第2ソースフィンガの前記幅方向に隣接して前記第1ゲートフィンガの前記延伸方向における前記基板上に設けられ、前記延伸方向に延伸する第2ゲートフィンガと、前記基板上に設けられ、前記第2ソースフィンガとで、前記第2ゲートフィンガを挟む第2ドレインフィンガと、前記基板上に設けられ、前記第1ゲートフィンガの第1端と接続し、前記第2ゲートフィンガとは接続されず、前記幅方向に延伸する第1ゲート配線と、を備え、前記第1ゲートフィンガが前記第1ゲート配線に接続する第1箇所における前記延伸方向の前記第1ゲート配線の幅は、前記第1ソースフィンガと前記第2ソースフィンガとの間に位置する第2箇所における前記延伸方向の前記第1ゲート配線の幅より小さく、前記延伸方向における前記第1箇所の前記第2ゲートフィンガ側端は、前記延伸方向における前記第2箇所の前記第2ゲートフィンガ側端より、前記第1ゲートフィンガ側に位置する半導体装置である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、小型化可能な半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施例1に係る半導体装置の平面図である。
【
図6】
図6は、実施例1に係る半導体装置における活性領域、オーミック金属層およびゲート金属層を示す平面図である。
【
図7】
図7は、実施例1に係る半導体装置の平面拡大図である。
【
図8】
図8は、比較例1に係る半導体装置の平面拡大図である。
【
図9】
図9は、実施例1の変形例1に係る半導体装置の平面拡大図である。
【
図10】
図10は、実施例1の変形例2に係る半導体装置の平面拡大図である。
【
図11】
図11は、実施例2に係る半導体装置における活性領域、オーミック金属層およびゲート金属層を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
【0010】
[本開示の実施形態の詳細]
最初に本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本開示の一実施形態は、基板と、前記基板上に設けられた第1ソースフィンガと、前記第1ソースフィンガの幅方向に隣接して前記基板上に設けられ、前記第1ソースフィンガの延伸方向に延伸する第1ゲートフィンガと、前記基板上に設けられ、前記第1ソースフィンガとで、前記第1ゲートフィンガを挟む第1ドレインフィンガと、前記第1ソースフィンガの前記延伸方向における前記基板上に設けられ、前記延伸方向に延伸する第2ソースフィンガと、前記第2ソースフィンガの前記幅方向に隣接して前記第1ゲートフィンガの前記延伸方向における前記基板上に設けられ、前記延伸方向に延伸する第2ゲートフィンガと、前記基板上に設けられ、前記第2ソースフィンガとで、前記第2ゲートフィンガを挟む第2ドレインフィンガと、前記基板上に設けられ、前記第1ゲートフィンガの第1端と接続し、前記第2ゲートフィンガとは接続されず、前記幅方向に延伸する第1ゲート配線と、を備え、前記第1ゲートフィンガが前記第1ゲート配線に接続する第1箇所における前記延伸方向の前記第1ゲート配線の幅は、前記第1ソースフィンガと前記第2ソースフィンガとの間に位置する第2箇所における前記延伸方向の前記第1ゲート配線の幅より小さく、前記延伸方向における前記第1箇所の前記第2ゲートフィンガ側端は、前記延伸方向における前記第2箇所の前記第2ゲートフィンガ側端より、前記第1ゲートフィンガ側に位置する半導体装置である。これにより、小型化可能な半導体装置を提供することができる。
(2)前記幅方向からみて、前記第2ゲートフィンガの一部と前記第1ゲート配線の一部とは重なることが好ましい。
(3)前記第1ゲート配線は、前記第1箇所から前記第2箇所に向かうにしたがい前記延伸方向の幅が徐々に大きくなることが好ましい。
(4)前記基板上に設けられ、前記第2ゲートフィンガが接続されるゲートバスバーと、前記第1ゲート配線と前記ゲートバスバーとを接続し、前記延伸方向に延伸する第2ゲート配線と、を備えることが好ましい。
(5)前記第2ゲート配線と前記第2ゲートフィンガとは前記第2ソースフィンガを挟むことが好ましい。
(6)前記第2ソースフィンガの幅は前記第1ソースフィンガの幅より小さく、前記第2ゲート配線の前記幅方向の幅は前記第1ソースフィンガの幅内に収まることが好ましい。
(7)前記基板を貫通し、前記第1ソースフィンガと前記基板下に設けられた金属層とを接続するビアを備えることが好ましい。
(8)前記第1ソースフィンガと前記第2ソースフィンガとを接続し、前記第1ゲート配線と非接触に交差するソース配線を備えることが好ましい。
(9)前記基板は、前記基板内の半導体層が活性化され互に分離された第1活性領域および第2活性領域と、前記第1活性領域と前記第2活性領域との間に設けられ前記半導体層が不活性化された不活性領域と、を備え、前記第1ソースフィンガ、前記第1ゲートフィンガおよび前記第1ドレインフィンガは前記第1活性領域上に設けられ、前記第2ソースフィンガ、前記第2ゲートフィンガおよび第2ドレインフィンガは前記第2活性領域上に設けられ、前記第1ゲート配線は前記不活性領域上に設けられていることが好ましい。
(10)前記基板上に設けられ、前記第1ゲートフィンガとで前記第1ソースフィンガを挟む第3ゲートフィンガと、前記基板上に設けられ、前記第1ソースフィンガとで、前記第3ゲートフィンガを挟む第3ドレインフィンガと、前記基板上に設けられ、前記第1ソースフィンガの幅より小さい幅を有し、前記幅方向の幅が前記第1ソースフィンガの幅内に収まり、前記第1ソースフィンガに対し前記第2ソースフィンガと同じ側に設けられ、前記延伸方向に延伸する第3ソースフィンガと、前記第3ソースフィンガの前記幅方向に隣接して前記第3ゲートフィンガの前記延伸方向における前記基板上に設けられ、前記延伸方向に延伸する第4ゲートフィンガと、前記基板上に設けられ、前記第3ソースフィンガとで、前記第4ゲートフィンガを挟む第4ドレインフィンガと、前記基板上に設けられ、前記第3ゲートフィンガの第1端と接続し、前記第4ゲートフィンガとは接続されず、前記幅方向に延伸する第3ゲート配線と、を備え、前記第3ゲートフィンガが前記第3ゲート配線に接続する第3箇所における前記延伸方向の前記第3ゲート配線の幅は、前記第1ソースフィンガと前記第3ソースフィンガとの間に位置する第4箇所における前記延伸方向の前記第3ゲート配線の幅より小さく、前記延伸方向における前記第3箇所の前記第4ゲートフィンガ側端は、前記延伸方向における前記第4箇所の前記第4ゲートフィンガ側端より、前記第3ゲートフィンガ側に位置することが好ましい。
【0011】
本開示の実施形態にかかる半導体装置の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0012】
[実施例1]
図1は、実施例1に係る半導体装置の平面図である。
図2から
図5は、それぞれ
図1のA-A断面図~D-D断面図である。基板10の上面の法線方向をZ方向、各フィンガの延伸方向をY方向、各フィンガの幅方向をX方向とする。
【0013】
図1~
図5に示すように、基板10は、基板10aと基板10a上に設けられた半導体層10bとを備えている。半導体層10bがイオン注入等により不活性化された領域が不活性領域11aであり、不活性化されていない領域が活性領域11である。基板10上にソースフィンガ12a~12c、ゲートフィンガ14a~14d、ドレインフィンガ16a、16b、ゲート配線18a、18b1および18b2、ゲートバスバー22およびドレインバスバー24が設けられている。
【0014】
ソースフィンガ12a~12c、ドレインフィンガ16aおよび16bは、活性領域11上に設けられたオーミック金属層40と、オーミック金属層40に設けられた低抵抗層50を有する。オーミック金属層40は、半導体層10bにオーミックコンタクトする。低抵抗層50は、オーミック金属層40より抵抗率が低くかつ厚い。ソースフィンガ12a~12c、ドレインフィンガ16aおよび16bにおいて、オーミック金属層40のX方向およびY方向における幅は低抵抗層50のX方向およびY方向における幅より大きくてもよいし、同じでもよい。ソース配線19bはソースフィンガ12aと12bとを接続し、ソース配線19cはソースフィンガ12aと12cとを接続する。ソース配線19bおよび19cは不活性領域11a上に設けられ、低抵抗層50を有し、オーミック金属層40を有していない。ドレインフィンガ16aおよび16bのうち不活性領域11a上の部分は低抵抗層50を有し、オーミック金属層40を有していない。
【0015】
ゲートフィンガ14a~14dは、活性領域11上に設けられたゲート金属層45を有し、低抵抗層50を有していない。ゲート配線18b1は不活性領域11a上に設けられたゲート金属層45を有し、低抵抗層50を有していない。ゲート配線18aは半導体層10b上に設けられたゲート金属層45と低抵抗層50を有する。低抵抗層50は、ゲート金属層45より抵抗率が低くかつ厚い。
【0016】
ソースフィンガ12aはY方向に延伸し、X方向における幅W2aとY方向における長さL2aとを有する。ソースフィンガ12aのX方向における両端からY方向にソースフィンガ12bおよび12cが延伸する。ソースフィンガ12bおよび12cは各々X方向における幅W2bとY方向における長さL2bを有する。ソースフィンガ12aおよび12bの+X方向にY方向に延伸するドレインフィンガ16aが設けられている。ソースフィンガ12aおよび12cの-X方向にY方向に延伸するドレインフィンガ16bが設けられている。ドレインフィンガ16aおよび16bは各々X方向の幅W6を有する。ゲートフィンガ14aおよび14bは、ソースフィンガ12aおよび12bとドレインフィンガ16aとの間に設けられ、ゲートフィンガ14cおよび14dは、ソースフィンガ12aおよび12cとドレインフィンガ16bとの間に設けられている。ゲートフィンガ14a~14dはY方向に延伸し、X方向における幅はゲート長Lgに相当する。
【0017】
ソースフィンガ12aと12cとの間にはY方向に延伸しX方向の幅W8aを有するゲート配線18aが設けられている。ゲートフィンガ14aおよび14cと14bおよび14dとの間にゲート配線18b1および18b2が設けられている。ゲート配線18b1および18b2はY方向の幅W8bを有しX方向に延伸し、ゲートフィンガ14aおよび14cの-Y方向の端部とゲート配線18aの+Y方向の端部とをそれぞれ接続する。ゲート配線18b1および18b2とソース配線19bおよび19cとは絶縁膜26を介し交差し、互いに電気的に接続されていない。ゲートフィンガ14b、14dおよびゲート配線18aの-Y方向の端部はゲートバスバー22に接続されている。ドレインフィンガ16aおよび16bの+Y方向の端部はドレインバスバー24に接続されている。ソースフィンガ12aは基板10を貫通するビア20を介し、基板10下に設けられた金属層28に接続されている。ソースフィンガ12a~12c、ゲートフィンガ14a~14d、ドレインフィンガ16a、16b、ゲート配線18a、18b1よび18b2を覆うように絶縁膜26が設けられている。
【0018】
FET領域30aと30bはY方向に配置されている。FET領域30aでは、ソースフィンガ12aを含む活性領域11がX方向に延伸している。ソースフィンガ12a、ゲートフィンガ14aおよびドレインフィンガ16aは、単位FET32aを形成し、ソースフィンガ12a、ゲートフィンガ14cおよびドレインフィンガ16bは、単位FET32cを形成する。単位FET32aおよび32cのゲート幅Wgaはソースフィンガ12aを含む活性領域11のY方向の長さに相当する。単位FET32aおよび32cのソース電位は、金属層28からビア20を介しソースフィンガ12aに供給される。ゲート電位(およびゲート信号)は、ゲートバスバー22からゲート配線18a、18b1よび18b2を介しゲートフィンガ14aおよび14cに供給される。ドレイン電位は、ドレインバスバー24からドレインフィンガ16aおよび16bに供給される。単位FET32aおよび32cはX方向に交互に配列されている。
【0019】
FET領域30bでは、ゲート配線18aを除き活性領域11が設けられている。ソースフィンガ12b、ゲートフィンガ14bおよびドレインフィンガ16aは、単位FET32bを形成し、ソースフィンガ12c、ゲートフィンガ14dおよびドレインフィンガ16bは、単位FET32dを形成する。単位FET32bおよび32dのゲート幅Wgbはソースフィンガ12bおよび12cを含む活性領域11内のY方向の長さに相当する。単位FET32bおよび32dのソース電位は、金属層28からビア20およびソースフィンガ12aを介しソースフィンガ12bおよび12cに供給される。ゲート電位(およびゲート信号)は、ゲートバスバー22からゲートフィンガ14bおよび14dに供給される。ドレイン電位は、ドレインバスバー24からドレインフィンガ16aおよび16bに供給される。単位FET32bおよび32dはX方向に交互に配列されている。半導体装置の全体のゲート幅を大きくする場合には、単位FET32a~FET32dがX方向に複数配置される。
【0020】
図6は、実施例1に係る半導体装置における活性領域11b、11c1、11c2、オーミック金属層40およびゲート金属層45を示す平面図である。
図6に示すように、基板10のFET領域30aに活性領域11bが設けられ、FET領域30bに活性領域11c1および11c2が設けられている。活性領域11b上に、オーミック金属層40により、ソースフィンガ12a、ドレインフィンガ16a1および16b1が設けられ、ゲート金属層45により、ゲートフィンガ14aおよび14cが設けられている。活性領域11c1上にオーミック金属層40により、ソースフィンガ12bおよびドレインフィンガ16a2が形成され、ゲート金属層45により、ゲートフィンガ14bが形成されている。活性領域11c2上にオーミック金属層40により、ソースフィンガ12cおよびドレインフィンガ16b2が形成され、ゲート金属層45により、ゲートフィンガ14dが形成されている。ドレインフィンガ16a1と16a2とは低抵抗層50により接続され
図1のドレインフィンガ16aを形成する。ドレインフィンガ16b1と16b2とは低抵抗層50により接続され
図1のドレインフィンガ16bを形成する。
【0021】
単位FET32aでは、ゲートフィンガ14a(第1ゲートフィンガ)は、ソースフィンガ12a(第1ソースフィンガ)のX方向(幅方向)に隣接して設けられている。ドレインフィンガ16a1(第1ドレインフィンガ)はソースフィンガ12aとで、ゲートフィンガ14aを挟む。単位FET32bでは、ソースフィンガ12b(第2ソースフィンガ)は、ソースフィンガ12aの-Y方向に設けられている。ゲートフィンガ14b(第2ゲートフィンガ)は、ソースフィンガ12bのX方向に隣接してゲートフィンガ14aの-Y方向に設けられている。ドレインフィンガ16a2(第2ドレインフィンガ)は、ソースフィンガ12bとで、ゲートフィンガ14bを挟む。ゲート配線18b1(第1ゲート配線)は、ゲートフィンガ14aの第1端(-Y側端)と接続し、ゲートフィンガ14bとは接続されず、X方向に延伸する。
【0022】
単位FET32cでは、ゲートフィンガ14c(第3ゲートフィンガ)は、ゲートフィンガ14aとでソースフィンガ12aを挟む。ドレインフィンガ16b1(第3ドレインフィンガ)は、ソースフィンガ12aとで、ゲートフィンガ14cを挟む。単位FET32dでは、ソースフィンガ12c(第3ソースフィンガ)は、ソースフィンガ12aに対しソースフィンガ12bと同じ側に設けられている。ゲートフィンガ14d(第4ゲートフィンガ)は、ソースフィンガ12cのX方向に隣接してゲートフィンガ14cの-Y方向に設けられている。ドレインフィンガ16b2(第4ドレインフィンガ)は、ソースフィンガ12cとで、ゲートフィンガ14dを挟む。ゲート配線18b2(第3ゲート配線)は、ゲートフィンガ14cの第1端(-Y側端)と接続し、ゲートフィンガ14dとは接続されず、X方向に延伸する。
【0023】
活性領域11bと11c1との間の不活性領域11a上にゲート配線18b1が設けられている。活性領域11bと11c2との間の不活性領域11a上にゲート配線18b2が設けられている。活性領域11c1と11c2との間の不活性領域11a上にゲート配線18aが設けられている。ゲートフィンガ14b、14cおよびゲート配線18aの第1端(-Y側端)はゲートバスバー22に接続されている。ゲート配線18b1はゲートフィンガ14aとゲート配線18aとを接続する。ゲート配線18b2はゲートフィンガ14cとゲート配線18aとを接続する。ゲートフィンガ14bおよび14dの第2端(+Y側端)はゲート配線18b1および18b2に接続されていない。
【0024】
半導体装置が例えば窒化物半導体装置の場合、基板10aは例えばSiC基板、シリコン基板、GaN基板またはサファイア基板である。半導体層10bは例えばGaN層、AlGaN層および/またはInGaN層等の窒化物半導体層を含む。半導体装置が例えばGaAs系半導体装置の場合、基板10aは例えばGaAs基板である。半導体層10bは例えばGaAs層、AlGaAs層および/またはInGaAs層等の砒化物半導体層を含む。オーミック金属層40は、金属膜であり、例えば基板10側から密着膜(例えばチタン膜)およびアルミニウム膜である。ゲート金属層45は、金属膜であり、例えば基板10側から密着膜(例えばニッケル膜)および金膜である。低抵抗層50は、金属層であり、例えばバリア層(例えばチタンタングステン膜)および金膜である。ソースフィンガ12a~12c、ドレインフィンガ16aおよび16bは低抵抗層50を備えていなくてもよい。ゲート配線18aはゲート金属層45を備えていなくてもよい。ゲートバスバー22は、ゲート金属層45と低抵抗層50を有していてもよいし、低抵抗層50を有しゲート金属層45を有していなくてもよい。ドレインバスバー24は、オーミック金属層40と低抵抗層50を有していてもよいし、低抵抗層50を有しオーミック金属層40を有していなくてもよい。ビア20および金属層28は例えば基板10側から密着層および金層である。絶縁膜26は例えば窒化シリコン膜である。
【0025】
ソースフィンガ12aのX方向における幅W2aは例えば50μm~100μmであり、Y方向における長さL2aは例えば100μm~400μmである。ソースフィンガ12bおよび12cのX方向における幅W2bは例えば5μm~20μmであり、Y方向における長さL2bは例えば110μm~410μmである。ゲートフィンガ14a~14dのX方向におけるゲート長Lgは例えば0.25μm~2μmである。ドレインフィンガ16aおよび16bのX方向における幅W6は例えば5μm~100μmである。ゲート配線18aの幅W8aは例えば5μm~20μmである。ゲート配線18b1および18b2の幅W8bは例えば5μm~20μmである。単位FET32aおよび32cのゲート幅Wgaは例えば100μm~400μmであり、単位FET32bおよび32dのゲート幅Wgbは例えば100μm~400μmである。ビア20の幅W20は例えば10μm~60μmである。
【0026】
図7は、実施例1に係る半導体装置の平面拡大図である。
図7に示すように、ゲートフィンガ14aがゲート配線18b1に接続する第1箇所におけるゲート配線18b1のY方向の幅W8cは、ソースフィンガ12aと12bとの間の第2箇所におけるゲート配線18b1のY方向の幅W8dより小さい。ゲート配線18b1のY方向における幅は、-X方向に行くにしたがい直線的に大きくなる。活性領域11c1からゲートフィンガ14bが突出する距離はL4aであり、ゲートフィンガ14bとゲート配線18b1とのY方向における距離はL8aであり、ゲートフィンガ14bとゲート配線18b1との最短距離はL8bである。幅W8cは例えば1μm~5μmであり、幅W8cは例えば5μm~20μmである。距離L4aは例えば1μm~10μmであり、距離L8aおよびL8bは例えば5μm~20μmである。
【0027】
図8は、比較例1に係る半導体装置の平面拡大図である。
図8に示すように、比較例1では、ゲート配線18b1の平面形状は矩形である。ゲート配線18b1の幅はW8bであり、活性領域11c1からゲートフィンガ14bが突出する距離はL4aであり、ゲートフィンガ14bとゲート配線18b1とのY方向における距離はL8cである。
【0028】
図1および
図6において、ゲートバスバー22に高周波信号が入力すると、高周波信号はゲートバスバー22からゲートフィンガ14bおよび14dに供給される。また、高周波信号はゲートバスバー22からゲート配線18a、18b1および18b2を介しそれぞれゲートフィンガ14aおよび14cに供給される。ゲート配線18b1および18b2とゲートフィンガ14bおよび14dとが接続されている場合、ゲート配線18b1および18b2からゲートフィンガ14bおよび14dにそれぞれ高周波信号が供給される。これにより、ゲートフィンガ14bおよび14dに、ゲートバスバー22から供給される高周波信号と、ゲート配線18b1および18b2から供給される高周波信号と、では位相が異なる。このため、損失の増大等が生じ高周波特性が劣化してしまう。
【0029】
比較例1では、ゲート配線18b1および18b2とゲートフィンガ14bおよび14dとが接続されていない。これにより、ゲート配線18b1および18b2からゲートフィンガ14bおよび14dにそれぞれ高周波信号が供給されない。よって、高周波特性の劣化を抑制できる。また、ゲートフィンガ14bおよび14dの第1端(-Y側端)はゲートバスバー22に接続され、第2端(+Y側端)はゲート配線18b1および18b2から離れている。これにより、ゲートバスバー22からゲートフィンガ14bおよび14dに供給されるゲート信号とゲート配線18a、18b1および18b2からゲートフィンガ14aおよび14cに供給されるゲート信号には位相差が生じる。しかし、ゲートフィンガ14a~14dには同じ-Y方向からゲート信号が供給され、ドレインフィンガ16aおよび16bから+Y方向に信号が出力される。これにより、位相差による損失を抑制できる。よって、高周波特性を向上させることができる。
【0030】
ゲートフィンガ14bは活性領域11c1から距離L4a突き出している。ゲート配線18b1とゲートフィンガ14bとが近づくと、ゲート配線18b1を伝送する高周波信号がゲートフィンガ14bに漏洩するため、高周波特性が劣化する。これを抑制するため、ゲート配線18b1とゲートフィンガ14bとの間は距離L8c離れている。ゲート配線18b1と活性領域11c1とは距離L4a+L8c離れることになる。これにより、基板10が大型化してしまう。
【0031】
実施例1によれば、
図7のように、ゲートフィンガ14aがゲート配線18b1に接続する第1箇所におけるY方向のゲート配線18b1の幅W8cは、ソースフィンガ12aと12bとの間に位置する第2箇所におけるY方向のゲート配線18b1の幅W8dより小さい。Y方向における第1箇所のゲートフィンガ14b側(-Y側)端Y1は、Y方向における第2箇所のゲートフィンガ14b側(-Y側)端Y2より、ゲートフィンガ14a側(+Y側)に位置する。これにより、ゲート配線18b1とゲートフィンガ14bとの距離L8aおよびL8bを比較例1の距離L8cと同程度確保しても、活性領域11c1をゲート配線18b1に近づけることができる。よって、基板10の面積を小さくでき、半導体装置を小型化できる。また、比較例1と実施例1とで、基板10の面積を同じとする場合、実施例1では比較例1に比べ、活性領域11c1のY方向における幅Wgbを大きくできる。よって、出力を大きくできる。小型化の観点から、幅W8cは幅W8dの2/3以下が好ましく、1/2以下がより好ましい。ゲート配線18b1の低抵抗化の観点から幅W8cは幅W8dの1/10以上が好ましい。
【0032】
比較例1において、幅W8bを小さくすることも考えられる。しかし、幅W8bを小さくすると、ゲート配線18b1の抵抗が高くなり、高周波特性が劣化する。実施例1では、ゲート配線18b1の幅W8dを大きくできるため、ゲート配線18b1の抵抗を低くでき、高周波特性の劣化を抑制できる。
【0033】
また、X方向からみて、ゲートフィンガ14bの一部とゲート配線18b1の一部とは重なる。すなわち、ゲートフィンガ14bの+Y側の端はY1とY2との間に位置する。これにより、活性領域11c1をゲート配線18b1により近づけることができる。よって、半導体装置をより小型化できる。
【0034】
図1および
図6のように、ゲートバスバー22には、ゲートフィンガ14bおよび14dが接続される。ゲート配線18a(第2ゲート配線)は、ゲート配線18b1および18b2とゲートバスバー22とを接続する。この場合、ゲートフィンガ14bがゲート配線18b1と接続すると、高周波特性が劣化する。そこで、ゲートフィンガ14bとゲート配線18b1とを分離すると、比較例1のように、半導体装置が大型化する。よって、
図7のように、ゲート配線18b1の幅W8cを幅W8dより小さくすることが好ましい。
【0035】
図1および
図6のように、ゲート配線18aとゲートフィンガ14bとはソースフィンガ12bを挟む。これにより、平面視においてゲート配線18aとソースフィンガ12bとが平面視において重ならない。このため、ゲート・ソース容量を抑制でき、高周波特性を向上できる。
【0036】
ソースフィンガ12aのX方向における幅W2aを広く設計することがある。例えば、ソースフィンガ12aにビア20によりソース電位を供給することにより、ソースインダクタンスを小さくできる。しかし、ソースフィンガ12aの幅W2aが広くなる。一方、ソースフィンガ12bおよび12cがY方向にソース電位を供給するための幅W2bは幅W2aほど広くなくてもよい。そこで、
図1のように、ソースフィンガ12bの幅W2bはソースフィンガ12aの幅W2aより小さく、ゲート配線18aのX方向の幅W8aはソースフィンガ12aの幅W2a内に収まる。すなわち、Y方向から見ると、ゲート配線18a、ソースフィンガ12bおよび12cは、ソースフィンガ12aに重なり、ソースフィンガ12a以外の領域には重ならない。これにより、ゲート配線18aを設けても、半導体装置のX方向の幅を抑制できる。よって、半導体装置を小型化できる。
【0037】
ビア20は、基板10を貫通し、ソースフィンガ12aと基板10下に設けられた金属層28とを接続する。このように、ビア20をソースフィンガ12aに直接接続すると、ソースフィンガ12aの幅W2aが広くなる。このため、ゲート配線18aをソースフィンガ12bと12cの間に設けることができる。
【0038】
ソース配線19bは、ソースフィンガ12aと12bとを接続し、ゲート配線18b1と非接触に交差する。これにより、ソースフィンガ12aと12bが電気的に接続され、かつゲート配線18b1からゲートフィンガ14aに高周波信号を供給できる。
【0039】
基板10内の半導体層10bが活性化され互に分離された活性領域11b(第1活性領域)および活性領域11c1(第2活性領域)と、活性領域11bと11c1との間に設けられ半導体層10bが不活性化された不活性領域11aと、が設けられている。ソースフィンガ12a、ゲートフィンガ14aおよびドレインフィンガ16a1は活性領域11b上に設けられている。ソースフィンガ12b、ゲートフィンガ14bおよびドレインフィンガ16a2は活性領域11c1上に設けられている。ゲート配線18b1は不活性領域11a上に設けられている。これにより、ゲート配線18b1によるゲート・ソース容量を低減でき、高周波特性を向上できる。
【0040】
図6のように、FET32cおよび32dにおいても、ゲートフィンガ14cがゲート配線18b2に接続する第3箇所におけるY方向のゲート配線18b2の幅は、ソースフィンガ12aとソースフィンガ12cとの間に位置する第4箇所におけるY方向のゲート配線18b2の幅より小さい。Y方向における第3箇所のゲートフィンガ14d側(-Y側)端は、Y方向における第4箇所のゲートフィンガ14d側(-Y側)端より、ゲートフィンガ14c側(+Y側)に位置する。これにより、半導体装置を小型化できる。
【0041】
[実施例1の変形例1]
図9は、実施例1の変形例1に係る半導体装置の平面拡大図である。
図9に示すように、ゲート配線18b1のうち、+X側の部分のY方向における幅W8cは一定であり、-X側の部分のY方向における幅W8cは一定である。ゲートフィンガ14bとゲート配線18b1とのX方向の距離はL8dである。ゲート配線18b2についても同様である。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。実施例1の変形例1においても、距離L8dを距離L8aと同程度とすることで、ゲート配線18b1からゲートフィンガ14bへの高周波信号の漏洩を抑制できる。かつ、半導体装置を小型化できる。
【0042】
[実施例1の変形例2]
図10は、実施例1の変形例2に係る半導体装置の平面拡大図である。
図10に示すように、ゲートフィンガ14aがゲート配線18b1に接続される第1箇所から-X方向に向かうにしたがいゲート配線18b1の幅が曲線的に大きくなる。ゲート配線18b1の-Y側の辺は、ゲートフィンガ14bの+Y側の端を中心とする略円形の外周である。これにより、ゲートフィンガ14bとゲート配線18b1との最短距離L8bは距離L8aとL8dはほぼ同じとなる。ゲート配線18b2についても同様である。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
【0043】
実施例1およびその変形例1のように、ゲート配線18b1は、第1箇所から第2箇所に向かうにしたがいY方向の幅が徐々に大きくなる。これにより、ゲート配線18b1の面積を大きくでき、ゲート抵抗を抑制できる。実施例1の変形例2のように、ゲート配線18b1の-Y側の辺をゲートフィンガ14bの+Y側端を中心とする略円形の外周とする。これにより、ゲート配線18b1の面積をより大きくでき、ゲート抵抗をより抑制できる。
【0044】
[実施例2]
図11は、実施例2に係る半導体装置における活性領域、オーミック金属層およびゲート金属層を示す平面図である。
図11に示すように、実施例2では、活性領域11c1と11c2(
図6参照)とが一体になり活性領域11cが設けられている。ソースフィンガ12bと12c(
図6参照)とが一体となりソースフィンガ12bcが設けられている。ソースフィンガ12bcのX方向における幅は、ソースフィンガ12aのX方向における幅とほぼ同じである。活性領域11cは、X方向に帯状に延伸している。ゲート配線18aは、低抵抗層50により形成され、ソースフィンガ12bcの上方に絶縁膜26を介し設けられている。その他の構成は、実施例1と同じであり説明を省略する。
【0045】
実施例2のように、平面視において、ゲート配線18aはソースフィンガ12bcと重なっていてもよい。実施例2では、ゲート・ソース容量が大きくなる。よって、実施例1のように、平面視において、ゲート配線18aはソースフィンガ12bおよび12cと重ならないことが好ましい。
【0046】
実施例1、2およびその変形例では、X方向に4つの単位FETが配列する例を説明したが、X方向における単位FETの個数は1個でもよいし、2個、3個または5個以上でもよい。X方向に配列された4つの単位FETを1グループとし、X方向に複数のグループが配列されていてもよい。1つのソースフィンガ12aにビア20が1つの例を説明したが、1つのソースフィンガ12aに複数のビア20が設けられていてもよい。
【0047】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0048】
10、10a 基板
10b 半導体層
11、11c2 活性領域
11a 不活性領域
11b 活性領域(第1活性領域)
11c1 活性領域(第2活性領域)
12a~12c ソースフィンガ(第1~第3ソースフィンガ)
12bc ソースフィンガ
14a~14d ゲートフィンガ(第1~第4ゲートフィンガ)
16a、16b ドレインフィンガ
16a1、16a2、16b1、16b2 ドレインフィンガ(第1~第4ドレインフィンガ)
18a ゲート配線(第2ゲート配線)
18b1 ゲート配線(第1ゲート配線)
18b2 ゲート配線(第3ゲート配線)
19b ソース配線(第1ソース配線)
19c ソース配線(第2ソース配線)
20 ビア
22 ゲートバスバー
24 ドレインバスバー
26 絶縁膜
28 金属層
30a~30b FET領域
32a~32d 単位FET
40 オーミック金属層
45 ゲート金属層
50 低抵抗層
【手続補正書】
【提出日】2022-03-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に設けられた第1ソースフィンガと、
前記第1ソースフィンガの幅方向に隣接して前記基板上に前記第1ソースフィンガに沿って設けられた第1ゲートフィンガと、
前記基板上に設けられ、前記第1ソースフィンガとで、前記第1ゲートフィンガを挟む第1ドレインフィンガと、
前記第1ソースフィンガから前記第1ソースフィンガが延伸する延伸方向に位置する前記基板の領域上に設けられ、前記延伸方向に延伸する第2ソースフィンガと、
前記第2ソースフィンガの前記幅方向に隣接して前記第1ゲートフィンガから前記延伸方向に位置する前記基板の領域上に前記第2ソースフィンガに沿って設けられた第2ゲートフィンガと、
前記基板上に設けられ、前記第2ソースフィンガとで、前記第2ゲートフィンガを挟む第2ドレインフィンガと、
前記基板上に設けられ、前記第1ゲートフィンガの第1端と接続し、前記第2ゲートフィンガとは接続されず、前記幅方向に延伸する第1ゲート配線と、
を備え、
前記第1ゲートフィンガが前記第1ゲート配線に接続する第1箇所における前記延伸方向の前記第1ゲート配線の幅は、前記第1ソースフィンガと前記第2ソースフィンガとの間に位置する第2箇所における前記延伸方向の前記第1ゲート配線の幅より小さく、
前記延伸方向における前記第1箇所の前記第2ゲートフィンガ側端は、前記延伸方向における前記第2箇所の前記第2ゲートフィンガ側端より、前記第1ゲートフィンガ側に位置する半導体装置。
【請求項2】
前記幅方向からみて、前記第2ゲートフィンガの一部と前記第1ゲート配線の一部とは重なる請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1ゲート配線は、前記第1箇所から前記第2箇所に向かうにしたがい前記延伸方向の幅が徐々に大きくなる請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記基板上に設けられ、前記第2ゲートフィンガが接続されるゲートバスバーと、
前記第1ゲート配線と前記ゲートバスバーとを接続し、前記延伸方向に延伸する第2ゲート配線と、
を備える請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第2ゲート配線と前記第2ゲートフィンガとは前記第2ソースフィンガを挟む請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第2ソースフィンガの幅は前記第1ソースフィンガの幅より小さく、
前記第2ゲート配線の前記幅方向の幅は前記第1ソースフィンガの幅内に収まる請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記基板を貫通し、前記第1ソースフィンガと前記基板下に設けられた金属層とを接続するビアを備える請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1ソースフィンガと前記第2ソースフィンガとを接続し、前記第1ゲート配線と非接触に交差するソース配線を備える請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記基板は、前記基板内の半導体層が活性化され互に分離された第1活性領域および第2活性領域と、前記第1活性領域と前記第2活性領域との間に設けられ前記半導体層が不活性化された不活性領域と、を備え、
前記第1ソースフィンガ、前記第1ゲートフィンガおよび前記第1ドレインフィンガは前記第1活性領域上に設けられ、
前記第2ソースフィンガ、前記第2ゲートフィンガおよび第2ドレインフィンガは前記第2活性領域上に設けられ、
前記第1ゲート配線は前記不活性領域上に設けられている請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第1ソースフィンガの幅方向に隣接して前記基板上に前記第1ソースフィンガに沿って設けられ、前記第1ゲートフィンガとで前記第1ソースフィンガを挟む第3ゲートフィンガと、
前記基板上に設けられ、前記第1ソースフィンガとで、前記第3ゲートフィンガを挟む第3ドレインフィンガと、
前記基板上に設けられ、前記第1ソースフィンガの幅より小さい幅を有し、前記幅方向の幅が前記第1ソースフィンガの幅内に収まり、前記第1ソースフィンガに対し前記第2ソースフィンガと同じ側に設けられ、前記延伸方向に延伸する第3ソースフィンガと、
前記第3ソースフィンガの前記幅方向に隣接して前記第3ゲートフィンガから前記延伸方向に位置する前記基板の領域上に前記第3ソースフィンガに沿って設けられた第4ゲートフィンガと、
前記基板上に設けられ、前記第3ソースフィンガとで、前記第4ゲートフィンガを挟む第4ドレインフィンガと、
前記基板上に設けられ、前記第3ゲートフィンガの第1端と接続し、前記第4ゲートフィンガとは接続されず、前記幅方向に延伸する第3ゲート配線と、
を備え、
前記第3ゲートフィンガが前記第3ゲート配線に接続する第3箇所における前記延伸方向の前記第3ゲート配線の幅は、前記第1ソースフィンガと前記第3ソースフィンガとの間に位置する第4箇所における前記延伸方向の前記第3ゲート配線の幅より小さく、
前記延伸方向における前記第3箇所の前記第4ゲートフィンガ側端は、前記延伸方向における前記第4箇所の前記第4ゲートフィンガ側端より、前記第3ゲートフィンガ側に位置する請求項8または請求項9に記載の半導体装置。