IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 国誉商▲業▼(上海)有限公司の特許一覧

<>
  • 特開-梱包物開梱用カッター 図1
  • 特開-梱包物開梱用カッター 図2
  • 特開-梱包物開梱用カッター 図3
  • 特開-梱包物開梱用カッター 図4
  • 特開-梱包物開梱用カッター 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022135976
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】梱包物開梱用カッター
(51)【国際特許分類】
   B26B 27/00 20060101AFI20220908BHJP
【FI】
B26B27/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022026068
(22)【出願日】2022-02-22
(31)【優先権主張番号】202110247326.4
(32)【優先日】2021-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522071038
【氏名又は名称】国誉商▲業▼(上海)有限公司
【氏名又は名称原語表記】KOKUYO Commerce (Shanghai) Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room203 2F TowerB,SIM Technology Building,Lane 633,JinZhong Road,Changning District,Shanghai 200335,China
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100094145
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 由己男
(72)【発明者】
【氏名】井川 英志
【テーマコード(参考)】
3C061
【Fターム(参考)】
3C061AA03
3C061AA16
3C061AA41
3C061BA03
3C061CC05
3C061EE05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】構造が簡単であって、コストが低く、安全に使用できる梱包物開梱用カッターを提供する。
【解決手段】梱包物開梱用カッターは、カッター本体と、カッター本体の少なくとも一部に一体で形成され、先端部が梱包物に切り込み可能である刃部と、カッター本体31と一体で形成され、刃部の切り込み深さを所定の深さに規制する規制部32と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
梱包物を開梱するためのカッターであって、
カッター本体と、
前記カッター本体の少なくとも一部に一体で形成され、先端部が梱包物に切り込み可能である刃部と、
前記カッター本体と一体で形成され、前記刃部の切り込み深さを所定の深さに規制する規制部と、
を備える梱包物開梱用カッター。
【請求項2】
前記カッター本体、前記刃部、及び前記規制部は樹脂によって形成されている、請求項1に記載の梱包物開梱用カッター。
【請求項3】
前記刃部は、前記カッター本体の一端に形成されている、請求項1に記載の梱包物開梱用カッター。
【請求項4】
前記刃部は、前記カッター本体の前記刃部以外の非刃部領域に対して凹んでおり、前記刃部と前記非刃部領域との間には段差が形成されている、請求項3に記載の梱包物開梱用カッター。
【請求項5】
前記刃部は、先端に刃先を有しており、
前記規制部は、前記刃部の前記刃先とは逆側の背部に形成されている、
請求項1に記載の梱包物開梱用カッター。
【請求項6】
前記刃部と前記規制部とは、長手方向に沿って見てT字状である、請求項1に記載の梱包物開梱用カッター。
【請求項7】
前記規制部は、前記刃部よりも長手方向に突出している、請求項3に記載の梱包物開梱用カッター。
【請求項8】
用具本体をさらに備え、
前記カッター本体は、前記用具本体に対して開いた使用姿勢と、前記用具本体の内部に収納された収納姿勢と、を取り得る、
請求項1から7のいずれかに記載の梱包物開梱用カッター。
【請求項9】
前記用具本体は、前記規制部が嵌まり込む凹部を有しており、
前記凹部には前記カッター本体を挿入可能な溝が形成されている、
請求項8に記載の梱包物開梱用カッター。
【請求項10】
前記規制部の外表面は、前記収納姿勢において前記用具本体の外表面に沿った形状である、請求項9に記載の梱包物開梱用カッター。
【請求項11】
前記用具本体は、前記収納姿勢の前記規制部を把持して引き出すための、内側に窪む第1窪み部を有している、請求項10に記載の梱包物開梱用カッター。
【請求項12】
前記第1窪み部は前記収納姿勢の前記刃部から離れた位置に形成されている、請求項11に記載の梱包物開梱用カッター。
【請求項13】
前記規制部は、前記第1窪み部と対応する位置に、反対方向へ窪む第2窪み部を有する、請求項12に記載の梱包物開梱用カッター。
【請求項14】
前記用具本体及び前記カッター本体に設けられた保持機構をさらに備え、
前記保持機構は、前記カッター本体を、前記使用姿勢と前記収納姿勢とに保持可能である、
請求項8に記載の梱包物開梱用カッター。
【請求項15】
前記規制部は、外表面が外側に膨らむ曲面であり、前記刃部は前記規制部の内側面に形成されている、請求項5に記載の梱包物開梱用カッター。
【請求項16】
前記用具本体は、梱包物に印字された情報を隠すための情報隠蔽機構を有している、請求項8に記載の梱包物開梱用カッター。
【請求項17】
前記情報隠蔽機構は、回転可能なローラを有しており、
前記カッター本体の開閉軸と前記ローラの回転軸とは平行である、
請求項16に記載の梱包物開梱用カッター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカッターに関し、特に梱包物を開梱するための梱包物開梱用カッターに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットショッピングの発展に伴い、大量の商品が紙箱等の梱包材で梱包された後に消費者の手元に送られ、消費者が小包を受け取った後に開梱作業を行う回数が急速に増加している。
【0003】
そこで、従来、梱包物を開梱する際に用いられるカッターが知られている(例えば特許文献1)。中国実用新案公告第206066499号には、カッターが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国実用新案公告公報第206066400号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、消費者が使用しているハサミ、カッター等は、開梱専用の用具ではないため、作業効率が低い状況が存在し、且つ使用者が手に怪我をする又は紙箱等の梱包材内の商品が損傷する可能性がある。
【0006】
例えば特許文献1のカッターでは、先端部で粘着テープを突き刺して粘着テープに隙間を形成した後、切断ヘッドを隙間に挿入し、刃部が粘着テープに当たるように切断ヘッドの位置を調整して、刃部で粘着テープを切断する。このような特許文献1のカッターは様々な部品で構成されるため、製造工程が複雑でコストが高いという問題が存在する。また、従来のカッターにおいて、刃部は一般的に金属ブレードで形成されるため、危険性が比較的高く、使用者は使用時に特に注意する必要がある。
【0007】
本発明の課題は、構造が簡単であって、コストが低く、安全に使用できるカッターを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る梱包物を開梱するための梱包物開梱用カッターは、カッター本体と、カッター本体の少なくとも一部に一体で形成され、先端部が梱包物に切り込み可能である刃部と、カッター本体と一体で形成され、刃部の切り込み深さを所定の深さに規制する規制部と、を備える。
【0009】
好ましくは、カッター本体、刃部及び規制部は、樹脂で形成される。金属カッターに比べて、樹脂で形成されたカッターは安全である。
【0010】
好ましくは、刃部はカッター本体の一端に形成されている。
【0011】
好ましくは、刃部は、カッター本体の刃部以外の非刃部領域に対して凹んでおり、刃部と非刃部領域との間には段差が形成されている。段差によりカッターの非刃部領域が梱包物に入ることを防止することができ、すなわちカッターが過度に深く梱包物に入ることを防止することができ、刃部が梱包物内の商品を損傷することを防止できる。
【0012】
好ましくは、刃部は先端に刃先を有する。
【0013】
好ましくは、規制部は刃部の刃先とは逆側の背部に形成されている。
【0014】
好ましくは、刃部と規制部とは、長手方向に沿って見てT字状である。
【0015】
好ましくは、規制部は、刃部よりも長手方向に突出している。
【0016】
好ましくは、梱包物開梱用カッターは、用具本体をさらに備え、カッター本体は、用具本体に対して開いた使用姿勢と、用具本体の内部に収納された収納姿勢とを取り得る。
【0017】
好ましくは、用具本体は、規制部が嵌まり込む凹部を有しており、凹部にはカッター本体を挿入可能な溝が形成されている。カッターを収納することができるので、収納姿勢での安全性を向上させることができる。
【0018】
好ましくは、規制部の外表面は、収納姿勢において用具本体の外表面に沿った形状である。
【0019】
好ましくは、用具本体は、収納姿勢の規制部を把持して引き出すための、内側に窪む第1窪み部を有している。窪み部が設けられているので、使用者は制限部を把持しやすく、操作しやすい。
【0020】
好ましくは、第1窪み部は収納姿勢の刃部から離れた位置に形成されている。使用者が把持する部分を刃部から遠ざけることで、安全性を高めることができる。
【0021】
好ましくは、規制部は、第1窪み部と対応する位置に、反対方向へ窪む第2窪み部を有する。使用者が把持するための空間を大きくすることにより、使用者が規制部を把持しやすくすることができる。
【0022】
好ましくは、梱包物開梱用カッターは、用具本体及びカッター本体に設けられた保持機構をさらに備え、保持機構は、カッター本体を、使用姿勢と収納姿勢とに保持可能である。保持機構により、収納姿勢においてカッターが不意に開くことを防止することができるので、安全性を向上させることができ、且つ使用姿勢を保持することができるため、使用利便性を向上させることができる。
【0023】
好ましくは、規制部は、外表面が外側に膨らむ曲面であり、刃部は規制部の内側面に形成されている。
【0024】
好ましくは、用具本体は、梱包物に印字された情報を隠すための情報隠蔽機構を有している。
【0025】
好ましくは、情報隠蔽機構は、回転可能なローラを有しており、カッター部の開閉軸とローラの回転軸とは平行である。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、構造が簡単で、コストが低く、安全に使用できるカッターを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施形態に係るカッターを備える開梱用具の斜視図である。
図2】カッターを開けた状態の開梱用具の斜視図である。
図3】カッターの斜視図である。
図4】第1ケースを省略した開梱用具の上部の部分側面図である。
図5】第1ケースを省略した開梱用具の上部の部分側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るカッターを備えた開梱用具の収納姿勢の斜視図である。図2は、カッターを開けた状態の開梱用具の斜視図である。図1に示すように、開梱用具は、第1ケース41及び第2ケース42で構成されたケースと、カッター3と、を備える。また、開梱用具の下部には、図示しないローラを有する塗布部がさらに設けられている。塗布部は、梱包箱に印刷又は筆記された個人情報を隠すためのものである。
【0029】
まず、開梱用具のケースについて説明する。図1及び図2に示すように、ケース全体は略卵形状を呈し、第1ケース41及び第2ケース42で構成される。第1ケース41の側部には、使用者が把持するための窪み部415が形成されている。また、図示しないが、第2ケース42にも、第1ケース41の窪み部415に対応する使用者が把持するための窪み部が形成されている。各窪み部は、表面から内部に凹むように形成されている。
【0030】
図2に示すように、第1ケース41の第2ケース42との合わせ面において、頂部から側部までには、凹部414が形成されている。この凹部414と対応する第2ケース42の部分には、凹部424が形成されている。第1ケース41及び第2ケース42の合わせ面において、凹部414と凹部424との間には、溝43が形成されている。凹部414、凹部424及び溝43は、収納姿勢においてカッター3を収納するためのものである。また、溝43の両側には、凹部414、凹部424及び溝43の下端よりも上方の位置において、第1ケース41に窪み部411が形成され、第2ケース42に窪み部421が形成されている。窪み部411と窪み部421は互いに対称であり、これらにより略楕円状の窪みを形成している。
【0031】
次に、図3を参照しながら、カッター3について説明する。図3に示すように、カッター3は主に、カッター本体31及び規制部32で構成されている。カッター本体31と規制部32とは、射出成形により樹脂で一体に形成されている。樹脂は、例えばABS等の一定の硬度を有する樹脂を採用することができる。カッター3が樹脂で形成されるため、カッター3が金属で形成される場合に比べて、安全である。カッター本体31は板状に形成され、刃部が形成されていない側(詳細には、後述する第2刃部333とは逆側の背部)に、長尺状の規制部32が形成されている。規制部32はカッター本体31に対して垂直に延びており、端部から見て、規制部32とカッター本体31とはT字状である。
【0032】
図3に示すように、規制部32は、後述する第1刃部332よりも長手方向に突き出た形状に形成されている。図1に示すように、窪み部411及び窪み部421に対応する位置において、規制部32には、窪み部411及び窪み部421の窪み方向と反対の方向に窪む窪み部321が形成されている。また、規制部32は、先端部322と後端部323とをさらに有する。
【0033】
カッター本体31の先端には刃部が形成され、刃部は、第1刃部332、第2刃部333、及び第1刃部332と第2刃部333との間に位置する刃先331で構成される。刃部は、先細りの形状を有している。先に説明したように、カッター3は射出成形により形成されるため、刃部は金型の型合わせ面により、容易に形成することができる。図3及び図5に示すように、規制部32の先端部322は、第1刃部332に比べて長手方向に突出するため、カッター3を用いて梱包箱を開梱する時、梱包箱に貼り付けられた粘着テープ等の開封が必要な箇所に使用者が刃部を挿入して、刃先331で粘着テープを突き刺すと、刃部が梱包箱に入り、規制部32の先端部322が梱包箱に当接する。これにより、カッター3が梱包箱に入る深さが制限されるので、梱包箱内の被梱包物の損傷を防止することができる。
【0034】
また、第2刃部333とカッター本体31の非刃部領域との間には、段差38が形成され、第2刃部333は非刃部領域に対して凹んでいる。したがって、使用時に、梱包箱に貼り付けられた粘着テープ等の開封が必要な箇所に使用者が刃部を挿入し、刃先331で粘着テープを突き刺した後、第2刃部333側を梱包箱の内部に入れた結果、規制部32の先端部322と梱包箱とが接触しない状況が発生しても(すなわち、規制部32の先端部322によりカッター3の切り込み深さが制限されなかったとしても)、段差38の存在により、刃物がさらに梱包箱の内部に進入することを防止することができ、これにより梱包箱内の被梱包物等の損傷を防止することができる。
【0035】
次に、カッター3をケースに取り付けるための、且つカッター3を保持するための保持機構の部分について説明する。図3に示すように、カッター本体31の後端には、略円形の接続部3aが形成されている。接続部3a側の中央部には、中空の円筒部37が形成されており、円筒部37の内側には孔371が形成されている。図4及び図5に示すように、カッター3は、孔371を介して第2ケース42の軸422に回転可能に取り付けられる。軸422は、先に説明した塗布部のローラの回転軸と平行である。両者の回転軸が平行であるため、使用時に操作しやすい。円筒部37と規制部32との間には、補強部36が形成されている。接続部3aの側面には、外側に突出する突起34及び突起35が形成されている。突起34及び突起35は、カッター3の回転に伴って、第2ケース42に形成されたストッパー部423に当接する、又は、ストッパー部423を越える。図4に示すように、突起35は、収納姿勢において、カッター3の使用姿勢への移動を制限するために用いられる。図5に示すように、突起34は、使用姿勢において、カッター3の収納姿勢への移動を制限するために用いられる。これにより、カッター3を図1に示す使用姿勢及び図2に示す収納姿勢に保持することができる。また、図示しないが、第2ケース42には、規制部32の後端部323と係合するための係合部がさらに形成されており、該係合部は、カッター3の突起34がストッパー部423を越えた後、過度に開き方向へ移動することを制限するために用いられる。これにより、カッター3を適切な使用姿勢に保持することができる。
【0036】
また接続部3aの突起34、突起35に対応する位置には、接続部3aの外形に類似した円弧形の肉抜き部39が形成されている。肉抜き部39を設けることにより、使用者による把持部の操作によって突起34及び突起35がストッパー部423を越える時に、使用者が大きな力を入れる必要はなく、接続部3aの突起34又は突起35に近接する部分の変形により突起34又は突起35がストッパー部423を越え、カッター3の開閉操作を容易なものにすることができる。
【0037】
カッター3は、ケースに対して使用姿勢及び収納姿勢を取ることができる。次に、使用姿勢及び収納姿勢について、それぞれ説明する。
【0038】
図1及び図4に示すように、収納姿勢において、規制部32は、第1ケース41に形成された凹部414及び第2ケース42に形成された凹部424に収納される。この状態では、窪み部321を除いて、規制部32の表面がケース表面と略一致しているので、収納姿勢において、開梱用具全体の外形を略一致するように保つことができ、見た目が美しい。カッター本体31は、第1ケース41と第2ケース42との間に形成された溝43に挿入されて、ケースの内側に収容される。また、収納姿勢において突起35がストッパー部423と係合するため、開梱用具を他の容器に収納して携帯している時に揺れ等が発生した場合であっても、カッター3が不意に開いて他の容器を損傷することがなく、カッター3が不意に開くことがない。
【0039】
また図1に示すように、収納姿勢では、窪み部411、窪み部421及び窪み部321により、規制部32と第1ケース41及び第2ケース42との間に、使用者が指で規制部32を把持するための空間が形成される。これにより、使用者は、規制部32を把持してカッター3を容易に引き出し、収納姿勢から使用状態にすることができる。また、上記の、使用者が規制部32を把持するための空間は、カッター3の刃部と重ならないため、使用者が規制部32を把持し、カッター3を引き出して収納姿勢から使用姿勢にする時、刃部に触れにくいので、操作がより安全に行われる。
【0040】
図2及び図5に示すように、使用姿勢において、突起34がストッパー部423によって係止されるため、カッター3が収納姿勢に移動することが阻止され、カッター3を使用姿勢に保持することができる。また、規制部32の後端部323が第2ケース42の図示しない係合部と係合することにより、カッター3が過度に開き方向に開くことを制限することができる。よって、カッター3を適切な使用姿勢に保つことができる。
【0041】
次に、開梱用具を使用する場合について説明する。開梱用具が収納姿勢にある場合、窪み部411、窪み部421及び窪み部321により、規制部32と第1ケース41及び第2ケース42との間に、使用者が指で規制部32を把持するための空間が形成されるため、使用者は該空間により規制部32を容易に把持することができる。突起35がストッパー部423を越えると、カッター3は使用姿勢へと移動し、突起34がストッパー部423を越えると、カッター3は適切な使用姿勢に保持される。使用姿勢において、梱包箱に貼り付けられた粘着テープ等の開封が必要な箇所に使用者が刃部を挿入し、刃先331で粘着テープを突き刺すと、規制部32の先端部322が梱包箱に当接することにより、カッター3がさらに梱包箱内に入ることが制限される。これにより、カッター3が梱包箱内の物品を損傷することを防止することができる。使用者は、刃先331を梱包箱に挿入した状態を保持しながら、梱包箱の粘着テープで封止された隙間に沿ってカッターを移動させて、梱包箱を開梱する。以上、開梱用具を使用して梱包箱を開梱する場合を説明したが、開梱用具を使用して袋状の小包等の他の梱包形態の小包を開梱することもできる。
【0042】
箱の開梱操作を完了した後、使用者が規制部32の窪み部321を把持し、カッター3を閉姿勢に回転させると、突起34及び突起35がストッパー部423を越え、これによりカッター3はケースに収容されて収納姿勢になる。先に説明したように、突起35がストッパー部423によって係止されるため、カッター3が不意に開くことを防止することができ、したがって開梱用具をペンケース又はバッグ内に収納する時の安全性が高まる。
【0043】
[他の実施形態]
以上、本発明の一態様を説明したが、様々な変更を行うことができる。例えば、上記実施形態では、開梱用具の下部に塗布部が設けられている場合について説明したが、開梱用具の下部に他の部材が取り付けられていてもよく、例えば、開梱用具の下部にスタンプ等の部材が取り付けられていてもよい。カッター3の開閉方式について手動による開閉方式を説明したが、カッター3は他の開閉方式を採用してもよく、例えばバネ機構及びロック機構等を設置することによりカッター3を自動的に開くことができる。
【0044】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明に種々の変形及び変更を加えることができる。
【符号の説明】
【0045】
41 第1ケース
42 第2ケース
3 カッター
31 カッター本体
32 規制部
43 溝
図1
図2
図3
図4
図5