(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022135977
(43)【公開日】2022-09-15
(54)【発明の名称】アクリル接着剤
(51)【国際特許分類】
C09J 4/02 20060101AFI20220908BHJP
C08F 2/44 20060101ALI20220908BHJP
C08F 220/10 20060101ALI20220908BHJP
C08F 257/02 20060101ALI20220908BHJP
C08F 292/00 20060101ALI20220908BHJP
C09J 125/04 20060101ALI20220908BHJP
C09J 11/04 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
C09J4/02
C08F2/44 A
C08F2/44 C
C08F220/10
C08F257/02
C08F292/00
C09J125/04
C09J11/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022026103
(22)【出願日】2022-02-22
(31)【優先権主張番号】P 2021035390
(32)【優先日】2021-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002288
【氏名又は名称】三洋化成工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】磯部 真吾
(72)【発明者】
【氏名】前田 和哉
(72)【発明者】
【氏名】服部 麗奈
(72)【発明者】
【氏名】金子 尚史
【テーマコード(参考)】
4J011
4J026
4J040
4J100
【Fターム(参考)】
4J011AA05
4J011AC04
4J011BA04
4J011PA13
4J011PA65
4J011PB22
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4J100AL03R
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4J100DA44
4J100JA03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】水蒸気バリア性及び接着性に優れるアクリル接着剤を提供する。
【解決手段】芳香環を2~4つ有する1官能(メタ)アクリルモノマー(A)、芳香環を2~4つ有する2官能(メタ)アクリルモノマー(B)、構成単量体の80重量%以上がスチレンであるポリマー(C)、炭素数1~8のアルキル鎖を有するアルキル(メタ)アクリレート(D)及び層状珪酸塩(E)を含むアクリル接着剤であって、(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)の合計重量に基づいて(A)の含有量が2~20重量%であり、(B)の含有量が2~20重量%であり、(C)の含有量が2~30重量%であり、(D)の含有量が2~30重量%であり、(E)の含有量が10~40重量%であるアクリル接着剤。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香環を2~4つ有する1官能(メタ)アクリルモノマー(A)、芳香環を2~4つ有する2官能(メタ)アクリルモノマー(B)、構成単量体の80重量%以上がスチレンであるポリマー(C)、炭素数1~8のアルキル鎖を有するアルキル(メタ)アクリレート(D)及び層状珪酸塩(E)を含むアクリル接着剤であって、(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)の合計重量に基づいて(A)の含有量が2~20重量%であり、(B)の含有量が2~20重量%であり、(C)の含有量が2~30重量%であり、(D)の含有量が2~30重量%であり、(E)の含有量が10~40重量%であるアクリル接着剤。
【請求項2】
前記ポリマー(C)の重量平均分子量が5,000~50,000である、請求項1に記載のアクリル接着剤。
【請求項3】
前記層状珪酸塩(E)が4級アンモニウムカチオンを有するスメクタイト及び/又は芳香族アミンを有するスメクタイトである、請求項1又は2に記載のアクリル接着剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクリル接着剤に関する。
【背景技術】
【0002】
有機ELの発光素子は水蒸気に弱いため、発光素子へ重ね合わせる偏光フィルム等に金属メッキを施す事で、水蒸気バリア性を担保している。しかしながら、金属メッキをする事でフィルムにダメージが発生するという課題があった。そこで、金属メッキを施さずに水蒸気バリア性を付与するために、フィルムを張り合わせる接着層に水蒸気バリア性が求められており、スメクタイトを接着剤中に分散させる事が検討されている(特許文献1)。
しかしながら、金属メッキをなくせるほどには水蒸気バリア性が十分ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、金属メッキの必要のない、温度40℃、湿度90%RHの雰囲気下で水蒸気透過性が膜厚100μm時に1g/daym2以下であって水蒸気バリア性が良好であり、接着性が良好なアクリル接着剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は、上記の目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、芳香環を2~4つ有する1官能(メタ)アクリルモノマー(A)、芳香環を2~4つ有する2官能(メタ)アクリルモノマー(B)、構成単量体の80重量%以上がスチレンであるポリマー(C)、炭素数1~8のアルキル鎖を有するアルキル(メタ)アクリレート(D)及び層状珪酸塩(E)を含むアクリル接着剤であって、(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)の合計重量に基づいて(A)の含有量が2~20重量%であり、(B)の含有量が2~20重量%であり、(C)の含有量が2~30重量%であり、(D)の含有量が2~30重量%であり、(E)の含有量が10~40重量%であるアクリル接着剤である。
【発明の効果】
【0006】
本発明のアクリル接着剤は水蒸気バリア性及び接着性に優れるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
<芳香環を2~4つ有する1官能(メタ)アクリルモノマー(A)>
本発明の芳香環を2~4つ有する1官能(メタ)アクリルモノマー(A)としては特に制限はないが、ナフタレン環、アントラセン環、フェノキシベンジル基、パラクミルフェノール基、ビフェニル基、ビスフェノール基、トリフェニルメチル基又はフルオレン基等を有する(メタ)アクリルモノマー等が挙げられる。
【0008】
芳香環を2つ有する1官能アクリルモノマーとしては、
ナフタレン環:ナフトール(メタ)アクリレート、
フェノキシベンジル基:フェノキシベンジル(メタ)アクリレート及びEO(エチレンオキシド、以下同様)変性フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、
ビフェニル環:フェニルフェノール(メタ)アクリルモノマー及びEO変性フェニルフェノール(メタ)アクリルモノマー、
パラクミルフェノール基:EO変性パラクミルフェノール(メタ)アクリレート、
フルオレン基:アクリロイルオキシベンゾフェノン
等が挙げられる。
【0009】
芳香環を3つ有する1官能アクリルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸9-アントリルメチル及びN-(トリフェニルメチル)メタクリルアミド等が挙げられる。
【0010】
芳香環を4つ有する1官能アクリルモノマーとしては、ビスフェノキシエタノールフルオレンモノ(メタ)アクリレート、アクリル酸4’-(ジ-p-トリルアミノ)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル及び1-ピレンメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0011】
芳香環を2~4つ有する1官能(メタ)アクリルモノマー(A)としては、これらの1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、接着性の観点から、好ましくは芳香環を2つ有する1官能アクリルモノマーであり、更に好ましくはフェニルフェノール基を有する(メタ)アクリルモノマーである。
【0012】
<芳香環を2~4つ有する2官能(メタ)アクリルモノマー(B)>
本発明の芳香環を2~4つ有する2官能(メタ)アクリルモノマー(B)としては特に制限はないが、ナフタレン環、アントラセン環、ビフェニル基、ビスフェノール基又はフルオレン基等を有する2官能(メタ)アクリルモノマー等が挙げられる。
【0013】
芳香環を2つ有する2官能アクリルモノマーとしては、
ビスフェノール構造:ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO(プロピレンオキシド、以下同様)変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート及びビスフェノールAグリセロラートジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0014】
芳香環を3つ有する2官能アクリルモノマーとしては、例えば、1,4-ビス[4-(3-アクリロイルオキシプロポキシ)ベンゾイルオキシ]-2-メチルベンゼン等が挙げられる。
【0015】
芳香環を4つ有する2官能アクリルモノマーとしては、例えば、ビスフェノキシエタノールフルオレンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0016】
本発明において、これらの2官能(メタ)アクリルモノマー(B)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、水蒸気バリア性の観点から好ましくは芳香環を4つ有する2官能アクリルモノマーであり、更に好ましくはフルオレン基を有する2官能アクリレートである。
【0017】
本発明の構成単量体の80重量%以上がスチレンであるポリマー(C)としては特に制限はないが、接着性の観点から好ましくは重量平均分子量が5,000~50,000であり、更に好ましくは5,000~15,000である。
また、ポリマー(C)の構成単量体としては、ガスバリア性に影響のない範囲でスチレン以外のモノマーを含んでいてもよい。スチレン以外のモノマーとしては、(メタ)アクリルモノマー等が挙げられる。
(メタ)アクリルモノマーとしては、イソオクチルアクリレート、n-ブチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、イソオクチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート及びイソプロピルメタクリレート等が挙げられる。
ポリマー(C)の構成単量体として、スチレンの含有量は80重量%以上であり、好ましくは90重量%以上である。スチレンの含有量が80重量%未満であると、水蒸気バリア性が低下するという問題がある。
ポリマー(C)の構成単量体として、スチレン以外のモノマーの含有量は20重量%以下であり、好ましくは10重量%以下である。
本発明において、ポリマー(C)の重量平均分子量(Mwと略記する場合がある)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて以下の条件で測定する。
[数平均分子量測定]
装置:「HLC-8120GPC」[東ソー(株)製]
カラム:「Guardcolumn HXL-H」(1本)、「TSKgel GMHXL」(2本)[いずれも東ソー(株)製]
試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:100μL
流量:1mL/分
測定温度:40℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリスチレン
【0018】
本発明の炭素数1~8のアルキル鎖を有する(メタ)アクリルモノマー(D)としては特に制限はないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート及び2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのうち、接着性の観点から好ましくは炭素数1~4のアルキル鎖を有する(メタ)アクリルモノマーであり、更に好ましくはメチル(メタ)アクリレート及びブチル(メタ)アクリレートであり、特に好ましくはn-ブチル(メタ)アクリレートである。
【0019】
本発明の層状珪酸塩(E)は特に制限はないが、スメクタイト、バーミキュライト、ハロイサイト及びマイカ等が挙げられる。
層状珪酸塩(E)のうち、透明性の観点から好ましくはスメクタイトであり、更に好ましくは4級アンモニウムカチオンを有するスメクタイト及び芳香族アミンを有するスメクタイトであり、特に好ましくは炭素数4~40のアルキル基を有する4級アンモニウムカチオンを有するスメクタイトである。
前記炭素数4~40のアルキル基を有する4級アンモニウムカチオンとしては、ジオクチルジメチルアンモニウム、ジステアリルジメチルアンモニウム、トリオクチルメチルアンモニウム等のカチオンが挙げられる。前記炭素数4~40のアルキル基の炭素数は水蒸気バリア性の観点から好ましくは4~30である。また、前記4級アンモニウムカチオンが有する炭素数4~40のアルキル基の数は、透明性の観点から好ましくは1~3であり、さらに好ましくは2~3である。
前記芳香族アミンとしては、ナフチルアミン、m-キシレンジアミン、α-(m/p-アミノフェニル)エチルアミン、m-フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン及びα,α-ビス(4-アミノフェニル)-p-ジイソプロピルベンゼン等が挙げられる。
【0020】
芳香環を2~4つ有する1官能(メタ)アクリルモノマー(A)の含有量は、(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)の合計重量に基づいて、2~20重量%であり、好ましくは、10~20重量%であり、更に好ましくは10~15重量%である。
(A)の含有量が2重量%未満であると、水蒸気バリア性が低くなり、20重量%を超えると接着性が低くなる。
芳香環を2~4つ有する2官能(メタ)アクリルモノマー(B)の含有量は、(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)の合計重量に基づいて、2~20重量%であり、好ましくは、10~20重量%であり、更に好ましくは15~20重量%である。
(B)の含有量が2重量%未満であると、水蒸気バリア性が低くなり、20重量%を超えると接着性が低くなる。
構成単量体の80重量%以上がスチレンであるポリマー(C)の含有量は、(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)の合計重量に基づいて、2~30重量%であり、好ましくは、15~30重量%であり、更に好ましくは15~25重量%である。
(C)の含有量が2重量%未満であると、水蒸気バリア性が低くなり、30重量%を超えると接着性が低くなる。
炭素数1~8のアルキル鎖を有するアルキル(メタ)アクリレート(D)の含有量は、(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)の合計重量に基づいて、2~30重量%であり、好ましくは、15重量%~30重量%であり、更に好ましくは15重量%~26重量%である。
(D)の含有量が2重量%未満であると、接着性が低くなり、30重量%を超えると水蒸気バリア性が低くなる。
層状珪酸塩(E)の含有量は、(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)の合計重量に基づいて、10~40重量%であり、好ましくは、20~40重量%であり、更に好ましくは30~40重量%である。
(E)の含有量が10重量%未満であると、水蒸気バリア性が低くなり、40重量%を超えると接着性が低くなる。
【0021】
本発明のアクリル接着剤は、芳香環を2~4つ有する1官能(メタ)アクリルモノマー(A)、芳香環を2~4つ有する2官能(メタ)アクリルモノマー(B)、炭素数1~8のアルキル鎖を有するアルキル(メタ)アクリレート(D)以外のその他のモノマー(F)を含んでいてもよい。
(A)、(B)及び(D)以外のその他のモノマー(F)としては、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート及びトリメチロールプロパントリアクリレート等が挙げられる。
その他のモノマー(F)の含有量は、水蒸気バリア性及び接着性の観点から、(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)の合計重量に基づいて、好ましくは1~10重量部であり、更に好ましくは1~5重量部である。
【0022】
本発明のアクリル接着剤は、芳香環を2~4つ有する1官能(メタ)アクリルモノマー(A)、芳香環を2~4つ有する2官能(メタ)アクリルモノマー(B)、構成単量体の80重量%以上がスチレンであるポリマー(C)、炭素数1~8のアルキル鎖を有するアルキル(メタ)アクリレート(D)、層状珪酸塩(E)及びその他のモノマー(F)の他に、光重合開始剤、熱重合開始剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング剤及びカール抑制剤等の添加剤を含んでいてもよい。
【0023】
光重合開始剤としては、例えば、アシルフォスフィンオキサイドラジカル開始剤、アルキルフェノンラジカル開始剤、ビスイミダゾールラジカル開始剤、オキシムラジカル開始剤、トリアジンラジカル開始剤、ベンゾトリアゾールラジカル開始剤、ベンゾフェノンラジカル開始剤及びチオキサントンラジカル開始剤等が挙げられ、アシルホスフィンオキシドラジカル開始剤が好ましい。
【0024】
アシルホスフィンオキシドラジカル開始剤としては、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイル-エトキシフェニルホスフィンオキシド及びビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
【0025】
アルキルフェノンラジカル開始剤としては、2,2’-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オンなどのベンジルメチルケタール化合物、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}-2-メチルプロパン-1-オンなどのα-ヒドロキシアルキルフェノン化合物、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン及び2-ベンジルメチル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-1-ブタノンなどのアミノアルキルフェノン化合物等が挙げられる。
【0026】
ビイミダゾールラジカル開始剤としては、2,2’-ビス(o-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、2,2’-ビス(o-ブロモフェニル)-4,4’,5,5′-テトラフェニルビイミダゾール、2,2’-ビス(o,p-ジクロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、2,2’-ビス(o-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラ(m-メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’-ビス(o,o’-ジクロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、2,2’-ビス(o-ニトロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、2,2’-ビス(o-メチルフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール及び2,2’-ビス(o-トリフルオロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
【0027】
オキシムラジカル開始剤としては、3-ベンゾイロキシイミノブタン-2-オン、3-アセトキシイミノブタン-2-オン、3-プロピオニルオキシイミノブタン-2-オン、2-アセトキシイミノペンタン-3-オン、2-アセトキシイミノ-1-フェニルプロパン-1-オン、2-ベンゾイロキシイミノ-1-フェニルプロパン-1-オン、3-p-トルエンスルホニルオキシイミノブタン-2-オン及び2-エトキシカルボニルオキシイミノ-1-フェニルプロパン-1-オン等が挙げられる。
【0028】
トリアジンラジカル開始剤としては、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-(2-ヒドロキシ-3-トリデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-(2-エチル)ヘキシル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2-ヒドロキシ-4-ブチルオキシフェニル)-6-(2,4-ビス-ブチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン及び2-(2-ヒドロキシ-4-[1-オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)-4,6-ビス(4-フェニルフェニル)-1,3,5-トリアジン等が挙げられる。
【0029】
ベンゾトリアゾールラジカル開始剤としては、2-[2’-ヒドロキシ-5’-(メタクリロイルオキシメチル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-5’-(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-5’-(メタクリロイルオキシプロピル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-5’-(メタクリロイルオキシヘキシル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-5’-tert-ブチル-3’-(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-5’-(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]-5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-5’-(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]-5-メトキシ-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-5’-(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]-5-シアノ-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-5’-(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]-5-tert-ブチル-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-5’-(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]-5-ニトロ-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、ベンゼンプロパン酸-3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-,C7~9-ブランチ直鎖アルキルエステル、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール及び2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール等が挙げられる。
【0030】
ベンゾフェノンラジカル開始剤としては、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-アセトキシエトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン及び2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシ-5,5’-ジスルホベンゾフェノン・2ナトリウム塩等が挙げられる。
チオキサントンラジカル開始剤としては、2,4-ジエチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン及び2-クロロチオキサントン等が挙げられる。
【0031】
熱重合開始剤としては、有機過酸化物開始剤、アゾ開始剤が挙げられる。
有機過酸化物開始剤としては、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)2-メチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2-ビス(4,4-ジ-ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロドデカン、ジラウロイルパーオキサイド、t-ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシマレイン酸、t-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシラウレート、t-ブチルパーオキシピバレート、t-ヘキシルパーオキシピバレート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(m-トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキシルモノカーボネート、t-ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルパーオキシアセテート、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)ブタン、t-ブチルパーオキシベンゾエート、n-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)バレレート、ジ-t-ブチルパーオキシイソフタレート、α、α’-ビス(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、p-メンタンハイドロパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t-ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、1,1,3,3-テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t-ヘキシルハイドロパーオキサイド及びt-ブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
アゾ開始剤としては、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、2-(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2-フェニルアゾ-4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル、アゾジ-t-オクタン及びアゾジ-t-ブタン等が挙げられる。
【0032】
酸化防止剤としては、フェノール化合物〔単環フェノール(2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール等)、ビスフェノール[2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)等]、多環フェノール[1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン等]等〕、硫黄化合物(ジラウリル3,3’-チオジプロピオネート等)、リン化合物(トリフェニルホスファイト等)、アミン化合物(オクチル化ジフェニルアミン等)等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール[2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等]、ベンゾフェノン[2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン等]、サリチレート[フェニルサリチレート等]、アクリレート[2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート等]等が挙げられる。
レベリング剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素界面活性剤及びシリコン界面活性剤等が挙げられる。
カール抑制剤としては、ポリエチレングリコールジ安息香酸エステル、ポリプロピレンジ安息香酸エステル等が挙げられる。
【0033】
添加剤の合計含有量は、水蒸気バリア性及び接着性の観点から、(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)の合計重量に基づいて、好ましくは20重量%以下であり、更に好ましくは0.5~5重量%であり、特に好ましくは0.5~2重量%である。
【0034】
本発明のアクリル接着剤の製造方法は、芳香環を2~4つ有する1官能(メタ)アクリルモノマー(A)、芳香環を2~4つ有する2官能(メタ)アクリルモノマー(B)、炭素数1~8のアルキル鎖を有するアルキル(メタ)アクリレート(D)を混合し、混合した液へ構成単量体の80重量%以上がスチレンであるポリマー(C)を溶解させる工程、ポリマーを溶解させた混合した液へ層状珪酸塩(E)を公知の機械的混合方法(メカニカルスターラー及びマグネティックスターラー等を用いる方法)を用いて混合することで、製造することができる。
【0035】
本発明のアクリル接着剤は、硬化させることで硬化物を製造することができる。
例えば、フィルム上に前記アクリル接着剤を必要により光重合開始剤と混合したものを塗工し、塗工したフィルムへ光又は熱を加えることで、硬化させて製造することができる。
【実施例0036】
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0037】
<製造例1:ポリマー(C-1)>
オートクレーブにキシレン250重量部を仕込み、窒素で置換した後、撹拌下密閉状態で200℃まで昇温した。スチレン500重量部、ジ-t-ブチルパーオキサイド10重量部及びキシレン110重量部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を200℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合させた。更に同温度で1時間保ち重合を完結させ、次にキシレンを溜去しながら170℃に昇温した後、減圧とした。圧力1kPa以下で脱溶剤を継続し、ポリマー中のキシレン含量が400ppm以下であることを確認し、ポリマー(C-1)を得た。得られたポリマー(C-1)は、構成単量体の100重量%がスチレンであり、ポリマー(C-1)のMwは5,000であった。
【0038】
<製造例2:ポリマー(C-2)>
オートクレーブにキシレン250重量部を仕込み、窒素で置換した後、撹拌下密閉状態で200℃まで昇温した。スチレン500重量部、ジ-t-ブチルパーオキサイド5重量部及びキシレン110重量部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を200℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合させた。更に同温度で1時間保ち重合を完結させ、次にキシレンを溜去しながら170℃に昇温した後、減圧とした。圧力1kPa以下で脱溶剤を継続し、ポリマー中のキシレン含量が400ppm以下であることを確認し、ポリマー(C-2)を得た。得られたポリマー(C-2)は、構成単量体の100重量%がスチレンであり、ポリマー(C-2)のMwは10,000であった。
【0039】
<製造例3:ポリマー(C-3)>
オートクレーブにキシレン250重量部を仕込み、窒素で置換した後、撹拌下密閉状態で200℃まで昇温した。スチレン500重量部、ジ-t-ブチルパーオキサイド1重量部及びキシレン110重量部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を200℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合させた。更に同温度で1時間保ち重合を完結させ、次にキシレンを溜去しながら170℃に昇温した後、減圧とした。圧力1kPa以下で脱溶剤を継続し、ポリマー中のキシレン含量が400ppm以下であることを確認し、ポリマー(C-3)を得た。得られたポリマー(C-3)は、構成単量体の100重量%がスチレンであり、ポリマー(C-3)のMwは50,000であった。
【0040】
<製造例4:ポリマー(C-4)>
オートクレーブにキシレン250重量部を仕込み、窒素で置換した後、撹拌下密閉状態で200℃まで昇温した。スチレン400重量部、n-ブチルアクリレート100重量部、ジ-t-ブチルパーオキサイド5重量部及びキシレン110重量部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を200℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合させた。更に同温度で1時間保ち重合を完結させ、次にキシレンを溜去しながら170℃に昇温した後、減圧とした。圧力1kPa以下で脱溶剤を継続し、ポリマー中のキシレン含量が400ppm以下であることを確認し、ポリマー(C-4)を得た。得られたポリマー(C-4)は、構成単量体の80重量%がスチレンであり、ポリマー(C-4)のMwは10,000であった。
【0041】
<製造例5:ポリマー(C-5)>
オートクレーブにキシレン250重量部を仕込み、窒素で置換した後、撹拌下密閉状態で200℃まで昇温した。スチレン450重量部、n-ブチルアクリレート50重量部、ジ-t-ブチルパーオキサイド4.5重量部及びキシレン110重量部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を200℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合させた。更に同温度で1時間保ち重合を完結させ、次にキシレンを溜去しながら170℃に昇温した後、減圧とした。圧力1kPa以下で脱溶剤を継続し、ポリマー中のキシレン含量が400ppm以下であることを確認し、ポリマー(C-5)を得た。得られたポリマー(C-5)は、構成単量体の90重量%がスチレンであり、ポリマー(C-5)のMwは10,000であった。
【0042】
<製造例5:ポリマー(C’-1)>
オートクレーブにキシレン250重量部を仕込み、窒素で置換した後、撹拌下密閉状態で200℃まで昇温した。スチレン350重量部、n-ブチルアクリレート150重量部、ジ-t-ブチルパーオキサイド5重量部及びキシレン110重量部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を200℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合させた。更に同温度で1時間保ち重合を完結させ、次にキシレンを溜去しながら170℃に昇温した後、減圧とした。圧力1kPa以下で脱溶剤を継続し、ポリマー中のキシレン含量が400ppm以下であることを確認し、ポリマー(C’-1)を得た。得られたポリマー(C’-1)は、構成単量体の70重量%がスチレンであり、ポリマー(C’-1)のMwは10,000であった。
【0043】
<製造例6:層状珪酸塩(E-1)>
オートクレーブにメタノール1000重量部を仕込み、次いで層状珪酸であるスメクタイト(スメクトン-ST、クニミネ工業株式会社製)100重量部、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド10重量部を仕込み、室温で6時間攪拌した。次いで遠心分離で固形分を回収後、固形分からメタノールを溜去させることで、トリオクチルメチルアンモニウムカチオンを有するスメクタイトである層状珪酸塩(E-1)を得た。
【0044】
<製造例7:層状珪酸塩(E-2)>
オートクレーブにメタノール1000重量部を仕込み、次いで層状珪酸であるスメクタイト(スメクトン-ST、クニミネ工業株式会社製)100重量部、1-ナフチルアミン塩酸塩10重量部を仕込み、室温で6時間攪拌した。次いで遠心分離で固形分を回収後、固形分からメタノールを溜去させることで、1-ナフチルアミンを有するスメクタイトである層状珪酸塩(E-2)を得た。
【0045】
<実施例1~23及び比較例1~13>
表1に記載の各原料を表1に記載の配合部数(重量部)に従い、芳香環を2~4つ有する1官能(メタ)アクリルモノマー(A)、芳香環を2~4つ有する2官能(メタ)アクリルモノマー(B)、炭素数1~8のアルキル鎖を有するアルキル(メタ)アクリレート(D)及び必要によりその他モノマー(F)を混合し、混合した液へ構成単量体の80重量%以上がスチレンであるポリマー(C)を室温で溶解させた後、層状珪酸塩(E)を加えてホモディスパーで混合することで、実施例1~23及び比較例1~13のアクリル接着剤を得た。
アクリル接着剤を以下の方法で評価した結果を表1及び2に示した。
なお、表中、ビスフェノールAのEO付加物(4モル)ジアクリレートはビスフェノールAにEOを4モル付加したものとアクリル酸とのジエステルである。
【0046】
<水蒸気バリア性試験>
各アクリル接着剤98重量部、光重合開始剤(2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルホスフィンオキサイド[商品名:Omnirad TPO H、IGM Resins B.V.社製])2重量部をそれぞれ均一になるまで混合した後、ポリプロピレンフィルムに、アプリケーターを用いて塗布した。続いて、LED光源紫外線照射装置[型番「FJ100 150×20 385、phoseon TECHNOLOGY(株)製、照射波長 385nm]を使用して照射強度1500mW/cm2、露光量は500mJ/cm2で露光し、ポリプロピレンフィルムから剥離する事で、膜厚100μmの評価用サンプルを作成した。評価用サンプルをJIS Z 0208に従って、40℃90%RH24時間後の透湿度をカップ法で測定した。
【0047】
<接着性試験>
各アクリル接着剤98重量部、光重合開始剤(2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルホスフィンオキサイド[商品名:Omnirad TPO H、IGM Resins B.V.社製])2重量部をそれぞれ均一になるまで混合した後、表面処理を施した厚さ100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム[商品名:コスモシャインA4300、東洋紡(株)製]に、アプリケーターを用いて塗布した。続いて、LED光源紫外線照射装置[型番「FJ100 150×20 385、phoseon TECHNOLOGY(株)製、照射波長 385nm]を使用して照射強度1500mW/cm2、露光量は500mJ/cm2にて露光し、膜厚100μmの評価用サンプルを作成した。得られた評価用サンプルを23℃、相対湿度50%の環境下で24時間静置した後、基材上の硬化塗膜を2mm×2mmの碁盤目(100個)に、厚み0.35mm30°のカッターナイフでクロスカットし、この上にセロハン粘着テープ(ニチバン製CT1535-5P)を張り付けて、90度剥離を行い、基材からの硬化物の剥離状態を目視で観察した。1サンプルにつき2箇所の碁盤目を作成して評価し、硬化物が剥がれずに基材に密着しているマス目の個数の平均値を求めた。97以上であることが必要であり、100であることが好ましい。
【0048】
<TACフィルムへの塗工時の水蒸気バリア性試験>
各アクリル接着剤98重量部、光重合開始剤(2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルホスフィンオキサイド[商品名:Omnirad TPO H、IGM Resins B.V.社製])2重量部をそれぞれ均一になるまで混合した後、厚さ40μmのTAC(トリアセチルセルロース)フィルム[富士フイルム(株)製トリアセチルセルロースフィルム「TD80UL」]、アプリケーターを用いて塗布した。続いて、LED光源紫外線照射装置[型番「FJ100 150×20 385、phoseon TECHNOLOGY(株)製、照射波長 385nm]を使用して照射強度1500mW/cm2、露光量は500mJ/cm2で露光し、膜厚100μmの接着剤の硬化物層を持つTACフィルムを作成した。各TACフィルムをJIS Z 0208に従って、40℃90%RH24時間後の透湿度をカップ法で測定した。
<TACフィルムへの塗工時の接着性試験>
各アクリル接着剤、光重合開始剤(2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルホスフィンオキサイド[商品名:Omnirad TPO H、IGM Resins B.V.社製])2重量部をそれぞれ均一になるまで混合した後、厚さ40μmのTAC(トリアセチルセルロース)フィルム[富士フイルム(株)製トリアセチルセルロースフィルム「TD80UL」]、アプリケーターを用いて塗布した。続いて、LED光源紫外線照射装置[型番「FJ100 150×20 385、phoseon TECHNOLOGY(株)製、照射波長 385nm]を使用して照射強度1500mW/cm2、露光量は500mJ/cm2で露光することによって、膜厚100μmの接着剤の硬化物層を持つTACフィルムを作成した。各TACフィルムを23℃、相対湿度50%の環境下で24時間静置した後、基材上の硬化塗膜を2mm×2mmの碁盤目(100個)に厚み0.35mm30°のカッターナイフでクロスカットし、この上にセロハン粘着テープ(ニチバン製CT1535-5P)を張り付けて、90度剥離を行い、基材からの硬化物の剥離状態を目視で観察した。1サンプルにつき2箇所の碁盤目を作成して評価し、硬化物が剥がれずに基材に密着しているマス目の個数の平均値を求めた。97以上であることが必要であり、100であることが好ましい。
【0049】
【0050】